JP2005238241A - 浸漬ノズルおよびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンディッシュからモールドへ溶鋼を注入する浸漬ノズルにおいて、本体とその内孔部を構成する材質が異なる材質で構成されている場合には、それぞれの材質の相違による熱膨張の差、とくに、内孔部を構成する材質の熱膨張が本体構成材よりも大きい場合には、その応力によって、本体が押し割られるという問題を解消することにある。
【解決手段】 本体と本体内孔部のそれぞれを構成する材質が、少なくとも一部において異なる浸漬ノズルにおいて、内孔部材質の予熱温度における弾性率をE0、予熱温度よりも300℃高い温度における弾性率をE1とした場合に、E1/E0が0.9以下である浸漬ノズル。
【選択図】 なし

Description

本発明は溶鋼の連続鋳造において、タンディッシュからモールドへの溶鋼の注入に使用される浸漬ノズルとその使用方法に関する。
鋼の連続鋳造において、タンディッシュからモールドへ溶鋼を注入する浸漬ノズルは溶鋼の酸化防止やモールド内の流動の制御など重要な役割を果たしている。この連続鋳造用の浸漬ノズルをアルミキルド鋼の鋳造に用いる場合には、アルミナ等の介在物が浸漬ノズルの内孔面に付着し詰まりを生じる場合がある。
この対策として、内孔部に通気性耐火物を配置して、アルゴンガス等の不活性ガスを吹き込むガス吹き用浸漬ノズルや、内孔面にアルミナの付着を抑制する難アルミナ付着性の材質を配置した難付着性ノズルがある。
ガス吹き用浸漬ノズルの典型的な概略の構造を図1に、難付着性ノズルの典型的な概略の構造を図2に示す。
図1に示すガス吹き用浸漬ノズルは、通常、本体1と、ガス吹き込みのガスプールにあたるスリット2、ガスを吹き込むための通気性耐火物からなるガス通気部3、パウダーライン材質部4、それに吐出口5から構成される。
本体1については低熱膨張特性を有する耐熱衝撃性に優れたアルミナ−シリカ−黒鉛質が、パウダーライン材質部4についてはジルコニア−黒鉛材質が使用されるのが通常である。
ガス吹き出し部3を構成する通気性材料としては、通常、多孔質のアルミナ−シリカ−黒鉛質が使用されている。シリカ成分としては熱膨張率の小さい溶融シリカが使用され、通気性材質としても熱膨張を小さくすることで、受鋼時の急激な膨張によって本体が押し割られるのを防止している。このように、溶融シリカはガス吹き用浸漬ノズルの通気性材料にとって、不可欠であるが、溶鋼鋳造中に消失する問題がある。
シリカが消失するメカニズムは、例えば、低炭素アルミキルド鋼の鋳造では、下記反応式(1)のように、溶鋼中のアルミニゥムが浸漬ノズル中のシリカと反応し、シリコンとなって溶鋼中に溶出するとされている。また、チタン含有の低炭素アルミキルド鋼の鋳造では、下記反応式(2)のように、チタンによるシリカの還元反応によるとされている。さらに、浸漬ノズル内部においても、高温下で長時間使用していると、通気性材料中に含まれるシリカと炭素質成分との間で下記反応式(3)のような反応が起こり、SiOガスとなって飛散することも考えられる。
4Al+3SiO → 2Al+3Si・・・・・(1)
Ti+SiO → TiO+3Si ・・・・・・(2)
SiO+C → SiO↑+CO↑ ・・・・・・(3)
シリカの消失によってもたらされた気孔の増大、通気性の増大によって、アルゴンガス気泡径が増大し、それが鋼の鋳造欠陥をもたらす。鋼の熱間圧延後の鋼板、あるいは焼鈍、冷延鋼板の板表面に、しばしば幅1〜4mm、長さ数mmに隆起した、あるいはこれら数mmの隆起が線状に連続して、数百mmにわたって連なった、いわゆるふくれ状の欠陥を生じる。それによって、鋼板の品質低下や製品歩留りを大きく低下させることになり、大きな問題となっている。このふくれ欠陥の主原因は、浸漬ノズルから吹き込まれたアルゴンガスが鋳片内部に捕捉されたためといわれ、アルゴンガスによる泡欠陥といえる。
このようなシリカの消失に伴うバブリング機能の変化が泡欠陥を生み出すが、その状態は鋳造中にアルゴンを一定流量で吹き込んでいると、背圧低下の現象となって現れ、背圧を常時測定することでモニタリングすることができる。
鋳造時間が長くなるにつれて、背圧の低下即ちバブリング機能の低下が進行し、鋼の泡欠陥を生み出す比率が高くなってしまう。これが長時間の鋳造作業を不可能にする大きな要因ともなる。この泡欠陥の危険性を回避する指標として、鋳造中の背圧低下を防ぎ安定させることが有効である。
