JP2005232959A - ヒンジピンの回転停止装置 - Google Patents

ヒンジピンの回転停止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、所望の力で複数の所望の開位置でドアを保持することができるドア停止装置(ヒンジピンの回転停止装置)に関する。特に、本発明は、所望の力で複数の所望の開位置で自動車ドアを保持することができる自動車ドア停止装置(ヒンジピンの回転停止装置)に関する。好ましい実施形態において、本発明は無数の開位置でドアを保持することができる。
【解決手段】 第1のアウタコーン120と、第1のアウタコーン120内に位置し、第1のアウタコーン120を付勢し、第1のアウタコーン120と互いに係合する第1のインナコーン140とを備え、第1のインナコーン140はヒンジピン110を受け入れるための開口168,169を有し、ヒンジピン110が回転したとき、第1のインナコーン140が第1のアウタコーン120内を回転する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所望の力で複数の所望の開位置で、ドアを保持するためのドア停止装置(ヒンジピンの回転停止装置)に関するものである。特に、本発明は、所望の力で複数の所望の開位置で、自動車ドアを保持するための自動車ドア停止装置(ヒンジピンの回転停止装置)に関するものである。好ましい実施形態において、無数の開位置でドアを保持することができるものである。
乗員の便利で安全な出入口を確保するために、複数の開位置で自動車ドアの動きを止めることが望まれている。通常の自動車ドアは、突風が発生したり坂道に車を止めたりしても、それに耐えうる十分な力で、少なくとも一つの開位置で動きを止めることができるようになっている。
自動車ドア停止装置の一般的なものは、強制的な移動に対応して蓄積されたエネルギーを解放することで移動に耐える機械装置である。自動車のピラーとドアとの間に位置するこれらの装置は、ドアヒンジと一体的に、又は独自の機械装置として分離して構成することができるものである。エネルギーの蓄積は、最も一般的なものであるねじりコイルばねを使用することによってなすことができる。ドアの開閉時、ドア停止装置は、停止位置でエネルギーを解放し、停止位置から移動するときにエネルギーを蓄積するように構成されている。ねじりコイルばねにエネルギーを蓄積する一つの方法は、ドアと共に動くカムによる方法である。このカムは、ヒンジの回転軸の周りにトルクを生じるようにヒンジの内側で回転動作したり、または、任意の開位置でドアの移動に耐える力のベクトルを生じる停止装置と分離して直線動作したりする。
一般的に、カムは、その輪郭形状を有するローラの形態をとっている。圧力は、ばねやゴムパックから与えられる。ばねやゴムパックの共通の問題には、湿気や汚れがある機械要素に対してこれらが露出するという問題や、潤滑など保守を必要とするという問題や、抵抗力を生じる機構の劣化という問題がある(すなわち、ばねやゴムパック)。
したがって、自動車ドア停止装置には、機械要素を保護すること、早期欠陥を軽減することが必要とされている。
本発明は、所望の力で複数の所望の開位置でドアを保持することができるドア停止装置に関する。特に、所望の力で複数の所望の開位置で、自動車ドアを保持することができる自動車ドア停止装置に関するものである。好ましい実施形態において、無数の開位置でドアを保持することができるものである。
一実施形態において、ヒンジピンの回転を止める装置を提供する本発明は、第1のアウタコーンと、第1のアウタコーン内に位置し、第1のアウタコーンを付勢し、第1のアウタコーンと互いに係合する第1のインナコーンとを備え、第1のインナコーンはヒンジピンを受け入れるための開口を有し、ヒンジピンが回転したとき、第1のインナコーンが第1のアウタコーン内を回転する。好ましい実施形態において、装置は、さらにハウジングを備え、第1のアウタコーンはハウジング内に位置して、ハウジング内で第1のアウタコーンの回転を妨げる。別の好ましい実施形態において、第1のアウタコーンは、さらに、ハウジング内で第1のアウタコーンの回転を妨げるためにハウジングと係合するフランジを備える。好ましい実施形態において、ハウジングと第1のアウタコーン・フランジを六角形とする。
好ましい他の一実施形態において、装置は、さらにばねを備え、ばねはインナコーンをアウタコーンに付勢するためにハウジング内に配置される。好ましい実施形態において、フランジは上面及び下面を有し、第1のアウタコーン・フランジの上面は少なくとも3つのボールベアリングを有し、第1のインナコーンは上面及び下面を有し、第1のインナコーンの下面はボールベアリングと係合するカム面を有する。別の好ましい実施形態において、カム面は割り出しくぼみの配列を有し、インナコーンは、ボールベアリングがくぼみに位置し、第1のインナコーンと第1のアウタコーンが係合するロック位置と、ボールベアリングがくぼみから抜け出して第1の上下のコーンを離脱させるリリース位置との間を移動するものであり、これによってヒンジピンの回転を可能とする。
好ましい他の一実施形態において、装置は、さらにヒンジピンを受け入れる開口を有する共に上下面を有するフランジを具備する第2のインナコーンを備え、さらに、装置は、ハウジングに係合するフランジを具備する第2のアウタコーンを備え、第1、第2のインナコーンは互いに対向し、ばねが第1、第2のインナコーンのフランジに係合する。別の好ましい実施形態において、第2のアウタコーン・フランジは上下面を有し、第2のアウタコーン・フランジの下面は少なくとも3つのボールベアリングを有し、第2のインナコーン・フランジの上面は、ボールベアリングと係合するカム面を備える。さらに、別の好ましい実施形態において、カム面は割り出しくぼみの配列を有し、第2のインナコーンは、ボールベアリングがくぼみに位置し、第2のインナコーンと第2のアウタコーンとが係合するロック位置と、回転によってボールベアリングがくぼみから抜け出し、第2の上下のコーンを離脱させるリリース位置との間を移動し、これによってヒンジピンの回転を可能とする。好ましい実施形態において、装置は、さらにヒンジピンの挿通口を有するハウジングカバーを備える。
好ましい実施形態において、第1のアウタコーン・フランジは上下面を備え、第1のアウタコーン・フランジの下面は少なくとも3つのボールベアリングを有し、装置は、さらに第1のアウタコーン・フランジの下面に対向するカム面を具備するカム板を備え、カム面は少なくとも3つのボールベアリングの位置に対応するくぼみの配列を有する。好ましい実施形態において、第1のインナコーンは上面を有するフランジを備え、カム板は上方に延びる少なくとも一つのロック片を備え、第1のアウタコーン・フランジは上方に延びるロック片を受ける少なくとも一つの開口を有し、開口をロック位置とリリース位置との間の開口内で上方に延びるロック片の少なくとも一つの移動を許容する大きさ形状にし、装置は、さらにカム板と第1のインナコーン・フランジの上面との間に摩擦板を備え、第1のインナコーンは、ボールベアリングがくぼみに位置し、第1のアウタコーンと第1のインナコーンとが係合するロック位置と、インナコーンの回転によって摩擦板がカム板を回転させるリリース位置との間を移動し、ボールベアリングは第1のアウタコーンを第1のインナコーンから離脱させ、ヒンジピンを回転させ、カム板の回転は上方に延びるロック片と第1のアウタコーン・フランジの係合によって制限される。
