JP2005289290A - 車両の制動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブレーキペダルの踏力又はストローク量に基づき、モータによりポンプを駆動させることによりブレーキ液圧を発生させる車両の制動制御装置において、前記ブレーキペダルの操作量を検出する制動意図検出手段と、前記制動意図検出手段により検出された制動意図に応じた目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、前記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御手段と、前記目標制動力演算手段に基づいて演算された目標制動力の微分値と車両状態に基づいて演算された所定の微分値の閾値とを比較し、前記目標制動力の微分値が前記閾値を超過する場合、前記ポンプの駆動力または前記目標制動力の微分値を前記閾値に相当する値に制限するポンプ駆動制限手段と、を設けた。
【選択図】 図1
Description
図2は、実施例1における後輪側油圧回路図である。後輪側はブレーキバイワイヤ制御を用いたブレーキシステムである。後輪の各輪に制動力を発生させるホイルシリンダ9,9はマスタシリンダ3とは直接接続されておらず、油路62を介してリザーバタンク25と接続されている。また、ABS制御時に各ホイルシリンダ9,9の液圧を増圧・保持・減圧可能な液圧制御バルブであるインバルブ72,73、アウトバルブ76,77、及びイン側ゲートバルブ70,71を有している。
実施例1における停車時ポンプ駆動抑制制御作用につき説明する。平坦路面での停車時においては大きな制動力を必要としないため、停車時にポンプの駆動音を低減するため停車時ポンプ駆動抑制制御を実行する。
ここで、ポンプ駆動によるブレーキ液圧制御においてはモータデューティの増加に伴ってブレーキ液圧の昇圧勾配ΔPTも上昇するため、液圧勾配リミッタ適用制御を行わずとも、モータデューティが所定の閾値に達すればモータデューティをこの閾値に制限することでポンプ駆動を抑制してもよく、特に限定しない。
すなわち、平坦路面でなく、昇圧勾配またはモータデューティが所定値に達しない場合、急制動を行う可能性があるためメインECU10において通常のポンプ駆動制御を実行する。
図3は、実施例1のポンプ駆動抑制制御において、液圧勾配制限値を用いてポンプ駆動抑制制御を実行する液圧勾配リミッタ適用制御の制御ブロック図である。この制御は図1における指令液圧演算部16において実行される。
指令液圧演算部16は目標液圧演算部16a、目標液圧勾配演算部16b、勾配リミッタ比較部16c、及び駆動指令値決定部16dを有する。
目標液圧勾配演算部16bは、ブレーキ液圧検出部15により検出された目標液圧PTnを微分し、目標液圧勾配ΔPT(目標制動力の時間勾配)として勾配リミッタ比較部16cへ出力する。
勾配リミッタ比較部16cは目標液圧勾配ΔPTと液圧勾配の閾値ΔPl(所定の時間勾配の閾値)の比較を行い、比較結果を駆動指令値決定部16dに出力する。
図4は、実施例1の停車時ポンプ駆動抑制制御を示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
図5(a)は、実施例1の停車時ポンプ駆動抑制制御における液圧勾配リミッタ適用制御処理を示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
図5(b)は、実施例1の停車時ポンプ駆動抑制制御におけるモータデューティ抑制制御処理を示すフローチャートである。上述のように、ポンプ駆動によるブレーキ液圧制御においてはモータデューティの増加に伴ってブレーキ液圧の昇圧勾配ΔPも上昇するため、液圧勾配リミッタ適用制御を行わずモータデューティが所定の閾値に達すればモータデューティをこの閾値に制限することにより、液圧勾配リミッタ適用制御を実行する場合と同じ制御結果が得られる。
