JP2005295236A - 通信装置 - Google Patents

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裕之 篠田
Kazunori Sakai
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Abstract

【課題】 2次元的に一様に配置されていない通信素子に対して、基準素子までの経路を適切に設定する技術を提案する。
【解決手段】 本発明の通信装置において、基準素子が、周辺の通信素子に対して相対座標決定パケットを送信し、各通信素子は、相対座標決定パケットを受信すると、自身の連鎖相対座標を決定して、相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信することで、基準素子との間の相対的な座標データを設定していく。相対座標を決定した通信素子は、所定のタイミングで、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信し、そのパケットを受け取った通信素子は、その中継素子を経由する基準素子までの経路を定めた連鎖相対座標を取得する。
【選択図】図23

Description

本発明は通信を行う通信技術に関し、特に通信を行う装置に関する。
LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークにおいて、複数の通信端末が同軸ケーブルや光ファイバなどにより接続されている。これらの通信端末は、ネットワーク中のアドレスを指定することにより、所望の通信端末に信号を伝達する。従来のネットワークは、通信端末同士を有線にて接続することが一般であり、近年では、これを無線で接続するシステムも提案されている。例えば、移動デバイスであるノードの全てが所定の伝送半径をもち、ノード間で無線通信を行うアドホックネットワークが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1とは全く異なるアプローチとして、個別の配線を形成することなく、複数の通信素子が信号を中継することにより信号を伝達する通信装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、通信素子が自身の位置を示す座標を保持することで、複数の通信素子が信号を中継することにより信号を伝達する通信装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−268127号公報 特開2003−188882号公報 特開2004−80219号公報
従来の通信ネットワークや実装基板においては端末や素子などを1本の個別配線により一対一の関係で物理的に接続しているため、仮に1本しかない配線が切断された場合には信号を伝達することができなくなり、通信機能が停止する事態も生じうる。また、個々の物理的配線をひくことが面倒であったり、スペースの関係で困難を極める場合もある。特許文献2は、そのような事態を解消する通信装置につき提案しており、優れた効果的な技術であるといえる。特許文献2では、複数の通信素子を基板中に埋設した通信装置について開示しているが、効率的な通信を行うためには、まだ改善の余地がある。
特許文献3は、各通信素子が座標を保持することで、その座標をもとに信号を伝達する通信装置について開示する。さらに、特許文献3は、自律的に座標を設定する通信装置についても開示する。しかしながら、特許文献3による通信装置によると、通信素子が均一に配置されている場合には効率的に座標を設定することが可能であるが、通信素子の存在する範囲が空間的に入り組んでいるような場合には、各通信素子に対して適切に座標を割り当てることが困難な場合も生じうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規な通信装置に関する技術を提供することにあり、特に通信素子の座標を設定する技術を提供することにある。さらに、本発明の目的は、従来の通信技術とは異なる新規な通信技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、通信素子は、中継素子として機能する少なくとも1つの通信素子を経由して基準素子との間で信号を伝達し、各通信素子は、基準素子への経路上に存在する自分に最も近い中継素子との間の相対的な座標データを有し、この相対的な座標データを用いて、基準素子に対して信号を伝達する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、絶対的な座標データではなく、相対的な座標データを用いて、通信素子から基準素子に信号を伝達することが可能となる。
通信素子は、隣接する通信素子から送られてきた信号を受信すると、自身の相対的な座標データにしたがって、信号を他の隣接する通信素子に送信してもよい。また相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向が予め定められていることが好ましい。通信素子がX軸およびY軸で表現される2次元上に配置されており、相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向は、先にX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に信号を伝達した後、Y軸方向またはX軸方向の他方に信号を伝達することが好ましい。
本発明の別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、基準素子は、中継素子として機能する少なくとも1つの通信素子を経由して所期の通信素子との間で信号を伝達し、基準素子は、所期の通信素子への経路上に存在する中継素子間の相対的な座標データを有し、この相対的な座標データを用いて、所期の基準素子との間で信号を伝達する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、絶対的な座標データではなく、相対的な座標データを用いて、基準素子から所期の通信素子に信号を伝達することが可能となる。
経路上に存在する通信素子は、信号に含まれる相対的な座標データにしたがって、信号を隣接する通信素子に伝達してもよい。また相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向が予め定められていることが好ましい。通信素子がX軸およびY軸で表現される2次元上に配置されており、相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向は、先にX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に信号を伝達した後、Y軸方向またはX軸方向の他方に信号を伝達することが好ましい。
本発明の別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、基準素子は、周辺の通信素子に対して相対座標決定パケットを送信し、各通信素子は、相対座標決定パケットを受信すると、自身の相対座標を決定して、相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信することで、基準素子との間の相対的な座標データを設定していき、相対座標を決定した通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、必要な場合に中継素子を設定することができるため、相対座標データを効率的に設定することが可能となる。
