JP3869457B2 - 通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号を伝達する通信装置に関し、特に複数の通信素子を用いて信号の伝達を行う通信技術に関する。
LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークにおいて、複数の通信端末が同軸ケーブルや光ファイバなどを用いて接続されている。これらの通信端末は、ネットワーク中のアドレスを指定することにより、所望の通信端末に信号を伝達する。従来の通信ネットワークの技術分野においては、素子間を接続する配線を形成することを前提とし、これらの配線を介して信号の送受が実現されている。
しかしながら、存在する全ての通信素子を個別配線により接続することは、特にその数が膨大な場合に非常に困難となる。例えばLANにおいては複数の端末をケーブルにより接続するが、ケーブルを差し込むポート数やIPアドレスの設定数などの問題により、接続可能な端末の数に制約が生じる。また通信ネットワークに限らず、自動車などにおける電子機器は個別配線により接続されており、周知のとおりその配線数は膨大である。さらに、通信ネットワークや自動車などの電気系統においては、端末や素子などを個別配線により物理的に接続しているため、仮に配線が切断された場合には信号を伝達することができなくなり、通信機能が停止する事態も生じうる。
そこで本発明は、このような従来の通信技術に関する問題を解決するべく、通信装置に関する新規な通信技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は自身の位置を示す座標を保持しており、信号の送信元である通信素子は、その送信元座標と、送信先である通信素子の送信先座標とを含んだ信号のパケットを生成し、各通信素子は、自身が位置する座標をもとに信号を中継するか否かを決定し、中継することを決定した場合に信号を送信する通信装置を提供する。「送信元の通信素子」とは、信号の発信元となる通信素子を示し、「送信先の通信素子」とは、信号の最終目的地となる通信素子を示す。また「各通信素子」とは、送信元および送信先以外の通信素子を示す。この態様の通信装置によると、座標をもとに最適な通信経路を適宜設定でき、予め通信経路を定めておく必要がない。複数の通信素子は導電性基板上に配置され、各通信素子の通信距離は周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行える程度に設定されていることが好ましい。
本発明の別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、複数の通信素子のいくつかは、他の通信素子の位置を示す座標を決定するための基準素子として機能し、各通信素子は、基準素子からの距離に基づいて、自身の座標を決定する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、通信素子の座標を外部のコンピュータなどから設定する必要なく、各通信素子がそれぞれ自身の座標を自律的に決定することができる。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、複数の通信素子のいくつかは、他の通信素子の位置を示す座標を決定するための基準素子として機能し、通信素子は、少なくとも3つの基準素子からの距離に基づいて自身の座標を決定する通信装置を提供する。通信素子は、自身の座標の決定後、基準素子として機能してもよい。この態様の通信装置によると、基準素子の座標をもとに通信素子の座標を順次決定していくため、座標値の誤差を低減できる。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、送信元の通信素子は、自身または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報を含んだ信号のパケットを送信し、各通信素子は、信号のパケットに含まれる送信元または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報に基づいて、その信号を自身が中継するべきか否かを判定する通信装置を提供する。送信元または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報は、送信元通信素子のIDまたは送信先通信素子のIDを含み、また送信元通信素子から送信先通信素子へ至る通信経路を特定する情報も含む。この態様の通信装置によると、通信経路を設定した時点で、経路を構成する通信素子は送信元または送信先のIDをメモリに記録しておき、信号パケットに含まれる通信素子のIDをもとに自身の中継処理を実行できる。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、送信元の通信素子は、送信先の通信素子のIDを含んだ経路探索コマンドを送信し、各通信素子は、経路探索コマンドを受け取ると、経路探索コマンドのパケットに含まれる中継回数を1つ増やして送信し、送信先の通信素子は、複数の経路探索コマンドを受信し、中継回数に基づいて送信元通信素子からの通信経路を決定する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、送信元および送信先の通信素子が予め特定されている場合に、経路探索コマンドの中継回数を考慮して、適切な通信経路を設定することができる。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、送信元の通信素子は、送信先の通信素子のIDを含んだ経路探索コマンドを送信し、各通信素子は、経路探索コマンドを受け取ると、それを周辺の他の通信素子に発信し、送信先の通信素子は、時間的に最も早く受信した経路探索コマンドに基づいて送信元通信素子からの通信経路を決定する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、送信元および送信先の通信素子が予め特定されている場合に、経路探索コマンドの到達時間を考慮して、適切な通信経路を設定することができる。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、送信元の通信素子は、送信先の通信素子のIDを含んだ経路探索コマンドを送信し、各通信素子は、経路探索コマンドを受け取ると、経路探索コマンドのパケットに含まれる中継回数を1つ増やして送信し、送信先の通信素子は、複数の経路探索コマンドを受信し、中継回数に基づいて送信元通信素子からの第1の通信経路を決定し、また送信先の通信素子は、時間的に最も早く受信した経路探索コマンドに基づいて送信元通信素子からの第2の通信経路を決定する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、送信元および送信先の通信素子が予め特定されている場合に、経路探索コマンドの中継回数および到達時間を考慮して、適切な通信経路を設定することができる。第1の通信経路または第2の通信経路は選択的に利用されてもよい。
