JP7062229B2 - 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 - Google Patents
板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7062229B2 JP7062229B2 JP2020523187A JP2020523187A JP7062229B2 JP 7062229 B2 JP7062229 B2 JP 7062229B2 JP 2020523187 A JP2020523187 A JP 2020523187A JP 2020523187 A JP2020523187 A JP 2020523187A JP 7062229 B2 JP7062229 B2 JP 7062229B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon nitride
- sintered body
- plate
- earth metal
- measured
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B35/00—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
- C04B35/515—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
- C04B35/58—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides
- C04B35/584—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides based on silicon nitride
- C04B35/587—Fine ceramics
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B35/00—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
- C04B35/515—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
- C04B35/58—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides
- C04B35/584—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides based on silicon nitride
- C04B35/593—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides based on silicon nitride obtained by pressure sintering
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO)粉末(比表面積3m2/g、高純度化学研究所製)、酸化イットリウム(Y2O3)粉末(比表面積3m2/g、信越化学工業製)を用意した。
FSO(質量%)=FTO(質量%)-FIO(質量%)・・・・(2)
焼結温度を1850℃に上げた以外は、実施例1と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。焼結条件と得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成を表2に、得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の特性を表3に示す。焼結温度を上げることで、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が増加し、熱伝導率が上昇した。
焼結時の最高温度での保持時間を変えた以外は、実施例1と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例3では、最高温度での保持時間が6時間であったためか、焼結体の酸素含有量がやや高く、粗大β粒子の個数が減少して、熱伝導率と破壊靭性値が若干低下した。
窒化ケイ素原料(比表面積16.9m2/g、酸素含有量1.50wt%、β型窒化ケイ素含有割合3.0質量%)と最高温度での保持時間を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。窒化ケイ素(Si3N4)粉末の比表面積が16.9m2/g、酸素含有量が1.50wt%の場合にも、高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度と最高温度での保持時間を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。最高温度での保持時間を延ばすことで粗大β粒子の個数が増加して、熱伝導率が上昇した。
窒化ケイ素原料(比表面積13.7m2/g、酸素含有量1.25wt%、β型窒化ケイ素含有割合2.2質量%)およびドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度を変え、表1および表2に記載された条件にて、実施例1と同様にして、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。窒化ケイ素原料を変えることで、実施例7および8の積層成形体シート密度は1.97g/cm3へ、実施例9の積層成形体シート密度は1.95g/cm3に上昇した。実施例7および9では、焼結体の酸素含有量がやや高くなった。また、実施例9では塗工速度が速かったためか、(101)面の回折強度I(101)と(210)面の回折強度I(210)の比I(101)/I(210)が小さくなって、熱伝導率と破壊靭性値が低下した。
焼結条件を変えた以外は、実施例7と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例12では、1850℃で20時間保持したことにより破壊靭性値KICが9.5MPa√mに上昇した。