通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを送信するとき、そのパケット中に、自身を相対座標の基準とする座標データを含ませてもよい。また、通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを送信するとき、そのパケット中に含まれる中継数を1インクリメントしてもよい。通信素子は、相対座標決定パケットから、中継素子からの相対的な座標データを取得することが可能となる。
なお、本発明の表現を装置、方法で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によると、効率よく通信を実現する通信装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施例に係る通信技術の方式を説明するための図である。この通信方式を連鎖伝達型の通信方式と呼ぶ。小さな円で示す複数の通信素子が空間内に分散して配置されている状態が示される。各通信素子は、その周辺に配置された他の通信素子に対して信号を伝達する局所的な通信機能を有する。この局所的な通信により隣り合う通信素子間で信号を順次連鎖的に中継し、最終目的地である通信素子まで信号を伝達する。
信号の送信元が通信素子200aであり、最終目的地が通信素子200bである場合、連鎖伝達型通信方式によると、信号が通信素子200aから通信素子200cおよび200dを介して通信素子200bに伝達される。信号の伝達方法としては、例えば通信素子200aが、信号が届く範囲にある周辺の全ての通信素子に信号を伝達し、この信号を受けた全ての通信素子が更に周辺の通信素子に信号を伝達することによって、信号を最終目的地まで同心円状に伝達させてもよい。さらに好ましい方法としては、通信素子200aおよび200b間の経路を予めまたはリアルタイムで設定し、この経路により特定の通信素子のみを介して信号を伝達してもよい。特に後者の方法を採用する場合には、信号伝達に必要な通信素子のみが発信するため、電力消費を少なくすることができ、また他の通信素子の通信に対する干渉を低減することも可能となる。
空間内に複数の通信素子が存在し、この空間内には通信素子間を物理的に接続するための個別配線が形成されていなくてよい。例えば、これらの通信素子は、平坦な導電層または導電性基板、交流信号を伝達可能な電磁作用伝達層などに接続されてもよく、また無線により信号の送受が行えるように構成されてもよい。信号の送信は、導電層における電荷の放出により実現されてもよく、また光や電磁波を放出することにより実現されてもよい。ここで通信素子は、チップとして構成されるものに限定されず、本発明の実施例において説明する通信機能を備えたものを含む概念であり、その形態および形状は問わない。
各通信素子は、信号の伝達可能な距離(以下、「有効通信距離」とも呼ぶ)を比較的短く設定されていることが好ましい。信号の通信距離を長くすることは、それだけ電力消費量を大きくし且つ通信に寄与しない他の通信素子に対して悪影響を及ぼす可能性がある。連鎖伝達型の通信方式によると、自身の近傍に存在する通信素子に信号を伝達できれば十分であるため、有効通信距離は周辺の通信素子までの平均距離に応じて設定されることが好ましい。
本発明の通信技術は、様々な用途に応用することができる。例えば、LSIやメモリなどの電子部品(回路素子)に本発明の通信機能をもたせることによって、各電子部品を個別に配線することなく、複数の電子部品を基板実装する技術を提供することが可能である。これとは別に、網の目上に張り巡らされた配線上に通信素子を配設する、従来とは異なる設計思想をベースとする新規な通信実装技術を提供することもできる。また、近年、皮膚の感覚を持つロボットの研究が盛んに行われているが、ロボットの触覚センサに本発明の通信機能をもたせ、触覚センサの検知情報をロボットの頭脳コンピュータに送信する技術を提供することも可能である。また建物の床に本発明の通信機能を有するセンサを点在させることにより、一人暮らしの老人の行動を監視したり、留守中の防犯に役立てることも可能である。また、発光素子に本発明の通信機能をもたせることにより、布状の表示装置などを製造することも可能となる。また、タグに本発明の通信機能をもたせるか、本発明の通信装置との交信機能をもたせることにより、安価で精度のよい情報の読み取りを可能とするタグを作製することも可能となる。さらに無線通信素子に本発明の通信機能をもたせて例えばコンピュータにそれを装備させ、無線通信素子の近傍に相手方のコンピュータの無線通信素子を配置することによって、コンピュータ間の情報の送受信を容易に行うことも可能となる。また自動車の導電性内壁に本発明の通信機能を備えた通信素子を埋め込み、煩わしい個別配線を不要とした通信装置を実現することも可能となる。なお、後述するように、通信素子をコネクタと通信用LSIなどから構成することで、任意の機能をもたせた通信装置をフレキシブルに実現することも可能となる。
この通信技術は、比較的短い距離に配置された通信素子間で信号を伝達するため、距離による信号の減衰および劣化が少なく、高いスループットでノード数によらない高速伝送を可能とする。また空間内に多くの通信素子を分散して配置させることにより、センサなどの所定の機能をもつチップとの情報交換媒体として広範囲の信号伝達領域を実現する。また、通信素子を比較的自由な位置に配置することができるため、簡易な設計により所望の機能を備えた人工皮膚や表示装置などを生成することも可能である。また従来型の素子同士を個別に接続する配線に関する基板回路設計を不要とし、少ないプロセスで基板回路を製造することも可能である。通信素子を導電層で挟持する場合には電磁ノイズ放射がなくなるため、特に病院などの公共性の高い場所においてはその有用性が高い。さらに、導電層などに障害が生じた場合であっても、チップ間の経路を再設定することができ、新たな通信経路を確立することができるという自己修復機能もあわせ持つ。
図2は、本発明の実施例にかかる通信装置100の外観構成の概要を示す図である。この通信装置100においては、複数の通信素子200が信号伝送用の基板装置14に接続される。基板装置14は、開口部80を複数備えて構成され、この開口部80に通信素子200が挿入されることで、通信装置100の通信機能を実現する。基板装置14は、信号を伝達するための信号伝達層(「信号層」とも呼ぶ)、電源層および接地層などを含んだ積層構造を備えて構成される。なお接地層は、信号伝達層としての役割を担ってもよい。開口部80において、これらの層は外部に露出しており、通信素子200を押し込んで固定することにより、通信素子200と各層との電気的接続が行われる。なお基板装置14は、接地層ないしは電源層を備えず、接地層ないしは電源層として機能する導電体に接続してもよい。例えば、金属で構成される板状部材に基板装置14を貼り付け、この板状部材を接地し、又は板状部材に電荷を供給することで、導電性の板状部材を接地層ないしは電源層としても機能させることも可能である。
通信素子200は、開口部80に嵌合されて基板装置14の積層構造において接続するべき層に電気的に接続するコネクタと、コネクタに電気的に接続する電極を備えた通信用LSIを含んで構成されてもよい。コネクタと通信用LSIは別体として構成されてもよいが、一体として形成されてもよい。この例では、基板装置14が二次元的に一面に広がった構成を有しているが、帯状に一次元的に広がった構成を有してもよい。なお、コネクタは、基板装置14の開口部において、接続するべき層の露出部分に電気的に接続するように予め設けられていてもよく、その場合には、基板装置14は、コネクタ付き基板装置として構成されることになる。コネクタ付き基板装置に通信素子200を接続し、これにより通信装置100が実現されてもよい。なお、この場合、通信素子200は通信用LSIにより構成されてもよく、また、基板装置14に設けられたコネクタと接続するコネクタと通信用LSIを備えて構成されてもよい。