好ましい実施形態において、装置は、さらにハウジングに固定されたカバーを備え、カバーはヒンジピンを受け入れる挿通口を有するとともにカバー内面を具備し、ばねはカバー内面とアウタコーン・フランジを付勢する。好ましい実施形態において、装置は、さらにカバー内面とインナコーンとの間にワッシャを備える。
一実施形態において、ヒンジピンの回転を止める装置を提供する本発明は、少なくとも3つのボールベアリングを有するフランジを具備する第1のアウタコーンと、くぼみを有するカム面を具備する第1のインナコーンを備え、第1のインナコーンはヒンジピンを受け入れる開口を有し、ヒンジピンが回転すると、第1のインナコーンは第1のアウタコーン内で回転し、カム面はボールベアリングと係合し、ロック位置において、ボールベアリングが割り出しくぼみに位置し、インナコーンとアウタコーンとが係合し、リリース位置において、ボールベアリングが割り出しくぼみから抜け出して、インナコーンとアウタコーンとが離脱し、ヒンジピンの回転を可能とする。
一実施形態において、ヒンジピンの回転を止める装置を提供する本発明は、少なくとも3つのボールベアリング及びカム板の上方に延びるロック片の少なくとも一つの開口を含むアウタコーンと、ヒンジピンを受ける開口を有し、ヒンジピンが回転すると、アウタコーン内で回転するインナコーンと、インナコーン・フランジとアウタコーン・フランジとの間に位置し、ボールベアリングの位置に対応するくぼみを具備し、上方に延びる少なくとも一つのロック片がアウタコーン・フランジ内の少なくとも一つの開口に位置し、開口がロック位置とリリースとの間で上方に延びるロック片の移動を許容する大きさ形状であり、上方に延びるロック片とアウタコーン・フランジの係合によって回転を制限されるカム板と、カム板と第1のインナコーン・フランジの上面との間に位置し、ボールベアリングが割り出しくぼみ内に位置し、アウタコーンとインナコーンとが係合するロック位置と、インナコーンの回転によってカム板を回転させるリリース位置との間で第1のインナコーンを移動可能とし、ボールベアリングとカム板との相互作用で第1のアウタコーンを第1のインナコーンから離脱させる摩擦板とを備える。
本発明は、種々のドアや、出入口などのヒンジを用いる他の装置に使用するドア停止装置を提供する。一実施形態において、本発明のドア停止装置は、抵抗力(例えば、摩擦力)を生じさせるためにテーパコーンを使用する。テーパコーンは、使いやすさ、形状のメンテナンス性、ロックの信頼性を損なわないように、金属材料で構成されるのが好ましい。さらに好ましい実施形態において、テーパコーン及びその他の部分は、チェック装置が汚れや砂、塩や湿気等の周囲の環境から保護されるように、ハウジングで取り囲まれる。好ましい実施形態において、ドア停止装置は、潤滑などのメンテナンスをほとんど要しない。一実施形態において、本発明のドア停止装置は、ドアやヒンジを用いた他の装置を無数の位置で開いたままにすることができる。さらに好ましい実施形態において、ドア停止装置は、既存のヒンジ機構に後から組み込むことができる。
図1〜11は、本発明に係るドア停止装置の種々の好ましい実施形態を示す。本発明は、これらの実施形態に制限されるものではない。本発明の実施形態は、ドア停止装置の2つの実施形態、1)摩擦ドア停止装置と2)無数の位置で停止可能なドア停止装置について例示する。
摩擦ドア停止装置
図1〜5は、本発明に係るドア停止装置の好ましい実施形態を示す。摩擦ドア停止装置は、自動車(例えば、自動車ドア、自動車フード、自動車トランク等)や、その他のヒンジを用いた如何なる装置にも適用することが可能である。摩擦ドア停止装置は、ドアを所望の位置で開けたままにすることができる。本発明は、特別な機構に制限されるものではない。機構の理解は、本発明を実施するために必要とされるものではない。それにもかかわらず、摩擦ドア停止装置は、テーパコーンをテーパスリーブに押し付けることで、高い摩擦力が得られるものであると考えられている。
図1によると、摩擦ドア100は、ヒンジピン110を支持し、ヒンジピン110と接合するものとして構成されている。一実施形態において、摩擦ドア停止装置100は、第1、第2のアウタコーン・フランジ130,240をそれぞれ有する第1、第2のアウタコーン120,220と、第1、第2のインナコーン・フランジ180,230をそれぞれ有する第1、第2のインナコーン140,210と、ばね150と、ハウジング160と、ハウジングカバー170とを備えている。摩擦ドア停止装置100の各構成部品は、特別な構成材料とすることに制限されるものではない(例えば、鋼、樹脂、チタン、それらの合金)。好ましい実施形態において、摩擦ドア停止装置100の各構成部品の構成材料は、深絞り用鋼である(例えば、SAE1050)。一実施形態において、第1,2のアウタコーン120,220には、所望の硬さ(例えば、HRC45〜50、又はHRB1〜100)に熱処理されたものが用いられる。好ましい実施形態において、第1,2のアウタコーン120,220は、HRC45〜50又はHRB70に熱処理される。一実施形態において、第1,2のインナコーン140,210には、所望の硬さ(例えば、HRC45〜50、又はHRB1〜100)に熱処理される。好ましい実施形態において、第1,2のアウタコーン140,210には、HRC45〜50又はHRB50に熱処理される。
図1によると、ヒンジピン110は、その端部において任意の形(例えば、円形、長円形、四角形、六角形、星形)をなす駆動部165を有している。この駆動部165の形状は、第1のインナコーン140(詳細は後述する)の端部に形成された開口168の形状に対応する。好ましい実施形態において、ヒンジピン110の駆動部は四角形である。好ましい一実施形態において、ヒンジピン110は、ヒンジピンの端部をリベット結合することによって第1のインナコーン140に固定されている(図2に示す)。摩擦ドア停止装置を組み立てるに当たり、ヒンジピン110の駆動部は、装置を一体的に保持する部分としての頭部を形成するために据え込み加工される(詳細は後述する)。
図1によると、第1,2のアウタコーン120,220の形状は、幅狭の先端部122,222と、幅広の底部124,224を有する円錐形状である。第1,2のアウタコーン120,220の先端部122,222は、ヒンジピン110を挿通させる開口175,178を有している。さらに、第1,2のアウタコーン120,220は、それぞれ係合面121,221を有している。第1,2のアウタコーン・フランジ130,240は、第1,2のアウタコーン120,220の底部124,224からそれぞれ延びている。第1,2のアウタコーン・フランジ130,240は、所望の形状とすることができる(例えば、非円形形、六角形、長円形、四角形、三角形、星形)。好ましい実施形態において、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240の形状は、第1,2のアウタコーン120,220の軸方向への移動を許容しつつ、ハウジング160内で第1,2のアウタコーン120,220の回転を妨げるためにハウジング160の形状に対応している(詳細は後述する)。好ましい一実施形態において、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240は、六角形である。
