JP2005187046A - 袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 袋の注ぎ口の口開き性を向上すること。
【解決手段】 2枚のシート11、12の両側シール部15、16の間に注ぎ口22を形成可能にする袋10であって、少なくとも一方のシート11、12における注ぎ口形成部20の両側に、該シート11、12の表面から見た凹み状をなす凹状エンボス部31、32(41、42)を設けたもの。
【選択図】 図1
【解決手段】 2枚のシート11、12の両側シール部15、16の間に注ぎ口22を形成可能にする袋10であって、少なくとも一方のシート11、12における注ぎ口形成部20の両側に、該シート11、12の表面から見た凹み状をなす凹状エンボス部31、32(41、42)を設けたもの。
【選択図】 図1
Description
本発明は詰め替え用パウチ等の袋に関する。
2枚のシートの両側シール部の間に注ぎ口を形成可能にした袋を詰め替え用パウチ等として用いるとき、注出性を向上するため、例えば特許文献1〜4に記載のものがある。
特許文献1、2は、2枚のシートの注ぎ口形成部の内面に、1個以上のくぼみ形成部を設けたり、複数のドット状の凹凸部を設け、2枚のシートの内面の密着を防止して注ぎ口の口開きを容易にしようとするものである。
特許文献3、4は、2枚のシートの注ぎ口形成部に相対応する外方への膨らみ部(凸状エンボス部)を設け、注ぎ口の口開きを容易にし、その保形性を向上しようとするものである。
特開平11-1249
特開平11-59699
特開2001-48197
特開2002-154559
特許文献1、2の袋では、2枚のシートの注ぎ口形成部の内面に設けたくぼみ形成部やドット状の凹凸部が注ぎ口形成部の中央部を含む広い範囲に分散し、かつそれらのくぼみ形成部や凹凸部の周囲で2枚のシートが密着し易い。従って、注ぎ口形成部の中央部で2枚のシートが互いに大きく開いた立体的な筒状の注ぎ口を形成することに困難がある。また、2枚のシートの注ぎ口形成部の内面で、くぼみ形成部や凹凸部が形成する空洞内に液が溜まり易く、この液が開封時に周辺飛散するおそれもある。
特許文献3、4の袋では、2枚のシートの注ぎ口形成部に設けられる膨らみ部が注ぎ口形成部の中央部を含む広い範囲に設けられ、かつ膨らみ部の周囲で2枚のシートは密着している。従って、注ぎ口形成部の中央部で2枚のシートが大きく開いた立体的な筒状の注ぎ口を形成することに困難がある。また、2枚のシートの注ぎ口形成部の内面で、膨らみ部が形成する空洞内に液が溜まり易く、この液が開封時に周辺飛散するおそれがある。
本発明の課題は、袋の注ぎ口の口開き性を向上することにある。
請求項1の発明は、2枚のシートの両側シール部の間に注ぎ口を形成可能にする袋であって、少なくとも一方のシートにおける注ぎ口形成部の両側に、該シートの表面から見た凹み状をなす凹状エンボス部を設けたものである。
軟質自立袋10は、図1に示す如く、2枚のプラスチックラミネートシート等の胴部シート11、12と、1枚のプラスチックラミネートシート等の底部シート13とからなり、胴部シート11、12の下縁部に底部シート13の周縁部を熱融着等により接合してボトムシール部14を形成するとともに、胴部シート11、12の両側縁部と上縁部を互いに熱融着等により接合してサイドシール部15とトップシール部16を形成し、それらのシール部14〜16によって囲まれる液収容部17を封止するものである。尚、袋10にあっては、シート11、12、13の上述の接合過程、例えば胴部シート11、12のトップシール部16の接合前段階で、液収容部17に内容液を充填する。
袋10は、図2に示す如く、胴部シート11、12において、一方のサイドシール部15とトップシール部16に挟まれる上角部を注ぎ口形成部20とする。袋10の使用時には、注ぎ口形成部20の先端部をここに表示したカット線21に沿って切断し、小径尖り状の注ぎ口22を形成可能にする(図1(B))。