酸化マグネシウムと希土類酸化物との重量比(酸化マグネシウム/希土類酸化物)および焼結時の最高保持温度での保持時間を変えたこと以外は、実施例3と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結体の酸素含有量がやや高く、粗大β粒子の個数が減少して、熱伝導率が若干低下した。
希土類酸化物をSc2O3、またはEr2O3、あるいはLu3O3に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例16では曲げ強度が上昇した。
酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比、およびドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度を変えたこと以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比を変えても、高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比、および昇温過程において1550℃で2時間保持し、1550℃~最高保持温度までの昇温速度を140℃/hrに変えたこと以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。1550℃での2時間保持により、配合組成に比べて、焼結体の酸素含有量が減少して、高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
窒化ケイ素原料(比表面積16.9m2/g、酸素含有量1.50wt%、β型窒化ケイ素含有割合3.0質量%)および酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。酸化マグネシウムと希土類酸化物との重量比を酸化マグネシウム/希土類酸化物=1.4に変えたために、破壊靱性値が若干低下した。
酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比を変えた以外は、実施例4と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。酸化マグネシウムと希土類酸化物との重量比が酸化マグネシウム/希土類酸化物=0.62の場合にも、高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
焼結助剤である酸化マグネシウム(MgO)と酸化イットリウム(Y2O3)の添加量およびその重量比を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例22では、焼結助剤の添加量が多いためか、焼結体の実測酸素含有量がやや高く、熱伝導率と破壊靭性値が若干低下した。
焼結時のガス圧力を0.4MPaに下げた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。ガス圧力0.4MPaでは0.8MPaの場合とほぼ同等の特性を有する窒化ケイ素質焼結体が得られた。
焼結助剤の添加量を6.5重量%とし、酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比を0.4に、ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および焼結条件(最高温度での保持時間)を変えた。さらに、実施例24では昇温過程において1550℃で2時間保持した後、1550℃~最高保持温度までの昇温速度を120℃/hr(実施例25および26では、1520℃から1880℃までの昇温速度は120℃/hr)にし、実施例26では窒化ケイ素原料(比表面積13.7m2/g、酸素含有量1.25wt%、β型窒化ケイ素含有割合2.2質量%)を変えた。表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例24では、粗大β粒子の個数が3800個であるため、高い熱伝導率と優れた機械的特性(強度および破壊靱性値)を示した。実施例25では、粗大β粒子の個数が増加したためか、機械的特性(強度および破壊靭性値)が若干低下した。実施例26では、焼結体としての実測マグネシウム含有量と前記の実測希土類金属含有量との比率が実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量=0.27に下がっており、粗大β粒子の個数がさらに増加したためか、若干ではあるが、機械的特性(強度および破壊靭性値)がさらに低下した。
窒化ケイ素原料(比表面積16.4m2/g、酸素含有量1.46wt%、β型窒化ケイ素含有割合2.7質量%)を変え、アルミニウム含有量が40ppmの窒化ケイ素粉末を使用した以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結体の実測アルミニウム含有量43ppmまでは特性低下はほとんど認められなかった。
得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の表面研磨加工の条件を変え、実施例29ではさらに窒化ケイ素原料(比表面積16.9m2/g、酸素含有量1.50wt%、β型窒化ケイ素含有割合3.0質量%)を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。表3に記載された表面粗さの範囲までは特性低下はほとんど認められず、高い熱伝導率と高い曲げ強度を示した。
ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度を変えると共に、焼結条件(最高保持温度での保持時間)を変え、表1および表2に記載された条件にて、実施例4と同様にして、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
実施例30では、焼結体の酸素含有量がやや高いためか、実施例31と比べて、熱伝導率が若干低下した。実施例32では逆に、焼結体の酸素含有量がやや低いためか、実施例31と比べて、機械的特性(強度および破壊靭性値)が若干低下した。
実施例33は焼結時のガス圧力を2.0MPaに上げた例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。ガス圧力2.0MPaにおいても0.8MPaの場合と同等の特性が得られるが、ガス圧力が高いことによって酸化マグネシウムの蒸発が抑制されたことにより、焼結体の酸素含有量がやや高くなって、ガス圧力を2.0MPaに上げたことの顕著な特性向上効果は認められなかった。