本発明のさらに別の態様は、分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子は、周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行う機能を有し、送信元の通信素子は、送信先の通信素子のIDを含んだ経路探索コマンドを送信し、通信経路の決定時、各通信素子は経路探索コマンドを受け取ると、その経路探索コマンドを発信した通信素子のIDを記録して、自身のIDを経路探索コマンドに含ませて送信し、通信経路が決定された後、通信経路上に位置する通信素子は送信先の通信素子のIDを記録し、信号を受け取ると、記録した送信先の通信素子のIDに基づいて、その信号を中継するべきか否かを判定する通信装置を提供する。この態様の通信装置によると、経路決定に利用する経路探索コマンドの信号量を少なくすることができる。
なお、本発明の表現を装置、方法、システムおよびプログラムの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、個別配線を必要としない新規な通信装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る通信技術の方式を説明するための図である。この通信方式を連鎖伝達型の通信方式と呼ぶ。小さな円で示す複数の通信素子が空間内に分散して配置されている状態が示される。各通信素子は、その周辺に配置された他の通信素子に対して信号を伝達する局所的な通信機能を有する。この局所的な通信により隣り合う通信素子間で信号を順次連鎖的に中継し、最終目的地である通信素子まで信号を伝達する。
信号の送信元が通信素子200aであり、最終目的地が通信素子200bである場合、連鎖伝達型通信方式によると、信号が通信素子200aから通信素子200cおよび200dを介して通信素子200bに伝達される。信号の伝達方法としては、例えば通信素子200aが、信号が届く範囲にある周辺の全ての通信素子に信号を伝達し、この信号を受けた全ての通信素子が更に周辺の通信素子に信号を伝達することによって、信号を最終目的地まで同心円状に伝達させてもよい。さらに好ましい方法としては、通信素子200aおよび200b間の経路を予めまたはリアルタイムで設定し、この経路により特定の通信素子のみを介して信号を伝達してもよい。特に後者の方法を採用する場合には、信号伝達に必要な通信素子のみが発信するため、電力消費を少なくすることができ、また他の通信素子の通信に対する干渉を低減することも可能となる。連鎖伝達型の通信方式における通信経路の設定方法および信号伝達の方法は後に詳述する。
空間内に複数の通信素子が存在し、この空間内には通信素子間を物理的に接続するための個別配線が形成されていないことが好ましい。例えば、これらの通信素子は、平坦な導電層または導電性基板、交流信号を伝達可能な電磁作用伝達層などに接続されてもよく、また無線により信号の送受が行えるように構成されてもよい。信号の送信は、導電層における電荷の放出により実現されてもよく、また光や電磁波を放出することにより実現されてもよい。ここで通信素子は、チップとして構成されるものに限定されず、本発明の実施の形態において説明する通信機能を備えたものを含む概念であり、その形態および形状は問わない。
各通信素子は、信号の伝達可能な距離(以下、「有効通信距離」とも呼ぶ)を比較的短く設定されていることが好ましい。信号の通信距離を長くすることは、それだけ電力消費量を大きくし且つ通信に寄与しない他の通信素子に対して悪影響を及ぼす可能性がある。連鎖伝達型の通信方式によると、自身の近傍に存在する通信素子に信号を伝達できれば十分であるため、有効通信距離は周辺の通信素子までの平均距離に応じて設定されることが好ましい。
本発明の通信技術は、様々な用途に応用することができる。例えば、LSIやメモリなどの電子部品(回路素子)に本発明の通信機能をもたせることによって、各電子部品を個別に配線することなく、複数の電子部品を基板実装する技術を提供することが可能である。また、近年、皮膚の感覚を持つロボットの研究が盛んに行われているが、ロボットの触覚センサに本発明の通信機能をもたせ、触覚センサの検知情報をロボットの頭脳コンピュータに送信する技術を提供することも可能である。また建物の床に本発明の通信機能を有するセンサを点在させることにより、一人暮らしの老人の行動を監視したり、留守中の防犯に役立てることも可能である。また、発光素子に本発明の通信機能をもたせることにより、布状の表示装置などを製造することも可能となる。また、タグに本発明の通信機能をもたせることにより、安価で精度のよい情報の読み取りを可能とするタグを作製することも可能となる。さらに無線通信素子に本発明の通信機能をもたせて例えばコンピュータにそれを装備させ、無線通信素子の近傍に相手方のコンピュータの無線通信素子を配置することによって、コンピュータ間の情報の送受信を容易に行うことも可能となる。また自動車の導電性内壁に本発明の通信機能を備えた通信素子を埋め込み、煩わしい個別配線を不要とした通信装置を実現することも可能となる。
この通信技術は、比較的短い距離に配置された通信素子間で信号を伝達するため、距離による信号の減衰および劣化が少なく、高いスループットでノード数によらない高速伝送を可能とする。また空間内に多くの通信素子を分散して配置させることにより、センサなどの所定の機能をもつチップとの情報交換媒体として広範囲の信号伝達領域を実現する。また、通信素子を比較的自由な位置に配置することができるため、簡易な設計により所望の機能を備えた人工皮膚や表示装置などを生成することも可能である。また配線などの基板回路設計を不要とし、少ないプロセスで基板回路を製造することも可能である。通信素子を導電層で挟持する場合には電磁ノイズ放射がなくなるため、特に病院などの公共性の高い場所においてはその有用性が高い。さらに、導電層などに障害が生じた場合であっても、チップ間の経路を再設定することができ、新たな通信経路を確立することができるという自己修復機能もあわせ持つ。
