JP2006016233A - 窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具 - Google Patents

窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐摩耗性及び耐欠損性に優れた窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具を提供すること。
【解決手段】 切削インサート(スローアウェイチップ)1は、窒化珪素を主成分とする窒化珪素質焼結体かにより構成されており、板厚方向からみて正方形の板状のチップ(例えばISO SNGN432)である。尚、切削インサート1の寸法は、縦;12.7mm、横;12.7mm、高さ;4.76mmである。特にこの切削インサート1では、表面から20μmの深さにおける硬度が16GPa以上であり、且つ、表面から20μmの深さにおけるヤング率が、表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.05倍以上1.20倍以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具に関するものであり、詳しくは、耐摩耗性及び耐欠損性に優れた窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具に関する。
従来より、耐摩耗性材料、耐衝撃性材料などとして有用な窒化珪素系(質)の焼結体は、その特性により、切削インサート、耐摩耗部材などに広く使用されている。
このような窒化珪素質焼結体に対して、その性能を向上させるために、様々な改良がなされており、その方法の一つとして、窒化珪素質焼結体の表層部の高硬度化が行われている。
(1)例えば特許文献1には、熱処理によって、窒化珪素質焼結体の表面にαサイアロンを形成することにより、表面硬度を高め、耐摩耗性能を改善を図る技術が開示されている。
(2)また、特許文献2には、SiOガス雰囲気中にて焼成することにより、焼結体の焼き肌面の荒れを少なくし、且つ、焼結体の最表面から10μmの深さまでに、16GPa以上のビッカース硬度を有する硬質相を形成する技術が開示されている。
(3)更に、特許文献3には、窒化珪素粒子を配向させることにより、切削インサートの刃先強度の改善を図る技術が開示されている。
特開平9−183667号公報 (第1頁) 特開平8−323509号公報 (第1頁) 特開平8−112705号公報 (第1頁、図1)
ところが、前記(1)に記載の技術では、焼結体の表面に形成されるαサイアロンは、窒化珪素に比べて強度が低いために、耐摩耗性は改善するものの、切削インサートの刃先強度が低下するという問題があった。
また、前記(2)に記載の技術では、SiOガス中で焼成すると、ガラス相である粒界の揮発が抑制されるため、高温ではガラス相の軟化により硬度が低下するので、切削温度が高い高速切削においては、切削インサートの耐摩耗性が不十分という問題があった。
更に、前記(3)に記載の技術では、耐摩耗性の改善が行われていないので、切削インサートの高速切削における耐摩耗性が不十分であるという問題があった。
従って、特に近年要求が高まっている、高速及び高断続切削においては、上述した従来の窒化珪素質焼結体からなる切削インサート等では、その要求を満足させることができなくなっている。
本発明はこうした問題点に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性及び耐欠損性に優れた窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具を提供することを目的としている。
本発明者により、耐摩耗性が優れている窒化珪素質焼結体(具体的には表面からの硬度の傾斜がある切削インサート)を調べた結果、焼結体の内部から表面にかけてヤング率が低下するか無変化の場合には、切削の際に、低負荷にて切削インサートに歪みが生じて、微少クラックが発生し、欠損することが判明した。
また、組成の検討及び粒界相の結晶化等により、材質自身のヤング率を高めることは可能であるが、焼結性や靱性等の他の性能が低下するため、切削インサートの耐欠損性を改善することは困難であった。