実施例34では、ブラスト研磨の後にラップ研磨加工を行った。ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の表面研磨加工の条件を変えた以外は、実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。表3に記載された表面粗さでは、機械的特性(強度および破壊靭性値)がやや低下傾向にあることが分かった。
酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比を0.60に変更した以外は、実施例6と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。酸化マグネシウムと希土類酸化物との重量比が酸化マグネシウム/希土類酸化物=0.60の場合にも、高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比、ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および焼結条件(最高保持温度と保持時間)を変更した以外は、実施例8と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。最高保持温度での保持時間の影響か、焼結体の実測酸素含有量がやや高いためか、熱伝導率が若干低下した。
窒化ケイ素原料およびドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度を変えた以外は、実施例6と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
比表面積15.5m2/g、酸素含有量1.4重量%(表面酸素量0.98重量%)、β型窒化ケイ素含有割合2.5質量%の窒化ケイ素原料に変更しても、実施例6に匹敵する高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。
焼結助剤の添加量を5.9重量%とし、酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比、ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度を変え、さらに実施例42では焼結条件(最高保持温度と同温度での保持時間)を変えた以外は、実施例2と同様にして。表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
酸化マグネシウム/酸化イットリウム=0.97、1.11(実施例40および41)では、焼結体の実測酸素含有量がやや高いためか、熱伝導率が若干低下した。一方、酸化マグネシウム/酸化イットリウム=0.44(実施例42)では高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示した。実施例42における、焼結体としての実測マグネシウム含有量と実測イットリウム含有量の質量比は、実測マグネシウム含有量/実測イットリウム含有量=0.31であった。
焼結助剤の添加量を5.5重量%とし、酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比、ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および焼結条件(窒素ガス圧力、最高保持温度と同温度での保持時間)を変えた。これらの変更点以外は、実施例2と同様にして。表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
酸化マグネシウム/酸化イットリウム=0.64(実施例43)では高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を示し、酸化マグネシウム/酸化イットリウム=0.60、0.57(実施例44および45)でも、実施例43にほぼ匹敵する特性を示した。実施例43~45における、焼結体としての実測マグネシウム含有量と実測イットリウム含有量の質量比は、それぞれ、実測マグネシウム含有量/実測イットリウム含有量=0.46、0.43および0.43であった。
なお、酸化マグネシウム/酸化イットリウム=0.57で高い熱伝導率と優れた機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)を実現できることは、実施例2、4~6、8、10、12および16、28、31および39で検証済である。
焼結助剤の添加量を5.5重量%とし、酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比、および焼結条件(最高保持温度)を変えた以外は、実施例8と同様にして。表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
酸化マグネシウム/酸化イットリウム=1.75(焼結体としての実測マグネシウム含有量と実測イットリウム含有量の質量比が実測マグネシウム含有量/実測イットリウム含有量=1.23)では、粗大β粒子の個数がやや多いためか、機械的特性(強度および破壊靭性値)が若干低下した。
焼結助剤の添加量をそれぞれ4.1重量%、3.5重量%および6.5重量%とした。酸化マグネシウムと酸化イットリウムとの重量比、ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および焼結条件(最高温度と同温度での保持時間)を変えた。これらの変更点以外は、実施例6と同様にして。表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。実施例47では焼結助剤の添加量がより好適な範囲内(焼結体としての実測マグネシウム含有量と実測イットリウム含有量とを合計した助剤由来の金属元素含有量は2.52重量%)であるため、実施例6にほぼ匹敵する熱伝導率と機械的特性(強度および破壊靭性値)を示した。一方、実施例48では、焼結助剤の添加量が4.0重量%よりもやや少ないため機械的時性(強度および破壊靭性値)が若干低下し、実施例49では、焼結助剤の添加量が6.0重量%よりもやや多いため熱伝導率が若干低下した。また、実施例48および49では、最大開口径もやや大きかった。
