JP7444303B1 - エレベータのかご及びエレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】かご室内の意匠性及び静粛性への影響を最小限に抑えることができるエレベータのかご及びエレベータを提供する。【解決手段】かご室を構成する壁に形成される非常口と、非常口を開閉する扉50と、扉50を閉じた状態で固定するためのロック機構部80と、ロック機構部80のロック解除操作をかご室内から行うために扉50のかご室内の面に形成される開口孔81aと、開口孔81aを開放可能としつつ常時は開口孔81aをかご室外から閉塞する閉塞部86とを備える。【選択図】図11

Description

本発明は、非常口装置を備えるエレベータのかご及びエレベータに関する。
エレベータでは、故障等の何らかの原因でかごが昇降路の途中で動かなくなった場合にかご内に乗客が閉じ込まれる事態を想定して、かごの壁や天井に非常口が形成される。また、1つの昇降路内に複数台のかごが横並びに設置されるエレベータでは、隣り合うかごの対向する側壁に非常口が形成され、いずれかのかごが昇降路の途中で動かなくなった場合、隣のかごを救出かごとして不具合かごの側方に停止させ、各かごの扉を開いて非常口を開放し、2つの非常口に足場板を掛け渡し、不具合かご内の乗客を救出かごへ乗り移らせて救出する、という救出作業が行われる。
ここで、非常口の扉は、がたつきがあると通常運行時の振動や騒音の原因となるため、扉閉時は固定(ロック)され、かつ、不用意に開かれると危険であるため、かご室内からは工具や鍵がなければ開けられないように施錠(ロック)される。たとえば、特許文献1には、扉のかご室内の面に形成される開口孔と、開口孔の奥側に位置してかご室内から回転操作可能な回転軸と、回転軸に取り付けられるロック片とを備え、扉閉時は、ロック片によるロックで扉を固定し、解錠時は、開口孔に工具を差し込み、工具を回して回転軸を回転操作することにより、ロックを解除する非常口装置が記載されている。
特開平5-310379号公報
しかし、特許文献1に記載された非常口装置において、開口孔は、常時開放された状態にある。このため、かご室内から開口孔を通して奥側の構造が見えて見栄えが悪いという問題や、昇降路内で生じた音が開口孔を通してかご室内に入り込み、騒音となり得るという問題がある。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、かご室内の意匠性及び静粛性への影響を最小限に抑えることができるエレベータのかご及びエレベータを提供することを課題とする。
本発明に係るエレベータのかごは、
かご室を構成する壁に形成される非常口と、
非常口を開閉する扉と、
扉を閉じた状態で固定するためのロック機構部と、
ロック機構部のロック解除操作をかご室内から行うために扉のかご室内の面に形成される開口孔と、
開口孔を開放可能としつつ常時は開口孔をかご室外から閉塞する閉塞部とを備える
エレベータのかごである。
ここで、本発明に係るエレベータのかごの一態様として、
開口孔は、扉に形成される孔に装着されるガイド環の内孔であり、
ガイド環は、筒状部の一端にフランジ部を備えるとともに、フランジ部が扉のかご室外の面側に位置するように扉の孔に装着され、かつ、扉のかご室内の面からかご室内に突出しない長さに形成される
との構成を採用することができる。
また、この場合、
少なくとも扉の孔が形成される部分は、外板部と内板部の積層構造であり、
扉の孔は、ガイド環の筒状部が挿入される外板部の孔と、外板部の孔よりも大径でガイド環のフランジ部が挿入される内板部の孔とで構成される
との構成を採用することができる。
また、本発明に係るエレベータのかごの他態様として、
閉塞部は、相対的に回転変位可能な第1羽及び第2羽を備えるヒンジ構造体であり、
第1羽は、開口孔の周囲にて扉のかご室外の面に直接又は間接的に取り付けられ、
第2羽は、開口孔を開放可能としつつ開口孔をかご室外から閉塞する
との構成を採用することができる。
また、この場合、
第2羽は、開口孔を閉塞する方向に弾性付勢される
との構成を採用することができる。
また、本発明に係るエレベータのかごの別の態様として、
開口孔の奥側に位置してかご室内から回転操作可能なロック解除操作用の回転軸と、
扉のかご室外の面に直接又は間接的に取り付けられて回転軸を回転自在に支持するブラケットとを備え、
ブラケットは、扉側に向かって延伸する脚部を両端部に備えることにより、扉のかご室外の面との間に凹部空間を備え、
閉塞部は、凹部空間内に配置される
との構成を採用することができる。
また、本発明に係るエレベータは、
上記いずれかのかごを備える
エレベータである。
本発明によれば、常時は開口孔を閉塞する閉塞部が設けられる。これにより、かご室から開口孔を通して奥側の構造が見えることはなく、また、昇降路内で生じた音が開口孔を通してかご室内に入り込み、騒音となることもない。しかも、本発明によれば、閉塞部は、かご室外から開口孔を閉塞するものである。これにより、閉塞部が扉のかご室内の面からかご室内に露出ないし突出することはない。このため、本発明によれば、かご室内の意匠性及び静粛性への影響を最小限に抑えることができる。
