JP2011006115A - 包装袋およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流路13の両側部が2枚のフィルム11をシールしてなる一対の流路形成シール部13a,13bによって区画された注出口12を有する包装袋10において、流路13に沿ってフィルム11が外方に向かって突出してなる溝状のリブ14を形成するとともに、リブ14の片側または両側には、フィルム11を構成する樹脂の少なくとも一部を結晶化させてなる硬化部15a,15bを設ける。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、注出口部分の折れ曲がりを防ぐため、フィルムを変形加工することによって形成された、2本の線状変形からなる補強機構を備えた袋が記載されている。
特許文献2には、注出口の流路導入部や注出口の流路を形成する基材に、硬化性樹脂の塗布または補強片の貼着によって補強層を設けた包装袋が記載されている。
特許文献3には、開封切線がかかる領域に形成された面状張り出し加工部や、中心線方向に形成された線状の第一の張り出し加工部や、第一の張り出し加工部に沿ってその両側に形成された線状の第二の張り出し加工部や、中心線と交差する方向に形成された線状の第三の張り出し加工部のように、パウチの壁を外側に張り出し加工をした張り出し加工部を形成してなるパウチ容器が記載されている。
前記リブ形成工程が非加熱であることが好ましい。
前記硬化部形成工程で前記フィルムの冷却は、前記フィルムの両面に前記硬化部に対応する形状の型を当接させて行い、かつ前記フィルムの外面に当接する側には当接面がサンドブラスト加工された型を用いて、前記フィルムの硬化部の外面を粗面加工することが好ましい。
さらに、前記リブを横断する位置に開封補助線を設ける工程を有することが好ましい。
前記リブは、幅が0.5〜3mmかつ高さが0.5〜3mmであることが好ましい。
開封用の開封補助線がリブを横断する位置に設けられていることが好ましい。
前記フィルムの硬化部の外面は粗面加工されていることが好ましい。
図1及び図2に示すように、本形態例の包装袋10は、互いに平面形状が同一である2枚の胴部フィルム11,11と、折り線16aを中心線にして2つ折りにされた底部フィルム16とから構成されたスタンディングパウチである。図1に示すように、底部フィルム16は、折り線16aが内向きとなるように折り重ねられて一対の胴部フィルム11,11の下部同士の間に介装されている。
包装袋10の両側縁部には、それぞれ側縁シール部11a,11bが形成されているとともに、包装袋10の下部には、各胴部フィルム11,11と底部フィルム16とが互いに対向する対向面の下端縁部同士でヒートシールされることにより底シール部16bが形成されている。
本形態例の場合、一方の側縁シール部11aの上部から連続して胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより流路形成シール部13a,13bが形成されている。これらの流路形成シール部13a,13bは、図3(a)に示すように、注出口12の先端部を除去して流路13を開口したときに、それぞれ流路13の両側部を区画している。すなわち、一方の流路形成シール部13aと他方の流路形成シール部13bとの間の未シール部が注出口12の流路13となっている。
また、流路13の先端部は、封止シール部13cによって閉鎖されている。流路形成シール部13bと側縁シール部11bとの間は充填口17として開口されており、この充填口17を通して包装袋10内に内容物を充填することが可能である。なお、内容物の充填後は、充填口17の周縁において胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより上部シール部18(図3参照)を形成し、充填口17を閉鎖する。
さらに、図8に示す包装袋100のように、開封補助線12aがリブ14を横断する位置に設けられていると、開封したときにリブ14が切断され、切断面にリブ14が含まれる形となるので、開封後の流路13の開口状態をより維持しやすい。
未使用時にタブ12bの引っ掛かりによって開封補助線12aが不用意に引き裂かれることを防ぐため、切抜き線(貫通傷痕)12cに1箇所または複数個所の未切断部(図示せず)を設けることが好ましい。未切断部の幅としては、胴部フィルム11の材質にもよるが、開封時には人手で容易に引き離すことができるよう、例えば0.5〜1.5mm程度が挙げられる。
