JP2005142793A - 積層コモンモードフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体1ライン毎のマイナーループを抑制し、コイルの磁束結合を高める。
【解決手段】 所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、コイルを構成する導体の周辺部分に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材3を設けた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタに関するものである。
現在、USB(Universal Serial Bus)やIEEE(The Institute of Electrical Electronics Engineers, Inc.)1394等に使用されているコモンモードフィルタとしては、巻線型が主流である。しかしながら、巻線型のコモンモードフィルタでは、素子の実装面積や高さを更に小型化することは困難となってきており、要求される特性を得るために精密巻線技術が必須である。
積層コモンモードフィルタとしては、1チップ内に2つ以上のコイルを形成する構造が基本的である。そして、従来の積層コモンモードフィルタでは、複数のコイル間にフェライト(磁性体)を介装させる構造が通例である。
上記の構成に係る積層コモンモードフィルタでは、例えば図15に示される内部を透視して示す斜視図の如く、一次コイル100と二次コイル200は、縦方向に巻線が巻回されている。そして、平面方向から内部を透視して示すと、図16に示すようになる。
図16のA−A’線で断面図を作製すると、図17に示すようになり、一次コイル100と二次コイル200を構成する導体101、201は、その周囲が同一組成のフェライトにより覆われており、個々の導体101、201にマイナーループ300が発生する。このために、一次コイル100と二次コイル200の磁束310は、結合が弱い状態となる。
また、U字状やV字状の断面を有する2つの導体を、開口部が噛み合うように配置し、その導体間に非磁性層を形成することにより結合係数の高い積層コモンモードチョークコイルが特許文献1に示されている。
特開2000−235919号公報
本発明の課題はコモンモードフィルタにおいて、複数のコイルにおける導体の1ライン毎に発生するマイナーループを抑制し、コイルの磁束結合を高めることができる積層コモンモードフィルタを提供することである。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、コイルを構成する導体の周辺部分に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、複数枚のフェライトシート上に、一次コイル用端子電極が積層され、この一次コイル用端子電極の上に絶縁用のフェライトシートを介して一次コイルが積層されると共に前記一次コイル用端子電極と前記一次コイルとは前記フェライトシートに形成されたビアホールを介して接続されており、前記一次コイルの上に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材層が積層されており、前記フェライト材層の上に二次コイルが積層され、この二次コイルの上に絶縁用のフェライトシートを介して二次コイル用端子電極が積層されると共に前記二次コイル用端子電極と前記二次コイルとは前記フェライトシートに形成されたビアホールを介して接続されており、前記二次コイル用端子電極の上に、複数枚のフェライトシートが積層されていることを特徴とする。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、前記一次コイル及び前記二次コイルは、平面内において渦巻状に巻回されて構成されていることを特徴とする。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、前記フェライト材層の中央部分であって、前記一次コイルと前記二次コイルの渦巻の中心付近には、窓が穿設されていることを特徴とする。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、第1のコイルと第2のコイルを、積層方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、前記第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする。
本発明に係る積層コモンモードフィルタは、所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、第1のコイルと第2のコイルを、積層方向と直交する方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、前記第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする。
本発明に係るコモンモードフィルタは、複数のコイルにおける導体の1ライン毎に発生するマイナーループを抑制し、コイルの磁束結合を高めることができ、巻線タイプのコモンモードフィルタにより得られるような効率的な磁束の流れを得ることができる。
