JP2003095747A - 窒化珪素焼結体及びそれを用いてなる回路基板 - Google Patents

窒化珪素焼結体及びそれを用いてなる回路基板

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oxide
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Sadahiro Yamamoto
禎広 山元
Kuniharu Tanaka
邦治 田中
Katsura Matsubara
桂 松原
Masaya Ito
正也 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性及び機械的強度に優れ、且つ低コス
トの窒化珪素焼結体及びそれを用いてなる回路基板を提
供する。 【解決手段】 本発明の窒化珪素焼結体は、Mg及びS
rの少なくとも一方を酸化物換算で合計0.1〜10質
量%、Al、Ca及びFeのうちの少なくとも1種を酸
化物換算で合計0.05〜1質量%、並びに希土類元素
のうちの少なくとも1種を酸化物換算で合計3〜10質
量%含有し、且つラマン分光分析における波数521c
−1付近の珪素のピーク強度をS1、206cm−1
付近の窒化珪素のピーク強度をS2とした場合に、S1
/S2で表されるピーク強度比が0.1以上である。更
に、Li、Na、K及びBのうちの少なくとも1種を含
有させることで焼結体の焼結性を向上させることができ
る。本発明の回路基板は、上記窒化珪素焼結体を用いて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化珪素焼結体及
びそれを用いてなる回路基板に関する。更に詳しくは、
熱伝導性及び機械的強度に優れ、且つ低コストの窒化珪
素焼結体及びそれを用いてなる回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素セラミックスは、機械的特性、
耐熱性、耐摩耗性及び耐食性等に優れることから、ベア
リングボール及びタペット等の摺動部材、切削工具等の
耐摩耗部材、ターボチャージャーロータ、エンジンバル
ブ及びセラミックグロープラグ等のエンジン部材などに
実用化されている。また近年では、優れた機械的特性を
利用して、ハイブリッド電気自動車のモータを制御する
インバータの半導体用絶縁基板材料として検討されてい
る。
【0003】半導体用絶縁基板材料として求められる性
質としては、半導体で発生する熱を効率よく逃がすこと
であり、そのために窒化珪素セラミックスの熱伝導率を
向上させることが必要となっている。従来より数多くの
試みがなされているが、これらの試みのほとんどは、窒
化珪素粒子を粒成長させるというものである。しかしな
がら、窒化珪素の粒成長を促進するとアスペクト比の高
い針状組織となり、微構造レベルで立体障害が発生する
ために緻密化が困難となってくる。
【0004】これに対して、窒素ガス圧が10MPa程
度のガス圧焼成(GPS)や、圧力10〜300MPa
程度の熱間静水圧加圧焼成(HIP)、或いは機械的に
一軸方向の圧力を加えながら焼結するホットプレス焼成
(HP)といった加圧焼成法により緻密化する検討もさ
れている。しかし、これらの焼成法は、生産コストが高
く、低コストが要求される工業用材料のプロセスとして
は適していない。また、特開2000−95569号公
報には、焼結助剤組成を最適にし、1MPa程度の加圧
雰囲気下、温度1800〜2100℃で焼成して得られ
る高熱伝導窒化珪素焼結体が開示されているが、高価な
高純度窒化珪素粉末が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、熱伝導性及び機械的強度に優れ、
且つ低コストの窒化珪素焼結体を提供することを目的と
する。また、他の本発明は上記窒化珪素焼結体を用いて
なる回路基板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化珪素焼結体
は、Mg及びSrの少なくとも一方を酸化物換算で合計
0.1〜10質量%、Al、Ca及びFeのうちの少な
くとも1種を酸化物換算で合計0.05〜1質量%、並
びに希土類元素のうちの少なくとも1種を酸化物換算で
合計3〜10質量%含有し、且つラマン分光分析におけ
る波数521cm−1付近の珪素のピーク強度をS1、