図6は、実施例1における停車時ポンプ駆動抑制制御実行時の経時変化を示すタイムチャートである。
時刻t1においてブレーキペダルが踏まれ、ブレーキ液圧、車両の前後方向加速度G、及び車速が検出される。車両は停車中であり、かつ平坦路面であるためこれらの値はいずれも0と検出されている。ブレーキ液圧の昇圧勾配が所定値に達すれば昇圧を抑制する液圧勾配リミッタ適用制御を行う場合、この時刻から制御を開始する。
時刻t2からt3においてはブレーキペダル踏力に対応する指令モータデューティ値が所定値を超過しているため、デューティリミッタ適用制御が実行されている。
ブレーキ操作量検出部11により検出され、制動意図に応じた目標液圧PTnを演算する目標液圧演算部16aと、前記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御手段と、目標液圧演算部16aに基づいて演算された目標液圧勾配ΔPTと所定の時間勾配閾値ΔPlとを比較し、目標液圧勾配ΔPTが所定の時間勾配閾値ΔPlを超過する場合、目標液圧勾配ΔPTを所定の時間勾配閾値ΔPlに制限する駆動指令値決定部16dと、を設けた。
図7は、実施例2のポンプ駆動抑制制御において、低速時ポンプ駆動抑制制御を実行する液圧勾配リミッタ適用制御の制御ブロック図である。この制御は図1における指令液圧演算部16において実行される。
ここで、目標液圧LPF演算部16eはローパスフィルタであり、目標液圧演算部16aにより検出された目標液圧PTnの低周波部分のみを抽出し、目標液圧LPF処理値PTLとして所定液圧比較部16fへ出力する。
所定液圧比較部16fは目標液圧LPF処理値PTLの前回値PTL(n-1)と所定の液圧閾値Paとの比較を行い、この比較結果は駆動指令値決定部16dへ出力される。
実施例2において車両は極低速であるため、ブレーキ液の目標液圧が停車に必要な一定値以上発生していれば、ブレーキ液圧の液圧勾配は変化せずとも車両は停止する。このため、実施例2においてはまずメインECU10において車速が所定の閾値Vaを下回っているかどうかを判断し、下回っていれば指令液圧演算部16においてブレーキ液の目標液圧が所定の閾値Paを超過するかどうかを判断する。
目標液圧LPF演算部16eにより演算された目標液圧である目標液圧LPF処理値PTLの前回値PTL(n-1)が液圧閾値Paを超過すれば、実施例1において実行された液圧勾配リミッタ適用制御を実行する。すなわち、目標液圧勾配ΔPTが閾値ΔPlを超過していればポンプ駆動指令値を閾値ΔPlと決定し、目標液圧勾配ΔPTが閾値ΔPlを下回っていれば目標液圧勾配ΔPTをポンプ駆動指令値と決定した上で、ブレーキ液圧がこの決定値となるよう、モータデューティ演算部17へ指令を出力する。
図8は、実施例2の低速時ポンプ駆動抑制制御を示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
図9は、実施例2における低速時ポンプ駆動抑制制御実行時の経時変化を示すタイムチャートである。
時刻t1においてブレーキペダルが踏まれ、ブレーキ液圧、モータデューティ、及び車速が検出される。ブレーキ液圧の昇圧勾配が所定値に達すれば昇圧を抑制する液圧勾配リミッタ適用制御を行う場合、時刻t1から制御を開始する。
時刻t2からt4においてはブレーキペダル踏力に対応する指令モータデューティ値が所定値を超過しているため、デューティリミッタ適用制御が実行されている。
車速検出部12により車両が低速状態であると判断した後、車両の前後方向の加速度Gの大きさにより路面が平坦であると判断された場合、車両が低速で平坦路面を走行中と判断してポンプ駆動抑制制御を実行し、ブレーキ液圧の昇圧勾配が所定値に達すれば昇圧を抑制する液圧勾配リミッタ適用制御を行ってポンプ駆動を抑制するか、またはモータデューティが所定値に達すればデューティリミッタ適用制御を行ってポンプ駆動を抑制する。
