JP2003258594A - 弾性表面波素子およびその製造方法 - Google Patents

弾性表面波素子およびその製造方法

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JP2003258594A
JP2003258594A JP2002341690A JP2002341690A JP2003258594A JP 2003258594 A JP2003258594 A JP 2003258594A JP 2002341690 A JP2002341690 A JP 2002341690A JP 2002341690 A JP2002341690 A JP 2002341690A JP 2003258594 A JP2003258594 A JP 2003258594A
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surface acoustic
wave device
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Osamu Nakagawara
修 中川原
Masahiko Saeki
昌彦 佐伯
Kazuhiro Inoue
和裕 井上
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極の耐ストレスマイグレーション性を向上
させ、それによって、耐電力性に優れた弾性表面波素子
を提供する。 【解決手段】 たとえばθ回転Yカット(θ=36°〜
42°)のLiTaO3圧電基板2上に電極3を形成す
るため、TiまたはCrを主成分とする下地電極層5を
形成し、その上にAlを主成分とするAl電極層4を形
成する。Al電極層4は、エピタキシャル成長した配向
膜であり、かつX線回折極点図において観察される回折
パターンが複数の対称中心を有する双晶構造を持つ多結
晶薄膜となるようにされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性表面波共振
子または弾性表面波フィルタのような弾性表面波素子お
よびその製造方法に関するもので、特に、弾性表面波素
子の電極の構造および形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波素子は、周知のように、機械
的振動エネルギーが固体表面付近にのみ集中して伝搬す
る弾性表面波を利用した電子部品であり、一般に、圧電
性を有する圧電基板と、この圧電基板上に形成された、
信号を印加または取り出すためのインタディジタル電極
および/またはグレーティング電極のような電極とをも
って構成される。
【0003】このような弾性表面波素子において、電極
材料としては、電気抵抗率が低く、比重の小さいAlま
たはAl系合金を用いるのが一般的である。
【0004】しかしながら、Alは耐ストレスマイグレ
ーション性が悪く、大きな電力を投入すると、電極にヒ
ロックやボイドが発生し、やがては、電極が短絡または
断線して、弾性表面波素子が破壊に至ることがある。
【0005】上述した問題の解決を図るため、電極の成
膜法として、イオンビームスパッタを用い、結晶配向性
を向上させることによって、耐電力性を向上させる方法
が、特開平7−162255号公報(特許文献1)にお
いて提案されている。
【0006】また、Alをエピタキシャル成長させるこ
とによって、結晶方位を一定方向に配向させ、それによ
って、耐電力性を向上させる方法が、特開平3−485
11号公報(特許文献2)において提案されている。
【0007】また、特開平6−6173号公報(特許文
献3)には、結晶粒が小さいほど、電極の耐電力性が優
れることが記載されている。
【0008】さらに、オーム社発行、日本学術振興会弾
性波素子技術第150委員会編「弾性波素子技術ハンド
ブック」(第267頁)(非特許文献1)には、Alに
Cuを添加することによって、耐電力性が向上すること
が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−162255号公報
【特許文献2】特開平3−48511号公報
【特許文献3】特開平6−6173号公報
【非特許文献1】日本学術振興会弾性波素子技術第15
0委員会編,「弾性波素子技術ハンドブック」,オーム
社,p.267
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許文
献1および3に記載の従来技術では、近年の高周波化お