206cm−1付近の窒化珪素のピーク強度をS2とし
た場合に、S1/S2で表されるピーク強度比が0.1
以上であることを特徴とする。
【0007】本発明では、上記希土類元素として、軽希
土類元素(原子番号57のLaから原子番号62のSm
までのランタノイド系元素)のうちの少なくとも1種を
酸化物換算で合計1質量%以上、並びに重希土類元素
(原子番号63のEuから原子番号71のLuまでのラ
ンタノイド系元素)及びYから選ばれる少なくとも1種
を酸化物換算で合計1質量%以上含有する窒化珪素焼結
体とすることができる。また、上記Mgを含有し、該M
gの含有量が酸化物換算で0.1〜2質量%である窒化
珪素焼結体とすることができる。更に、上記Srを含有
し、該Srの含有量が酸化物換算で4〜10質量%であ
る窒化珪素焼結体とすることができる。また、Li、N
a、K及びBのうちの少なくとも1種を酸化物換算で合
計0.005〜1質量%含有する窒化珪素焼結体とする
ことができる。更に、25℃における熱伝導率が55W
/m・K以上である窒化珪素焼結体とすることができ
る。本発明の回路基板は、上記窒化珪素焼結体を用いて
なることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。 (1)窒化珪素焼結体 上記「Mg」及び上記「Sr」は、焼結体の焼結性及び
強度の向上に効果がある。特にSrは、水酸化物を形成
しにくく、焼結性に優れるため好ましい。また、これら
は1種のみ含有されていてもよいし、2種とも含有され
ていてもよい。この含有量は、酸化物換算(Mg:Mg
O、Sr:SrOで換算)で、合計0.1〜10質量%
(好ましくは0.2〜8質量%、より好ましくは0.4
〜7質量%)である。この含有量が0.1質量%未満の
場合、焼結性が低下するため好ましくない。一方、含有
量が10質量%を超える場合、熱伝導性が低下するため
好ましくない。なかでも、上記含有量を満たす範囲で、
Mgの含有量が、酸化物換算で0.1〜2質量%(より
好ましくは0.2〜1.5質量%、更に好ましくは0.
4〜1.2質量%)であることが好ましい。更に、上記
含有量を満たす範囲で、Srの含有量が、酸化物換算で
4〜10質量%(より好ましくは4〜8質量%、更に好
ましくは4.5〜7質量%)であることが好ましい。
【0009】上記「Al」、上記「Ca」及び上記「F
e」は、窒化珪素原料粉末中に不純物として存在してい
たものであり、或いは、Al、Ca及びFeを含む焼結
助剤由来のものである。これらの元素は、酸化物、複合
酸化物及び窒化珪素に固溶したり、粒界ガラス相中でイ
オン等として存在する。これらの含有量は、酸化物換算
(Al:Al、Ca:CaO、Fe:Fe
で換算)で、合計0.05〜1質量%(好ましくは0.
05〜0.8質量%、より好ましくは0.05〜0.6
質量%)である。この含有量を0.05質量%未満とす
るには、純度の高い原料が必要になるなど、高コストと
なるため好ましくない。一方、この含有量が1質量%を
超える場合、熱伝導性等が低下するため好ましくない。
【0010】上記「希土類元素」は、焼結体の焼結性向
上に効果がある。希土類元素は1種のみ含有されていて
もよいし、2種以上含有されていてもよい。希土類元素
の含有量は、酸化物換算[Ce、Pr及びTb以外の希
土類元素の場合は、Re (Re:希土類元素)、
Ce:CeO、Pr:Pr11、Tb:Tb
で換算]で、合計3〜10質量%(好ましくは4〜1
0質量%、より好ましくは4.5〜9質量%)である。
含有量が3質量%未満の場合、焼結性が低下するため好
ましくない。一方、含有量が10質量%を超える場合、
熱伝導性が低下するため好ましくない。
【0011】また、希土類元素として、上記含有量を満
たす範囲で、強度の低下を伴うが熱伝導性を向上させる
ことができる軽希土類元素のうちの少なくとも1種を酸
化物換算で合計1質量%以上(より好ましくは1.5質
量%以上、更に好ましくは2質量%以上)、並びに熱伝
導性の低下を伴うが強度を向上させることができる重希
土類元素及びYから選ばれる少なくとも1種を酸化物換
算で合計1質量%以上(より好ましくは2質量%以上、
更に好ましくは4質量%以上)含有させることが好まし
い。このような量比とした場合、十分な熱伝導性を有
し、且つ算術平均よりも著しく高い強度を有する焼結体
とすることができる。軽希土類元素としては、通常、L