図1によると、第1,2のインナコーン140,210の形状は、幅狭の先端部142,212と、幅広の底部144,214を有する円錐形状である。先端部142,212は、ヒンジピン110を受け入れる開口168,169を有している。さらに、第1,2のインナコーン140,210は、それぞれ係合面141,211を有している。第1,2のアウタコーン120,220は、第1,2のインナコーン140,210の上にそれぞれぴったりと取り付けられ、第1のインナコーンの係合面141は、第1のアウタコーンの係合面121に係合し、第2のインナコーンの係合面211は、第2のアウタコーンの係合面221に係合する(詳細は後述する)。
図1によると、ハウジング160は、閉じた底部162と開口した先端部164とを有している。ハウジング160は、如何なる形状にも形成することが可能である(例えば、非円形形、六角形、長円形、四角形、三角形、星形)。好ましい実施形態において、ハウジング160の形状は、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240の形状に対応する。特に好ましい実施形態において、ハウジング160は六角形である。ハウジング160は、特に幅と深さが制限されるものではない。好ましい実施形態において、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240の形状は、ハウジング160の形状に整合し、第1,2のアウタコーン120,220の軸方向への移動を許容しつつ、ハウジング160内で第1,2のアウタコーン120,220の回転を実質的に妨げる。
図1によると、ばね150は、特に構成材料を制限するものではない。好ましい実施形態において、ばね150はコイルばねである。摩擦ドア停止装置100の組み立ての際、ばね150は第1,2のアウタコーン120,220の周りに設けられ、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240に当接する。したがって、ばね150は、第1,2のアウタコーン120,220をインナコーン140,210に向けて付勢する(詳細は後述する)。
一実施形態において、図1に示すように、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240は、上面132,242と下面134,244とを有している。同じように、第1,2のインナコーン140,210は、上面182,232と下面184,234とを有する第1,2のインナコーン・フランジ180,230を備えている。さらなる実施形態において、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240の下面134,244は、アウタコーン・フランジのボールベアリング190を収容する複数のポケットを有している。好ましい実施形態において、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240は、各フランジに3つのボールベアリングを有している。一実施形態において、第1,2のインナコーン・フランジ180,230の上面183,232は、第1,2のインナコーン・フランジのカム面200,215を有している。好ましい実施形態において、第1,2のインナコーン・フランジのカム面200,215は、アウタコーン・フランジのボールベアリング190と係合可能である(詳細は後述する)。
一実施形態において、図1に示すように、第1,2のインナコーン・フランジのカム面200,215(図1に示さない。図3を参照し詳細は後述する)は、割り出しくぼみ201の配列を備えている。好ましい実施形態において、第1,2のインナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみは、第1,2のアウタコーン・フランジのボールベアリング190を受ける大きさ形状である。
好ましい実施形態において、図1に示すように、第1,2のインナコーン140,210は、ロック位置とリリース位置との間で移動可能である。ロック位置において、アウタコーン・フランジのボールベアリング190は、第1,2のインナコーン・フランジのカム面200,215の割り出しくぼみに位置し、第1,2のインナコーン140,210は、第1,2のアウタコーン120,220にそれぞれ係合する。リリース位置において、アウタコーン・フランジのボールベアリング190は、第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみから抜け出し、第1,2のインナコーン140,210を第1,2のアウタコーン120,220から離脱させ、ヒンジピン110の回転を可能とする(詳細は後述する)。
図1によると、ハウジングカバー170は、その中心にヒンジピン110を挿通させる挿通口を有している。摩擦ドア停止装置を組み立てによって、ハウジングカバー170はハウジング160を覆い、ヒンジピン110の挿通を案内する。
図2は、ロック位置にある組み立てられた摩擦ドア停止装置100の断面図を示す。図示するように、第1,2のインナコーン140,210は、第1,2のインナコーンの係合面141,211と第1,2のアウタコーンの係合面121,221とによって、第1,2のアウタコーン120,220にそれぞれ係合する。好ましい実施形態において、ばね150は、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240に当接し、第1,2のアウタコーン・フランジ130,240を第1,2のインナコーン・フランジ180,230へ付勢する。したがって、第1のインナコーン・フランジ180はハウジングカバーの下面172に係合し、第2のインナコーン・フランジ230はハウジングの下面163に係合する。
図2によると、ヒンジピン110はハウジングカバー170に挿入される。ヒンジピン110の駆動部165とリベット265は、第1,2のインナコーン140,210を互いに固定する。一実施形態において、ヒンジピン110の駆動部は、第1のインナコーン140と第2のインナコーン210の接合部における頭部を形成するために据え込み加工される。
図2によると、アウタコーナ・フランジのボールベアリング190は、第1,2のインナコーン・フランジのカム面200,215の割り出しくぼみ201に位置する。各カム面におけるそれぞれのボールベアリングの位置決めによって、割り出し位置における摩擦ドア停止装置100をロックする。
図3(a)〜(d)は、ロック位置とリリース位置におけるインナコーン(第1,2のアウタコーンの両方に適用する)、ボールベアリング(アウタコーン・フランジのボールベアリング190に適用する)、インナコーン・フランジのカム面(第1のインナコーン・フランジのカム面200と第2のインナコーン・フランジのカム面に適用する)の側面図(断面図)である。説明上、図3は、第1のアウタコーン・フランジ130、第1のインナコーン・フランジ180、アウタコーン・フランジのボールベアリング190、割り出しくぼみ201と第1のインナコーン・フランジのカム面200に関して示している。
図3(a)は、第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみ201内でロック位置にあるアウタコーン・フランジのボールベアリング190を示す。アウタコーン・フランジのボールベアリング190は、ボールベアリング空間131内にあり、アウタコーン・フランジ内で固定されている。アウタコーン・フランジのボールベアリング190とインナコーン・フランジのカム面200との間に最小の隙間を存している。この位置は、図3(e)の位置280(矢視で示す)に相当する。ボールベアリング190は、カム面200の割り出しくぼみ201の略中心にある。図3(e)によると、カム面200の割り出しくぼみ201は、位置280(ロック位置)の最も深い所にあり、位置283(リリース位置)の方向に向かって漸次浅くなっている。明確には示さないが、インナコーン・フランジ180とアウタコーン・フランジ130との間に最小の隙間を存する。