このようなシリカの消失により発生する問題の解決の為に、通気性材料を、シリカを含まないかまたはシリカ含有量の低い材質にすることが考えられるが、必要な耐スポーリング性が得られ難いという問題がある。
この問題の対策として、特許文献1には、通気性材料中のシリカ量を5質量%以下に制限した場合に生じる耐スポール性の低下を補うために、5〜15質量%の炭化珪素を併用することが開示されている。
しかしながら、この手法では内孔側の通気性材質の熱膨張率を低下させる効果が小さいため、予熱温度が低い、内孔体の厚みが厚い、本体材質の強度が低いなどの諸条件が組み合わされた場合には、受鋼時に通気性材質の膨張により本体が押し割られる場合がある。
また、図2に示す難付着性ノズルは、通常、本体1と、難付着性材質6、パウダーライン用材料部4、それに吐出口5から構成される。
この難付着性ノズルは、カーボンを含有しないか含有していても5%以内のようないわゆるカーボンレス材質と称する材質や、耐火物中にCaOを含有させて、付着したアルミナとCaOを反応させて低融点のCaO−Al系化合物を生成させ、溶鋼流によって流出させる機能を有するCaO含有材質が代表的である。
しかしながら、カーボンレス材質は熱膨張が大きいため本体を押し割るという問題が生じやすい。この対策として特許文献2には本体1と難付着性材質6の間に膨張代として目地を設ける方法が開示されている。しかしながら、製造工程が複雑でまた目地を均質に確保することが難しいため使用結果が安定しないという問題がある。また、CaO含有材質を使用した場合にも、一般的に本体構成材質よりも熱膨張が大きいため同様の問題が発生する。
特許第2891757号公報 実公平7−18467号公報
この発明が解決しようとする課題は、上記のように、本体とその内孔部を構成する材質が異なる材質で構成されている場合には、それぞれの材質の相違による熱膨張の差、とくに、内孔部を構成する材質の熱膨張が本体構成材よりも大きい場合には、その応力によって、本体が押し割られるという問題を解消することにある。
この発明は、ガス吹き用浸漬ノズルや難付着性浸漬ノズルの内孔部材質が受鋼時に膨張して本体を押し割ろうとする力は、内孔部材質の熱膨張を低くすることの他に、弾性率を低下させることによって低減することが可能であるという知見に基づいて、内孔部材質の弾性率を適正化することによって上記課題を解決したものである。
浸漬ノズルは、熱衝撃によるスポールを防止するためと、ノズルの温度が低いと溶鋼が凝固してノズルの内壁に固着することを防止するために、受鋼に供するに際して予熱されることが一般的である。
予熱中は浸漬ノズルの内孔部材質は本体材質によって拘束されているため、両者に膨張差があっても歪みは徐々に緩和される。予熱が終了して受鋼すると内孔部のみ急激に加熱されるため内孔体の膨張によって本体を押し割ろうとする力が発生するが、この応力は内孔体が予熱温度から約300℃高い温度に到達した時点において最大値となる。これは300℃よりも低い温度では内孔部材質の熱膨張が小さく、300℃を越えると本体も加熱されて膨張するために応力が小さくなるためである。したがって、予熱温度よりも300℃高い温度において内孔部材質の弾性率が低ければ発生する応力が小さくなる。
具体的には、内孔部材質の予熱温度における弾性率をE0、予熱温度よりも300℃高い温度における弾性率をE1とした場合に、E1/E0を0.9以下、好ましくは0.8以下0.3以上、より好ましくは0.7以下0.5以上とすることで耐スポール性に顕著な改善効果が得られる。
したがって、この発明における浸漬ノズルの使用方法は、内孔部材質のE1/E0が0.9以下となる温度範囲にて予熱した後受鋼する方法を採ることによって、本発明の効果が得られる。
浸漬ノズルには、様々な形状や材質があるが、一般的な形状、材質にて各種検討した結果、内孔体温度がほぼ260℃から340℃上昇した場合に発生する応力値が最大となることが判明した。したがって、本発明においては、内孔部材質の予熱温度における弾性率をE0、予熱温度よりも300℃高い温度における弾性率をE1とした。
なお、内孔部の温度とは、内孔部材質の厚さ方向の中央部を測定した温度である。また、内孔部材質の予熱温度が部位によって不均一な場合は、内孔部材質全体を平均した温度をもって、内孔部の温度とする。