図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信装置100の外観構成を示す図である。この通信装置100においては、複数の通信素子200が2枚の導電層16および18によって挟持されている。各通信素子200は、この2枚の導電層16および18に電気的に接続される。導電層16および18は、単層構造を有していても、また多層構造を有していてもよく、この例では二次元的に一面に広がった構成を有している。図2は、通信素子200が挟持されていることを説明するために、導電層16と導電層18とが開いた状態を示す。
例えば、本発明による通信装置100をロボットの表面を覆う人工皮膚として応用する場合、導電層16および18を導電性のゴム材料により形成する。可撓性のあるゴム材料で人工皮膚を形成することにより、この人工皮膚はロボットの動作に合せて自在に伸縮することが可能となる。また、個別配線が存在せず、伸縮性のある導電層16および18を介して信号を伝達するため、断線などにより通信機能に障害が生じる可能性を低減し、安定した通信能力を提供することも可能となる。また、本発明による通信装置100を回路基板として応用する場合、導電層16および18を導電性のゴム材料で形成することによって、フレキシブルな回路基板を実現することも可能となる。
各通信素子200は通信機能以外に、さらに他の機能を有していてもよい。通信装置100をロボットの人工皮膚として応用する場合には、通信素子200のいくつかが触覚センサとしての機能も有し、外部から受けた刺激を検出した後、他の通信素子と協同して検出した信号を目的の通信素子まで伝達する。また通信装置100を基板の実装技術として応用する場合には、通信素子200が、例えばLSIやメモリなどの回路素子としての機能を有してもよい。このように、本明細書において「通信装置」は少なくとも通信機能を有する装置の意味で用い、これに付加した他の機能、例えば人工皮膚としてのセンサ機能や電子回路としての演算機能などを有してもよいことは、当業者に理解されるところである。
図3は、通信素子200の機能ブロック図である。通信素子200は、通信部50、処理部60およびメモリ70を備える。通信部50は、導電層16および18(図2参照)を介して、他の通信素子との間で信号の送受を行う。処理部60は、通信素子200の通信機能を制御する。具体的に処理部60は、周囲の信号の監視、受信信号の解析や、送信信号の生成および送信タイミングの制御など、他の通信素子200との間の信号伝達に関する行為を行う。また処理部60は、センサ機能や演算機能など通信機能以外の他の機能を実現してもよい。メモリ70は、通信機能や他の機能を実現するために必要な情報を予め記録し、また必要に応じて記録していく。
図4は、通信装置100の断面を示し、局所的通信を実現する通信デバイスの構造の一例を説明するための図である。本明細書において「通信デバイス」は、局所的な通信機能を実現する構造の意味で用いる。
この例において通信デバイスは、第1信号層20および第2信号層30と、これらの層に電気的に接続する通信素子200を備える。第1信号層20および第2信号層30は絶縁されており、第2信号層30は接地されたグランド層であってもよい。この通信デバイスにおいて、有効通信距離は第1信号層20および第2信号層30の抵抗および容量に基づいて定められ、第1信号層20または第2信号層30に電荷を放出することにより信号を発信する。各通信素子はコンデンサを有しており、放出された電荷は有効通信距離内に配置されている周辺の通信素子のコンデンサに蓄積される。周辺の通信素子は、その電圧変化により信号を認識する。このように図4に示した通信デバイスはコンデンサを駆動するように振る舞うことから、この通信デバイスを「電荷蓄積型」の通信デバイスと呼んでもよい。なおこの呼び名は、説明の便宜上、後述する「電流拡散型」の通信デバイスと区別するために名付けたものであって、図4に示した通信デバイスの特性および構成が、この呼び名の意味により限定されるものではない。
図5は、電荷蓄積型の通信デバイスが信号を発信する原理を説明するための図である。図5(a)は、駆動用コンデンサ34bを充電する通信素子200の状態を示す。主コンデンサ34aは、通信素子200全体を駆動するために必要な電荷を蓄積し、駆動用コンデンサ34bは、通信層36を駆動するために必要な電荷を蓄積する。通信層36は、第1信号層20および第2信号層30(図4参照)を模式的に表したものである。駆動用コンデンサ34bの充電時には、スイッチ32aを開き、スイッチ32bを閉じる。なお、各スイッチ32aおよび32bは、処理部60(図3参照)により所定のタイミングで開閉される。なお本方式により、後述の電流拡散型の通信デバイスを駆動することも可能である。
図5(b)は、駆動用コンデンサ34bを放電する通信素子200の状態を示す。駆動用コンデンサ34bの放電時には、スイッチ32aを閉じ、スイッチ32bを開く。この通信デバイスは、駆動用コンデンサ34bの電荷を通信層36に放電することによって信号を発信する。1ビットの送信ごとに、主コンデンサ34aから駆動用コンデンサ34bに電荷を移動し、駆動用コンデンサ34bの電荷を通信層36に放電することによって、連続した通信を実現することが可能となる。
通信層36のシート抵抗がρ[Ω]、単位面積あたりの容量がC[F/m2]である場合、角周波数ω[rad/s]の信号の有効伝達距離(有効通信距離)D[m]は、
Figure 0003869457
のように与えられる。このように、通信デバイスの有効通信距離は、通信層36の抵抗および容量に基づいて定められる。そのため、通信層36の抵抗および容量を適宜設定することにより、所望の有効通信距離を実現することが可能となる。
連鎖伝達型の通信方式においては、近傍の通信素子200との間で信号の送受を行うことができればよいため、有効通信距離を可能な限り短く設定することが好ましい。例えば通信装置100内において、通信素子200間の距離が10cm以内となるような密度で複数の通信素子200が配置されている場合には、有効通信距離が10cm程度となるように通信層36の抵抗および容量を設定することが好ましい。有効通信距離を短く設定することによって、他の通信素子200への干渉や無用な電力消費を低減することが可能となる。
以上の原理を数式を用いて説明する。説明の簡単のため、1次元問題とし、原点に存在する微小電極に電圧V
V=V0exp(jωt)
が印加されたとすると、位置xにおける電圧Vは、
Figure 0003869457
として表現される。
図6は、V/V0の実部を縦軸、x/Dを横軸とするグラフであって、電荷蓄積型の通信デバイスにおける電圧と通信距離の関係を示す図である。原点から離れるにつれ、電圧の振幅は指数関数的に減少するため、有効通信距離Dを大きく越える距離への影響は無視できることが分かる。したがって、この有効通信距離Dを通信素子200の密度に応じて好適に設定することにより、効率よい通信を実現することが可能となる。