図1(a)は、本実施形態に係るエレベータの水平断面図である。図1(b)は、救出作業時におけるエレベータの水平断面図である。 図2は、実施形態1に係る非常口装置を備えるエレベータのかごであって、かご室内から見たかごの要部の斜視図である。 図3は、実施形態1に係る非常口装置を備えるエレベータのかごであって、かご室外から見たかごの要部の斜視図である。 図4(a)は、図3のA部であって、ロック状態にある上部ロック機構部の斜視図である。図4(b)は、ロック解除状態にある上部ロック機構部の斜視図である。 図5(a)は、上部ロック機構部の主要構成であるキャッチの側面図である。図5(b)は、キャッチの縦断面図である。 図6は、上部ロック機構部及び下部ロック機構部の入力位置変更部の斜視図である。 図7は、図3のB部であって、扉閉時におけるロック解除操作部の斜視図である。 図8は、ロック解除操作部の縦断面図である。 図9は、主要構成に分解した状態のロック解除操作部の縦断面図である。 図10は、ロック解除操作部の主要構成である閉塞部(ヒンジ)の正面図である。 図11は、工具を挿入した状態のロック解除操作部の縦断面図である。 図12は、ロック解除操作の途中におけるロック解除操作部の斜視図である。 図13は、ロック解除操作の途中におけるロック解除操作部の斜視図である。 図14は、ロック解除操作部によるロック解除操作が完了し、ロック解除により扉が少し開いた状態の斜視図である。 図15は、実施形態2に係る非常口装置を備えるエレベータのかごであって、かご室外から見たかごの要部の斜視図である。 図16は、図15のC部であって、扉閉時におけるロック解除操作部の斜視図である。 図17は、他実施形態1に係るロック解除操作部の閉塞部の正面図である。 図18は、他実施形態2に係るロック解除操作部の閉塞部の正面図である。 図19は、他実施形態3に係るロック解除操作部の閉塞部の正面図である。
以下、実施形態1に係る非常口装置をかごに備えるエレベータについて説明する。
図1(a)に示すように、エレベータ1は、昇降路2と、かご3とを備える。昇降路2は、階層を有する建物内において上下方向に延びる。かご3は、駆動機構(図示しない)の駆動により、昇降路2内を昇降し、駆動機構の駆動停止により、指定された階床に停止する。
かご3は、かご室30と、出入口36と、扉37とを備える。かご室30は、床31、壁32(前壁33、側壁34及び後壁35)及び天井(図示しない)により構成される。床31、壁32及び天井は、1枚又は複数枚に分割されたパネルにより構成される。出入口36は、前壁33に形成される。扉37は、横方向にスライドして出入口36を開閉する。扉37は、両開き式又は片開き式である。
かご3は、非常口装置4を備える。非常口装置4は、非常口40と、扉50とを備える。非常口40は、かご3の側壁34に形成される。より詳しくは、非常口40は、1つの昇降路2内に複数台のかご3が横並びに設置されるエレベータ1において、隣り合うかご3,3の対向する側壁34,34に形成される。扉50は、一側端部を中心に回転して非常口40を開閉する。扉50は、片開き式であり、かつ、かご室30内に扉50が開く内開き式である。作業者が、かご室30内から扉50の他側端部を引く、又は、かご室30外からかご室30内へ扉50の他側端部を押すと、扉50が一側端部を中心にして開かれ、非常口40が開放される。
非常口装置4は、故障等の何らかの原因で複数台の中のいずれかのかご3が昇降路2の途中で動かなくなった場合、図1(b)に示すように、隣のかご3を救出かご3Aとして不具合かご3Bの側方に停止させ、各かご3A,3Bの扉50を開いて非常口40を開放し、2つの非常口40,40に足場板46を掛け渡し、不具合かご3B内の乗客を救出かご3Aへ乗り移らせて救出する、という救出作業を可能にするためのものである。
図2及び図3に示すように、非常口40(ハッチングを付した部分)は、枠41内に形成される。枠41は、左右の縦枠42,42と、上枠43と、下枠44とを備え、非常口40の縦縁部、上縁部及び下縁部の4辺を縁取る枠である。扉50は、ヒンジ51を介して上枠43の一端部及び下枠44の一端部に回転自在に取り付けられる。これにより、扉50の一側端部50aは固定端となり、扉50の他側端部50bは自由端となる。
下枠44には、フラップ45が回転自在に取り付けられる。フラップ45は、常時は扉50に沿うように立てられて収納されているが、救出作業時に倒され、この上に足場板46の端部が掛けられる。
非常口装置4は、2つのロック機構部60,60(上部ロック機構部60A、下部ロック機構部60B)と、ロック解除操作部80とを備える。2つのロック機構部60,60は、扉50の上下2箇所に設けられ、扉50の上下2箇所にて扉50を枠41に固定(ロック)するためのものである。ロック解除操作部80は、2つのロック機構部60,60間の扉50の所定高さ位置(本実施形態においては、高さ方向中央部)にて2つのロック機構部60,60のロック解除操作を行うためのものである。ロック解除操作部80は、2つのロック機構部60,60間の扉50の所定高さ位置にて扉50を枠41に固定(ロック)する機能も備える。
図4及び図5に示すように、上部ロック機構部60Aは、扉50側の構成として、ロック装置としてのキャッチ61を備え、枠41側の構成として、被ロック部68bを備える。キャッチ61は、扉50のかご室30外の面側において扉50の他側縁部50bの上部にブラケット67を介して取り付けられる。一例として、キャッチ61は、タキゲン製造株式会社製の「スナッチロック」(登録商標)である。被ロック部68bは、基部68aにて枠41の縦枠42の上部に取り付けられる被ロック部材68の一部である。被ロック部68bは、ピン形状(軸体)であり、枠41の縦枠42の上部から枠41内の垂直面(非常口40の垂直面)に沿って突出する。本実施形態においては、キャッチ61は、縦に配置され、被ロック部68bは、水平方向に突出する。
キャッチ61は、本体62と、ロック部材63と、ストッパ部材65とを備える。本体62は、キャッチ61のハウジングである。ロック部材63は、本体62の一端部に設けられる中空筒状の支持軸62bを介して本体62に回転可能に支持される。ストッパ部材65は、本体62の他端部に設けられる中空筒状の支持軸62cを介して本体62に回転可能に支持される。
本体62は、受入凹部62aを備える。受入凹部62aは、扉50と反対側にて開放される切欠き状の凹部である。受入凹部62aは、被ロック部68bを受け入れ可能な大きさに形成される。ロック部材63は、受入凹部63aを備える。受入凹部63aは、先端側にて開放される切欠き状の凹部である。受入凹部63aは、被ロック部68bを受け入れ可能な大きさに形成される。
