JPS5828111Y2 - エレベ−タの救出口ドア錠止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エレベータにおける乗かごの救出口ドア錠止
装置に関する。

一般に、エレベータの乗かごは、建物の各階床の中間で
故障により停止したとき、隣接する他のエレベータの正
常な乗かごを故障エレベータと並行して停止させ、各乗
かごの側面に設けられたサイド救出口より錠止装置を解
錠して乗客を救出するようになっている。

このように、各乗かごのサイド救出口に設けられるドア
救出装置は、たんに差込みキー又は操作ハンドルを回わ
すことによって、開錠及び閉錠し得るようになっている
けれども、運転時における乗かごの加速度や減速度又は
異常な衝撃により、錠止装置の鎖錠部が自然に開錠する
おそれがある。

又一方、サイド救出口のドア錠止装置は安全を確保する
ために、開錠動作に連動するリミットスイッチが附設さ
れており、閉錠されるときにのみ、リミットスイッチが
安全回路を閉路し、乗かごが安全に運転できるように構
成されているため、上記ドア錠止装置は、不用意に開錠
しないまでも、鎖錠部の僅かな動きに起因して、リミッ
トスイッチが誤動作し、上記安全回路を開路し、エレベ
ータを停止させ、乗客がいわゆる罐詰状態になるおそれ
がある。

本考案は、上述した点に鑑み、開錠するとき、差込みキ
ー又は操作ハンドルを回転させるという単一動作のみで
は開錠しないように、乗かごのサイド救出口に設けられ
る開閉扉の錠止装置を差込みキー又は操作ハンドルを、
弾性体の弾力に抗して鎖錠操作軸の軸方向に摺動した後
、さらに回動することにより開錠するようにし、これに
より、振動や衝撃又は人為的ないたずらで妄りに開錠し
ないようにしたことを目的とするエレベータの救出口ド
ア錠止装置を提供するものである。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

図において、符号１はエレベータにおける乗かごてあっ
て、この乗かご１の一側にはサイド救出口２が形成され
ており、このサイド救出口２には開閉扉３が開閉自在に
蝶着されている。

又、この開閉扉３の外側面の一部には、第６図に示され
るように、シリンダー４が止ナツト５で固着して設けら
れており、このシリンダー４の外周段部には一対の偏心
ピン６を有する円板７がスナップリング８によって抜は
出さないようにして嵌装されている。

さらに、上記円板７の基部には爪片９が半径方向に附設
されており、この爪片９は上記開閉扉３の一部に穿設さ
れた条孔３ａを貫通して乗かご１の側壁に係脱し得るよ
うになっている。

一方、上記シリンダー４には鎖錠操作軸１０が摺動し得
るようにして、しかも回動自在に軸装されており、この
鎖錠操作軸１０の一端部にはキー溝１０ ａが形成され
ており、このキー溝１０ ａには差込みキー１１が係脱
し得るようになっている。

又、上記鎖錠操作軸１０の中程には切欠円板１２が一体
的に設けられており、この切欠円板１２には一対の偏心
孔１３が穿設されている。

さらに、この各偏心（Ｌ１３には各鎖錠ロッド１４が上
記各偏心ピン６で連結されており′、この各鎖錠ロッド
１４は前記開閉扉３に設けられた各ブラケット１５（第
１図参照）を介して、上記乗かご１の各リミットスイッ
チ１６を作動し得るようになっている。

さらに又、上記鎖錠操作軸１０の他端部にはねじ部１０
ｂが設けられており、このねじ部１０ ｂには後述する
操作ハンドル２１が止ナツト２２で抜は落ちないように
して取付けられている。

他方、上記開閉扉３の裏面に植設された各スタットボル
ト１７には断面が樋状をなす保持部材１８が各ナツト１
９によって固着されており、この保持部材１８と上記切
欠円板１２の側面との間には例えばコイルばねのような
、弾性体２０が弾発的に介装されている。

又、上記保持部材１８の外がわに貫通した上記鎖錠操作
軸１０のねじ部１０ｂには操作ハンドル２１が止ナツト
２２で固着されており、この操作ハンドル２１は上記各
鎖錠ロッド１４を作動し得るようになっている。