図7は、通信装置100の断面を示し、局所的な通信を実現する通信デバイスの構造の別の例について説明するための図である。この通信デバイスは、スイッチング動作によって通信素子200を導通させ、その電圧降下によって信号を発信することから、この通信デバイスを「電流拡散型」の通信デバイスと呼んでもよい。なおこの呼び名は、説明の便宜上、前述した「電荷蓄積型」の通信デバイスと区別するために名付けたものであって、図7に示す通信デバイスの特性および構成が、この呼び名の意味により限定されるものではない。
図7(a)は、電流拡散型の通信デバイスの構造の一例を示す図である。この通信デバイスは、第1信号層20および第2信号層30と、これらの層に電気的に接続する通信素子200を備える。第2信号層30は接地されたグランド層であってもよい。第1信号層20および第2信号層30は、これらの層よりも高い抵抗値を有する高抵抗層40によって導通される。具体的には、通信素子200の周囲に高抵抗層40が設けられ、この通信素子200および高抵抗層40とが第1信号層20および第2信号層30に挟持される。高抵抗層40の抵抗値を第1信号層20および第2信号層30の抵抗値に対して適切に設定し、または通信素子200の2つの電極間を素子内部において適切な抵抗値で常時導通させることにより、通信素子200内で第1信号層20および第2信号層30をスイッチング動作により導通させた場合に、発信した信号が遠くまで広がらず、有効通信距離を近傍の通信素子までの短い距離に設定することができる。
図7(b)は、電流拡散型の通信デバイスの構造の別の例を示す図である。この通信デバイスは、第1信号層20および第2信号層30と、これらの層に電気的に接続する通信素子200を備える。第2信号層30は接地されたグランド層であってもよい。第1信号層20および第2信号層30は絶縁されており、第1信号層20には、第1信号層20よりも高い抵抗値を有する高抵抗層42が電気的に接続され、この高抵抗層42には、通信素子200に電力を供給する電源層44が電気的に接続されている。図示のとおり、第1信号層20上に、高抵抗層42および電源層44とがこの順に積層されている。第1信号層20および第2信号層30が絶縁されることにより、これらの層間において電流が定常的に流れる状態を回避することができる。第2信号層30と電源層44は、その抵抗値が非常に小さくなるように形成される。
第1信号層20の抵抗は、有効通信距離に基づいて設定される。すなわち第1信号層20の抵抗を高抵抗層42との関係において適切に定めることによって、電流の拡散範囲を設定することが可能となる。なお単位面積あたりで、高抵抗層42の縦方向インピーダンスが、第1信号層20と第2信号層30および電源層44との間の静電容量によるインピーダンスZよりも大きい場合には、拡散距離は第1信号層20の抵抗とインピーダンスZによって決まる。
以上の原理を数式を用いて説明する。説明の簡単のため、第1信号層20の厚みは無視できるほど薄いものとする。第1信号層20と電源層44の間の静電容量と、第1信号層20と第2信号層30の間の静電容量の和がC[F/m2]、高抵抗層42の抵抗率および厚さがそれぞれη[Ωm]およびd[m]、第1信号層20のシート抵抗がρ[Ω]、角周波数がω[rad/s]である場合、第1信号層20の電位V(x,y)の非定常成分は、
Figure 0003869457
を満たす。したがって、
ηd<1/ωC (電流拡散条件)
の場合には、1/ηdの寄与が支配的となり、電流拡散型の信号伝達を実現することができる。これを1次元問題として考えると、原点に存在する微小電極に印加される電圧V
V=V0exp(jωt)
に対して、位置xにおける電圧Vは、
Figure 0003869457
として表現される。この式により明らかなように、信号が到達する範囲内において信号の位相遅れは発生しない。ここで、有効通信距離Dは、
Figure 0003869457
である。この数式に含まれる各要素、例えば第1信号層20の抵抗を適宜設定することにより、所望の有効通信距離を得ることが可能となる。
図7(c)は、電流拡散型の通信デバイスの構造の別の例を示す図である。この通信デバイスは、第1信号層20および第2信号層30と、これらの層に電気的に接続する通信素子200を備える。第1信号層20および第2信号層30は絶縁されており、第1信号層20には、第1信号層20よりも高い抵抗値を有する高抵抗層42が電気的に接続され、この高抵抗層42には、通信素子200に電力を供給する電源層44が電気的に接続されている。同様に、第2信号層30には、第2信号層30よりも高い抵抗値を有する高抵抗層46が電気的に接続され、この高抵抗層46には、通信素子200に電力を供給する電源層48が電気的に接続されている。図示のとおり、第1信号層20の上面に、高抵抗層42および電源層44とがこの順に積層されており、第2信号層30の下面に、高抵抗層46および電源層48とがこの順に積層されている。図7(b)に示した通信デバイスは、通信素子200の片面のみに積層構造を形成していたが、図7(c)のように、通信素子200の両面に上下対称な積層構造を形成してもよい。各層の構成および特性については、図7(b)に関連して説明したとおりである。
図8は、電流拡散型の通信デバイスが信号を発信する原理を説明するための図である。主コンデンサ34は、通信素子200全体を駆動するために必要な電荷を蓄積する。通信層36は、第1信号層20および第2信号層30(図7参照)を模式的に表したものである。この通信素子200は、スイッチ32のスイッチング動作により電極間インピーダンスを変化させ、信号を発信する。なおスイッチ32は処理部60(図3参照)により所定のタイミングで開閉される。なお本方式で、電荷蓄積型の通信デバイスを駆動することも可能である。
スイッチ32を閉じると、第1信号層20および第2信号層30とが短絡する。その結果、第1信号層20と第2信号層30の間に電圧降下が生じ、近傍の通信素子がその影響を受け、この電圧降下を信号として認識する。前述のとおり、連鎖伝達型の通信方式においては、この電圧降下の影響は、近傍の通信素子に伝達されればよく、遠くに位置する通信素子にまで伝達される必要はない。有効通信距離を近傍に位置する他の通信素子の距離程度に設定することにより、電力消費を少なくすることができ、また他の通信素子との干渉を低減することも可能となる。