例えば、本発明による通信装置100をロボットの表面を覆う人工皮膚として応用する場合、基板装置14を導電性のゴム材料により形成することが好ましい。可撓性のあるゴム材料で人工皮膚を形成することにより、この人工皮膚はロボットの動作に合せて自在に伸縮することが可能となる。また、個別配線が存在せず、伸縮性のある基板装置14を介して信号を伝達するため、断線などにより通信機能に障害が生じる可能性を低減し、安定した通信能力を提供することも可能となる。また、本発明による通信装置100を回路基板として応用する場合、基板装置14を導電性のゴム材料あるいは導電性繊維で形成することによって、フレキシブルな回路基板を実現することも可能となる。なお、前記したように、基板装置14が積層構造を有する場合には、各層が導電性のゴム材料あるいは導電性繊維で構成されて、全体として可撓性を有することが好ましい。なお、網の目状に形成された配線に通信素子200を接続し、これらの通信素子間で信号伝達することで、安定した通信能力を提供することも可能である。なお網の目状の配線は、通信素子200間を個別に接続する配線ではない。網の目状の配線を形成することで、通信経路の再設定が可能であり、したがって断線などによる障害が生じる可能性を低減することができる。
各通信素子200は通信機能以外に、さらに他の機能を有していてもよい。通信装置100をロボットの人工皮膚として応用する場合には、通信素子200のいくつかが触覚センサとしての機能も有し、外部から受けた刺激を検出した後、他の通信素子と協同して検出した信号を目的の通信素子まで伝達する。また通信装置100を基板の実装技術として応用する場合には、通信素子200が、例えば演算機能をもつLSIやメモリなどの回路素子としての機能を有してもよい。このように、本明細書において「通信装置」は少なくとも通信機能を有する装置の意味で用い、これに付加した他の機能、例えば人工皮膚としてのセンサ機能や電子回路としての演算機能などを有してもよく、またCPUやメモリを含むマイクロコンピュータを含んでもよい。
図3は、通信素子200の機能ブロック図である。通信素子200は、通信部50、処理部60およびメモリ70を備える通信回路250を有する。メモリ70は、レジスタとして構成されてもよい。通信部50は、基板装置14(図2参照)を介して、他の通信素子との間で信号の送受を行う。処理部60は、通信素子200の通信機能を制御する。具体的に処理部60は、周囲の信号の監視、受信信号の解析や、送信信号の生成および送信タイミングの制御など、他の通信素子200との間の信号伝達に関する行為を行う。また処理部60は、センサ機能や演算機能など通信機能以外の他の機能を実現してもよい。メモリ70は、通信機能や他の機能を実現するために必要な情報を予め記録し、また必要に応じて記録していく。通信素子200がコネクタと通信用LSIとから構成される場合は、通信用LSIが上記の機能を実現する。
通信装置100は、以下に示すように、形態および構造の観点から、様々な態様にて実現することが可能である。通信装置100の代表的な形態として、(1)サイト分割型、(2)連続型、(3)境界配置型の3種類について説明する。
(1)サイト分割型
図4(a)は、サイト分割型の通信装置100の上面図を示す。通信装置100の通信シート202において、通信を実現するための通信層が、複数のサイト210に分割されている。通信シート202は、図2に示す基板装置14に対応する。サイト210には、通信素子200が配置される。なお、図示の例では、1つの通信素子200がサイト210の中央部分に配置されているが、中央部分以外の領域に配置されてもよく、また複数の通信素子200がサイト210内に配置されてもよい。サイト210内は良導体からなる層で構成され、隣接するサイト210間は隣接結合用抵抗体で電気的に接続されている。したがって、通信素子200が発信した場合、そのサイト210内で生じる電圧降下は微小であり、そのサイト210から隣接サイトに信号が伝達される際に、隣接結合用抵抗体により信号が減衰されて伝達される。隣接サイトに隣接するサイト、すなわち発信元のサイト210から2つ隣のサイト210には、さらに信号が減衰されて伝達されることになる。隣接結合用抵抗体を適宜設定することで、信号が伝達される範囲を制限することができ、隣接サイトにのみ信号を伝達することが可能となる。各サイト210の良導体層はプルアップ抵抗層によって電源層(または接地層)に接続されている。サイト210は四角形に限らず、任意の形状であってよい。
図4(b)は、通信シート202における通信層の断面図である。なお、通信層は、信号層222、接地層224および電源層220などから構成される。信号層222および接地層224を、信号を伝達するための信号伝達層と呼んでもよい。信号層222は、導電体領域230および隣接結合用抵抗体232とを有する。導電体領域230はサイト210を構成し、導電体領域230よりも高い抵抗値を示す隣接結合用抵抗体232により区画される。導電体領域230(サイト210)は、プルアップ抵抗層234により電源層220に接続されている。このうち一つのサイト(例えば右から2番目)に電位変化を与えた場合、その変化は隣接結合用抵抗体232を介して周囲のサイト210に伝達される。
図5は、通信層の構造、通信層の等価回路および各サイトに生じる電位変化を示す。この等価回路に示されるように、導電体領域230の間には、隣接結合用抵抗体232(R1)が設けられ、また導電体領域230と電源層220は抵抗R2および容量Cにより接続され、導電体領域230と接地層224は容量により接続されている。
各サイト210を良導体で構成し、各サイト間を隣接結合用抵抗体232で接続することにより、発信した通信素子200の近傍の導電体領域230にのみ強い信号が伝達し、離れたサイト210に伝達する信号は、その距離に応じてほぼ指数関数的に減衰していく。各サイト210内を良導体で構成することで、各サイト210における減衰量は小さく、隣接結合用抵抗体232を通過する時に生じる減衰量が大きくなる。そのため、例えば、送信サイトから1つ隣のサイトには信号が伝達するが、さらに1つ隣のサイトには信号が伝達しないように、隣接結合用抵抗体232およびプルアップ抵抗層234の抵抗値を設定することが可能となる。これにより、隣接するサイト210(通信素子200)にのみ、信号を伝達することができる。
なお、等価回路において抵抗R2と並列接続されている導電体領域230と電源層220との間の容量Cと導電体領域230と接地層224の間の容量は、電源層220、接地層224と信号層222とが平行平板コンデンサをなしていることによるものである。抵抗R2のインピーダンスを、使用する信号周波数での容量Cのインピーダンスよりも小さくなるように設定しておくと、送信サイトの隣のサイトに生じる電圧波形は送信波形を抵抗によって分圧したものとなり、例えば矩形波を送信すると受信波も矩形波として観察される。
本実施例のようにプルアップ抵抗層234を信号層222と電源層220(接地層224ではなく)の間に挿入した場合には、無信号時(通信素子200が接続されていない状態)での信号層222の電位は電源電位となる。通信素子200は信号層222から接地層224に電流を流すことによってLレベルを発生する。それを受信する通信素子200は、信号層222の電位が電源層220の電位より一定電圧だけ降下したことをコンパレータで観測し、Lレベルの発生を検出する。
図6は、通信素子200の構造の一例を示す。通信素子200は、電気的接点252、254、256を有し、電気的接点252、254、256は通信シート202の3つの層すなわち電源層220、信号層222、接地層224にそれぞれ電気的に接続する。通信回路250は、各電気的接点252、254、256と配線251、253、255により電気的に接続される。これにより、通信回路250は、各電気的接点252、254、256を通じて、通信シート202を介して信号を送受信することが可能となる。
図7は、通信回路250の回路構造の一例を示す。通信回路250は、受信回路260、送信回路262、制御回路264を有して構成される。受信回路260および送信回路262は、図3に示す通信部50の構成に対応し、制御回路264は、処理部60およびメモリ70の構成に対応する。