そこで、本発明者は、この問題を解決するために鋭意研究を行った結果、所定の組成の材料を用いるとともに、焼成雰囲気及び冷却雰囲気等を調整することにより、焼結体の表面層における高い硬度及びヤング率を両立させることによって、優れた耐摩耗性及び耐欠損性を改善することが可能であることを見い出し、この知見に基づいて、本発明を完成した。
以下、各請求項毎に説明する。
(1)請求項1の発明は、表面から20μmの深さにおける硬度が16GPa以上であり、且つ、前記表面から20μmの深さにおけるヤング率が、前記表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.05倍以上1.20倍以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体を要旨とする。
本発明では、窒化珪素質焼結体の表面から20μmの深さにおける硬度が16GPa以上であるので、即ち、焼結体の表面層の硬度が非常に高いので、耐摩耗性に優れている。
しかも、この焼結体の表面から20μmの深さにおけるヤング率が、表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.05倍以上1.20倍以下であるので、即ち、焼結体の表面層のヤング率が内部よりも所定値以上の範囲で高いので、高い負荷まで変形に耐えることができ、よって耐欠損性に優れている。
つまり、同じ負荷をかけた際に、高いヤング率を有する表面層は、低いヤング率を有する表面層に比べ、弾性変形が少ないため、高負荷まで変形に耐えられ、変形の際に発生する内部結果が生じ難く、よって、耐欠損性に優れている。
ここで、前記20μmに深さにおける硬度が、16GPaよりも小さい場合には、所望の高い耐摩耗性能が得られず、好ましくない。一方、20μmの深さにおけるヤング率が、(1000μmの深さにおけるヤング率の)1.05倍より小さいと、所望の高い耐欠損性能が得られず、また、20μmの深さにおけるヤング率が1.20倍より大きいと、ヤング率の変化が急激であるため、切削の際に変位部分に応力が集中し、耐欠損性能が低下するので、好ましくない。
従って、本発明のものが、高い耐摩耗性能及び耐欠損性能を両立させることができる。
尚、本発明において、硬度とは、試験荷重1N、保持時間10sにて測定したマイクロビッカース硬度である(JIS Z2244)。また、ヤング率とは、弾性体と応力との歪みの比を表す定数であり、後述する式(1)により求めることができる。
(2)請求項2の発明は、前記表面から20μmの深さにおける硬度が20GPa以上であり、且つ、前記表面から20μmの深さにおけるヤング率が、前記表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.10倍以上1.15倍以下であることを特徴とする前記請求項1に記載の窒化珪素質焼結体を要旨とする。
本発明は、一層高い耐摩耗性能及び耐欠損性能を実現できるより好ましい範囲を例示したものである。
(3)請求項3の発明は、窒化珪素の含有量が、90重量%〜99.5重量%であり、且つ、酸化物換算にて、Al23の含有量が、0.15重量%〜1.4重量%であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の窒化珪素質焼結体を要旨とする。
本発明は、窒化珪素質焼結体の好ましい組成を例示したものである。この組成により、耐摩耗性、耐衝撃性(ここでは特に耐欠損性)等の窒化珪素質焼結体として好ましい性質を十分に発揮することができる。
ここで、窒化珪素の含有量を規定したのは、90重量%以上であれば、窒化珪素の特性を十分に発揮でき、上限の99.5重量%は、通常添加される焼結助剤等を考慮したためである。また、Al23の含有量を規定したのは、0.15重量%以下では、焼結時に熱量が最も加わる表面付近のみSN粒子の結合が強くなり、その結果、表面のヤング率のみ高くなり、表面と内部とのヤング率の差が過剰となるからであり、1.4重量%以上では、SN粒子の結合力が急激に減少するため、硬度の低下が生じるからである。
尚、その他、焼結助剤等の添加物として、MgO、Y23、Yb23、Er23、Hf23、Sc23、ZrO2、CeO2などから適宜選択したものを用いることができる。
(4)請求項4の発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする窒化珪素質工具を要旨とする。
