JP2005154676A - 磁性ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、異方性磁性粉を含有してなる磁性ゴム組成物に関するものであって、特に優れた加工性、磁力特性が要求されるABS、ドライブシャフト、EPS、クランク角センサ、およびその他回転部分の速度、角度を検出するために用いられる磁気エンコータ゛用磁性リングなどに使用する磁性ゴム組成物に関するものである。
従来の磁性ゴム組成物は、ゴム素材に磁力特性を持たせるため、ネオジウム−鉄−ホウ素に代表されるような希土類系磁性粉や、フェライト等の磁性粉を、該組成物全体に対して、74〜94重量%程度添加したものであった。そして、ゴム原料に磁性粉を高充填する、もしくは添加した磁性粉の配向度を高めることで、より優れた磁力特性をもたせるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−181015号公報(請求項6、請求項7)
上記従来の磁性ゴム組成物においては、その磁力特性が組成物中の磁性粉の含有率に大きく影響され、磁性粉の含有率の高いものほど磁力特性は優れるが、一般的に磁性粉の含有率が高くなるにしたがって、組成物の粘度が高くなり、混練、押出し、成形等の加工作業性および機械的特性が低下するものとなった。
また、配向度を高めるには、加硫成形時に磁場を印加して成形を行う等の方法で実施する必要があるため、大規模な設備の導入が必要であった。
したがって、本発明は、新たな大規模な設備導入の必要がなく、現有の加工設備をそのまま使用し、加工作業性および機械的特性がよく、優れた磁力特性をもった磁性ゴム組成物を提供することを課題とするものである。
そこで、数々の配合を検討し、又磁力特性試験を行った結果、加工作業性がよく、また優れた機械的特性および磁力特性をあわせ持った(、耐熱性および耐油性に優れた)磁性ゴム組成物が得られることを見出した。
本出願は、上記の課題を解決するためのものとして、請求項1の構成は、異方性磁性粉を含有してなる磁性ゴム組成物であって、〔化1〕により表される少なくとも1種のアルキルカップリング剤を含有してなることを特徴とする磁性ゴム組成物を提供する。
請求項2の構成は、請求項1において、異方性磁粉として、ストロンチウムフェライトを添加したことを特徴とする磁性ゴム組成物を提供する。
請求項1の磁性ゴム組成物においては、〔化1〕であらわされるアルキルカップリング剤を添加しており、このアルキルカップリング剤は、通常のゴム組成物に対して使用される液状成分、すなわち、他の可塑剤等と比較しても粘度の低下がより大きいため、添加量を減じることができる。このため、粘度の上昇を伴うことなく、ゴム組成物中に磁性粉をより高充填することができる。したがって、加工作業性がよく、また優れた機械的特性および磁力特性をもった磁性ゴム組成物とすることができる。
請求項2の磁性ゴム組成物においては、請求項1で用いる異方性磁性粉を、ストロンチウムフェライトとしたので、請求項1と同様な効果が得られ、またより一層磁力特性のよい磁性ゴム組成物となる。
本発明による磁性ゴム組成物の最良の形態として、異方性磁性粉およびアルキルカップリング剤を含有する磁性ゴム組成物について、以下に詳細に説明する。
本発明による磁性ゴム組成物に使用する磁性粉としては、一般的に使用される磁性粉であれば、いずれも使用でき、詳しくはストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、ネオジム−鉄−ホウ素系磁性粉、サマリウム−コバルト系磁性粉、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉等があり、これらのうち少なくとも1種を該組成物全体に対して74~94重量%になるように添加する。配合物に対する充填率が74重量%未満だと実用的な磁力特性は得られず、94重量%を超えると加工作業性が著しく低下するとともに、磁性粉同士の相互作用のため、該組成物の磁力特性は低下する。