次に、通信素子200に電力を供給する方法について説明する。その一つの方法として、図7(b)に示すように、通信デバイスを多層構造に形成することにより、電源層44から電力を通信素子200に供給することが可能である。通信素子200と電源層44との間に高抵抗層42を介在させることにより、電荷が低抵抗である電源層44全面に供給される。そのため通信装置100全体に分布している通信素子200のコンデンサを安定して充電することができる。
図9は、通信素子に電力を供給する別の構成を示す図である。この例では、通信装置100に電力供給線52と給電点54とが形成され、電力が電力供給線52から給電点54を介して、通信装置100内の通信素子に供給される。この電力供給方法として、例えば、通信素子の信号送受信期間と充電期間とを時間的に分けてもよい。ある通信素子が信号を送信する際には、周囲の素子の端子間インピーダンスを高く保ち、電力を供給する際には、全ての素子の信号送信を停止して、通信素子のコンデンサに一斉に充電する。特に、通信素子が第1信号層および第2信号層からなる2層構造を有し、電源層を含む多層構造をとらない場合には、このような電力供給線52を形成してもよい。
以上、図4から図9を通じて、通信デバイスの具体的な構造について説明したが、通信デバイスは上述した構造に限らず、周辺の通信素子との間で信号を送受できるものであればよい。以下に、局所的な通信を行う通信デバイスを用いた連鎖伝達型の通信方式の詳細を示す。
本実施の形態において、連鎖伝達型の通信アルゴリズムには「ブロードキャストモード」と、「アドレス連鎖伝達モード」とが存在する。ブロードキャストモードは、発信元の通信素子から全ての通信素子に信号をブロードキャストする通信アルゴリズムであり、アドレス連鎖伝達モードは、経路を定めて、発信元の通信素子から目的地である通信素子まで経路に沿って信号を伝達する通信アルゴリズムである。ブロードキャストモードは、経路が定まっていない状態において、所定のコマンドをブロードキャストして、最適な経路を決定するために利用される。
図10は、通信装置においてブロードキャストモードにより信号が伝播する状態を説明するための図である。図中、小さな円は通信素子を示し、中央の黒塗りの円は、信号の発信元である通信素子を示す。通信素子を囲んでいる同心円は、信号を同時期に受信した通信素子の範囲を示す。
ブロードキャストモードにおいては、信号待機中、全ての通信素子が周囲の信号を監視する。信号を受信した通信素子は、乱数により定められる時間だけ待機して、同一の信号系列を送信する。各信号系列は「信号ID」を有しており、通信素子が同一の信号IDをもつ信号を受信した場合には、その信号の転送を行わないことが好ましい。以上の動作を各通信素子が実行することにより、任意の通信素子から発生した信号が中継されて、図示されるようにほぼ同心円状に広がっていき、発信元の通信素子から離れる方向に順次伝達されることになる。
図11は、第1の実施の形態に係る通信装置100における信号伝達方法の説明図を示す。第1の実施の形態においては、各通信素子200が、空間内の自身の位置を示す座標をアドレスとしてメモリに保持する。座標は、2次元座標であっても3次元座標であってもよい。通信素子200の座標は外部のコンピュータなどにより設定されてもよく、各々で自律的に設定してもよい。後者の座標設定方法については後述する。この例では、座標(1,1)に位置する通信素子から、座標(7,7)に位置する通信素子まで信号を伝達することを目的とする。以下、座標(M,N)に位置する通信素子を「通信素子(M,N)」と表現する。なお図示の例では、説明の便宜上、通信素子が規則的に配列されているが、この配列形態はランダムであってよい。
図12は、送信元の通信素子により生成される信号のパケットを示す。このパケットには、コマンド、送信元アドレス、送信先アドレスおよび送信データの項目が設けられる。この信号はデータを通信素子(7,7)に転送するためのものであり、コマンドには転送パケットであることを指示するコードが記述される。送信元アドレスには、送信元通信素子の座標である(1,1)が記述され、送信先アドレスには、送信先通信素子の座標である(7,7)が記述される。送信データは、伝達すべきデータである。このように、通信素子(1,1)は送信元座標と送信先座標とを含んだ信号のパケットを生成する。パケットの生成は処理部60(図3参照)により行われる。
図11に戻って、送信元の通信素子(1,1)が信号を送信すると、その信号は周辺の通信素子、すなわち座標(0,0)、(2,0)、(3,1)、(2,2)、(0,2)、(−1,1)に位置する通信素子に伝達される。これらの通信素子は、信号を受け取ると、自身が位置する座標をもとに信号を中継するか否かを決定する。この決定は、送信元座標(1,1)と送信先座標(7,7)との間に、空間的に自身が位置するか否かを判定することにより行われ、具体的には、送信元の通信素子(1,1)と、送信先の通信素子(7,7)とを結ぶ経路上に自身が位置するか否かを判定することにより行われる。
この例では、通信素子(2,2)が、通信素子(1,1)と通信素子(7,7)を結ぶ経路上に位置することを判定し、信号を中継することを決定する。通信素子(2,2)は、受け取った信号を送信し、それ以外の通信素子は応答しない。以後、信号は、通信素子(3,3)、通信素子(4,4)、通信素子(5,5)、通信素子(6,6)により中継されて通信素子(7,7)に伝達される。
第1の実施の形態においては、各通信素子が、自身の座標と、送信元および送信先の座標との関係により、信号を中継すべきか否かを判断する。通信経路を予め定めておく必要はなく、単純なアルゴリズムで動的に最短経路を設定し、信号を伝達することが可能となる。ここでは予め通信素子の座標が確定していることを前提としたが、以下、通信素子の座標を決定する方法を示す。
図13は、通信素子の座標決定方法の一例を説明するための図である。この座標決定方法では、通信装置100内に、3つ以上の基準素子を配置する。基準素子は、他の通信素子の座標を決定するために設けられる。各通信素子は、基準素子からの距離に基づいて自身の座標を決定する。この距離は、基準素子から自身までの経路中に存在する他の通信素子の個数に基づいて決定される。この例では、2次元座標の決定を感覚的に理解しやすくするため、4つの基準素子A、B、C、Dを上下左右に配置する。基準素子Aと基準素子Cを結ぶ直線はX軸を構成し、基準素子Bと基準素子Dを結ぶ直線はY軸を構成する。まず、各基準素子が座標決定コマンドを発信する。座標決定コマンドは、ブロードキャストモードにより伝達される。