リブの形成は、非加熱(例えば10〜40℃程度の常温)でフィルムを加圧することが好ましい。非加熱であると、フィルム11を構成する樹脂の流動性が低いため、微細なリブ14の形成がより容易になり、また、線状変形14a,14b,14c,14dの癖がより増強され、つぶれにくく丈夫なリブ14を形成することができる。
ここで、リブ14の幅とは、1つのリブ14を構成する複数の線状変形のうち最も離れたもの同士の距離をいう。図2(b)の場合は、外側の線状変形14c,14d同士の距離w2がリブ14の幅に相当する。また、内側の線状変形14a,14b同士の距離w1は、w2と同程度か、w2より小さいことが好ましい。
また、リブ14の高さhとは、フィルム11の内面側における溝の深さに相当する。1つのリブ14が2本の線状変形から構成される場合(例えば特許文献1:特開平7−2260号公報の図2参照)は、線状変形として山折りの線状変形14a,14bのみを設け、谷折りの線状変形14c,14dの代わりにフィルム11を湾曲した形状として、溝状の断面を形成することができる。
これにより、空袋時には、図2(a)に示すように、注出口12をほぼ平坦にすることができる。また、図5に示すように、リブ14の位置を交互に少しずつずらすことにより、数個の包装袋10を重ね合わせたときの嵩張りを抑制することができる。
硬化部15a,15bとリブ14との間の隙間はなくてもよいが、硬化部15a,15bの間の未硬化の部分をプレス成形してリブ14を形成するときに多少の位置ズレを許容するため、若干の隙間を空けることが好ましい。
流路13を形成するフィルム11が硬化部15a,15bを有するので、内容物の通過流量が減少しても注出口12の開口状態を維持することができる。また、リブ14が流路13のほぼ中央に設けられているので、流路13が開口するときの断面積を大きくすることができる。
これにより、図3(a)に示すように、開封した注出口12を容器1の注ぎ口2に向けて(あるいは差し入れて)、包装袋10から容器1への内容物の詰め替えを能率的に実施することができる。
注ぎ口2に近づく側の流路形成シール部13aの外縁形状は、図3(a)に示すように注ぎ口2の側面に向けてシール幅を大きくして突出していると、注ぎ口2の側面に突き当てることで注出口12の位置を注ぎ口2に合わせやすくなる。あるいは図8に示すように、流路形成シール部13aの外縁形状が注ぎ口2の側面に突き当たりにくいようにしてもよい。
結晶性高分子樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アイソタクチックポリスチレンなどが知られている。そのうち、融点が200℃未満のもの、例えばポリエチレン(HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE)やポリプロピレン(CPP、OPP)は、包装袋10のフィルム11に使用される材料であって、製袋作業時に結晶化プロセスを容易に実施することができるため、好ましい。
硬化部形成工程とリブ形成工程の順序は、図4に示すように、硬化部形成工程が前でもよく、その反対にリブ形成工程が前でもよい。
(a)に示すように、リブ14となる位置の少なくとも片側において、一対の加熱型21a,21bを備える加熱手段21により、フィルム11を局所的に加熱する。リブ14が形成される前にリブ14となる位置を特定するため、フィルム11の適当な位置にマーキング等を施し、このマーキングを基準として硬化部15a,15bを形成することが好ましい。
次に、(b)に示すように、(a)の加熱手段21により加熱した箇所を、一対の冷却型22a,22bを備える冷却手段22により、フィルム11を局所的に冷却する。
このように加熱および冷却のプロセスを実施することで、フィルム11を構成する樹脂の少なくとも一部を結晶化させて、硬化部15a,15bを形成することができる。
加熱型21a,21bおよび冷却型22a,22bは、硬化部15a,15bに対応する形状の型であり、フィルム11の両面に当接される。
冷却型22a,22bのうちフィルム11の外面に当接する側の冷却型22aは、サンドブラスト加工によりフィルム11への当接面が粗面化されたものを用いることが好ましい。これにより、フィルム11の硬化部15a,15bの外面側を型からの転写で粗面加工することができ、滑り止め等の利点を有する。サンドブラスト加工は、例えば加工に用いる粒子の粒径が#10〜100で、当接面の表面粗さが1〜100μm程度が例示される。
