JP4019693B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、弾性表面波共振子または弾性表面波フィルタのような弾性表面波素子に関するもので、特に、弾性表面波素子の電極の構造における改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波素子は、周知のように、機械的振動エネルギーが固体表面付近にのみ集中して伝搬する弾性表面波を利用した電子部品であり、一般に、圧電性を有する圧電基板と、この圧電基板上に形成された、信号を印加するためのインタディジタル電極および/またはグレーティング電極のような電極とをもって構成される。
【0003】
このような弾性表面波素子において、電極材料としては、電気抵抗率が低く、比重の小さいAlまたはAlを主成分とするAl系合金を用いるのが一般的である。
【0004】
しかしながら、Alは耐ストレスマイグレーション性が悪く、大きな電力を投入すると、電極にヒロックやボイドが発生し、やがては、電極が短絡または断線して、弾性表面波素子が破壊に至ることがある。
【0005】
上述した問題の解決を図るため、電極の成膜法として、イオンビームスパッタを用い、結晶配向性を向上させることによって、耐電力性を向上させる方法が、特開平7−162255号公報において提案されている(第1の従来技術)。
【0006】
また、Alをエピタキシャル成長させることによって、結晶方位を一定方向に配向させ、それによって、耐電力性を向上させる方法が、特開平3−48511号公報において提案されている(第2の従来技術)。
【0007】
また、特開平6−6173号公報には、結晶粒が小さいほど、電極の耐電力性が優れることが記載されている(第3の従来技術)。
【0008】
さらに、オーム社発行、日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編「弾性波素子技術ハンドブック」(第267頁)には、AlにCuを添加することによって、耐電力性が向上することが記載されている(第4の従来技術)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1および第3の従来技術では、近年の高周波化および大電力化には十分に対応できず、高周波用途や大電力用途に向けられるとき、耐電力性が不十分であるという問題がある。
【0010】
また、第2の従来技術によって結晶性の良好なエピタキシャル膜が得られるのは、実質的に水晶基板上だけである。圧電性が大きく、広帯域が要求されるフィルタ等において有利に用いられている、LiNbO3 またはLiTaO3 基板上では、第2の従来技術によって結晶性の良好なエピタキシャル膜を得ることが困難であり、したがって、第2の従来技術は、LiNbO3 またはLiTaO3 基板を備える弾性表面波素子に対しては、実質的に適用不可能である。
【0011】
第4の従来技術によれば、AlにCuを添加することによって、なるほど、耐電力性を向上させることが可能ではあるが、Cuの添加濃度によっては、十分な効果が得られない場合や、逆にCu添加による悪影響がもたらされたりする場合がある。
【0012】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、弾性表面波素子を提供しようとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、圧電基板と、この圧電基板上に形成された電極とを備え、電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含む、弾性表面波素子に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0014】
すなわち、この発明の第1の実施態様では、Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいることが特徴となる。
【0015】
この第1の実施態様は、これを別の局面から表現すれば、Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいる、というように規定されることができる。
【0016】
この発明の第2の実施態様では、Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、電極は、Al電極層と圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、この下地電極層は、Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とするとともに、1〜100nmの範囲内の厚みを有することが特徴となる。
【0017】
この第2の実施態様は、これを別の局面から表現すれば、Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、電極は、Al電極層と圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、この下地電極層は、Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、というように規定されることができる。
【0018】
上述の第2の実施態様において、圧電基板の、下地電極層が形成される表面では、加工変質層が除去されていることが好ましい。
【0019】
この発明の第3の実施態様として、第1および第2の実施態様の各特徴を組み合わせることも可能である。
【0020】