従来から、一般的には、予熱温度は高い方がスポール防止に有効と考えられて来たが、実際には例外もしばしば見いだされた。これは前述したように本体を押し割ろうとする応力が予熱温度よりも約300℃高い温度で最大値となるためであり、予熱温度が高くてもその温度より300℃高い温度での弾性率が予熱温度における弾性率より高い場合には予熱温度を上げることは逆効果である。
本発明を実施するには、一般的な予熱温度である600℃〜1200℃の範囲に対してE1/E0が0.9以下となる内孔部材質が必要となる。本発明に好適な内孔部材質としては高温軟化性原料を0.5〜10質量%含有する材質が挙げられる。高温軟化性原料とは、浸漬ノズルの予熱温度、一般的には、600℃以上1200℃以下の温度で、その溶融物の粘度がガラスの軟化の基準として一般的に用いられている4.5×10poiseとなる原料を云う。なお、結晶性物質のように粘度の測定が困難な物質についてはその融点をもって軟化温度とする。
高温軟化性原料としては、具体的には硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、リン酸ガラス、硼砂末などが好適であり、ガラス粉末としてはフリットとして市販されている原料が容易に入手可能である。しかしながら、これらに制限されるものではなく、軟化温度が1200℃以下の原料であればより広く効果的に適用可能である。
Cは、それ自身の融点は2450℃と非常に温度が高いが、酸化するとBを生成して低融物となる。BCのように酸化後に低融物を生成する物質も本発明にいう高温軟化性原料に含まれる。ただし、アルミニウムは、その融点は660℃と低いものの、溶融後カーボンや雰囲気中の酸素や窒素と反応して強固な結合を形成するため好ましくない。
高温軟化性原料としては、内孔部材質の骨材と反応することでも軟化状態を得ることができるものも使用できる。それは、製造時に添加する原料としての化合物の形態にかかわらず、予熱温度でアルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物を含むものであればよい。具体的には、珪酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の塩類、消石灰等の水和物、ポルトランドセメント、アルミナセメント等のセメント類等である。
高温軟化性原料の添加量が0.5質量%未満では、高温での弾性率低減の効果が小さく、逆に10質量%を越えると耐食性の低下によりノズルの寿命が短くなる場合があり好ましくない。
一般的には軟化温度が低い原料ほど、少量で弾性率低減効果が大きく、このような原料を適用して添加量を少なくすることが耐食性の低下を小さくするために好ましい。高温軟化性原料の粒度はとくに制限されないが、均一に分散させるには、0.1mm以下の微粒子が好ましい。とくに、添加量が少ない場合は、0.05mm以下の超微粒子が好ましい。
さらに、骨材の選択あるいは結合部の選択によっては前述の高温軟化性原料を添加しなくても本発明を達成することが可能であり、例えば骨材としてジルコニアムライト、カルシウムシリケート、カルシウムアルミネート、ドロマイトなどのような骨材自体が高温で軟化して前述のE1/E0が0.9以下となるような組成の材質を適用すると好適である。
また、結合部分についても、カーボンボンドの量を少なくする、低融点物を含有するセラミックボンドとするなどの手法が好適である。さらには、骨材の周辺にマイクロスペースを設けたり、マイクロクラックを発生させたりする手法も適用可能である。
この発明は、溶融シリカの含有量が5質量%以下の通気性耐火物への適用によって顕著な改善効果が得られる。そのほかにカーボンレス材質やCaO含有材質などへの適用も有効である。
この発明をガス吹き用浸漬ノズルの通気性材質に適用する場合には、高温軟化性原料以外の耐火性骨材としては、アルミナが最も汎用性がある。そのほかにジルコニア、マグネシア、ムライト、ジルコニアムライト、アルミナジルコニア、スピネル、炭化珪素などから1種以上を選択しても良く、それら骨材に溶融シリカを含むことができる。ただし、ムライト、ジルコニアムライト等のシリカ含有原料は溶融シリカほどではないがやはり鋳造中に消失して空隙を形成する場合があるので添加量についてはその点を考慮する必要がある。そのほかに金属シリコンの併用も可能である。
