JP2009126356A - ブレーキアシスト制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特別のセンサや余分のセンサを設けることなく、運転者による急ブレーキ操作を精度良く判定して的確なブレーキアシストを行う。
【解決手段】 車両の減速度が所定値α以上であり、運転者のブレーキ操作速度(マスタシリンダ昇圧速度)が所定値γ以上であり、かつ減速度の単位時間毎の増加量が所定値δ以上である場合に、運転者が急ブレーキ操作を行ったと判定し、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うので、減速度算出手段、操作速度算出手段および減速度増加量算出手段の何れかが故障した場合に不要なブレーキアシスト制御が実行されるのを防止できるだけでなく、一般的なブレーキ装置に備えられている減速度算出手段、操作速度算出手段および減速度増加量算出手段を用いて急ブレーキの判定を行うことができるので、コストアップを最小限に抑えることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、運転者の急ブレーキ操作を判定する急ブレーキ判定手段を備え、前記急ブレーキ判定手段により運転者の急ブレーキ操作が判定された場合には、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うブレーキアシスト制御装置に関する。
例えば他車両との衝突を回避するために急制動を行うべく、運転者がブレーキペダルを急速に踏み込んだとき、通常時の(ブレーキ圧)/(ブレーキ操作力)の関係よりも前記ブレーキ圧が大きくなるモードに切り換えることにより、通常時よりも高い制動力を得られるブレーキアシスト制御を行うものが、下記特許文献1により公知である。
特許第2574715号公報
ところで、ブレーキアシスト制御の開始を判断する条件であるブレーキ操作量をマスタシリンダ圧センサだけで検出するものでは、そのマスタシリンダ圧センサが故障して運転者がブレーキペダルを急速に踏み込んだと誤判断された場合に、不要なブレーキアシスト制御が実行されてしまう可能性がある。このような不具合を解消するために、上記従来ののものは、マスタシリンダに連なる二つのブレーキ系統にそれぞれマスタシリンダ圧センサを設け、両者の出力を比較することで故障を検知しているが、故障検知のために二つのマスタシリンダ圧センサを設けることはコストアップの要因となる問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、特別のセンサや余分のセンサを設けることなく、運転者による急ブレーキ操作を精度良く判定して的確なブレーキアシストを行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、運転者の急ブレーキ操作を判定する急ブレーキ判定手段を備え、前記急ブレーキ判定手段により運転者の急ブレーキ操作が判定された場合には、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うブレーキアシスト制御装置において、車輪あるいは車両の減速度を算出する減速度算出手段と、運転者のブレーキ操作速度を算出する操作速度算出手段とを備え、前記減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上であり、かつ前記操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上である場合に、前記急ブレーキ判定手段は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、前記操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグとを備え、前記第1、第2フラグが同時にセット状態になったときに前記急ブレーキ判定手段は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、運転者の急ブレーキ操作を判定する急ブレーキ判定手段を備え、前記急ブレーキ判定手段により運転者の急ブレーキ操作が判定された場合には、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うブレーキアシスト制御装置において、車輪あるいは車両の減速度を算出する減速度算出手段と、運転者のブレーキ操作速度を算出する操作速度算出手段と、前記減速度算出手段で算出した減速度の単位時間毎の増加量を算出する減速度増加量算出手段とを備え、前記減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上であり、前記操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上であり、かつ前記減速度増加量算出手段で