すなわち、第3の実施態様では、Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含み、電極は、Al電極層と圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、この下地電極層は、Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にあることが特徴となる。
【0021】
この第3の実施態様は、これを別の局面から表現すれば、Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含み、電極は、Al電極層と圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、この下地電極層は、Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、というように規定されることができる。
【0022】
また、この発明において、優れたフィルタ特性を得るためには、圧電基板は、LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなることが好ましい。より高い耐電力性とより優れたフィルタ特性を得るためには、圧電基板は、より好ましくは、64°Y−XカットのLiNbO3 基板である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態による弾性表面波素子1の一部を示す断面図であり、圧電基板2上に電極3が形成された部分を示している。
【0024】
以下に、まず、弾性表面波素子1に備える基本的構成について説明する。
【0025】
圧電基板2は、LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶から構成される。また、電極3は、Alを主成分とするAl電極層4を備え、さらに、Al電極層4と圧電基板2との間には、Alの結晶性を向上させるための下地電極層5が設けられる。下地電極層5は、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分としている。
【0026】
なお、図示しないが、Al電極層4の表面および側面を覆う電気絶縁性の保護膜がさらに形成されてもよい。
【0027】
圧電基板2としては、好ましくは、64°Y−XカットのLiNbO3 基板が用いられる。したがって、圧電基板2の結晶のY軸方向およびZ軸方向は、それぞれ、図1に矢印で示した方向に向いている。X軸方向は、紙面に垂直な方向にある。
【0028】
圧電基板2上に電極3を形成するにあたって、たとえばイオンエッチングまたは酸性溶液等による前処理が施される。これは、研磨等によって圧電基板2の表面に生じた厚さ数nmの加工変質層を取り除くためのものであり、それによって、圧電基板2の表面にエピタキシャル成長可能な結晶面を露出させることができる。
【0029】
上述した加工変質層を取り除いた結果、図2に示すように、圧電基板2の表面は、Z面6をテラスとした非常に微小な階段状構造となる。このZ面6の最表面は、図3(a)において白抜きの円によって図解的に示すように、酸素原子7が、2.972Å間隔に並んでいる状態となっている。
【0030】
図4(a)には、LiNbO3 からなる圧電基板2のZ面すなわち(001)面6の最表面上に、酸素原子7が並んでいる状態が示されている。酸素原子7は、2.972Åの間隔をもって並んでいる。
【0031】
次いで、上述のように酸素原子7が配列された圧電基板2のZ面6上に、下地電極層5が成膜される。下地電極層5を形成するため、たとえば、最小原子間隔が2.951Åで六方最密構造のTiを成膜すると、図3(b)において濃度の比較的高い網かけを施した円によって図解的に示すように、Ti原子8の結晶の(001)面が圧電基板2のZ面すなわち(001)面6に平行になる方向にエピタキシャル成長する。
【0032】
図4(b)には、Ti原子8の結晶の(001)面が示されている。Ti原子8は、図4(a)に示した酸素原子7と結びつきやすいため、圧電基板2としてのLiNbO3 基板上の図4(a)に示した酸素原子7の間隔である2.972Åに近い2.951Åの間隔をもってエピタキシャル成長する。したがって、Ti原子8からなる下地電極層5においては、後述するAl電極層4を圧電基板2上に直接形成する場合のAl電極層4に比べて、良好な結晶性を得ることができる。
【0033】
次いで、下地電極層5上にAl電極層4が形成される。より詳細には、最小原子間隔が2.864Åで面心立方構造のAlを、Ti原子8が配列された下地電極層5上に成膜すると、図3(b)において濃度の比較的低い網かけを施した円によって図解的に示すように、Al原子9の結晶の(111)面がTiの(001)面に平行になるようにエピタキシャル成長する。このAlの(111)面が図4(c)にも示されている。このようにして得られたAl電極層4は優れた耐マイグレーション性を示す。
【0034】
さらに、図3(b)に示すように、Al原子9の入り方によって、圧電基板2のZ軸方向に延びる軸を回転軸として、互いに180°回転させたような2種の結晶方位を持った結晶構造を有するAl電極層4が成膜される場合がある。このような結晶構造は、一般に双晶と呼ばれる。上述の2種の結晶方位は、それぞれ、1/2の確率で現れ、得られたAl電極層4は、太い破線10で示すような位置に結晶粒界すなわち双晶面を有する多結晶となる。
【0035】
なお、図3(b)では、図示を簡単化するため、Ti原子8を1原子層分だけ図示したが、実際には、数ないし数100の原子層が形成される。
【0036】
図3(b)において、Al結晶の(200)、(020)および(002)方向が矢印で示されている。なお、実際には、これらの軸は、図3(c)の紙面上にはなく、約35°紙面より手前側に向いている。