窒化ケイ素原料(比表面積15.5m2/g、酸素含有量1.40wt%、β型窒化ケイ素含有割合2.5質量%)、焼結条件(最高温度での保持時間)、および得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の表面研磨加工の条件を変えた以外は、実施例33と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
表面研磨加工におけるブラスト研磨の程度を弱くしたため、算術平均表面粗さRaは0.46μmとなり、機械的時性(強度および破壊靭性値)が若干低下した。また最大開口径もやや大きかった。
実施例51および52は、焼結助剤である酸化マグネシウム(MgO)と酸化イットリウム(Y2O3)の添加量を変えた例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結体の実測酸素含有量は実施例51では2.82重量%、実施例52では2.99重量%であり、焼結助剤の添加量を多くすると、酸素含有量が増加して、熱伝導率がやや低下した。さらに実施例52では、機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)も若干低下した。
さらに、焼結助剤の添加量を8.0重量%とした場合(焼結体としての助剤由来の金属元素含有量が5.18重量%または5.24重量%の場合)、実施例51および52では、熱伝導率または機械的特性(曲げ強度および破壊靭性値)が他の実施例よりも低下していた。
外観検査では、全ての実施例において色調ムラは観察されなかった。窒化ケイ素質焼結体板面のX線回折測定では、MgSiN2等のMg化合物の結晶相は検出されなかった。さらに、N-メリライト、H相、J相、K相などの希土類金属化合物の結晶相も検出されなかった。
比較例1および2は、窒化ケイ素原料として、比表面積が低い粉末または酸素含有量が低い粉末を使用した例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。比表面積または酸素含有量が低下することにより、得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の相対密度が低下し、その結果として、熱伝導率、曲げ強度、破壊靭性値などの特性が低下した。
比較例3は、窒化ケイ素原料として、酸素含有量が高過ぎる粉末を使用した例である。最高温度での保持時間は8時間とし、表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結体の実測酸素含有量は2.55重量%であり、窒化ケイ素原料の酸素含有量が高過ぎたせいか、β型窒化ケイ素粒子の粒成長が不足していた(500個/mm2未満)。酸素含有量が高過ぎることにより、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が減少し、熱伝導率が低下した。
窒化ケイ素原料を変え、アルミニウム含有量が50ppmの窒化ケイ素粉末を使用した例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結体の実測アルミニウム含有量が55ppmに上がると、熱伝導率が低下した。
比較例5は、焼結助剤である酸化マグネシウム(MgO)と酸化イットリウム(Y2O3)の添加量を変えた例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。焼結助剤の添加量を減らすと、得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の相対密度が低下した(焼結体の実測酸素含有量は1.34重量%)。
比較例6および7は、アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比を変えた例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比を下げると、得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の相対密度が低下した(比較例6)。また、比較例6および7で得られた窒化ケイ素質焼結体の実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との重量比(実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量)は、それぞれ0.15、2.33であったため、配合組成におけるアルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比が高過ぎても、低過ぎても、得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の特性が低下した。
比較例8~10は、焼結時のガス圧力が低過ぎる、最高保持温度が低過ぎるまたは最高保持温度が高過ぎるなど、焼結条件が不適切な例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。比較例9の焼結体の実測酸素含有量は2.50重量%であった。焼結条件が不適切であると、機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)が低下した。さらに、焼結時のガス圧力が低過ぎる場合や最高保持温度が低過ぎる場合には、焼結体の相対密度が低く、熱伝導率も低下した。
比較例11および12は、焼結時の最高温度での保持時間が短過ぎる、または長過ぎる例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。比較例11の焼結体の実測酸素含有量は2.48重量%であり、β型窒化ケイ素粒子の粒成長が不足していた(500個/mm2未満)。焼結条件(最高温度での保持時間が短過ぎる、または長過ぎる場合)が不適切であると、機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)が低下した。また、最高温度での保持時間が短過ぎる場合には、熱伝導率が低下した。