通信回路250において、受信回路260はコンパレータを有し、このコンパレータによって信号のH(ハイ)およびL(ロー)を検出する。制御回路(論理回路)264は、受信回路260において検出された信号符号を解釈する。制御回路264は、信号符号を解釈した後、送信信号を決定し、送信回路262を通して信号層222に電圧出力を行なう。
図8は、受信回路260の回路構造の一例を示す。受信回路260において、抵抗r1および抵抗r2の分圧比によって、コンパレータ266で比較する信号の閾値が設定される。閾値は、隣接するサイト210における通信素子200が信号を発信したときにはそれを検出することができ、それよりも遠いサイト210における通信素子200が信号を発信した場合には、それを検出しないように設定される。すなわち、隣接素子の発信は閾値を超えるように、隣接素子以外の素子の発信は閾値を超えないように、抵抗r1および抵抗r2の分圧比が定められる。また抵抗r1と抵抗r2の合成抵抗およびコンパレータ266の入力インピーダンスは、プルアップ抵抗層234のインピーダンスR2よりも十分大きく、受信回路260の存在によって信号電圧が変化しないように設定する。
図9は、送信回路262の回路構造の一例を示す。送信回路262はHレベル、Lレベルおよび高インピーダンスの3状態をとることができる。図中、S1、S2は制御回路264からの制御信号であり、S1およびS2を同時にHとすることでOUTにはLが出力され、S1およびS2を同時にLとすることでOUTにはHが出力される。また、S1をHとし、S2をLとすることで、高インピーダンスとなる。
送信回路262は、自分自身が信号を送信する場合は、LかHを出力し、それ以外の時には高インピーダンス状態にして信号を受信する。なお送信回路262において、nMOSとpMOSにはさまれたダイオードは、出力電圧の振幅を調整するために挿入されている。ダイオードを全て短絡除去すると、OUTのHレベルは電源電位、Lレベルは接地層電位となる。ダイオードを挿入すると、その順方向電圧降下分、Lレベルの電位が高くなる。
以上、サイト分割型の通信装置100の構造および動作を示した。この形態の通信装置100によると、サイト210間で信号を順次中継することができ、効率よい通信を実現することができる。
(2)連続型
上記したサイト分割型の例では、信号層222が、良導層からなる導電体領域230と隣接結合用抵抗体232との2次元パターンに分割されて形成されていたが、2次元面内で抵抗分布をもたない均一な構造をもつ通信層でも、同様の通信素子200によって通信が可能である。
図10(a)は、連続型の通信装置100の上面図を示す。通信装置100の通信シート202には、サイトが設けられておらず、2次元的に均一な抵抗を示す通信層が形成されている。通信シート202において、通信素子200は2次元的に所定の間隔で配置される。具体的には、通信素子200が、有効通信距離の範囲内で、隣接する通信素子200に対して配置されている。
図10(b)は、通信シート202における通信層の断面図である。なお、通信層は、信号層222、接地層224および電源層220などから構成される。サイト分割型の通信装置100においては、信号層222が導電体領域230と隣接結合用抵抗体232とで形成されていたが、連続型の通信装置100においては、信号層222が、略一様な抵抗値をもつ抵抗層として形成される。なお、信号層222は、プルアップ抵抗層234により電源層220に接続されている。
図11(a)は、通信層の構造を示す。通信層は、信号層222および接地層224を有して構成される。電源層220と信号層222の間にはプルアップ抵抗層234が設けられ、信号層222と接地層224の間には絶縁層225が設けられる。
図11(b)は、信号層222のある領域に電圧を印加したとき、その周囲に発生する電圧分布を示す。信号が広がる範囲Dは、信号層222とプルアップ抵抗層234の抵抗率、および信号層222と電源層220および接地層224との間の(単位面積あたりの)容量によって決まる。このDを超える範囲では、信号電圧は距離に対して指数関数的に減衰する。以下、連続型の通信装置100の発信原理を説明する。
図12は、図11(a)に示す5層構造の通信装置100の模式的な構成を示す。この5層構造では、接地層224、絶縁層225、信号層222、プルアップ抵抗層234および電源層220が、この順に積層される。電源層220および接地層224は良導体で構成され、信号層222は、良導体とプルアップ抵抗層234の間の中抵抗値で構成されている。この5層構造において、プルアップ抵抗層234は、高抵抗層として設けられる。また、信号層222および接地層224の間には、絶縁層225が設けられる。この5層構造によって信号層222と接地層224に接続された通信素子200に電力を供給する。プルアップ抵抗層234の体積抵抗率をη[Ωm]、プルアップ抵抗層234の厚さをd[m]とし、絶縁層225の誘電率をε、絶縁層225の厚さをd[m]とする。また信号層222のシート抵抗をρ[Ω](正方形シートを切り出したときの向かい合う辺間の抵抗がρ[Ω]であるような材料と厚みでできた層)とする。
今、通信層に信号源が接続され、信号層222に電流密度I(x,y)が生じたと仮定する。まず簡単のため、図示する通信層の断面に垂直な方向では電流は一様であり、断面に垂直な方向の層の幅は1であるような1次元問題を考える。信号層電位をV(x)、電源層220の電位は一定値VEとすると、信号層222から電源層220に向かって電流密度
Figure 2005295236
なる電流が生じる。ただし以下の解析を簡単にするため、信号電位V(x)は電源電位を基準電位(ゼロ)として表記するものとする。ここで位置xにおいて信号層222の断面を横切る電流をI(x,t)とすれば、(このとき接地層224および電源層220には合計して−I(x,t)が発生している)微小領域[x, x+dx]から単位時間に流出する電荷は、
Figure 2005295236
を満たす。ここでq(x,t)は単位面積あたりの蓄積電荷量である。
いま位置xにおける信号層222の(接地層224に対する)電位V(x,t) は、信号層222の厚みが十分小さければ、
Figure 2005295236
を満たす。C=2ε/dは、信号層−接地層の間の単位面積あたりの容量と、信号層−電源層の間の単位面積あたりの容量の和である(dは信号層222と接地層224との間隔)。
また信号層222の厚みが十分小さく、電流の上下方向分布は一様と仮定できる場合、以下のオーム則
Figure 2005295236
が成り立つ。
上の式(1),(2),(3)および(4)から、Iおよびqを消去すると以下の拡散方程式
Figure 2005295236
を得る。式(4)の一般解は
Figure 2005295236
と与えられる。
いま、高抵抗層であるプルアップ抵抗層234の縦方向抵抗を層間容量のインピーダンスより小さく設定する、すなわち
Figure 2005295236
と設定する。ここで例えばx=0に電圧源を接続し、強制的に
Figure 2005295236
なる交流電圧を与えると、遠方で発散しない解を組み合わせた以下の関数が電圧分布を与える。
Figure 2005295236
この式より、電圧印加点から一定の距離
Figure 2005295236
程度以内においては有意に電圧が追従し、それより離れたところでの電圧振幅は指数関数的に減少する。
上記は1次元問題の解析であるが、2次元問題へは次のように拡張される。まず電流密度ベクトルI(x,y,t)に対し式(2)は、
Figure 2005295236
のように変更され、式(4)は
Figure 2005295236
と書き換えられる。この2つの式と式(1)および式(3)から、V(x,y,t)に対する2次元拡散方程式
Figure 2005295236
が得られる。
