JP2005262248A - 銅管とアルミニウム管の接合体、該接合体の製造方法及び冷凍回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 銅管2とアルミニウム管4の接合体は、銅管2の一端部とステンレス管3のメッキなしの一端部とがろう付けされ、また、アルミニウム管4の一端部とステンレス管3のメッキなしの他端部とがろう付けされ、これら両ろう付けのうち、少なくとも後から行うろう付けは、真空雰囲気又は還元雰囲気で行われ形成された。
【選択図】 図1
Description
また、冷凍回路におけるフィンチューブ型熱交換器は、アルミニウム製の積層フィンにヘアピン型の銅管を挿入する等、異種の金属を組合わせて製造される。
しかしながら、近年、材料のリサイクル性の要求が強まっており、解体性の向上のために、上記の熱交換器等も同一材料で製造することが求められている。
熱交換器のような配管構造物を同一の材料で製造する場合、材料として銅又はアルミニウムが考えられ、なかでも軽量である点、低エネルギーでリサイクルできる点及び銅では困難な扁平管等の異形管の製造が容易である点からアルミニウムの使用が好適である。オールアルミニウムのフィンチューブ型熱交換器であれば、冷凍回路の銅配管から切り離すだけで分離でき、リサイクルが容易となる。
銅管とアルミニウム管とを接合するには、400℃近い融点の相違、強固な参加皮膜の存在、電極電位差による接触腐食の存在と防食対策の必要性等多くの懸念すべき課題が存在し、非常に特殊な接合方法しか実用化されていない。
また、銅管と接合する表面にろう付けに適した材質のメッキを施したステンレス管を介して、銅管とアルミニウム管を接合する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、信頼性の高い、かつ、製作が容易で安価な銅管とアルモニウム管の接合体の製造方法を得ることを目的とする。
また、このような銅管とアルミニウム管の接合体により、信頼性の高い、かつ、製作が容易で安価な、また、リサイクル性の良い熱交換器を持つ冷凍空調装置の冷凍回路を得ることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態1による銅管とアルミニウム管の接合体を示す断面図であり、図2は、図1の接合体の製造方法を説明する図であり、図3は、図1の接合体のアルミニウム管として、アルミニウム製のフィンチューブ型熱交換器のアルミニウム管の例を示す図である。
図1に示すように、銅管2とアルミニウム管4の接合体は、銅管2の一端部を拡管し拡管部2aを形成し、この拡管部2aにステンレス管の一端部を挿入しろう付け部とし、また、アルミニウム管4の一端部を拡管し拡管部4aを形成し、この拡管部4aにステンレス管の他端部を挿入しろう付け部とし、これらのろう付け部をろう付けしたものである。
ここで、ステンレス管3のろう付け部には、両方共メッキは施さず、また、銅管2とステンレス管3のろう付け、及びアルミニウム管4とステンレス管3ろう付けは、同時ではなく別々に行い、後から行うろう付けは、真空雰囲気または還元雰囲気で行う。
1)長さ100mm以上の銅管2の一端部を拡管し、拡管部2aを形成する。
2)ステンレス管3の一端部を銅管2の拡管部2aに挿入し、ろう付け部を形成する。
3)内部に窒素又は炭酸ガス等のシールドガスを流しながら、銀ろう又は黄銅ろうを用いてトーチろう付け又は高周波ろう付けを行う。フラックスは使用しても使用しなくてもよいが、使用する場合は、環境面を考慮して、非塩素系フラックスとする。なお、黄銅ろうを使用する場合は、黄銅ろうに含まれるZnがろう脆性を起こす原因となる可能性が高く、母材の強度低下が懸念されるため注意が必要である。
上記のろう付けに替えて、還元雰囲気炉又は真空炉中で、ろう材をリング状に成形した銀リングろうを使用して、ろう付けしてもよい(図2(a)参照)。
5)ステンレス管3の他端部をアルミニウム管4の拡管部4aに挿入し、ろう付け部を形成する。
6)還元雰囲気炉又は真空炉中でろう付けを行う。ろう材は、リング状に成形したアルミニウムろう(例えば、Al−Si系ろう)を使用する。フラックスは使用しても使用しなくてもよいが、使用する場合は、環境面を考慮して、非塩素系フラックスとする(図2(b)参照)。
この際、先にろう付けした銅管2とステンレス管3のろう付けにより、ステンレス管3の表面に在る不働態皮膜が強固となる影響が考えられるが、還元雰囲気又は真空雰囲気中でろう付けするので、不働態皮膜(即ち、酸化皮膜)を還元しながらろう付けするので、ろう付け性に問題はない。
このように本実施の形態の銅管2とアルミニウム管4の接合体は、銅管2及びアルミニウム管4の拡管部2a、4aにメッキなしのステンレス管3を挿入し、ろう付け部を形成し、ろう付けするので、製作が容易であり、かつ、安価である。また、少なくとも後からの(二度目の)ろう付けは、還元雰囲気又は真空雰囲気中でろう付けするので、ステンレス管3の不働態皮膜のろう付けへの悪影響はなく、また、不働態皮膜により接合部の腐食が防止でき信頼性の高い接合が得られる。
この場合、接合体のアルミニウム管4をアルミニウム製熱交換器6のアルミニウム製伝熱管とせずに、接合体のアルミニウム管4にアルミニウム製熱交換器6のアルミニウム製伝熱管をろう付け接合してもよい。
このように、本実施の形態の銅管2とアルミニウム管4の接合体は、銅管2を配管の銅管7と接合し、また、アルミニウム管4をアルミニウム製熱交換器6のアルミニウム製伝熱管とするか又はアルミニウム管4をアルミニウム製熱交換器6のアルミニウム製伝熱管に接合する(この場合は、銅管2とアルミニウム管4の接合体は、継手管となる)ことにより、リサイクル性の良い熱交換器を持ち、信頼性の高い、製作の容易な冷凍空調装置の冷凍回路を形成できる。
本実施の形態の銅管2とアルミニウム管4の接合体では、図4に示すように、ステンレス管3に所定の間隔を隔ててポンチ部3aを設け、銅管2の一端部にステンレス管3の一端部をこの一端部側のポンチ部3aまで挿入し、ろう付け部を形成し、また、アルミニウム管4の一端部にステンレス管3の他端部をこの他端部側のポンチ部3aまで挿入し、ろう付け部を形成し、ろう付け部をそれぞれろう付けした。その他の構成等は、実施の形態1と同じである。
このようにすれば、実施の形態1の場合のように、銅管2及びアルミニウム管4を拡管しなくても、ろう付けの位置決めができろう付けがよういとなる。従って、ポンチ部3aは、挿入の位置決めができればよく、単純な突起でよい。その他は、実施の形態1の銅管2とアルミニウム管4の接合体と同様な効果が得られる。
本実施の形態の銅管2とアルミニウム管4の接合体では、図5に示すように、
銅管2の一端部の先端から所定距離にポンチ部2bを設け、銅管2の一端部がステンレス管3の一端部にこのポンチ部2bまで挿入し、ろう付け部を形成し、また、アルミニウム管4の一端部の先端から所定の距離にポンチ部4bを設け、アルミニウム管4の一端部をステンレス管3の一端部にこのポンチ部4bまで挿入し、ろう付け部を形成し、それぞれろう付け部をろう付けした。
このようにしても実施の形態1の銅管2とアルミニウム管4の接合体と同様な効果が得られる。また、ポンチ部2bとポンチ部4bとは、実施の形態2のポンチ部3aと同様な働きをするものであり、位置決め用の単純な突起でよい。
Claims (7)
- 銅管の一端部とステンレス管のメッキなしの一端部とがろう付けされ、また、アルミニウム管の一端部とステンレス管のメッキなしの他端部とがろう付けされ、
前記両ろう付けのうち、少なくとも後から行うろう付けは、真空雰囲気又は還元雰囲気で行われたことを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合体。 - 前記銅管の一端部に拡管部が形成され、前記ステンレス管の一端部がこの拡管部に挿入されろう付け部が形成され、また、前記アルミニウム管の一端部に拡管部が形成され、前記ステンレス管の他端部がこの拡管部に挿入されろう付け部が形成され、それぞれろう付けされたことを特徴とする請求項1に記載の銅管とアルミニウム管の接合体。
- 前記ステンレス管に所定の間隔を隔ててポンチ部が設けられ、前記銅管の一端部に前記ステンレス管の一端部がこの一端部側のポンチ部まで挿入されろう付け部が形成され、また、前記アルミニウム管の一端部に前記ステンレス管の他端部がこの他端部側の前記ポンチ部まで挿入されろう付け部が形成され、それぞれろう付けされたことを特徴とする請求項1に記載の銅管とアルミニウム管の接合体。
- 前記銅管の一端部の先端から所定距離にポンチ部が設けられ、前記銅管の一端部が前記ステンレス管の一端部に前記ポンチ部まで挿入されろう付け部が形成され、また、アルミニウム管の一端部の先端から所定の距離にポンチ部が設けられ、前記アルミニウム管の一端部が前記ステンレス管の一端部に前記ポンチ部まで挿入されろう付け部が形成され、それぞれろう付けされたことを特徴とする請求項1に記載の銅管とアルミニウム管の接合体。
- 前記ステンレス管の前記両ろう付け部間に所定の間隔を設けるとともに、前記銅管は所定の長さ以上としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の銅管とアルミニウム管の接合体。
- 圧縮機と、凝縮器用熱交換器と、蒸発器用熱交換器と、流量調整弁等とを配管接続し、冷媒を循環させ、
前記配管は銅管であり、
前記両熱交換器のうち、少なくとも一方は、アルミニウム製の積層フィン及びこれを貫通する伝熱管であるアルミニウム管からなるフィンチューブ型熱交換器であり、
請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載の銅管とアルミニウム管の接合体の銅管が他端部で前記配管の銅管と接続し、また、前記接合体のアルミニウム管が前記フィンチューブ型熱交換器のアルミニウム管であることを特徴とする冷凍空調装置の冷凍回路。 - 銅管の一端部とステンレス管のメッキなしの一端部とをろう付けし、
次いで、アルミニウム管の一端部とステンレス管のメッキなしの他端部とを真空雰囲気又は還元雰囲気でろう付けすることを特徴とする銅管とアルミニウム管の接合体の製造方法。
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