よび大電力化には十分に対応できず、高周波用途や大電
力用途に向けられるとき、耐電力性が不十分であるとい
う問題がある。
【0011】また、特許文献2に記載の従来技術によっ
て結晶性の良好なエピタキシャル膜が得られるのは、実
質的に水晶基板上だけである。圧電性が大きく、広帯域
が要求されるフィルタ等において有利に用いられてい
る、LiTaO3 またはLiNbO3 等の圧電単結晶か
らなる基板上では、特許文献2に記載の技術によって結
晶性の良好なエピタキシャル膜を得ることが困難であ
り、したがって、特許文献2に記載の従来技術は、Li
TaO3 またはLiNbO3 基板を備える弾性表面波素
子に対しては、実質的に適用不可能である。
【0012】非特許文献1に記載の従来技術によれば、
AlにCuを添加することによって、なるほど、耐電力
性を向上させることが可能ではあるが、未だ十分なレベ
ルには達していない。
【0013】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、弾性表面波素子およびその製造方
法を提供しようとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、たとえば
64°Y−XカットのLiNbO3 からなる圧電基板上
に形成される電極に備えるAlを主成分とするAl電極
層を、双晶構造を有するエピタキシャルAl膜とするこ
とによって、優れた耐電力性を実現することを見出し
た。この場合、エピタキシャルAl膜は、圧電基板のZ
軸に対してAl膜の(111)面が配向し、かつ(11
1)面内で面内配向した双晶構造となっており、特殊な
結晶成長をすることがわかった。
【0015】双晶構造を持つエピタキシャル膜は、後述
するように、単結晶に比べて機械的強度を高くすること
ができ、そのため、塑性変形が起きにくく、弾性表面波
素子においてしばしば問題となるストレスマイグレーシ
ョンによる電極破壊が起きにくいという大きなメリット
がある。
【0016】このような双晶構造を持つエピタキシャル
Al膜について調査をさらに進めた結果、プロセス条件
を工夫することによって、前述したようなZ軸に対して
Al膜の(111)面が配向しながらのエピタキシャル
成長とは全く異なるメカニズムをもって結晶成長する場
合があることがわかった。この場合、Al(111)面
の配向方向は、圧電基板のZ軸とは異なっており、かつ
複数のAl(111)配向方向を有するという非常に特
異な結晶成長である。このような結晶成長は、特に、Y
カットの圧電単結晶からなる圧電基板等において、より
特定的には、36°〜42°YカットLiTaO3 基板
等において特徴的に見られる結晶成長である。
【0017】このような知見の下、この発明は、圧電単
結晶からなる圧電基板と、圧電基板上に形成された電極
とを備える、弾性表面波素子にまず向けられるものであ
って、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0018】すなわち、電極は、エピタキシャル成長し
た配向膜であるとともに、X線回折極点図において観察
される回折パターンが複数の対称中心を有する双晶構造
を持つ多結晶薄膜からなる電極層を備えることを特徴と
している。
【0019】上述の電極層は、Alを主成分とすること
が好ましい。
【0020】上述の電極は、電極層と圧電基板との間に
設けられる、電極層の結晶性を向上させるための下地電
極層をさらに備えることが好ましい。この下地電極層
は、好ましくは、TiおよびCrの少なくとも一方を主
成分とするものである。
【0021】圧電基板は、LiNbO3 またはLiTa
3 の単結晶からなるものであることが好ましく、より
好ましくは、θ回転Yカット(θ=36°〜42°)の
LiTaO3 基板である。
【0022】この発明に係る弾性表面波素子に備える電
極層の結晶方位に関して、X線回折において、X線の入
射方位を電極層の(200)としたとき、電極層の[1
11]結晶方位が、X線回折極点図において検出される
対称スポットの中心と概ね一致するように配向している
ことが好ましい。
【0023】また、好ましくは、X線回折極点図の対称
スポットの中心が2つ以上存在し、電極層の[111]
結晶方位が2つ以上の成長方向を有し、電極層の[11
1]結晶方位が、X線回折極点図において検出される対
称スポットの中心と概ね一致するように配向するように
されてもよい。
【0024】上述の場合、好ましくは、X線回折極点図
の対称スポットが、3回対称または6回対称であるよう
にされる。