本発明は、前記窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素質質工具(例えば切削インサート)を例示している。本発明の窒化珪素質工具は、耐摩耗性及び耐欠損性に優れているので、長寿命を有しており、この窒化珪素質工具を用いて各種の加工を行うことにより、好適な加工を実施することができる。例えば高速及び強断続切削を、長期間にわたり好適に行うことができる。
(5)請求項5の発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする切削インサートを要旨とする。
本発明は、前記窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素質工具である切削インサートを例示している。この切削インサートは、耐摩耗性及び耐欠損性に優れているので、長寿命を有しており、この切削インサートを用いて切削加工を行うことにより、好適な加工を実施することができる。例えば高速及び強断続切削を、長期間にわたり好適に行うことができる。
尚、切削インサート(チップ)の形状としては、その厚み方向の平面形状が、方形状、三角状、菱形状が挙げられる。また、チップにはチャンファーを設けてもよい。
(6)請求項6の発明は、前記請求項5に記載の切削インサートをホルダに備えたことを特徴とする切削工具を要旨とする。
本発明の切削工具は、ホルダに前記切削インサートを備えているので、この切削工具を用いて切削加工を行うことにより、好適な加工を実施することができる。例えば同じ切削インサートを用いて、長期間にわたり、高い精度で切削加工を行うことができる。
尚、上述した窒化珪素質焼結体としては、窒化珪素を主成分とする例えばサイアロンなどを採用できる。
次に、本発明の窒化珪素質焼結体、窒化珪素質工具、切削インサート、及び切削工具の最良の形態の例(実施例)について説明する。
a)まず、本実施例の切削インサート及び切削工具について説明する。
図1に示す様に、本実施例の切削インサート(スローアウェイチップ)1は、窒化珪素を主成分とする窒化珪素質焼結体により構成されており、板厚方向(すくい面側)からみて正方形の板状のチップ(例えばISO SNGN432)である。尚、切削インサート1の寸法は、縦12.7mm、横12.7mm、高さ4.76mmである。
特に本実施例の切削インサート1では、表面から20μmの深さにおける硬度が16GPa以上であり、且つ、表面から20μmの深さにおけるヤング率が、表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.05倍以上1.20倍以下である。
図2に示す様に、この切削インサート1は、鋼製のホルダ3に、周知のクランプ部材5により装着されて、バイト状の切削工具7として使用される。
つまり、ホルダ3の先端には、切削インサート1の外形に合致する様に切り欠かれた装着用凹部9が設けられており、この装着用凹部9に切削インサート1がはめ込まれる。また、ホルダ3の先端側には、切削インサート1の上面の一部を覆う様にクランプ部材5が取り付けられている。そして、このクランプ部材5をネジ11により締め付けることにより、クランプ部材5により切削インサート1を押圧して固定するようになっている。
b)次に、切削インサート1を構成する窒化珪素質焼結体の製造方法の要部について説明する。
まず、原料粉末を配合組成に従って秤量し、溶媒を用いてボールミルにより湿式混合する。その後、バインダーを適宜添加してスラリーを調製し、噴霧乾燥することにより造粒する。
次に、この造粒粉末を金型に充填し、所望の形状(切削インサート1の形状)に成形する。この成形手段としては特に限定はなく、加圧成形、射出成形、押出成形などを採用できるが、特に加圧成形が望ましい。
次に、この様にして形成された成形体を焼結して、窒化珪素質焼結体を得る。ここで、表面の高い硬度及びヤング率を実現するために、焼成工程における焼成条件(温度、圧力等)、冷却条件(温度、時間等)を制御して調整する。
具体的には、焼成条件としては、例えば、窒素加圧で、1800〜1950℃まで昇温した後に(第1段階目の焼成)、一旦その温度を保持し、窒素雰囲気下にて、100MPaで、1600〜1800℃にて焼成(第2段階目の焼成)を行う。
その後、焼成条件に応じて、冷却条件として、例えば1200℃にて、保持時間4時間、窒素圧力3気圧で、熱処理(第3段階目の焼成)を行う。尚、この熱処理の条件が冷却条件である。
