JP2005255462A - 窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びにそれを用いた回路基板 - Google Patents

窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びにそれを用いた回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 100W/(m・K)以上の熱伝導率と600MPa以上の曲げ強度を兼ね備えた窒化珪素質焼結体とその製造方法、回路基板を提供する。
【解決手段】 MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなり、この焼結体は窒化珪素粒子と粒界相とからなり、焼結体中の総酸素量は2.5質量%以下、粒界相には少なくともLuSi結晶が析出している窒化珪素質焼結体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高強度で電気絶縁性と高熱伝導性に富んだ窒化珪素質焼結体及びその製造方法に関する。また、高耐圧、高電流のパワーモジュール等の回路搭載用窒化ケイ素基板に用いて構成される高強度・高熱伝導性に優れた回路基板に関する。
近年、高周波トランジスタ、パワーIC等の発熱量の大きい半導体素子の発展に伴い、電気絶縁性に加えて良好な放熱特性を得るために高い熱伝導率を有するセラミックス基板の需要が増加している。このようなセラミックス基板として、窒化アルミニウム基板が用いられているが、機械的強度や破壊靭性等が低く、基板ユニットの組立て工程での締め付けによって割れを生じるといった問題がある。また、Si半導体素子を窒化アルミニウム基板に実装した回路基板では、Siと窒化アルミニウム基板との熱膨張差が大きいため、繰り返し熱サイクルにより窒化アルミニウム基板にクラックや割れを発生し実装信頼性が低下するという問題もあった。
そこで、窒化アルミニウム基板より熱膨張率がSiに近く高熱伝導で、かつ機械的強度、破壊靭性および耐熱疲労特性に優れる窒化珪素質焼結体からなる基板(以下、窒化珪素基板と言う)が注目され検討されている。回路基板としては、この窒化珪素基板の一面或いは両面にCu回路板やAl回路板を共晶温度以上の温度に加熱し、生成したCu−O、Al−O共晶化合物液相を接合剤として回路板を直接接合する、いわゆるDBC(Direct Bonding Cupper)法、あるいはTi、ZrまたはHf等の活性金属を含有するAg−Cu合金やAl−Si合金によるろう材を用いて接合する活性金属ろう材法によるものが提案されている。
しかしながら、窒化珪素質焼結体は熱伝導率がまだ低く、パワーモジュールに使用するには改善が求められている。窒化珪素は共有結合性の強い物質であり、単独で緻密化させるのは困難である。そこで、通常、高温で液相を形成する酸化物等の焼結助剤を加えて、液相焼結を行うことにより緻密化させる。このとき添加した焼結助剤の大部分は粒界相として残存する。従って、窒化珪素質焼結体の表面構造は、窒化珪素粒子と添加した焼結助剤を主成分とする粒界相とが分散した複合組織を形成していると言える。
この窒化珪素質焼結体の熱伝導率が低い理由の一つは、窒化珪素を緻密化させるために添加した焼結助剤成分の一部が粒界相に偏在するため、フォノンが散乱されることが原因と考えられている。例えば、Alと酸素は窒化珪素粒子に固溶しサイアロンを形成するために著しく熱伝導率を低下させてしまう。また、窒化珪素質焼結体は、窒化珪素粒子と粒界相より構成されているが、窒化珪素粒子自体は高い電気絶縁性を有しているものの粒界層は電気絶縁性に影響を与え、その残存量や組成に熱伝導率、電気絶縁性は依存すると言える。
一方、窒化珪素質焼結体を回路搭載用の基板として用いた場合、基板表面に焼結助剤成分からなる粒界相が多く存在すると、活性金属ろう材法の場合、強度を支配するTiN相に加え粒界相に溶解したSi成分が粒界相を通じて拡散し、過剰なTi成分と反応して5Ti+3Si→TiSiの反応によりTiケイ化物を形成する。このTiケイ化物は低強度であるのみならず、熱膨張係数は9.5×10−6/KとSi34の熱膨張係数3.2×10−6/Kの約3倍も大きい。このため、窒化珪素とTiケイ化物間で熱膨張係数差に起因する界面剥離が生じ、著しい接合強度の低下を招く。
また、直接接合法では接合界面に生成する酸化膜相が接合強度を支配するが、この酸化膜は焼結助剤成分とSiOとのシリケ−ト結晶相およびガラス相からなり、例えばYを焼結助剤とした場合はY・2SiO相及びY−SiO系ガラス相を生成する。接合界面において助剤成分からなる粒界相量が多くなると、界面のガラス相の生成割合が高くなり、これに伴い接合強度は向上する。しかしながら、更に粒界相量が増大すると低強度であるシリケ−ト相の生成割合が大きくなり、強度は著しく低下する。このように何れの接合法を用いるにしても、回路基板としたときの破壊靭性、耐熱サイクル性等の信頼性が必要とされ、これには粒界相の適正な組成や比率が存在すると考えられる。
以上のことより、窒化珪素質焼結体では、焼結助剤の種類や含有量、また焼成時の原料粉と助剤添加量、温度、雰囲気などの製造条件により粒界相の組成、形成比率が異なり、それにより熱伝導性と電気絶縁性、また接合強度等が大きく変化するという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1では、窒化ケイ素86〜99mol%、イットリウム及びランタノイド属の希土類元素からなる群から選ばれる1種以上を酸化物換算で1〜10mol%、更にLi、Mg、Ca、Ti、Zr、Hfから選ばれる1種以上を酸化物換算で0〜4mol%含有し、体積抵抗率が1×1012Ω・m以上である窒化ケイ素質焼結体が提案されている。
