JPH09262659A - 溶鋼保持容器の内張用不定形耐火物 - Google Patents

溶鋼保持容器の内張用不定形耐火物

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JPH09262659A
JPH09262659A JP8074537A JP7453796A JPH09262659A JP H09262659 A JPH09262659 A JP H09262659A JP 8074537 A JP8074537 A JP 8074537A JP 7453796 A JP7453796 A JP 7453796A JP H09262659 A JPH09262659 A JP H09262659A
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JP
Japan
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lining
refractory
molten steel
holding container
steel holding
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Withdrawn
Application number
JP8074537A
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English (en)
Inventor
Taku Yamamura
卓 山村
Katsunori Takahashi
克則 高橋
Michihiro Kuwayama
道弘 桑山
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、溶鋼保持容器の内張り耐火物に関
し、詳しくは、溶解炉、取鍋、タンディッシュ等の溶鋼
を保持する容器の内張り耐火物において、とりわけ溶鋼
と接する側に加工される不定形耐火物に係わる。 【解決手段】溶鋼保持容器の内張りに用いる不定形耐火
物であって、主成分にアルミナを60wt%以上含有す
ると共に、1200〜1500℃の温度域における平均
熱伝導率X(J/m・s・K)、弾性率Y(GPa)、
1200℃における残存膨張を加えた熱膨張Z1及び1
500℃における残存膨張を加えた熱膨張Z2(%)が
一定の関係から式を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼保持容器の内
張り耐火物に関し、詳しくは、溶解炉、取鍋、タンディ
ッシュ等の溶鋼を保持する容器の内張り耐火物におい
て、とりわけ溶鋼と接する側に加工される不定形耐火物
に係わる。
【0002】
【従来技術】溶鋼保持容器に内張りされる耐火物層は、
鉄皮内側の耐火れんが等からなる裏張り耐火層と、さら
にその内側に位置して溶鋼と接する稼働耐火層とで形成
されている。そのうち、稼働耐火層は、溶鋼との接触加
熱及び大気による冷却を繰り返し受け損耗が激しい。そ
のため、通常は、損耗の激しい稼働耐火層のみを取り壊
して張り替え補修が行なわれ、前記溶鋼保持容器は再使
用される。近年は、この張り替え補修を容易にするた
め、稼働耐火層として不定形耐火物を流し込み施工する
ことが多くなっている。
【0003】しかしながら、不定形耐火物の取り壊し作
業には、多大な人力と時間を要するばかりでなく、裏張
り耐火層までも破壊してしまう恐れがあるため、この取
り壊し方法や取り壊し装置について現在に至るまで種々
の提案がある。例えば、特開平5−161959号公報
は、従来の方法や装置と観点を変えて、裏張り耐火層と
稼働耐火層との間に有機結合剤を含む離型材層を設け、
この層を境にして両者を容易に分離させるという提案を
行っており、これら先行技術の利用で、張り替え補修作
業はかなり改善されつつある。
【0004】また、前記した稼働耐火層の取り壊しを困
難にしている原因が、溶鋼の熱影響による裏張り耐火層
と稼働耐火層間の融着や、稼働耐火層の残存膨張(焼結
中の反応などで大きな膨張を示し、常温に戻しても初期
寸法より大きいこと)、せり割れ、あるいは割れ等に起
因する溶鋼の差込みにあることも明らかになっている。
しかし、これら融着等の防止策は、種々検討されてはい
るが、現場的な試行錯誤的な方策が多く、今だ実効を上
げていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、裏張り耐火層と稼働耐火層間の融着や、稼働耐
火層の残存膨張、せり割れ等が少ない、つまり稼働時間
が長く、張り替え補修回数の少ない溶鋼保持容器の内張
用不定形耐火物を提案することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、タンディッシュの熱応力計算や操業をシミ
ュレートした実験を鋭意行い、内張り不定形耐火物に発
生する応力,内張り耐火物の状況を観察した結果、内張
り不定形耐火物の弾性率、熱伝導率、熱膨張が融着、せ
り割れ、残存膨張に大きく関係していることがわかり、
本発明を完成させた。すなわち、本発明は、溶鋼保持容
器の内張りに用いる不定形耐火物であって、主成分にア
ルミナを60wt%以上含有すると共に、1200〜1
500℃の温度域における平均熱伝導率X(J/m・s
・K)、弾性率Y(GPa)、1200℃における残存
膨張を加えた熱膨張Z1及び1500℃における残存膨
張を加えた熱膨張Z2(%)が下記の(1)から(4)
式を満たすことを特徴とする溶鋼保持容器の内張用不定
形耐火物である。
【0007】 8X−24≦ Y ≦8X+26 (1) 3.0≦ X ≦8.0 (2) 0.3≦ Z1 (3) Z2 ≦1.7 (4) また、本発明は、前記溶鋼保持容器が連続鋳造用タンデ
ィッシュであることを特徴とする溶鋼保持容器の内張用
不定形耐火物でもある。
【0008】本発明では、溶鋼保持容器の内張り耐火物
に上記のような特性を有するものを使用するようにした
ので、裏張り耐火層と稼働耐火層間の融着や、稼働耐火
層の残存膨張、せり割れ等が少なくなり、溶鋼の差し込
みが防止できるようになる。その結果、溶鋼保持容器の
稼働時間が延長でき、且つ張り替え補修回数も大幅に少