【0037】
このようにして、図1に示すように、64°Y−XカットのLiNbO3 基板からなる圧電基板2上に、そのZ面すなわち(001)面6に平行に(111)面が成長したAl電極層4を得ることができる。
【0038】
一般に、Al電極層における結晶粒界の存在は、弾性表面波素子の耐電力性を劣化させると言われている。これは、ストレスマイグレーションによって、結晶粒界を通じて、Alが自己拡散し、ヒロックやボイドと呼ばれる欠陥が成長するからである。しかしながら、この実施形態に従って得られた多結晶のAl電極層4にあっては、結晶粒界は1原子間隔以下であり、この結晶粒界を通じての自己拡散は実質的に起こらない。
【0039】
一方、金属の機械的強度については、単結晶よりは多結晶の方が高い。これは、金属の塑性変形メカニズムによる。すなわち、塑性変形は、外力(弾性表面波素子の分野にあっては、圧電効果による振動)等による結晶のすべり変形を生じさせるが、単結晶では、最も活動しやすいすべり系の活動だけで引き起こされるのに対し、多結晶では、複数のすべり系の活動が要求されることに起因する(参考文献:丸善「金属便覧」改訂5版・第337〜343頁)。このようなことから、塑性変形の起きにくさは、ストレスマイグレーションによる電極破壊の起きにくさにもつながり、粒径の小さい電極構造が高い耐電力性をもたらす。
【0040】
これらのことから、Al電極層4を、双晶構造を持つ配向膜とすることによって、結晶粒界を通じての電極構成原子の自己拡散によるヒロックやボイドの成長を防ぐ効果と、塑性変形のしにくさに起因する高耐電力性とを併せ持つ、非常に耐電力性に優れたものとすることができる。
【0041】
このような基本的構成を有する弾性表面波素子1において、この実施形態では、まず、Al電極層4は、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいる。
【0042】
前述した第4の従来技術によって、AlへのCuの添加が、耐電力性を向上させることが知られているが、Cuの単なる添加では、必ずしも所期の効果が得られないことがある。
【0043】
この実施形態では、Al電極層4でのCu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物の添加濃度が、10重量%以下とされることが特徴となっている。これによって、Al電極層4を、確実に双晶構造を持つエピタキシャル成長膜とすることができるだけでなく、基板の格子欠陥に起因するAlエピタキシャル膜の結晶性悪化を補償する効果がある。
【0044】
なお、上述の添加物の濃度が10重量%をある程度超える場合にも、エピタキシャル成長させることが可能ではあるが、10重量%を超えたとき、Al電極層4の導電率が低下するなど、弾性表面波素子用の電極としての実用性が低下するため、添加物の添加濃度を10重量%とするのが良い。
【0045】
また、この実施形態では、下地電極層5の厚みが1〜100nmとされることをさらなる特徴としている。
【0046】
下地電極層5の厚みが1nm未満では、その上に形成されるAl電極層4においてエピタキシャル膜を得ることができない。下地電極層5の厚みを1nm以上とすることにより、Al電極層4において、Alがエピタキシャル成長することが可能になる。このように下地電極層5の厚みをより厚くしていくと、圧電基板2を構成する、たとえばLiNbO3 からの影響がより緩和され、下地電極層5の最表面での原子間隔は減少し、バルク値により近くなる。そのため、下地電極層5に含まれるTi、CrおよびNiの少なくとも1種とAlとの格子のミスフィットがより減少し、その上のAl電極層4において、エピタキシャルAl膜の結晶性が向上する。
【0047】
他方、下地電極層5の厚みが100nmを超えると、電極3全体としての比抵抗の増大により、弾性表面波素子1の特性の劣化を招き、実用的でない。
【0048】
上述した実施形態では、圧電基板2として、64°Y−XカットのLiNbO3 基板を用いたが、前処理により表面の加工変質層を取り除き、エピタキシャル成長可能な結晶面を露出させることができるため、異なるカット角を持つ基板に対しても有効である。また、結晶構造が酷似するLiTaO3 基板においても同様の効果が得られる。さらに、LiNbO3 基板またはLiTaO3 基板以外の圧電基板を用いることもできる。
【0049】
【実験例1】
この発明の実施例に係る弾性表面波フィルタを作製するため、まず、64°Y−XカットのLiNbO3 圧電性基板に対して、酸性溶液処理を行ない、基板表面に存在する厚さ数nmの加工変質層を取り除いた。
【0050】
次に、電子ビーム蒸着法により、Tiからなる下地電極層を、基板温度50℃において、5nmの厚さとなるように形成し、続いて、Al−1重量%CuからなるAl電極層を、200nmの厚さとなるように形成した。このようにして、Al電極層を、その結晶の(111)面が圧電基板におけるLiNbO3 のZ軸に垂直となるように、エピタキシャル成長させることができた。
【0051】
次いで、上述の下地電極層およびAl電極層からなる電極をフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて、インタディジタル形状に加工し、実施例に係る弾性表面波フィルタを得た。
【0052】
上述の実施例による電極に備えるAl電極層のXRD極点図が図5に示されている。図5において、6箇所の点は、Alの(002)面からの反射信号の検出を示している。これら信号の検出点が6回対称を示すことから、Alの結晶がAlの(111)軸を中心に180度回転したような2種の結晶方位を持つ双晶構造であることがわかる。