図3(b)は、ボールベアリングが第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみ201の傾斜面を移動するときの初期リリース位置にある第1のアウタコーン・フランジのボールベアリング190を示す。図3(e)によると、この位置は、矢印で示されるように位置281に対応する。図示するように、第1のアウタコーン・フランジ130は、第1のインナコーン・フランジ180から離れている。このため、第1,2のインナコーン・フランジの係合面と第1,2のアウタコーン・フランジの係合面が離れることとなる。さらに、アウタコーン・フランジのボールベアリング190が第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみ201の傾斜面を移動すると、第1のアウタコーンが固定されたままで第1のインナコーンが回転する。
図3(c)は、第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみの頂端(図3(e)において矢印で示す位置282)で、リリース位置にあるアウタコーン・フランジのボールベアリング190を示す。
図3(d)は、第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみ内でロック位置にある第1のアウタコーン・フランジのボールベアリング190を示す。図3(a)に示すように、アウタコーン・フランジのボールベアリング190と第1のインナコーン・フランジのカム面200との間には、最小の隙間を存している。図3(a)に示すように、第1のアウタコーン・フランジ130は、第1のインナコーン・フランジ180に係合することができる。しかしながら、好ましい変形例において、図示しないが、フランジ130とフランジ180との間に隙間を存することが望ましい。
図4(a)(b)は、ロック位置とリリース位置にある摩擦ドア停止装置の断面図である。図4(a)はロック位置にある摩擦ドア停止装置を示す。図示するように、第1のアウタコーン120は、第1のインナコーン140に係合し、第2のアウタコーン220は、第2のインナコーン210に係合する。各アウタコーンは、ハウジング160に固定される。ヒンジピン110の駆動部165は各インナコーンの接合部に位置し、リベット265は第2のインナコーン210の内側に位置する。アウタコーン・フランジのボールベアリング190は、第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみ201内のロック位置(すなわち、図3(e)の位置280)にある。図示しないが、ボール190とカム面との間には最小の隙間を存する。ばね150は、各アウタコーン120,220の外側を囲んでいる。ばね150は、第1,2のアウタコーン120,220を第1,2のインナコーン140,210に向かって付勢し、第1,2のインナコーンの係合面141,211と第1,2のアウタコーンの係合面121,221とが互いに係合する。装置がロック位置にあるとき、インナコーンとアウタコーンとの間の摩擦は、ヒンジピン110の回転を制限する。
図4(b)は、リリース位置にある摩擦ドア停止装置を示す。インナコーンとアウタコーンの係合面に生じる摩擦力を超える力が加わると、ヒンジピン110が回転する。ヒンジピン110の回転は、アウタコーン・フランジのボールベアリング190を第1のインナコーン・フランジのカム面200の割り出しくぼみの傾斜面を移動させる。カム面(例えば、第1のインナコーンのカム面200)の割り出しくぼみ201から抜け出すボールベアリング(例えば、第1のアウタコーン・フランジのボールベアリング190)の移動は、各インナコーンを各アウタコーンから離脱させる。各アウタコーンがハウジング160に固定される一方、アウタコーンは軸方向に移動可能である。各アウタコーンからの各インナコーンの離脱は、インナコーンとアウタコーンの係合面間の摩擦を減少させ、各インナコーンをヒンジピン110とともに容易に回転させる。
一実施形態として図5(a)に示すように、摩擦ドア停止装置100は、ドアヒンジ270の内側に配置される。別の実施形態として図5(b)に示すように、摩擦ドア停止装置は、ドアヒンジ270の外側に配置される。
本発明の好ましい実施形態において、ドアや他の装置(例えば、自動車ドアや出入口)に組み込むことによって、摩擦ドア停止装置は以下のように作用する。閉じた位置において(ドアが閉じた時)、アウタコーン・フランジのボールベアリングは、インナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみ内に位置する。アウタコーンは、ハウジングに固定されるようにして係合し、その回転が妨げられる。ばねは、アウタコーンを関係するインナコーンに向けて付勢し、所望の位置でドアを保持するための摩擦力を生じさせる(すなわち、カム面の割り出しくぼみで決定される位置)。ロック位置からドアを開放するためには、インナコーン、アウタコーン、ばねによって生じる保持力を超える力を与えなければならない。ヒンジピンが回転すると、インナコーンが回転し、アウタコーン・フランジのボールベアリングが割り出しくぼみから押し出され、インナコーン・フランジのカム面に沿う傾斜面を移動し、続いてアウタコーンがインナコーンから離脱する。アウタコーンは回転しないが、アウタコーンとインナコーンを分離するために軸方向に移動し、小さい力でドアを移動することが可能となる。ドアが移動し、次の回り止め位置(割り出しくぼみに相当)までくると、ばねはアウタコーンを押し、アウタコーン・フランジのボールベアリングがインナコーン・フランジのカム面の次の割り出しくぼみに収まる。
摩擦ドア停止装置は、単に、従来からあるドアヒンジに使われることに制限されるものではない。好ましい実施形態において、本発明の摩擦ドア停止装置は、自動車ドアや、自動車トランクや、自動車フードや、自動車リアドアに適用可能である。
無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置
無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置も、自動車(例えば、自動車ドア、自動車フード、自動車トランク等)や、ヒンジを用いた種々の装置に使われるものである。この摩擦ドア停止装置は、従来技術に多くの改良を提供するものである。第1に、好ましい実施形態において、本発明の無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置は、人が出入りするために、ドアを無数の位置で開けたままにすることができるものである。したがって、摩擦ドア停止装置は、所望の回り止め位置に依存するものではなく、回り止め位置を無数に変更することができる。第2に、好ましい実施形態において、本発明の無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置は、一体部品としてドアヒンジの内側へ、外付け部品としてドアヒンジの外側へ、どちらにも組み込むことができるものである。第3に、好ましい実施形態において、ハウジングは、本発明の無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置を全体的に周囲から覆い、砂や湿気が装置の中に入ったり、故障したりするのを防止するものである。