なくなった。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、前項に記
載した通りなので、ここでは各特性の限定理由を発明の
経緯も含めて説明する。発明者の検討によれば、不定形
耐火物を使用した時に起きる種々の現象と、弾性率、熱
伝導率、及び熱膨張との定性的な関係は下記の通りであ
る。 1)弾性率;内張り不定形耐火物の弾性率が高い場合に
は、発生する応力が大きくなることで割れが発生して、
タンディッシュ寿命を低下させる。逆に弾性率が低い場
合(高温では、高温軟化で弾性率の低くなる)、裏張り
耐火物と融着し、中間修理時の作業効率低下、耐火物コ
スト増加を招いている。 2)熱伝導率;内張り不定形耐火物の熱伝導率が高い場
合には、内張り耐火物の背面まで高温になり、裏張り耐
火物と融着し、中間修理時の作業効率低下、耐火物コス
ト増加を招いている。逆に熱伝導率が低い場合には、内
張り不定形耐火物内に大きな温度勾配が生じることで発
生する応力が大きくなり割れが発生して、タンディッシ
ュ寿命を低下させる。 3)熱膨張;内張り不定形耐火物の熱膨張が高い場合に
は、壁がせることで発生する応力が大きくなり割れが発
生して、ダンディッシュ寿命を低下させる。逆に熱膨張
が低い場合には、壁でせることがなくなり、構造体とし
て維持できずに壁倒れを引き起こし、タンデイッシュ寿
命を低下させる。そこで、発明者は、さらに実験・検討
を重ねた結果、稼働中の温度域1200〜1500℃で
の平均熱伝導率X、弾性率Y、残存膨張を加えた120
0,1500℃での熱膨張Z1,Z2が前記の(1)か
ら(4)の関係を満たすことにより、タンデイッシュの
寿命を向上させることができ、さらに、中間修理時の作
業効率向上、耐火物コストの低減が可能であることが判
明したのである。
【0010】すなわち、図1に示すように、平均熱伝導
率Xが3.0未満、8.0超えの領域では、内張り不定
形耐火物に割れが発生したり、あるいは裏張り耐火物と
の融着が発生する。また、図2に示すように、熱膨張Z
1が0.3未満では、該耐火物が壁でせることがなくな
り、構造体として維持できずに壁倒れを引き起こし、熱
膨張Z2が1.7超えでは、壁がせることで割れが発生
する。さらに、平均熱伝導率Xや熱膨張Z1,Z2が適
正な範囲にあっても、弾性率Yが(8X−24)未満で
は、裏張り耐火物との融着が起こり、(8x+26)超
えでは、内張り不定形耐火物の割れが発生する。
【0011】従って、発明者は、図1及び図2に示した
図形内の関係を同時に満足する特性値を本発明の要件と
して選択したのである。さらに加えて、該不定形耐火物
は、アルミナを60wt%以上含有するものでなければ
ならない。これは、アルミナ60wt%未満であると、
耐溶鋼性に劣って溶損が大きくなり、該不定形耐火物の
寿命低下を招くためである。
【0012】ここで、上記の各特性値は、平均熱伝導率
がJIS R 2618の熱線法を、弾性率がJIS
R 1602の高温での静的法を、熱膨張がJIS R
2555をそれぞれ用いて測定されたものである。
【0013】
【実施例】内容積が溶鋼で5トン収納できる連続鋳造用
タンディッシュを用いて不定形耐火物の使用試験を行っ
た。鉄皮の裏張りにはハイアルミナれんがを共通して用
い、各試験に供した不定形耐火物は、表1に化学組成及
び前記特性値を示すように6種類とした。
【0014】
【表1】
【0015】試験結果は、前記した図1及び図2の通り
である。本発明に係る不定形耐火物A、B、Cは、裏張
りとの融着、せり割れ、割れ、壁倒れを生じることがな
かったが、本発明の要件を満たさない不定形耐火物D
は、裏張りとの融着を生じ、同じく不定形耐火物Eは、
せり割れを生じ、さらに不定形耐火物Fは、割れを生じ
て溶鋼の差込みが多く見いだされた。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る不定形
耐火物を溶鋼保持容器の稼働耐火層として用いると、裏
張り耐火層と稼働耐火層間の融着や、稼働耐火層の残存
膨張、せり割れ等が少なくなり、溶鋼の差し込みが抑制
できるようになった。その結果、溶鋼保持容器の稼働時
間が延長でき、且つ張り替え補修回数も大幅に少なくな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】不定形耐火物の使用中に生じる現象と、該耐火
物の平均熱伝導率、弾性率との関係を示す図である。
【図2】不定形耐火物の使用中に生じる現象と、該耐火
物の平均熱伝導率、熱膨張との関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼保持容器の内張りに用いる不定形耐
    火物であって、 主成分にアルミナを60wt%以上含有すると共に、1
    200〜1500℃の温度域における平均熱伝導率X
    (J/m・s・K)、弾性率Y(GPa)、1200℃
    における残存膨張を加えた熱膨張Z1及び1500℃に
    おける残存膨張を加えた熱膨張Z2(%)が下記の
    (1)から(4)式を満たすことを特徴とする溶鋼保持
    容器の内張用不定形耐火物。 記 8X−24≦ Y ≦8X+26 (1) 3.0≦ X ≦8.0 (2) 0.3≦ Z1 (3) Z2 ≦1.7 (4)
  2. 【請求項2】 前記溶鋼保持容器が連続鋳造用タンディ
    ッシュであることを特徴とする請求項1記載の溶鋼保持
    容器の内張用不定形耐火物。
JP8074537A 1996-03-28 1996-03-28 溶鋼保持容器の内張用不定形耐火物 Withdrawn JPH09262659A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238241A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Kurosaki Harima Corp 浸漬ノズルおよびその使用方法
JP2010064081A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Nippon Steel Corp 注入羽口用耐火物、及び注入羽口用耐火物の製造方法

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