ロック部材63は、本体62及びストッパ部材65と接触することにより回転範囲が規制され、第1角度位置と第2角度位置との間で回転可能、すなわち、第1状態と第2状態とに状態変化可能となる。ロック部材63は、第1状態から第2状態に状態変化するようにバネ64により弾性付勢される。
第1状態は、受入凹部63aが扉50の開閉方向(扉50の垂直面と直交する方向、図5では、紙面の左右方向、以下同様)に対して直交状態となる(受入凹部63aの中心線と扉50の開閉方向とが直交する状態となる)ことにより、扉50の開閉方向において受入凹部63aと被ロック部68bとが係合する状態(ロック状態)である。
第2状態は、受入凹部63aが扉50の開閉方向に対して傾斜状態となる(受入凹部63aの中心線と扉50の開閉方向とが傾斜する状態となる)ことにより、第1状態のときよりも受入凹部63aと扉50との距離が長くなり、かつ、扉50の開閉方向において受入凹部63aと被ロック部68bとが係脱可能となる状態(ロック解除状態)である。
ストッパ部材65は、本体62及びロック部材63と接触することにより回転範囲が規制され、第1角度位置と第2角度位置との間で回転可能、すなわち、第1状態と第2状態とに状態変化可能となる。ストッパ部材65は、第2状態から第1状態に状態変化するようにバネ66により弾性付勢される。
第1状態は、ロック部材63とストッパ部材65とが係合し、ロック部材63が第1状態に維持される状態(ロック状態)である。
第2状態は、ロック部材63とストッパ部材65との係合が解除され、ロック部材63が弾性付勢により第1状態から第2状態に状態変化する状態(ロック解除状態)である。
ストッパ部材65は、入力部65aを備える。入力部65aは、本体62から突出するストッパ部材65の端部であり、ストッパ部材65を弾性付勢に抗して第1状態から第2状態に状態変化させるためのトリガを入力する部分である。
扉50が閉じた状態において、受入凹部63aに被ロック部68bを受け入れるロック部材63は、ストッパ部材65と係合し、第1状態(ロック状態)に維持される。このとき、受入凹部63aが扉50の開閉方向に対して直交状態となることにより、受入凹部63aが受入凹部62aと重なり、受入凹部62a,63aが被ロック部68bを拘束し、扉50の開閉方向において受入凹部63aと被ロック部68bとが係合する。第1状態(ロック状態)では、扉50の開閉方向においてキャッチ61と被ロック部68bとの相対変位が規制され、扉50は、閉じた状態で枠41に固定(ロック)される。
他方、扉50が閉じた状態において、ストッパ部材65の入力部65aにトリガ(ストッパ部材65を弾性付勢に抗して第1状態(ロック状態)から第2状態(ロック解除状態)に状態変化させる外力)が入力されることにより、受入凹部63aに被ロック部68bを受け入れるロック部材63は、ストッパ部材65との係合が解除され、弾性付勢により第1状態(ロック状態)から第2状態(ロック解除状態)に状態変化する。このとき、受入凹部63aが扉50の開閉方向に対して傾斜状態となることにより、受入凹部63aが受入凹部62aから離脱し、受入凹部62a,63aによる被ロック部68bの拘束が解除され、扉50の開閉方向において受入凹部63aと被ロック部68bとが係脱可能となる。第2状態(ロック解除状態)では、扉50の開閉方向においてキャッチ61と被ロック部68bとの相対変位が許容され、扉50は、固定が解除され、開くことができる。
下部ロック機構部60Bは、上部ロック機構部60Aと同じ構成である。このため、下部ロック機構部60Bについては、上部ロック機構部60Aについての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図6に示すように、非常口装置4は、入力位置変更部70を備える。入力位置変更部70は、上部ロック機構部60Aの入力部65aと下部ロック機構部60Bの入力部65aとを接続し、2つの入力部65a,65aを一体化するとともに、新たに入力部を設け、扉50の高さ方向においてトリガの入力位置を変更(シフト)するためのものである。
入力位置変更部70は、ロッド71と、入力部としての入力部材72とを備える。ロッド71は、扉50のかご室30外の面側において扉50の他側縁部50bに高さ方向に沿って配置され、上端部71aが上部ロック機構部60Aの入力部65aに接続され、下端部71bが下部ロック機構部60Bの入力部65aに接続される。上端部71a及び下端部71bの少なくとも一方は、長さ調整機能を備える。入力部材72は、扉50のかご室30外の面側において2つのロック機構部60,60間の扉50の他側縁部50bの所定高さ位置(本実施形態においては、高さ方向中央部)にてロッド71に着脱自在に取り付けられる。
入力部材72は、金属板の一部を屈曲し、L字状に形成したものである。一例として、入力部材72は、押え部材73、ボルト74及び角ナット75を用い、押え部材73とでロッド71を挟み込むようにして、ロッド71に着脱自在に取り付けられる。入力部材72は、ボルト74及び角ナット75の締結を緩めて上下させることにより、ロッド71に高さ位置変更可能に取り付けられる。実際上、入力部材72は、ロック解除操作部80が設けられる高さ位置に位置設定される。
上述のとおり、ロック解除操作部80は、2つのロック機構部60,60のロック解除操作を行うためのものである。そして、ロック解除操作部80は、入力位置変更部70を介して2つのロック機構部60,60のロック解除操作を一回的かつ同時に行うものである。図7に示すように、ロック解除操作部80は、扉50側の構成として、開口孔81aと、回転軸82と、係合部材83と、操作部としての操作部材84と、閉塞部としてのヒンジ86とを備え、枠41側の構成として、被ロック部88bを備える。