(c)に示すように、フィルム11を凹型23aと凸型23bを備えるプレス手段(凹凸型)23でプレス加工することにより、(d)に示すようにリブ14を形成する。上述したように、凹型23aと凸型23bはいずれも非加熱とすることが好ましい。
[製袋工程]
注出口12が設けられる予定の領域において所定の位置に硬化部15a,15bとリブ14が形成されたフィルム11は、ローラ24,25に沿って搬送され、(e)に示すように2枚重ね合わされる。また、胴部フィルム11,11の間には、2つ折りされた底部フィルム16が供給される。製袋方法は従来公知の方法を用いて実施することができる。例えば、側縁シール部11a,11bや流路形成シール部13a,13bや底シール部16b等のシール部を形成し、外形を断裁することによって包装袋10が製造される。
包装袋10の端縁にノッチ等を形成する場合は、個々の包装袋10が分離された後にカッターや打抜機を用いて所望の位置に形成することができる。また、包装袋の外形を形成するとき一緒にノッチ等を形成することもできる。
開封補助線12aは、例えばレーザの照射によりフィルムをハーフカットすることによって形成することができる。図8の包装袋100のように、リブ14を横断するようにレーザ照射を行う場合は、リブ14の表面形状に沿ってレーザ照射の焦点を移動させても良い。
底部フィルム16は必須のものではなく、本発明は、三方シール袋や四方シール袋などの平袋から構成される包装袋にも適用可能である。
Claims (9)
- 流路の両側部が2枚のフィルムをシールしてなる一対の流路形成シール部によって区画された注出口と、前記流路に沿って前記フィルムが外方に向かって突出してなる溝状のリブと、前記リブの少なくとも片側において、前記フィルムを構成する樹脂の少なくとも一部を結晶化させてなる硬化部を有する包装袋の製造方法であって、
前記リブとなる位置の少なくとも片側において、前記フィルムの加熱および冷却により前記フィルムを構成する樹脂の少なくとも一部を結晶化させて、前記硬化部を形成する硬化部形成工程と、
前記フィルムを凹凸型でプレス加工することにより、前記リブを形成するリブ形成工程と、を有することを特徴とする包装袋の製造方法。 - 前記リブは、幅が0.5〜3mmかつ高さが0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1に記載の包装袋の製造方法。
- 前記リブ形成工程が非加熱であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋の製造方法。
- 前記硬化部形成工程で前記フィルムの冷却は、前記フィルムの両面に前記硬化部に対応する形状の型を当接させて行い、かつ前記フィルムの外面に当接する側には当接面がサンドブラスト加工された型を用いて、前記フィルムの硬化部の外面を粗面加工することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の包装袋の製造方法。
- さらに、前記リブを横断する位置に開封補助線を設ける工程を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋の製造方法。
- 流路の両側部が2枚のフィルムをシールしてなる一対の流路形成シール部によって区画された注出口を有する包装袋であって、
前記流路に沿って前記フィルムが外方に向かって突出してなる溝状のリブと、
前記リブの少なくとも片側には、前記フィルムを構成する樹脂の少なくとも一部を結晶化させてなる硬化部が設けられていることを特徴とする包装袋。 - 前記リブは、幅が0.5〜3mmかつ高さが0.5〜3mmであることを特徴とする請求項6に記載の包装袋。
- 開封用の開封補助線がリブを横断する位置に設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の包装袋。
- 前記フィルムの硬化部の外面は粗面加工されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の包装袋。
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