図14は、座標決定コマンドを示す。コマンドには、座標決定コマンドであることを特定するコードが記述される。「基準素子の方向」には、基準素子の位置が記述される。例えば基準素子Aが発信する座標決定コマンドであれば「左」、基準素子Bが発信する座標決定コマンドであれば「下」、基準素子Cが発信する座標決定コマンドであれば「右」、基準素子Dが発信する座標決定コマンドであれば「上」と記述される。中継回数は、この座標決定コマンドを受け取るまでに他の通信素子を経由した回数が記述される。基準素子からの発信時、この中継回数は0に設定されている。各通信素子は、座標決定コマンドを受け取ると、中継回数を1つ増やし、それを送信する。本実施の形態における座標決定方法は、以下のアルゴリズムを利用する。
任意の点Q(x,y)から基準点A(−a,0)までの距離をr、基準点C(a,0)までの距離をrとする。このとき、
=(x+a)+y ・・・(1)
=(x−a)+y ・・・(2)
が成り立つ。したがって、
x=(r −r )/4a ・・・(3)
ここで、aは定数であるため、X座標を以下の式で決定する。
x=(r −r ) ・・・(4)
同様に、任意の点Q(x,y)から基準点B(−b,0)までの距離をr、基準点D(b,0)までの距離をrとする。このとき、
=x+(y+b) ・・・(5)
=x+(y−b) ・・・(6)
が成り立つ。したがって、
y=(r −r )/4b ・・・(7)
ここで、bは定数であるため、Y座標を以下の式で決定する。
y=(r −r ) ・・・(8)
式(4)および(8)を用いて、通信素子の2次元座標を定める。これらの式から分かるように、4つの基準素子からの距離が決定されれば、通信素子の相対的な座標を求めることができる。
図13に戻って、通信素子200hの2次元座標を求める。各基準素子が図14に示した座標決定コマンドを発信する。座標決定コマンドを受け取った通信素子は、乱数で決まる待ち時間だけ待機した後、中継回数に1を加算して座標決定コマンドを送信する。通信素子は、1を加算した中継回数を基準素子ごとにメモリに記録する。座標決定コマンドの送信後、同一の基準素子からの座標決定コマンドを再度受け取ったとき、このコマンドに含まれる中継回数に1を加算したものがメモリに記録したものより大きい場合は応答しない。一方、記録したものより小さい場合は、一定時間待機後、中継回数に1を加算して座標決定コマンドを再送信する。このとき、メモリの中継回数を更新する。最終的にメモリには、各基準素子からの中継回数の最小値が記録される。この中継回数の最小値は、基準素子からの距離に相当する。
図15は、1つの基準素子から発信された座標決定コマンドが異なる経路を通って所定の通信素子に到達する状況を説明するための図を示す。経路1によると中継回数は6であり、経路2によると中継回数は7となる。各通信素子が信号送信に際してランダム時間待機するため、中継回数が少なくても、信号受信のタイミングが遅れる場合も生じる。したがって通信素子は、受信した座標決定コマンドに記述される中継回数を確認して、基準素子からの最短距離を定める。
このアルゴリズムにしたがって、通信素子200hの二次元座標を決定する。基準素子Aからの中継回数が7、基準素子Bからの中継回数が10、基準素子Cからの中継回数が3、基準素子Dからの中継回数が4となる。基準素子同士の位置関係は、座標決定コマンドに記述される「基準素子の方向」により特定する。式(4)を用いて、X座標は、基準素子Aおよび基準素子Cからの距離により、
x=7−3=40
式(8)を用いて、Y座標は、基準素子Bおよび基準素子Dからの距離により、
y=10−4=84
したがって、通信素子200hの座標は、(40,84)と決定される。
以上の処理を各通信素子が実行することにより、通信装置100における座標が決定する。通信素子はこの座標をメモリに記録し、信号中継をするか否かの判断に利用する。
図16は、座標決定方法の変形例を説明するための図である。図16(a)は、空間内に存在する4つの基準素子を示す。この変形例では、最初の4つの基準素子を「0次基準素子」と呼び、それぞれの座標を(0,0)、(1,0)、(1,1)、(0,1)とする。この座標決定方法において、通信素子は少なくとも3つの基準素子からの距離に基づいて、1以下の2進数の座標値を設定する。例えば通信素子は、3つの基準素子から等距離にある場合に、自身の座標を決定する。座標値を設定した通信素子は、以後、基準素子として機能する。この処理を繰り返すことにより、全ての通信素子の座標値が設定される。(n−1)次の基準素子までが決定しているとき、以下のアルゴリズムによりn次の基準素子を決定する。n次基準素子は、座標値の小数点第(n+1)位以下の桁が全て0となる通信素子を意味する。0次基準素子は、座標値の小数点第1位以下の桁が全て0であり、1次基準素子は、座標値の小数点第2位以下の桁が全て0となる。この座標決定アルゴリズムは2段階の構成をとり、それぞれの段階でn次基準素子を順次決定する。
まず、基準素子の一つがブロードキャストにより「n次座標決定要求」を発信する。「n次座標決定要求」は、n次基準素子を決定するためのトリガとなるコマンドである。n次座標決定要求は、通信層に接続された外部コンピュータによって供給されてもよい。
(n−1)次の基準素子は、n次座標決定要求を受けて、「n次座標決定コマンド」を発信する。図17は、n次座標決定コマンドのパケットを示す。このパケットには、コマンド、次数、基準素子のX座標およびY座標が記述される。次数の項目にはnが設定される。通信素子は、各基準素子から発信されたn次座標決定コマンドのうち、最短の中継回数で到達した3つのパケットを記録する。
3つの中継回数が等しい場合、通信素子は、記録した3つのパケットの送信元である基準素子の座標をチェックする。それぞれの基準素子の各成分の座標値の差が全て(1/2)(n−1)以内であれば、その通信素子はn次基準素子の候補となる。n=1であれば各成分の座標値の差が1以内であることが条件となる。
n次基準素子の候補となった通信素子は、重複チェックコマンドをブロードキャストする。重複チェックコマンドには、仮にn次基準素子となったときに設定される座標が記述されている。自分と同じ座標を記述した重複チェックコマンドを受け取った場合、その通信素子は、候補からの辞退を示す辞退コマンドをブロードキャストする。なお他の通信素子から辞退コマンドを受け取った場合には、自身の辞退は行わなくてよい。他の通信素子から重複チェックコマンドを受け取らないとき、また重複チェックコマンドを受け取ったがその通信素子から辞退コマンドも受け取ったときには、その通信素子は、自身をn次基準素子として決定する。以上により、第1段階におけるn次基準素子が決定する。
続いて、このn次基準素子は、アルゴリズムの第2段階を実行するために(n−1)次基準素子として機能する。第2段階において、このn次基準素子および(n−1)次の基準素子は、再度「n次座標決定コマンド」を発信する。通信素子は、各基準素子から発信されたn次座標決定コマンドのうち、最短の中継回数で到達した3つのパケットを記録する。