比較例13は、シート成形条件を変えて、表面における柱状のβ型窒化ケイ素の(101)面の回折強度I(101)と(210)面の回折強度I(210)の比I(101)/I(210)が0.95よりも大きくなった例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。β型窒化ケイ素粒子が厚み方向に対して無秩序に整列・配向すると、機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)が低下した。
比較例14は、アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比を変えた例である。最高温度での保持時間は25時間とし、表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比が高過ぎると、表2に記載された焼結条件(最高温度と同温度での保持時間)では、得られた窒化ケイ素質焼結体の実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との重量比(実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量)は1.40であった。粒成長が進み過ぎ、長さが10μmを超える粗大なβ型窒化ケイ素粒子の個数が10000個/mm2を超えたため、熱伝導率は上がったものの、機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)が低下した。
比較例15は、アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比が小さくて、焼結時の最高温度が高過ぎ、その保持時間が長過ぎる例である。アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比が小さ過ぎると、窒素ガス圧力を上げ、最高保持温度を上げ、その保持時間を長くしないと高密度な窒化ケイ素質焼結体が得られない。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。得られた窒化ケイ素質焼結体の実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との重量比(実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量)は0.23であった。助剤組成が不適切なため、より厳しい焼結条件を設定した場合には、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が著しく増加し(16000個/mm2)、機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)が著しく低下した。
また、窒素ガス圧力が高いことと最高保持温度が高いこととが相俟って、取り出した板状の窒化ケイ素質焼結体には析出結晶相の成長に伴う著しい色調ムラが発生していた。
比較例16は、シート成形条件を変えて、β型窒化ケイ素の(101)面の回折強度I(101)と(210)面の回折強度I(210)の比I(101)/I(210)を小さくした例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。β型窒化ケイ素粒子の配向度は制御できたものの、1800℃における保持時間がやや短いことおよび焼結体の実測酸素含有量がやや高いことと相俟って、粒成長が不足しており、柱状β型窒化ケイ素粒子の板面方向への配向により熱伝導率が低下した。
比較例17は、焼結時の最高温度での保持時間が短過ぎる例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。1800℃における保持時間が短過ぎると、窒化ケイ素質焼結体の相対密度が低下するばかりでなく、焼結過程における焼結助剤(酸化マグネシウムと希土類金属酸化物)や窒化ケイ素原料中のシリカ(SiO2)成分の蒸発が抑制された。このため、焼結体の実測酸素含有量は2.42重量%であった。保持時間が短過ぎるため、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が著しく減少し(460個/mm2)、熱伝導率および機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)の両方が低下した。
窒化ケイ素原料として、比表面積が8.9m2/g、酸素含有量が0.94重量%、体積基準の粒度分布測定により得られるメディアン径D50が0.87μmであり、最小粒子径が0.10μm、最大粒子径が6.5μmであり、同粒度分布測定における頻度分布曲線が二つのピークを有し、該ピークの小粒径側のピークトップが0.45μm、前記ピークトップの大粒径側のピークトップが1.5μmであって、前記小粒径側のピークトップの頻度と前記大粒径側のピークトップ頻度との比(粒子径0.45μmのピークトップの頻度/粒子径1.5μmのピークトップの頻度)が0.5である窒化ケイ素粉末を用いた。ドクターブレード装置を使用したシート成形における塗工速度、および焼結条件(最高保持温度と同温度での保持時間)を変えた以外は実施例2と同様にして、表1および表2に記載された条件にて、板状の窒化ケイ素質焼結体を得た。得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。
比表面積が低くて、酸素含有量も少ないため、焼結時の緻密化速度が遅く、最高保持温度1900℃、同温度での保持時間22時間という、高温-長時間の厳しい焼結条件でないと高密度な焼結体が得られなかった。このため、得られた窒化ケイ素質焼結体の実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との重量比(実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量)は0.25、実測酸素含有量は1.09重量%であった。より厳しい焼結条件が設定されたため、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が著しく増加し(20000個/mm2)、破壊靭性値は低かった。また、研磨された表面における開気孔率は1.8%、最大開気孔径は2.5μmであり、絶縁基板や回路基板への適用が難しいものであった。