耐火性骨材として溶融シリカを含む場合、溶融シリカの含有量は、背圧の安定化のためには5質量%以下が有効であることが一般に知られており、好ましくは3質量%以下であり、最も好ましいのは完全に除去することである。この発明は、このような溶融シリカの含有量が5質量%以下の場合に特に好適である。
この発明においては、溶融シリカが5質量%以下で残部が耐火性骨材及び黒鉛からなる材料に、高温軟化性原料、とくに、軟化温度が1200℃以下のものを0.5〜10質量%含有させることで高温での弾性率が大幅に低下して、受鋼時の本体のスポーリングを防止する効果が大となる。
カーボンを添加する場合は、黒鉛としては、鱗状黒鉛、人造黒鉛、土状黒鉛、膨張黒鉛等各種黒鉛の適用が可能である。純度についても特に制限はないが、黒鉛の不純物としてはシリカが含有される場合が多いので、通気安定性の観点から言えば高純度の黒鉛の方が好ましい。黒鉛の添加量は特に制限されるものではないが、10〜30質量%程度が好ましい。そのほかに各種カーボンとしては、ピッチ、タール、カーボンブラック等を併用しても良い。これらの原料をフェノールレジン等のバインダーを添加して均一に混練してはい土を得て、成形、熱処理することで当該通気性耐火物を得ることができる。
通気性は用途に応じて制御する必要があり、その手法としては、はい土の可塑性を調整する方法、成形圧力を制御する方法、繊維状の有機物を混合して熱処理時に消失させて空隙を形成させる方法などがある。
この発明によって得られた通気性材質は、本体材質と一体的に成形して浸漬ノズルとなる。しかし、通気性耐火物を浸漬ノズル本体に設置するには、別に成形体として製造し、使用前に浸漬ノズルに組み込む等の方法も採り得る。
本発明は本体部と内孔部を同時に成形して一体化されている浸漬ノズルのみならず本体部と内孔部を別々に作製後、モルタル等での両者の接着または非接着による組み込み等で形成したような構造の浸漬ノズルの場合にも適用可能である。
この発明によって、浸漬ノズルの受鋼時のスポーリングを回避することが可能となり、ガス吹き用ノズルおよび難付着性ノズルにおいても、内孔の割れ防止による鋳造の安定化による鋳造コスト低減と、鋳片品質の不良率が低減ができる。
以下、この発明の浸漬ノズルの実施の形態を、内孔に配置した耐火物の材質として、黒鉛−アルミナまたは黒鉛−アルミナ−3質量%溶融シリカに、高温軟化性原料として硼珪酸ガラスを配合した例によって説明する。
この実施例は、この発明を先に挙げた図1に示すガス吹き用浸漬ノズルに適用した例である。
表1は、ガス吹き用浸漬ノズルに使用する通気性耐火物を調製のための原料の配合割合を比較例と共に示す。同表中の硼珪酸ガラスの主成分は、SiOを80質量%、Bを14質量%、NaOを4質量%からなり、軟化温度は820℃である。
これらの配合例に、適量のフェノールレジンを添加してミキサーによって均一に混練してはい土を得た。
このはい土を通気性材質用とし、別に混練した本体用のアルミナ−シリカ−黒鉛質(アルミナ60質量%、シリカ15質量%、黒鉛25質量%)のはい土とパウダーライン用のジルコニア−黒鉛質(ジルコニア85質量%、黒鉛15質量%)のはい土から、図1に示す様な構造のガス吹き用浸漬ノズルを成形圧1000kg/cmでCIPによって成形し、最高1000℃で還元焼成し、所定の形状に加工して作製した。作製した浸漬ノズルの通気性材質部の厚みは10mmとした。
このガス吹き用浸漬ノズルを900℃で予熱後、内孔に1550℃の溶鋼を3分間注入した後X線で透過観察することで耐スポール性の評価を行った。その評価結果を同表に示す。亀裂がなかった通気性材質を◎、微亀裂が発生した材質を○、小亀裂が発生した材質を△、大亀裂が発生した材質を×とした。
同表に示すように、硼珪酸ガラスの添加量を増やすにしたがって耐スポール性は改善される。0.5質量%以上添加すれば使用上支障のない程度の亀裂の発生となる。1質量%以上添加すればより好ましいことが分かる。
それぞれの材質について上記と同様の成形、熱処理方法によって通気性材質単体のサンプルを作製し、このサンプルから、20mm×20mm×170mmの試験片を切り出し、1550℃の低炭アルミキルド鋼中に3時間浸漬して耐食性の評価を行った。同表に、試験後の溶鋼浸漬部分の溶損速度を算出し、比較例1の溶損速度を100とした指数で示す。数字が大きいほど溶損速度が大きいことを示す。