図13(a)および図13(b)に示すように、半径r0の円形電極を、中心が原点(x,y)=(0,0)に一致するように配置する。電圧V0(t)を印加したときの解は、ωC<<1/(ηd)のとき、式(9)と同じ定義のDを用いて、
Figure 2005295236
のように与えられる。ここでrは原点からの距離
Figure 2005295236
である。J0,N0はそれぞれ0次のベッセル関数およびノイマン関数であり、jは虚数単位である。rがDより小さい範囲では対数関数で近似され、Dと同程度以上の範囲では指数関数的に減衰する。したがって、例えば信号層222のシート抵抗値などを適切に設定することによって、所望の有効通信距離を得ることが可能となる。
以上、連続型の通信装置100の構造および動作を示した。この形態の通信装置100によると、通信素子200間で信号を順次中継することができ、効率よい通信を実現することができる。
上記した通信装置100の形態においては、通信素子200は電源層220、信号層222、接地層224の3層に電気的接触を行なう。この接触形態を3層接点方式とよぶ。通信素子200の実装をより簡単に行なうため、信号層222と接地層224への2点のみの接触で通信素子200を動作させることも可能である。2点のみの電気的接触を行う形態を、2層接点方式とよぶ。
図14(a)は、サイト分割型の通信装置100の断面図を示す。通信素子200が、信号層222における導電体領域230と接地層224との間に挟まれる。すなわち、通信素子200は、信号層222と接地層224の2層と接触し、電源層220とは接触しない。2層接点方式によると、通信素子200の通信シート202への実装が容易となる利点がある。
図14(b)は、連続型の通信装置100の断面図を示す。通信素子200は、信号層222と接地層224の間に挟まれる。すなわち、通信素子200は、信号層222と接地層224の2層と接触し、電源層220とは接触しない。2層接点方式によると、通信素子200の通信シート202への実装が容易となる利点がある。
図15は、2層接点方式の通信回路250の構成を示す。通信回路250は、受信回路260、送信回路262、制御回路264を有して構成される。受信回路260および送信回路262は、図3に示す通信部50の構成に対応し、制御回路264は、処理部60およびメモリ70の構成に対応する。
通信回路250が動作するための電圧は、信号層222から供給される。信号層222からダイオードと抵抗を通ってコンデンサに電荷が蓄積され、それが通信回路250内の電源VDDとなり、受信回路260、送信回路262、制御回路264が動作する。
ある通信素子200に注目したとき、その通信素子200が信号電位Lを送出している時間の合計TLを、通信時間全体T0の1/n以下、すなわちTL <T0/n になるようにパケットの転送頻度を調整しておくこととする。また、そのときの回路の平均消費電流をIとする。パケットの最小発生間隔よりも図15中のCEとRの時定数CERが十分大きくなり、かつRは信号層へ信号を送出する際の負荷インピーダンス(サイト分割方式の場合の等価回路中R2の程度)より十分大きくなるように設定する。このとき、通信素子200のコンデンサ両端の電圧Vは、電源層の電位VEに対し、
Figure 2005295236
で与えられる。ここでvDはダイオードの順方向電圧降下であり、T0/TLの下限nは十分大きく設定した。このVが回路に必要とされる電源電圧を越えるようにパラメータが選択される。
図16は、送信回路262の構成を示す。送信回路262において、OUTが、信号層222に接続される。送信回路262へ供給されている電源電圧が信号層222の電位を下回る場合があり、その時は正常な動作が行えなく恐れがあるため、pMOSが取り除いてある。したがって信号の立ち上がり時に回路から信号層222に電流は供給されなくなる。その場合でも、信号層自身の抵抗によって正しくプルアップされるための条件は、サイト分割式の場合はR2がその並列容量のインピーダンスより小さく設定してあることであり、連続型通信層の場合には、式(7)の条件が成立することである。
図17は、受信回路260の構成を示す。受信回路260は、VとVEの電圧差を補償する信号Hレベル保持回路267を前段に挿入する。信号Hレベル保持回路267において、CHとr1+r2の時定数を、通信信号のLレベルの継続時間より十分大きくとっておくことで、信号層222のHレベルをCHの端子に保持する。r0=r1+r2としておくと、信号がHのときのr0端子電圧と、CHの端子電圧は等しい。r1とr2の比率によって閾値を設定しておくと、信号層電位のわずかな降下を安定に検出することができる。
(3)境界配置型
(1)において示したサイト分割型通信層を利用する通信装置100において、通信素子200をサイト210の境界をまたぐように配置する構成をとることも可能である。境界配置型の通信装置100においては、サイト210の境界は絶縁されており、サイト間を電気的に接続する隣接結合用抵抗体232は用いられない。境界配置型の通信装置100においては、サイト210の境界を絶縁することで、隣接サイト間での信号の減衰を利用した信号伝達を行うのではなく、絶縁された2つ以上のサイトに対して通信素子200が電気的に接続することで、通信素子200が、サイト間の信号を中継することで、信号伝達を行う。
図18(a)は、境界配置型の通信装置100の上面図である。通信素子200が、サイト210間の境界に配置される。サイト210は良導層により構成され、サイト210の間は絶縁されている。
図18(b)は、境界配置型の通信装置100の断面図である。この通信装置100において、通信素子200は、3層接点方式により通信シート202に接続されている。導電体領域230の間は絶縁されている。各通信素子200は、2つのサイト210に対して独立な2点で電気的接触を行い、一方のサイト210で検出した信号を他方のサイト210に転送することで信号を伝達する。
図19は、通信素子200の構造の一例を示す。通信素子200は、電気的接点252、254、256、258を有する。電気的接点252および電気的接点256は、それぞれ電源層220および接地層224に電気的に接続する。電気的接点254はサイト境界における一方のサイト210の信号層222に電気的に接続し、電気的接点258は、サイト境界における他方のサイト210の信号層222に電気的に接続する。このように、境界配置型の通信素子200は、通信シート202の信号層222に対して、少なくとも2つの電気的接点254、258を有して構成される。通信回路250は、各電気的接点252、254、256、258と、配線251、253、255、257により電気的に接続される。これにより、通信回路250は、各電気的接点252、254、256、258を通じて、通信シート202を介して信号を送受信することが可能となる。なお、例えば、通信素子200は、4つのサイト210と接続するように配置されてもよく、その場合は、4つのサイト210の導電体領域230とそれぞれ独立して電気的に接続する4つの電気的接点を有して構成されることになる。
図20は、通信回路250の回路構造の一例を示す。通信回路250は、受信回路260、送信回路262、制御回路264を有して構成される。受信回路260および送信回路262は、図3に示す通信部50の構成に対応し、制御回路264は、処理部60およびメモリ70の構成に対応する。
受信回路260および送信回路262は、2つの導電体領域230に接続される各ポートに対して、それぞれ独立に受信および送信を行うことができる。この例では、信号層222における2つの導電体領域230(「信号層1」「信号層2」と表記)に対して、受信回路260および送信回路262が、独立して信号の送受信を実行できる。なお、各ポートのそれぞれについての受信回路260および送信回路262の構造は既述の3層接点方式のものと同一である。