比較例19および20は、窒化ケイ素原料として、低比表面積で低酸素含有量または高比表面積で高酸素含有量の粉末を使用した例である。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。低比表面積で低酸素含有量の窒化ケイ素原料の場合には、得られる窒化ケイ素質焼結体の相対密度が低下し、その結果として、熱伝導率および機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)の両方が低下した。高比表面積で高酸素含有量の窒化ケイ素原料の場合には、得られる窒化ケイ素質焼結体の相対密度は高くなったが、焼結体の実測酸素含有量は3.04重量%であり、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が著しく減少し(475個/mm2)。その結果として熱伝導率が低下した。機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)も低目の値であった。比較例20で得られた板状の窒化ケイ素質焼結体については、ブラスト研磨の後にラップ研磨加工を行い、算術平均表面粗さRaを0.04μmに下げた。
比較例21は、酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比を2.20に変えた例であり、酸化マグネシウムの添加量が増えている。焼結時の最高温度での保持時間を極度に短くして、3時間に設定した。表1および表2に記載された条件にて得られた板状の窒化ケイ素質焼結体の化学組成と特性を表2および表3に示す。酸化マグネシウムの添加量が多いため、得られた窒化ケイ素質焼結体の実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との重量比(実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量)は1.65で、実測酸素含有量は2.60重量%という高い値であった。焼結体の相対密度は上がったが、保持時間が短過ぎるため、長軸の長さが10μmを超えるβ型窒化ケイ素粒子の個数が著しく減少した(300個/mm2)。その結果として熱伝導率が低下した。機械的特性(曲げ強度と破壊靭性値)も低目の値であった。
また、相対密度が98%未満の比較例1、2、5、6、8、9および19、ならびに10μmを超える粗大粒子の個数が10000個を超える比較例15および18では、開気孔率が1.0%を超え、最大開口径も1.0μmを超えていた。
Claims (15)
- 板状の窒化ケイ素質焼結体であって、
焼結体としての実測アルカリ土類金属含有量と実測希土類金属含有量との比率が0.26≦実測アルカリ土類金属含有量/実測希土類金属含有量≦1.30であり、
実測アルミニウム含有量が50ppm未満であり、
相対密度が98%以上であり、
算術平均粗さRaが0.05μm以上0.5μm以下に研磨された表面にX線を照射した際に得られるβ型窒化ケイ素の(101)面の回折強度I(101)と(210)面の回折強度I(210)の比I(101)/I(210)が0.62以上0.95以下であり、
窒化ケイ素質焼結体の板面に垂直な切断面を観察したとき、柱状のβ型窒化ケイ素粒子の内、長軸の長さが10μmを超えるものの個数が、1mm2当たりに500個以上10000個以下であることを特徴とする板状の窒化ケイ素質焼結体。 - 板状の窒化ケイ素質焼結体が、厚さが1.5mm以下で、厚さ/面積比が0.015(1/mm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 実測酸素含有量が1.4重量%以上2.9重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- アルカリ土類金属酸化物が酸化マグネシウムであり、希土類金属酸化物が酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化スカンジウムおよび酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも一種の酸化物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 焼結体としての実測マグネシウム含有量と前記の実測希土類金属含有量とを合計した焼結助剤由来の金属元素含有量が1.8重量%~5.0重量%であることを特徴とする請求項4に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 算術平均粗さRaが0.06μm以上0.4μm以下に研磨された表面を有し、かつ前記表面における開気孔率が1.0%以下であり、開気孔の最大開口径が1.0μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 熱伝導率が室温において90W/(m・K)以上であり、4点曲げ強度が室温において900MPa以上であり、IF法(インデンテーション法)により測定した破壊靭性値KICが7.6MPa√m以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 焼結体としての実測マグネシウム含有量と前記の実測希土類金属含有量との比率が0.26≦実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量≦1.05であり、前記の実測マグネシウム含有量と前記の実測希土類金属含有量とを合計した焼結助剤由来の金属元素含有量が2.4重量%~4.0重量%であることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- β型窒化ケイ素の(101)面の回折強度I(101)と(210)面の回折強度I(210)の比I(101)/I(210)が0.69以上0.87以下であることを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 窒化ケイ素質焼結体の板面に垂直な切断面を観察したとき、柱状のβ型窒化ケイ素粒子の内、長軸の長さが10μmを超えるものの個数が、1mm2当たりに1000個以上5000個以下であることを特徴とする請求項9に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 熱伝導率が室温において100W/(m・K)以上であり、4点曲げ強度が室温において1000MPa以上であり、IF法(インデンテーション法)により測定した破壊靭性値KICが9.0MPa√m以上であることを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体。