【0025】この発明は、また、Yカットの圧電単結晶
からなる圧電基板と、圧電基板上に形成された電極とを
備え、電極は、Alを主成分とするAl電極層と、Al
電極層と圧電基板との間に設けられる、Al電極層の結
晶性を向上させるための下地電極層とを備え、Al電極
層は、エピタキシャル成長した配向膜であるとともに、
X線回折極点図において観察される回折パターンが複数
の対称中心を有する双晶構造を持つ多結晶薄膜である、
弾性表面波素子を製造する方法にも向けられる。
【0026】この発明に係る弾性表面波素子の製造方法
は、Yカットの圧電単結晶からなる圧電基板を用意する
工程と、圧電基板上に、下地電極層を形成する工程と、
下地電極層上に、Al電極層を形成する工程とを備える
とともに、下地電極層を形成する工程の前に、圧電基板
の表面に結晶面を露出させ、それによってAl電極層の
エピタキシャル成長を可能とするためのエッチング処理
を圧電基板に施す工程をさらに備えることを特徴として
いる。
【0027】上述したエッチング処理工程において用い
るエッチャントとして、リン酸、ピロリン酸、安息香
酸、オクタン酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、緩衝フッ
酸(BHF)および硫酸水素カリウムから選ばれた少な
くとも1種が好適に用いられる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる弾性表面波素子1の一部を示す断面図であり、圧電
基板2上に電極3が形成された部分を示している。
【0029】圧電基板2は、圧電単結晶、たとえばYカ
ットのLiTaO3 またはLiNbO3 の単結晶から構
成される。圧電基板2は、より好ましくは、θ回転Yカ
ット(θ=36°〜42°)のLiTaO3 基板によっ
て構成される。
【0030】電極3は、AlまたはAl系合金のように
Alを主成分とするAl電極層4を備えている。Al電
極層4と圧電基板2との間には、Al電極層4の結晶性
を向上させるための下地電極層5が設けられる。下地電
極層5は、たとえば、TiおよびCrの少なくとも一方
を主成分としている。
【0031】このような弾性表面波素子1を製造するた
め、圧電基板2を用意し、この圧電基板2上に、下地電
極層5を形成し、次いで、下地電極層5上に、Al電極
層4を形成する各工程が実施され、さらに、電極3に対
してインタディジタル形状を与えるため、フォトリソグ
ラフィ技術およびドライエッチング技術が適用される。
【0032】Al電極層4は、エピタキシャル成長した
配向膜であり、また、X線回折極点図において観察され
る回折パターンが複数の対称中心を有する双晶構造を持
つ多結晶薄膜であることを特徴としている。
【0033】このような特異な結晶構造をAl電極層4
に与えるため、弾性表面波素子1を製造するにあたっ
て、下地電極層5を形成する工程の前に、圧電基板2の
表面に結晶面を露出させ、それによってAl電極層4の
エピタキシャル成長を可能とするためのエッチング処理
が、圧電基板2に施される。
【0034】上述したエッチング処理工程において用い
られるエッチャントとしては、リン酸、ピロリン酸、安
息香酸、オクタン酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、緩衝
フッ酸(BHF)および硫酸水素カリウムのうちのいず
れか1種、またはこれら2種以上の混合溶液が好適に用
いられる。
【0035】上述のようなエッチング処理の結果、研磨
等によって圧電基板2の表面に生じた厚さ数nmの加工
変質層が取り除かれ、その結果、圧電基板2の表面には
結晶面が露出し、エピタキシャル成長に必要な結晶配列
情報の伝達が可能になる。
【0036】一般に、Al電極層における結晶粒界の存
在は、弾性表面波素子の耐電力性を劣化させると言われ
ている。これは、ストレスマイグレーションによって、
結晶粒界を通じて、Alが自己拡散し、ヒロックやボイ
ドと呼ばれる欠陥が成長するからである。しかしなが
ら、この発明に従って得られた多結晶のAl電極層4に
あっては、結晶粒界は1原子間隔以下であり、この結晶
粒界を通じての自己拡散は実質的に起こらない。
【0037】一方、金属の機械的強度については、単結
晶よりは多結晶の方が高い。これは、金属の塑性変形メ
カニズムによる。すなわち、塑性変形は、外力(弾性表
面波素子の分野にあっては、圧電効果による振動)等に
よる結晶のすべり変形を生じさせるが、単結晶では、最
も活動しやすいすべり系の活動だけで引き起こされるの
に対し、多結晶では、複数のすべり系の活動が要求され