袋10は、図1〜図3に示す如く、一方のシート11における注ぎ口形成部20に予定される注ぎ口中心線Cの両側に、シート11の表面から見て凹み状をなす凹状エンボス部31、32をプレス加工等により設け、他方のシート12における注ぎ口形成部20に予定される注ぎ口中心線Cの両側に、シート12の表面から見て凹み状をなす凹状エンボス部41、42をプレス加工等により設ける。凹状エンボス部31と凹状エンボス部32は注ぎ口中心線Cの両側に一定の間隔をおいて概ね対称に配置され、凹状エンボス部41と凹状エンボス部42は注ぎ口中心線Cの両側に一定の間隔をおいて概ね対称に配置される。
袋10は、一方のシート11における注ぎ口形成部20の両側に設けた凹状エンボス部31、32のそれぞれと、他方のシート12における注ぎ口形成部20の両側に設けた凹状エンボス部41、42のそれぞれとを、シート11の平面視で、互いに同一輪郭形状とし、かつ互いにそれらの凹み底部が接するように重ね合せ配置する。本実施例では、凹状エンボス部31、32、41、42は、シート11、12の平面視で、概ね三角形状をなす。
袋10は、凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの直線状輪郭線31A、32A、41A、42Aを、注ぎ口中心線Cに概ね平行をなすように配置する。輪郭線31A、32Aに挟まれ、かつ輪郭線41A、42Aに挟まれる注ぎ口形成部20の中央部20Aは注ぎ口中心線Cを中心とする帯状をなし、液収容部17に向けて延在するものとなる。
袋10は、凹状エンボス部31、41のサイドシール部15寄りの直線状輪郭線31B、41Bを、サイドシール部15に概ね平行をなすように配置し、凹状エンボス部32、42のトップシール部16寄りの直線状輪郭線32B、42Bを、トップシール部16に概ね平行をなすように配置する。
各凹状エンボス部31、32、41、42は、それらの輪郭線31A、32A、41A、42Aと、輪郭線31B、32B、41B、42Bと、下部輪郭線31C、32C、41C、42Cの3辺により前述した概ね三角形状をなす。そして、各凹状エンボス部31、32、41、42は、注ぎ口中心線C寄りの輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿う部分の凹み深さaを、シール部15、16寄りの輪郭線31B、32B、41B、42Bに沿う部分の凹み深さbより深くしている。尚、各凹状エンボス部31、32、41、42は、下部輪郭線31C、32C、41C、42Cに沿う部分の凹み深さcも、シール部15、16寄りの輪郭線31B、32B、41B、42Bに沿う部分の凹み深さbより深くしている。
各凹状エンボス部31、32、41、42において、輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿う部分の凹みの段差と、輪郭線31B、32B、41B、42Bの沿う部分の凹みの段差と、輪郭線31C、32C、41C、42Cに沿う部分の凹みの段差は、互いに連続的につながる。輪郭線31B、32B、41B、42Bに沿う部分の浅い凹みbの段差は、凹状エンボス部31、32、41、42の凹み底部と段差ゼロをなすものでも良い。
袋10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)袋10を構成するシート11、12の注ぎ口形成部20の両側に凹状エンボス部31、32、41、42を設けたから、両側の凹状エンボス部31、32、41、42の凹み底部が相対するシート11、12に接した状態で、両側の凹状エンボス部31、32、41、42に挟まれる注ぎ口形成部20の中央部20Aにそれら凹状エンボス部31、32、41、42の凹み底部に対して中高をなす空隙20Bを形成し、この空隙20Bが両側の凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿って袋10の液収容部17に向けて延在するものになる。