巻線タイプのコモンモードフィルタにより得られるような磁束の流れを、積層タイプのコモンモードフィルタにおいて実現した。以下添付図面を参照して、本発明に係るコモンモードフィルタの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
第1の実施例に係るコモンモードフィルタは、図1に示すように、平面内において渦巻状に巻回された一次コイル1と、同じく平面内において渦巻状に巻回された二次コイル2とを備える。
上記一次コイル1と二次コイル2との間には、低周波材層3が介装されている。低周波材層3は、ほぼ正方形のシートであり、中央部分であって、上記一次コイル1と上記二次コイル2の渦巻の中心付近には、四角の窓4が穿設されている。ここに、低周波材とは、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯(通例、数KHz〜300MHz)において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を指すものとする。
上記共鳴周波数について説明する。フェライトは金属強磁性体と比べて一般的に比抵抗が高いので、印加する交流磁界の高周波領域まで高い透磁率を示すことが知られている。しかし、交流磁界の周波数を高くして行くと、エネルギー損失が生じ、透磁率の変化が見られる。ここに、エネルギー損失の原因は、渦電流の発生の他に、磁壁共鳴、回転磁化共鳴、磁気余効、磁壁の移動などである。
本発明において低周波材として用いるフェライトの一例と、磁路を形成するフェライトの一例について透磁率変化を示すと、図4のようになる。この図4に見られる透磁率の低下は、次の理由によると考えられている。即ち、磁壁の移動速度や磁化回転速度は有限であり、ある周波数のところにおいて共鳴が生じる。そして、この共鳴周波数よりも高い周波数においては磁界の変化に追従できないために、磁化に寄与しなくなることから透磁率の低下が生じる。本発明では、図4に示すような異なる透磁率変化を呈するフェライトを用いることを特徴としている。この図4に示す特性のフェライトの中において、曲線Lにより示される特性の材料を低周波材として用い、曲線Hにより示される特性の材料を磁路に用いるフェライト(高周波材とも称する)としている。
本例では、低周波材として、Ni−Cu−Znフェライトを採用した。そして、その組成は、Fe23 が50.45mol%、NiOが13.46mol%、CuOが10.29mol%、ZnOが25.80mol%である。
上記のように、積層コモンモードフィルタの構造中におけるコイルを構成する導体の周辺部分に、通常においては低周波帯域で使用されるNi−Cu−Znフェライトを用いた理由としては、次の2点である。
現状において、導体の周辺部分に設ける材料として最も妥当性がある材料はセラミックスであると考えられる。しかしながら、セラミックスを採用した場合には、フェライト−セラミックスの焼成条件を考慮する必要があり、フェライト−セラミックス界面での空隙、セラミックスの膨張・収縮応力によるフェライトのクラック等発生の頻度は少なくないと思われる。
また、低周波材と称されるMn−Zn系フェライトは、磁気特性のみを考えればコモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、複数のコイルにおける導体の1ライン毎に発生するマイナーループを抑制し、コイルの磁束結合を高めるという要求を満たすものと思われる。しかしながら、コイルを構成する導体の周辺以外の部分に用いるNi系フェライト(大気雰囲気焼成)とコイルを構成する導体の周辺部分に用いるMn系フェライト(窒素雰囲気焼成)の焼成雰囲気が異なることになり、同時焼成は不可である問題がある。また、この場合NiとMnで悪影響を及ぼす反応が起きる可能性大であるため、同時焼成は難しい等の問題点も存在する。
上記に対し、Ni−Cu−Znフェライトを用いた場合には、焼結の場合にフェライト同士であることからクラッシュ等の危険が少なく、また焼結の雰囲気や不要な反応の可能性も低く好適である。
図1に示すように二次コイル2の上方には、フェライトシート5が被せられる。フェライトシート5には、二次コイル2の引出線に対応してビアホール5A、5Aが穿設されており、フェライトシート5の上に載置される端子電極6、6の端部が上記ビアホール5A、5Aを介して接続されるように構成されている。
また、一次コイル1の下方には、フェライトシート7が設けられ、一次コイル1がフェライトシート7上に載置される。フェライトシート7には、一次コイル1の引出線に対応してビアホール7A、7Aが穿設されており、フェライトシート7の下方に設けられる端子電極9、9の端部が上記ビアホール7A、7Aを介して接続されるように構成されている。
端子電極6、6の上方には、複数枚のフェライトシート10が載置され、また端子電極9、9は下方に設けられる複数枚のフェライトシート11の上に載置されている。
上記のように構成されている結果、本実施例の積層コモンモードフィルタは、複数枚のフェライトシート11の上に端子電極9、9が載置され、その上に端子電極9、9と一次コイル1とを絶縁するフェライトシート7が設けられ、このフェライトシート7の上に一次コイル1が載置される。