ることに起因する(参考文献:丸善「金属便覧」改訂5
版・第337〜343頁)。このようなことから、塑性
変形の起きにくさは、ストレスマイグレーションのよる
電極破壊の起きにくさにもつながり、粒径の小さい電極
構造が高い耐電力性をもたらす。
【0038】これらのことから、Al電極層4を、双晶
構造を持つ配向膜とすることによって、結晶粒界を通じ
ての電極構成原子の自己拡散によるヒロックやボイドの
成長を防ぐ効果と、塑性変形のしにくさに起因する高耐
電力性とを併せ持つ、非常に耐電力性に優れたものとす
ることができる。
【0039】前述の非特許文献1に記載のように、Al
電極層4に、Cuなどの異種金属を添加することによっ
て、ヒロックやボイドの発生を抑制し、耐電力性を向上
させ得ることが古くから知られている。したがって、A
l電極層4において、双晶構造のエピタキシャルAl膜
を採用することに加えて、Cuなどの添加という対策を
講じれば、耐電力性のさらなる向上を実現することがで
きる。このように耐電力性向上に効果がある添加物とし
ては、Cuのほか、Mg、NiおよびMo等があり、し
たがって、Al電極層4を、これら添加物を微量に含む
Al系合金によって構成すれば、耐電力性をより向上さ
せることができる。
【0040】なお、図1には図示しないが、電極3の上
面および側面を覆うように、電気絶縁性の薄膜が形成さ
れていてもよい。
【0041】この発明に係る弾性表面波素子およびその
製造方法についてのより具体的な実施例を以下に説明す
る。
【0042】(実施例1)この発明の実施例1による弾
性表面波フィルタを作製するため、まず、36°Yカッ
トのLiTaO3 単結晶からなる圧電基板2を用意し、
この圧電基板2に対して、緩衝フッ酸(BHF)溶液に
よる前処理を常温にて10分間行ない、圧電基板2の表
面に存在する、エピタキシャル成長を阻害する表面変質
層を除去した。
【0043】次に、電子ビーム蒸着法により、Tiから
なる下地電極層5を、成膜温度180℃にて厚さ20n
mとなるように形成し、真空中で室温まで冷却した。
【0044】上述の冷却後、続いて、AlからなるAl
電極層4を、100nmの厚さとなるように形成した。
【0045】このようにして得られたAl電極層4につ
いて、X線回折分析を行なった。図2には、この分析に
よって得られたX線回折極点図が示されている。このX
線回折極点図は、X線の入射方位をAl電極層4の(2
00)入射として得られたものである。図2に示した回
折パターンを説明するために、図2に補助線を加えたも
のが図3である。
【0046】図2および図3に示すように、Al電極層
4は、Al(200)入射のX線回折極点図において複
数の対称スポットを持つ回折スポットが観測されるよう
なエピタキシャル薄膜となっている。図2および図3に
示された6箇所のスポットは、Alの(200)面から
の反射信号の検出を示している。
【0047】このように検出された6つの回折スポット
は、図3からわかるように、2組の3回対称スポットで
ある。各スポットと対応の対称中心との間のψ方向の間
隔は約55度であり、各対称中心はAlの[111]結
晶方位と概ね一致している。また、対称中心と圧電基板
2の法線(極点図の中心)とは、ψ方向に±10〜20
度離れている。なお、図3では、対称中心と極点図の中
心との間隔は、ψ方向に17度程度となっているが、こ
の角度は、成膜温度や圧電基板2の状況等に応じてばら
つくため、このようなばらつきを考慮したとき、上記の
ように、±10〜20度の範囲にあると言える。
【0048】Al(200)入射の極点図において、3
回対称スポットが観察されるということは、その対称ス
ポットの中心と概ね一致するようにAlの[111]結
晶方位が配向している、すなわち、その対称中心方向に
Alの[111]配向軸が成長した3軸配向膜であるこ
とを示している。
【0049】また、2組の3回対称スポットが観察され
るということは、対称スポットの中心が2つ存在し、A
lの[111]結晶方位が2つの成長方向を有している
ことを示している。言い換えると、Al[111]配向
の単結晶が2つの配向方向に結晶成長していること、す
なわち、双晶構造であることを意味している。
【0050】このように、Al電極層4を構成する膜
は、2つの成長方向を有するAl(111)の3軸配向
エピタキシャル膜であり、双晶構造を有する多結晶膜で
あると認められる。
【0051】次に、電極3を、フォトリソグラフィ技術
およびドライエッチング技術を用いて、インタディジタ
ル形状に加工し、それによって、弾性表面波素子1とし