開口孔81aは、扉50の他側縁部50bの所定高さ位置(入力部材72の近傍であり、本実施形態においては、高さ方向中央部)において扉50のかご室30内の面に形成される。図8及び図9に示すように、開口孔81aは、扉50に形成された孔に装着されるガイド環81の内孔である。ガイド環81は、筒状部の一端にフランジ部を備える。他方、扉50の他側縁部50bは、強度向上を目的として、外板部50cと、内板部50dの2つの板部の積層構造となっており、外板部50cに孔が、内板部50dには、大径の孔が形成される。ガイド環81の筒状部は、外板部50cのかご室30内の面からかご室30内に突出することなく、外板部50cの孔に挿入され、ガイド環81のフランジ部は、内板部50dの孔に挿入される。
回転軸82は、扉50のかご室30外の面側において扉50の他側縁部50bの所定高さ位置(入力部材72の近傍であり、本実施形態においては、高さ方向中央部)にブラケット85を介して回転自在に取り付けられる。回転軸82は、ピン形状であり、開口孔81aと同軸にかつ開口孔81aと所定間隔を有して扉50のかご室30外の面側に配置される。回転軸82の開口孔81a側の端部には、専用又は汎用の工具の先端部と軸回り方向において係合可能となるよう、四角形、六角形、プラス形状、マイナス形状、楕円形等の非円形状の孔又は突起(図示しない)が形成される。本実施形態においては、六角孔が形成される。すなわち、工具は、軸部と、軸部を回転操作するためのグリップ部とを備え、軸部の先端部は、四角形、六角形、プラス形状、マイナス形状、楕円形等の非円形状の突起又は孔を備え、これが回転軸82の開口孔81a側の端部と軸回り方向において係合する。本実施形態においては、工具は、六角棒スパナ(六角レンチ)である。これにより、回転軸82は、開口孔81aの奥側に位置しながらも、かご室30内から回転操作が可能となる。なお、開口孔81a及び回転軸82は、工具の引き抜き方向において工具との係合部を備えない。このため、工具は、軸回り方向における回転軸82との係合が抵抗なく解除され、引き抜かれる。
係合部材83は、回転軸82から軸直交方向に突出し、回転軸82に軸回り方向に回転不能に取り付けられ、回転軸82と一体的に回転する。係合部材83は、入力部材72と接離可能な位置に配置され、入力部材72と係合して入力部材72にトリガを入力する作用部として機能する。係合部材83は、施錠装置のロック片としての機能も備える。
操作部材84は、回転軸82に軸回り方向に回転不能に取り付けられ、回転軸82と一体的に回転する。操作部材84は、かご室30外から回転軸82を回転操作するためのものである。操作部材84は、中間部位にて回転軸82に取り付けられる。これにより、操作部材84は、一方に延びる部分と、他方に延びる部分とを備える。一方に延びる部分は、グリップ部となる。
ブラケット85は、帯板を適宜屈曲することにより、上下方向に長尺である。ブラケット85は、上下両端部に脚部85a,85aを備える。脚部85aは、扉50側に向かって延伸する。これにより、ブラケット85は、扉50のかご室30外の面(内板部50dのかご室30外の面)との間に凹部空間85bを備える。開口孔81aは、凹部空間85bに接する位置に位置し、ブラケット85に覆われ、保護される。図示しないが、ブラケット85は、扉50の内板部50dから突出するスタッドボルトを挿入する孔を脚部85a,85aに備え、スタッドボルトにナットを螺合して締結することにより、扉50のかご室30外の面に着脱自在に取り付けられる。ただし、これは一例であり、ブラケット85の固定手段は各種の公知の手段を採用することができる。
ヒンジ86は、開口孔81aを開閉可能としつつ、常時は開口孔81aを閉塞する閉塞部として機能する。ヒンジ86は、ベース87に着脱自在に取り付けられる。ベース87は、板状であり、上下方向に長尺であり、矩形状を有する。ベース87は、開口孔81aよりも大径の開口孔87aを有し、開口孔81a,87aが同心となって1つの開口孔を構成するように、配置される。図示しないが、ベース87は、扉50の内板部50dから突出するスタッドボルトを挿入する孔を上下両端部に備え、スタッドボルトにナットを螺合して締結することにより、扉50のかご室30外の面に着脱自在に取り付けられる。ただし、これは一例であり、ベース87の固定手段は各種の公知の手段を採用することができる。いずれにしても、ベース87が取り付けられると、ガイド環81は、ベース87に押さえられ、扉50の孔内に保持される。なお、ベース87を設けず、ヒンジ86は、直接的に扉50のかご室30外の面に着脱自在に取り付けられるようにしてもよい。
図7に示すように、ヒンジ86(及びベース87)は、ブラケット85の幅よりも小さい幅を有し、かつ、ブラケット85の幅内領域に収まるように、ブラケット85の凹部空間85b内に配置される。これにより、ヒンジ86は、ブラケット85に覆われ、保護される。
図10に示すように、ヒンジ86は、第1羽86aと、第2羽86bと、芯棒86cと、バネ86dとを備える。第1羽86aは、端部に2つの管部を備える2本管の羽である。第2羽86bも、端部に2つの管部を備える2本管の羽である。4つの管部は、同心に配置され、これらに1本の芯棒86cが挿通される。これにより、第1羽86a及び第2羽86bは、相対的に回転変位可能となる。バネ86dは、内側の1対の管部間に形成される隙間において芯棒86cに外挿され、バネ86dの一端は、第1羽86aの外面(第1羽86aのかご室30外の面)に当接し、バネ86dの他端は、第2羽86bの外面(第2羽86bのかご室30外の面)に当接する。これにより、第1羽86a及び第2羽86bは、芯棒86cの軸回りに弾性付勢される。
