JP2005239463A - アルミナ質焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】強アルカリなどの薬品へのガラス相の溶出を抑え、機械的強度を維持しつつも快削性に優れたアルミナ質焼結体を提供する。
【解決手段】Alを99.0〜99.75重量%以下、SiOを0.25重量%以下、MgOを0.50重量%以下およびCaOを0.25重量%以下含有して成るアルミナ質焼結体において、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔率が5%未満で平均開気孔径が5μm以下であり、3点曲げ抗折強度が320〜450MPaである事を特徴とするアルミナ質焼結体。

Description

本発明は耐食性を有し、快削性に優れるアルミナ質焼結体に関するものである。
アルミナ質焼結体は金属材料に比べ耐食性、耐摩耗性に優れ、かつ原料であるアルミナが炭化珪素、窒化珪素、ジルコニアなどの他のセラミックス材料に比べ安価なため例えば摺動部材、粉砕部材、構造部材等の工業材料として広く使用されている。
また、ハロゲン系腐食ガス、またはそのプラズマ雰囲気に曝される真空チャンバーの内壁材、マイクロ波導入窓、フォーカスリング、クランプリング、サセプタ等の半導体製造装置用部材や液晶製造装置用部材、酸またはアルカリ溶液に接触する耐食性部材等にも使用されている。
このようなアルミナ焼結体としては、Alを90〜99.99重量%とMgOを0.01〜10重量%とを含有し、Alの平均結晶粒径および最大結晶粒径がそれぞれ10〜50μmおよび70μmであり、3点曲げ抗折強度が250〜450MPaであるアルミナ質焼結体が提案されている。
上記のアルミナ質焼結体であれば、十分な機械的強度を保持しつつ、高い快削性(高い加工性)を得ることができるとされている(特許文献1参照)。
また、主としてAlからなり、SiOが20〜90重量%、MgOが0〜70重量%およびCaOが10〜80重量%の三成分からなる焼結体の各成分を合計量として0.1〜1.0重量%含有し、残部として実質的に不可避成分が0.3重量%以下であり、平均結晶粒径が0.5〜5.0μm、かさ密度3.70×10kg/m以上、粉砕用ボールとして摩耗率が0.2%/h以下である耐摩耗性、耐食性に優れるアルミナ質焼結体が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−286069号公報 特開2003−321270号公報
しかしながら、アルミナ質焼結体は金属材料と比較して高い耐食性を有しているが、Alが95重量%程度のアルミナ質焼結体では焼結助剤として添加するガラス成分が強アルカリなどの薬品やハロゲン系腐食ガス、またはそのプラズマ雰囲気に曝された際に溶出するといった問題があった。これを解決するためには焼結助剤の添加量を減らし高アルミナ質焼結体とすればガラス成分が減るため耐食性が向上するとされている。
しかしながら、Alが99重量%以上のアルミナ質焼結体を得ようとすると焼結助剤であるガラス成分が減るため焼成温度を高くする必要があり製造コストが高くなる課題があった。また、結晶粒径を小さくする事により、ガラス成分が存在する粒界の厚みが薄くなるため薬品などから浸食されにくくなるといった効果があるが、結晶粒径が小さくなり過ぎると過度に抗折強度や破壊靭性値が高くなり研削、研磨加工の際に多大な時間を要する課題があった。
ここで、特許文献1では、アルミナ質焼結体において快削性を得るためには平均結晶粒径が10μm以上なければならないとしているが、耐食性を考えた場合、平均結晶粒径10μm以上では不利であり、薬品に侵された際に脱落する粒子も大きくなることから脱落粒子による不具合を引き起こす課題があった。また平均結晶粒径が10.0μmを超えると鏡面加工するために時間が掛かったり、もしくは鏡面が得られないなどの課題があった。
また、特許文献2に記載のアルミナ質焼結体では、耐摩耗性を重視し平均結晶粒径を5.0μm以下としているが研削加工が必要な製品においては加工コストが増大する課題があった。