また、特許文献2では、窒化珪素を75〜95モル%、希土類元素、Mg及びSiが酸化物換算の合量で5〜25モル%、MgOに対するRE23のモル比RE23/MgOが0.3〜10の絶縁焼結体でなり、窒化珪素を主結晶相とし、該主結晶相の粒界相に、希土類元素(RE)、Mg及びSiを含み、熱伝導率が60W/mK以上の窒化ケイ素質焼結体からなり、この焼結体の内部の粒界相が少なくともSi34−RE23−SiO2系結晶相を含み、表面の粒界相が実質的にメリライト相からなる窒化珪素焼結体を開示している。
特開2002−29849号公報 特開2002−356376号公報
従来技術のうち、特許文献1では、希土類元素の焼結助剤について、Y、Erの酸化物もしくはそれらと他の希土類元素の酸化物を組合わせて用いることを推奨している。その結果、90W/(m・K)以上の熱伝導率が得られている。しかしながら、電気絶縁性には優れるものの高熱伝導性と機械的強度については満足できるものではなかった。また、希土類酸化物の焼結助剤と希土類酸化物以外の焼結助剤の添加量において、希土類酸化物の方を主体として用いたRE基としている。このような場合、融点が高く、回路基板となすとき、特に直接接合法ではガラス相の生成と粒界相量とのバランスが崩れると接合強度に悪影響を与えると言う問題がある。
また、特許文献2では、焼結体内部の粒界相をSi34−RE23−SiO2系結晶相とメリライト相(RESi)の二相となし、表面の粒界相についてはメリライト相(RESi)となすことにより、ろう材との濡れ性を高め焼結体基板とCu板の接合強度を高めることに重点を置いている。しかしながら、焼結助剤としてSiO2粉末を添加し、この結晶相が内部の粒界相まで介在することからTiケイ化物の生成による影響を受けて粒界破壊による強度上の問題がある。またメリライト相が表面にあることにより熱伝導率が低く60W/(m・K)前後でしかない。
以上のことより、本願発明は高熱伝導性と高強度を持つ窒化珪素質焼結体を提供するもので、より具体的には100W/(m・K)以上の熱伝導率と600MPa以上の曲げ強度を兼ね備えた窒化珪素質焼結体とその製造方法となし、またこれによる窒化珪素基板を用いて接合強度や耐熱サイクル性に優れた回路基板を提供することを目的とする。
窒化珪素質焼結体の焼結助剤としては、各種元素の酸化物が知られているが、本発明では希土類酸化物と希土類酸化物以外の焼結助剤の種類と含有量を特定することにより、同時に焼結体内の総酸素量を特定することにより、またさらに粒界相の結晶相構成を特定することにより、高熱伝導率で高強度の窒化珪素焼結体が得られることを知見し本発明に至った。
即ち、本発明は、MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなる窒化珪素質焼結体である。
また、本発明は、MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなり、当該焼結体中の総酸素量が2.5質量%以下である窒化珪素質焼結体である。
また、本発明は、MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなり、当該焼結体は窒化珪素粒子と粒界相とからなり、当該粒界相に少なくとも(RE、Lu)Si結晶が析出している窒化珪素質焼結体である。尚、上記(RE、Lu)Si結晶は、RESi結晶あるいはLuSi結晶の何れか又は両方の存在を示している。
本発明において、複合的に含有するYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素としては、Gdが望ましく、酸化ガドリウム(Gd2)換算で0.12〜1.30mol%含有していることが好ましい。
本発明の窒化珪素質焼結体においては、焼結体中の総酸素量が2.5質量%以下となっていることによって、より好ましい高熱伝導性と高強度特性を示す。
また、焼結体の窒化珪素粒子と粒界相の合計面積率を100%とすると、前記粒界相の面積率を1〜25%となすことによって、より好ましい高熱伝導性を示す。
また、本発明の窒化珪素質焼結体において、その窒化珪素粒子内に、MgあるいはLuとO元素とを含む粒径100nm以下の微細粒子が存在すること、及び透過型電子顕微鏡(TEM)による直接倍率10,000倍以上の観察像において、窒化ケイ素粒子内に粒径100nm以下の前記微細粒子が5個/μm2以上存在することが望ましい。これにより窒化珪素粒子自身の高熱伝導性の向上がみられる。
本発明は、含有酸素量2.0質量%以下のα型窒化珪素原料粉に、酸化ルテチウム(Lu)を0.35〜1.60mol%、酸化マグネシウム(MgO)を1.70〜10mol%、Lu以外でYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素の酸化物を0.39〜1.5mol%配合し、成形体となした後、るつぼ中で2000℃以下の温度で0.5MPa以上の窒素加圧雰囲気にて焼結するもので、当該焼結中に成形体中の酸素量の10%以上が揮発するようにした窒化珪素質焼結体の製造方法である。
ここで、前記揮発酸素量の調整は、るつぼの密閉度、焼結時間、焼結雰囲気制御剤の投入の何れか1つあるいは2つ以上の組合わせにより行うことができる。
本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法において、前記含有酸素量2.0質量%以下のα型窒化珪素原料粉99〜50重量部に、β分率が30〜100%で、酸素含有量が0.5wt%以下、平均粒子径が0.2〜10μm、アスペクト比が10以下であるβ型窒化珪素質粉末1〜50重量部を添加する、いわゆる種結晶を加えることは望ましい方法である。
また、本発明は、上記した窒化珪素質焼結体を用いて回路搭載用窒化ケイ素基板となし、この基板の少なくとも一面にAl回路板あるいはCu回路板をろう材相又は酸化膜相を介して接合してなる回路基板である。