第1羽86aは、ビスを用いてベース87の外面に着脱自在に取り付けられる。あるいは、第1羽86aは、ベース87から突出するスタッドボルトを挿入する孔を備え、スタッドボルトにナットを螺合して締結することにより、ベース87の外面に着脱自在に取り付けられるようにしてもよい。いずれにしても、第1羽86aは、第1羽86aが上、第2羽86bが下となるように、より詳しくは、第1羽86aが開口孔81a,87aの上方に位置し、第2羽86bが開口孔81a,87aに対向し、かつ、回転軸(芯棒86cの中心軸)が水平方向となるように、そして、第2羽86bが開口孔81a,87aをかご室30外から閉塞するカバーとして機能するように、取り付けられる。
図11に示すように、工具(六角棒スパナ)Tを先端部から開口孔81a,87aに差し込むと、第2羽86bが弾性付勢に抗して奥側に回転し、開口孔81a,87aが開放される。ここから工具Tをさらに差し込み、工具Tの先端部を回転軸82の孔に差し込むことにより、工具Tは、回転軸82を回転可能に係合する。
図7に示すように、被ロック部88bは、基部88aにて枠41の縦枠42の所定高さ位置(入力部材72の近傍であり、本実施形態においては、高さ方向中央部)に取り付けられる被ロック部材88の一部である。被ロック部88bは、板状部であり、枠41の縦枠42の所定高さ位置から枠41内の垂直面(非常口40の垂直面)に沿って突出する。被ロック部88bは、回転軸82の軸直交面(すなわち枠41内の垂直面(非常口40の垂直面))に沿う係止面を有する。係止面は、被ロック部88bの外面に設けられる。被ロック部88bは、係止面にて係合部材83を係止する。
このように、扉50は、2つのロック機構部60,60によるロック及び係合部材83によるロックの3点ロックで枠41に固定(ロック)される。このロック状態から、作業者(救出者)は、開口孔81aに専用又は汎用の工具を差し込み、工具を90度程度回して回転軸82を回転操作する。すると、図12に示すように、回転軸82と一体化された係合部材83が被ロック部88bから外れ、1つのロックが解除され、解錠される。なお、図12において、工具は記載していない。後述する図13及び図14においても同様である。
しかし、まだ2つのロック機構部60,60によるロックは有効である。そこで、作業者は、そこからさらに工具を所定角度(たとえば50度程度)回して回転軸82を回転操作する。すると、図13及び図14に示すように、係合部材83が入力部材72と係合し、入力部材72にトリガ(外力)が入力される。入力部材72にトリガが入力されると、入力部材72(及び入力部材72と一体的なロッド71)は、ロッド71の長手方向(扉50の高さ方向)に沿って直線移動する(押し下げられる)。この操作により、2つのロック機構部60,60の2つの入力部65a,65aに同時にトリガが伝達して入力され、2つのロック機構部60,60によるロックが同時に解除される。
しかも、2つのロック機構部60,60のロック解除操作が完了すると、上述のとおり、ロック部材63の受入凹部63aと扉50との距離、すなわち、受入凹部63aに受け入れられる枠41側の構成である被ロック部68bと扉50との距離が長くなる。そして、この結果として、ロック部材63が受入凹部63a内の被ロック部68bから反力を受けて、扉50がかご室30内に少し開くこととなる。そこで、作業者は、かご3の側壁34からかご室30内に突出する扉50の他側端部50bを手掛かりとして、扉50を引く。これにより、扉50が一側端部50aを中心にして開かれ、非常口40が開放される。
その後の救出作業は、上述のとおりであるが、簡単に説明しておく。まず、作業者は、自分が乗っているかご3のフラップ45を倒し、次に対向する不具合かご3Bのフラップ45を倒し、足場板46を掛け渡す。次に、作業者は、不具合かご3Bの非常口装置4の操作部材84を回し、扉50を開く。そして、しかる後、作業者は、不具合かご3B内の乗客を救出かご3Aへ乗り移らせて救出する。
以上のとおり、実施形態1に係る非常口装置4によれば、常時は開口孔81a,87aを閉塞する閉塞部86が設けられる。これにより、かご室30内から開口孔81a,87aを通して奥側の構造が見えることはなく、また、昇降路2内で生じた音が開口孔81a,87aを通してかご室30内に入り込み、騒音となることもない。しかも、実施形態1に係る非常口装置4によれば、閉塞部86は、かご室30外から開口孔81a,87aを閉塞するものである。これにより、閉塞部86が扉50のかご室30内の面からかご室30内に露出ないし突出することはない。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、かご室30内の意匠性及び静粛性への影響を最小限に抑えることができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ガイド環81は、フランジ部が扉50のかご室30外の面側に位置するように扉50の孔に装着され、かつ、扉50のかご室30内の面からかご室30内に突出しない長さに形成される。これにより、特許文献1に記載された非常口装置と異なり、ガイド環81が扉50のかご室30内の面からかご室30内に露出ないし突出することはない。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、この点においても、かご室30内の意匠性への影響を最小限に抑えることができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ガイド環81は、扉50の外板部50c及び内板部50dの孔内に収容、配置される。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ガイド環81を嵩張ることなく配置することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、閉塞部86は、ヒンジ86を用いて構成される。