さらに、Alの含有率が高く、緻密質なアルミナ質焼結体であっても、開気孔にバラツキがあり、表面開気孔率が大きい場合や、部分的に開気孔が大きい場合が多く見られ、それらの部分が存在すると強アルカリなどの薬品やハロゲン系腐食ガス、またはそのプラズマ雰囲気が開気孔の内部に入り込みやすく、ガラス成分の化学的溶出、脱粒に対しては非常に不利となっていた。
上記課題を解決するため本発明のアルミナ質焼結体は、Alを99.0〜99.75重量%、SiOを0.25重量%以下、MgOを0.50重量%以下およびCaOを0.25重量%以下含有して成るもので、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔率が5%未満で平均開気孔径が5μm以下であり、3点曲げ抗折強度が320〜450MPaであることを特徴とする。
また、上記アルミナ質焼結体は、SiO−MgO−CaOの3成分組成比において、SiOが5〜40重量%、MgOが30〜80重量%、CaOが5〜50重量%であることが好ましい。
また、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔標準偏差は、1.0以下であることが好ましい。
また、上記アルミナ質焼結体の平均結晶粒径は2.0μm〜10.0μmであることが好ましい。
また、本発明のアルミナ質焼結体の破壊靭性値は、4.3〜4.8MPa・m1/2であることが好ましい。
さらに、上記アルミナ質焼結体の見掛密度は、3.90×10kg/m以上であることが好ましい。
本発明のアルミナ質焼結体は、Alを99.0〜99.75重量%以下、SiOを0.25重量%以下、MgOを0.50重量%以下およびCaOを0.25重量%以下含有して成るアルミナ質焼結体であり、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔率が5%未満で平均開気孔径が5μm以下となることから、耐食性に優れたアルミナ質焼結体を得ることができる。また、3点曲げ抗折強度が320〜450MPaであるため構造材料として使用することができる。
また、上記アルミナ質焼結体は、SiO−MgO−CaOの3成分組成比において、SiOが5〜40重量%、MgOが30〜80重量%、CaOが5〜50重量%であることからより耐食性に優れるアルミナ質焼結体を得ることができる。
また、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔標準偏差が1.0以下であることから、表面開気孔径のバラツキが小さくなり浸食される粒界も少なくなり耐食性を向上させることができる。また、脱粒物を少なく、小さくする事にも有効である。さらに、開気孔径のバラツキが小さいことより抗折強度のバラツキも小さくすることができる。
また、上記アルミナ質焼結体の平均結晶粒径が2.0μm〜10.0μmであることから加工効率が良く、耐食性に優れるアルミナ質焼結体を得ることができる。さらに、脱粒物が小さいアルミナ質焼結体を得ることができる。
また、上記アルミナ質焼結体の破壊靭性値が4.3〜4.8MPa・m1/2であると、構造部材として使用する際に十分な強度が得られると同時に、加工性に優れるアルミナ質焼結体を得ることができる。
また、上記アルミナ質焼結体の見掛密度が3.90×10kg/m以上であると、表面開気孔率、平均開気孔径、平均開気孔径標準偏差を小さくすることができ、耐食性、機械的強度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細を説明する。
本発明のアルミナ質焼結体は、Alを99.0〜99.75重量%以下、SiOを0.25重量%以下、MgOを0.50重量%以下およびCaOを0.25重量%以下と、SiO、MgOおよびCaOのガラス成分量を少なくしてあることから、強アルカリなどの溶液、腐食性ガスまたはプラズマ雰囲気に曝されてもガラス成分の浸食もしくは溶出が少なくなる。
さらに、アルミナ質焼結体の表面開気孔の内部には、ガラス成分が多く存在する。そこで、アルミナ質焼結体の表面の表面開気孔率を5%未満で表面開気孔径を5μm以下とすることで、アルミナ質焼結体の表面積を少なくまたは小さくすることができ、アルミナ質焼結体の耐食性を向上させることができる。
また、表面化気孔率および表面開気孔径が上記の範囲であると、アルミナ質焼結体に負荷が掛かった場合でも、表面開気孔に応力が集中しにくくなり高い強度のアルミナ質焼結体を得ることができる。