この結果から、硼珪酸ガラスの添加量が増えるにしたがって溶損速度が増加することが分かる。とくに、硼珪酸ガラスを13質量%配合した実施例7は溶損速度の増大が顕著であり、実用上不適当と判断された。したがって、耐食性の観点から硼珪酸ガラスの添加量は10質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下であることがわかる。
Figure 2005238241
この実施例は、この発明を先に挙げた図2に示す難付着性ノズルに適用した例である。
表2は、本発明の浸漬ノズルの使用方法によって得られた結果を比較例と共に示す。表1に示すような化学組成になるように原料を調整し、ミキサーによって均一に混練してはい土を得た。
このはい土を内孔部材質用とし、別に混練した本体用のアルミナ−シリカ−黒鉛質(アルミナ60質量%、シリカ15質量%、黒鉛25質量%)のはい土とパウダーライン用のジルコニア−黒鉛質(ジルコニア85質量%、黒鉛15質量%)のはい土から、図2に示す様な構造の難付着性浸漬ノズルを成形圧1000kg/cmでCIPによって成形し、最高1000℃で還元焼成し、所定の形状に加工して作製した。作製した浸漬ノズルの内孔部材質の厚みは7mmとした。
この浸漬ノズルを表2に示す各種温度で予熱後、内孔に1550℃の溶鋼を3分間注入した後X線で透過観察することで耐スポール性の評価を行った。その評価結果を同表に示す。亀裂がなかったノズルを◎、微亀裂が発生した材質を○、小亀裂が発生した材質を△、大亀裂が発生した材質を×とした。
弾性率については、内孔部用材質のみのサンプルを同様の方法にて作製し、20×20×80mmのサンプルを切り出し、3点曲げ法により、予熱温度と予熱温度より300℃高い温度での応力−歪み曲線の傾きからそれぞれの温度での弾性率を算出した。
同表に示すように、E1/E0の値が0.9以下の時に使用上支障のない程度の亀裂の発生となる。より好ましくは0.8以下であることが分かる。
Figure 2005238241
実施例3によって製造した浸漬ノズルを、鍋容量250ton、TD容量45tonのスラブ鋳造機による低炭アルミキルド鋼の鋳造に使用した。予熱温度は約900℃、鋳造時間は300分である。鋳造した結果、ノズルには亀裂等もなく特に問題はなかった。鋳造中の背圧は安定しており、得られた鋳片の品質も良好であった。
本願発明は、溶鋼の連続鋳造用の浸漬ノズルのみならず、他の溶融金属注入用ノズルの用途にも適用可能である。
本発明を適用するガス吹き用浸漬ノズルの構造例を示す。 本発明を適用する難付着性浸漬ノズルの構造例を示す。
符号の説明
1 本体
2 スリット
3 ガス通気部(ガス吹き出し部)
4 パウダーライン材質部
5 吐出孔
6 難付着性材質

Claims (7)

  1. 本体と本体内孔部のそれぞれを構成する材質が、少なくとも一部において異なる浸漬ノズルにおいて、内孔部材質の予熱温度における弾性率をE0、予熱温度よりも300℃高い温度における弾性率をE1とした場合に、E1/E0が0.9以下である浸漬ノズル。
  2. 内孔部材質が高温軟化性原料を0.5〜10質量%含有する請求項1に記載の浸漬ノズル。
  3. 高温軟化性原料が、軟化温度が1200℃以下の硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、リン酸ガラス及び硼砂末からなる群から選択された1種以上で構成される請求項2に記載の浸漬ノズル。
  4. 高温軟化性原料が、耐火性骨材と反応して1200℃以下で軟化する相を生成するアルカリ金属含有原料、アルカリ土類金属含有原料、セメント類からなる群から選択された1種以上で構成される請求項2に記載の浸漬ノズル。
  5. 内孔部材質の一部が、ガスを吹き込むための通気性耐火物からなる請求項1から請求項4の何れかに記載の浸漬ノズル。
  6. 通気性耐火物における溶融シリカの含有量が5質量%以下である請求項5に記載の浸漬ノズル。
  7. 本体と本体内孔部のそれぞれを構成する材質が、少なくとも一部において異なる浸漬ノズルにおいて、内孔部材質の予熱温度における弾性率をE0、予熱温度よりも300℃高い温度における弾性率をE1とした場合に、E1/E0が0.9以下である浸漬ノズルを、前記E1/E0が0.9以下である温度条件の下で予熱した後に鋳造を開始する浸漬ノズルの使用方法。
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