車速検出部12またはPレンジ検出部13、及び路面勾配検出部14により車速が0でなく、または平坦路面でない場合は、急制動を行う可能性があるため通常のポンプ駆動を行う。それ以外の場合は、車両が大きな制動力を必要としている状態にあるかどうかを判断し、必要としない場合は騒音低減のためポンプ駆動を制限し、必要とする可能性がある場合は制動力確保のためポンプ駆動の抑制を行わない制御を実行する。
図10に示すように、実施例3における指令液圧演算部16は、実施例2における指令液圧演算部16に設けられた目標液圧演算部16a、目標液圧勾配演算部16b、勾配リミッタ比較部16c、及び駆動指令値決定部16d、目標液圧LPF演算部16e及び所定液圧比較部16fに加え、所定時間前ポイント勾配演算部16g及び踏み増し判断勾配演算比較部16hを有する。
図11は、ブレーキ踏み増し時における目標液圧と目標液圧の変化を示す図である。現在時刻nの目標液圧PTnと前回の制御実行時の目標液圧PT(n-1)の差分から微分値を演算し、目標液圧勾配ΔPTを算出する。液圧勾配リミッタ適用制御においては、目標液圧勾配ΔPTと液圧勾配のリミッタ値である閾値ΔPlとを比較する。
車両が停車状態であると判断した後、車両の前後方向の加速度Gの大きさにより路面が平坦であると判断された場合、車両が平坦路面に停車中と判断し、以下の(1)ないし(3)に示す制御を実行する。
目標液圧勾配ΔPTが液圧勾配閾値ΔPlを下回る場合、ポンプ駆動によるブレーキ液圧の昇圧勾配は閾値を下回っているためポンプの騒音は大きくないと判断し、液圧勾配リミッタ適用制御を行うフラグを0として通常のポンプ駆動を行う。
ポンプ駆動を抑制してもよい状態にあるかを判断するため、まず前回の制御周期においてLPF(ローパスフィルタ)処理された目標液圧値PTL(n-1)が閾値Paを超過するかどうかを判断する。車両は停車中であり必要な制動力は限られているため、制動力を必要とする状況になければポンプ駆動を抑制する。
フラグが0であれば、前回の制御周期において液圧勾配リミッタ適用制御を行っておらず、この時点では急制動が行われる可能性がある。このため、ポンプ駆動を抑制して制動力を制限してもよい状態にあるかを判断するため下記(3)に示す制御を実行する。
ポンプ駆動を抑制してもよい状態にあるかを判断するため、(2)に示される制御に続いて液圧勾配の経時変化によるブレーキ踏み込み状態判断制御を行う。
図12は、ブレーキ踏み増し時における液圧勾配リミッタ適用制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
図13は、実施例3におけるブレーキ踏み増し時における液圧勾配リミッタ適用制御実行時の経時変化を示すタイムチャートである。
時刻t1においてブレーキペダルが踏まれ、ブレーキ液圧、車両の前後方向加速度G、及び車速が検出される。車両は停車中であり、かつ平坦路面であるためG値は0と検出されている。
入力された比較結果を基に、駆動指令値決定部16dはΔPTが閾値を上回り、ΔPT−ΔPが閾値を下回った際には、ポンプ駆動を抑制する指令を出力する。
実施例2と同様に、指令液圧演算部16における目標液圧演算部16aは目標液圧PTn'を算出し、目標液圧勾配演算部16bはこの目標液圧PTn'を微分し目標液圧勾配ΔPT'として勾配リミッタ比較部16cへ出力する。勾配リミッタ比較部16cはΔPT'とΔPl'の比較を行い、この比較結果は駆動指令値決定部16dへ出力される。
車速検出部12またはPレンジ検出部13からの信号によりにより車速が0でないと判断された場合は、急制動を行う可能性があるため通常のバルブ駆動を行う。それ以外の場合は、車両がブレーキ液の急減圧を必要としている状態にあるかどうかを判断し、必要としない場合は騒音低減のためバルブ駆動を制限し、必要とする可能性がある場合は急減圧のためバルブ駆動の抑制を行わない制御を実行する。