また、本発明のアルミナ質焼結体は、3点曲げ抗折強度が320〜450MPaであることを特徴としている。抗折強度が320MPaを下回ると機械的強度を有する構造材料に使えないおそれがある。また、3点曲げ抗折強度が450MPaを超えると加工性が低下するおそれがあるからである。
ここで、3点曲げ抗折強度はJIS R 1601に規定されている方法に準拠して行ったものである。
さらに、上記アルミナ質焼結体は、SiO−MgO−CaOの3成分組成比において、SiOが5〜40重量%、MgOが30〜80重量%、CaOが5〜50重量%であることが望ましい。これは、MgOが30重量%未満となりSiOが40重量%以上もしくはCaOが50重量%以上となった場合、ガラス成分が多くなり過度に粒成長が促進され目標とする平均結晶粒径の範囲2.0μm〜10.0μmからはずれるためであり、また、MgOが80重量%より多くなると焼結活性が落ち、焼結しても平均結晶粒径が小さくなるためである。
特に耐食性の観点からは、SiOが10〜30重量%、MgOが40〜60重量%、CaOが10〜30重量%であることが好ましく、加工性の観点からは、SiOが10〜40重量%、MgOが30〜55重量%、CaOが10〜40重量%であることが好ましい。
また、本発明のアルミナ質焼結体は、表面開気孔径標準偏差が1以下であることが好ましい。表面開気孔の標準偏差が大きいという事は開気孔径のバラツキが大きい事を意味するため必然的に大きい開気孔が存在する事になる。大きい開気孔は前述したように耐食性、3点曲げ抗折強度の低下を招くためである。
また、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔標準偏差が1.0以下であることから、表面開気孔径のバラツキが小さくなり浸食される粒界も少なくなり耐食性を向上させることができる。また、仮に脱粒物が生じても、それを小さくする事にも有効である。さらに、開気孔径のバラツキが小さいことより抗折強度のバラツキも小さくすることができる。
また、平均結晶粒径の小さい緻密な焼結体を得る事も耐食性を向上させる上で重要である。これは、平均結晶粒径が大きい焼結体に比べ結晶粒径が小さい焼結体は粒界表面積が大きくなり、そのアルミナ結晶を均等に覆うために薄く伸びていると考えられる。つまり、粒界厚みが薄くなる事で薬品に浸食されにくくなるのである。また、粒界が薬品に侵食された場合でも脱粒する粒子は結晶が小さいため小さくなる。このような効果を得るためには平均結晶粒径は10μm以下である事が好ましい。
焼成後、研削加工を必要とするような場合は平均結晶粒径を2.0μm以上にする事がより好ましい。平均結晶粒径が2.0μm以下になると、抗折強度、破壊靭性値がともに大きくなり、加工性が低下する。しかしながら、結晶粒径が10.0μmより大きくなると粒界面積が小さくなる事で粒界厚みが増し粒界のガラス成分が薬品に侵されやすくなり耐食性が低下し脱粒物のサイズも大きくなるため、平均結晶粒径は2.0μm〜10.0μmであることが好ましい。
さらに加工性を重視し、快削性を向上させようとするならば、平均結晶粒径は5.0μm〜10.0μmであることがより好ましい。こうする事で耐食性を維持しつつも加工性に優れたアルミナ質焼結体が得られる。
また、構造材料、耐摩耗性部材などに使用するならば破壊靭性値は4.3〜4.8MPa・m1/2である事が好ましい。破壊靭性値は4.3MPa・m1/2を下回ると機械的強度不足である。また、4.8MPa・m1/2を上回ると快削性にかけてしまう。
また、破壊靭性値が4.3MPa・m1/2以下になると機械的強度を必要とする構造材料に使用できないおそれがある。一方、破壊靭性値が4.8MPa・m1/2を超えると加工性が低下するおそれがある。破壊靭性値の測定はJIS R 1607に規定されている方法に準拠して行ったものである。
更に上記アルミナ質焼結体の見掛密度が3.90×10kg/m以上である事が好ましい。つまり、見掛密度が3.90×10kg/m以上であると、アルミナ質焼結体表面の開気孔の体積が小さくなる事になる。従って表面開気孔率、平均開気孔径、平均開気孔径標準偏差を小さくする事が出来るので耐食性、機械的強度がともに上昇する。
ここで、本発明のアルミナ質焼結体の製造方法関して説明する。