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上である場合に、前記急ブレーキ判定手段は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、前記操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグと、前記減速度増加量算出手段で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上になってから所定時間セットされる第3フラグとを備え、前記第1ないし第3フラグが同時にセット状態になったときに前記急ブレーキ判定手段は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置が提案される。
尚、実施の形態のマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5は本発明の操作速度算出手段に対応し、実施の形態の前後加速度算出手段M8は本発明の減速度算出手段に対応する。
請求項1の構成によれば、減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上であり、かつ操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上である場合に急ブレーキ判定手段は運転者の急ブレーキ操作を判定し、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うので、減速度算出手段および操作速度算出手段の一方が故障した場合に不要なブレーキアシスト制御が実行されるのを防止できるだけでなく、一般的なブレーキ装置に備えられている減速度算出手段および操作速度算出手段を用いて急ブレーキ操作の判定を行うことができるので、コストアップを最小限に抑えることができる。
また請求項2の構成によれば、減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグとの両方が同時にセット状態になったときに急ブレーキ判定手段が運転者の急ブレーキ操作を判定するので、上記二つの条件が時間差をもって成立した場合にもブレーキアシスト制御を確実に実行することができる。
また請求項3に記載された発明によれば、減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上であり、操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上であり、かつ減速度増加量算出手段で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上である場合に急ブレーキ判定手段が運転者の急ブレーキ操作を判定し、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うので、減速度算出手段、操作速度算出手段および減速度増加量算出手段の何れかが故障した場合に不要なブレーキアシスト制御が実行されるのを防止できるだけでなく、一般的なブレーキ装置に備えられている減速度算出手段、操作速度算出手段および減速度増加量算出手段を用いて急ブレーキ操作の判定を行うことができるので、コストアップを最小限に抑えることができる。特に、減速度増加量算出手段は減速度算出手段の出力を微分演算するだけのものであるから、それを設けたことによるコストアップは殆どない。
また請求項4の構成によれば、減速度算出手段で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、操作速度算出手段で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグと、減速度増加量算出手段で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上になってから所定時間セットされる第3フラグとの全てが同時にセット状態になったときに急ブレーキ判定手段が運転者の急ブレーキ操作を判定するので、上記三つの条件が時間差をもって成立した場合にもブレーキアシスト制御を確実に実行することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の実施の形態を示すもので、図1は自動車のブレーキ装置の液圧回路図、図2はブレーキ装置のアクチュエータの制御系を示すブロック図、図3はブレーキアシスト制御のメインルーチンのフローチャート、図4は図3のフローチャートのステップS3のサブルーチンのフローチャート、図5はブレーキアシスト制御の一例を示すタイムチャート、図6はマスタシリンダ圧センサの故障時の作用を示すタイムチャートである。