一次コイル1の上方には、低周波材層3を介して二次コイル2が設けられ、上記二次コイル2の上方には、フェライトシート5を介して端子電極6、6が設けられ、この端子電極6、6の上方には、複数枚のフェライトシート10が載置されている。
端子電極6、6の端部は、フェライトシート5と複数枚のフェライトシート10の端縁まで延びており、外部と電気的接続が可能となっている。また、端子電極9、9の端部は、フェライトシート7と複数枚のフェライトシート11の端縁まで延びており、外部と電気的接続が可能となっている。
以上のように構成された積層コモンモードフィルタは、内部を透視して示した平面図が図2の如くなり、二次コイル2(一次コイル1も同様に)が平面内において渦巻状に巻回されている。そして、図2のI−I’線による断面図である図3に示すように、一次コイル1と二次コイル2における個々の導体が、低周波材層3と隣接する。係る構成の積層コモンモードフィルタにおいて、一次コイルと二次コイルに発生する磁束結合の値を計数化して図5に示す。図5に明らかなように10MHz以下の範囲では結合係数は0.6程度であり、結合が非常に低いことが分かる。一方、10MHzより高い周波数範囲(数百MHzまで)では、結合係数の上昇傾向が見られる。これは10MHz以下の範囲では、低周波材層3を除くフェライト(フェライトシート5、7、10、11)の透磁率μが約30であり、低周波材層3を構成するNi−Cu−Znフェライトの透磁率μが600である。10MHzより高い周波数範囲においては、低周波材層3を除くフェライトの透磁率μが相変わらず約30であるのに対し、低周波材層3を構成するNi−Cu−Znフェライトの透磁率μが0となり、マイナーループの発生が抑制される。この変化が図6(a)と図6(b)に現されている。10MHzより高い周波数範囲においては、一次コイル1と二次コイル2の磁束20は図6(b)に示すように結合が高まり、コモンモードフィルタとして好適な特性を示す。
また、二次コイル2(一次コイル1も同様に)が平面内において渦巻状に巻回された構成であるため、縦方向にコイルを巻回して、例えば一周毎にフェライトシートを介装させる構造に比べて、各コイルを一度の巻線印刷工程にて作製することができ製造を容易とする効果を有する。また、導体を積層方向へ渦巻くように積層して構成するものに比べて、導体間のシートの厚み等による絶縁のばらつきや積層される各導体における巻線印刷位置のばらつきを押さえることができ、短絡が少なく特性がより一定である積層コモンモードフィルタを提供することができる。
更に、低周波材層3に設けられた窓4は、上下方向からフェライトシートが入り込むために、一次コイル1と二次コイル2及び低周波材層3を除く部分が図3の断面図に示すように全てフェライトとなり、ドラムコアとリングコアによるコアと同様な構成を提供し、磁束の流れが理想的となり、ノーマルモード特性の低減を図ることが可能である。
図7に第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタの組立斜視図を示す。この積層コモンモードフィルタは図9に示すように、第1のコイル1と第2のコイル2を、積層方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材による低周波材層3を設けたものである。
2次コイルを形成するために、図7に示すシート31〜34が用いられる。最上部のシート31は、巻線の1/2ターン分のパターン31aと外部の端子に接続するリード部31bとからなる銀ペーストで形成された巻線部を有し、上記巻線部の周囲を囲繞する破線の領域は、低周波材部35であり、巻線部の表面も低周波材部35により被覆されている。巻線部におけるリード部31bとは異なる端部31cにおいては、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、下方のシート32の巻線部と電気的結合が得られるように構成されている。低周波材部35の外側は、磁路を形成するフェライト材36により構成されている。
シート32においては、巻線の1/2ターン分のパターン32aが銀ペーストにより構成されており、その一端部32bは、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、上方のシート31の巻線部と電気的結合が得られるように構成されており、また、その他端部32cは、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、下方のシート33の巻線部と電気的結合が得られるように構成されている。巻線部の周囲を囲繞する破線の領域は、低周波材部35であり、巻線部の表面も低周波材部35により被覆されている。低周波材部35の外側は、磁路を形成するフェライト材36により構成されている。