本発明によれば、機械的強度に優れると共に、100W/(m・K)以上の熱伝導率と600MPa以上の曲げ強度を兼ね備えた窒化珪素質焼結体を得ることができる。これを用いた窒化珪素基板は、回路板との接合強度が高く高強度・高熱伝導性に優れた信頼性の高い回路基板となる。よって、半導体搭載用回路基板、特に大電流を必要とするパワーモジュール用回路基板に適している。
本発明の窒化珪素質焼結体は、焼結助剤としてMgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を含んでいる。特に出発原料においてはMg量を主とするMgO基とすることでその後の焼結性が向上し、かつMgOとLu23が特定量と特定比を持って複合的に介在することで高熱伝導かつ高強度な焼結体を得ることが出来る。この理由は、粒界相に生成されるガラス相の支配が抑制され結晶化化合物を生成し易くする特性が発現される為である。このとき粒界相は、ガラス相のみからなるものと、結晶相のみからなるものとが存在し、例えば(RE、Lu)MgSiのガラス相と(RE、Lu)Siの結晶の二相構造となっている。このうちRESi結晶及び/又はLuSi結晶の存在により、特にLuを含む結晶化化合物が析出することにより、熱伝導率が向上すると考えられる。LuSi結晶は、融点が1850℃以上と高いため結晶化し易いためであると考えている。また、破壊モードを見るとLuが入らないものでは粒界破壊が支配的であるのに対し、Luが入ると粒内破壊に移行しSi34並みの強度を確保できる。ここで、Luは酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%含有している。0.14mol%未満では粒界相が結晶化し難く熱伝導率が低下する。一方1.30mol%以上となると焼結性が悪くなり強度不足となる。望ましくは0.15〜1.00mol%、さらに望ましくは0.2~0.6mol%である。
焼結体中に含有するMg量は、酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%とする。0.03mol%未満では焼結助剤の作用として不十分で、焼結体密度が低密度となり、8.0mol%以上では粒界にガラス相が多く残り低熱伝導率となる。望ましくは0.04〜5.00mol%、さらに望ましくは0.05〜1.5mol%である。希土類酸化物とともに酸化マグネシウムMgOを添加する利点は、液相生成温度を低下させ、焼結性を改善できることにある。そして、本発明では出発原料中のMgOの添加量は1.70〜10mol%とし、希土類酸化物との添加比RE/MgOを1以下、望ましくは0.3〜0.5とする。これにより、焼成過程の1700℃前後では、Mg−Si−O−Nより成るガラス相を形成し、窒化珪素の焼結を促進する。その後1800〜2000℃の最高保持温度では、窒化珪素の緻密化が進むのと同時に、粒界相中のMgはMgOとなり焼結体から揮発する。またこのときSiもSiOとなって揮発する。焼結の進行に従い、粒界相中のMg、Siが減少するため融点の低い液相が減少する一方、Luが存在するため融点の高い液相が多くなり、粒界相が結晶化しやすくなる。そして、上記したLuSi結晶を優先的に析出させる作用をなす。
従って、焼結後の焼結体中のMgOの含有量は減少した結果、0.03〜8.0mol%となし、希土類酸化物との含有量比RE/MgOは0.3〜9.5となすことが良い。
焼結助剤としてはMgとLuの複合添加は有用であるが、さらに窒化珪素粒子に対する固溶度が小さく、熱伝導率を高い水準に保つことができる元素を、Yを含む希土類元素(RE)から選択して添加することが望ましい。例えば、Y、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選択される少なくとも1種の希土類元素が挙げられる。そのうち、温度および圧力が高くなり過ぎずに焼成ができる点でY,La,Ce,Nd,Sm,Gd,Dy,ErおよびYbが好ましく、特に窒化珪素粒内でナノ粒子化し易く、そのナノ粒子が固溶しにくい点でGdが好ましい。さらに、粒界相中で(Gd、Lu)LuSi結晶の析出が促され熱伝導率の高いものが得られる。酸化ガドリウムの含有量は、(Gd2)換算で0.12〜1.30mol%であり、0.12mol%未満では粒内でのナノ粒子の生成数が小さく低熱伝導となり、1.30mol%以上では焼結し難く、低強度となる。望ましくは0.2〜1.5mol%、さらに望ましくは0.2〜1.0mol%である。
次に、本発明において上記した焼結助剤の原料への添加量の比と、焼結体中の含有量の比についてみると、出発原料へ添加するMgOと、希土類元素の酸化物REの合計添加量との関係比は、添加量においてはRE/MgO<1のMgO基の関係を満足させる。一方、焼結後の焼結体中の含有量の関係比は、9.5>RE/MgO>0.3、特に3〜8.5のRE基の関係としている。即ち、このことはREとMgOからの脱酸素、特にMgOからの酸素の揮発、排出を促すことを意図しており、その指標となる。これらによって、焼結体中の総酸素量は2.5質量%以下となるように制御することが重要となる。2.5質量%以上では熱伝導率が100W/mK以上のものを得ることが出来ない。望ましくは2.0質量%以下であり、より望ましくは1.5質量%以下である。
また、本発明では焼結体中の窒化珪素粒子と粒界相の合計面積率を100%とすると、前記粒界相の面積率を1〜25%としている。これは、上述したように基本的に粒界相の量が多すぎるとフォノンの散乱による熱伝導率の低下が起こってしまうからである。粒界相の面積率が1%以下であると、粒界に存在する液相が少なくなり、焼結性が低下し得られた焼結体が低密度となる。一方、25%以上であると、焼結体は高密度となるが、粒界相中のガラス相が増加するため熱伝導率が低下する。