図1に示すように、運転者によるブレーキペダル11の操作に応じて負圧ブースタ12を介して作動するタンデム型のマスタシリンダ13は、第1ブレーキアクチュエータ14Aを介して左前輪および右後輪のホイールシリンダ15FL,15RRにブレーキ液圧を供給する第1出力ポート16Aと、第2ブレーキアクチュエータ14Bを介して右前輪および左後輪のホイールシリンダ15FR,15RLにブレーキ液圧を供給する第2出力ポート16Bとを備える。
左前輪および右後輪のホイールシリンダ15FL,15RRを作動させる第1ブレーキアクチュエータ14Aと、右前輪および左後輪のホイールシリンダ15FR,15RLを作動させる第2ブレーキアクチュエータ14Bとは実質的に同一構造であるため、以下その代表として第1ブレーキアクチュエータ14Aの構造を説明する。
第1ブレーキアクチュエータ14Aは、上流側に位置するマスタシリンダ13の第1出力ポート16Aに連なる液路P1と、下流側に位置する左前輪および右後輪のホイールシリンダ15FL,15RRにそれぞれ連なる液路P2,P3との間に配置される。
第1ブレーキアクチュエータ14Aは左前輪および右後輪のホイールシリンダ15FL,15RRに対して共通の液路P4および液路P5を備えており、液路P1および液路P4間に配置された可変開度の常開ソレノイドバルブよりなるレギュレータバルブ17と、このレギュレータバルブ17に対して並列に配置されて液路P4側から液路P1側へのブレーキ液の流通を許容するチェックバルブ18と、液路P4および液路P2間に配置された可変開度の常開型ソレノイドバルブよりなるインバルブ19と、このインバルブ19に対して並列に配置されて液路P2側から液路P4側へのブレーキ液の流通許容するチェックバルブ20と、液路P4および液路P3間に配置された可変開度の常開型ソレノイドバルブよりなるインバルブ21と、このインバルブ21に対して並列に配置されて液路P3側から液路P4側へのブレーキ液の流通を許容するチェックバルブ22と、液路P2および液路P5間に配置された可変開度の常閉型ソレノイドバルブよりなるアウトバルブ23と、液路P3および液路P5間に配置された可変開度の常閉型ソレノイドバルブよりなるアウトバルブ24と、液路P5に接続されたリザーバ25と、液路P5および液路P4間に配置されて液路P5側から液路P4側へのブレーキ液の流通を許容するチェックバルブ26と、このチェックバルブ26および液路P4間に配置されて液路P5側から液路P4側へブレーキ液を供給するポンプ27と、このポンプ27を駆動する電動モータ28と、チェックバルブ26およびポンプ27の中間位置と液路P1との間に配置された常閉型ソレノイドバルブよりなるサクションバルブ29とを備える。
尚、前記電動モータ28は、第1、第2ブレーキアクチュエータ14A,14Bのポンプ27,27に対して共用化されているが、各々のポンプ27,27に対して専用の電動モータ28,28を設けることも可能である。
マスタシリンダ13の一方の出力ポート(例えば、第1出力ポート16A)に連なる液路P1にマスタシリンダ圧センサSaが設けられるとともに、四輪のそれぞれに車輪速センサSb…が設けられる。
図2は、図1で説明したブレーキ装置の制御系のブロック図であって、前記マスタシリンダ圧センサSaで検出したマスタシリンダ13のブレーキ液圧と、前記車輪速センサSb…で検出した四輪の車輪速とが入力される電子制御ユニットUは、第1、第2ブレーキアクチュエータ14A,14Bの作動を制御して四輪の制動力を個別に制御することができる。
電子制御ユニットUは、車輪速算出手段M1と、減速度算出手段M2と、減速度増加量算出手段M3と、マスタシリンダ圧算出手段M4と、マスタシリンダ昇圧速度算出手段M5と、急ブレーキ判定手段M6と、ブレーキアシスト制御量算出手段M7とを備えており、車輪速算出手段M1には前記車輪速センサSbが接続され、マスタシリンダ圧算出手段M4には前記マスタシリンダ圧センサSa…が接続され、ブレーキアシスト制御量算出手段M7には前記第1、第2ブレーキアクチュエータ14A,14Bが接続される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、第1アクチュエータ14Aの種々の機能を説明する。
運転者が制動を行うべくブレーキペダル11を踏んだときには、電動モータ28の作動を停止し、レギュレータバルブ17が消磁して開弁し、サクションバルブ29が消磁して閉弁し、インバルブ19,21が消磁して開弁し、アウトバルブ23,24が消磁して閉弁する。従って、マスタシリンダ13の第1出力ポート16Aから出力されたブレーキ液圧は、レギュレータバルブ17から開弁状態にある二つのインバルブ19,21を経てホイールシリンダ15FL,15RRに供給され、左前輪および右後輪を制動することができる。
運転者がブレーキペダル11を踏んでいないとき、サクションバルブ29を励磁して開弁した状態で電動モータ28でポンプ27を駆動すると、マスタシリンダ13側からサクションバルブ29を経て吸入されてポンプ27で加圧されたブレーキ液が、レギュレータバルブ17および二つのインバルブ19,21に供給される。従って、レギュレータバルブ17を励磁して開度を調整することで液路P4のブレーキ液圧を調圧するとともに、そのブレーキ液圧を励磁により所定の開度に開弁した二つのインバルブ19,21を介して二つのホイールシリンダ15FL,15RRに選択的に供給することで、運転者がブレーキペダル11を踏んでいない状態でも、左前輪および右後輪の制動力を個別に制御することができる。