a、Ce、Pr及びNdが用いられる。また、重希土類
元素及びYから選ばれる元素としては、通常、Ho、E
r、Yb及びYが用いられる。
【0012】焼結体中のSi含有量を示す、ラマン分光
分析における、上記「ピーク強度比(S1/S2)」は
0.1以上(好ましくは0.1〜3、より好ましくは
0.1〜1.5)である。このピーク強度比が0.1未
満である場合、純度の高い原料が必要になるなど、高コ
ストとなり好ましくない。一方、ピーク強度比が3を超
える場合、焼結体の絶縁性能や機械的強度が低下するこ
とがある。珪素は比較的ラマン活性が強いため、ラマン
分光分析では、例えばX線回折法では検出できない微量
な珪素を検出することが可能である。尚、珪素のピーク
の波数を521cm−1付近、及び窒化珪素のピークの
波数を206cm−1付近としたのは、各々の波数にお
いて、通常、±2cm−1以内のズレがあるからであ
る。
【0013】また、本発明の窒化珪素焼結体には、L
i、Na、K及びBのうち少なくとも1種を含有させる
こともできる。この場合、粒界に生成した液相の粘性を
低下させ、焼結体の緻密化を促進することができる。こ
れらの含有量は、酸化物換算(Li:LiO、Na:
NaO、K:KO、B:Bで換算)で合計
0.005〜1質量%(より好ましくは0.01〜0.
8質量%、更に好ましくは0.01〜0.6質量%)が
好ましい。この範囲とすることで、焼結体の緻密化を促
進すると共に、粒界相でのイオン伝導性の発現を抑え、
絶縁性の低下を防止することができる。
【0014】尚、本発明の窒化珪素焼結体は、窒化珪素
を主成分として含有する焼結体であり、その含有量は、
通常70質量%以上(好ましくは75質量%以上、より
好ましくは80質量%以上)である。
【0015】本発明の窒化珪素焼結体は、下記実施例に
記載する方法において、25℃における熱伝導率を55
W/m・k以上(好ましくは60W/m・k以上、より
好ましくは65W/m・k以上)とすることができる。
また、下記実施例に記載する方法において、25℃にお
ける3点曲げ強度を550MPa以上(好ましくは60
0MPa以上、より好ましくは650MPa以上)とす
ることができる。更に、これらの好ましい熱伝導率及び
3点曲げ強度と同時に備える窒化珪素焼結体とすること
ができる。
【0016】(2)窒化珪素焼結体の製造方法 以下、本発明の窒化珪素焼結体を製造する方法について
説明する。主原料である窒化珪素粉末としては、特に限
定されないが、不純物酸素量が1〜2質量%、α化率が
50〜90%(特に60〜85%)、平均粒子径が1〜
10μm(特に1.2〜5μm)の窒化珪素粉末であれ
ば、低コストであり好ましい。また、前記のように焼結
体に含ませるSiの含有量でみた場合に、純度の低い窒
化珪素粉末を用いることができる。本発明では、このよ
うに純度の低い窒化珪素粉末を使用しても十分に緻密化
された焼結体とすることができる。
【0017】前記Mg、Sr、及び前記希土類元素を含
有させるための原料粉末としては、特に限定されない
が、これらの酸化物、並びに焼成中に酸化物になる炭酸
塩、硝酸塩及び硫酸塩等の粉末等が挙げられる。通常、
これらの酸化物や炭酸塩の粉末が用いられる。これらの
原料粉末の平均粒子径は、0.1〜2μm(好ましくは
0.1〜1.5μm)であることが好ましい。
【0018】上記原料粉末は所定量で配合された後、振
動ミル、回転ミル、バレルミル等で十分に混合し、公知
の成形方法、例えば、金型プレス、射出成形、冷間静水
圧プレス(CIP)等によって任意の形状に成形され
る。得られた成形体は、電気炉等を用いて、1850〜
2000℃(好ましくは1900〜2000℃)の温度
で3〜12時間(好ましくは5〜10時間)焼成され
る。焼成時の雰囲気としては、窒素、アルゴン等の非酸
化性雰囲気が好ましい。特に、1900〜2000℃で
焼成した場合、25℃における熱伝導率が55W/m・
k以上の窒化珪素焼結体を容易に得ることができるため
好ましい。
【0019】(3)回路基板 本発明の窒化珪素焼結体は、所定の形状に加工し、表面
を研磨するなどして回路基板とすることができる。この
回路基板は熱伝導性及び機械的強度に優れる上記窒化珪
素焼結体を用いるため、半導体で発生する熱を高率よく
逃がすことができ、ハイブリッド電気自動車のモータを
制御するインバータの絶縁回路基板等として利用でき