さらに、上記切欠円板１２の切欠部１２ ａに近接した
上記保持部材１８には止子（ストッパ）２３が設けられ
ており、この止子２３は、第３図及び第４図に示される
ように、開錠時、上記切欠部１２ ａに係合しており、
上記操作ハンドル２１はそのま・の状態では回動しない
ようになっている。

さらに又、前記爪片９の回動通路上に位置する上記保持
部材１８の一部にはストッパ２４が附設されており、こ
のストッパ２４は、開鎖時、上記爪片９の回動を規制す
るようになっている。

従って、閉錠時、乗かごが昇降時に受ける振動や衝撃を
受けても、切欠部１２ ａが止子２３に係合しているか
ら、妄りに開錠するおそれはない（第３図及び第４図参
照）。

次に、開錠するときには、差込みキー１１又は操作ハン
ドル２１を弾性体２０の蓄勢弾力に抗して軸方向に引張
ることにより、上記鎖錠操作軸１０は軸方向に摺動する
ので、上記切欠部１２ ａは止子２３から離脱する。

しかして上記操作ハンドル２１を回動すると、第２図及
び第７図に示されるように、鎖錠ロッド１４はリミット
スイッチ１６から離間して開錠されるようになっている
。

以上述べたように本考案によれば、乗かご１のサイド救
出口２に開閉扉３を開閉自在に蝶着し、この開閉扉３の
一部にシリンダー４を設け、このシリンダー４の外周に
一対の偏心ピン６を有する円板７を抜は出ないようにし
て嵌装し、上記シリンダー４に切欠円板１２を有する鎖
錠操作軸１０を軸装し、この切欠円板１２に各錠止ロッ
ド１４を上記偏心ピン６で連結し、上記開閉扉３の一部
に設けられた保持部材１８で上記鎖錠操作軸１０を軸支
し、この保持部材１８と上記切欠円板１２との間に弾性
体２０を介装し、上記保持部材１８に設けられた止子２
３で切欠円板１２を係脱し得るようになっているので、
上記鎖錠操作軸１０の操作ハンドル２１等を、一旦、軸
方向へ摺動した後、さらに操作ハンドル２１を回動しな
ければ開錠されないから、乗かご３の昇降時に生じる振
動や衝撃を受けても開錠するおそれはなく、安全を維持
することができるばかりでなく、取扱い操作も簡単であ
る等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるエレベータの救出口ドア錠止装置
を組込んだ外側面図、第２図は本考案の作動状態を説明
するための図、第３図は本考案の救出口ドア錠止装置の
側面図、第４図は同上断面図、第５図は第３図の平面図
、第６図は本考案の分解側面図、第７図及び第８図は本
考案の作用を説明するための各図である。 １・・・・・・乗かご、２・・・・・・サイド救出口、
３・・・・・・開閉扉、４・・・・・・シリンダー、６
・・・・・・偏心ピン、７・・・・・・円板、１０・・
・・・・鎖錠操作軸、１２・・・・・・切欠円板、１４
・・・・・・錠止ロッド、１６・・・・・・リミットス
イッチ、１８・・・・・・保持部材、２０・・・・・・
弾性体、２１・・・・・・操作ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗かごのサイド救出口に開閉自在に螺着された開閉扉と
   、この開閉扉の一部に設けられたシリンダーと、このシ
   リンダーの外周に抜は出ないようにして嵌装された一対
   の偏心ピンを有する円板と、上記シリンダーに軸装され
   た切欠円板を有する鎖錠操作軸と、この切欠円板に上記
   偏心ピンで連結された各錠止ロッドと、上記開閉扉の一
   部に設けられ、しかも上記鎖錠操作軸を軸支した保持部
   材と、この保持部材及び上記切欠円板との間に介装され
   た弾性体と、上記保持部材に設けられ、且上記切欠円板
   に係脱し得るようにした止子とよりなるエレベータの救
   出口ドア錠止装置。