従って、第1、第2ブレーキアクチュエータ14A,14Bにより四輪の制動力を個別に制御し、旋回内輪の制動力を増加させて旋回性能を高めたり、旋回外輪の制動力を増加させて直進安定性能を高めたりすることができる。
また衝突を回避するために運転者がブレーキペダル11を急激に踏んだとき(いわゆるパニックブレーキ時)には、マスタシリンダ13が発生するブレーキ液圧がポンプ27によって更に増圧され、その増圧されたブレーキ液圧でホイールシリンダ15FL,15RRに最大限の制動力を発生させる。即ち、レギュレータバルブ17を励磁して閉弁し、かつサクションバルブ29を励磁して開弁した状態で電動モータ28でポンプ27を駆動すると、マスタシリンダ13が発生したブレーキ液圧はサクションバルブ29を経てポンプ27に吸入され、そこで更に加圧された状態でインバルブ19,21を経てホイールシリンダ15FL,15RRに供給されることで、運転者のブレーキ操作をアシストして衝突回避のための大きな制動力を発生することができる。
また運転者がブレーキペダル11を踏んでの制動中に、例えば左前輪が低摩擦係数路を踏んでロック傾向になった場合には、インバルブ19を励磁して閉弁するとともに、アウトバルブ23を励磁して開弁することで、左前輪のホイールシリンダ15FLのブレーキ液圧をリザーバ25に逃がして所定の圧力まで減圧した後、アウトバルブ23を消磁して閉弁することで、左前輪のホイールシリンダ15FLのブレーキ液圧を保持する。その結果、左前輪のホイールシリンダ15FLのロック傾向が解消に向かうと、インバルブ19を消磁して開弁することで、マスタシリンダ13の第1出力ポート16Aからのブレーキ液圧を左前輪のホイールシリンダ15FLに供給して所定の圧力まで増圧することで、制動力を増加させる。
この増圧によって左前輪が再びロック傾向になった場合には、前記減圧→保持→増圧を繰り返すことにより、左前輪のロックを抑制しながら制動距離を最小限に抑えるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)制御を行うことができる。
以上、左前輪のホイールシリンダ15FLがロック傾向になったときのABS制御について説明したが、右後輪のホイールシリンダ15RR、右前輪のホイールシリンダ15FR、左後輪のホイールシリンダ15RLがロック傾向になったときのABS制御も同様にして行うことができる。
次に、衝突を回避するために運転者がブレーキペダル11を急激に踏んだこと、つまりパニックブレーキを判断する手法を、図3〜図6に基づいて説明する。
先ず、図3のフローチャートのステップS1で車輪速センサSb…の出力に基づいて車輪速算出手段M1が各車輪の車輪速を算出し、ステップS2で減速度算出手段M2が車輪速を時間微分することで車輪速の減速度を算出する。尚、車輪速は各車輪毎に算出されるが、車輪速の減速度は4個の車輪の平均値として算出される。続くステップS3で減速度増加量算出手段M3が前記車輪速の減速度から減速度の増加量を算出する。
ここで、図4のフローチャートに基づいて前記ステップS3(減速度増加量算出)のサブルーチンを説明する。減速度a1,a2は減速度の絶対値が増加する方向を正として設定されるもので、a2>a1であって、a2は減速度大に対応し、a1は減速度小に対応する。先ず、ステップS21で減速度が小さい方のa1未満であれば、ステップS22で減速度タイマを0にセットし、ステップS23で減速度増加量を0にセットする。前記ステップS21で減速度が小さい方のa1を超えており、かつステップS24で減速度が大きい方のa2以下であれば、ステップS25で減速度タイマをインクリメントし、前記ステップS23で減速度増加量を0にセットする。前記ステップS24で減速度が大きい方のa2を超えれば、ステップS26で(a2−a1)/(減速度タイマ)により減速度増加量を算出する。
つまり、減速度が小さい方のa1を超えてから大きい方のa2を超えるまでの時間で、二つの減速度のa2,a1の差を除算したものが減速度増加量となる。
図3のフローチャートに戻り、ステップS4でマスタシリンダ圧センサSaの出力に基づいてマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5がマスタシリンダ13の昇圧速度、つまり運転者のブレーキ操作の操作速度を算出する。
そしてステップS5でブレーキアシスト制御中でないとき、ステップS6で減速度が閾値α以上であり、ステップS7で減速度増加量が閾値δ以上であり、ステップS8でマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上であれば、ステップS9で急ブレーキ判定手段M6が運転者による急ブレーキが行われたと判断し、ブレーキアシスト制御量算出手段M7で算出したブレーキアシスト制御量に基づいて前述したブレーキアシスト制御を開始する。前記ステップS6,S7,S8の何れかが成立しない場合にはブレーキアシスト制御は開始されない。