シート33においては、巻線の1/2ターン分のパターン33aが銀ペーストにより構成されており、その一端部33bは、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、上方のシート32の巻線部と電気的結合が得られるように構成されており、また、その他端部33cは、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、下方のシート(32と同様のシート)の巻線部と電気的結合が得られるように構成されている。巻線部の周囲を囲繞する破線の領域は、低周波材部35であり、巻線部の表面も低周波材部35により被覆されている。低周波材部35の外側は、磁路を形成するフェライト材36により構成されている。
シート33の下方には、シート32と同様のシート及びシート33と同様のシートによるペアが所要組連続し、最下部にシート34が配置される。シート34は、巻線の1/2ターン分のパターン34aと外部の端子に接続するリード部34bとからなる銀ペーストで形成された巻線部を有し、上記巻線部の周囲を囲繞する破線の領域は、低周波材部35であり、巻線部の表面も低周波材部35により被覆されている。巻線部におけるリード部34bとは異なる端部34cにおいては、銀ペーストが露出するかビアホールが設けられるなどにより、上方のシート(33と同様のシート)の巻線部と電気的結合が得られるように構成されている。低周波材部35の外側は、磁路を形成するフェライト材36により構成されている。
シート34の下方には、1次コイルを形成するために、シート31A、32〜33、34Aが用いられる。シート31Aは、シート31とほぼ同一の構成であり、リード部31Abの形成位置が僅かに異なるだけである。またシート34Aは、シート34とほぼ同一の構成であり、リード部34Abの形成位置が僅かに異なるだけである。シート32と同様のシート及びシート33と同様のシートによるペアが所要組連続することも、2次コイルの構成と同様である。
以上の2次コイルを形成するためのシート31〜34と、1次コイルを形成するためのシート31A、32〜33、34Aを積層して接着することにより、第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタが出来上がる。巻線部がそれぞれ、第1のコイル1と第2のコイル2となり、低周波材部35の集合により低周波材層3が構成される。
上記第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタの平面図を図8に、A−A断面図を図9に、B−B断面図を図10に示す。この構成によっても、磁束の結合を高くすることができ、ノーマルモード特性の低減を図ることが可能である。38は外部電極を示している。
図11に第3の実施例に係る組立斜視図を示す。この積層コモンモードフィルタは、第1のコイルと第2のコイルを、積層方向と直交する方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材による低周波材層を設けたものである。この第3の実施例は巻線コイルで例えると、ドラムコアの巻枠に相当する部分に低周波材を配置して、第1のコイルと第2のコイルを巻回した如くの構成となっている。
具体的には次のように構成されている。この積層コモンモードフィルタの形状は、直方体の形状を呈する。本積層コモンモードフィルタの上部と下部には、複数のフェライトシート10、11が配置される。複数のフェライトシート10の下には、中央部における長方形の領域が低周波材層41aとなっており、低周波材層41aの周囲が高周波材層41bとされたシート41が設けられる。また、複数のフェライトシート11の上にもシート41が設けられる。
上側のシート41の下には、コイルの一側部における数条の巻線が設けられたシート42が配置される。このシート42には二条の低周波材層42aが設けられている。低周波材層42aは、シート41における低周波材層41aが構成する長方形領域の長辺を長辺とし、組み立てられたときに縦方向に延びる巻線部分の周囲を覆うに十分な長方形領域に設けられている。低周波材層42a、42a間を、第1のコイル1を構成する数条の巻線42cと第2のコイル2を構成する数条の巻線42dとが設けられている。このシート42における2条の低周波材層42aと巻線42c、42d以外の領域は、高周波材層42bとなっている。
下側のシート41の上には、基本的にシート42と同一構成のシート42Aが設けられる。このシート42Aにおいては、第1のコイル1を構成する数条の巻線42cにおいて、巻線の始端巻線と終端巻線とがシート42Aの側縁まで延びており、同様に第2のコイル2を構成する数条の巻線42dにおいて、巻線の始端巻線と終端巻線とがシート42Aの側縁まで延びており、端子に接続される。
上記のシート42とシート42Aとの間には、複数枚のシート43が積層配置される。シート43は、組み立てられたときに縦方向に延びる巻線部分をスライスしたものに対応する導体43c、導体43dが設けられている。低周波材層43aと高周波材層43bとは、シート42、42Aにおける低周波材層42aと高周波材層42bと同様の構成となっている。
シート42、43、42Aと重ねられたときに、シート42の巻線42cとシート43の導体43cとシート42Aの巻線42cとが接続されて第1のコイル1が構成されると共に、シート42の巻線42dとシート43の導体43dとシート42Aの巻線42dとが接続されて第2のコイル2が構成される。