さらに、本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素粒子内にMgあるいはLuとO元素とを含む粒径100nm以下の微細粒子が存在することを特徴としている。このとき、透過型電子顕微鏡(TEM)による直接倍率10,000倍以上の観察像において、窒化珪素粒子内に粒径100nm以下の前記微細粒子が5個/μm2以上存在することが望ましい。この微細粒子は、焼成過程で窒化珪素粒子の粒成長とともに極微量ではあるが粒内に取り込まれた助剤成分が、窒化珪素粒子内に再析出したものであり、窒化珪素粒子自身の高熱伝導化に寄与する。この理由は、微細粒子は助剤成分とSi、OおよびNから構成されるが、Mg元素のイオン(Mg2+)半径は0.07nmと、窒化珪素粒子を構成するSi元素のイオン半径0.04nmに比較的近く、酸素と共に窒化珪素粒子内に固溶する形態が安定である。一方、希土類元素酸化物REでは、Yb以上の希土類元素のイオン半径は0.09nmでありSiのイオン半径0.04nmの2倍以上であり、またMgのイオン半径0.07nmと比較しても大きい。従って、窒化珪素粒子内に固溶するよりも析出した形が安定している。
一方、焼結体の高熱伝導化は、窒化珪素粒子自身の熱伝導率が多く関与していることは上述したとおりである。窒化珪素粒子自身の熱伝導率を低下させる阻害要因としては、粒内転位ならびに固溶元素がある。阻害要因のうち、粒内の固溶元素は焼結過程における液相生成段階でSi、Nおよび助剤成分からなるSi−N−O−Mg−REを生成し、更に粒成長段階で比較的小さな粒子がこの液相に溶解して、続いてSi、Nが大きな粒子の表面に再析出して粒成長が進行する。この際にSi、Nに混じってMg、REの助剤成分および酸素(O)も粒子内部に取り込まれる。上述した様に元素のイオン半径が小さい程、この傾向は大きくなる。よって、焼結後の最終のミクロ組織を構成する窒化珪素粒子内には、極微量の助剤成分および酸素が微細粒子に存在する。この固溶元素は例えばYb、Lu等の比較的イオン半径の大きい希土類元素であり、これらを窒素化珪素粒子内部に微細に析出させれば、微細粒子の周りは高純度化され、粒子自身の熱伝導率はさらに上昇する。しかしながら、焼結後の窒化珪素粒子内への固溶元素量が多い場合には、微細粒子析出による粒子の高純度化作用は起こらない。そのため、微細粒子を析出させるためには、焼結体の緻密化が達成できる範囲においては、焼結体において希土類元素酸化物(RE)基、即ち、8.5>RE/MgO>3.5程度になっていることが好ましい。尚、ここで、微細粒子の粒子径が100nm超となると、それに伴い、窒化珪素粒子内に析出する100nm超の微細粒子の数が著しく増加する。微細粒子は、Si−N−O−Mg−REからなるガラス相で構成されており、これ自身の熱伝導率は低い。このため、100nm超の微細粒子の存在が多くなると、逆に窒化珪素粒子自身の熱伝導率向上が達成できない。したがって、微細粒子は粒径100nm以下に制御することが肝要である。
次に、本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法について説明する。
まず、含有酸素量2.0質量%以下のα型窒化珪素原料粉を用いたのは、一般に原料粉末の酸素量が高いほど窒化珪素質粒子内に固溶する酸素量が高くなる。窒化珪素粒子中に含有される酸素により熱伝導媒体であるフォノンの散乱が発生し、窒化珪素質焼結体の熱伝導率が低下することからして、酸素量は極力少なくし2.0質量%以下、望ましくは1.5質量%以下に抑える必要がある。尚、下記する種結晶としてβ型窒化珪素原料粉末を混合する場合は、成長核として用いるβ粉末の酸素量に強く依存し、この酸素量が高いほど窒化珪素粒子内に固溶する酸素量が高くなる。よって、β型窒化珪素原料粉末を混合する場合は、さらに少なくして含有酸素量を0.5質量%以下に抑えることが重要である。
また、窒化珪素質原料粉末中のFe含有量およびAl含有量がそれぞれ100ppmを超えては窒化珪素粒子内にFeまたはAlが顕著に固溶し、固溶部分で熱伝導媒体であるフォノンの散乱を生じ、窒化珪素質焼結体の熱伝導率を著しく低下させる。従って、原料粉末中のFe含有量およびAl含有量をそれぞれ100ppm以下に制御することも重要である。
原料粉に添加する焼結助剤としては、酸化ルテチウム(Lu)を0.35〜1.60mol%、酸化マグネシウム(MgO)を1.70〜10mol%、酸化ルテチウム以外でYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素の酸化物を0.39〜1.5mol%の所定量を秤量し、これを上記窒化珪素原料粉に添加する。この原料粉をボールミル等で均一に混合し混合粉末とする。これを従来公知の方法で成形体とした後、るつぼ中で2000℃以下の温度、0.5MPa以上の窒素加圧雰囲気中で焼結する。焼成温度は、1500℃以下では緻密化不足を起こし、2000℃超えでは粒成長が進みすぎてどちらにしても強度不足となる。焼成温度は1800〜2000℃が望ましく、さらには1850〜1950℃である。また、焼成雰囲気に関しては、窒化珪素の分解を抑えるため、窒素圧が高い方が好ましいが1MPa以上では焼成炉の設備上のコスト負担が大きく好ましくない。他方0.5MPa以下では窒化珪素の分解が起きる。それ以上であれば良いが0.6〜0.95MPaの窒素加圧中が望ましい。焼成時間に関しては5時間未満では緻密化不足が発生しやすく、40時間を超える長時間の焼成はコスト的に問題がある。ここで重要なことは、焼結中に成形体中の酸素量の10%以上が揮発するように焼成工程を調節することである。揮発酸素量の調整は、るつぼを2重るつぼに構成したり、その大きさを変化させて密閉度を調節する手段、また焼結時間を長くするほど酸素量は減少するので焼結時間で調節する手段、またあるいは詰め粉と言われる焼結雰囲気制御剤の投入量により調節する手段、またこれらの手段の組合わせをとることが考えられる。