このようにしてブレーキアシスト制御が開始されると、前記ステップS5の答えがYesになり、ステップS10でマスタシリンダ圧センサSaにより検出したマスタシリンダ圧が閾値ρ以上である間、ブレーキアシスト制御が継続される。そして前記ステップS10でマスタシリンダ圧が閾値ρ未満になると、ステップS11でブレーキアシスト制御が終了する。
次に、上記作用の一例を図5に示すタイムチャートに基づいて説明する。
運転者がブレーキペダル11を踏んでマスタシリンダ圧およびホイールシリンダ圧が立ち上がり、先ずa点においてマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上となり、次いでb点において車輪の減速度が閾値α以上となり、次いでc点において減速度増加量が閾値δ以上となると、A点(=c点)においてブレーキアシストが開始され、マスタシリンダ圧に斜線で示したアシスト分のブレーキ液圧が加算されたホイールシリンダ圧で制動が行われ、衝突を回避するための大きな制動力を発生する。そしてd点でマスタシリンダ圧が閾値ρ未満になると、前記d点(=B点)でブレーキアシストが終了する。
図6に示すタイムチャートは、マスタシリンダ圧センサSaが故障した場合のものである。
マスタシリンダ圧センサSaが故障し、実際の圧力よりも大幅に高い圧力を出力したため、a点においてマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上となっても、実際のマスタシリンダ圧は故障したマスタシリンダ圧センサSaの出力値よりも低いため、車輪の減速度が閾値α以上となることも、減速度増加量が閾値δ以上となることもなく、従ってマスタシリンダ圧センサSaの故障に伴って不要なブレーキアシストが実行されてしまう不具合を解消することができる。
以上のように、減速度算出手段M2で算出した減速度が閾値α以上であり、減速度増加量算出手段M3で算出した減速度の単位時間毎の増加量が閾値δ以上であり、かつマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5で算出したマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上である場合に、急ブレーキ判定手段M6が運転者の急ブレーキ操作を判定してブレーキアシストを行うので、減速度算出手段M2、減速度増加量算出手段M3およびマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5の何れかが故障した場合に不要なブレーキアシスト制御が実行されるのを防止することができる。
しかも減速度算出手段M2および減速度増加量算出手段3は一般的なブレーキ装置に備えられている車輪速センサSb…の出力を演算処理するだけであり、またマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5は一般的なブレーキ装置に備えられているマスタシリンダ圧センサSaの出力を演算処理するだけなので、特別なセンサや余分のセンサを設ける必要がなくなってコストアップを回避することができる。
尚、実施の形態では「減速度が閾値α以上」、「減速度増加量が閾値δ以上」および「マスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上」という三つの条件が同時に成立したときだけでなく、上記三つの条件が時間差をもって成立したとき(同時に成立しないとき)にも、運転者による急ブレーキが行われたと判断する。よって、「減速度が閾値α以上になってから所定時間セットされるフラグ」、「減速度増加量が閾値δ以上になってから所定時間セットされるフラグ」および「マスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上になってから所定時間セットされるフラグ」を設け、三つのフラグが同時にセットされた状態になったときに急ブレーキが行われたと判断することで、上記三つの条件が時間差をもって成立したときにも急ブレーキが行われたと判断することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では減速度が閾値α以上であり、減速度増加量が閾値δ以上であり、かつマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上であれば運転者による急ブレーキが行われたと判断しているが、上記三つの条件から減速度増加量の条件を外し、減速度が閾値α以上であり、かつマスタシリンダ昇圧速度が閾値γ以上であれば運転者による急ブレーキが行われたと判断しても良い。