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、市販の汎用品であるヒンジを用いる場合、簡単かつ安価に装置構成することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ヒンジ86のうち開口孔81a,87aを閉塞するカバーとしての第2羽86bは、開口孔81a,87aを閉塞する方向に弾性付勢される。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、常時における開口孔81a,87aの閉塞状態を確実に維持することができる。なお、ロック解除操作時においては、第2羽86bは、工具Tから差し込み力を受けて弾性付勢に抗して回転し、開口孔81a,87aを開放する。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ヒンジ86は、ブラケット85の凹部空間85b内に配置され、ブラケット85に保護される。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ヒンジ86になにかしらの物体が当たってヒンジ86が破損等するのを好適に防止することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4は、その他の効果として、以下の作用効果を奏する。
実施形態1に係る非常口装置4によれば、扉50側の構成であるロック部材63が弾性付勢によりロック状態からロック解除状態に状態変化し、2つのロック機構部60,60のロック解除操作が完了すると、ロック状態のときよりもロック部材63の受入凹部63aと扉50との距離が長くなる。そして、この結果として、ロック部材63が受入凹部63a内の被ロック部68bから反力を受けて、扉50がかご室30内に少し開くこととなる。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、かご3の側壁34からかご室30内に突出する扉50の他側端部50bを手掛かりとして、かご室30内から扉50を容易に開くことができる。これは、扉50のかご室30内の面上に手掛かりがなく平坦である場合や、開口孔81a及び回転軸82が、かご室30内から回転軸82を回転操作するための工具の引き抜き方向において工具との係合部を備えない構成であるために、工具を引いて扉50を開くことができない場合に、特に効果的である。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、入力位置変更部70が設けられ、入力部材72がロッド71に高さ位置変更可能に取り付けられる。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、入力部材72の高さ位置を適宜設定することにより、扉50の高さ方向においてトリガの入力位置を変更することができ、ひいては、扉50の高さ方向においてロック解除操作位置を任意に設定することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ロック機構部60が上下2箇所に2つ設けられ、入力位置変更部70の入力部材72が2つのロック機構部60,60の2つの入力部65a,65aと作動的に接続される。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ロック解除操作部80が入力位置変更部70を介して2つのロック機構部60,60のロック解除操作を一回的かつ同時に行うことができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、開口孔81aを介してかご室30内からロック解除操作部80の回転軸82を回転操作することにより、ロック機構部60のロック解除操作が行われる。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、簡単にロック解除操作を行うことができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ロック解除操作部80が2つのロック機構部60,60間の扉50の所定高さ位置にて扉50を枠41に固定(ロック)する機能も備える。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、上下2つのロック機構部60,60及び中間部のロック解除操作部80による3点で扉50を枠41にがたつきなくしっかりと固定することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、扉50が閉じると同時に扉50にロックが掛かる構造となっている。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ロック解除操作部80による施錠をし忘れたとしても、作業者以外の乗客等が扉50を不用意に開くことを好適に防止することができる。
また、実施形態1に係る非常口装置4によれば、ロック機構部60については、枠41の縦枠42に対する被ロック部材68の取付位置を調整することにより、キャッチ61及び被ロック部68bの係合の調整が行われる。このため、実施形態1に係る非常口装置4によれば、被ロック部材68の位置調整のみで、係合の調整を容易に行うことができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る非常口装置をかごに備えるエレベータについて説明する。なお、以下においては、主として実施形態1と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図15に示すように、非常口装置4は、追加のロック解除操作部(操作位置変更部)100を備える。操作位置変更部100は、ロック解除操作部80に接続され、新たに操作部を設け、扉50の幅方向においてロック解除操作位置を変更(シフト)するためのものである。