3つの中継回数が等しい場合、通信素子は、記録した3つのパケットの送信元である基準素子の座標をチェックする。それぞれの基準素子の一方の成分の座標値の差が(1/2)(n−1)以内であり、他方の成分の座標値の差が(1/2)以内であれば、その通信素子はn次基準素子の候補となる。n=1であれば一方の成分の座標値の差が1以内であり、他方の成分の座標値の差が2進数表示で0.1以内であることが条件となる。以後、第1段階と同様に、n次基準素子の候補となった通信素子は、重複チェックコマンドを送信する。以上の処理を繰り返すことにより、全ての通信素子の座標が決定する。
図16(b)は、n=1の場合に、上述した座標決定アルゴリズムの第1段階において1次基準素子(0.1,0.1)が決定された状態を示す。1次基準素子(0.1,0.1)の決定後、この1次基準素子が0次基準素子として機能し、他の0次基準素子とともに1次座標決定コマンドを発信する。
図16(c)は、n=1の場合に、上述した座標決定アルゴリズムの第2段階において4つの1次基準素子(0,0.1)、(0.1,0)、(1,0.1)、(0.1,1)が決定された状態を示す。このアルゴリズムでは、2段階の処理により1次基準素子の座標を決定する。この処理を繰り返し、全ての通信素子につき座標が定まると、この座標決定アルゴリズムは終了する。
以上は、3つの基準素子から等距離にあることを条件として基準素子を設定したが、別の条件を採用してもよい。例えば、基準素子により生成される四辺形において、その対角線の交点に位置する通信素子を基準素子として設定してもよい。
図18は、第2の実施の形態に係る通信装置100における信号伝達方法の説明図を示す。第2の実施の形態は、各通信素子がIDを有し、信号を送受する2つの通信素子が特定されている状況を前提とする。信号を送受する2つの通信素子のIDは、通信装置100内で重複しないように定められ、それ以外の通信素子のIDは、直接信号が届く範囲内で重複しなければよい。この例では、通信素子Eから通信素子Fに信号を伝達する。図示されるように、通信素子Eと通信素子Fとの間に、矢印で示される通信経路が確定しているとする。通信経路上に位置する通信素子は、送信元通信素子EのIDまたは送信先通信素子FのIDをメモリに記録する。
信号送信元である通信素子Eは、自身のIDまたは送信先の通信素子FのIDを含んだ信号のパケットを生成して送信する。通信素子は、この信号を受け、通信素子Eまたは通信素子FのIDをメモリに記録しているか否かを確認する。メモリに記録している場合には、自身が信号を中継するべきであることを判定し、信号を送信する。経路上の通信素子が信号を順次中継することにより、信号を通信素子Fまで伝達する。以上は、通信経路確定後の信号伝達方法であり、その前提となる通信経路の確定は以下のアルゴリズムで行われる。
まず、通信素子Eが「経路探索コマンド」を発信する。図19(a)は、経路探索コマンドのパケットを示す。このパケットには、コマンド、送信先ID、中継回数およびID履歴の項目が設けられる。送信先IDには、通信素子FのIDが記述される。通信素子Eからの発信時、中継回数として0が設定され、ID履歴の記述はない。通信素子は経路探索コマンドを受け取ると、中継回数に1を加算し、ID履歴の末尾に自身のIDを追加して、経路探索コマンドを送信する。このとき通信素子は、記述された中継回数に1加算した値をメモリに記録する。同じ送信先IDを含む経路探索コマンドを複数回受け取ったとき、経路探索コマンドに記述されている中継回数に1加算した値が、メモリに記録した中継回数以上である場合には応答せず、少ない場合には中継回数に1を加算し、ID履歴を追加した後、経路探索コマンドを送信する。通信素子は、メモリに記録した中継回数を更新する。
通信素子Fは、経路探索コマンドの到達を一定時間待ち、最小の中継回数で到達した経路探索コマンドに記述されたID履歴により通信経路を決定する。最小中継回数をもつ経路探索コマンドが複数存在する場合には、時間的に最も早く到達した通信経路を採用してもよい。また、中継回数が最小でない場合であっても、時間的に最も早く到達した通信経路を採用してもよい。中継回数が最小となる通信経路であっても、トラフィックの集中などにより介在する通信素子の応答特性が悪化し、信号到達時間が長くなることも考えられる。そのため、中継回数が最小の通信経路と、時間的に最も早い通信経路とを設定し、状況に応じて適宜使い分けてもよい。また通信の安全を確保したり、並列送信を可能とするために、複数の通信経路を確保してもよい。通信経路を決定すると、通信素子Fは「経路通知コマンド」を発信する。
図19(b)は、経路通知コマンドのパケットを示す。このパケットには、コマンド、送信先ID、決定中継回数および決定ID履歴の項目が設けられる。送信先IDには通信素子FのIDが記述され、決定中継回数および決定ID履歴は、最短経路として決定された中継回数およびID履歴が記述される。
経路通知コマンドを受け取った通信素子は、決定ID履歴の末尾が自身のIDと一致する場合にはそのIDを削除して、中継回数を1減算し、経路通知コマンドを送信する。この通信素子は、自身が通信素子Eから通信素子Fへの通信経路に位置することを認識し、通信素子FのIDをメモリに記録する。これ以後、通信素子Fを送信先とする転送コマンドを受けた場合には、メモリに記録されたIDを参照して自身が通信経路を担っていることを確認し、信号を中継する。なお経路通知コマンドには送信元である通信素子EのIDを記述してもよく、このとき通信経路上の通信素子はこのIDをメモリに記録する。転送コマンドに送信元IDが含まれる場合には、通信素子が、メモリに記録された送信元IDを参照して信号を中継する。なお、通信経路の確定後、決定ID履歴は、通信素子Eにより必ずしも保持される必要はなく、中継する各通信素子が、通信経路において自身より一つ手前の通信素子のIDを保持していればよい。
図19(a)では、経路探索コマンドにID履歴を含めることとしたが、別の方法として経路探索コマンドにID履歴を含ませなくてもよい。この変形例では、通信素子EがID履歴を含まない「経路探索コマンド」を発信する。図19(c)は、変形例における経路探索コマンドのパケットを示す。通信素子Eによる発信時、直前IDの項目には、通信素子EのIDが記述されている。直前IDには、この経路探索コマンドを受け取って発信した通信素子のIDが記述される。通信素子は経路探索コマンドを受け取ると、中継回数に1を加算し、直前IDの項目に自身のIDを記述して、経路探索コマンドを送信する。このとき通信素子は中継回数および直前IDに記述されていた通信素子のIDをメモリに記録する。なお記録する中継回数は、記述されている中継回数に1加算した値である。同じ送信先IDを含む経路探索コマンドを複数回受け取ったとき、経路探索コマンドに記述されている中継回数に1加算した値がメモリに記録した中継回数より少ない場合には、直前IDに自身のIDを記述して送信し、直前IDに記述されていた通信素子のIDを記録する。