まず、平均粒径0.3〜3.0μmのアルミナ粉末に、SiO、MgOおよびCaOを所定量配合し水などの溶媒と共に湿式にで粉砕および混合を行う。
次いで、成形用バインダーとして、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ワックスエマルジョン等を添加しさらに混合した後にスラリーを得る。
ここで、成形用バインダーの添加量は粉末に対し2%〜8%とする。2%以下では成形体の強度や可とう性が得られず脆い成形体となる。また、8%以上であると焼成の際に脱バインダー性が悪くクラックなどの不具合が出るおそれがある。好ましくは4%〜6.5%である。また、ポリビニルアルコールの量はポリエチレングリコールの4分の1以下の添加量とする。前記の添加量とすることにより、顆粒の潰れ性が良好であり単純な1軸プレス成形においても表面開気孔の状態を良好にする事できるからである。
なお、鋳込成形、射出成形、もしくはドクターブレード法などのテープ成形法の場合は、得られたスラリーを用いて所定の形状を有する成形体を得る。一方、金型内に充填して成形するプレス成形、もしくはラバープレス成形法等の方法で成形体を得る場合は、得られたスラリーを噴霧乾燥などの方法により乾燥した後に造粒し成形用の顆粒を得る。
さらに、得られた成形体を、1580〜1720℃の温度で焼成することにより本発明のアルミナ質焼結体を得ることができる。
(実施例1)
上記のように耐薬品性を有しながらも、加工性に優れたアルミナ質焼結体を得るために開気孔の状態、機械的強度、結晶粒径を調べる実験を行った。
本実験では、焼成助剤としてSiO、MgO、およびCaOを用い、Al含有量を99.0〜99.7重量%の範囲で異ならせて粉末顆粒を作製し、プレス成形にて成形圧100MPaの条件で成形した後、1650℃の酸化雰囲気下で焼成し、見掛密度、平均結晶粒径、3点曲げ抗折強度、破壊靭性値、表面開気孔率、平均開気孔径、平均開気孔径標準偏差、耐薬品性について評価した。それぞれの評価方法は以下に示すとおりである。
上記のように焼成し得られたアルミナ質焼結体をRa0.1μm以下の鏡面加工を施した後、金属顕微鏡の画像をCCDカメラで取り込み、LUZEX画像解析を用いて倍率200倍、測定面積2.25×10−2mmの条件にて計20回測定し、表面開気孔率、平均開気孔径を調べた。
また、pH12の強アルカリ性のNaOH溶液を準備し、アルミナ質焼結体を水温20℃の強アルカリ液に投入し3日間放置して得られた溶液をICP発光分光分析装置(セイコー電子工業製JY38P2型)にて、Ca、Si、Mgの定量分析を行った。
そして、ICP発光分光分析による定量分析にて得られたSi、Mg、Caのガラス溶出量の合計が、0.1ppm/(cm・日)以下であったものを好適として◎で表し、0.1ppm/(cm・日)より多く0.14未満であるものを良好として○で示し、0.14ppm/(cm・日)以上0.20ppm/(cm・日)未満であるものを不良として△で示し、0.20ppm/(cm・日)以上であるものを更に不適な×で示した。
結果を表1に示す。
Figure 2005239463
表1から分かるように、No.3〜7、No.11〜13のようにSiOもしくはCaOが0.25%上添加した焼結体は粒成長しすぎて平均結晶粒径が10.0μmを超えてしまい、耐食性も低下する。
また、SiO、MgO、CaOの3成分組成においてMgOの組成比が80.0%以上の試料ではガラス成分が少ないため、焼結が進まず、見掛密度が低い。また、それに伴い表面開気孔率、平均開気孔径の状態も悪くなる。この傾向はアルミナ純度が低くなるほど強くなる。
一方、MgOの比率が低く、SiOの比率が40%以上もしくはCaOの比率が50%の試料では粒成長が進み平均結晶粒径が10μm以上になるため、耐食性が低下している。
これに対し、本発明範囲内の試料に関しては結晶粒径が2.0〜10.0μm、見掛密度が3.90×10kg/m以上、開気孔率が5%以下、開気孔径が5μm以下であり、開気孔標準偏差が1.0以下であるためガラス溶出量が0.1ppm以下となる。
故に、99%純度の耐食性を有するアルミナ質焼結体においてはNo.8のようにSiO2を0.25重量%以下、MgOを0.4〜0.5重量%、CaOを0.25%以下にすることが好ましい。