図21は、2層接点方式による境界配置型の通信装置100の断面図を示す。2層接点方式においては、通信素子200が、信号層222においてサイト分割された導電体領域230の境界に配置される。通信素子200は、信号層222における2つ以上の導電体領域230と接地層224に電気的に接続する。
図22は、通信素子200の通信回路250の構成を示す。この例では、電源供給は、接続する2つのサイト210のうち、一方(信号層1)のみから受ける。各ポートについて受信回路260、送信回路262の構成は、既述の2層接点方式のものと同一である。
以上、境界分割型の通信装置100の構造および動作を示した。この形態の通信装置100によると、通信素子200間で信号を順次中継することができ、効率よい通信を実現することができる。
以上、実施例の通信装置100の形態および構造を説明した。以下では、これらの形態の通信装置100において、各通信素子に座標データを設定して、その座標データを用いて、通信素子間で信号を伝達する技術について説明する。
本発明者が共同発明者として名を連ねる特開2004−80219号公報では、各通信素子に絶対的な座標を設定することで、通信素子間の信号伝達を行う技術が開示されている。これは、通信装置100において、2次元的に一様な密度で通信素子200が配置されている場合に、非常に有効な手法といえる。
しかしながら、通信素子200が一様に配置されていない場合、特開2004−80219号公報に開示された方法では、座標を設定できない通信素子200が発生する可能性がある。また、絶対的な座標しか有しない場合は、所定の通信素子(基準素子)まで、信号を伝達できない場合も発生しうる。そこで、本実施例では、絶対的な座標ではなく、相対的な座標データを用いて、全ての通信素子200に対して、基準素子(原点)までの経路を設定し、基準素子に対して信号を伝達することのできる技術を示す。最初に、相対的な座標データを用いて、通信素子200が信号を基準素子(原点)まで送信する技術について説明する。また、基準素子から所期の通信素子200まで信号を送信する技術についても説明する。
図23は、通信装置100上の通信素子200の関係を模式的に示す。既述したように、通信装置100は、分散して配置された複数の通信素子200を備えて構成される。本実施例において、通信素子200は、中継素子として機能する少なくとも1つの通信素子200を経由して、原点(0,0)に配置される基準素子に対して信号を伝達する。図示のように、前提として、メッシュ状の格子点に通信素子200が配置され、隣接した格子点にパケットを伝達することで信号を伝達する通信装置100を考える。
各通信素子200は、自分の周辺にいる通信素子200、すなわち自分の前後左右の位置関係にある通信素子200に対して、個別に通信素子200を指定して信号を伝達できる。ここでは、各通信素子200は、自分の前後左右を認識する機能をもつことを前提とする。具体的には、各通信素子200は、物理的に信号が前後左右のいずれかから到達した場合に、信号に含まれているIDによって、その信号が前後左右のいずれから送られてきたかを判別できるようにする。例えば、各通信素子200は、前後左右を識別するための相対的な座標IDを有し、これを用いて前後左右の通信素子を識別してもよい。例えば、複数の通信素子200がユニット化され、このユニットの中で、互いの前後左右の関係が把握できるようにしてもよい。また、本実施例において、複数の通信素子200から構成されるユニットが通信の一単位として構成されることも可能であり、この場合には、そのユニット自体が1つの通信素子としての機能をもつことになる。
本発明の通信装置100においては、個別の配線は形成されておらず、したがって、図23に示す格子線は、単に通信素子間の前後左右関係を表現するためのみに記載したものである。既述のように、各通信素子200の有効通信距離は、隣接する通信素子200にのみ、すなわち前後左右に配置される通信素子200にのみ信号が伝達されるように設定されることが好ましい。
図23に示す曲線は、通信素子200が存在する領域を示す。原点(0,0)を中心として、横方向にX軸をとり、縦方向にY軸をとることとする。ここで、各点の通信素子200がもつ情報を原点(0,0)まで集めてくることを考える。例えば、通信装置100を人工皮膚における複数のセンサからの情報伝達のために用いる場合、原点に頭脳を司るCPUが存在し、人工皮膚の各センサが周辺の通信素子200に対応して、それぞれのセンシング結果を原点のCPUに送信する例があげられる。
A点から原点(0,0)へパケット(信号)を送出する場合には、もしA点がなんらかの方法で自分の座標値を知っているならば、原則として、座標が原点に近付くような方向にパケットを順次伝達していけばよい。具体的には、A点が自身の座標値(4,5)を知っている場合に、−X方向に4つの通信素子を経由し、−Y方向に5つの通信素子を経由することで、信号を原点まで伝達することができる。このように、原点までの最短経路を含んだ領域に通信素子200が一様に配置されている場合は、自身のグローバル座標値を保持しておくことで、原点までの経路を設定することができる。
しかしながら、例えばB点からパケットを送出する場合、B点のグローバル座標値を保持しているだけでは例えばP点で行き止まりとなり、自動的に原点までの経路を探し出すのは難しい。
そこで本実施例では、グローバル(絶対的な)な座標(x,y)の代わりに、次のような座標データ(以後これを「連鎖相対座標」とよぶ)を設定する。
<連鎖相対座標>(総点数n)、(x_1, y_1)、(x_2, y_2)・・・(x_n, y_n)
この連鎖相対座標は、原点の基準素子により保持される。原点の基準素子は、全ての通信素子200に対して、この連鎖相対座標をもつことで、所期の通信素子に対して信号を伝達することができる。
ここで「総点数n」は原点から所期の通信素子200の点に到達するまでの中継点の総数である。なお、この例では0番目の中継点として、原点も含めることとしているが、中継点に原点を含めない場合は、(総点数n-1)となる。(x_i, y_i)は、i番目の中継点Piの、i-1番目の中継点Pi-1からの相対座標であり、グローバル座標 (x, y)とは
Figure 2005295236
の関係にある。なお、i番目の中継点Piとは、原点側から所定の点に向かう方向から見た中継点であり、所定の点から原点に向かう方向に経路を考えた場合には、(n-i)番目の中継点となる。したがって、(x_1, y_1)は、通信素子200から見れば、原点と、原点までの経路中に存在する原点の直前に位置する最後の中継素子との間の相対座標データであり、(x_n, y_n)は、通信素子200から見れば、原点までの経路中に存在する当該通信素子200の直後に位置する最初の中継素子と自身との間の相対座標データに相当する。
各通信素子200は、基準素子と(自分から見て)最後の中継素子との間の相対的な座標データを有し、この相対的な座標データを用いて、基準素子との間で信号を伝達することが可能となる。ここで、最後の中継素子とは、既述したように、基準素子への経路上に存在する自分に最も近い中継素子である。各通信素子200は、上記した連鎖相対座標の全てをもつ必要はなく、自身と直近の中継素子との間の相対座標データ、すなわち(x_n, y_n)のみを有していればよい。
(x_i, y_i)は、以下の条件を満たすように選ばれている。
[条件]
中継点Pi-1から中継点Piへは、「x方向へのx_iの移動」に続いて、「y方向へのy_iの移動」によって到達できる。
逆に、連鎖相対座標データを用いて任意の点から原点までパケット(信号)を伝達する場合、パケットは、中継点Piから中継点Pi-1に送信されることになる。このとき、中継点Piから中継点Pi-1へは、「y方向への-y_iの移動」に続いて、「x方向への-x_iの移動」によって到達できる。このように、通信素子200がX軸およびY軸で表現される2次元上に配置されており、相対的な座標データにしたがって基準素子まで信号を伝達する方向は、先にY軸方向に信号を伝達した後、X軸方向に信号を伝達することになる。なお、先にX軸方向に信号を伝達した後、Y軸方向に信号を伝達してもよい。この順番は、連鎖相対座標データの設定手順に依存し、すなわち、上記した条件に依存するものである。このように、中継素子を経由する基準素子と所期の通信素子の間の経路において、相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向を予め定めておくことにより、信号を適切に所望の地点まで伝達することが可能となる。