図19(d)は、変形例における経路通知コマンドのパケットを示す。図19(b)の経路通知コマンドと比べると、変形例においては決定ID履歴の代わりに決定直前IDの項目が設けられる。決定直前IDには、通信素子Eから通信素子Fに向かう通信経路において、自身の直前に位置する通信素子のIDが記述される。通信素子Fによる発信時、決定直前IDには、決定した通信経路上において通信素子Fの直前に位置する通信素子のIDが記述される。経路通知コマンドを受け取った通信素子は、自身のIDが決定直前IDと一致する場合には決定直前IDを自身の直前に位置するIDに更新して、中継回数を1減算し、経路通知コマンドを送信する。この通信素子は、自身が通信素子Eから通信素子Fへの通信経路に位置することを認識し、通信素子FのIDをメモリに記録する。これ以後、通信素子Fを送信先とする転送コマンドを受けた場合には、メモリに記録された通信素子FのIDを参照して自身が通信経路を担っていることを確認し、信号を中継する。このとき、メモリに記録された直前の通信素子のIDを参照してもよい。この変形例によると、ID履歴を利用しないため、経路決定の際に送信する信号量が少なくてすむ。また、信号量をさらに少なくするために、中継回数に関するデータを省略することも可能である。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明における通信方式の概念図である。 第1の実施の形態にかかる通信装置の外観構成を示す図である。 通信素子の機能ブロック図である。 局所的通信を実現する通信デバイスの構造の一例を説明するための図である。 (a)は駆動用コンデンサを充電する通信素子の状態を示す図であり、(b)は駆動用コンデンサを放電する通信素子の状態を示す図である。 電荷蓄積型の通信デバイスにおける電圧と通信距離の関係を示す図である。 (a)は電流拡散型の通信デバイスの構造の一例を示す図であり、(b)は電流拡散型の通信デバイスの構造の別の例を示す図であり、(c)は電流拡散型の通信デバイスの構造のさらに別の例を示す図である。 電流拡散型の通信デバイスが信号を発信する原理を説明するための図である。 通信素子に電力を供給する構成を示す図である。 ブロードキャストモードにより信号が伝播する状態を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る通信装置における信号伝達方法の説明図である。 送信元の通信素子により生成される信号のパケットを示す図である。 通信素子の座標の決定方法を示す説明図である。 座標決定コマンドを示す図である。 1つの基準素子から発信された座標決定コマンドが異なる経路を通って所定の通信素子に到達する状況を説明するための図である。 (a)は空間内に存在する4つの基準素子を示す図であり、(b)は第1段階において1次基準素子を決定した状態を示す図であり、(c)は第2段階において1次基準素子を決定した状態を示す図である。 n次座標決定コマンドのパケットを示す図である。 第2の実施の形態に係る通信装置における信号伝達方法を示す説明図である。 (a)は経路探索コマンドのパケットを示す図であり、(b)は経路通知コマンドのパケットを示す図であり、(c)は変形例における経路探索コマンドのパケットを示す図であり、(d)は変形例における経路通知コマンドのパケットを示す図である。
符号の説明
16・・・導電層、18・・・導電層、50・・・通信部、60・・・処理部、70・・・メモリ、100・・・通信装置、200・・・通信素子。

Claims (6)

  1. 第1導電層および第2導電層と、第1導電層および第2導電層に接続する複数の通信素子を備えた通信装置であって、各通信素子は、前記第1導電層と前記第2導電層との間の電圧を制御することにより、その周囲に広がって伝播される前記第1導電層と前記第2導電層の間の電圧変動を信号として、他の通信素子に対して発信し、且つ、他の通信素子からの信号を監視して、前記第1導電層と前記第2導電層の間の電圧変動を信号として認識する機能を有しており、
    送信元の通信素子から送信先の通信素子との間の通信経路は決定されており、通信経路上に位置する通信素子は、送信元または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報を記録するメモリを有するのであって、
    送信元の通信素子は、自身または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報を含んだ信号のパケットを送信し、
    各通信素子は、信号のパケットに含まれる送信元または送信先の通信素子の少なくとも一方を特定する情報をメモリに記録しているか否かを確認し、その信号を自身が中継するべきか否かを判定することを特徴とする通信装置。
  2. 通信素子は、受信したパケットに含まれる送信元または送信先を特定する情報をメモリに記録している場合には、パケットを中継することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 分散して配置された複数の通信素子を備える通信装置であって、各通信素子の通信距離は周辺に配置された他の通信素子と局所的な通信を行える程度に設定されており、この局所的な通信により通信素子間で信号を順次伝達することによって、目的とする通信素子まで信号を伝達することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 通信素子は、その周囲に同心円状に広がって伝搬される前記第1導電層と前記第2導電層の間の電圧変動を、信号として発信する機能をもつことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
  5. 複数の通信素子は分散して配置されて、前記第1導電層および前記第2導電層に接続していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の通信装置。
  6. 前記通信素子は、前記第1導電層および前記第2導電層の間に配置されることを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
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