その後、冷却した焼結体を研磨して成形し、前記形状の切削インサート1を完成する。
この様にして得られた切削インサート1は、後に詳述する実験例からも明らかな様に、高い耐摩耗性能及び耐欠損性能を備えている。
c)次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
(1)まず、下記の手順にて、実験に用いる切削インサートを製造した。
具体的には、原料粉末として、窒化珪素粉末(比表面積;10m2/g、平均粒径;0.5μm)と、焼結助剤成分粉末[酸化エルビウム(比表面積;10m2/g)、酸化イッテリビウム(比表面積;10m2/g)、酸化スカンジウム(比表面積;10m2/g)、酸化マグネシウム(比表面積;10m2/g)、酸化アルミニウム(比表面積;13m2/g)、酸化セリウム(比表面積;10m2/g)、酸化ジルコニウム(比表面積;10m2/g)]を、下記表1の所定量比となるように配合した。
そして、その原料粉末を、水を媒体として、窒化珪素製のボールと容器とを用いて、回転数50rpmで、40時間にわたり、湿式粉砕混合し、スプレードライヤーで造粒した。
次に、この造粒物を用い、金型一軸プレスにより成形して、前記切削インサートの形状の成形体を得た。
そして、この成形体を、下記の焼成条件1にて焼成した。
・第1段階目の焼成を、窒素圧力3〜9気圧にて、温度1800〜1950℃で、2時間保持する条件で行った。この第1段階目の焼成により、ポーラスな焼結体が得られる。
・次に、第2段階目の焼成を、窒素圧力1000気圧にて、温度1600〜1800℃で、2時間保持する条件で行った。この第2段階目の焼成により、緻密な焼結体が得られる。
・次に、第3段階目の焼成を、窒素圧力3気圧にて、温度1200℃で、4時間保持する条件で行った。
また、これとは別に、前記成形体を、下記の焼成条件2にて焼成した。
・第1段階目の焼成を、窒素圧力3〜9気圧にて、温度1800〜1950℃で、2時間保持する条件で行った。
・次に、第2段階目の焼成を、窒素圧力1000気圧にて、温度1600〜1800℃で、2時間保持する条件で行った。
その後、前記焼成条件1、2にて焼成を行った焼結体を、所定の切削インサートの形状(ISO SNGN432)に加工し、実験に供する試料(試料No.1〜8の焼結体)を得た。
Figure 2006016233
(2)次に、各試料の焼結体に対して、その硬度及びヤング率を測定した。
・硬度の測定
図3に示す様に、まず、焼結体の厚み方向と垂直の側面(逃げ面側の表面)を2mmの深さまで研削して除去した。
次に、研削により露出した露出面に対して、すくい面の表面から20μmの深さの測定点(A点)に対して、マイクロビッカース硬度計を用いて、試験荷重1N、保持時間10sの測定条件(JIS Z2244)によって、マイクロビッカース硬度Hvを測定した。その結果を、下記表2に記す。
・ヤング率試験条件
このヤング率は、圧子の圧入−除荷過程に見られる履歴現象から、次式(1)により導き出される。

ヤング率[GPa]=S[N/mm]/A1/2[m]・・・(1)

S=dF/dh(h max) 初期荷重除去時の接触剛性
F;試験荷重
h;侵入深さ
h max ;最大侵入深さ
A=f(hr’) 荷重接触面積
hr’;荷重0のときの接線と侵入深さ軸との交点から求められる 除荷後の侵入推定深さ

具体的には、超微小硬度計を用い、圧子の圧入−除荷過程に見られる、荷重に対する侵入深さの履歴現象を利用して、前記図3に示す様に、前記露出面において、主面から20μmに深さの測定点Bのヤング率E20を測定した。同様に、主面から1000μmに深さの測定点Cのヤング率E1000を測定した。また、両ヤング率の比(E20/E1000)も求めた。それらの結果も下記表2に記す。
(3)次に、各試料の焼結体を研磨加工して、前記ISO SNGN432として規定された形状を有する切削刃を有する切削インサート(図1参照)を作製した。
そして、この切削インサートをホルダ(図2参照)に取り付けて、下記の条件にて乾式連続切削試験を実施して、切削刃先の逃げ面摩耗量VBを調べた。また、下記の条件にて乾式断続切削試験を実施して、加工数調べた。以下、詳細に説明する。
・まず、切削試験の方法を説明する。
<切削試験1>(耐摩耗性評価)
前記試料の切削インサートを用い、下記の切削条件1により、乾式にて10秒間切削試験を行った。被削材の形状は図4のように円筒状であり、図4(a)の矢印A方向に切削インサートを移動させながら切削を行った。