【0053】
これに対して、比較例として、Al電極層を、Cuを添加しない純Alのエピタキシャル膜によって形成したところ、XRD極点図は、上述の実施例のCuを添加したAlのエピタキシャル膜によってAl電極層を形成した場合と同様、6回対称を示したが、耐電力性については、実施例によれば、一定電力を加えたときの故障発生に至る時間が、比較例に比べて、10倍以上と長くすることができた。
【0054】
なお、上述の実施例によって得られる効果と実質的に同様の効果が、Al電極層においてAlに添加したCuの濃度が10重量%以下であれば、いずれの濃度であっても、また、Cuに代えて、Ti、Mg、Ni、Mo、ScもしくはTaまたはこれらの組合せを10重量%以下の濃度で添加しても、得られることが確認されている。
【0055】
【実験例2】
この発明の実施例に係る弾性表面波フィルタを作製するため、まず、64°Y−XカットのLiNbO3 圧電性基板に対して、イオンエッチングによる前処理を行ない、基板表面に存在する厚さ数nmの加工変質層を取り除いた。
【0056】
次に、電子ビーム蒸着法により、Tiからなる下地電極層を、基板温度50℃において、10nmの厚さとなるように形成し、続いて、Al電極層を、200nmの厚さとなるように形成した。このようにして、Al電極層を、その結晶の(111)面が圧電基板におけるLiNbO3 のZ軸に垂直となるように、エピタキシャル成長させることができた。
【0057】
次いで、上述の下地電極層およびAl電極層からなる電極をフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて、インタディジタル形状に加工し、実施例に係る弾性表面波フィルタを得た。
【0058】
上述の実施例によるAl電極層によっても、図5に示すようなXRD極点図が得られた。したがって、この場合にも、Al電極層におけるAlの結晶がAlの(111)軸を中心に180度回転したような2種の結晶方位を持つ双晶構造であることがわかる。
【0059】
これに対して、比較例として、下地電極層を形成せずに、LiNbO3 基板上に、直接、Al電極層を形成したところ、エピタキシャル膜は得られず、Alの(111)面が基板に垂直に成長する1軸配向膜となった。そして、耐電力性の比較を行なったところ、実施例によれば、一定電力を加えたときの故障発生に至る時間が、比較例に比べて、1000倍以上と長くすることができた。
【0060】
なお、上述の実施例によって得られる効果と実質的に同様の効果が、下地電極層の厚みが1〜100nmの範囲内にあれば、いずれの厚みであっても、また、下地電極層において、Tiに代えて、CrもしくはNiまたはこれらの組合せを用いても、得られることが確認されている。
【0061】
また、以上の実験例1および2のそれぞれにおいて作製された実施例に係る弾性表面波素子によって得られる各効果を考慮すれば、実験例1における実施例の特徴と実験例2における実施例の特徴とを組み合わることによって、すなわち、Al電極層が、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含むとともに、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とする下地電極層が、1〜100nmの範囲内にある厚みをもって形成されている構成を採用することによって、より優れかつより確実な効果が発揮されるであろうことが容易に理解されよう。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明の第1の実施態様に係る弾性表面波素子によれば、圧電基板上に形成される電極に備えるAlを主成分とするAl電極層が、双晶構造を有する多結晶からなり、言い換えると、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、しかも、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいるので、電極において、ストレスマイグレーションによるヒロックやボイドの発生を抑えることができ、弾性表面波素子の耐電力性を改善することができる。
【0063】
また、この発明の第2の実施態様に係る弾性表面波素子によれば、圧電基板上に形成される電極に備えるAlを主成分とするAl電極層が、双晶構造を有する多結晶からなり、言い換えると、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、しかも、電極は、Al電極層と圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、この下地電極層は、Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にあるので、上述した第1の実施態様の場合と同様、電極において、ストレスマイグレーションによるヒロックやボイドの発生を抑えることができ、弾性表面波素子の耐電力性を改善することができる。
【0064】
さらに、この発明の第3の実施態様に係る弾性表面波素子によれば、上述した第1および第2の実施態様の各々に係る特徴が組み合わされているので、第1および第2の実施態様による効果を、より優れたものとするとともに、より確実なものとすることができる。
【0065】
特に、この発明によれば、前述したように、Al電極層の結晶方位が、Al結晶の(111)面の法線方向と圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位となるようにしているので、上述したようなストレスマイグレーションによる電極のヒロックやボイドの発生を抑制する効果および弾性表面波素子の耐電力性を改善する効果を確実に発揮させることができる。
