JP5825962B2 - 窒化珪素質焼結体およびこれを用いた溶湯金属用部材ならびに耐磨耗性部材 - Google Patents
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ことを特徴とするものである。
をItc(111)として、下記式(1)より主結晶を構成する窒化珪素に含まれるジルコ
ニアにおける単斜晶の比率Xmを算出する。
Xm(%)={(Im(111)+Im(11-1))/(Im(111)+Im(11-1)+Itc(111))}×100…(1)
また、主結晶のうち、単斜晶のジルコニアを含む窒化珪素の結晶の比率が80%以上であることが好ましい。この主結晶に占める単斜晶のジルコニアを含む窒化珪素の結晶の比率は、以下に示す方法で求める。窒化珪素の結晶にX線を照射し、ジルコニアの有無と、ジルコニアが含まれている場合の結晶構造を確認する。そして、確認した窒化珪素の結晶の全ての個数に対する単斜晶のジルコニアを含む窒化珪素の結晶の個数の百分率を算出することより、単斜晶のジルコニアを含む窒化珪素の結晶の比率を求めることができる。なお、窒化珪素にジルコニアが含まれている場合において、ジルコニアの複数の結晶構造が確認されたときには、最も反射ピーク強度が高い結晶構造を、その窒化珪素の結晶に含まれるジルコニアの結晶構造とする。
質量%以上9質量%以下であって、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの含有量の合計が1質量%以上3質量%以下であることが好適である。このように、ジルコニアの含有量や、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの含有量が上述した範囲内であれば、これらの焼結助剤が有する焼結促進作用によって、比較的低い温度で、優れた機械的特性を有する窒化珪素質焼結体を得ることができる。また、単斜晶のジルコニアを含む窒化珪素を主結晶としやすくすることができる。
。
が300GPa以上であり、ビッカース硬度(Hv)が13GPa以上であり、破壊靱性(K
1C)が5MPam1/2以上であることが好ましい。機械的特性が上記範囲であることにより、窒化珪素質焼結体と金属からなる部材とを接合した接合部材は、特に、耐クリープ性やヒートサイクルに対する耐久性を向上させることができるので、高い信頼性が得られるとともに長期間にわたって使用することができる。
−2008(ISO 14704:2008(MOD)),JIS R 1604−2008(ISO 17565:
2003(MOD))に準拠して測定すればよい。ただし、窒化珪素質焼結体の厚みが薄く、窒化珪素質焼結体から切り出した試験片の厚みを3mmとすることができない場合には、窒化珪素質焼結体の厚みをそのまま試験片の厚みとして評価するものとし、その結果が上記数値を満足することが好ましい。
に規定される圧子圧入法(IF法)に準拠して測定すればよい。なお、窒化珪素質焼結体の厚みが薄く、窒化珪素質焼結体から切り出した試験片の厚みをそれぞれJIS R 1610−2003およびJIS R 1607−1995の圧子圧入法(IF法)で規定する0.5mmおよ
び3mmとすることができないときには、窒化珪素質焼結体の厚みをそのまま試験片の厚みとして評価して、その結果が上記数値を満足することが好ましい。
を保持する時間をいずれも15秒としてビッカース硬度(Hv)および破壊靱性(K1C)を測定すればよい。
は、JIS C 2141−1992に準拠して測定すればよい。ただし、窒化珪素質焼結体が小さく、窒化珪素質焼結体からJIS C 2141−1992で規定する大きさとすることができない場合には、2端子法を用いて評価するものとし、その結果が上記数値を満足することが好ましい。
m以上6μm以下の珪素の粉末と、単斜晶のジルコニアの粉末と、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの少なくともいずれか1種の粉末を所定量秤量し、バレルミル,回転ミル,振動ミル,ビーズミルまたはアトライター等を用いて湿式にて混合および粉砕してスラリーとする。ここで、例えば、単斜晶のジルコニアの粉末の含有量は、3質量%以上9質量%以下であって、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの少なくともいずれか1種の粉末の含有量の合計は、1質量%以上3質量%以下であり、残部が窒化珪素の粉末および窒素の粉末になるようにすればよい。ここで、珪素の粉末は、質量比で窒化珪素の粉末の1倍以上10倍以下、特に、4倍以上5.8倍以下となるようにすること
が好適である。
ある。特に、窒化珪素の粉末のβ化率が10%以下であることが好ましい。
β化率={Iβ/(Iα+Iβ)}×100(%)
また、固溶量zが0.5以下の窒化珪素の粉末を用いるのは、主成分として用いる窒化珪
素の粉末の固溶量zが、窒化珪素質焼結体の熱伝導率に影響するからである。固容量zが0.5以下であることにより、高い熱伝導率により優れた放熱特性を有する窒化珪素質焼結
体とすることができるからである。
の結晶の比率を80%以上とするには、単斜晶のジルコニアの粉末の含有量と、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの粉末の含有量の合計との質量比率が、1:0.15〜0.4とすればよい。