図6によると、無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置600は、好ましくはヒンジピン610を支持し、接合するものとして構成されている。一実施形態において、装置600は、アウタコーン・フランジ630を有するアウタコーン620と、インナコーン・フランジ680を有するインナコーン640と、ばね650と、ハウジング660と、ハウジングカバー670と、カム板672と、摩擦板674と、摩擦ワッシャ676とを備えている。装置600の構成部品は、特に構成材料が制限されるものではない(例えば、鋼、チタン、それらの合金)。好ましい実施形態において、装置600の構成部品の構成材料は、別に記載がない限り、深絞り用鋼である(例えば、SAE1050)。アウタコーン620には、所望の硬さ(例えば、HRC45〜50、又はHRB1〜100)に熱処理されたものを用いることができる。好ましい実施形態において、アウタコーン620は、HRC45〜50又はHRB70に熱処理される。好ましい実施形態において、インナコーン640は、SAE1050深絞り用鋼である。インナコーン640には、所望の硬さ(例えば、HRC45〜50、又はHRB1〜100)に熱処理されたものを用いることができる。好ましい実施形態において、インナコーン620は、HRC45〜50又はHRB50に熱処理される。
図6によると、一実施形態において、アウタコーン620の形状は、幅狭の先端部621と、幅広の底部622を有する円錐形状である。先端部621は、ヒンジピン610を受け入れる形状に形成された開口625を有している。また、アウタコーン620は、アウタコーンの係合面626を有している。アウタコーン620は、インナコーン640の上に取り付けられる(詳細は後述する)。一実施形態において、インナコーン640の形状は、幅狭の先端部641と、幅広の底部642を有する円錐形状である。先端部641は、ヒンジピン610を受け入れる形状に形成された開口644を有している。好ましい実施形態において、開口644は、ヒンジピンの駆動部613の形状に対応する。好ましい一実施形態において、開口644は四角形である。インナコーン640は、インナコーンの係合面645を有している。アウタコーン620は、インナコーン640の上に取り付けられ、インナコーンとアウタコーンの係合面626,645が互いに当接する(詳細は後述する)。一実施形態として図6に示すように、インナコーン640は、上面681及び下面682を有するインナコーン・フランジ680を備えている。好ましい実施形態において、インナコーン・フランジ680の上面681は、摩擦板674に係合可能である(詳細は後述する)。
図6によると、アウタコーン・フランジ630は、アウタコーン620の底部622か延出している。アウタコーン・フランジ630は、特別な形状に制限されるものではない。むしろ、アウタコーン・フランジを様々な形状にすることができる(例えば、非円形、六角形、長円形、四角形、三角形、星形)。好ましい実施形態において、アウタコーン・フランジ630の形状は、ハウジング660内でアウタコーン620の回転を妨げるために、ハウジング660の形状に対応する。好ましい一実施形態において、アウタコーン・フランジ630の形状は、六角形である。一実施形態として図6に示すように、アウタコーン・フランジ630は上面631及び下面632を有する。アウタコーン・フランジ630の下面は、ボールベアリング690を受け入れる大きさ形状に形成された複数のポケットを有している。一実施形態として図6に示すように、アウタコーン・フランジ630は、少なくとも一つの切欠部(開口)700を有している。さらなる実施形態において、カム板672の上面は、カム板の上方に延びる少なくとも一つのロック片710を備えている。好ましい実施形態において、アウタコーン・フランジの切欠部700は、切欠部内でカム板の上方に延びるロック片が移動できる大きさ形状に形成されている。したがって、カム板672はロック位置とリリース位置との間を移動することができる(詳細は後述する)。
図6によると、ハウジング660は、上述したように、アウタコーン・フランジ630の形状に対応する形状に形成されている。したがって、ハウジング660を種々の形状にすることができる(例えば、非円形、六角形、長円形、四角形、三角形、星形)。好ましい実施形態において、ハウジング660の形状は六角形である。図6によると、ばね650はアウタコーン620の周囲に被着される。それによって、装置がロック位置にあるときに、アウタコーン620がインナコーン640を付勢する。
図6によると、カム板672は、上面675及び下面692を有する。好ましい実施形態において、カム板672の上面675は、アウタコーン・フランジ630の下面に当接する(詳細は後述する)。一実施形態において、カム板672は複数のくぼみ698を有している。好ましい実施形態において、カム板672のくぼみ698は、位置決めされるボールベアリング690の位置に対応して一定間隔で配置されている。
図6によると、摩擦板674は、上面677及び下面678を有する。好ましくは、摩擦板674の上面677及び下面678は、インナコーン・フランジ680とカム板672との間に、それぞれ所望の摩擦係数を与える。好ましい実施形態において、摩擦板674の下面678は、インナコーン・フランジ680の上面681と係合可能である。ロック位置において、アウタコーン・フランジのボールベアリング690は、カム板の割り出しくぼみに位置し、アウタコーン620とインナコーン640とが係合する(詳細は後述する)。リリース位置において、インナコーン640の回転により摩擦板674がカム板672を回転させ、アウタコーン・フランジのボールベアリング690がアウタコーン620をインナコーン640から離脱させ、ヒンジピン610が回転する。そして、上方に延びるロック片を有するカム板がアウタコーン・フランジ630と係合することによって、カム板672の回転が制限される。
図6によると、ハウジングカバー670は、その中心にヒンジピン610を挿通させる挿通口を有している。無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置600の組み立てによって、ハウジングカバー670はハウジング660を覆い、ヒンジピン610の挿入をガイドする。
図7は、ロック位置において、組み立てられた無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置600の断面図である。図示するように、ヒンジピン610は、インナコーン640(詳細は後述する)と接合する任意形状(例えば、非円形、六角形、長円形、四角形、三角形、星形)の駆動部613を備えている。好ましい実施形態において、ヒンジピンの駆動部613は四角形である。一実施形態において、ヒンジピン610の駆動部613は、インナコーン640にヒンジピン610を固定する部分である頭部を形成するために据え込み加工されている。ハウジングカバー670は、ハウジング660を覆い、ヒンジピン610を挿入案内する。ワッシャ676の上面はハウジングカバー670に係合し、ワッシャ676の下面はインナカバー640の上面に係合する。