図16に示すように、操作位置変更部100は、扉50側の構成として、開口孔101aと、回転軸102と、ロッド103と、操作部としての操作部材104と、ブラケット105と、閉塞部としてのヒンジ106と、ベース107とを備える。ロッド103を除く、開口孔101a、回転軸102、操作部材104、ブラケット105、ヒンジ106及びベース107は、ロック解除操作部80の開口孔81a、回転軸82、操作部材84、ブラケット85、ヒンジ86及びベース87と同じ構成である。このため、これらの構成については、ロック解除操作部80についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
異なる点は、ロック解除操作部80において開口孔81aが無くなり、この代わりに、操作位置変更部100において開口孔101aが設けられる点と、開口孔101aに対して閉塞部(ヒンジ106)が設けられる点と、ロッド103が設けられる点である。ロッド103は、扉50の幅方向に沿って配置され、一端部が操作部材84のうち一方に延びるグリップ部となる部分とは反対の他方に延びる部分に接続され、他端部が操作部材104の同じ部分に接続される。これにより、ロッド103は、回転軸82,102間の線分と同じ長さかつ平行なリンクを構成し、ロック解除操作部80の回転軸82、係合部材83及び操作部材84は、回転軸102の回転操作に連動して回転する。
そして、実施形態1と同様、扉50は、2つのロック機構部60,60によるロック及び係合部材83によるロックの3点ロックで枠41に固定(ロック)される。このロック状態から、作業者(救出者)は、開口孔101aに専用又は汎用の工具を差し込み、工具を回して回転軸102を回転操作する。操作方法は、実施形態1と同様であるので、以降の説明は割愛する。
このように、実施形態2に係る非常口装置4も、実施形態1に係る非常口装置4が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
しかも、その他の作用効果として、実施形態2に係る非常口装置4によれば、操作位置変更部100が設けられ、ロッド103の長さに応じた箇所に開口孔101a及び回転軸102が設けられる。このため、実施形態2に係る非常口装置4によれば、ロッド103の長さを適宜設定することにより、扉50の幅方向においてロック解除操作位置を任意に設定することができる。そして、実施形態2に係る非常口装置4によれば、入力位置変更部70及び操作位置変更部100を設けることにより、扉50の高さ方向及び幅方向においてロック解除操作位置を任意に設定することができる。このため、実施形態2に係る非常口装置4によれば、ロック解除操作位置を上下左右の広範な任意の位置に設定することができる。
一例として、ロック解除操作位置、すなわち、開口孔101aの位置を扉50の一側端部50aにより近づける場合、図2を見て理解できるように、開口孔101aは、かご3の壁32の角の位置に近づく。このため、かご室30内において開口孔101aを目立たなくし、見栄えをよくすることができる。また、別例として、開口孔101aの位置を乗客から見て手すりで隠れる位置に設定する場合も、かご室30内において開口孔101aを目立たなくし、見栄えをよくすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、閉塞部は、ヒンジ86,106である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。要は、閉塞部は、開口孔を開放可能としつつ常時は開口孔をかご室外から閉塞することができるものであれば、いかなる構成をも採用することができる。
一例として、図17に示す閉塞部は、工具Tから差し込み力を受けると中心部が破壊される押し割り式のカバー89である。あるいは、工具Tから差し込み力を受けると全体が固定位置から外れるカバー89である。カバー89の破片又はカバー89の本体は、昇降路2内で落下しないよう、受け90内に捕捉される。
別例として、図18に示す閉塞部は、複数の切込み91aにより形成される各片が弾性変形するゴム製のカバー91である。工具Tを抜けば、各片が元の状態に復帰し、開口孔81a,101aは再び閉塞される。
さらに別例として、図19に示す閉塞部は、ソレノイド93のアクチュエータに連結されるカバー92である。たとえばかご内操作盤に設けられるスイッチや押しボタンの操作によりソレノイド93がONになると、アクチュエータが作動し、カバー92がスライドして開口孔81a,101aが開放される。
また、上記実施形態においては、ヒンジ86の第1羽86aは、開口孔81a,87aの上方位置にて扉50に取り付けられる。すなわち、ヒンジ86は、第1羽86aが上、第2羽86bが下となるように取り付けられる。これにより、第2羽86bには、開口孔81a,87aを閉塞する方向に自重が作用する。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。第1羽が取り付けられる箇所は、開口孔の周囲のどの角度位置であってもよい。
また、上記実施形態においては、ロック機構部60は、扉50の上部と下部とに設けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。ロック機構部は、扉の上部及び下部の少なくとも一方に設けられるものであってよい。また、ロック機構部を設ける箇所も扉の上部又は下部に限定されるものではない。