- 窒化ケイ素原料として、比表面積が13.0m2/g以上、酸素含有量が1.2重量%以上2.3重量%以下であり、アルミニウム含有量が50ppm未満である窒化ケイ素粉末を含み、焼結助剤として、アルカリ土類金属酸化物と希土類金属酸化物との重量比が0.40≦アルカリ土類金属酸化物/希土類金属酸化物≦2.0を満足するような配合比で、アルカリ土類金属酸化物および希土類金属酸化物を、窒化ケイ素粉末と焼結助剤の合計重量を基準として3.2~7.0wt%含む出発組成物を調整し、
出発組成物から、塗工速度が0.13~0.3m/分に調整されたシート成形プロセスによりグリーンシートを作製し、
グリーンシートを、窒素含有ガス圧力が0.15~3MPaの加圧雰囲気下、最高保持温度が1790℃以上1880℃以下の温度範囲で6時間~20時間保持することによって焼結して、板状の窒化ケイ素質焼結体を得ること、
ここで、得られる板状の窒化ケイ素質焼結体は、実測アルカリ土類金属含有量と実測希土類金属含有量との比率が0.26≦実測アルカリ土類金属含有量/実測希土類金属含有量≦1.30であり、実測アルミニウム含有量が50ppm未満であり、実測酸素含有量が1.4重量%以上2.9重量%以下であり、相対密度が98%以上であることを特徴とする板状の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。 - アルカリ土類金属酸化物が酸化マグネシウムであり、希土類金属酸化物が酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化スカンジウムおよび酸化ルテチウムから選ばれる少なくとも一種の酸化物であることを特徴とする請求項12に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。
- 焼結助剤として、酸化マグネシウムと希土類金属酸化物との重量比が0.40≦酸化マグネシウム/希土類金属酸化物≦1.4を満足するような配合比で、酸化マグネシウムおよび希土類金属酸化物を窒化ケイ素粉末と焼結助剤の合計質量を基準として4.0~6.0wt%添加すること、
シート成形プロセスにより作製されたグリーンシートを窒素含有ガス圧力が0.15~0.9MPaの加圧雰囲気下、最高保持温度が1790℃以上1880℃以下の温度範囲で、当該最高保持温度にて6時間~20時間保持して焼結すること、
実測マグネシウム含有量と実測希土類金属含有量との比率が0.26≦実測マグネシウム含有量/実測希土類金属含有量≦1.05であり、実測アルミニウム含有量が50ppm未満であり、相対密度が98%以上である板状の窒化ケイ素質焼結体を製造することを特徴とする請求項13に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。 - 請求項1~11のいずれか一項に記載の板状の窒化ケイ素質焼結体を用いることを特徴とする絶縁基板又は回路基板。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018109737 | 2018-06-07 | ||
JP2018109737 | 2018-06-07 | ||
JP2018185626 | 2018-09-28 | ||
JP2018185626 | 2018-09-28 | ||
PCT/JP2019/022621 WO2019235593A1 (ja) | 2018-06-07 | 2019-06-06 | 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019235593A1 JPWO2019235593A1 (ja) | 2021-02-12 |
JP7062229B2 true JP7062229B2 (ja) | 2022-05-06 |
Family
ID=68769852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020523187A Active JP7062229B2 (ja) | 2018-06-07 | 2019-06-06 | 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7062229B2 (ja) |
WO (1) | WO2019235593A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114787105B (zh) * | 2019-12-11 | 2024-03-05 | Ube 株式会社 | 板状的氮化硅质烧结体及其制造方法 |
TW202140372A (zh) * | 2020-03-30 | 2021-11-01 | 日商電化股份有限公司 | 氮化矽粉末、以及氮化矽燒結體之製造方法 |
WO2021200830A1 (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | デンカ株式会社 | 窒化ケイ素粉末、及び窒化ケイ素焼結体の製造方法 |
JP7434208B2 (ja) * | 2020-07-29 | 2024-02-20 | 日本ファインセラミックス株式会社 | 窒化珪素基板およびその製造方法 |
CN112811912B (zh) * | 2021-01-20 | 2021-11-02 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种高性能氮化硅陶瓷基片的批量化烧结方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001064080A (ja) | 1999-06-23 | 2001-03-13 | Ngk Insulators Ltd | 窒化珪素焼結体及びその製造方法 |
JP2002029850A (ja) | 2000-07-17 | 2002-01-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化ケイ素焼結体とその製造方法 |
