JP2005253034A - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極破損、電気的断線の防止、素子の挿入損失の低減、共振子のQ値向上を図ることができる弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】 くし歯状電極部13、14がTiN(窒化チタン)またはTiOxNyからなる下地層21と、下地層の上面に接して積層された主電極層22からなる積層構造を有している。最稠密面である{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有するように積層されるのでくし歯状電極部13、14のでエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを抑制することができ、電極破損、電気的断線の防止、素子の挿入損失の低減、共振子のQ値向上を図ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は高周波帯域において高い耐電力性を示すことのできる電極構造を有する弾性表面波素子に関する。
弾性表面波素子は機械的振動エネルギーが固体表面付近にのみ集中して伝播する弾性表面波を利用した電子部品であり、フィルタ、共振器またはデュプレクサなどを構成するために用いられる。
近年、携帯電話などの移動体通信端末の小型化及び軽量化が急速に進んでおり、これらの移動体通信端末に実装される電子部品の小型化が要求されている。
弾性表面波素子は、圧電性基板の表面上に、導電性材料からなる一対のくし歯状電極(IDT(インタディジタルトランスデューサ)電極)のくし歯の部分を、互い違いに並べて配置する構成を有している。このような単純な構造を有する弾性表面波素子は移動体通信端末に実装されるフィルタ、共振器またはデュプレクサを小型化するために非常に適した素子である。
従来の弾性表面波素子のくし歯状電極部の材料には、導電性でかつ比重の小さなAl、またはAlを主成分とする合金が一般的に用いられてきた。
しかし、弾性表面波素子を、例えば、送信増幅器の後段に位置し、大きな電力が印加されるRF部(高周波部)のアンテナデュプレクサとして用いるためには、高い耐電力性が要求される。さらに、移動体通信端末の高周波化に伴い、弾性表面波素子の動作周波数を数百MHzから数GHzにすることも要求されている。
高周波化を図るには、弾性表面波素子のくし歯状電極のくし歯部の幅寸法及び間隔幅を小さくする必要がある。例えば、中心周波数2GHz帯フィルタでは前記幅寸法を約0.5μmに形成する必要があり、中心周波数10GHz帯フィルタでは前記幅寸法を約0.1μmに形成する必要がある。
このような、微細なくし歯状電極に高電力レベルの信号が印加されると、弾性表面波によってくし歯状電極が強い応力を受ける。この応力がくし歯状電極の限界応力を越えると、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが発生する。エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションとは、くし歯状電極を構成する金属材料原子が結晶粒界または結晶中を通路として移動し、くし歯状電極に空隙(ボイド)や突起(ヒロック)を生じさせる現象のことである。エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが発生すると、電極が破損し、電気的断線の発生、素子の挿入損失の増加、共振子のQ値低下などを引き起こし、弾性表面波素子の特性劣化に至る。
特許文献1、2にはAlまたはAlを主成分とする合金からなるくし歯状電極部の下にTiからなる下地層を形成することによってAl電極層を双晶構造にして弾性表面波素子の耐電力性を向上させることが記載されている。
特開2002−305425号公報(第5頁) 特開2003−152498号公報(第6頁) 特再平11−54995号公報(第2頁、第3頁)
しかしながら、実際にTiからなる下地層の上にAlまたはAlを主成分とする合金からなるくし歯状電極部を形成すると、前記Al層またはAl合金層の{111}面の特定方向への配向が弱くなり、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが発生しやすいことがわかった。このため、電極破損、電気的断線、素子の挿入損失の増加、共振子のQ値低下などを引き起こし、弾性表面波素子の特性劣化に至る。
また、圧電性基板の酸素が下地層のTiやAl層またはAl合金層に拡散してくし歯状電極部の電気抵抗が大きくなり素子の挿入損失が増加するという問題も生じる。
なお、特許文献3にはAl合金からなる層の下にTiNからなる層を形成することが記載されている。しかし、Al合金からなる層の下にTiNからなる層を形成する弾性表面波素子の実施例は記載されておらず、結晶配向についての規定もないものであった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、耐電力性が向上する弾性表面波素子を提供することを目的とする。
本発明は圧電性基板と、前記圧電性基板上に薄膜形成された電極部を有する弾性表面波素子において、
前記電極部は、くし歯状電極部及び前記くし歯状電極部に接続された接続電極部を有し、前記くし歯状電極部は下地層とこの下地層の上に積層された主電極層を有し、前記下地層は岩塩型構造、面心立方構造又は六方最密構造の結晶構造を有し、前記主電極層は面心立方構造の結晶構造を有しており、前記主電極層の{111}面は基板表面に対して一定の傾きを有していることを特徴とするものである。
本発明は岩塩型構造又は面心立方構造或は六方最密構造の下地層の上に、面心立方構造である主電極層を最稠密面である{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有するように積層しているのでエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを抑制することができる。この結果、電極破損、電気的断線の防止、素子の挿入損失の低減、共振子のQ値向上を図ることができ、弾性表面波素子の特性を向上させることができる。
また、前記主電極層の{111}面が前記圧電性基板の結晶のX軸に平行であると、最稠密面である{111}面がSH波の振幅方向と交叉することになるのでエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに対する耐性が向上する。
さらに、前記下地層の{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有していることが好ましい。
また本発明では前記主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長していることが好ましい。このとき前記主電極層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置と前記下地層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置が一致する。
本発明において前記下地層の結晶の最近接原子間距離は2.40Å〜3.30Åであることが好ましい。
また前記主電極層の結晶の最近接原子間距離は2.50Å〜3.00Åであることが好ましい。