る。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳しく説明
する。 (1)窒化珪素焼結体の製造 窒化珪素原料として、平均粒径1.8μm、α化率70
%、不純物酸素量1.5質量%、不純物金属元素の酸化
物換算量0.77質量%の粉末を使用した。焼結体が表
1(尚、表中の「*」は請求項1の範囲外であることを
示す。)に示す組成となるよう窒化珪素粉末と各原料粉
末とを配合し、これらをエタノールを分散媒として樹脂
ポット中、窒化珪素玉石を用いて40時間混合粉砕した
後、泥漿を湯煎乾燥して混合粉末を得た。この混合粉末
を、金型プレスで直径22mm、厚さ5mmのペレット
形状及び縦70mm、横70mm、厚さ10mmの角板
形状に1次成形した後、CIP装置を用いて150MP
aで加圧成形した。成形体に離型剤として窒化ホウ素を
塗布した後、0.9MPaの窒素雰囲気下において、表
1に示す焼成温度で8時間保持して焼成を行い、実験例
1〜14の焼結体を得た。その後、各窒化珪素焼結体に
おけるAl、Fe、Caの各元素の酸化物換算量を化学
分析により測定し、得られた値を表1に併記した。尚、
表1の「組成」において「Si」以外は酸化物換
算量を示す。また、実験例14には、原料粉末としてA
粉末を別途に配合した。
【0021】
【表1】
【0022】(2)窒化珪素焼結体の評価 上記(1)で得られた実験例1〜14の各窒化珪素焼結
体について、理論密度比、熱伝導率、ラマンピーク強度
比及び3点曲げ強度を以下の方法により測定し、性能評
価を行った。これらの結果を表2に示す。尚、表中の
「*」は請求項1の範囲外であることを示す。 (a)理論密度比(%) アルキメデス法により各焼結体の密度を測定し、混合則
で計算した理論密度に対する百分率で表すことにより理
論密度比を求めた。 (b)熱伝導率(W/m・K) 各窒化珪素焼結体を用いて、直径10mm、厚み2mm
に研磨加工した後、JIS R 1611に準じて25
℃における熱伝導率を測定した。
【0023】(c)ラマンピーク強度比(S1/S2) 下記の測定条件によるラマン分光分析における波数52
1cm−1付近の珪素のピーク強度(S1)及び206
cm−1付近の窒化珪素のピーク強度(S2)によりピ
ーク強度比(S1/S2)を求めた。 (測定条件)ラマン分光分析装値は、フランスISA社
製「Labram Arレーザー(波長514.5m
m)」を用いた。レーザー出力は20mW、レーザービ
ームのスポット径は約10μm、レーザービームの試料
に対する積算照射時間は約10秒、及び散乱光はCCD
センサーにより検出した。尚、図1に実験例9における
ラマン分光分析チャートによる説明図を示す。
【0024】(d)3点曲げ強度(MPa) 各窒化珪素焼結体を用いて、縦3mm、横4mm、厚み
40mmに加工し、JIS R 1601に従い、25
℃における3点曲げ強度を測定した。
【0025】
【表2】
【0026】表1及び表2によれば、希土類元素の含有
量が2.9質量%と少ない実験例10では、3点曲げ強
度が320MPaと極めて低く、熱伝導率においても5
1W/m・Kと低かった。また、希土類元素の含有量が
10.4質量%と多い実験例11では、3点曲げ強度は
640MPaと優れていたが、熱伝導率においては53
W/m・Kと低かった。Mg及び/又はSrの含有量が
10.6質量%と多い実験例12では、3点曲げ強度が
450MPaと極めて低く、熱伝導率においても46W
/m・Kと低かった。また、Mg及び/又はSrを含有
していない実験例12では、3点曲げ強度が510MP
aと低く、熱伝導率においても36W/m・Kと極めて
低かった。Al、Ca及びFeの含有量が2.1質量%
と多い実験例14では、3点曲げ強度が720MPaと
優れていたが、熱伝導率においては28W/m・Kと極
めて低かった。
【0027】これに対して、本発明の範囲に含まれる実
験例1〜9では、3点曲げ強度が550〜720MP
a、且つ熱伝導率が60〜70W/m・Kと共に優れて
いた。また、実験例2〜9においては、3点曲げ強度が
600〜720MPa、且つ熱伝導率が60〜68W/
m・Kとより優れた3点曲げ強度を有していた。更に、
実験例6、7及び9においては、3点曲げ強度が700
〜720MPa、且つ熱伝導率が65〜68W/m・K
とより優れており、バランスのよい特性を示した。