例えばC点(13,5)の連鎖相対座標は、中継点をAとして
<連鎖相対座標> 2、(4,5)、(9,0)
となる。
この連鎖相対座標によると、中継点が原点も含めて2つ存在し、原点から中継点Aまでの相対座標データが(4,5)、中継点AからC点までの相対座標データが(9,0)であることが示される。
各通信素子200がこのような連鎖相対座標のうち、最後の相対座標データ(C点でいえば(9,0))を知っていれば、任意の点から次のような方法でパケットは原点に到達できる。
まず送信元である通信素子200はパケットに、原点まで送信するべきパケットであることを示す印を埋め込んで、そのパケットを次の中継点に近付くような方向に送信する。中継点に近づくような方向は、相対座標データにしたがって定められる。この例の場合では、まずy_nが0に近付く方向に送信し、もしy_nが0であった場合には、x_nが0に近付く方向に送信する。C点から原点に向けて信号を送信する場合、相対座標データ(9,0)において、y_nが0であるため、Y軸方向には送信せずに、x_nを0に近づく方向、すなわち図23においては左向きに信号を送信する。なお、実際には、通信素子200は前後左右に位置する通信素子200に対して信号を送信し、左側に位置する通信素子200のみが、信号の中継に寄与することになる。
パケットを受け取った通信素子200は、パケットから原点まで送信するべきパケットであることを示す印を検出すると、そのパケットを再度同じアルゴリズムで転送する。この通信素子200の中継点Aに対する相対座標データは(8,0)であり、この相対座標データにしたがって、このパケットを左側の通信素子200に送信する。これを繰り返すことで、信号が中継点Aまで伝達される。
中継点Aの通信素子200は、原点まで送信するべきパケットであることを示す印を検出すると、そのパケットを自身の相対座標データ(4,5)にしたがって送信する。
中継点Aの通信素子200は、まずy_nが0に近付く方向、すなわち1つ下の通信素子200に信号を送信する。これは、y_nが0になるまで、信号は順次下向きに伝達される。y_nが0になったときに、その通信素子200は、相対座標データ(4,0)をもつものとなる。
続いて、各通信素子200がx_nが0に近付く方向に信号を送信することで、信号が原点に到達する。このように、グローバル座標のかわりに連鎖相対座標に含まれる相対座標データを用いることにより、グローバル座標の割付が困難な自由曲面上においても各通信素子200にID(相対座標データ)を割り振り、通信経路を保証することができる。以上のアルゴリズムは、例えばB点やD点に位置する通信素子200についても、同様に適用することができる。
なお、基準素子から所期の通信素子200に信号を送信する場合は、基準素子が、連鎖相対座標を用いて、所期の通信素子200との間で信号を伝達する。既述のように、連鎖相対座標は、所期の通信素子200への経路上に存在する中継素子間の相対的な座標データを含んで構成される。基準素子は、この連鎖相対座標を含んだパケットを送信し、このパケットを受信した通信素子200は、信号に含まれる相対的なデータにしたがって、信号を伝達する。具体的には、通信素子200は、連鎖相対座標に含まれる相対座標データのうち、原点に近い側として設定されている相対座標データにしたがって、信号を隣接する通信素子200に転送していく。経路上に存在する通信素子200は、この処理を繰り返すことによって、パケットを所期の通信素子200まで伝達することが可能となる。
以上は、各通信素子200が相対座標データを有していることを前提としたが、以下では、相対座標データの自動設定する方法について説明する。
本実施例の相対座標データの自動設定方法では、原点に位置する基準素子が、周辺の通信素子200に対して連鎖相対座標決定パケットを送信し、各通信素子200は、連鎖相対座標決定パケットを受信すると、自身の連鎖相対座標を決定して、連鎖相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信する。第1段階として、この処理により、各通信素子200が、基準素子との間の相対的な座標データを設定していく。
第2段階として、相対座標を決定した通信素子200は、所定のタイミングで、自身を中継素子とした連鎖相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信する。これにより、第1段階で相対座標データを設定できなかった通信素子200に、連鎖相対座標決定パケットを送り届けることができるようになり、したがって、通信素子200が2次元上に一様に配置されていないような場合であっても、各通信素子200に対して、原点までの通信経路を適切に設定することが可能となる。
連鎖相対座標は、原点からの一度のブロードキャストで設定できる。ブロードキャストは以下のアルゴリズムで転送される。なお、以下のアルゴリズムの記述において、「連鎖相対座標決定パケット」には、送信する素子の連鎖相対座標と、それが座標決定用のブロードキャストであることを示す符号が埋め込まれている。各通信素子200は、座標決定用のパケットであることを認識することで、相対座標データの設定処理を実行する。なお、これらの処理は、各通信素子200における制御回路264において実行される。
1)座標原点(0,0)の通信素子200は、自分の座標を含めて、周囲4方向に連鎖相対座標決定パケットを送信する。連鎖相対座標決定パケットを受け取った通信素子200は、自分の前後左右どちらの方向から来たパケットであることはわかるので、そこから自分の連鎖相対座標を知ることができる。例えば(1,0)の素子の連鎖相対座標は<1 (1,0)>であり、(0,-1)の素子の連鎖相対座標は<1 (0,-1)>である。各通信素子200は、自分の連鎖相対座標を連鎖相対座標決定パケットに埋め込んで、周囲の通信素子200に送信する。これにより、連鎖相対座標決定パケットを受け取った通信素子200は、自身の連鎖相対座標を取得することができる。
2)なお、連鎖相対座標決定パケットを受け取った通信素子200は、自分の連鎖相対座標の末尾の相対座標、すなわち最も近い中継点からの相対座標(x_n, y_n)のy_nをもとに、連鎖相対座標決定パケットの送信方向を定める。相対値y_nが0であった場合にはx_nの絶対値が大きくなる方向、および+Y方向、−Y方向の両方に、自身の連鎖相対座標を含めた連鎖相対座標決定パケットを送信する。そうでない場合は、y_nの絶対値が大きくなる方向のみに自身の連鎖相対座標を含めた連鎖相対座標決定パケットを転送する。
以上のプロセスによって、「原点からX方向に進んだ後、一度だけ折れ曲がってY方向に進む」ことで到達できる全ての通信素子200に連鎖相対座標が設定される。
3)連鎖相対座標決定パケットを受け取った通信素子200は、一定時間待ったのち、自分の周囲3方向の素子(すなわち自分に連鎖相対座標決定パケットを送信した以外の素子)へ1度だけ、「自分を中継点とした」パケットを送信する。すなわち自分の連鎖相対座標が
n, (x_1, y_1) ・・・ (x_n, y_n)
であった場合、
n+1 (x_1,y_1) ・・・ (x_n, y_n), (0,0)
を自分の相対座標データとして連鎖相対座標決定パケットに埋め込み、送信する。このように、中継素子として連鎖相対座標決定パケットを発信する通信素子200は、そのパケット中に、自身を相対座標の基準とする座標データを含ませ、また中継数である総点数を1インクリメントすることとする。これにより、1)のプロセスにおいて相対座標データを設定できなかった通信素子200に対して、新たに設定した中継素子からの相対座標データを含んだ連鎖相対座標を設定することが可能となる。