また、上記した製造方法において、β分率が30〜100%の窒化珪素粉末を1〜50重量部添加する方法をとっても良い。β分率が30〜100%の窒化ケイ素質粉末の比率が1重量%未満では成長核としての効果はあるものの、添加量が少ないために作用する成長核の数が少なく、異常粒成長が起こりミクロ組織中に大きな粒子を均一分散できなくなり、曲げ強度が低下する。また、50重量%を超えては成長核の数が多くなり過ぎ、粒成長の過程で粒子同士が互いに衝突するため成長阻害が起こり、強度は維持できるものの発達した柱状粒子からなる窒化珪素質焼結体のミクロ組織を得られず、高い熱伝導率は困難となる。また、窒化珪素質原料粉末の平均粒子径が0.2μm未満では柱状粒子が均一に発達したミクロ組織を得られず、熱伝導率および曲げ強度を高めることが困難である。10μmより大きいと焼結体の窒化珪素質の緻密化が阻害される。アスペクト比は10を超えると窒化珪素質焼結体の緻密化が阻害され、結果として常温における3点曲げ強度は600MPaを得ることが出来ない。
本発明の窒化珪素質焼結体からなる基板は高強度、高靭性ならびに高熱伝導率の特性を生かして、パワ−半導体用基板またはマルチチップモジュ−ル用基板などの各種基板、あるいはペルチェ素子用熱伝板、または各種発熱素子用ヒ−トシンクなどの電子部品用部材に好適である。例えば半導体素子搭載用基板として用いた場合、半導体素子の作動に伴う繰り返しの熱サイクルを受けたとき基板のクラックの発生が抑えられ、耐熱衝撃性並びに耐熱サイクル性が向上し、信頼性に優れたものとなる。また、高出力化および高集積化を指向する半導体素子を搭載した場合でも、熱抵抗特性の劣化が少なく、優れた放熱特性を発揮する。窒化珪素基板とCu、Alの金属回路板の接合方法に関しては、上述したように、窒化珪素基板と回路板とを不活性ガス或いは窒素雰囲気中で加熱し、基板と回路板を酸化膜相を介して直接接合する直接接合法、またはTi、Zr等の活性金属と低融点合金を作るAg、Cu等の金属を混合又は合金としたろう材を用いて基板と回路板をろう材相を介して不活性ガス又は真空雰囲気中で加熱圧着する活性金属法等を利用して製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
平均粒径が0.7〜1.2μm、酸素量が0.5〜2.0質量%のα型窒化珪素質粉末を用意し、これに焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO)と酸化ルテチウム(Lu23)、及び酸化ガドリウム(Gd2)をそれぞれ酸化物換算で表1に示す量だけ添加し100%となした出発原料を作製した。これに2質量%の分散剤(商品名:レオカ゛-ト゛GP)を配合し、エタノールを満たしたボ−ルミル容器中に投入し、混合した。得られた混合物を真空乾燥し、次いで目開き150μmの篩を通して造粒した。次に、プレス機により直径46mm×厚さ6.5mmのディスク状の成形体を圧力3tonのCIP成形により得た次いでこの成形体をるつぼ中に置いて焼成温度1800〜2000℃、焼成圧力0.5〜0.9MPa(5〜9気圧)の窒素ガス雰囲気中で5〜40時間焼成した。なお、焼結工程において、昇温時1400〜1800℃の温度で1〜10時間にわたる保持工程を設け、かつこの保持温度から前記焼結温度までの昇温速度を5.0℃/min以下とした。個々の試料の製造条件は表1の試料No1〜10の欄に示す。
得られた窒化珪素質焼結体中のMgO、Lu23、Gd2の含有量をICP分析により測定した。また、焼結体中の総酸素量についてはガス分析により測定した。そして、酸素揮発率は100×((焼結体中の総酸素量―出発組成中の酸素量))/(出発組成中の酸素量)により算出した。
得られた窒化珪素質焼結体の粒界相について、Cu-Kα線でX線回折を行った(理学電気製、RINT-2500)。以上の結果を図1に示す。また、図2、3は各々、結晶相およびガラス相からなる粒界相のTEM観察象及びその模式図を示す。
得られた窒化珪素質焼結体の断面を研磨し、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製S-4500)で観察し、観察視野17μm×21μm中に100ヶ以上存在する粒界相を画像解析し、粒界相の面積率を調べた。
また、得られた窒化珪素質焼結体のうち試料No5,6,7,9,51,52,53については窒化珪素粒子のミクロ観察を行った。透過型電子顕微鏡(日立製作所製HF2000)にて観察倍率×10,000倍から600,000倍で行った。そしてμm2の視野内に粒径100nm以下の微細粒子の個数をカウントした。図4は、本発明の窒化珪素焼結体(表1中の試料No7の試料)のTEM観察像の写真及びその模式図である。
さらに、得られた窒化ケイ素質焼結体から、5mm×厚さ3mmの熱伝導率および直径20mm×厚さ3mmの密度測定用の試験片、ならびに縦0.6mm×横4mm×長さ12mmの曲げ試験片を採取した。密度は、熱伝導率測定用試験片ではマイクロメ−タにより寸法を測定し、また重量を測定し算出した。熱伝導率はレーザーフラッシュ法により常温での比熱および熱拡散率を測定し熱伝導率を算出した。3点曲げ強度は常温にてJIS R1606に準拠して測定を行った。
以上の製造条件の概略および評価結果を、表1の試料No.1〜10に示す。
(比較例)
表1の試料No.51〜53に示す焼結助剤の組成とした出発原料を用いて、それ以後の製造条件は実施例1と同様にして製造した。また評価方法も実施例1と同様に行った。以上の製造条件の概略および評価結果を、表1の試料No51〜53に示す。
Figure 2005255462