また、MgOを30%〜60%とする事でガラス溶出量0.1ppm以下で且つ、平均結晶粒径が5μm〜10μmの快削性を有したアルミナ質焼結体を得る事できるため好ましい。
さらにアルミナ純度を99.5%とし、SiOが10%〜30%、MgOが50%〜60%、CaOが10%〜30%とすることで、見掛密度が高く、機械的強度が強く、耐食性に優れたアルミナ質焼結体が得られるため好ましい。
(実施例2)
次に表2のようにアルミナ純度を99.5%としSiO−MgO−CaOの組成を振り、それぞれの組成において最も見掛密度が上昇する温度で焼成し、快削性と表面粗さを評価するための試料を用意した。
調製した焼結体を平面研削盤のメタルホイールダイヤモンド研削ツール(直径300mm)によって、ホイール周速1800m/分、平面研削盤のテーブル移動速度150mm/分、切り込み量0.5mmで研削する。この研削時に被研削面の法線方向に向かって研削ツールに加わる抵抗値を研削抵抗値(N)とする。研削抵抗値が25N未満であり、特に優れていると判断された試料については判定欄に◎を、25〜30Nの好適であると判断できる試料については○を、31以上の試料については不適であるとし×を記入した。
また、表面(又は鏡面)は摺動部材などでは必要な特性であるため、表面(又は鏡面)の出やすさを判定するため、粒度#400のダイヤモンドホイールで研削加工した後の表面粗さRaについても測定した。一般に#400くらいの砥石で研磨した際の表面粗さが低いものは鏡面が出やすいと考えられるため、この実験は表面(又は鏡面)の出やすさを判定するため一つの指標になる。表面の出にくい焼結体は表面を出すためにダイヤモンド研削ツールの粒度を細かくする作業を何度か繰り返す必要があるため生産性に欠ける。
表面粗さはJIS B 0601に準拠して測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2005239463
表2にあるように、No.42ではMgOの比率が高すぎて焼結させるために高温を要する。また、MgO比率が高いために粒成長が過度に抑制され、それに伴い機械的強度も過度に高くなり研削抵抗値が高くなりすぎてしまっている。
また、MgO比率が低くSiO、CaOの比率が高いNo.43,44は平均結晶粒径が大きくなり研削抵抗値が良好に下がっている。しかし、実施例1で述べたように、このような組成のアルミナ質焼結体では耐食性に劣るため好ましくない。
一方、本発明の組成規定範囲であるNo.45〜50は快削性を有しており、尚かつ#400のダイヤモンドホイールで研削した後の表面粗さRaが0.35μm以下であり、加工しやすく表面(又は鏡面)の出やすい特徴を持つ。
また、SiOが10〜40重量%、MgOが30〜55重量%、CaOが10〜40重量%であることで研削抵抗値が25N以下となりより好ましい。

Claims (6)

  1. Alを99.0〜99.75重量%、SiOを0.25重量%以下、MgOを0.50重量%以下およびCaOを0.25重量%以下含有して成るアルミナ質焼結体において、上記アルミナ質焼結体の表面開気孔率が5%未満で平均開気孔径が5μm以下であり、3点曲げ抗折強度が320〜450MPaである事を特徴とするアルミナ質焼結体。
  2. 上記アルミナ質焼結体のSiO−MgO−CaOの3成分組成比において、SiOが5〜40重量%、MgOが30〜80重量%、CaOが5〜50重量%である事を特徴とする請求項1に記載のアルミナ質焼結体。
  3. 上記アルミナ質焼結体の表面開気孔標準偏差が1.0以下であることを特徴とする請求項1〜2に記載のアルミナ質焼結体。
  4. 上記アルミナ質焼結体の平均結晶粒径が2.0μm〜10.0μmであることを特徴とする請求項1〜3に記載のアルミナ質焼結体。
  5. 上記アルミナ質焼結体の破壊靭性値が4.3〜4.8MPa・m1/2であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアルミナ質焼結体。
  6. 上記アルミナ質焼結体の見掛密度が3.90×10kg/m以上であることを特徴とする請求項1〜5に記載のアルミナ質焼結体。
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