(a)袋10を構成するシート11、12の注ぎ口形成部20の両側に凹状エンボス部31、32、41、42を設けたから、両側の凹状エンボス部31、32、41、42の凹み底部が相対するシート11、12に接した状態で、両側の凹状エンボス部31、32、41、42に挟まれる注ぎ口形成部20の中央部20Aにそれら凹状エンボス部31、32、41、42の凹み底部に対して中高をなす空隙20Bを形成し、この空隙20Bが両側の凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿って袋10の液収容部17に向けて延在するものになる。
従って、注ぎ口形成部20の先端をカットして注ぎ口22を開封すると、大気が上記空隙20Bから液収容部17に向けて流入し易く、相対するシート11、12が密着していても容易に真空破壊して分離し、液収容部17に通ずる注ぎ口22をスムースに形成可能にする。
かつ袋10の両側シール部15、16を図1(B)に矢印で示す如くに、注ぎ口形成部20の両側から手指で挟み寄せることで、両側の凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの凹みが輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿って形成する段差の折罫線効果により、両側の凹状エンボス部31、32、41、42に挟まれる注ぎ口形成部20の中央部20Aをそれら凹状エンボス部31、32、41、42の輪郭線31A、32A、41A、42Aに対して大きく屈曲させ、注ぎ口形成部20に立体的な筒状の注ぎ口22を簡易に形成可能にする。
袋10の注ぎ口22を詰め替え先相手容器の口部に挿入し易くするとともに、内容液を注ぎ口22から流出し易くし、詰め替え作業性を向上できる。
(b)2枚のシートの注ぎ口形成部20の内面に閉じられた空洞は形成されず、注ぎ口形成部20の中央部20Aの空隙20Bは袋10の液収容部17に向けて延在するから、この空隙20Bに液溜まりを生ずることがなく、開封時の液の飛散を生じない。
(c)両方のシート11、12における注ぎ口形成部20の両側に設けた、凹状エンボス部31、32のそれぞれと、凹状エンボス部41、42のそれぞれとが重なるようにしたから、両側の凹状エンボス部31、41と凹状エンボス部32、42に挟まれる注ぎ口形成部20の中央部20Aに大きく中高をなす空隙20Bを形成し、前述(a)による注ぎ口22の口開き性を一層向上できる。
(d)凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの輪郭線31A、32A、41A、42Aを注ぎ口中心線Cに対し概ね平行にし、凹状エンボス部31、32、41、42のシール部15、16寄りの輪郭線31B、32B、41B、42Bをシール部15、16に対し概ね平行にしたから、前述(a)による注ぎ口22の口開き性を一層向上できる。
(e)凹状エンボス部31、32、41、42の注ぎ口中心線C寄りの凹み深さaを、シール部15、16寄りの凹み深さbより深くしたから、前述(a)による注ぎ口22の口開き性を一層向上できる。
次に、袋10の製造工程について説明する(図4、図5)。
(1)2枚のフィルムシート1、2と、両フィルムシート1、2の間の一端側に挟まれる1枚の底材3を連続的かつ同期的に送給する。
(1)2枚のフィルムシート1、2と、両フィルムシート1、2の間の一端側に挟まれる1枚の底材3を連続的かつ同期的に送給する。
(2)フィルムシート1、2の外側に配置したエンボス雄型4A、4Bのそれぞれと、フィルムシート1、2に挟まれるエンボス雌型4Cとを型合せすることにより、シート11となるフィルムシート1に凹状エンボス部31、32をプレス成形し、シート12となるフィルムシート2に凹状エンボス部41、42をプレス成形する。
(3)フィルムシート1、2と底材3を底シール型5A、5Bにより挟圧し、ボトムシール部14を形成する。
(4)フィルムシート1、2と底材3をサイドシール型6A、6Bにより挟圧し、サイドシール部15を形成する。
(5)外形抜き雄型7Aと外形抜き雌型7Bにより、フィルムシート1、2と底材3の接合体(トップシール部16は未接合)を打抜き、袋10を得る。