表1において試料No1は、焼結助剤の出発組成をLu23;0.4mol%、MgO;1.7mol%、Gd2;0.4mol%とし、焼結条件を温度1950℃、時間を30Hr、窒素圧力0.6MPa、1重ルツボとし、さらに詰粉としてC(カーボン)添加詰粉を使用して焼結を行った。ここで、詰粉C−SN−BNとは、窒化珪素粉末(SN):50重量部、窒化ホウ素粉末(BN):25重量部の混合粉末を表している。その結果、熱伝導率115W/m・K、曲げ強度679MPaが得られた。
試料No2は、時間を5Hr、窒素圧力0.9MPa、さらに2重ルツボ、詰粉としてSi(シリコン)添加詰粉を使用して焼結した。この場合、焼結時間を短くしたので焼結体中の酸素揮発量は少ないが、これでも熱伝導率102W/m・K、曲げ強度860MPaが得られた。
試料No3は、出発組成がLu23;0.6mol%、MgO;3.5mol%、Gd2;0.6mol%とし、温度1900℃、時間10Hr、窒素圧力0.5MPa、1重ルツボで、SN-BN詰粉を使用して焼結した。また、試料No4は、No3と同一の出発組成で、温度を1800℃、窒素圧力を0.9MPa、2重ルツボで焼結した。2重ルツボの場合、気密度が高く酸素揮発量が少なくなったが、試料No3、4ともに100W/m・K以上の熱伝導率、600MPa以上の曲げ強度が得られた。
試料No5〜8は、出発組成がLu23;1.1mol%、MgO;7mol%、Gd2;1.2mol%とし、焼結条件の温度を1850℃〜2000℃、時間を5Hr〜40Hrと変えて焼結した。その結果、熱伝導率、曲げ強度それぞれ100W/m・K以上、600MPa以上のものが得られた。
試料No9、10は出発組成がLu23;1.5mol%、MgO;10mol%、Gd2;1.5mol%とし、焼結条件はそれぞれ1950℃、1900℃、時間を30Hr、5Hr、窒素圧力を0.7、0.9MPa、密閉度を1重ルツボ、2重ルツボと変えて焼結した。この実施例では粒界相の大部分がガラス相であったが、その中にもLuSi結晶相が存在していたので、その結果、各々の試料とも熱伝導率100W/m・K以上、曲げ強度600MPa以上のものが得られた。
比較例である試料No51は、出発組成をLu23;0.2mol%、MgO;0.9mol%、Gd2;0.2mol%とし、焼結条件を温度1950℃、時間20Hr、窒素圧力0.7MPa、SN-BN詰粉で焼結した。このとき、焼結体中の組成はLu23;0.10mol%、MgO;0.02mol%、Gd2;0.1mol%となり、熱伝導率110W/m・Kであったが、曲げ強度が400MPaであった。この理由は、出発組成のMgO量が0.9mol%と少なく、さらに焼結過程でMgOが揮発してしまい焼結不良を起こし、低密度となったためと考えている。
試料No52は、Lu23;1.6mol%、MgO;13mol%、Gd2;1.6mol%とし、焼結条件を温度1950℃、時間5Hr、窒素圧力0.7MPa、SN-BN詰粉で焼結した。このとき、焼結体中の総酸素量が3.3質量%となり、(Gd、Lu)Si結晶は存在していなかった。また、粒界相面積率が30%と高いものであった。その結果、熱伝導率は85W/m・Kしか得られなかった。
試料No.53は、Lu23を含まない出発組成とし、焼結条件は試料No7と同一とした。その結果、焼結体中には(Gd、Lu)Si結晶が存在せず、熱伝導率は90W/m・Kであった。
以上のように、焼結体中のMgO、Lu23、Gd2の含有量が規定範囲内であり、焼結体中の焼結助剤成分の含有比(RExOy/MgO)が0.3〜9.5、特に6.0以上の数値で、且つ総酸素量が2.5質量%以下である実施例については、いずれも115W/(m・K)以上の熱伝導率と620MPa以上の曲げ強度が得られた。また、揮発酸素量は10%以上が必要であり、10%以下であると熱伝導率は100W/mK以下となってしまう。
また、図2に示すように粒界三重点の粒界相中にはLuSi結晶Cが析出していることが確認された。尚、粒界相中に存在する結晶C以外の結晶としては、LuSi、LuSiO、SiO、GdSiO5が挙げられる。
一方で図3は別の粒界相を示しているが、この三重点には結晶は見られずガラス相しかない。この様に2種類の粒界相が存在しているが、少なくとも粒界相中に(RE、Lu)Si結晶が見られる場合は、熱伝導率の向上効果が見られる。実施例の各試料には図2に示すような結晶化した粒界相の存在があり、図1のX線ピーク強度を見たところ約30°、32°、34.5°付近にLuSi結晶(図1中段)のピークPが現われていた。その他の結晶相としてはGdSiO5結晶が現われており、粒界相に占めるこれら結晶の割合は20%以上であると考えられる。上述したように粒界相は、結晶相とガラス相の二相構造になっているが、REおよび/またはLu、特にLuの入った結晶相が見られると、熱伝導率が向上するものと考えられ、Luが存在することでガラス相が結晶化し易くなる効果があると考える。また、これらの粒界相面積率は1〜25%の範囲にあり、粒界相面積率が1%以下であると、粒界に存在する液相が少なくなり、焼結性が低下し得られた焼結体が低密度となる。一方、25%以上であると、焼結体は高密度となるが、粒界相中のガラス相が増加するため熱伝導率が低下することが分かる。
また、図4に示すように窒化珪素粒子内に微細粒子が認められた焼結体については、いずれも120W/(m・K)以上の熱伝導率と620MPa以上の曲げ強度が得られた。しかも微細粒子の存在割合が増すほど熱伝導率が向上する傾向が確認できた。微細粒子が認められた焼結体について用いた焼結助剤成分の含有比(RExOy/MgO)は1以上であった。一方、比較例で示すように本発明の条件外で且つ窒化珪素粒子内に微細粒子が認められない焼結体については、100W/(m・K)未満の熱伝導率となった。
尚、図4に点在する微細粒子は図の窒化珪素粒子中に15〜40nmの範囲で点在しており平均粒径は20nmであった。一方、試料No52、53の比較例について同様にミクロ観察を行ったがこの様な微細粒子は観察されなかった。
実施例1では希土類酸化物の焼結助剤として、酸化ルテチウム(Lu23)と酸化ガドリウム(Gd2)の組合わせを用いたが、実施例2では酸化ガドリウム(Gd2)に代えて表2に示す希土類酸化物を用いた。その後の製造方法及び特性評価については実施例1と同様に行った。出発原料と製造方法および評価結果を表2の試料No11〜18に示す。
Figure 2005255462
詳細な説明については省略するが、試料No11〜18は、出発組成をLu23;1.1mol%、MgO;7mol%、X(RE)2;1.2mol%(REはXとして表中に記載)とし、焼結条件は温度1950℃、時間20Hr、窒素圧力0.7MPa、1重ルツボ、SN-BN詰粉として焼結した。その結果、Gd2以外の表2に示す希土類酸化物でも、熱伝導率100W/m・K以上、曲げ強度600MPa以上のものが得られた。これらの焼結体中の総酸素量は0.8質量%以下で酸素揮発率が高いものであった。また、出発原料の添加比(RExOy/MgO)は0.33であったが、焼結体中の焼結助剤成分の含有比(RExOy/MgO)は3以上となっていた。そして、粒界相には少なくともLuSi結晶が確認され、これらの粒界相面積率は25%以下に収まっている。尚、微細粒子のミクロ観察は行っていないが、微細粒子は析出していると考えている。
平均粒径が0.7〜1.2μm、酸素量が0.5〜2.0質量%のα型の窒化珪素質粉末99〜50重量部に対し、β化率が30%以上、酸素含有量が0.5質量%以下、平均粒子径が1〜10μm、アスペクト比が10以下のβ型窒化珪素質粉末(種結晶)を1〜50重量部の範囲で混合し、これに焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO)と酸化ルテチウム(Lu23)、及び酸化ガドリウム(Gd2)をそれぞれ酸化物換算で表3に示す量だけ添加、混合した出発原料を作製した。その後の製造方法及び特性評価については実施例1と同様に行った。出発原料と製造方法および評価結果を表3の試料No19〜26に示す。また、比較例を試料No54に示す。
Figure 2005255462
表3の試料No19〜26は、出発組成をLu23;1.1mol%、MgO;7mol%、Gd2;1.2mol%として、上記種結晶を各々、1〜50重量部の範囲で添加したものを、焼結条件を温度1950℃、時間を20Hr、窒素圧力0.7MPa、1重ルツボ、SN−BN詰粉を使用して焼結したものである。表3に示すように、種結晶が1〜50重量部の範囲では、熱伝導率100W/m・K以上、曲げ強度600MPa以上のものが得られた。焼結体中の総酸素量は1.2質量%以下、酸素揮発率は50%以上であった。また、出発原料の添加比(RExOy/MgO)は0.33であったが、焼結体中の焼結助剤成分の含有比(RExOy/MgO)は1.0以上になった。そして、これらの粒界相にはLuSi結晶が存在しており、粒界相面積率は10%以下に収まっている。
一方、試料No54は比較例であるが、出発組成、焼成条件は上記実施例と同一にし、種結晶を70重量部添加したものである。この場合、熱伝導率は80W/m・Kとなった。
平均粒径が0.7〜1.2μm、酸素量が0.5〜2.0質量%のα型窒化珪素質粉末を用意し、これに焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO)と酸化ルテチウム(Lu23)、及び酸化ガドリウム(Gd2)をそれぞれ酸化物換算で表4に示す量だけ添加し100%となした出発原料を作製した。これに2質量%の分散剤(商品名:レオカ゛-ト゛GP)を配合し、エタノールを満たしたボ−ルミル容器中に投入し、混合した。得られた混合物を真空乾燥し、次いで目開き150μmの篩を通して造粒した。次いで、アミン系の分散剤を2wt%添加したトルエン・ブタノール溶液を満たしたボールミルの樹脂製ポット中に作製した混合粉末および粉砕媒体の窒化ケイ素製ボールを投入し、48時間湿式混合した。次いで、前記ポット中の混合粉末100重量部に対しポリビニル系の有機バインダーを15重量部および可塑剤(ジメチルフタレ−ト)を5重量部添加し、次いで48時間湿式混合しシート成形用スラリーを得た。この成形用スラリーを調整後、ドクターブレード法によりグリーンシート成形した。次いで、成形したグリーンシートを空気中400〜600℃で2〜5時間加熱することにより、予め添加し有機バインダー成分を十分に脱脂(除去)した。次いで脱脂体を0.9MPa(9気圧)の窒素雰囲気中で1900℃×10時間の焼成を行い、その後室温に冷却した。焼結工程においては、昇温時1400℃〜1900℃の温度で1〜10時間にわたる保持工程を設け、かつこの保持温度から前記焼結温度までの昇温速度を2.0℃/minとした。得られた窒化珪素質焼結体シートに機械加工を施し縦50mm×横50mm×厚さ0.6mmの半導体モジュール用の基板を製造した。
また、金属回路板と窒化珪素基板(試料No.27〜34)との接合強度を評価するためにピ−ル強度試験を行った。ピ−ル強度試験は、図5に示すCu製またはAl製回路板50の一端部が窒化珪素基板70の側面に対し5mm突出するように予め接合しておき、これを90度上方に引張りあげるのに要する単位長さ当りの力で評価した。接合法は活性金属ろう材法の場合はろう材相、直接接合法の場合は酸化物相とした。
次に、上記縦50mm×横50mm×厚さ0.6mmの窒化珪素基板を用いて図6に示す回路基板を作製した。図6において、回路基板1は窒化珪素基板7の表面にCu回路板3、4、5がろう材相又は酸化物相8、9、10を介して接合されている。また、裏面にはCu製の放熱板11をろう材相又は酸化物相12により接合して構成されている。
この回路基板1に対し、3点曲げ強度の評価および耐熱サイクル試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2005255462
表4より曲げ強度が600MPa以上と大きく、回路基板1の実装工程における締め付け割れおよびはんだ付け工程時の熱応力に起因するクラックの発生する頻度がほぼ見られなくなり、回路基板を使用した半導体装置の製造歩留まりを大幅に改善できることが実証された。また、耐熱サイクル試験は、−40℃での冷却を20分、室温での保持を10分および180℃における加熱を20分とする昇温/降温サイクルを1サイクルとし、これを繰り返し付与し、基板部にクラック等が発生するまでのサイクル数を測定した。その結果、1000サイクル経過後においても窒化珪素基板1の割れや回路板3、4、5の剥離はなく、優れた耐久性と信頼性を兼備することが確認された。また、1000サイクル経過後においても耐電圧特性の低下は発生しなかった。
本発明の窒化珪素質焼結体の粒界相のX線回析結果を示す図である。 本発明の窒化珪素質焼結体の粒界相の結晶化を示す透過型電子顕微鏡(TEM)観察写真である。下段はその模式図である。 本発明の窒化珪素質焼結体のガラス相からなる粒界相を示す透過型電子顕微鏡(TEM)観察写真である。下段はその模式図である。 本発明の実施例であって希土類酸化物にLu23とGd23を用いた窒化珪素焼結体の透過型電子顕微鏡(TEM)観察写真を示す。下段はその模式図である。 ピール強度試験用試料を示す断面図である。 本発明の窒化珪素基板を用いた半導体素子搭載用回路基板の概略図を示す。
符号の説明
1:窒化珪素基板
3、4、5:Cu回路板
7、70:窒化珪素基板
8、9、10、12、90:ろう材相または酸化物相
11:放熱Cu板
50:試験用回路板

Claims (13)

  1. MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  2. MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなり、当該焼結体中の総酸素量が2.5質量%以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  3. MgとLu及びYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にMgを酸化マグネシウム(MgO)換算で0.03〜8.0mol%、Luを酸化ルテチウム(Lu23)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化珪素からなり、当該焼結体は窒化珪素粒子と粒界相とからなり、当該粒界相に少なくとも(RE、Lu)Si結晶が析出していることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  4. 前記希土類元素がGdであり、酸化ガドリウム(Gd2)換算で0.12〜1.30mol%含有していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の窒化珪素質焼結体。
  5. 前記焼結体中の総酸素量が2.5質量%以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の窒化珪素質焼結体。
  6. 前記焼結体中のRE/MgOの含有比が0.3〜9.5であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の窒化珪素質焼結体。
  7. 前記窒化珪素質焼結体における窒化珪素粒子と粒界相の合計面積率を100%としたとき、前記粒界相の面積率が1~25%であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の窒化珪素質焼結体。
  8. 前記窒化珪素質焼結体の窒化珪素粒子内に、MgあるいはLuとO元素とを含む粒径100nm以下の微細粒子が存在することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の窒化珪素質焼結体。
  9. 透過型電子顕微鏡(TEM)による直接倍率10,000倍以上の観察像において、窒化珪素粒子内に粒径100nm以下の前記微細粒子が5個/μm2以上存在することを特徴とする請求項8記載の窒化珪素質焼結体。
  10. 含有酸素量2.0質量%以下のα型窒化珪素原料粉に、酸化ルテチウム(Lu)を0.35〜1.60mol%、酸化マグネシウム(MgO)を1.70〜10mol%、Lu以外でYを含む希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種の元素の酸化物を0.39〜1.5mol%配合し、成形体となした後、るつぼ中で2000℃以下の温度で0.5MPa以上の窒素加圧雰囲気にて焼結するもので、当該焼結中に成形体中の酸素量の10%以上を揮発させることを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
  11. 前記含有酸素量2.0質量%以下のα型窒化珪素原料粉99〜50重量部に、β分率が30〜100%で、酸素含有量が0.5wt%以下、平均粒子径が0.2〜10μm、アスペクト比が10以下であるβ型窒化珪素質粉末1〜50重量部を添加することを特徴とする請求項10記載の窒化珪素質焼結体の製造方法。
  12. 前記揮発酸素量の調整は、るつぼの密閉度、焼結時間、焼結雰囲気制御剤の何れか1つあるいは2つ以上の組合わせにより行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の窒化珪素質焼結体の製造方法。
  13. 請求項1〜9の何れかに記載の窒化珪素質焼結体を用いて回路搭載用窒化ケイ素基板となし、当該基板の少なくとも一面にAl回路板あるいはCu回路板をろう材相又は酸化膜相を介して接合してなることを特徴とする回路基板。
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