さらに、前記下地層の結晶の最近接原子間距離と前記主電極層の結晶の最近接原子間距離のミスマッチ率が−20%以上20%以下であることが好ましく、より好ましくは前記ミスマッチ率が−15%以上15%以下である。
ただし、前記ミスマッチ率=(前記下地層の結晶の最近接原子間距離−前記主電極層の結晶の最近接原子間距離)×100/前記主電極層の結晶の最近接原子間距離である。
前記下地層は例えばTiN(窒化チタン)、TiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)、Ni、Fe、Mg、Co、Osのいずれか1種または2種以上によって形成される。
また、例えば前記主電極層はCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上によって形成される。
あるいは、前記主電極層はCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上の元素とAg、Sn、C、Sc、Cuのいずれか1種または2種以上の元素の合金によって形成されている。
本発明において、前記圧電性基板は三方晶の結晶構造を有しているものを使用することができる。前記圧電性基板の好ましい材料としてLiTaOまたはLiNbOがある。
また、前記圧電性基板がYカット角が36°から60°のLiTaOからなると弾性表面波素子の共振特性が向上する。
前記主電極層がAlまたはAl合金あるいはCuまたはCu合金によって形成され前記圧電性基板がYカット角が36°から48°のLiTaOからなるとき、主電極層の結晶の[111]方向の基板法線方向からの角度が前記圧電性基板のZ軸の基板法線方向からの角度よりも大きくなる。
さらに、前記主電極層の上にTiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)からなる保護層が積層されていると前記主電極層の結晶構造が安定化し、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに対する耐性を抑制することができる。
前記下地層の膜厚は5nmから20nmであることが好ましい。
本発明は岩塩型構造、面心立方構造または六方最密構造である下地層の上に、面心立方構造である主電極層を最稠密面である{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有するように積層しているのでエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを抑制することができる。この結果、弾性表面波素子の動作周波数を数百MHzから数GHzになっても電極破損、電気的断線の防止、素子の挿入損失の低減、共振子のQ値向上を図ることができ、弾性表面波素子の特性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態の弾性表面波素子を示す平面図である。
符号11は弾性表面波素子を示しており、この弾性表面波素子は分波器としての機能を有している。符号12は、圧電基板を示している。本実施の形態では、圧電性基板12は三方晶の結晶構造を有しているLiTaOまたはLiNbOなどの圧電セラミック材料によって形成されている。
圧電性基板12上に、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14が形成されている。くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14には、それぞれ図示X3方向と逆方向に延びるくし歯部13a、及び図示X3方向に延びるくし歯部14aが形成されている。くし歯状電極部13のくし歯部13aとくし歯状電極部14のくし歯部14aは、所定の間隔をあけて図示X方向に互い違いに並べられている。
また、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14には、弾性表面波素子を外部の回路と接続するための接続電極部15、16が電気的に接続されている。くし歯状電極部13と接続電極部15が電極部17を構成し、くし歯状電極部14と接続電極部16が電極部18を構成している。
さらに、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14の図示X方向と図示X方向の反対側に隣接して、反射電極19,19が形成されている。
図2に結晶軸X,Y,Zを有するLiTaO単結晶を、結晶軸Xの回りでY軸からZ軸方向に回転角θだけ傾けた角度で切り出した状態を示す。このような圧電基板をθ回転YカットLiTaO基板という。なお、角度θのことを回転切断角度またはカット角と言い表す。
図3は、くし歯状電極部13及びくし歯状電極部14を、3−3線から切断し矢印方向から見た縦断面図である。
本実施の形態では、くし歯状電極部13は下地層21と、下地層の上面に接して積層された主電極層22と、主電極層22の上に積層された保護層23からなる積層構造を有している。同様に、くし歯状電極部14も、下地層25と、下地層25の上面に接して積層された主電極層26の上に積層された保護層27からなる積層構造を有している。保護層23及び保護層27はTiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)によって形成されている。下地層21、25は例えばTiN(窒化チタン)、TiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)、Ni、Fe、Mg、Co、Osのいずれか1種または2種以上によって形成される。これらの材料の結晶の最近接原子間距離は2.40Å〜3.30Åの範囲にある。
TiN(窒化チタン)、TiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)、Ni、Feは岩塩型構造または面心立方構造の結晶構造をもち、Mg、Co、Osは六方最密構造の結晶構造をもつ。上記の材料のうち特にTiN、TiOxNyが好適である。
主電極層22、26の材料は例えばCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上である。あるいは主電極層22、26の材料は例えばCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上の元素とAg、Sn、C、Sc、Cuのいずれか1種または2種以上の元素の合金である。具体的にはAlScCu合金、CuAg合金、CuScAg合金などである。これらの材料の結晶の最近接原子間距離は2.50Å〜3.00Åの範囲にある。Cu、Al、Pt、Au、Ag並びに前記合金はいずれも面心立方構造の結晶構造をもつ。
上述した材料を用いて下地層21、25及び主電極層22、26を形成して下地層21、25の結晶の最近接原子間距離と主電極層22、26の結晶の最近接原子間距離のミスマッチ率を−20%以上20%以下にすることが好ましい。より好ましくは前記ミスマッチ率を−15%以上15%以下にすることである。
なお、前記ミスマッチ率=(前記下地層の結晶の最近接原子間距離−前記主電極層の結晶の最近接原子間距離)×100/前記主電極層の結晶の最近接原子間距離と定義する。
下地層がTiNで形成されると圧電性基板のLiTaOの酸素が未窒化のTiと結合しLiTaOの酸素が奪われることがある。一方、下地層がTiOxNyで形成されるとTiが安定化しLiTaOの酸素が奪われなくなる。ただし、TiOxNyの酸素の割合が高くなると電気の導伝率が低下するので0<x<0.2,x+y=1が最適である。
図1及び図3に示される実施の形態では、くし歯状電極部13とくし歯状電極部14は同じ幅寸法Wを有しており、間隔幅Pは一定の値である。くし歯状電極部13,14の幅寸法Wは0.3μm以上で0.7μm以下であり、間隔幅Pは0.3μm以上で0.7μm以下である。
また、下地層21、25の膜厚t1は5nmから20nm、主電極層22、26の膜厚t2は80nmから180nm、保護層23、27の膜厚t3は5nmから20nmである。下地層21、25の膜厚t1を5nm以上にすると下地層21、25及び主電極層22、26の{111}面が基板表面に対して明確に一定の傾きを有するようになる。
ここで図4にくし歯状電極部13のくし歯部13aの側面図を示す。図4に示されるように、主電極層22の結晶は面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有している。この一定の傾きは例えば51°であり、主電極層22の[111]方向の基板法線方向からの角度φの値に等しい。くし歯状電極部14も同様の構造を有している。
このように最稠密面である{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有するように積層されるとくし歯状電極部13、14のエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを抑制することができる。この結果、電極破損、電気的断線の防止、素子の挿入損失の低減、共振子のQ値向上を図ることができ、弾性表面波素子の特性を向上させることができる。
また、図4に示されるように主電極層22、26の{111}面が圧電性基板の結晶のX軸に平行であると、最稠密面である{111}面がSH波の振幅方向と交叉することになるのでエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに対する耐性が向上する。
さらに、下地層21の最稠密面(面心立方晶の場合は{111}面)が基板表面に対して一定の傾きを有している。図4では面心立方晶である下地層21の{111}面の傾き角と主電極層22の{111}面の傾き角は等しくなっている。主電極層22の結晶は下地層21の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。このとき主電極層22の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置と下地層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置が一致する。くし歯状電極部14も同様である。
なお、圧電性基板12はYカット角36°から60°のLiTaOからなると弾性表面波素子の共振特性が向上する。
さらに、主電極層22、26(またはAl層)の上にTiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)からなる保護層23、27が積層されているので、主電極層22、26の結晶構造が安定化し、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションに対する耐性を抑制することができる。ただし、保護層23、27は形成されなくともよい。
本実施の形態の弾性表面波素子のくし歯状電極部13、14はスパッタ法あるいは蒸着法で形成されることが好ましい。
まず圧電性基板12の表面をイオンエッチングなどによって前処理し、圧電性基板12の表面にエピタキシャル成長可能な結晶面を露出させる。この圧電性基板12の結晶面上に下地層21、25及び主電極層22、26をスパッタ法あるいは蒸着法で成膜することにより、下地層21、25及び主電極層22、26を{111}方位に強く配向した結晶を有する層として形成することができ、下地層21、25及び主電極層22、26の{111}面が基板表面に対して一定の傾きを有するように成膜できる。スパッタ法または蒸着法を用いることにより、主電極層22、26の結晶を下地層21、25の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長させることが容易になる。
下地層21、25の上にエピタキシャルまたはヘテロエピタキシャルの状態で主電極層22、26を堆積していくためには、ターゲット基板から叩きだされた主電極層22、26の材料となる原子が下地層21、25の上に到達したのち、下地層21、25の原子配列にならって再配列できるように、主電極層22、26の原子が下地層21、25の上を適度に移動することができるだけのエネルギーが必要である。
主電極層22、26の原子のエネルギーを大きくするためには、ターゲットを叩きだすためのスパッタガスの圧力を調節することが重要である。スパッタガスの圧力が大きくなりすぎると、主電極層22、26の材料となる原子とスパッタガス分子の衝突頻度が増加して、主電極層22、26の材料となる原子が下地層21、25の上に到達するまでにエネルギーを失ってしまう。このため、スパッタガス圧は低い方が良いが、あまり低すぎると安定的な放電を維持することができなくなる。
従って、ターゲットを叩きだすためのスパッタガスの圧力は、5×10−4Torr(6.7×10−2Pa)〜3×10−2Torr(4Pa)であることが好ましい。本実施の形態では、スパッタガスとしてArを用い、スパッタガスの圧力を、1.5×10−3Torr(0.2Pa)としている。
また、下地層21、25が形成されている基板の温度を高くすると、ターゲットから下地層21、25の上に到達した主電極層22、26の材料となる原子が下地層21、25の上を移動しやすくなり、下地層21、25の原子配列にならって再配列しやすくなる。ただし、下地層21、25が形成されている基板の温度が大きくなりすぎると、下地層21、25と主電極層22、26の界面における原子の相互拡散が顕著になり好ましくない。
従って、下地層21、25が形成されている基板の温度は0℃〜100℃であることが好ましい。
主電極層22、26の材料となる原子が下地層21、25に達したときのエネルギーを大きくするためには、ターゲットと下地層21、25が形成されている基板との距離を小さくして、主電極層22、26の材料となる原子とスパッタガス分子の衝突頻度を減少させることが好ましい。ただし、ターゲットと下地層21、25が形成されている基板との距離を小さくしすぎると、ターゲットからの2次電子や輻射熱で、下地層21、25が形成されている基板の温度が大きくなりすぎて、下地層21、25と主電極層22、26の界面における原子の相互拡散が顕著になり好ましくない。また、ターゲットと下地層21、25が形成されている基板との距離が小さくなると、主電極層22、26を均一な膜厚で成膜することが困難になる。
従って、ターゲットと下地層21、25が形成されている基板との距離は、50mm〜300mmであることが好ましい。本実施例では、ターゲットと下地層21、25が形成されている基板との距離を89mmにしている。
Yカット角46°のLiTaOからなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなるAl合金層(主電極層)を下地層を介してスパッタ法を用いて成膜した。下地層をTiNによって形成した弾性表面波素子のくし歯状電極部をLiTaO基板のX軸に直交する断面から観察した拡大写真を実施例1として図5に示す。図6は図5に示した写真を模式図的に示したくし歯状電極部の部分側面図である。下地層をTiによって形成した弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大写真を比較例1として図7に、下地層をMoによって形成した弾性表面波素子の拡大写真を比較例2として図8に示す。図9、図10はそれぞれ図7、図8に示した写真を模式図的に示したくし歯状電極部の部分側面図である。
図5及び図6に示されるように、Al合金層の結晶は面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有している。この一定の傾きは51°であり、Al合金層の[111]方向の基板法線方向からの角度φの値に等しい。なお、Al合金層の{111}面は圧電性基板の結晶のX軸に平行であり、最稠密面である{111}面がSH波の振幅方向と交叉することになる。
さらに、下地層の{111}面の傾き角とAl合金層の{111}面の傾き角は等しくなっている。なお、TiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)によって形成される下地層は岩塩型構造、面心立方構造を有している。Al合金層の結晶は下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。このときAl合金層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置と下地層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置が一致する。
また、Al合金層は結晶粒界が直線状であって双晶構造を有しており、これによっても弾性表面波素子の耐電力性が向上する。
一方、比較例1及び比較例2の弾性表面波素子のくし歯状電極部の下地層及びAl合金層は{111}方位の配向が実施例1のものに比べて弱い。表1に実施例1、比較例1、比較例2のAl合金層のX線回折による{111}面のピーク強度を示す。
比較例1および2の下地層及びAl合金層の{111}面は基板表面に対して平行である。また、比較例1及び2のAl合金層の結晶粒界は実施例1と異なり直線状になっていない。
次に、Yカット角48°のLiTaOからなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層を下地層を介してスパッタ法を用いて成膜した。下地層をTiNによって形成した弾性表面波素子のくし歯状電極部をLiTaO基板のX軸に直交する断面から観察した拡大写真を実施例として図11に示す。図12は図11に示した写真を模式図的に示したくし歯状電極部の部分側面図である。主電極層をCuAg合金、下地層をTiによって形成した弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大写真を比較例3として図13に、下地層をCrによって形成した弾性表面波素子の拡大写真を比較例4として図14に、下地層をTaによって形成した弾性表面波素子の拡大写真を比較例5として図15に、下地層をTaNによって形成した弾性表面波素子の拡大写真を比較例6として図16に、下地層をTi/Ta積層膜によって形成した弾性表面波素子の拡大写真を比較例7として図17に示す。図18ないし図22はそれぞれ図13ないし図17に示した写真を模式図的に示したくし歯状電極部の部分側面図である。
図11及び図12に示されるように、実施例の主電極層の結晶は面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有している。この一定の傾きは48°であり、主電極層の[111]方向の基板法線方向からの角度φの値に等しい。なお、主電極層の{111}面は圧電性基板の結晶のX軸に平行であり、最稠密面である{111}面がSH波の振幅方向と交叉することになる。
さらに、下地層の{111}面の傾き角と主電極層の{111}面の傾き角は等しくなっている。なお、TiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)によって形成される下地層は岩塩型構造又は面心立方構造を有している。主電極層の結晶は下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。このとき主電極層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置と下地層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置が一致する。
また、主電極層は結晶粒界が直線状であって双晶構造を有しており、これによっても弾性表面波素子の耐電力性が向上する。
一方、比較例3ないし7の弾性表面波素子のくし歯状電極部の下地層及び主電極層は{111}方位の配向が実施例1のものに比べて弱い。表2に実施例、比較例1ないし7の主電極層のX線回折による{111}面のピーク強度を示す。
比較例3ないし7の下地層及び主電極層の{111}面は基板表面に対して平行である。また、比較例3ないし7の主電極層の結晶粒界は実施例と異なり直線状になっていない。
図23から図28はYカット角42°、44°、46°、48°、50°、52°のLiTaOからなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなるAl合金層をTiNからなる下地層を介してスパッタ法を用いて成膜したくし歯状電極部をLiTaO基板のX軸に直交する断面から観察した拡大写真である。
図23ないし図28に示されるように、圧電性基板のYカット角が42°から52°の範囲で異なっていても、Al合金層の結晶は面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有している。しかも、結晶粒界がほとんどなく単結晶に近い、もしくは結晶粒界は直線状であり、Al合金層は[111]方向を軸として回転した2種の結晶のみを持つ双晶構造を有している。したがって、結晶粒界を通じたAl合金を構成する原子の拡散によるヒロックやボイドの成長を抑制できエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを低減できる。
図29から図39はそれぞれYカット角36°、42°、44°、46°、48°、50°、52°、54°、56°、58°、60°のLiTaOからなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層をTiNからなる下地層を介してスパッタ法を用いて成膜したくし歯状電極部をLiTaO基板のX軸に直交する断面から観察した拡大写真である。
図29ないし図39に示されるように、圧電性基板のYカット角が36°から60°の範囲で異なっていても、主電極層の結晶は面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有している。しかも、結晶粒界がほとんどなく単結晶に近い、もしくは結晶粒界は直線状であり、主電極層は[111]方向を軸として回転した2種の結晶のみを持つ双晶構造を有している。したがって、結晶粒界を通じたCuAg合金を構成する原子の拡散によるヒロックやボイドの成長を抑制できエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを低減できる。
なお、図29、図30、図31には結晶粒界が明瞭でない領域が見えるが、後述するXRD極点図を参照することにより、圧電性基板のYカット角が36°、42°、44°のときも、主電極層の結晶が面心立方構造であり、{111}面は基板表面に対して鋭角の一定の傾きを有していることが確認できる。
図40は圧電性基板を形成しているLiTaOのYカット角と、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向([006]方向)の角度およびTiNからなる下地層を介して形成されたAlScCu合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度の関係を示すグラフである。
図40に示されるようにLiTaOのYカット角が大きくなるにつれて、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向の角度およびTiNからなる下地層を介して形成された主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度が減少する。
LiTaOのYカット角が同じとき、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向の角度よりTiNからなる下地層を介して形成された主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度のほうが常に5°から8°大きい。
なお、主電極層の結晶の[111]方向の基板法線方向からの角度は基板がYカット角が42°から48°のLiTaOからなるとき、圧電性基板のカット角よりも大きくなっている。
図41は圧電性基板を形成しているLiTaOのYカット角と、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向([006]方向)の角度およびTiNからなる下地層を介して形成されたCuAg合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度の関係を示すグラフである。
図41に示されるようにLiTaOのYカット角が大きくなるにつれて、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向の角度およびTiNからなる下地層を介して形成された主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度が減少する。
LiTaOのYカット角が同じとき、基板表面法線方向に対するLiTaO結晶のZ軸方向の角度よりTiNからなる下地層を介して形成された主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度のほうが常に大きい。
なお、主電極層の結晶の[111]方向の基板法線方向からの角度は基板がYカット角が36°から48°のLiTaOからなるとき、圧電性基板のカット角以上になっている。
図40に示されたAlScCu合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度及び図41に示されたCuAg合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度とLiTaOのYカット角との関係を示すグラフを図42に示す。
図42から、LiTaOのYカット角を変化させても、前記Yカット角の値が同じときには、AlScCu合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度とCuAg合金からなる主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度はほぼ等しいことがわかる。
図43はYカット角42°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図であり、図44は前記下地層の(111)面のXRD極点図である。
図43のXRD極点図のスポットは主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度が56°であることを示している。また、図43の主電極層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置と図44に示される前記下地層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置が一致している。すなわち、主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。
図45、図47、図49、図51、図53はそれぞれYカット角44°、46°、48°、50°、52°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図であり、図46、図48、図50、図52、図54はそれぞれの前記下地層の(111)面のXRD極点図である。
図45ないし図54からも主電極層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置と前記下地層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置が一致していることが分かる。すなわち、主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。
図55はYカット角36°のLiTaOからなる圧電性基板の上に膜厚5nmのTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図であり、図56は前記下地層の(111)面のXRD極点図である。主電極層の膜厚は80nmである。
図55のXRD極点図のスポットは主電極層の結晶の[111]方向の基板表面法線方向からの角度が65°であることを示している。また、図55の主電極層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置と図56に示される前記下地層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置が一致している。すなわち、主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。
図57、図59、図61、図63はそれぞれYカット角44°、48°、54°、60°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図であり、図58、図60、図62、図64はそれぞれの前記下地層の(111)面のXRD極点図である。
図57ないし図64からも主電極層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置と前記下地層の結晶のXRD極点図における(111)面のスポットの位置が一致していることが分かる。すなわち、主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している。
次にYカット角46°のLiTaO3からなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなる主電極層を下地膜を介してスパッタ法を用いて成膜して形成した電極のエレクトロマイグレーション耐性を試験した。
エレクトロマイグレーション耐性の測定は、DC電源(Agilent社 6612C)を用い電極パタンの両端から入力電流を通電したときの抵抗をマルチメーター(Agilent社 34401A)で測定し、抵抗変化が初期値の10%を超えたときの時間で評価した。
測定に用いた電極パタンを以下に示す。
電極の幅寸法 : 30μm
電極の長さ寸法 : 300μm
電極のAl合金層の膜厚 : 150nm
実施例の電極パタンは下地層をTiN(膜厚10nm)で形成した。比較例の電極パタンは電極パタンは下地層をTi(膜厚10nm;比較例1)、Mo(膜厚10nm;比較例2)で形成した。
結果を図65に示す。比較例1、比較例2、実施例の順にエレクトロマイグレーション耐性が向上する。実施例の電極パタンは入力電流240mAでも電極の損傷が見られないのに対し比較例1、2の電極パタンでは入力電流240mAのとき完全に損傷している。
図66はYカット角46°のLiTaO3からなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなる主電極層を下地層TiN(膜厚10nm)を介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜を積層して弾性表面波素子を形成したときの耐電力性を示すグラフである。グラフの横軸は一対のくし歯状電極の交差幅(mm)と本数(対数)の積であり、縦軸は耐電力性を示している。
耐電力性の測定は、シグナルジェネレーター(MARCONI Ins.社 2041)を用い発生した所定の入力周波数をRFパワーアンプ(R&K社 A250HP-R)で増幅して入力信号とし、弾性表面波素子の端子部から印可した。入力信号と出力信号をパワーメーター(Agilent社 E4419B)で測定し弾性表面波素子が破壊したときの入力信号の電力で評価した。
実験に用いた弾性表面波素子のくし歯状電極部の寸法を以下に示す。
くし歯状電極部のくし歯部の幅寸法W : 0.5μm
くし歯状電極部のくし歯部の間隔幅P : 0.5μm
くし歯状電極部のくし歯部の長さ寸法L : 33μmもしくは50μm
くし歯状電極部のAl合金層の膜厚 : 120nm
なお弾性表面波素子に対する入力周波数fはfm=(共振周波数fr+反共振周波数far)/2である。
図66からTiNからなる保護層を5nmの厚さで積層した弾性表面波素子の耐電力性がもっとも高いことがわかる。
TiNからなる保護層を5nmの厚さで積層すると、くし歯状電極部の交差幅(mm)と本数(対数)の積が小さくなっても、すなわちくし歯状電極部間の電気容量が小さくなっても耐電力性が維持される。TiNはAlに比べて融点が高く結晶構造が乱れにくく、Moより軽く、TiよりAlに拡散しにくい。このようなTiNからなる保護層がAl合金層の上に積層されることによりAl合金層の結晶構造が安定化しエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが発生しにくくなる。またAl電極層の薬剤耐性も向上する。
図67はYカット角48°のLiTaO3からなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層(膜厚80nm)を下地層を介してスパッタ法を用いて成膜して弾性表面波素子を形成したときの耐電力性を示すグラフである。下地層をTi/Ta積層膜とした比較例1と下地層をTiN膜とした実施例1、下地層をTi/Ta積層膜とし圧電性基板とくし歯状電極部の上をSiOで覆った比較例2と、下地層をTiN膜とし圧電性基板とくし歯状電極部の上をSiOで覆った実施例2について実験を行なった。
グラフの横軸は一対のくし歯状電極の交差幅(mm)と本数(対数)の積であり、縦軸は耐電力性を示している。
耐電力性の測定は、シグナルジェネレーター(MARCONI Ins.社 2041)を用い発生した所定の入力周波数をRFパワーアンプ(R&K社 A250HP-R)で増幅して入力信号とし、弾性表面波素子の端子部から印可した。入力信号と出力信号をパワーメーター(Agilent社 E4419B)で測定し弾性表面波素子が破壊したときの入力信号の電力で評価した。入力信号の最大電力は4Wである。
実験に用いた弾性表面波素子のくし歯状電極部の寸法を以下に示す。
くし歯状電極部のくし歯部の幅寸法W : 0.5μm
くし歯状電極部のくし歯部の間隔幅P : 0.5μm
くし歯状電極部のくし歯部の長さ寸法L : 33μmもしくは50μm
くし歯状電極部のAl合金層の膜厚 : 120nm
なお弾性表面波素子に対する入力周波数fはfm=(共振周波数fr+反共振周波数far)/2である。
図67からくし歯状電極部の交差幅(mm)と本数(対数)の積が同じとき、下地層をTiN膜とした実施例1の弾性表面波素子は比較例1の弾性表面波素子よりも破壊電力が約1W大きくなっていることがわかる。また、くし歯状電極部の交差幅(mm)と本数(対数)の積が同じとき、下地層をTiN膜とした実施例2の弾性表面波素子は比較例2の弾性表面波素子よりも破壊電力が約1W大きくなっていることもわかる。なお、実施例2の弾性表面波素子は入力信号の最大電力4Wを印加しても電極の破壊が見られなかった。
図67の結果からは、実施例1、2の弾性表面波素子はくし歯状電極部の交差幅(mm)と本数(対数)の積が小さくなっても、すなわちくし歯状電極部間の電気容量が小さくなっても耐電力性が比較例の弾性表面波素子より大きく維持される。
図68と図69はそれぞれ、下地層をTiNによって形成した実施例1と、下地層をTiによって形成した比較例1で、AES(オージェ電子分光分析)装置で測定した深さ方向の組成分布である。
図69では、下地層Tiおよびそれに接する主電極層(Al合金層)部分が圧電性基板のLiTaO3の酸素と結合し、圧電性基板のLiTaO3は酸素が奪われている。Al合金層が酸化すると電極抵抗が上昇し、圧電性基板のLiTaO3が酸素欠損すると弾性表面波の伝搬に望ましくない。
他方図68では、圧電性基板のLiTaO3の酸素は下地層TiNによって遮断されAl合金層と結合しておらず、圧電性基板のLiTaO3の酸素が奪われる事もなく、良好な界面を形成できている。
図70はスパッタ法で成膜したTiN膜の組成と成膜条件である。
N2流量比(=N2流量/(Ar流量+N2流量))を変えると、TiN膜中のTiとNの組成比およびO含有量が変わるが、いずれも下地層ならびに保護層のTiN膜として好適である。
図71と図72はYカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなる主電極層(膜厚165nm)を下地層TiN(膜厚20nm)を介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜TiN(膜厚10nm)を積層して弾性表面波素子を形成した共振器のそれぞれ耐電力と帯域幅Δfを示すグラフである。
図71の縦軸は、一対のくし歯状電極(交差幅66μmで100対)の共振器において反共振周波数farで測定し破壊した時の耐電力を示している。
図72の縦軸は帯域幅Δf=(far-fr)/frを示している。弾性表面波共振器の共振周波数frと反共振周波数farはネットワークアナライザー(Anritsu社 MS4662A)で測定した。
共振器の耐電力は2.5w以上と十分に大きく、特にLiTaO3基板のYカット角が大きくなるにしたがい向上していく(測定限界3.8w)が、他方でLiTaO3基板のYカット角を大きくすると共振器の帯域幅Δfが狭くなる、すなわち共振器の特性が劣化する。
共振器を組み合わせた高周波フィルターで所望の特性を得るには共振器の帯域幅Δfが3%以上であることが望ましく、すなわち主電極層がAlScCu合金からなるときには、LiTaO3基板のYカット角が42°〜52°の範囲であることが望ましい。
図73、図74、図75はYカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層(膜厚を80nm)下地層TiN(膜厚5nm)を介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜Cr(膜厚5nm)を積層して弾性表面波素子を形成した共振器のそれぞれ反射係数S11と帯域幅ΔfとRmを示すグラフである。ここでRm=Rs−Re(Rs;くし歯状電極部と接続電極部の500Hzにおける電気抵抗、Re;共振周波数frにおけるくし歯状電極部の電気抵抗と機械振動損失の和)である。
図73の縦軸は、一対のくし歯状電極(交差幅66μmで100対)の共振器において反共振周波数farで測定した反射係数S11を示している。
反射係数S11は、弾性表面波共振器の信号入力電極と接地電極との間に信号を印加したときの入力波の反射を規定するパラメータであり、理想的な共振器の場合、反共振周波数において反射係数S11は1となる。これは、反共振周波数において、インピーダンスが無限大となり、共振器のQ値が無限大であることを意味するので、反射係数S11が1に近づくほど特性の優れた共振器になる。
図74の縦軸は帯域幅Δf=(far-fr)/frを示している。弾性表面波共振器の共振周波数frと反共振周波数farはネットワークアナライザー(Anritsu社 MS4662A)で測定した。
反射係数S11はYカット角が48°付近のとき最大となる。
一方、LiTaO3基板のYカット角を大きくすると共振器の帯域幅Δfが狭くなる、すなわち共振器の特性が劣化する。
共振器を組み合わせた高周波フィルターで所望の特性を得るには共振器の帯域幅Δfが3%以上であることが望ましく、すなわちLiTaO3基板のYカット角が36°から56°の範囲であることが望ましい。
また、Rmの測定結果からはLiTaO3基板のYカット角が40°から50°の範囲であることが望ましい。
表3に本発明の主電極層として使用可能な金属材料Cu、Al、Pt、Au、Agの物性データ、本発明の下地層として使用可能なTiN(窒化チタン)、Ni、Fe、Mg、Co、Os及び本発明の下地層として使用不可能なTi、Ta、Mo、Crの物性データを示す。
本発明では主電極層に面心立方構造の結晶構造をもつ材料を用い、下地層に面心立方構造または六方最密構造の結晶構造をもつ材料を用いることが重要である。
本発明の弾性表面波素子の実施の形態を示す平面図、 単結晶圧電基板のカット角を説明するための様式図、 図1に示された弾性表面波素子の3−3線断面図、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の側面図、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 図5を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 図7を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 図8を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 図11を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 比較例の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 図13を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 図14を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 図15を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 図16を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 図17を模式図的に示したくし歯状電極部の拡大部分側面図、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 本発明の弾性表面波素子のくし歯状電極部の拡大部分側面写真、 圧電性基板のYカット角とくし歯状電極部の主電極層(Al合金)の[111]軸方向の基板法線表面との角度との関係を示すグラフ、 圧電性基板のYカット角とくし歯状電極部の主電極層(Cu合金)の[111]軸方向の基板法線表面との角度との関係を示すグラフ、 圧電性基板のYカット角とくし歯状電極部の主電極層(Cu合金、Al合金)の[111]軸方向の基板法線表面との角度との関係を示すグラフ、 Yカット角42°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角44°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角46°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角48°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角50°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角52°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたAlScCu合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角36°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角44°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角48°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角54°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 Yカット角60°のLiTaOからなる圧電性基板の上にTiNからなる下地層を介してスパッタ成膜されたCuAg合金からなる主電極層の(111)面のXRD極点図、 前記下地層の(111)面のXRD極点図、 電極の下地層の材料と電極のエレクトロマイグレーション耐性との関係を示すグラフ、 くし歯状電極部の保護層の材料とくし歯状電極部の耐電力性との関係を示すグラフ、 くし歯状電極部の下地層の材料とくし歯状電極部の耐電力性との関係を示すグラフ、 