図14に示すように、目標液圧演算部16aから入力された減圧目標液圧PTn'を目標液圧LPF演算部16eにより演算し、算出された目標液圧である目標液圧LPF処理値PTL'の前回値PTL(n-1)'と液圧閾値Pbとを所定液圧比較部16fにおいて比較する。比較結果は駆動指令値決定部16dへ出力され、目標液圧の前回値PTL(n-1)'が液圧閾値Pbを超過すれば、目標液圧勾配ΔPT'が閾値ΔPl'を超過しているかどうかを判断する。
図15は、減圧時液圧勾配リミッタ適用制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
図16は、実施例4におけるブレーキ踏み増し時における液圧勾配リミッタ適用制御実行時の経時変化を示すタイムチャートである。
時刻t1においてブレーキペダルが開放され、ブレーキ液圧、及び車速が検出される。時刻t1においては、ブレーキ液圧の減圧勾配が所定値に達し、減圧を抑制する液圧勾配リミッタ適用制御を開始される。また、ブレーキペダル開放に伴って車速は増加を開始する。
実施例2の指令液圧演算部16と同様に、目標液圧演算部16aは目標液圧LPF処理値PTLを出力し、目標液圧勾配演算部16bはΔPT'として出力する。これらの出力値に基づき、所定液圧比較部16fは目標液圧LPF処理値の前回値PTL(n-1)'と液圧閾値Pbとの比較を行い、勾配リミッタ比較部16cは目標液圧勾配ΔPT'と液圧勾配閾値ΔPa'との比較を行う。
それぞれの比較結果は駆動指令値決定部16dへ出力される。入力された比較結果を基に、バルブ駆動抑制制御または通常の制動制御を実行する。
ポンプ駆動制限手段は、ブレーキペダルが踏み増しされたときはモータ駆動抑制制御を解除する。
ポンプ駆動制限手段によりポンプ駆動を抑制した状態においても所望の制動力を付与する。
2 ブースタ
3 マスタシリンダ
8 前輪側ホイルシリンダ
9 後輪側ホイルシリンダ
10 メインECU
11 ブレーキ操作量検出部
12 車速検出部
13 Pレンジ検出部
14 路面勾配検出部
15 ブレーキ液圧検出部
16 指令液圧演算部
16a 目標液圧演算部
16b 目標液圧勾配演算部
16c 勾配リミッタ比較部
16d 駆動指令値決定部
16e 目標液圧LPF演算部
16f 所定液圧比較部
16g 所定時間前ポイント勾配演算部
16h 踏み増し判断勾配演算比較部
16i アクセル開度検出部
17 モータデューティ演算部
17' バルブデューティ演算部
25 リザーバタンク
34 油路
35 油路
51 前輪側ブレーキアクチュエータ
52 後輪側ブレーキアクチュエータ
60 アウト側ゲートバルブ
62 油路
63 油路
70 イン側ゲートバルブ
71 イン側ゲートバルブ
72 インバルブ
73 インバルブ
74 ホイルシリンダ圧センサ
75 ホイルシリンダ圧センサ
76 アウトバルブ
77 アウトバルブ
78 ポンプ
79 ポンプ
80 モータ
81 脈圧低減用オリフィス
82 脈圧低減用オリフィス
83 ワンウェイバルブ
84 ワンウェイバルブ
85 吸入チェック弁
86 吸入チェック弁
90 ワンウェイバルブ
91 ワンウェイバルブ
92 ダイヤフラム
93 ダイヤフラム
Claims (1)
- ブレーキペダルの踏力又はストローク量に基づき、モータによりポンプを駆動させることによりブレーキ液圧を発生させる車両の制動制御装置において、
前記ブレーキペダルの操作量を検出する制動意図検出手段と、
前記制動意図検出手段により検出された制動意図に応じた目標制動力を演算する目標制動力演算手段と、
前記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御手段と、
前記目標制動力演算手段に基づいて演算された目標制動力の微分値と車両状態に基づいて演算された所定の微分値の閾値とを比較し、
前記目標制動力の微分値が前記閾値を超過する場合、前記ポンプの駆動力または前記目標制動力の微分値を前記閾値に相当する値に制限するポンプ駆動制限手段と、を設けたことを特徴とする車両の制動制御装置。
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