たときの累積体積が90%となる粒径(D90)が3μm以下となるまで行なうことが好ましい。なお、得ようとする粒度分布とするには、ボールの外径,ボールの量,スラリーの粘度,粉砕時間等を調整すればよい。
ール(PVA),ポリエチレングリコール(PEG)等の有機バインダを窒化珪素の粉末と焼結助剤の粉末との総和100質量%に対して1質量%以上10質量%以下でスラリーに混
合することが、成形性のために好ましい。さらに、分散性を高めるために分散剤を添加することが好ましい。
いに通した後に、噴霧乾燥装置を用いて造粒した顆粒を得る。
れ性の観点より好適である。
化工程として、第1の窒化工程の温度から1400℃の間の温度で5〜15時間保持することで脱脂体中のSiの残部を窒化させる。ここで、第2の窒化工程の温度は第1の窒化工程の温度よりも高く、第1の窒化工程と第2の窒化工程とは連続して実施した方が経済的であるため好ましい。
を1700℃以上1800℃未満として、4〜10時間保持することで本実施形態の窒化珪素質焼結体を得ることができる。上記製造方法によって得られた窒化珪素質焼成体は、脱粒が少なく、優れた機械的特性を有していることから、アルミニウム,マグネシウム,亜鉛,銅またはこれらの金属の合金の溶湯に浸漬される、ヒーターチューブ,熱電対保護管,ラドル,ストーク,脱ガス用ロータ等の溶湯金属用部材、ベアリング用転動体,シリンダー用プランジャー,カムフォロワー等の耐磨耗性部材および銃弾や砲弾等の飛翔体や鋭利な刃物の貫通を抑制して人体,車両,船舶,航空機等を保護するための防護部材として好適に用
いることができる。
の粉末として単斜晶のジルコニアを用いた試料は、表1にm−ジルコニアと示し、正方晶のジルコニアを用いた試料は、表1にt−ジルコニアと示した。そして、粉砕された粉末の総和100質量%に対して、ポリビニルアルコール(PVA)を5質量%添加して混合す
ることによりスラリーを得た。
ッシュの篩いを通した後に噴霧乾燥機を用いて乾燥させることによって、顆粒を得た。次に、得られた顆粒を用いて、一軸加圧法を用いて円板状の成形体を得た。
に示す焼成温度を1750℃,焼成時間を5時間,窒素分圧を100kPaの条件で焼成し、500℃/時間で降温することにより、直径が152.4mmであり、厚みが3mmの円板状の窒化
珪素質焼結体からなる試料No.1〜15を得た。
た。
まず、β化率が10%(即ち、α化率が90%)であって、組成式がSi5.9Al0.1O0.1N7.9で表される、平均粒径が1μmの窒化珪素の粉末と、平均粒径が4μmの珪素の粉末と、添加成分として表2に示す種類の酸化物の粉末とを、表2に示す含有量で秤量し、回転ミルを用いて湿式混合し、粒径(D90)が1μm以下となるまで粉砕した。ここで、珪素の粉末は、質量比で窒化珪素の粉末の5.5倍とした。そして、粉砕され
た粉末の総和100質量%に対して、ポリビニルアルコール(PVA)を5質量%添加して
混合することによりスラリーを得た。
ッシュの篩いを通した後に噴霧乾燥機を用いて乾燥させることによって、顆粒を得た。次に、得られた顆粒を用いて、冷間等方圧加圧法を用いて成形し、引き続き、切削加工を施すことにより、先端が封止されたチューブ状の成形体を得た。
であり、長さが1000mmの先端が封止されたチューブ状の窒化珪素質焼結体からなる試料No.16〜21を得た。
1604−2008(ISO 17565:2003(MOD))に準拠して測定した。
が高くなっており、クロム,マンガン,鉄および銅の少なくともいずれか1種の珪化物を含むことから、これらの珪化物は高温における破壊の形態である粒界滑りが発生する際に、窒化珪素の粒子の滑りを妨げる楔のような働きによって機械的特性を向上できることがわかった。
Claims (5)
- 窒化珪素またはサイアロンが主結晶であり、ジルコニアと、イットリア,セリア,マグネシアおよびカルシアの少なくともいずれか1種とを含む窒化珪素質焼結体であって、該窒化珪素質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、Siの含有量をSi 3 N 4 に換算した含有量が80質量%以上であり、ジルコニアの含有量が3質量%以上9質量%以下であり、前記イットリア,前記セリア,前記マグネシアおよび前記カルシアの含有量の合計が1質量%以上3質量%以下であり、前記主結晶にジルコニアを含み、前記主結晶に含まれるジルコニアのうち単斜晶の比率が80%以上であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
- アルミナを含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素質焼結体。
- クロム,マンガン,鉄および銅の少なくともいずれか1種の珪化物を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化珪素質焼結体。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体を用いたことを特徴とする溶湯金属用部材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体を用いたことを特徴とする耐磨耗性部材。
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