下地層をTiNによって形成した実施例1のAES(オージェ電子分光分析)装置で測定した深さ方向の組成分布を示すグラフ、 下地層をTiによって形成した比較例1のAES(オージェ電子分光分析)装置で測定した深さ方向の組成分布を示すグラフ、 スパッタ法で成膜したTiN膜の組成と成膜条件を示すグラフ、 Yカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなるAl合金層(膜厚165nm)を下地層TiN(膜厚20nm)を介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜TiN(膜厚10nm)を積層して弾性表面波素子を形成した共振器の耐電力を示すグラフ、 Yカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にAlScCu合金からなるAl合金層(膜厚165nm)を下地層TiN(膜厚20nm)を介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜TiN(膜厚10nm)を積層して弾性表面波素子を形成した共振器の帯域幅Δfを示すグラフ、 Yカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層を下地層TiNを介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜Crを積層して弾性表面波素子を形成した共振器の反射係数S11を示すグラフ、 Yカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層を下地層TiNを介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜Crを積層して弾性表面波素子を形成した共振器の帯域幅Δfを示すグラフ、 Yカット角をかえたLiTaO3からなる圧電性基板の上にCuAg合金からなる主電極層を下地層TiNを介してスパッタ法を用いて成膜し、さらにその上に保護膜Crを積層して弾性表面波素子を形成した共振器のRmを示すグラフ、
符号の説明
11 弾性表面波素子
12 圧電性基板
13、14 くし歯状電極部
15、16 接続電極部
17、18 電極部
19 反射電極
21、25 下地層
22、26 主電極層
23、27 保護層

Claims (18)

  1. 圧電性基板と、前記圧電性基板上に薄膜形成された電極部を有する弾性表面波素子において、
    前記電極部は、くし歯状電極部及び前記くし歯状電極部に接続された接続電極部を有し、前記くし歯状電極部は下地層とこの下地層の上に積層された主電極層を有し、前記下地層は岩塩型構造、面心立方構造又は六方最密構造の結晶構造を有し、前記主電極層は面心立方構造の結晶構造を有しており、前記主電極層の{111}面は基板表面に対して一定の傾きを有していることを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記主電極層の{111}面は前記圧電性基板の結晶のX軸に平行である請求項1記載の弾性表面波素子。
  3. 前記下地層の{111}面は基板表面に対して一定の傾きを有していることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波素子。
  4. 前記主電極層の結晶は前記下地層の結晶の上にエピタキシャル又はヘテロエピタキシャル成長している請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  5. 前記主電極層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置と前記下地層の結晶のXRD極点図における{111}面のスポットの位置が一致する請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  6. 前記下地層の結晶の最近接原子間距離は2.40Å〜3.30Åである請求項1ないし5のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  7. 前記主電極層の結晶の最近接原子間距離は2.50Å〜3.00Åである請求項1ないし6のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  8. 前記下地層の結晶の最近接原子間距離と前記主電極層の結晶の最近接原子間距離のミスマッチ率が−20%以上20%以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の弾性表面波素子、
    ただし、前記ミスマッチ率=(前記下地層の結晶の最近接原子間距離−前記主電極層の結晶の最近接原子間距離)×100/前記主電極層の結晶の最近接原子間距離である。
  9. 前記下地層の結晶の最近接原子間距離と前記主電極層の結晶の最近接原子間距離の前記ミスマッチ率が−15%以上15%以下である請求項8に記載の弾性表面波素子。
  10. 前記下地層はTiN(窒化チタン)、TiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)、Ni、Fe、Mg、Co、Osのいずれか1種または2種以上によって形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  11. 前記主電極層はCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上によって形成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  12. 前記主電極層はCu、Al、Pt、Au、またはAgのいずれか1種または2種以上の元素とAg、Sn、C、Sc、Cuのいずれか1種または2種以上の元素の合金によって形成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  13. 前記圧電性基板は三方晶の結晶構造を有している請求項1ないし12のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  14. 前記圧電性基板はLiTaOまたはLiNbOからなる請求項1ないし13のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  15. 前記圧電性基板はYカット角が36°から60°のLiTaOからなる請求項1ないし14のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  16. 前記主電極層の結晶の[111]方向の基板法線方向からの角度が前記圧電性基板のZ軸の基板法線方向からの角度よりも大きい請求項15に記載の弾性表面波素子。
  17. 前記主電極層の上にTiN(窒化チタン)またはTiOxNy(ただし0<x<0.2,x+y=1)からなる保護層が積層されている請求項1ないし16いずれかに記載の弾性表面波素子。
  18. 前記下地層の膜厚が5nmから20nmである請求項1ないし17のいずれかに記載の弾性表面波素子。
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