ただし、減速度はブレーキ操作量と相関があり、減速度増加量はブレーキ操作速度と相関があるので、減速度増加量の条件を考慮することにより、算出されたブレーキ操作速度条件が正しいか否かを、より正確に評価することができる。
また実施の形態では車輪速センサSb…の出力に基づいて減速度および減速度増加量を算出しているが、図2に破線で示すように車体の前後加速度を検出する前後加速度センサScを設け、その出力に基づいて前後加速度算出手段M8で前後加速度(つまり減速度)を算出し、その減速度に基づいて減速度増加量算出手段M3で減速度増加量を算出しても良い。この場合、前記前後加速度算出手段M8が本発明の減速度算出手段M2の機能を果たすことになる。
また実施の形態ではマスタシリンダ昇圧速度算出手段M5で本発明の操作速度算出手段を構成しているが、ブレーキペダル11の踏力センサやストロークセンサで操作速度算出手段を構成することも可能である。
自動車のブレーキ装置の液圧回路図 ブレーキ装置のアクチュエータの制御系を示すブロック図 ブレーキアシスト制御のメインルーチンのフローチャート 図3のフローチャートのステップS3のサブルーチンのフローチャート ブレーキアシスト制御の一例を示すタイムチャート マスタシリンダ圧センサの故障時の作用を示すタイムチャート
符号の説明
M2 減速度算出手段
M3 減速度増加量算出手段
M5 マスタシリンダ昇圧速度算出手段(操作速度算出手段)
M6 急ブレーキ判定手段
M8 前後加速度算出手段(減速度算出手段)

Claims (4)

  1. 運転者の急ブレーキ操作を判定する急ブレーキ判定手段(M6)を備え、前記急ブレーキ判定手段(M6)により運転者の急ブレーキ操作が判定された場合には、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うブレーキアシスト制御装置において、
    車輪あるいは車両の減速度を算出する減速度算出手段(M2)と、運転者のブレーキ操作速度を算出する操作速度算出手段(M5)とを備え、前記減速度算出手段(M2)で算出した減速度が所定値以上であり、かつ前記操作速度算出手段(M5)で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上である場合に、前記急ブレーキ判定手段(M6)は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置。
  2. 前記減速度算出手段(M2)で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、前記操作速度算出手段(M5)で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグとを備え、前記第1、第2フラグが同時にセット状態になったときに前記急ブレーキ判定手段(M6)は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアシスト制御装置。
  3. 運転者の急ブレーキ操作を判定する急ブレーキ判定手段(M6)を備え、前記急ブレーキ判定手段(M6)により運転者の急ブレーキ操作が判定された場合には、運転者のブレーキ操作力に応じて発生する制動力を上回る制動力で制動を行うブレーキアシスト制御装置において、
    車輪あるいは車両の減速度を算出する減速度算出手段(M2)と、運転者のブレーキ操作速度を算出する操作速度算出手段(M5)と、前記減速度算出手段(M2)で算出した減速度の単位時間毎の増加量を算出する減速度増加量算出手段(M3)とを備え、前記減速度算出手段(M2)で算出した減速度が所定値以上であり、前記操作速度算出手段(M5)で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上であり、かつ前記減速度増加量算出手段(M3)で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上である場合に、前記急ブレーキ判定手段(M6)は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とするブレーキアシスト制御装置。
  4. 前記減速度算出手段(M2)で算出した減速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第1フラグと、前記操作速度算出手段(M5)で算出した運転者のブレーキ操作速度が所定値以上になってから所定時間セットされる第2フラグと、前記減速度増加量算出手段(M3)で算出した減速度の単位時間毎の増加量が所定値以上になってから所定時間セットされる第3フラグとを備え、前記第1ないし第3フラグが同時にセット状態になったときに前記急ブレーキ判定手段(M6)は運転者の急ブレーキ操作を判定することを特徴とする、請求項3に記載のブレーキアシスト制御装置。
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