あるいは、ロック機構部60を全て無くし、特許文献1に記載された非常口装置のように、ロック解除操作部80だけを残してこれをロック機構部としても使用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ロック機構部60及びロック解除操作部80は、入力位置変更部70を介して作動的に接続される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。ロック機構部及びロック解除操作部は、直接接続されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、扉50は、内開き式である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。扉は、外開き式又はスライド式であってもよい。
また、上記実施形態においては、かご3は2機であり、非常口装置4は各かご3に1台ずつ設けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。かごは3機以上であってもよく、この場合、両隣りにかごが配置されるその間のかごについては、左右の側壁にそれぞれ非常口装置を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、非常口装置4は、かご3の側壁34に設けられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。非常口装置は、かごの後壁に設けられるものであってもよい。
また、物理的に干渉するものでない限り、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に適用すること、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に係る技術要素と置換すること、以上に記載した技術要素同士を組み合わせること等は、当然に可能であり、これは、本発明が当然に意図するところである。
1…エレベータ、2…昇降路、3…かご、3A…救出かご、3B…不具合かご、30…かご室、31…床、32…壁、33…前壁、34…側壁、35…後壁、36…出入口、37…扉、4…非常口装置、40…非常口、41…枠、42…縦枠、43…上枠、44…下枠、45…フラップ、46…足場板、50…扉、50a…一側端部、50b…他側端部、50c…外板部、50d…内板部、51…ヒンジ、60…ロック機構部、60A…上部ロック機構部、60B…下部ロック機構部、61…キャッチ(ロック装置)、62…本体、62a…受入凹部、62b…支持軸、62c…支持軸、63…ロック部材、63a…受入凹部、64…バネ、65…ストッパ部材、65a…入力部、66…バネ、67…ブラケット、68…被ロック部材、68a…基部、68b…被ロック部、70…入力位置変更部、71…ロッド、71a…上端部、71b…下端部、72…入力部材(入力部)、73…押え部材、74…ボルト、75…角ナット、80…ロック解除操作部(ロック機構部)、81…ガイド環、81a…開口孔、82…回転軸、83…係合部材(作用部、ロック片)、84…操作部材(操作部)、85…ブラケット、85a…脚部、85b…凹部空間、86…ヒンジ(閉塞部)、86a…第1羽、86b…第2羽(カバー)、86c…芯棒、86d…バネ、87…ベース、87a…開口孔、88…被ロック部材、88a…基部、88b…被ロック部、89…カバー(閉塞部)、90…受け、91…カバー(閉塞部)、91a…切込み、92…カバー(閉塞部)、93…ソレノイド、100…ロック解除操作部(操作位置変更部)、101a…開口孔、102…回転軸、103…ロッド、104…操作部材(操作部)、105…ブラケット、106…ヒンジ、107…ベース、107a…開口孔、T…工具(六角棒スパナ)

Claims (7)

  1. かご室を構成する壁に形成される非常口と、
    非常口を開閉する扉と、
    扉を閉じた状態で固定するためのロック機構部と、
    ロック機構部のロック解除操作をかご室内から行うために扉のかご室内の面に形成される開口孔と、
    開口孔を開放可能としつつ常時は開口孔をかご室外から閉塞する閉塞部とを備える
    エレベータのかご。
  2. 開口孔は、扉に形成される孔に装着されるガイド環の内孔であり、
    ガイド環は、筒状部の一端にフランジ部を備えるとともに、フランジ部が扉のかご室外の面側に位置するように扉の孔に装着され、かつ、扉のかご室内の面からかご室内に突出しない長さに形成される
    請求項1に記載のエレベータのかご。
  3. 少なくとも扉の孔が形成される部分は、外板部と内板部の積層構造であり、
    扉の孔は、ガイド環の筒状部が挿入される外板部の孔と、外板部の孔よりも大径でガイド環のフランジ部が挿入される内板部の孔とで構成される
    請求項2に記載のエレベータのかご。
  4. 閉塞部は、相対的に回転変位可能な第1羽及び第2羽を備えるヒンジ構造体であり、
    第1羽は、開口孔の周囲にて扉のかご室外の面に直接又は間接的に取り付けられ、
    第2羽は、開口孔を開放可能としつつ開口孔をかご室外から閉塞する
    請求項1に記載のエレベータのかご。
  5. 第2羽は、開口孔を閉塞する方向に弾性付勢される
    請求項4に記載のエレベータのかご。
  6. 開口孔の奥側に位置してかご室内から回転操作可能なロック解除操作用の回転軸と、
    扉のかご室外の面に直接又は間接的に取り付けられて回転軸を回転自在に支持するブラケットとを備え、
    ブラケットは、扉側に向かって延伸する脚部を両端部に備えることにより、扉のかご室外の面との間に凹部空間を備え、
    閉塞部は、凹部空間内に配置される
    請求項1に記載のエレベータのかご。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のかごを備える
    エレベータ。
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