ての弾性表面波フィルタを得た。
【0052】上述した実施例1に対する比較例として、
下地電極層5を形成するため、Tiを加熱せずに成膜し
たところ、Al電極層4としてエピタキシャル膜は得ら
れず、Alの(111)面が圧電基板2に垂直に成長す
る1軸配向膜となった。
【0053】耐電力性の比較を行なったところ、実施例
1による弾性表面波フィルタは、比較例による弾性表面
波フィルタに対して、一定電力を加えたときの故障発生
時間が1000倍以上となった。
【0054】(実施例2)42°YカットのLiTaO
3 単結晶からなる圧電基板2を用意した。以後、実施例
1の作製プロセスと同様のプロセスを用いて、圧電基板
2上に、下地電極層5を形成し、さらにその上に、Al
電極層4を形成した。
【0055】図4には、この実施例2によるAl電極層
4のAl(200)入射のX線回折極点図が示されてい
る。図5および図6は、回折パターンを説明するため
に、図4に補助線を加えたものである。
【0056】図4、図5および図6からわかるように、
Al電極層4は、複数の対称中心を持つ回折スポットが
観察されるようなエピタキシャル薄膜とすることができ
る。図4、図5および図6にある12箇所のスポット
は、Alの(200)面からの反射信号の検出を示して
いる。
【0057】上述のように検出される12箇所の回折ス
ポットは、図5からよくわかるように、2組の6回対称
スポットである。実施例1の場合と同様、各スポットと
対応の対称中心との間のψ方向の間隔は約55度であ
り、各対称中心はAlの[111]結晶方位と概ね一致
している。また、対称中心と圧電基板2の法線(極点図
の中心)とは、ψ方向に±10〜20度離れている。
【0058】Al(200)入射の極点図において、6
回対称スポットが観察されるということは、その対称中
心方向にAl[111]配向膜が成長した3軸配向膜で
あることを示している。
【0059】また、6回対称スポットは、それ自体が双
晶になっている。なぜなら、Al(200)入射の場
合、Al(111)単結晶からの回折スポットは、対称
中心から約55度の位置にある3回対称スポットとして
検出されるからである。具体的には、(100)、(0
10)および(001)の3つの対称スポットである。
つまり、6回対称スポットは、図6からわかるように、
2組の3回対称スポットから構成され、これら2組の3
回対称スポットは、互いに180度回転させた位置関係
にある。
【0060】このように、実施例2では、双晶構造の図
5に示すような6回対称スポットが2組あることから、
このAl電極層4は、「双晶の双晶」(単結晶のドメイ
ンが4つある。)という膜構造であるとも説明できる。
つまり、図2で観察された2組の3回対称スポットがそ
れぞれ双晶になったと考えればよい。
【0061】図4では、非常に複雑な回折スポットが観
察されているが、この実施例2によって得られたAl電
極層4も、2つの成長方向を有するAl(111)の3
軸配向エピタキシャル膜であることは、実施例1の場合
と本質的に変わりがない。
【0062】次に、電極3を、フォトリソグラフィ技術
およびドライエッチング技術を用いてインタディジタル
形状に加工し、弾性表面波素子1としての弾性表面波フ
ィルタを得たところ、この実施例2の場合も、やはりA
lの(111)面が圧電基板に垂直に成長する1軸配向
膜としてのAl電極層を有する比較例としての弾性表面
波フィルタと比較して、耐電力性を1000倍以上とす
ることができた。すなわち、実施例2の場合も、耐電力
性について、実施例1の場合と同様の効果が認められ
た。
【0063】以上説明した実施例1および2では、圧電
基板2として、36°YカットLiTaO3 基板および
42°YカットLiTaO3 基板をそれぞれ用いたが、
圧電基板2としては、圧電単結晶からなるものであれ
ば、どのような基板を用いてもよい。なお、Yカットの
カット角について言えば、特に、36°〜42°の範囲
にあることが好ましい。また、圧電基板の材料となる圧
電単結晶について言えば、LiTaO3 またはLiNb
3 の単結晶であることが好ましい。
【0064】また、上述した実施例1および2では、下
地電極層5の材料として、Tiを用いたが、Al電極層
4の結晶性向上に効果がある他の金属、たとえば、Cr
またはこれらの金属を主成分とする合金を用いても、同
様の効果が得られることが確認されている。
【0065】また、実施例1および2では、下地電極層
5を形成するにあたってのTiの成膜温度を180℃と
したが、成膜温度はこれに限られるものではない。この