図4において、L1は260mm、L2は300mmであり、壁厚は20mmである。また、L3は100mmである。尚、1パス切削による、被削材の鋳砂の残った黒皮へ入る際及び出る際に生じる最大摩耗量を測定し、逃げ面摩耗量VBとした(アブレッシブ摩耗試験)。
この切削試験1の結果を下記表2に記す。
(切削条件1)
被削材 :FC200
切削速度:300m/分
送り :0.3mm/rev
切り込み:1.5mm
刃先 :0.2mm×20°

<切削試験2>(耐欠損性評価)
下記切削条件2にて、耐欠損性の評価を行い、加工山数(パス数)をもって耐欠損性の指標とした。
つまり、切削試験2では、図5の矢印B方向に切削インサートを移動させて切削を行い、1山切削する毎に1パスとカウントし、何パス目に欠損が生じたかを調べた。
この切削試験2では、被削材は円筒状のものであり、切削試験前の被削材の正面図である図5に示すように、1個の被削材に10個の山が形成してある。この図5において、L4は10mm、L5は5mm、L6は約50mm、L7は200mmであり、R1は320mmである。
この切削試験2の結果を同じく表2に記す。
(切削条件2)
被削材 :FC200
切削速度:150m/分
送り :1.00mm/rev
切り込み:2.0mm
刃先 :0.08mm×25°
切削時間:欠損するまで
Figure 2006016233
この表2から明らかな様に、本発明の範囲のもの(試料No.1〜3)は、表面から20μmの深さの硬度が16Gpa以上(即ち16.8GPa以上)であり、且つ、前記ヤング率の比が1.05〜1.20の範囲(即1.06〜1.18)であるので、逃げ面摩耗量が0.4mm以下と少なく、且つ、加工数が10以上と多い。即ち、本発明のものは、優れた耐摩耗性及び耐欠損性を両立することができるという顕著な効果を奏する。
これに対して、本発明の範囲外の比較例のもの(試料No.4〜8)は、硬度やヤング率の比が、本発明の範囲から外れているので、耐摩耗性及び耐欠損性を両立することができず、好ましくない。
尚、前記比較例4〜6の焼成条件は本発明例と同じであるが、本発明例により上述した効果が得られるのは、組成等の違いが影響していると考えられる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
実施例1の切削インサートの斜視図である。 実施例1の切削インサートをホルダに装着した切削工具を示す説明図である。 実験条件を示す説明図である。 (a)は逃げ面摩耗量を測定するための被削材の横断面図、(b)は逃げ面摩耗量を測定するための被削材の縦断面図である。 耐欠損性を調べるための被削材の正面図である。
符号の説明
1…切削インサート
3…ホルダ
7…切削工具

Claims (6)

  1. 表面から20μmの深さにおける硬度が16GPa以上であり、且つ、前記表面から20μmの深さにおけるヤング率が、前記表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.05倍以上1.20倍以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  2. 前記表面から20μmの深さにおける硬度が20GPa以上であり、且つ、前記表面から20μmの深さにおけるヤング率が、前記表面から1000μmの深さにおけるヤング率の1.10倍以上1.15倍以下であることを特徴とする前記請求項1に記載の窒化珪素質焼結体。
  3. 窒化珪素の含有量が、90重量%〜99.5重量%であり、且つ、酸化物換算にて、Al23の含有量が、0.15重量%〜1.4重量%であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の窒化珪素質焼結体。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする窒化珪素質工具。
  5. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする切削インサート。
  6. 前記請求項5に記載の切削インサートをホルダに備えたことを特徴とする切削工具。
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