本発明による磁性ゴム組成物に使用するアルキルカップリング剤は、一般的にX-M(-OR)m で表される化合物で、XはCnH2n+1、または、CnH2n+1Oで表されるアルキル基、または、アルコキシル基で、nは1〜24の整数値であり、MはSi、Al、Tiなどの金属元素であり、Rはアルキル基またはアリール基であり、mはMで表示される金属元素の原子価から1だけ減じた値となる。アルキルカップリング剤としては、デシルトリメトキシシラン、エチレントリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート などを使用することができる。かかるアルキルカップリング剤は、ゴム素材100重量部当り約0.5〜20重量部好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。このとき、アルキルカップリング剤をそれぞれ単独もしくは2種類以上併用しても良い。アルキルカップリング剤は0.5重量部未満だと粘度を低下させる効果が見られず、20重量部を超えると、機械的特性が著しく低下する。添加方法に関しては、前もって、使用する磁性粉に表面処理する方法、または、混練り時に他の配合剤と同時に添加する方法、すなわち、インテグラルブレンド法のいずれでもよい。
本発明による磁性ゴム組成物で使用するゴム素材としては、耐油性の良好なゴム素材としてアクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、フッ素ゴム等の一般に使用されるゴム素材のうちから1種あるいは2種以上を適当にブレンドして使用することができる。
また、ゴムとの反応性官能基を有するシランカップリング剤を0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部添加することで、磁性粉とポリマーとの相互作用を向上させ、機械的特性、特に引張強さが向上する。シランカップリング剤が0.1重量部未満だと機械的特性向上の効果が見られず、5重量部を超えると成形作業性に悪影響を及ぼすこととなる。
なお、異方性磁性粉、アルキルカップリング剤、ゴム素材については、上記に限ったものではなく、その他のものも使用可能である。
本発明による磁性ゴム組成物には、通常ゴムに用いられる配合剤を任意に配合することができる。例えば、充填剤として、カーボンブラック、また、シリカ、クレーなどの白色充填剤、可塑剤、滑剤、加工助剤、老化防止剤、亜鉛華、架橋剤、架橋促進剤などを任意に配合することもできる。
本発明において得られる磁性ゴム組成物は、一般的な混練用装置、すなわち、オープンロール、ニーダー、バンバリー、ニ軸押出し機などを使用して混練することができる。
本発明において得られる磁性ゴム組成物は、一般的な混練用装置、すなわち、オープンロール、ニーダー、バンバリー、ニ軸押出し機などを使用して混練することができる。
以下にその実験結果を示す。実験に使用した磁性ゴムは、磁性粉としてストロンチウムフェライト、ゴム素材としてNBR ポリマー(JSR N237H)を使用し、本発明の磁性ゴム組成物である実施例1では、アルキルカップリング剤として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートを使用し、本発明の磁性ゴム組成物である実施例2では、アルキルカップリング剤として、デシルトリメトキシシランを使用してもので実施した。
ゴム素材100重量部に対し、所定の充填率になるようにフェライト及びその他配合剤を加圧型ニーダーにて混練する。オープンロールでシート状に形成した後、190℃で3分間プレス加硫し2mm厚のシートを成形した。加工性についてはMPT(モンサント社製)にて100℃、S/R=100sec-1における押し出し時の粘度を測定した。磁力特性についてはBHカーブトレーサー(メトロン技研社製)にて測定した。常態物性についてはJIS規格に準じて試験を行った。それらの結果を〔表1〕に示す。
このように、比較例1〜3では、粘度および硬さの上昇とともに磁力特性が向上したり、磁力特性の向上がみられないのに対し、本発明の磁性ゴム組成物である実施例1および2については、粘度を低く押さえたままで、常態物性もよく、磁力特性が向上したものとなっている。
つまり、混練り後のゴム生地の粘度が大きく低下するため、混練、押し出し、成形性等の加工作業性が改善され、生産性が向上したものとなっている。また、現有設備を使用して、ゴム組成物に対して、磁性粉をより高充填することが可能となり、磁力特性が15〜20%向上したものとなっている。
つまり、混練り後のゴム生地の粘度が大きく低下するため、混練、押し出し、成形性等の加工作業性が改善され、生産性が向上したものとなっている。また、現有設備を使用して、ゴム組成物に対して、磁性粉をより高充填することが可能となり、磁力特性が15〜20%向上したものとなっている。
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