成膜温度に関して、これを変化させた場合、Al(20
0)入射のX線回折極点図のスポット強度は、図7に示
すように変化することを実験により確認している。
【0066】図7に示すように、下地電極層5の成膜温
度を70℃以上とすることにより、その上に形成される
Al電極層4において回折スポットが検出され、いずれ
も双晶構造を持つエピタキシャルAl膜とすることがで
きるが、回折強度のより高い、すなわち結晶性のより良
好なAl膜を得るには、下地電極層5となるTiの成膜
温度をより高く設定することが望ましい。
【0067】なお、この成膜温度を高くし過ぎると、焦
電性が原因となり、圧電基板2の割れが生じる危険性が
高まるため、実用的には、成膜温度は300℃以下とす
ることが望ましい。
【0068】また、実施形態および実施例では、電極層
は、Alを主成分とするものであったが、面心立方の結
晶構造を有する金属、たとえば、Pt、Au、Cu、A
g等を主成分とするものであっても、同様の結果を得る
ことができる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る弾性表面
波素子によれば、圧電単結晶からなる圧電基板上に形成
される電極に備える電極層が、エピタキシャル成長した
配向膜であるとともに、X線回折極点図において観察さ
れる回折パターンが複数の対称中心を有する双晶構造を
持つ多結晶薄膜であるので、電極において、ヒロックや
ボイドの発生を抑えることができるとともに、塑性変形
を生じにくくすることができ、弾性表面波素子の耐電力
性を高めることができる。
【0070】上述の電極層の材料として、電気抵抗率が
低くかつ比重の小さいAlを用いれば、良好なフィルタ
特性を得ることができる。
【0071】上述した弾性表面波素子において、電極層
と圧電基板との間に、たとえばTiおよびCrの少なく
とも一方を主成分とする、電極層の結晶性を向上させる
ための下地電極層が設けられると、電極層の結晶性をよ
り向上させることができる。
【0072】この発明において、圧電基板として、Li
NbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなるものが用
いられると、圧電性が大きく、弾性表面波素子がフィル
タ等を構成する場合、その広帯域化が可能になる。
【0073】また、圧電基板として、θ回転Yカット
(θ=36°〜42°)のLiTaO 3 基板が用いられ
ると、前述したような電極層における特異な結晶構造を
より確実にかつより容易に与えることができる。
【0074】この発明に係る弾性表面波素子の製造方法
によれば、下地電極層を形成する工程の前に、圧電基板
の表面に結晶面を露出させ、それによってAl電極層の
エピタキシャル成長を可能とするためのエッチング処理
を圧電基板に施す工程を備えているので、圧電基板の表
面上に下地電極層を形成し、次いでAl電極層を形成す
るとき、Al電極層に対して、エピタキシャル成長に必
要な結晶配列情報のより確実な伝達が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による弾性表面波素子の
一部を示す断面図である。
【図2】この発明に従って実施された実施例1において
得られたAl電極層4のX線回折極点図である。
【図3】回折パターンを説明するために、図2に補助線
を加えたものである。
【図4】この発明に従って実施された実施例2において
得られたAl電極層4のX線回折極点図である。
【図5】回折パターンを説明するために、図4に補助線
を加えたものである。
【図6】回折パターンを説明するために、図4に図5の
場合とは異なる補助線を加えたものである。
【図7】下地電極層5となるべきTiの成膜温度とAl
電極層4におけるAl(200)入射のX線回折極点図
のスポット強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 弾性表面波素子 2 圧電基板 3 電極 4 Al電極層 5 下地電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 和裕 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 4K029 AA04 AA24 BA03 BB07 BB08 BD00 CA01 DB21 5F043 AA18 BB21 DD02 GG10 5J097 AA26 FF03 GG03 GG04 HA02 HB08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電単結晶からなる圧電基板と、前記圧