WO2006118003A1 (ja) | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Hitachi Metals, Ltd. | 窒化珪素基板、その製造方法、それを用いた窒化珪素配線基板及び半導体モジュール |
JP2011216577A (ja) | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Hitachi Metals Ltd | 窒化珪素基板の製造方法及び窒化珪素基板並びにそれを使用した回路基板 |
JP2019052072A (ja) | 2017-09-19 | 2019-04-04 | 株式会社Maruwa | 窒化ケイ素焼結体基板、電子装置、及び、窒化ケイ素焼結体基板の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63310771A (ja) * | 1987-06-12 | 1988-12-19 | Toyota Motor Corp | 窒化ケイ素焼結体 |
-
2019
- 2019-06-06 JP JP2020523187A patent/JP7062229B2/ja active Active
- 2019-06-06 WO PCT/JP2019/022621 patent/WO2019235593A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001064080A (ja) | 1999-06-23 | 2001-03-13 | Ngk Insulators Ltd | 窒化珪素焼結体及びその製造方法 |
JP2002029850A (ja) | 2000-07-17 | 2002-01-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化ケイ素焼結体とその製造方法 |
WO2006118003A1 (ja) | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Hitachi Metals, Ltd. | 窒化珪素基板、その製造方法、それを用いた窒化珪素配線基板及び半導体モジュール |
JP2011216577A (ja) | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Hitachi Metals Ltd | 窒化珪素基板の製造方法及び窒化珪素基板並びにそれを使用した回路基板 |
JP2019052072A (ja) | 2017-09-19 | 2019-04-04 | 株式会社Maruwa | 窒化ケイ素焼結体基板、電子装置、及び、窒化ケイ素焼結体基板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2019235593A1 (ja) | 2021-02-12 |
WO2019235593A1 (ja) | 2019-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7062229B2 (ja) | 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 | |
JP6822362B2 (ja) | 窒化珪素基板の製造方法、及び窒化珪素基板 | |
JP7062230B2 (ja) | 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 | |
KR101751531B1 (ko) | 질화 규소 기판 제조방법 | |
JP2009218322A (ja) | 窒化珪素基板及びその製造方法並びにそれを使用した窒化珪素回路基板及び半導体モジュール | |
JP2010208871A (ja) | 酸化アルミニウム焼結体、その製法及び半導体製造装置部材 | |
TWI746750B (zh) | 配向AlN燒結體及其製法 | |
JP7201103B2 (ja) | 板状の窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 | |
JP2005255462A (ja) | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びにそれを用いた回路基板 | |
JPWO2019163710A1 (ja) | 複合焼結体、半導体製造装置部材および複合焼結体の製造方法 | |
WO2018117162A1 (ja) | 透明AlN焼結体及びその製法 | |
JP6720053B2 (ja) | 窒化ケイ素焼結体の製造方法 | |
JP2012111671A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体加工物の製造方法 | |
JP2004262756A (ja) | 窒化ケイ素質粉末、窒化ケイ素質焼結体及びこれを用いた電子部品用回路基板 | |
JP2022166447A (ja) | 窒化ケイ素焼結体 | |
KR20210078722A (ko) | 열물리적 특성이 개선된 질화알루미늄 소결체 및 그 제조방법 | |
JPWO2020090832A1 (ja) | 窒化ケイ素基板の製造方法および窒化ケイ素基板 | |
JP7339979B2 (ja) | 窒化ケイ素焼結体の製造方法 | |
JP7339980B2 (ja) | 窒化ケイ素焼結体の製造方法 | |
JP7278325B2 (ja) | 窒化ケイ素焼結体 | |
JP7201734B2 (ja) | 窒化ケイ素焼結体 | |
JP6721793B2 (ja) | 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 | |
WO2024084631A1 (ja) | 窒化ケイ素焼結体 | |
JP2003020282A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体、その製造方法及び用途 | |
JP4912530B2 (ja) | 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210921 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7062229 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |