JP2005239859A - 高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びに該複合体を備えた光学素子 - Google Patents

高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びに該複合体を備えた光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】調光特性に優れた高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びにそれを用いた光学素子を提供する。
【解決手段】刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルと、前記ゲルに吸脱される液体と、保持部材形成材料とを含む高分子ゲル組成物であって、前記保持部材形成材料が加熱により流動/固化転移を示す性質を有し、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であること。
【選択図】図1

Description

本発明は、刺激の付与により体積変化する高分子ゲルを含有する高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びにそれを用いた高分子ゲルフィルム、光学素子に関する。本発明の高分子ゲル組成物及び高分子ゲル複合体は、表示素子、記録素子、調光素子やセンサーなどの光学素子の材料として有用なものである。
従来、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加、あるいは、光、熱、電流もしくは電界の付与等、刺激の付与によって、体積変化(膨潤、収縮)を生ずる高分子ゲル(以下、刺激応答性高分子ゲルという)が知られており、その機能材料としての応用が期待されている。これらの材料は、例えば、以下の非特許文献1に総説として記載されている。この刺激応答性高分子ゲルの用途として、ドラッグデリバリーシステムなどの薬の担持体、医療材料、インクの添加剤、機能膜、人工筋肉、表示素子、記録素子、アクチュエータ、ポンプなどが検討されている。
一般に、水や電解質、有機溶媒等の液体中に存在する刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与することにより、該刺激応答性高分子ゲルは体積変化を起こし、ゲル内部への液体の吸収、あるいはゲル外部への液体の排出によって、前記刺激応答性高分子ゲルの体積、大きさ、形状を変化させることができる。
刺激応答性高分子ゲルの材料としては、ポリアクリル酸系、ポリビニルスルホン酸系、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸系、ポリマレイン酸系、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸複合系の各塩などのイオン解離基を有する高分子化合物;セルロース系、ポリアクリルアミド系、ポリN−アルキル置換アクリルアミド系、ポリビニルメチルエーテル系などの高分子化合物;あるいは光などによってイオン解離する基を有する高分子化合物の架橋体;等が知られている。また、刺激応答性高分子ゲルの形態としては、粒子、繊維、立方体などの成形体が知られている。
これら従来知られている刺激応答性高分子ゲルの課題の一つは、体積変化に要する応答速度が遅く、数分から数日かかってしまうことである。刺激応答性高分子ゲルの応答速度はその大きさに依存し、大きさが小さくなるにつれて高速化することが知られているため、刺激応答性高分子ゲルを微粒子にして高速化を狙う検討がされているが、刺激応答性高分子ゲルを微粒子にして用いると、凝集が生じやすく利用が困難であること、凝集によって結局応答速度が低下すること、などの問題がある。さらに、刺激応答性高分子ゲルの構造を多孔質化して液体の出入りを容易にし、高速化を狙う検討もされているが、高速化には限界があり、用途が限られていた。
さらに、刺激応答性高分子ゲルの他の課題は、その作動原理から液体中で使用しなければはならず、その利用分野が制限されることである。例えば、表示素子や記録素子等に利用する場合、2枚の支持基板間に刺激応答性高分子ゲルと液体とを封入しなければならない(例えば、以下の特許文献1〜3を参照)。これらのように素子として利用する場合、優れた調光特性を得るためには、基板上に刺激応答性高分子ゲルを固定化することが望ましいが、このような素子構成では、その安定性に問題が生じ易く、またコストが高くなるなどの問題があった。
これらの問題を改善するために、以下の特許文献3及び4などにおいて、刺激応答性高分子ゲル及び液体を含む領域と、その領域を覆う隔離部材とを有する高分子溶液あるいは高分子ゲル複合体を用いることにより、高分子ゲル粒子同士の凝集を防ぎ簡便かつ安定に動作させる提案がなされている。しかし、高分子溶液ではその流動性により十分に長い使用時間後には高分子ゲル粒子の凝集は防ぐことができない。また、当該提案においては、隔離部材をゲル化する手法として溶媒の蒸散あるいは紫外線、電子線、熱処理後に溶媒置換する方法が提案されているが、独自の設備が必要なだけではなく多くのプロセスを必要とするため製造コスト面に問題があった。つまり、紫外線あるいは電子線を用いてゲル化させる場合においてはそれらの光線を照射する装置が必要となるがこれら装置は非常に大規模で高価なものである。また、ゲル化においては用いる化合物によって必要とされる光の波長が異なるためフィルターあるいは光源の交換が必要となる。 さらに、ゲル化に用いられる紫外線あるいは電子線は人体に有害であるため人体への光の暴露を防ぐ防護装置や保護具が必要となる。すなわち紫外線、電子線を用いてゲル化を行う手法においてはコストの上昇は避けられないばかりではなく製造作業者の健康を損なう危険性を有している。
特開昭61−149926号公報 特公平7−95172号公報 特開平5−173190号公報 特開平11−228850号公報 特開平14−105327号公報 「機能性高分子ゲル」(シーエムシー出版)
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的は、低コストで、調光特性に優れた高分子ゲル複合体を作製することが可能な高分子ゲル組成物、該組成物から作製される高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びにそれを用いた光学素子を提供することにある。
前記課題は、以下の高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びに光学素子を提供することにより解決される。
(1)刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルと、前記ゲルに吸脱される液体と、保持部材形成材料とを含む高分子ゲル組成物であって、前記保持部材形成材料が加熱により流動/固化転移を示す性質を有し、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であることを特徴とする高分子ゲル組成物。
(2)前記保持部材形成材料が、溶媒及び加熱により該溶媒に溶解ないし分散される材料を含むことを特徴とする前記(1)に記載の高分子ゲル組成物。
(3)前記材料が、物理ゲルであることを特徴とする前記(2)に記載の高分子ゲル組成物。
(4)前記保持部材形成材料が、水素結合の形成及び解離により流動/固化転移をすることを特徴とする前記(2)に記載の高分子ゲル組成物。
(5)前記保持部材形成材料が、ファンデアワールス力による結合及びその解離により流動/固化転移をすることを特徴とする前記(2)に記載の高分子ゲル組成物。
(6)前記保持部材形成材料が、多糖類の分子配向及び解離により流動/固化転移をすることを特徴とする前記(2)に記載の高分子ゲル組成物。
(7)前記保持部材形成材料が、加熱により流動化する材料を含むことを特徴とする前記(1)に記載の高分子ゲル組成物。
(8)前記材料が、物理ゲルであることを特徴とする前記(7)に記載の高分子ゲル組成物。
(9)前記保持部材形成材料が、ブロック共重合体及び、又は、グラフト共重合体であり、これらの凝集及び融解により流動/固化転移をすることを特徴とする前記(7)に記載の高分子ゲル組成物。
(10)前記保持部材形成材料が、高分子の結晶化及び融解により流動/固化転移をすることを特徴とする前記(7)に記載の高分子ゲル組成物。
(11)前記刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルが、調光用材料を含有することを特徴とする前記(1)に記載の高分子ゲル組成物。
(12)前記ゲルに吸脱される液体が。前記高分子ゲル中に含まれていることを特徴とする前記(1)に記載の高分子ゲル組成物。
(13)刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲル、該ゲルに吸脱される液体及び前記高分子ゲルを保持する保持部材を有する高分子ゲル複合体であって、前記保持部材が、加熱により流動/固化転移を示す性質を有する保持部材形成材料であって、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2である保持部材形成材料を流動化させた後固化させたものであることを特徴とする高分子ゲル複合体。
(14)前記(13)に記載の高分子ゲル複合体を備えた光学素子。
(15)前記高分子ゲル複合体がフィルム状又は板状に成形されたものであることを特徴とする前記(14)に記載の光学素子。
(16)高分子ゲル複合体を被包するように封止材が形成されていることを特徴とする前記(14)に記載の光学素子。
(17)高分子ゲルに刺激を付与し得る刺激付与素子が、前記高分子ゲル複合体に接触して設けられていることを特徴とする前記(14)に記載 の光学素子。
(18)加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料中に、刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルであって該ゲルに吸脱される液体を含む機能性高分子ゲルが分散された分散液を調製する工程と、前記分散液の層を形成する工程と、前記分散液の層を冷却により固化させる工程とを有する、前記(13)に記載の高分子ゲル複合体の製造方法。
(19)加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料及び刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルに吸脱される液体の混合物中に、前記高分子ゲルが分散された分散液を調製する工程と、前記分散液の層を形成する工程と、前記分散液の層を冷却により固化させる工程とを有する、前記(13)に記載の高分子ゲル複合体の製造方法。
本発明においては、高分子ゲル複合体を製造するための高分子ゲル組成物として前記のごときものを用いたため、紫外線、電子線照射などの複雑で高価な装置を用いることなく、保持部材形成材料を加熱により流動化せしめ所望の工程を経た後に冷却によって固化させる工程だけで、低コストで簡便かつ安全に高分子ゲル複合体を作製することができる。
また、保持部材形成材料として特定の温度特性を有するものを用いたため、流動化状態を長く保つことが可能で、加熱を必要最小限に抑えることができ、材料の劣化、溶媒の蒸発等を最小限にすることができる。
そして、高分子ゲル複合体の作製工程において、材料に影響を与える要因は加熱だけであり、その加熱も必要最小限に抑えることができるため、優れた特性を有する高分子ゲル複合体が得られる。さらに、長期間にわったって、高分子ゲル複合体における高分子ゲル同士の凝集はなく保持部材により強固に固定化され維持される。
また、本発明の光学素子は、前記のごとき高分子ゲル複合体を備えたものであるため、長期間劣化することがないなど、優れた特性を備えている。
以下、本発明の高分子ゲル組成物、高分子ゲル複合体及びその製造方法、並びに光学素子について詳細に説明する。
[高分子ゲル組成物]
本発明の高分子ゲル組成物は、高分子ゲル複合体を作製するためのもので、刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲル(以下、「刺激応答性高分子ゲル」、又は単に「高分子ゲル」という場合がある。)と、前記ゲルに吸脱される液体(以下、「吸脱液体」ということがある。)と、保持部材形成材料を含む高分子ゲル組成物であって、前記保持部材形成材料は加熱により流動/固化転移を示す性質を有し、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であることを特徴とする。前記吸脱液体は、高分子ゲル中に含まれていてもよい。
以下に、本発明の高分子ゲル組成物の各成分について説明する。
(刺激応答性高分子ゲル)
本発明において使用することができる高分子ゲルは、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加、あるいは光、熱、電流もしくは電界の付与等、刺激の付与によって、液体を吸収・放出して体積変化(膨潤・収縮)するものである。本発明において、高分子ゲルの体積変化は一方的なものでも可逆的なものであってもよい。以下に、本発明において使用することができる高分子ゲルの具体例を示す。
pH変化によって刺激応答する高分子ゲルとしては、電解質系高分子ゲルが好ましく、その例としては、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋物やその塩;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその塩;ポリマレイン酸の架橋物やその塩;マレイン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその塩;ポリビニルスルホン酸の架橋物やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物;ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋物やその塩;ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその塩;ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物やその塩;アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその塩;ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの架橋物や4級化物や塩;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその4級化物や塩;ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合体の架橋物やその4級化物や塩;ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋物やその塩;カルボキシアルキルセルロース塩の架橋物、ポリ(メタ)アクリロニトリルの架橋物の部分加水分解物やその塩;などが挙げられる。
これらの中でも、ポリ(メタ)アクリル酸系高分子材料は好ましく使用される。
また、刺激として付与するpH変化は、液体の電気分解や添加される化合物の酸化還元反応などの電極反応、あるいは、導電性高分子の酸化還元反応、さらには、pHを変化させる化学物質の添加によることが好ましい。
イオン濃度変化によって刺激応答する高分子ゲルとしては、前記したpH変化による刺激応答性高分子ゲルと同様なイオン性高分子材料が使用できる。
また、刺激として付与するイオン濃度変化としては、塩等の添加、イオン交換性樹脂の使用などによることが好ましい。
化学物質の吸脱着によって刺激応答する高分子ゲルとしては、強イオン性高分子ゲルが好ましく、その例として、ポリビニルスルホン酸の架橋物や、ビニルスルホン酸と、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどと、の共重合体の架橋物;ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋物や、ビニルベンゼンスルホン酸と、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどと、の共重合体の架橋物;ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物や、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸と、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどと、の共重合体の架橋物;などが挙げられる。
特に、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸系高分子が好ましく使用される。この場合、化学物質としては、界面活性剤、例えば、n−ドデシルピリジニウムクロライドなどのアルキルピリジン塩、アルキルアンモニウム塩、フェニルアンモニウム塩、テトラフェニルホスフォニウムクロライドなどのホスホニウム塩などのカチオン性界面活性剤を使用することができる。
溶媒の添加によって刺激応答する高分子ゲルとしては、一般にほとんどの高分子ゲルが挙げられ、その高分子ゲルの良溶媒と貧溶媒とを利用することで膨潤、収縮を引き起こすことが可能である。
電流もしくは電界の付与によって、刺激応答する高分子ゲルとしては、カチオン性高分子ゲルと電子受容性化合物とのCT錯体(電荷移動錯体)が好ましく、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどアミノ置換(メタ)アクリルアミドの架橋物;ジメチ高分子ゲル組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた光学素子ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アミノ置換アルキルエステルの架橋物;ポリスチレンの架橋物;ポリビニルピリジンの架橋物;ポリビニルカルバゾールの架橋物;ポリジメチルアミノスチレンの架橋物;などが挙げられ、特に、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系高分子は好ましい。これらは、ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノエチレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マレイン酸やヨウ素などの電子受容性化合物とを組み合わせて使用することができる。
光の付与によって刺激応答する高分子ゲルとしては、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピラン誘導体などの光によってイオン解離する基を有する親水性高分子化合物の架橋物が好ましく、その例として、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体と(メタ)アクリルアミドとの共重合体の架橋物などが挙げられる。
熱の付与によって刺激応答する高分子ゲルとしては、LCST(下限臨界共融温度)をもつ高分子の架橋体や、互いに水素結合する2成分の高分子ゲルのIPN(相互侵入網目構造)体などが好ましい。前者は、高温において収縮し、後者は逆に高温で膨潤する特性をもっている。
LCSTをもつ高分子の架橋体の具体的な化合物例としては、ポリN−イソプロピルアクリルアミドなどのポリ〔N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド〕の架橋体;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドと、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどと、の2成分以上の共重合体の架橋体;ポリビニルメチルエーテルの架橋体;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのアルキル置換セルロース誘導体の架橋体;などが挙げられる。これらの中でも、ポリN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
一方、互いに水素結合する2成分の高分子ゲルのIPN体の具体的な化合物例としては、ポリ(メタ)アクリルアミドの架橋体と、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体と、からなるIPN体及びその部分中和体(アクリル酸単位を部分的に塩化したもの);ポリ(メタ)アクリルアミドを主成分とする共重合体の架橋体と、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体と、からなるIPN体及びその部分中和体;などが挙げられる。より好ましくは、ポリ〔N−アルキル置換〕アクリルアミドの架橋体、又は、ポリ(メタ)アクリルアミドの架橋体と、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体と、のIPN体及びその部分中和体などが挙げられる。
本発明において、刺激応答性高分子ゲルの体積変化量は特に限定されないが、高いほど好ましく、膨潤時及び収縮時の体積比(膨潤時/収縮時)が5以上、特に10以上のものが好ましい。また、本発明において、刺激応答性高分子ゲルの体積変化は、一方的であるものでも可逆的であるものでもよいが、調光素子や表示素子などに利用する場合は、可逆的なものであることが好ましい。
また、本発明では、刺激応答性高分子ゲルの形態は特に限定されないが、刺激応答特性を考慮すると、粒子の形態であることが特に好ましい。粒子の形態である刺激応答性高分子ゲルを用いる場合、個々の高分子ゲルの形状についても特に制限はないが、球体、楕円体、多面体、多孔質体、繊維状、星状、針状、中空状などのものを使用することができる。
本発明において用いられる刺激応答性高分子ゲルは、その体積平均粒子径が乾燥状態で0.01μm〜5mmの範囲、特に0.01μm〜1mmの範囲の粒子であることが好ましい。体積平均粒子径が0.01μm未満となると、光学的な特性を得ることができなくなり、また、凝集等を起こしやすくなり、かつ、使用する場合にその扱いが困難となってくる。一方、体積平均粒子径が5mmを超えると、応答速度が遅くなってしまう問題が生じる場合がある。
これらの高分子ゲルの粒子は、高分子ゲルを物理的粉砕法等で粒子化する方法、架橋前の高分子を化学的粉砕法等によって粒子化した後に架橋して高分子ゲル粒子を得る方法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などの粒子化重合法等、一般的な粒子化方法によって製造することができる。また、架橋前の高分子をノズル口金等によって押し出して繊維化し、これを架橋した後に粉砕する方法、あるいは前記繊維を粉砕して粒子化した後に架橋する方法によって高分子ゲル粒子を製造することも可能である。
また、本発明の高分子ゲル組成物を表示素子や記録素子もしくは調光素子に用いる場合には、前記高分子ゲルに、顔料や染料、あるいは光散乱材料などの調光用材料を添加することが好ましい。さらに、可視光以外の光を吸収や散乱する材料、つまり、赤外線吸収色素、赤外線吸収又は散乱顔料や、紫外線吸収色素、紫外線吸収又は散乱顔料等も、本発明における刺激応答性高分子ゲルに含有させる調光用材料として好ましく適用することができる。
このような調光用材料の添加量としては、高分子ゲルの膨潤時又は収縮時に、飽和吸収濃度あるいは飽和散乱濃度以上となる量を添加することが好ましい。高分子ゲルに、このような濃度の調光用材料を添加することにより、高分子ゲルの膨潤・収縮により光学濃度又は散乱を変化させることができる。飽和吸収濃度あるいは飽和散乱濃度以上となる調光用材料の濃度は、一般に3質量%以上であり、5質量%〜95質量%の範囲を高分子ゲルに添加することが好ましく、より好ましくは5質量%〜80質量%の範囲である。5質量%未満となると、調光用材料を添加した効果が十分に得られず、95質量%を超えると、高分子ゲルの特性が低下してしまう恐れがある。
調光用材料としては、各種の染料や顔料、光散乱材料が挙げられ、無機系顔料、有機系顔料、塩基性染料、酸性染料、分散染料、反応性染料などが好ましい。特に顔料はその添加による高分子ゲルの刺激応答性に与える影響が比較的小さいので好ましい。
一般的な染料で好適な具体例としては、例えば、黒色のニグロシン系染料や赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラー染料であるアゾ染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ベリノン染料などが挙げられ、特に光吸収係数が高いものが望ましい。
また、一般的な顔料の具体例としては、黒色顔料である各種カーボンブラック(チャネルブラック、ファーネスブラック等)やチタンブラック、白色顔料である酸化チタンなどの金属酸化物やカラー顔料である。カラー顔料としては例えば、ベンジジン系のイエロー顔料、ローダミン系のマゼンタ顔料、フタロシアニン系のシアン顔料、あるいはこの他にもアントラキノン系、アゾ系、アゾ金属錯体、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、アリルアミド系などの各種カラー顔料を挙げることができる。
顔料のより具体的な例として、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトボン、白雲母、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、鉛白、酸化ジルコニウム、アルミナ、マイカナイト、マイカレックス、石英、炭酸カルシウム、石膏、クレー、シリカ、ケイ酸、珪素土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白等の無機酸化物等の白色顔料や、亜鉛、アルメル、アンチモン、アルミニウム、アルミニウム合金、イリジウム、インジウム、オスミウム、クロム、クロメル、コバルト、ジルコニウム、ステンレス鋼、金、銀、洋銀、銅、青銅、すず、タングステン、タングステン鋼、鉄、鉛、ニッケル、ニッケル合金、ニッケリン、白金、白金ロジウム、タンタル、ジュラルミン、ニクロム、チタン、クルップ・オーステナイト鋼、コンスタンタン、真鍮、白金イリジウム、パラジウム、パラジウム合金、モリブデン、モリブデン鋼、マンガン、マンガン合金、ロジウム、ロジウム金などの金属材料や、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、シリコーン、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック等の高分子材料で構成された顔料等が挙げられる。
また、カラー顔料であるイエロー系顔料のより具体的な例としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物等が用いられる。より詳細には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
マゼンタ系顔料のより具体的な例としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。より詳細には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が特に好ましい。
シアン系顔料のより具体的な例としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、例えば顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
使用する顔料の粒子径としては、1次粒子の平均粒子径で0.001μm〜1μmのものが好ましく、特に0.01μm〜0.5μmのものが好ましい。これは粒子径が0.001μm未満では高分子ゲルからの流出が起こりやすく、また、0.5μmを超えると発色特性や光散乱特性が悪くなる恐れが生じるためである。
光散乱材料の好適な無機材料の具体例として、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトボン、白雲母、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、鉛白、酸化ジルコニウム、アルミナ、マイカナイト、マイカレックス、石英、炭酸カルシウム、石膏、クレー、シリカ、ケイ酸、珪素土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白等の無機酸化物や、亜鉛、アルメル、アンチモン、アルミニウム、アルミニウム合金、イリジウム、インジウム、オスミウム、クロム、クロメル、コバルト、ジルコニウム、ステンレス鋼、金、銀、洋銀、銅、青銅、すず、タングステン、タングステン鋼、鉄、鉛、ニッケル、ニッケル合金、ニッケリン、白金、白金ロジウム、タンタル、ジュラルミン、ニクロム、チタン、クルップ・オーステナイト鋼、コンスタンタン、真鍮、白金イリジウム、パラジウム、パラジウム合金、モリブデン、モリブデン鋼、マンガン、マンガン合金、ロジウム、ロジウム金などの金属材料、ITO(インジウム・スズ酸化物)等の無機導電性材料などが挙げられる。
また、光散乱材料の好適な有機材料の具体例として、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、シリコーン、天
然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック等やこれら2種類以上の高分子材料の混合材料(ポリマーブレンド)などの高分子材料が挙げられる。
これらの調光用材料として、分子内に酸基、水酸基、アミノ基、チオール基、ハロゲン、ニトロ基、カルボニル基などの極性基を有し、高分子ゲル内において調光用材料濃度が高い場合に凝集体を形成しやすい特性のものも好ましく使用することができる。このような調光用材料の例としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基を有するフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等を挙げることができる。さらに、高分子ゲルに共有結合するための付加反応性基や重合性基を有する調光用材料や、高分子ゲルとイオン結合などの相互作用する基を有する調光用材料などの各種の化学修飾した調光用材料を用いることも好ましい。
また、上記の調光用材料は、高分子ゲル(あるいはその液体による膨潤体)内部に存在し、膨潤・収縮によっても高分子ゲルの外部に移動しないものであることが好ましい。このためには、前記したように、高分子ゲルに調光用材料を共有結合する方法、イオン結合する方法、高分子ゲルの網目内部に物理的に保持する方法などによって調光用材料を添加することが好ましい。特に調光用材料として顔料を用いる場合は、高分子ゲルの架橋密度を適宜選択し、顔料の粒子径よりも小さい網目を形成させることにより、顔料を安定に保持することができる。
このような調光用材料を含有する高分子ゲルは、架橋前の高分子中に調光用材料を均一に分散、混合した後に架橋する方法や、重合時に、高分子前駆体モノマー組成物に調光用材料や重合性基を有する調光用材料を添加して重合する方法によって製造することができる。調光用材料は、高分子ゲル中に均一に分散されていることが好ましく、特に、高分子ゲルへの分散に際して、高分子ゲル製造段階において、機械的混練法、攪拌法を用いて、又は界面活性剤や両親媒性高分子等の分散剤などを利用して均一に分散させることが望ましい。尚、調光用材料を含有する高分子ゲルの粒子は、前記した粒子化方法と同様の方法により製造することができる。
(刺激応答性高分子ゲルが吸脱し得る液体)
本発明の高分子ゲル組成物に含有される、刺激応答性高分子ゲルが吸脱し得る液体としては、水、電解質水溶液、アルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、アセトニトリル、プロピレンカーボネートやその他の芳香族系有機溶剤、脂肪族系有機溶剤やそれらの混合物が使用できる。また、当該液体には、高分子ゲルに吸脱する界面活性剤、溶液のpH変化を促進するためのビオロゲン誘導体などの酸化還元剤、酸、アルカリ、塩、及び分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などの安定剤などを添加してもよい。さらに、種々顔料や白色顔料や染料、紫外線吸収剤などの調光用材料を添加することもできる。
高分子ゲルと、該高分子ゲルが吸脱し得る液体との混合比は、質量比で1/2000〜1/1(高分子ゲル/液体)の範囲とすることが好ましい。質量比が1/2000を超えて前記液体の割合が大きくなると、得られる高分子ゲル組成物の機械的強度などの物性低下の恐れがあり、1/1を超えて前記液体の割合が小さくなると、刺激応答による体積変化の応答速度が低下する虞がある。
(保持部材形成材料)
保持部材形成材料は、加熱により流動/固化転移を示す性質を有し、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であることを特徴とする。
前記のごとき特性を有する保持部材形成材料としては、溶媒及び加熱により該溶媒に溶解ないし分散される材料を含むもので、加熱により溶解ないし分散し(流動化)し、冷却することにより固化するものや、加熱により流動化する材料を含むもので、加熱により流動化し冷却することにより固化するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記保持部材形成材料は、固化した後再加熱した場合流動化しないものでも、流動化するものでもよいが、流動化しないものが好ましく用いられる。また、固化した後溶媒に再溶解するものでも、再溶解しないものでもよいが、再溶解しないものが好ましい。
前記の保持部材形成材料に用いられる前記材料は、多くは物理ゲルとして定義されているもので、中でも、高分子が擬似的に三次元架橋されてなるネットワークポリマーが好ましく使用できる。
前記のごとき材料は、温度変化に伴い、水素結合、ファンデアワールス力、多糖類の分子配向、ブロック共重合体のドメイン形成、結晶性高分子中の微結晶の変化が生じ、その結果、流動/固化転移を示す。また固化した状態では擬似的に三次元架橋され固体状態を維持し、高分子ゲルを保持する。前記材料は室温で固体であることが好ましい。
溶媒及び加熱により該溶媒に溶解ないし分散される物理ゲルを含む保持部材形成材料を用いた場合、加熱により流動化し、冷却することにより溶媒を含んだまま固化して、擬似的に三次元架橋されたゲル状のものが得られる。したがって、得られる保持部材は柔軟であり、高分子ゲル粒子の膨潤・収縮を妨げることがない。
このような物理ゲルとしては以下のごときものが挙げられる。
1)水素結合の形成及び解離に起因して保持部材形成材料が流動/固化する物理ゲルとして、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、セルロース及びその誘導体の重合体、及びそれらの共重合体、及びそれらの重合体の混合物、及びそれらの共重合体の混合物などが挙げられる。これら高分子は通常は高分子鎖同士で水素結合を形成しているが加熱により可逆的にその水素結合が切れる。
2)ファンデアワールス力による結合及びその解離に起因して保持部材形成材料が流動/固化転移をする物理ゲルとして、キサンタンガム、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子が挙げられる。
3)分子配向及び解離に起因して保持部材形成材料が流動/固化する多糖類を物理ゲルとして、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、グアーガム誘導体、カラギーナン、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、コンニャクグルコマンナン、ゼラチン、アガロース、寒天、コラーゲン、及びその混合物などが挙げられる。これら高分子は通常は高分子鎖同士で螺旋構造などを形成しているが加熱により可逆的にその構造が壊される。
前記のごとき物理ゲルを溶解ないし分散するための溶媒としては水、アルコール、等が挙げられるが、前記高分子を溶解するものであれば何でも用いることができる。また、前記保持部材形成材料の物性調整のため、無機塩、有機塩などの低分子化合物、界面活性剤、クレイ、フィラーなどを添加してもよい。物理ゲルと溶媒との使用比率は、これらを流動化後固化させた場合、高分子ゲルを保持しうる強度が得られる比率であればどのような割合でもよい。
加熱により流動化し、冷却することにより固化して擬似的に三次元架橋される物理ゲルとして以下のごときものが挙げられる。
1)ブロック共重合体又はグラフト共重合体の凝集及び融解により流動/固化転移する物理ゲルとして、それぞれのポリマーブロックのいずれかがミクロドメイン構造を形成し擬似架橋構造となるものであれば何でも良い。それぞれのブロックのポリマーの成分としては例えばポリイソプレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、ポリエチレン、ポリエーテル系高分子、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール系高分子、ポリアミノ酸系高分子、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、シリコーン系高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル酢酸、ポリピロール、ポリオレフィンなどが挙げられ、2種以上の成分によって構成される。 これら高分子は通常はポリマーブロックのミクロドメインにより擬似架橋構造を有しゲル化しているが、加熱により可逆的に当該ドメインが融解し流動化する。
2)高分子の非晶部位の結晶化及び解離により流動/固化転移をする物理ゲルとして、アクリル酸ステアリル、シリコンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリメチルスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,2、ナイロン6,10、ナイロン7,7、ポリベンズアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリアレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリイソプロピルエチレンオキシド、ポリエピクロロヒドリン、ポリオキサシクロブタン、ポリテトラヒドロフラン、ポリヘキサメチレンオキシド、ポリケトン、ポリジメチルケテン、ポリジメチルシロキサン、ポリペプチド、セルロースやアミロースなどの多糖、ポリスルフィド、などが挙げられる。これら高分子は、結晶部が擬似架橋構造を有しゲル化しているが、加熱により可逆的に当該結晶部位が融解し流動化する。
前記のごとき共重合体あるいは高分子に、高分子ゲル粒子の膨潤・収縮を妨げないための柔軟性を与えるには、オリゴマーあるいは非晶部に対する良溶媒を添加すればよい。
以上で示した保持部材形成材料は加熱により流動化し、室温付近で固化するため取り扱いが容易である。また、当該保持部材形成材料に用いる物理ゲル等の材料は室温では固体であるため作業上は流動化が迅速であることが好ましい。流動化後には分散工程及び成形工程など所望の工程を経る。流動化状態を保つことが必要な工程で時間を要する場合はそれぞれの工程で流動化温度を保つことが望ましいが、本発明において用いる保持部材形成材料は、保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であるため、冷却後も長い間流体として取り扱うことができ、その結果、加熱が必要ないかあるいは必要最小限に抑えることができ、溶媒の蒸散、材料の劣化を防ぐことができる。例えばジェランガムなどは水中での加熱によって迅速に溶液状態になるが、冷却により固化する場合には溶液中で高分子鎖同士が配向して螺旋構造を徐々に形成し架橋構造を形成するため、自己支持性を有するまでにはより長い時間を要する。すなわち、加熱により流動化させた高分子は過冷却状態を長く維持するためその後の工程も常温にて流体として取り扱うことができる。
本発明の高分子ゲル組成物における刺激応答性高分子ゲル、吸脱液体及び保持部材形成材料の組成比は、保持部材形成材料と吸脱液体の合計と、刺激応答性高分子ゲルと吸脱液体の合計との質量比が1/50〜50/1となるような範囲とすることが好ましい。この範囲をはずれると、所望の光学特性や材料の物理的強度が得られない虞がある。当該組成比としては、質量比で1/20〜20/1の範囲とすることがより好ましい。
[高分子ゲル複合体]
本発明の高分子ゲル複合体は、刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲル、該ゲルに吸脱される液体及び前記高分子ゲルを保持する保持部材を有し、前記保持部材が、加熱により流動/固化転移を示す性質を有する保持部材形成材料であって、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2である保持部材形成材料を加熱により流動化させた後冷却により固化させたものであることを特徴とする。前記吸脱液体は、高分子ゲル中に含まれていてもよく、また、高分子ゲルを包囲するように存在していてもよく、その一部又は全部が保持部材中に存在していてもよく、更にその一部又は全部が高分子ゲル複合体の系外に排出・供給される状態にあってもよい。
本発明の保持部材は物質透過性であることが好ましい。保持部材が物質透過性であれば、高分子ゲル複合体の電解質や界面活性剤の濃度を変化させる(外部刺激の付与)ことによって、高分子ゲル複合体内部に含まれる刺激応答性高分子ゲルに液体を吸脱させることが可能となる。物質透過性である保持部材を作るための保持部材形成材料としては、先に記した保持部材形成材料のほとんど全てを挙げることができる。
本発明の高分子ゲル複合体は、機能性高分子ゲルと保持部材を有するため、光学素子の材料として好適に用いることができる。
[高分子ゲル複合体の製造方法]
本発明の高分子ゲル複合体の製造方法は、加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料中に、吸脱液体を含む高分子ゲルが分散された分散液を調製する工程と、前記分散液の層を形成する工程と、前記分散液の層を冷却により固化させる工程とを含む。また、あらかじめ高分子ゲルに吸脱液体を含ませない場合には、加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料及びゲルに吸脱される液体の混合物中に、高分子ゲルが分散された分散液を調製し、その後、前記の方法と同様にして層形成後固化させる。
前記分散液の調製工程に用いる攪拌機としては、温度調整が可能な撹拌機なら何でも使用することができ、例えばプラネタリーミキサー、ニーダー、擂潰機、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。保持部材形成材料を流動化させるには、例えば、保持部材形成材料の流動化温度以上に保持された撹拌機に前記のごとき材料を投入し流動化させる。分散させる高分子ゲルは前記保持部材形成材料と同時に攪拌機に投入しても流動化後に投入しても、さらに過冷却状態にある保持部材形成材料中に投入してもよい。撹拌中には気泡の混入が発生しやすいため減圧下で撹拌を行うか、撹拌後に減圧することで気泡を取り除くことがさらに望ましい。気泡が混入した場合、最終的に光学素子に用いられたときに部材の欠損による光学特性の低下や強度の低下やヘイズの増大を招く虞がある。流動状態の保持部材形成材料に高分子ゲル同士が凝集などをしてうまく分散ができないときには界面活性剤を添加してもかまわない。
前記の分散液の層を形成する工程は、作製する光学素子の種類、サイズ等に応じて、成形したり、展延したり、塗布するなどの方法が採用できる。分散液の層の厚さ、形状等を適宜変えることにより、固化後、フィルム、シート、プレート、タルク、ブロックその他任意の形状を有する高分子ゲル複合体が得られる。シート状の高分子ゲル複合体を得る場合は、分散液の層を形成する際、グラビア、リバース、キスマイヤー、コンマドクター、スロットダイ、リップ、エアナイフ、ギアポンプ、含浸等、ほとんどの塗工法を適用すればよい。過冷却状態(流動状態)が塗工工程より長く保持できる場合は塗工装置の加熱は必要ないが、過冷却状態が塗工工程より短い場合は適宜塗工装置の加熱を行えばよい。
分散液の層は基板の上に直接形成して光学素子を作製することもできる。
また、固化工程は、自然冷却でも、冷却装置を用いてもよい。
本発明の高分子ゲル複合体の製造方法は前記のごときものであるので、複雑で高価な装置が必要とせず、極めて低コストで簡便かつ安全に、優れた特性を有する高分子ゲル複合体を製造することができる。また、保持部材形成材料が前記のごとき温度特性を有するので、保持部材形成材料を冷却後も長い間流体として取り扱うことができ、その結果、加熱を最小限に抑えることができ、溶媒の蒸散、材料の劣化を防ぐことができる。
[光学素子]
本発明の光学素子は、前記の高分子ゲル複合体を備えることを特徴とする。
以下に、本発明の高分子ゲル複合体を用いた光学素子を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の光学素子の一例の模式断面図を示したもので、一対の基板の間に本発明の高分子ゲル複合体の層を形成したものである。図1の光学素子において10は光学素子、12は高分子ゲル複合体の層(以下、「高分子ゲル層」ということがある。)、13及び14は前記高分子ゲル層に含まれる高分子ゲル粒子及び保持部材、16及び18は前記高分子ゲル層12を挟む平行に配置された一対の基板、20は高分子ゲル複合体の層を封止するための封止材をそれぞれ示す。また、高分子ゲル粒子13は保持部材14により保持されている。
また、図2は、封止材を設けない他は図1と同じ構造を有する光学素子の一例を示す模式断面図である。
高分子ゲル層12の厚み、すなわち基板16及び18の間隔は、特に限定されるものではないが、1μm〜3mmの範囲内が好ましく、20μm〜1000μmの範囲内がより好ましい。厚みが、1μmよりも薄くなると厚み方向の光路長が短いために所望の光学濃度が得られないなどの問題が生じる場合があり、3mmよりも厚くなると高分子ゲル層12に含まれる高分子ゲルの応答性が悪くなる場合や、高分子ゲル粒子が厚み方向に必要以上に積層してしまい、十分な透過率が得られないなどの問題が生じる場合がある。さらに、1μmよりも薄くなると、機械的な強度が弱くなる問題を生ずることがある。
本発明の光学素子は、前記図1に示すもののように高分子ゲル層を一対の基板の間に設けることなく、高分子ゲル層を1枚の基板の上に形成したもの、あるいは基板を用いることなく高分子ゲル複合体を板状、フィルム状又はシート状に成形したもの自体を光学素子に用いることが可能である。さらには、粒子状の高分子ゲルの一個を単独で光学素子として用いることも可能である。
次に、基板16及び18について説明する。基板16及び18の少なくとも一方は光学的に透明(光透過性)であることが必要である。また、光学素子10が、透過型光学素子である場合には、基板16及び18の両方が光透過性であるこが好ましい。光透過性基板としてはガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。また、可撓性のある基板を用いた場合には可撓性のある光学素子を得ることができる。更に基板の上には保護層、吸脱液体の蒸発防止層など他の構成層を形成してもよい。
基板の厚みや大きさは、特に限定されないが、光学素子を用いて作製される表示素子のサイズに合わせて様々なものが利用できる。基板の厚みに関しては、基板の可撓性等も考慮して10μmから20mmの範囲内が好ましく、フィルム状、シート状、板状のものなどが用いられる。
前記基板の材料としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアセタール系樹脂などの有機高分子材料、ガラス材料、セラミック材料などの無機材料、金属材料などを使用することができる。
可撓性を有する光学素子を作製する場合には、高分子ゲル層として高分子ゲルフィルムを、また、前記基板として可撓性を有するフィルム基板を用いることが好ましい。
前記フィルム基板としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、セルロース誘導体、フッ素樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアセタール系樹脂等の高分子材料フィルム、金属フイルムなどが使用できる。
可撓性の光学素子を作製するには、図1に示す光学素子において、基板16及び18の厚みを10μm〜10mmの範囲内から選択し、また高分子ゲルフィルムの厚みは5μm〜10mmの範囲から選択することが好ましい。
また、封止材20は、必要に応じて設けることが好ましいが、図2に示すように、封止材20を設けないものであってもよい。
封止材20の材料としては、高分子ゲル組成物中の液体の蒸発・漏れを抑制する能力を有し、基板16及び18に対して接着性を有し、調光組成物の特性に悪影響を与えず、実使用条件においてこれらの条件を長期間満たすものであれば、どのような材料を用いてもよい。封止材は、特にガスバリア性の高いものが好ましく用いられる。また複数の封止材を組み合わせて構成することも可能である。
封止材による封止方法としては、光学素子の開口部面積の確保、工程簡略化による加工コスト等を考慮すると、1層による封止が好ましい。1層で封止を行うときの封止材としては、末端に反応基を有するイソブチレンオリゴマーを主体とした熱硬化型弾性シーリング材等の使用が例示できる。また、2層で封止するときには、1次封止にポリイソブチレン系シーラント等が、2次封止としてアクリル樹脂等が例示できる。
その他の封止材としては、ガラス、セラミックスなどの無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びこれらの共重合体などのポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアリレートなどの高分子材料も適用できる。
封止剤及び封止方法は上記例示に限定されるものではなく、多種多様なものが選択でき、かつ、それらを組み合わせて使用してもよい。
次に、本発明の光学素子の作動について、図3を用いて説明する。図3は、図1のものと同じ構造を有する光学素子の模式断面図である。図3(A)及び図3(B)で示す高分子ゲル層12は高分子ゲル粒子13が保持部材14で保持された層である。高分子ゲル粒子13は外部刺激によって図3(A)で示すように吸脱液体を吸収して膨潤し、あるいは、図3(B)に示すように吸脱液体を離脱させて収縮し、体積変化を引き起こすことができる。そしてこの際の体積変化に応じて、光の透過性等が、散乱や回折によって変化する。
また、高分子ゲル粒子に、飽和吸収濃度又は飽和散乱濃度以上の調光用材料を含有させた場合は、高分子ゲル粒子の体積変化に応じて光の吸収効率が変化し、光学濃度を変化させることができる。具体的には高分子ゲル粒子の膨潤時(図3(A))には光学濃度が高くなり、収縮時(図3(B))には光学濃度が低くなる。
本発明の光学素子における高分子ゲル層はこのような光学的特性を有するため、本発明の光学素子は調光素子、表示素子などに利用することができる。
前記高分子ゲル層に付与する外部刺激としては、刺激応答性高分子ゲルの特性に基づき、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加、あるいは光、熱、電流もしくは電界の付与等が挙げられる。外部刺激は気温、太陽光などの自然エネルギーによる刺激でも、人為的な刺激でもよい。したがって、本発明の光学素子は、例えば気温の変化、太陽光量の変化などによって調光や表示を行うことができる。
また人為的な外部刺激を与える場合には光学素子に刺激付与素子が設けられる。外部刺激として熱を付与する場合には、通電発熱抵抗体を用いる他、光付与、電磁波付与、磁場付与などの各種熱付与手段が挙げられる。中でも特に通電発熱抵抗体が好ましく用いられ、具体的にはNi−Cr合金などに代表される金属層、硼化タンタル、窒化タンタル、酸化タンタル、やITOなどの金属酸化物層、カーボン層などに代表されるの発熱抵抗体層が好ましく用いられ、これらの層に配線し電流を付与することにより発熱させることができる。また光付与の場合は、レーザー、LED、ELなどの発光素子層を用いることができる。電磁波や磁場の付与の場合は電磁コイル、電極等を用いることができる。
また、前記のごとき熱刺激付与手段はパターン化、セグメント化させて任意の部位を調光させることも好ましく実施される。また、これらのパターンに対応して特定の特性を有する高分子ゲルを分散させた高分子ゲル組成物を配置することも好ましく実施される。
更に、人為的な外部刺激として光を付与する場合には、レーザー、LED、ELなどの発光素子を用いることができ、電界・電流を付与する場合には電極、電圧印加手段を用いることができる。
また、前記刺激付与素子は高分子ゲル複合体の層に直接接触するように設けてもよい。
また、本発明の光学素子は、図1や図2に示した構成のみに限定されるものではなく、基板、高分子ゲル層等の他に例えば、光学素子の保護を目的とした保護層、防汚染層、反射防止層、紫外線吸収層、帯電防止層、内部液体の蒸発防止層などを必要に応じて設けることができる。
以上、本発明の光学素子の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で、様々な変形や変更が可能である。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(刺激応答性高分子ゲルの製造)
刺激応答性高分子ゲルとして、調光用材料を含有した感熱型(高温収縮型)高分子ゲルの粒子を、以下に示すように逆相懸濁重合によって製造した。
主モノマーとしてN−イソプロピルアクリルアミド10g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.1gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1g、調光用材料として1次粒子径約0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化青色顔料、MC blue 182−E)8.0gを添加し、攪拌混合した水溶液Aを調製した。上記の操作は窒素下にて行った。
ソルビトール系界面活性剤(第一工業製薬製:ソルゲン50)1.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに先に調製した水溶液Aを添加し、回転式攪拌装置を用いて高速攪拌して乳化させた。乳化後、反応系の温度を20℃に調節し、さらに溶液を攪拌しながらこれにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行った。重合後、生成した着色高分子ゲル粒子を回収し、純水で洗浄を行った。
得られた着色高分子ゲル粒子(刺激応答性高分子ゲル)の乾燥時の体積平均粒子径は、約15μmであった。この着色高分子ゲル粒子の20℃における純水吸水量は約38g/gであった。本着色高分子ゲル粒子は、加熱によって収縮する性質をもち、約35℃に相転移点をもっていた。つまり、本着色高分子ゲル粒子は、相転移点よりも高温では収縮し、低温では膨潤する。この変化は可逆的であり、収縮時に比べ膨潤時の着色高分子ゲル粒子の粒子径が約2.5倍程度まで変化し、すなわち、体積で約16倍程度の変化が得られた。
(高分子ゲル複合体の製造)
以上のようにして得られた着色高分子ゲル粒子を一定濃度(膨潤状態の着色高分子ゲル粒子が85〜95%)含む水分散溶液を調製し、粒子同士の凝集を防ぐために界面活性剤(エマルゲン909)を濃度0.05質量%となるように加え、着色高分子ゲル粒子水分散溶液Aを得た。
この着色高分子ゲル粒子水分散溶液A:10gに対し、ジェランガム0.1gを加えた。この溶液を90℃に加熱して攪拌し、ジェランガムを完全に溶解させた後に、ガラス基板(50×50×0.9mm)表面全面に塗布し、溶媒の蒸散を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み厚さ300μmの高分子ゲル組成物に成形した後、徐冷した。徐冷後は柔軟なフィルム状に固化した高分子ゲル組成物J1が得られた。高分子ゲル組成物J1は簡便に得られただけではなく水中に投入しても溶解せず80℃に加熱してもその形状を保っていた。
(光学素子の製造)
得られた高分子ゲル複合体J1のフィルムを、溶媒の蒸発を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み、ガラス基板の周囲を紫外線硬化樹脂(日本化薬社製、KAYARAD−R381I)を用いて封止し、光学素子J1を作製した。
(光学素子の動作確認)
得られた光学素子J1は、20℃においては青色を呈していたが、30℃付近から内部の刺激応答性高分子ゲルが収縮し始め光学濃度が低くなり、50℃に加熱すると色が消え、ほぼ透明となることが確認できた。また、再び20℃まで冷却すると初期の青色に変化し、可逆的であることが分かった。この変化は、1週間放置した後でも何ら劣化することはなかった。したがって、本実施例の高分子ゲル組成物J1を用いた光学素子J1は、非常に簡単な構成であるにもかかわらず、温度センサーや調光素子、あるいは表示・記録素子等に利用できることが判った。
<実施例2>
(高分子ゲル複合体の製造)
ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)トリブロック共重合体60g(日本ゼオン社製、クインタック3520)及び流動パラフィン40g及びジブチルヒドロキシトルエン1gを160℃に加熱したニーダーで混練した。それぞれが相溶したのちニーダーの温度を100度にし、ここに加熱した着色高分子ゲル粒子水分散溶液Aを投入し混合し、ガラス基板(50×50×0.9mm)表面全面に塗布し、前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み厚さ300μmの高分子ゲル組成物に成形した後、徐冷した。徐冷後は柔軟なフィルム状に固化した高分子ゲル組成物J2が得られた。得られた高分子ゲル組成物J2のフィルムを、溶媒の蒸発を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み、ガラス基板の周囲を紫外線硬化樹脂(日本化薬社製、KAYARAD−R381I)を用いて封止し、光学素子J2を作製した。
<実施例3>
(高分子ゲル複合体の製造)
着色高分子ゲル粒子水分散溶液A:10gに対し、キサンタンガム0.5gを加えた。この溶液を95℃に加熱して攪拌し、キサンタンガムを完全に溶解させた後に、ガラス基板(50×50×0.9mm)表面全面に塗布し、溶媒の蒸散を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み厚さ300μmの高分子ゲル組成物に成形した後、徐冷した。徐冷後は柔軟なフィルム状に固化した高分子ゲル組成物J3が得られた。得られた高分子ゲル組成物J3のフィルムを、溶媒の蒸発を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み、ガラス基板の周囲を紫外線硬化樹脂(日本化薬社製、KAYARAD−R381I)を用いて封止し、光学素子J3を作製した。
<実施例4>
(高分子ゲル複合体の製造)
流動パラフィン10gに対しポリエチレン1gを加え150℃に熱してこれを溶解させた。着色高分子ゲル粒子水分散溶液A10gを前記ポリエチレンの溶融物に添加して拡販した後、ガラス基板(50×50×0.9mm)表面全面に塗布し急冷した。溶媒の蒸散を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み厚さ300μmの高分子ゲル組成物に成形した後、徐冷した。徐冷後は柔軟なフィルム状に固化した高分子ゲル組成物J4が得られた。得られた高分子ゲル組成物J4のフィルムを、溶媒の蒸発を防ぐために前記ガラス基板と同じ大きさのガラス基板で挟み、ガラス基板の周囲を紫外線硬化樹脂(日本化薬社製、KAYARAD−R381I)を用いて封止し、光学素子J4を作製した。
これら光学素子J1、J2、J3、及びJ4は20℃においてはは青色を呈していたが、50℃に加熱すると色が消え、ほぼ透明となることが確認できた。また、再び20℃まで冷却すると初期の青色に変化し、可逆的であることが分かった。
さらにこれら光学素子J1、J2、J3、及びJ4は、1ヶ月保存後でも何ら劣化することはなかった。1ヶ月保存後の粒子の状態を観察したところ、粒子同士の凝集は無く、保持材料により3次元的に強固に固定化されていることが確認された。
また、ガラス基板及び封止部材からなる蒸発防止部材を設けた場合、高分子ゲル層が乾燥してしまうことがなく、耐久性に優れており、蒸発防止部材を設けることが有効であることを示している。
したがって、本実施例のこれら光学素子J1、J2、J3、及びJ4は、温度の印加により流動/固化させることで簡便に成形及び高分子ゲル微粒子を固定化することができるため特別な装置や煩雑な工程を経ることなく簡便に製造することができ、かつ温度センサーや調光素子、あるいは表示・記録素子等に利用できることが判った。
<比較例1>
(高分子ゲル複合体及び光学素子の製造)
紫外線硬化樹脂(日本化薬製 KAYARAD MANDA)の30%トルエン溶液20gに対して、界面活性剤(第一工業製薬社製:ソルゲン50)1.5gと光重合開始剤(日本チバガイギー社製:ダロキュア1173)0.3gとを加えて溶解した後、実施例1で調製した着色高分子ゲル粒子水分散溶液Aを0℃に冷却した上で10g加え、回転式攪拌装置を用いて高速攪拌して、着色高分子ゲル粒子水分散溶液Aを紫外線硬化樹脂中に分散した。これをスライドグラス(50×50×0.9mm)表面全体に200μmの厚さにコートし、0℃に冷やしながら紫外線照射装置において紫外線(120W/cm、照射距離20cm)を2分間照射したところ、紫外線硬化樹脂が硬化して、高分子ゲル組成物が得られた。(固化過程)
この高分子ゲル複合体をスライドグラスごとアセトン中に2日間放置して複合体内部の液体をアセトンに置換した後、40%エチレングリコール溶液中に2日間放置して、高分子ゲル複合体内部を溶媒置換した。エチレングリコール水溶液への溶媒置換作業は、40%エチレングリコール溶液を新しいものに入れ替えて、3回同様の操作を行った。(置換過程)このようにして、本実施例の高分子ゲル複合体H1からなる光学素子H1を作製した。
H1は20℃においてはは青色を呈し、50℃に加熱すると色が消え光学素子としての特性を備えていた。しかし、上記固化過程においては紫外線照射装置、及び前記紫外線照射工程及び前記紫外線照射工程で作業するための保護設備及び器具が必要であった。
さらにJ1、J2、J3、及びJ4が0.5〜2時間で作製が可能であったのに対し、上記光学素子H1作製時の置換過程においては溶媒交換の工程に4日間を要し、大幅な作製時間が必要であることが示された。
本発明の光学素子の一例を示す模式断面図である。 本発明の光学素子の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の光学素子の作動を示す模式断面図である。
符号の説明
10 光学素子
12 高分子ゲル複合体の層
13 高分子ゲル粒子
14 保持部材
16、18 基板
20 封止材

Claims (19)

  1. 刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルと、前記ゲルに吸脱される液体と、保持部材形成材料とを含む高分子ゲル組成物であって、前記保持部材形成材料が加熱により流動/固化転移を示す性質を有し、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2であることを特徴とする高分子ゲル組成物。
  2. 前記保持部材形成材料が、溶媒及び加熱により該溶媒に溶解ないし分散される材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子ゲル組成物。
  3. 前記材料が、物理ゲルであることを特徴とする請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  4. 前記保持部材形成材料が、水素結合の形成及び解離により流動/固化転移をすることを特徴とする請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  5. 前記保持部材形成材料が、ファンデアワールス力による結合及びその解離により流動/固化転移をすることを特徴とする請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  6. 前記保持部材形成材料が、多糖類の分子配向及び解離により流動/固化転移をすることを特徴とする請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  7. 前記保持部材形成材料が、加熱により流動化する材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子ゲル組成物。
  8. 前記材料が、物理ゲルであることを特徴とする請求項7に記載の高分子ゲル組成物。
  9. 前記保持部材形成材料が、ブロック共重合体及び、又は、グラフト共重合体であり、これらの凝集及び融解により流動/固化転移をすることを特徴とする請求項7に記載の高分子ゲル組成物。
  10. 前記保持部材形成材料が、高分子の結晶化及び融解により流動/固化転移をすることを特徴とする請求項7に記載の高分子ゲル組成物。
  11. 前記刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルが、調光用材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の高分子ゲル組成物。
  12. 前記ゲルに吸脱される液体が。前記高分子ゲル中に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の高分子ゲル組成物。
  13. 刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲル、該ゲルに吸脱される液体及び前記高分子ゲルを保持する保持部材を有する高分子ゲル複合体であって、前記保持部材が、加熱により流動/固化転移を示す性質を有する保持部材形成材料であって、かつ保持部材形成材料を流動化温度以上の温度で保持し流動化に要する時間t1及び流動状態の保持部材形成材料を固化温度以下に保持し固化に要する時間t2がt1<t2である保持部材形成材料を流動化させた後固化させたものであることを特徴とする高分子ゲル複合体。
  14. 請求項13に記載の高分子ゲル複合体を備えた光学素子。
  15. 前記高分子ゲル複合体がフィルム状又は板状に成形されたものであることを特徴とする請求項14に記載の光学素子。
  16. 高分子ゲル複合体を被包するように封止材が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の光学素子。
  17. 高分子ゲルに刺激を付与し得る刺激付与素子が、前記高分子ゲル複合体に接触して設けられていることを特徴とする請求項14に記載 の光学素子。
  18. 加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料中に、刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルであって該ゲルに吸脱される液体を含む機能性高分子ゲルが分散された分散液を調製する工程と、前記分散液の層を形成する工程と、前記分散液の層を冷却により固化させる工程とを有する、請求項13に記載の高分子ゲル複合体の製造方法。
  19. 加熱によって流動化せしめた保持部材形成材料及び刺激の付与により体積変化を生ずる機能性高分子ゲルに吸脱される液体の混合物中に、前記高分子ゲルが分散された分散液調製工程と、前記分散液の層を形成する工程と、前記分散液の層を冷却により固化させる工程とを有する、請求項13に記載の高分子ゲル複合体の製造方法。
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