尚、図4、図5の袋10の製造工程において、エンボス雄型4A、4Bとエンボス雌型4Cは、図6に示す如く、注ぎ口形成部20の横断面視(図2のIII−III線に沿う断面)で、各凹状エンボス部31、32、41、42を矩形状にし、注ぎ口中心線C寄りの輪郭線31A、32A、41A、42Aに沿う部分の凹み深さaと、シール部15、16寄りの輪郭線31B、32B、41B、42Bに沿う部分の凹み深さbを概ね同一にした。但し、図7に示す如く、注ぎ口形成部20の横断面視で、各凹状エンボス部31、32、41、42をそれらの凹み底面が輪郭線31A、32A、41A、42Aの側から輪郭線31B、32B、41B、42Bの側に向けて次第に浅くなる上り勾配面をなすものとしても良い。この上り勾配面は、輪郭線31A、32A、41A、42Aの側から輪郭線31B、32B、41B、42Bの側に向けて階段調をなすものでも良い。
次に、袋10の変形例について説明する。
図8の変形例1の袋10は、注ぎ口形成部20に設ける凹状エンボス部31と32(凹状エンボス部41と42)のそれぞれを、袋10のサイドシール部15とトップシール部16に沿って伸長化し、互いにハの字状をなすようにしたものである。
図8の変形例1の袋10は、注ぎ口形成部20に設ける凹状エンボス部31と32(凹状エンボス部41と42)のそれぞれを、袋10のサイドシール部15とトップシール部16に沿って伸長化し、互いにハの字状をなすようにしたものである。
図9の変形例2の袋10は、注ぎ口形成部20に設ける凹状エンボス部31と32(凹状エンボス部41と42)のそれぞれを、袋10のサイドシール部15とトップシール部16に沿って互いにハの字状をなすようにするとともに、それらのシール部15、16寄りの輪郭線31B、32B、41B、42Bを鋸歯状にしたものである。
図10の変形例3の袋10は、注ぎ口形成部20に設ける凹状エンボス部31と32(凹状エンボス部41と42)のそれぞれを、袋10のサイドシール部15とトップシール部16に沿って分割し、それらの各一連をなす分割凹部51〜53の群が互いにハの字状をなすようにしたものである。
図11の変形例4の袋10は、シート11、12のトップシール部16の中央部に注ぎ口形成部20を配置し、注ぎ口形成部20に予定される注ぎ口中心線Cの両側に凹状エンボス部31、32(凹状エンボス部41、42)を設けたものである。各凹状エンボス部31、32、41、42は、シート11、12の平面視で概ね台形状(三角形状等でも可)をなす。
尚、本発明の実施において、凹状エンボス部は少なくとも一方のシートにおける注ぎ口形成部の両側に設けるものであれば良い。
また、シートに設けた凹状エンボス部の凹み底部の一部に、該シートの表面から外側に向けて凸状をなす凸部があっても良い。
また、袋は胴部シートにて形成され、底部シートを有さないものでも良い。
10 袋
11、12 シート
15、16 シール部
20 注ぎ口形成部
22 注ぎ口
31、32、41、42 凹状エンボス部
31A、32A、41A、42A 輪郭線
31B、32B、41B、42B 輪郭線
11、12 シート
15、16 シール部
20 注ぎ口形成部
22 注ぎ口
31、32、41、42 凹状エンボス部
31A、32A、41A、42A 輪郭線
31B、32B、41B、42B 輪郭線
Claims (4)
- 2枚のシートの両側シール部の間に注ぎ口を形成可能にする袋であって、
少なくとも一方のシートにおける注ぎ口形成部の両側に、該シートの表面から見た凹み状をなす凹状エンボス部を設けた袋。 - 前記一方のシートにおける注ぎ口形成部の両側に設けた凹状エンボス部のそれぞれが、他方のシートにおける注ぎ口形成部の両側に設けた凹状エンボス部のそれぞれに重なる請求項1に記載の袋。
- 前記凹状エンボス部の注ぎ口中心線寄りの輪郭線が注ぎ口中心線に概ね平行をなし、該凹状エンボス部のシール部寄りの輪郭線がシール部に概ね平行をなす請求項1又は2に記載の袋。
- 前記凹状エンボス部の注ぎ口中心線寄りの凹み深さを、シール部寄りの凹み深さより深くしてなる請求項1〜3のいずれかに記載の袋。
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