4)上記連鎖相対座標決定パケットを受け取った通信素子200は、もし自分の連鎖相対座標がすでに決定している場合、これを無視してもよい。ただし、後から到達した連鎖相対座標決定パケットで、中継素子の総点数が少ないものがあれば、そのパケットから自分の連鎖相対座標を決定しなおしてもよい。もしそれがはじめて受け取ったバケットであった場合、連鎖相対座標決定パケットから、中継素子からの相対的な座標データを取得して、2)および3)の動作を行う。これにより、まだ相対座標データを設定されていない通信素子200を探索し、最終的には全ての通信素子200の相対座標データを設定することも可能となる。
以上のプロセスを繰り返すことにより、有効通信距離の範囲内で隣接する通信素子200と接続している全ての通信素子200に対して唯一の連鎖相対座標を設定することが可能となる。各通信素子200は、原点まで信号を到達させるためには、既述したように自分に最も近い中継素子との間の相対座標データを有していればよい。また、原点から所期の通信素子への信号伝送を実現するためには、基準素子が全ての通信素子200から連鎖相対座標を通知される必要がある。この連鎖相対座標は、基準素子において所期の通信素子への信号伝送用に保持される。以上により、通信装置100において通信素子200が一様に配置されていない場合であっても、基準素子と通信素子間のデータ伝送を効率的に実現することが可能となる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例に係る通信技術の方式を説明するための図である。 本発明の実施例にかかる通信装置の外観構成の概要を示す図である。 通信素子の機能ブロック図である。 (a)は、サイト分割型の通信装置の上面図であり、(b)は、通信層の断面図である。 通信層の構造、通信層の等価回路および各サイトに生じる電位変化を示す図である。 通信素子の構造の一例を示す図である。 通信回路の回路構造の一例を示す図である。 受信回路の回路構造の一例を示す図である。 送信回路の回路構造の一例を示す図である。 (a)は、連続型の通信装置の上面図であり、(b)は、通信層の断面図である。 (a)は、通信層の構造を示す図であり、(b)は、信号層に電圧を印加したときの電圧分布を示す図である。 図11(a)に示す5層構造の通信装置の模式的な構成を示す図である。 円形電極を、中心が原点に一致するように配置した図である。 (a)は、サイト分割型の通信装置の断面図であり、(b)は、連続型の通信装置の断面図である。 2層接点方式の通信回路の構成を示す図である。 送信回路の構成を示す図である。 受信回路の構成を示す図である。 (a)は、境界配置型の通信装置の上面図であり、(b)は、境界配置型の通信装置の断面図である。 通信素子の構造の一例を示す図である。 通信回路の回路構造の一例を示す図である。 2層接点方式による境界配置型の通信装置の断面図である。 通信素子の通信回路の構成を示す図である。 通信装置上の通信素子の関係を模式的に示す図である。
符号の説明
100・・・通信装置、200・・・通信素子、210・・・サイト、220・・・電源層、222・・・信号層、224・・・接地層、230・・・導電体領域、232・・・隣接結合用抵抗体、234・・・プルアップ抵抗層、250・・・通信回路、260・・・受信回路、262・・・送信回路、264・・・制御回路。

Claims (12)

  1. 分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、通信素子は、中継素子として機能する少なくとも1つの通信素子を経由して基準素子との間で信号を伝達し、
    各通信素子は、基準素子への経路上に存在する自分に最も近い中継素子との間の相対的な座標データを有し、この相対的な座標データを用いて、基準素子に対して信号を伝達することを特徴とする通信装置。
  2. 通信素子は、隣接する通信素子から送られてきた信号を受信すると、自身の相対的な座標データにしたがって、信号を他の隣接する通信素子に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向が予め定められていることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 通信素子がX軸およびY軸で表現される2次元上に配置されており、相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向は、先にX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に信号を伝達した後、Y軸方向またはX軸方向の他方に信号を伝達することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、基準素子は、中継素子として機能する少なくとも1つの通信素子を経由して所期の通信素子との間で信号を伝達し、
    基準素子は、所期の通信素子への経路上に存在する中継素子間の相対的な座標データを有し、この相対的な座標データを用いて、所期の基準素子との間で信号を伝達することを特徴とする通信装置。
  6. 経路上に存在する通信素子は、信号に含まれる相対的な座標データにしたがって、信号を隣接する通信素子に伝達することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  7. 相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向が予め定められていることを特徴とする請求項5または6に記載の通信装置。
  8. 通信素子がX軸およびY軸で表現される2次元上に配置されており、相対的な座標データにしたがって信号を伝達する方向は、先にX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に信号を伝達した後、Y軸方向またはX軸方向の他方に信号を伝達することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  9. 分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、
    基準素子は、周辺の通信素子に対して相対座標決定パケットを送信し、各通信素子は、相対座標決定パケットを受信すると、自身の相対座標を決定して、相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信することで、基準素子との間の相対的な座標データを設定していき、
    相対座標を決定した通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを周辺の通信素子に対して送信することを特徴とする通信装置。
  10. 通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを送信するとき、そのパケット中に、自身を相対座標の基準とする座標データを含ませることを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  11. 通信素子は、自身を中継素子とした相対座標決定パケットを送信するとき、そのパケット中に含まれる中継数を1インクリメントすることを特徴とする請求項9または10に記載の通信装置。
  12. 通信素子は、相対座標決定パケットから、中継素子からの相対的な座標データを取得することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の通信装置。
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