【0066】
この発明は、LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなる圧電基板を備える弾性表面波素子にも適用することができ、このように、圧電基板として、LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなる圧電基板が用いられると、圧電性が大きく、弾性表面波素子がフィルタ等を構成する場合、その広帯域化が可能になる。
【0067】
圧電基板として、64°Y−XカットのLiNbO3 基板が用いられると、Al電極層のAl結晶の(111)面の法線方向と圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を与えることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による弾性表面波素子1の一部を示す断面図である。
【図2】 図1に示した圧電基板2の表面を図解的に示す断面図であり、その表面の加工変質層を取り除いた後に露出されるZ面6を示している。
【図3】 図2に示したZ面6の平面図であり、(a)は、その上に配列される酸素原子7を図解的に示し、(b)は、さらにその上に配列されるTi原子8を示し、8c)は、さらにその上に配列されるAl原子9を図解的に示している。
【図4】 (a)は、LiNbO3 のZ面すなわち(001)面上に配列された酸素原子7を示し、(b)は、Tiの(001)面を示し、(c)は、Alの(111)面を示している。
【図5】 この発明の特定の実施例に係るAl電極層のXRD極点図である。
【符号の説明】
1 弾性表面波素子
2 圧電基板
3 電極
4 Al電極層
5 下地電極層
6 Z面
8 Ti原子
9 Al原子

Claims (9)

  1. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいる、弾性表面波素子。
  2. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含んでいる、弾性表面波素子。
  3. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており
    前記電極は、前記Al電極層と前記圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、
    前記下地電極層は、前記Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、弾性表面波素子。
  4. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、
    前記電極は、前記Al電極層と前記圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、
    前記下地電極層は、前記Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、弾性表面波素子。
  5. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、双晶構造を有する多結晶からなるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含み、
    前記電極は、前記Al電極層と前記圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、
    前記下地電極層は、前記Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、弾性表面波素子。
  6. 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、
    前記電極は、Alを主成分としかつエピタキシャル成長した配向膜からなるAl電極層を含み、
    前記Al電極層は、XRD極点図により、6回対称スポットが現れるものであるとともに、Al結晶の(111)面の法線方向と前記圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有しており、かつ、10重量%以下の濃度をもって、Cu、Ti、Mg、Ni、Mo、ScおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素からなる添加物を含み、
    前記電極は、前記Al電極層と前記圧電基板との間に設けられる下地電極層をさらに備え、
    前記下地電極層は、前記Al電極層の結晶性を向上させるためのものであって、Ti、CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、その厚みが、1〜100nmの範囲内にある、弾性表面波素子。
  7. 前記圧電基板の、前記下地電極層が形成される表面では、加工変質層が除去されている、請求項3ないし6のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  8. 前記圧電基板は、LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなる、請求項1ないしのいずれかに記載の弾性表面波素子。
  9. 前記圧電基板は、64°Y−XカットのLiNbO3 基板である、請求項に記載の弾性表面波素子。
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