図7によると、インナコーン640はアウタコーン620に係合し、インナコーンとアウタコーンの係合面が互いに当接する。ばね650は、アウタコーン620、カム板672、摩擦板674、インナコーン640を、相互に及びハウジング660に対して付勢するために、ハウジングカバー670とアウタコーン・フランジ630に係合する。好ましい実施形態において、カム板672の上面は、アウタコーン・フランジ640の下面と摩擦板674の上面で付勢されている。二つのアウタコーン・フランジのボールベアリング690は、カム板672のくぼみに位置し、インナコーン・フランジ680の上面は、摩擦板674の下面で付勢されている。カム板の上方に延びるロック片710は、アウタコーン・フランジの切欠部700に位置している。
図8(a),(b)は、それぞれロック位置とリリース位置にある、インナコーン・フランジ680、摩擦板674、カム板672、アウタコーン・フランジの切欠部700、カム板の上方に延びるロック片710、アウタコーン・フランジのボールベアリング690そしてアウタコーン・フランジ630の部分断面図である。
図8(a)は、ロック位置にある装置を示す。アウタコーン・フランジのボールベアリング690は、カム板672のくぼみに位置している。断面図に示すように、くぼみ698は中心部分が深く、中心から離れる両方方向に漸次浅くなっている。図示されるように、アウタコーン620の下面は、カム板672の上面に係合する。カム板の上方に延びるロック片710は、アウタコーン・フランジの切欠部700内に示されている。カム板672の下面は、摩擦板674の上面と係合し、摩擦板674の下面はインナコーン・フランジ680の上面と係合する。
図8(b)は、リリース位置にある装置600を示す。アウタコーン・フランジのボールベアリング690は、カム板672のくぼみ698の傾斜面694を移動している。ボールベアリング690の移動は、アウタコーン・フランジ630をカム板672から離脱させる。
図9(a),(b)は、それぞれロック位置とリリース位置において無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置の断面図を示す。図9(a)は、ロック位置にある装置600を示す。図示するように、インナコーン640は、インナコーンとアウタコーンの係合面645,626を互いに接触させてアウタコーン620に係合する。インナコーン・フランジ680はハウジング660に当接する。カム板672の上面は、アウタコーン・フランジ640の下面と摩擦板674の上面と係合する。アウタコーン・フランジのボールベアリング690は、カム板672のくぼみに位置している。インナコーン・フランジ680の上面は、摩擦板674の下面と係合する。摩擦板674の下面は、インナコーン・フランジ680の上面と係合する。カム板の上方に延びているロック片710は、アウタコーン・フランジの切欠部700を通って延びている。
図9(b)は、リリース位置にある装置を示す。ヒンジピン610の回転は、アウタコーン・フランジのボールベアリング650をカム板672のくぼみの傾斜面を移動させる。カム板672のくぼみから抜け出すアウタコーン・フランジのボールベアリング650の移動は、インナコーン640をアウタコーン620から離脱させる。アウタコーン620は、軸方向に自由に動きつつ、ハウジング660に回転自在に固定されたままとなる。
図10(a)〜(f)は、カム板の上方に延びるロック片とアウタコーンの切欠部との相互作用を示す略図及び部分断面図である。図10(a),(b)はロック位置にある装置600を示す。図10(b)によると、ボールベアリング690は、カム板のくぼみ698に位置し、アウタコーン・フランジ630はカム板672と係合している。図10(a),(b)によると、アウタコーン・フランジの各切欠部700は、第1,2の内面701,702をそれぞれ有している。ロック位置において、カム板の上方に延びるロック片710は、第1,2の内面701,702の間に位置している。図示するように、上方に延びるロック片710は、第1,2の内面701,702の間で隙間を生ずる大きさ形状に形成されている。この隙間は、カム板の回転を制限する。
図10(c),(d)は、ヒンジピン610が反時計方向に移動してリリース位置にある装置を示す。図10(d)によると、ボールベアリング690は、カム板672のくぼみから抜け出し、アウタコーン・フランジの下面をカム板672の上面から離脱させている。カム板の上方に延びるロック片は、カム板672が制限された回転量の範囲内で回転するように、第1,2の内面701,702の間を自由に移動する。反時計方向に回転した場合、カム板672の回転は、カム板の上方に延びるロック片710がアウタコーン・フランジ700の切欠部700の第2の内面702に係合することで停止する。
図10(e),(f)は、ヒンジピン610が時計方向に移動してリリース位置にある装置を示す。図10(e)によると、ボールベアリング690は、カム板672のくぼみから抜け出し、アウタコーン・フランジの下面をカム板672の上面から離脱させている。時計方向に回転した場合、カム板672の回転は、カム板の上方に延びるロック片710がアウタコーン・フランジの切欠部700の第1の内面701に係合することで停止する。
図11(a)〜(c)は、アウタコーン・フランジのボールベアリング690とカム板のくぼみ698との関係を示す種々の図である。図11(a)は、ロック位置とリリース位置における装置のカム配置の断面図を示す。ロック位置において、ボールベアリング690は、くぼみ698の最も深いところに位置し、アウタコーン・フランジ630とカム板672とが係合する。リリース位置において、ボールベアリング690は、傾斜面694を移動し、アウタコーン・フランジ630をカム板672から離脱させる。ボールベアリング690の最大の移動量を矢印800で示す。ボールベアリング690の移動による最大リフト量を矢印805で示す。
図11(b)は、装置600のカム配置、特に、ボールベアリング690とカム板672のくぼみ698との相互作用の概略図を示す。図示するように、ボールベアリング690は、くぼみ698の中心におけるロック位置と、くぼみ698の幅狭で浅底の端部におけるリリース位置との間の傾斜面を移動する。
図11(c)は、カム配置に関係する力の作用説明図である。F1はばねの力、F2はボールベアリングが傾斜(傾斜角)αを移動するための力、μはF1とF2を妨げるために必要とする摩擦係数である。
一般に、装置がロック位置にあるとき、インナコーンとアウタコーンは、ハウジング内で完全に係合し、移動に対して最大の摩擦力を生じる。アウタコーンのボールベアリングがカム板のくぼみに位置し、摩擦板がインナコーン・フランジとカム板と係合し、カム板の上方に延びるロック片がアウタコーン・フランジの切欠部の中心に位置し、ばねが摩擦板とインナコーンとアウタコーンを所定の圧力で押圧する。ヒンジピンが回転し始めると、カム板が回転し、アウタコーン・フランジのボールベアリングがカム板のくぼみの傾斜面を移動し、それによって、アウタコーンがインナコーンから離脱し、双方のコーンが摩擦から解放される。カム板の回転は、カム板の上方に延びるロック片と、アウタコーンの切欠部の内面との係合によって制限される。カム板の回転が停止する間、インナコーンは回転を自由に続ける。インナコーンの回転は、インナコーンと、摩擦板と、カム板との間の摩擦力を超える十分な力を必要とし、ドアを重くきつく感じさせる。インナコーンの回転が止まると、アウタコーン・フランジのボールベアリングが、カム板の割り出しくぼみの最も深い点に戻り、アウタコーンがインナコーンの上に重なり、インナコーンとアウタコーンがロックする。