第3の実施例に係る積層コモンモードフィルタの一部を透視して示した平面図を図12に、図12におけるA−A断面図を図13に、図12におけるB−B断面図を図14に示す。第1のコイル1を構成する巻線の周囲及び第2のコイル2を構成する巻線の周囲は、全て低周波材3により覆われている。51は高周波材を示し、52は外部電極を示す。この構成によっても、他の実施例に係る積層コモンモードフィルタと同様に磁束の結合を高くすることができ、ノーマルモード特性の低減を図ることが可能である。
積層構造を有する本発明に係るコモンモードフィルタは、巻線構造のコモンモードフィルタと同様に各種の電子回路に適用することが可能である。
本発明の第1の実施例に係る積層コモンモードフィルタの組立斜視図。 本発明の第1の実施例に係る積層コモンモードフィルタの平面図。 図2の積層コモンモードフィルタにおけるI−I’断面図。 本発明において低周波材として用いるフェライトの一例と、磁路を形成するフェライトの一例について透磁率変化を示す図。 本発明の第1の実施例に係る積層コモンモードフィルタにおける結合係数の周波数変化を示す図。 本発明の第1の実施例に係る積層コモンモードフィルタにおける周波数変化に対応する磁束の流れ変化を示す図。 本発明の第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタの組立斜視図。 本発明の第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタの平面図。 本発明の第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタのA−A断面図。 本発明の第2の実施例に係る積層コモンモードフィルタのB−B断面図。 本発明の第3の実施例に係る積層コモンモードフィルタの組立斜視図。 本発明の第3の実施例に係る積層コモンモードフィルタの平面図。 本発明の第3の実施例に係る積層コモンモードフィルタのA−A断面図。 本発明の第3の実施例に係る積層コモンモードフィルタのB−B断面図。 従来例に係る積層コモンモードフィルタの斜視図。 従来例に係る積層コモンモードフィルタの平面図。 図16の積層コモンモードフィルタにおけるA−A’断面図。
符号の説明
1 一次コイル
2 二次コイル
3 非磁性セラミックス層
4 窓
5 フェライトシート
5A ビアホール
6 端子電極
7 フェライトシート
7A ビアホール
10、11 フェライトシート

Claims (6)

  1. 所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、
    コイルを構成する導体の周辺部分に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする積層コモンモードフィルタ。
  2. 複数枚のフェライトシート上に、一次コイル用端子電極が積層され、この一次コイル用端子電極の上に絶縁用のフェライトシートを介して一次コイルが積層されると共に前記一次コイル用端子電極と前記一次コイルとは前記フェライトシートに形成されたビアホールを介して接続されており、
    前記一次コイルの上に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材層が積層されており、
    前記フェライト材層の上に二次コイルが積層され、この二次コイルの上に絶縁用のフェライトシートを介して二次コイル用端子電極が積層されると共に前記二次コイル用端子電極と前記二次コイルとは前記フェライトシートに形成されたビアホールを介して接続されており、
    前記二次コイル用端子電極の上に、複数枚のフェライトシートが積層されていることを特徴とする積層コモンモードフィルタ。
  3. 前記一次コイル及び前記二次コイルは、平面内において渦巻状に巻回されて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の積層コモンモードフィルタ。
  4. 前記フェライト材層の中央部分であって、前記一次コイルと前記二次コイルの渦巻の中心付近には、窓が穿設されていることを特徴とする請求項2に記載の積層コモンモードフィルタ。
  5. 所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、
    第1のコイルと第2のコイルを、積層方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、前記第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする積層コモンモードフィルタ。
  6. 所要部材を積層して作製される積層コモンモードフィルタにおいて、
    第1のコイルと第2のコイルを、積層方向と直交する方向に螺旋状となるように導体を積層して構成し、前記第1のコイルと第2のコイルを構成する各導体の間に、コモンモードフィルタにおける使用周波数帯において、磁路を形成するフェライト材の共鳴周波数よりも低い周波数で共鳴を迎えるフェライト材を設けたことを特徴とする積層コモンモードフィルタ。
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