【0028】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明
の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例
えば、本発明の効果を損なわない範囲で、他の焼結助剤
由来の成分等を含有していてもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の窒化珪素焼結体は、特定の成分
を特定量含有させることにより、低コストで、且つ熱伝
導性及び機械的強度に優れた性質を有する焼結体とする
ことができる。また、希土類元素を更に特定し、且つ含
有量を特定することで、低コストで、より熱伝導性及び
機械的強度に優れた性質を有する焼結体とすることがで
きる。更に、Mg及び/又はSrの含有量を更に特定す
ることで、低コストで、より熱伝導性及び機械的強度に
優れた性質を有する焼結体とすることができる。また、
Li、Na、K及びBを含有させることで、焼結性に優
れた焼結体とすることができる。
【0030】本発明の回路基板は、上記窒化珪素焼結体
を用いてなるため、低コストで、且つ放熱性及び曲げ強
度に優れる回路基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例9のラマン分光分析におけるチャートに
よる説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 桂 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 伊藤 正也 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G001 BA01 BA02 BA03 BA05 BA06 BA07 BA32 BA42 BA62 BB01 BB03 BB05 BB06 BB07 BB08 BB32 BB62 BD03 BD23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg及びSrの少なくとも一方を酸化物
    換算で合計0.1〜10質量%、Al、Ca及びFeの
    うちの少なくとも1種を酸化物換算で合計0.05〜1
    質量%、並びに希土類元素のうちの少なくとも1種を酸
    化物換算で合計3〜10質量%含有し、且つラマン分光
    分析における波数521cm−1付近の珪素のピーク強
    度をS1、206cm−1付近の窒化珪素のピーク強度
    をS2とした場合に、S1/S2で表されるピーク強度
    比が0.1以上であることを特徴とする窒化珪素焼結
    体。
  2. 【請求項2】 上記希土類元素として、軽希土類元素の
    うちの少なくとも1種を酸化物換算で合計1質量%以
    上、並びに重希土類元素及びYから選ばれる少なくとも
    1種を酸化物換算で合計1質量%以上含有する請求項1
    記載の窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】 上記Mgを含有し、該Mgの含有量が酸
    化物換算で0.1〜2質量%である請求項1又は2に記
    載の窒化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】 上記Srを含有し、該Srの含有量が酸
    化物換算で4〜10質量%である請求項1乃至3のうち
    のいずれか1項に記載の窒化珪素焼結体。
  5. 【請求項5】 Li、Na、K及びBのうちの少なくと
    も1種を酸化物換算で合計0.005〜1質量%含有す
    る請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の窒化珪
    素焼結体。
  6. 【請求項6】 25℃における熱伝導率が55W/m・
    K以上である請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記
    載の窒化珪素焼結体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちのいずれか1項に
    記載の窒化珪素焼結体を用いてなることを特徴とする回
    路基板。
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