公報及び特許の全てについては、引用することよって組み込まれた上の明細書で述べている。本発明の特に好ましい実施形態について述べたが、特許請求の範囲に記載された発明は、このような実施形態に不当に限定されるべきものではないことが理解されるであろう。さらに、当業者にとって明らかな発明の実施形態の様々な変更は、以下の請求項の範囲にあることが意図されるものである。
摩擦ドア停止装置の組立分解図である。 組み立てられた摩擦ドア停止装置がロック位置にある状態を示す断面図である。 摩擦ドア停止装置の種々のプロファイルを示す図であり、(a)は第1のインナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみ内で、ロック位置にあるアウタコーン・フランジのボールベアリングを示す断面図、(b)は第1のインナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみの傾斜面内で、初期リリース位置にある第1のアウタコーン・フランジのボールベアリングを示す断面図、(c)は第1のインナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみの頂点で、リリース位置にあるアウタコーン・フランジのボールベアリングを示す断面図、(d)は第1のインナコーン・フランジのカム面の割り出しくぼみ内でロック位置にある第1のアウタコーン・フランジのボールベアリングを(a)の示す方向の直交方向から見た断面図、(e)はカム面及び割り出しくぼみを示す平面図である。 (a)はロック位置にある摩擦ドア停止装置の断面図、(b)はリリース位置にある摩擦ドア停止装置の断面図である。 (a)はドアヒンジの内側に摩擦ドア停止装置を設けた図、(b)はドアヒンジの外側に摩擦ドア停止装置を設けた図である。 無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置の組立分解図である。 組み立てられた無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置がロック位置にある状態を示す断面図である。 (a)はロック位置にある無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置、(b)はリリース位置にある無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置を、それぞれ示す部分断面図である。 (a)はロック位置にある無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置、(b)はリリース位置にある無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置を、それぞれ示す断面図である。 無数の位置で停止可能な摩擦ドア停止装置を示す種々の図であり、(a)はロック位置にある装置の平面図、(b)は(a)の部分断面図、(c)はヒンジピンが反時計方向に移動してリリース位置にある装置の平面図、(d)は(c)の部分断面図、(e)はヒンジピンが時計方向に移動してリリース位置にある装置の平面図、(f)は(e)の部分断面図を示す。 アウタコーン・フランジのボールベアリングとカム板との関係を示す種々の図であり、(a)はロック位置とリリース位置における装置のカム配置の断面図、(b)はボールベアリングとカム板のくぼみとの相互作用の概略図、(c)はカム配置に関係する力の作用説明図である。
符号の説明
100,600 摩擦ドア停止装置
110,610 ヒンジピン
120 第1のアウタコーン
121,221,626 係合面
122,222,621 先端部
124,224,622 底部
130 第1のアウタコーン・フランジ
140 第1のインナコーン
141,211,645 係合面
150,650 ばね
160,660 ハウジング
165,613 駆動部
170,670 ハウジングカバー
180,680 第1のインナコーン・フランジ
190,690 ボールベアリング
200,215 カム面
201 割り出しくぼみ
210 第2のインナコーン
220 第2のアウタコーン
221 係合面
230 第2のインナコーン・フランジ
240 第2のアウタコーン・フランジ
620 アウタコーン
630 アウタコーン・フランジ
640 インナコーン
672 カム板
674 摩擦板
680 インナコーン・フランジ
698 くぼみ
700 切欠部(開口)
710 ロック片

Claims (20)

  1. 第1のアウタコーンと、
    前記第1のアウタコーン内に配置され、前記第1のアウタコーンに対して押し付けられる第1のインナコーンとを備え、
    前記第1のインナコーンと前記第1のアウタコーンとは互いに係合し、
    前記第1のインナコーンはヒンジピンを受け入れる開口を有し、前記ヒンジピンが回転するときに、前記第1のインナコーンが前記第1のアウタコーン内で回転する、ヒンジピンの回転を止めるための装置。
  2. さらにハウジングを備え、
    前記第1のアウタコーンが、前記ハウジング内に配置されて、前記ハウジング内での前記第1のアウタコーンの回転が実質的に妨げられるようになっている、請求項1記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  3. 前記第1のアウタコーンは、前記ハウジングと係合して前記ハウジング内での前記第1のアウタコーンの回転を実質的に妨げる第1のアウタコーン・フランジを備える、請求項1記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  4. 前記ハウジングと前記第1のアウタコーン・フランジとが、いずれも六角形の形状を有する、請求項3記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  5. さらにばねを備え、
    前記ばねが、前記ハウジング内に配置されて、前記第1のインナコーンを前記第1のアウタコーンに向かって付勢する、請求項3記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  6. 前記第1のアウタコーン・フランジは上面及び下面を有し、前記第1のアウタコーン・フランジの上面は少なくとも3つのボールベアリングを有し、
    前記第1のインナコーンは上面及び下面を有するフランジを備え、
    前記第1のインナコーンの下面は前記ボールベアリングと係合可能なカム面を備える、請求項3記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  7. 前記カム面はくぼみの配列を有し、
    前記第1のインナコーンは、前記ボールベアリングが前記くぼみに位置して前記第1のインナコーンと前記第1のアウタコーンとが互いに係合するロック位置と、前記ボールベアリングが前記くぼみから抜け出して、前記第1のインナコーンと前記第1のアウタコーンとを互いに離脱させ、それにより前記ヒンジピンを中心とする回転を容易にするリリース位置との間で移動可能である、請求項6記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  8. さらに、前記ヒンジピンを受け入れるための開口を有するとともに上面及び下面を有するフランジを具備する第2のインナコーンと、