    電基板上に形成された電極とを備え、 前記電極は、エピタキシャル成長した配向膜であるとと
    もに、X線回折極点図において観察される回折パターン
    が複数の対称中心を有する双晶構造を持つ多結晶薄膜か
    らなる電極層を備えることを特徴とする、弾性表面波素
    子。
  2. 【請求項2】 前記電極層は、Alを主成分とする、請
    求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 前記電極は、前記電極層と前記圧電基板
    との間に設けられる、前記電極層の結晶性を向上させる
    ための下地電極層をさらに備える、請求項1または2に
    記載の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記下地電極層は、TiおよびCrの少
    なくとも一方を主成分とする、請求項3に記載の弾性表
    面波素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電基板は、LiNbO3 またはL
    iTaO3 の単結晶からなる、請求項1ないし4のいず
    れかに記載の弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 前記圧電基板は、θ回転Yカット(θ=
    36°〜42°)のLiTaO3 基板である、請求項5
    に記載の弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 X線回折において、X線の入射方位を前
    記電極層の(200)としたとき、前記電極層の[11
    1]結晶方位が、X線回折極点図において検出される対
    称スポットの中心と概ね一致するように配向している、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 X線回折において、X線の入射方位を前
    記電極層の(200)としたとき、前記X線回折極点図
    の対称スポットの中心が2つ以上存在し、前記電極層の
    [111]結晶方位が2つ以上の成長方向を有し、前記
    電極層の[111]結晶方位が、前記X線回折極点図に
    おいて検出される対称スポットの中心と概ね一致するよ
    うに配向している、請求項1ないし6のいずれかに記載
    の弾性表面波素子。
  9. 【請求項9】 前記X線回折極点図の対称スポットが、
    3回対称または6回対称である、請求項8に記載の弾性
    表面波素子。
  10. 【請求項10】 Yカットの圧電単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板上に形成された電極とを備え、前記
    電極は、Alを主成分とするAl電極層と、前記Al電
    極層と前記圧電基板との間に設けられる、前記Al電極
    層の結晶性を向上させるための下地電極層とを備え、前
    記Al電極層は、エピタキシャル成長した配向膜である
    とともに、X線回折極点図において観察される回折パタ
    ーンが複数の対称中心を有する双晶構造を持つ多結晶薄
    膜である、弾性表面波素子を製造する方法であって、 前記Yカットの圧電単結晶からなる圧電基板を用意する
    工程と、 前記圧電基板上に、前記下地電極層を形成する工程と、
    前記下地電極層上に、前記Al電極層を形成する工程と
    を備え、 さらに、前記下地電極層を形成する工程の前に、前記圧
    電基板の表面に結晶面を露出させ、それによって前記A
    l電極層のエピタキシャル成長を可能とするためのエッ
    チング処理を前記圧電基板に施す工程を備える、弾性表
    面波素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記エッチング処理工程において用い
    るエッチャントとして、リン酸、ピロリン酸、安息香
    酸、オクタン酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、緩衝フッ
    酸(BHF)および硫酸水素カリウムから選ばれた少な
    くとも1種が用いられる、請求項10に記載の弾性表面
    波素子の製造方法。
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