    前記ハウジングと係合するフランジを具備する第2のアウタコーンとを備え、
    前記第1のインナコーンと前記第2のインナコーンとが互いに対向し、前記ばねが前記第1のインナコーンのフランジと前記第2のインナコーンのフランジとの双方に係合する、請求項5記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  9. 前記第2のアウタコーン・フランジは上面及び下面を有し、前記第2のアウタコーン・フランジの下面は少なくとも3つのボールベアリングを有しており、
    前記第2のインナコーン・フランジの上面が前記ボールベアリングと係合可能なカム面を備える、請求項8記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  10. 前記カム面は割り出しくぼみの配列を備え、
    前記第2のインナコーンは、前記ボールベアリングが前記くぼみに位置して前記第2のインナコーンと前記第2のアウタコーンとが互いに係合するロック位置と、回転に伴い前記ボールベアリングが前記くぼみから抜け出して、前記第2のインナコーンと前記第2のアウタコーンとを互いに離脱させ、それにより前記ヒンジピンを中心とする回転を容易にするリリース位置との間で移動可能である、請求項9記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  11. さらに、ヒンジピン挿通口を有するハウジングカバーを備え、
    前記ハウジングカバーが前記ハウジング上に配置されて、前記第1のインナコーンが前記ハウジングカバーに向かって付勢される、請求項8記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  12. 前記第1のアウタコーン・フランジは上面及び下面を有し、前記第1のアウタコーン・フランジの下面は少なくとも3つのボールベアリングを有し、
    さらに、前記第1のアウタコーン・フランジの下面に対向するカム面を有するカム板を備え、前記カム面は、少なくとも3つのボールベアリングの位置に対応するくぼみの配列を有する、請求項5記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  13. 前記第1のインナコーンは上面を有するフランジを備え、前記カム板は上方に延びる少なくとも一つのロック片を備え、前記第1のアウタコーン・フランジは、前記上方に延びるロック片を受け入れる少なくとも一つの開口を有し、
    前記開口は、前記上方に延びる少なくとも一つのロック片の、前記開口内でのロック位置とリリース位置との間の移動を許容する大きさを有し、
    前記カム板の回転は、前記上方に延びるロック片と前記第1のアウタコーン・フランジとの係合によって制限され、
    さらに、前記カム板と前記第1のインナコーン・フランジの上面との間に摩擦板を備え、前記第1のインナコーンは、前記ボールベアリングが前記くぼみに位置して前記第1のアウタコーンと前記第1のインナコーンとが互いに係合するロック位置と、前記インナコーンの回転に伴い前記摩擦板が前記カム板を回転させて、前記ボールベアリングと前記カム板との相互作用により、前記第1のアウタコーンを前記第1のインナコーンから離脱させるリリース位置との間で移動可能である、請求項12記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  14. さらに、前記ハウジングに固定されるカバーを備え、
    前記カバーは前記ヒンジピンを受け入れるための開口を有するとともにカバー内面を備え、
    前記ばねが前記カバー内面と前記アウタコーン・フランジとの双方に押し付けられる、請求項13記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  15. さらに、前記カバー内面と前記インナコーンとの間にワッシャを備える、請求項14記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  16. 前記ヒンジピンがドアに取り付けられる、請求項1記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  17. ヒンジの内側に存する請求項1記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  18. ヒンジの外側に存する請求項1記載のヒンジピンの回転を止めるための装置。
  19. 少なくとも3つのボールベアリングを具備するフランジを有する第1のアウタコーンと、
    割り出しくぼみを具備するカム面を有する第1のインナコーンとを備え、
    前記第1のインナコーンは、ヒンジピンを受け入れるための開口を有し、前記ヒンジピンが回転するときに、前記第1のインナコーンが前記第1のアウタコーン内で回転し、
    前記カム面は前記ボールベアリングに係合し、ロック位置において、前記ボールベアリングが前記割り出しくぼみ内に位置して前記インナコーンと前記アウタコーンとが係合し、リリース位置において、前記ボールベアリングが前記割り出しくぼみから抜け出して前記インナコーンと前記アウタコーンとを離脱させ、それにより前記ヒンジピンを中心とする回転を容易にする、ヒンジピンの回転を止めるための装置。
  20. 少なくとも3つのボールベアリングを受容するとともにカム板の上方に延びるロック片を係合させる少なくとも一つの開口を有するフランジを具備するアウタコーンと、
    ヒンジピンを受け入れるための開口を有し、前記ヒンジピンが回転するときに前記アウタコーン内で回転するインナコーンと、
    前記インナコーンと前記アウタコーンとの間に配置されるカム板であって、前記ボールベアリングの位置に対応するくぼみと、前記アウタコーン・フランジ内の前記少なくとも一つの開口に位置する上方に延びる少なくとも一つのロック片とを具備し、前記開口をロック位置とリリースとの間での前記上方に延びるロック片の移動を許容する大きさとし、前記上方に延びるロック片と前記アウタコーン・フランジとの係合によって回転が制限されるカム板と、
    前記カム板と前記第1のインナコーン・フランジの上面との間に配置される摩擦板であって、前記ボールベアリングが前記割り出しくぼみ内に位置して前記アウタコーンと前記インナコーンとが係合するロック位置と、前記インナコーンの回転に伴い前記カム板を回転させて、前記ボールベアリングと前記カム板との相互作用で前記アウタコーンを前記インナコーンから離脱させるリリース位置との間で、前記第1のインナコーンを移動可能とする摩擦板とを備え、
    前記カム板は、前記ボールベアリングに係合し、ロック位置において、前記ボールベアリングが前記割り出しくぼみ内に位置して前記インナコーンと前記アウタコーンとが係合し、リリース位置において、前記インナコーンの回転に伴い前記カム板が回転して前記カム板と前記ボールベアリングとの相互作用で前記アウタコーンを前記インナコーンから離脱させるようになっている、ヒンジピンの回転を止めるための装置。
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