JPH1154331A - チップ型インダクタアレイ - Google Patents

チップ型インダクタアレイ

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JPH1154331A
JPH1154331A JP21097097A JP21097097A JPH1154331A JP H1154331 A JPH1154331 A JP H1154331A JP 21097097 A JP21097097 A JP 21097097A JP 21097097 A JP21097097 A JP 21097097A JP H1154331 A JPH1154331 A JP H1154331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インダクタ間のクロストークを抑制し、且つ
インダクタ間の間隔を狭く設定できるチップ型インダク
タアレイを提供する。 【解決手段】 低透磁率の磁性体からなる略直方体形状
の素体21と、素体21の対向する1対の側面に所定の
間隔をあけて形成された3対の接続電極とからなり、素
体21の内部には螺旋状導体からなる3個のコイル(イ
ンダクタ)L1〜L3が形成され、これらのコイルL1
〜L3の両端はそれぞれ素体21の側面に形成された接
続電極22a〜22fに接続され、コイルL1,L2を
形成する導体パターン23a1〜23e3の近傍にのみ高透
磁率磁性材料からなる磁性材料パターン25a1〜25e3
が配置されているチップ型インダクタアレイを構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インダクタ間のク
ロストークの低減を図ったチップ型インダクタアレイに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル信号処理技術が急速な
進歩を遂げ、さらにその処理速度はCPUクロック周波
数で100〜200MHzに至っている。さらに、ディ
ジタル信号処理技術はあらゆる電子機器に用いられてい
る。一般に、電子機器のディジタル信号は多くの高調波
成分を含んでいるため、この高調波が他の機器に接続す
るケーブルに流出し、ノイズとして不要輻射を起こす。
これを回避するために、ケーブル接続用コネクタ近傍の
各信号ラインにインダクタを挿入している。
【0003】一方、近年においては電子機器の小型化及
び集積化が進み、これに伴い個々の電子部品の複合化や
アレイ化が行われている。前述したインダクタにしても
アレイ化が図られ、さらにチップ型に小型化されてい
る。
【0004】この様なチップ型インダクタアレイの一例
を図2及び図3に示す。図2はチップ型インダクタアレ
イの構造を示す斜視図、図3は要部分解斜視図である。
このインダクタアレイ1は、1個の磁性体中に3個のコ
イル(インダクタ)10を横方向に配列したもので、各
コイル10は導体ペースト11を印刷したフェライト製
のグリーンシート12を複数枚積層して構成される。こ
の印刷された導体ペースト11はスルーホール13を介
して上下に接続され、上下に周回する周回パターンが形
成され、この周回パターンの両端は接続電極14を介し
てコネクタ或いは電子機器の信号ラインに接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようなチップ型インダクタアレイ1では、隣り合うコ
イル10間の間隔が狭くなっているときは、各コイル1
0から発生する磁束が他のコイル10に結合してクロス
トークを起こすという問題点があった。
【0006】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、イン
ダクタ間のクロストークを抑制し、且つインダクタ間の
間隔を狭く設定できるチップ型インダクタアレイを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、螺旋形状の導電材からなる複数のインダ
クタと該複数のインダクタを包含する所定空間に充填さ
れた所定のセラミック材料とによって形成された略直方
体形状の素体と、前記各インダクタの両端に接続され、
前記素体の外面に形成された複数対の接続電極とを備
え、前記複数のインダクタは、螺旋の中心軸が互いにほ
ぼ平行になり、且つ螺旋の中心軸が前記素体の対向する
1対の主面に対してほぼ直角に交わるように並設されて
いるチップ型インダクタアレイにおいて、前記素体は、
前記複数のインダクタを構成する複数の螺旋形状の導電
材と、前記インダクタの導電材近傍にのみ配置された高
透磁率の磁性材料と、これ以外の部分を形成する低透磁
率のセラミック材料とから構成されているチップ型イン
ダクタアレイを提案する。
【0008】該チップ型インダクタアレイによれば、各
インダクタの導電材周囲に発生した磁束は互いにまとま
り合って、インダクタの内側では螺旋の中心軸に沿って
螺旋の一端から外側に移り、内側におけるときとは逆方
向に進み前記螺旋の他端に至り、螺旋の内側を再び螺旋
の中心軸に沿って進む主経路を流れる。しかし、前記イ
ンダクタの導電材近傍にのみに高透磁率の磁性材料が配
置され、素体内の他の部分は低透磁率のセラミック材料
からなるため、前記主経路を流れる磁束の割合は減少
し、前記導電材近傍に配置された高透磁率の磁性材料中
を流れる磁束の割合が増加する。これにより、隣り合う
インダクタに到達する磁束の割合が減少し、隣り合うイ
ンダクタに対する磁束の結合が抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明
する。図1は本発明の一実施形態のチップ型インダクタ
アレイを示す外観斜視図、図4は要部分解斜視図、図5
は平断面図、図6は図5に示すA−A線矢視方向断面図
である。図において、2はチップ型インダクタアレイ
で、低透磁率の磁性体セラミックからなる略直方体形状
の素体21と、素体21の対向する1対の側面に所定の
間隔をあけて形成された3対の接続電極22a〜22f
とから構成されている。
【0010】また、素体21の内部には螺旋状導体から
なる3個のコイル(インダクタ)L1,L2,L3が形
成され、これらのコイルL1〜L3の両端はそれぞれ素
体21の側面に形成された接続電極22a〜22fに接
続されている。
【0011】また、コイルL1〜L3の螺旋の中心軸は
互いに平行で、且つ素体21の上下面に対してほぼ直角
に交わっている。
【0012】さらに、素体21内部の大部分が低透磁率
の磁性材料21aによって形成され、コイルL1〜L3
の近傍の所定領域にのみに高透磁率の磁性材料21bが
配置されている。
【0013】ここで、素体21内部の大部分を構成する
低透磁率の磁性材料21aは、コイルL1〜L3を形成
する導電材料の近傍にのみ配置される高透磁率磁性材料
21bよりも低い透磁率を有する材料であれば本願発明
の目的を達成するものであり、非磁性材料であっても良
い。
【0014】前述の構成をさらに詳細に説明すると、素
体21は、導体パターン23a1,23a2,23a3〜23
e1,23e2,23e3が形成された矩形の複数の低透磁率
の磁性材料シート24a〜24e及び導体パターンが形
成されていない矩形の低透磁率磁性材料シート24fを
積層して一体に形成されている。
【0015】また、導体パターン23a1,23a2,23
a3〜23e1,23e2,23e3が形成された低透磁率の磁
性材料シート24a〜24e上には、低透磁率の磁性材
料シート24a〜24eと導体パターン23a1,23a
2,23a3〜23e1,23e2,23e3との間に、所定の
厚さを有し、且つ導体パターン23a1,23a2,23a3
〜23e1,23e2,23e3とほぼ同形状で幅広の高透磁
率の磁性材料パターン25a1,25a2,25a3〜25e
1,25e2,25e3が設けられている。
【0016】導体パターン23a1,23a2,23a3〜2
3e1,23e2,23e3のそれぞれは所定の導体によっ
て、高透磁率の磁性材料パターン25a1,25a2,25
a3〜25e1,25e2,25e3が形成された低透磁率の磁
性材料シート24a〜24e上に形成され,導体パター
ン23a1,23a2,23a3〜23e1,23e2,23e3は
低透磁率の磁性材料シート24a〜24eの所定の3乃
至4辺にほぼ平行となるように略コ字形状或いは略I字
形状に形成されている。
【0017】これらの導体パターン23a1,23a2,2
3a3〜23e1,23e2,23e3は、スパイラル形状とな
るようにスルーホール26を介して互いに導電接続さ
れ、3個のコイルL1,L2,L3が構成されている。
【0018】即ち、導体パターン23a1,23b1,23
c1,23d1,23e1によってコイルL1が形成され、導
体パターン23a2,23b2,23c2,23d2,23e2に
よってコイルL2が形成され、導体パターン23a3,2
3b3,23c3,23d3,23e3によってコイルL3が形
成されている。
【0019】さらに、これらのコイルL1,L2,L3
の両端に対応する部分の導体パターンは、素体21の側
面に露出するように形成され、素体21の側面に露出し
た導体パターンは接続電極22a〜22fに導電接続さ
れている。
【0020】次に、本実施形態のインダクタアレイ2の
製造手順を詳述する。まず、NiO、ZnO、CuO
(Znリッチ)を秤量し、水と共にボールミルに投入し
て混合、分散を行い、ボールミルから取り出して乾燥し
た後、大気中、80℃で2時間加熱して仮焼した。その
後再び水と共にボールミルに投入して15時間解砕し、
ボールミルから取り出し、乾燥して高透磁率磁器粉末を
得た。この高透磁率磁器粉末にポリブチラールを主成分
とする有機バインダーと有機溶剤を加え、混練して粘度
4200cpの高透磁率磁器スラリーを得た。
【0021】さらに、NiO,ZnO,CuO(Niリ
ッチ)を秤量し、水と共にボールミルに投入して混合、
分散を行い、ボールミルから取り出して乾燥し、大気
中、80℃で2時間加熱して仮焼した後、再び水と共に
ボールミルに投入して15時間解砕し、ボールミルから
取り出し、乾燥して低透磁率磁器粉末を得た後、これに
ポリブチラールを主成分とする有機バインダーと有機溶
剤を加え、混練して粘度4200cpの低透磁率磁器ス
ラリーを得た。
【0022】一方、Ag粉末、エチルセルロール、α−
ターピネオール、及びブチルカルビトールアセテートを
混練したAgペーストを用意した。
【0023】次に、ポリエチレンテレフタレートのベー
スフィルムを水平に搬送し、このベースフィルムにドク
ターブレード法によって前述した低透磁率磁器スラリー
を塗布する。これを乾燥した後剥離して、110mm角の
方形に切断し、厚さ40μmのシートを形成し、このシ
ートを複数枚用意した。
【0024】また、100mm角の窓の周囲を15mmの幅
で囲った額縁状のステンレス製フレームを用意する。こ
のフレームの隅には、印刷機等において位置決めを行う
小穴が設けられている。このフレームに前記シートを張
り付け、高透磁率磁器スラリーを印刷して磁性材料パタ
ーン25a1,25a2,25a3〜25e1,25e2,25e3
を形成してこれを乾燥させる。この後、シートの所定位
置にスルーホール金型によってスルーホールを打ち抜
き、スルーホールを有するグリーンシートを形成する。
【0025】次いで、グリーンシートに印刷機を用いて
導体パターン23a1,23a2,23a3〜23e1,23e
2,23e3を形成する。別に用意した印刷機の被印刷物
を配置するステーションには、前記フレームを位置決め
する複数のピンが設けられている。このピンを前記フレ
ームの小穴に挿入して印刷位置を決め、グリーンシート
に前記Agペーストを用いて、前述した形状の導体パタ
ーン23a1,23a2,23a3〜23e1,23e2,23e3
をスクリーン印刷して形成する。このときグリーンシー
トには、対応する導体パターン23a1,23a2,23a3
〜23e1,23e2,23e3が縦横複数列のマトリックス
状に形成される。
【0026】この後、図4に示す順序で各導体パターン
23a1,23a2,23a3〜23e1,23e2,23e3が上
下に重なるように、各グリーンシートを積層して圧着す
る。これにより、上下層の導体パターン23a1,23a
2,23a3〜23e1,23e2,23e3はスルーホール2
6を介して導電接続され、コイルL1,L2,L3が形
成される。
【0027】次いで、前述した直方体形状のチップに裁
断し、900℃の温度で2時間焼成した。さらに、導体
パターン23a1,23a2,23a3〜23e1,23e2,2
3e3の端分に導通する接続電極22a〜22fを形成し
て、3つのコイルL1,L2,L3を有するインダクタ
アレイ2を構成した。
【0028】前述の構成よりなる本実施形態によれば、
図7に示すように、各コイルL1,L2,L3の導体パ
ターン23a1,23a2,23a3〜23e1,23e2,23
e3の周囲に発生した磁束φ1は互いにまとまり合って、
コイルL1,L2,L3の内側では螺旋の中心軸に沿っ
て螺旋の一端から外側に移り、内側におけるときとは逆
方向に進み前記螺旋の他端に至り、螺旋の内側を再び螺
旋の中心軸に沿って進む主経路を流れる。しかし、各コ
イルL1,L2,L3の導体パターン23a1,23a2,
23a3〜23e1,23e2,23e3近傍にのみに高透磁率
磁性材料パターン25a1,25a2,25a3〜25e1,2
5e2,25e3によって形成された高透磁率の磁性材料2
1bが配置され、素体21内の他の部分は低透磁率の磁
性材料21aからなるため、主経路を流れる磁束φ2は
減少し、導体パターン23a1,23a2,23a3〜23e
1,23e2,23e3近傍に配置された高透磁率の磁性材
料21b中を流れる磁束φ1の割合が増加する。これに
より、隣り合うコイルL1,L2,L3に到達する磁束
の割合が減少し、隣り合うコイルL1,L2,L3に対
する磁束の結合が抑制される。
【0029】これにより、コイルL1,L2,L3に異
なる信号を印加した場合において、これらの間のクロス
トークが抑制される。また、従来よりもコイルL1,L
2,L3の間隔を狭く設定しても、クロストークの発生
を抑制することができる。
【0030】尚、前述した実施形態は一例であり、本発
明がこれに限定されることはない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明のチップ型イ
ンダクタアレイによれば、インダクタの導電材近傍にの
みに高透磁率の磁性材料が配置され、素体内の他の部分
は低透磁率のセラミック材料からなるため、前記導電材
近傍に配置された高透磁率の磁性材料中を流れる磁束の
割合が増加すると共に、隣り合うインダクタに到達する
磁束の割合が減少し、隣り合うインダクタに対する磁束
の結合が抑制されるので、隣り合うインダクタに異なる
信号を印加してもこれらの間のクロストークが抑制され
る。さらに、従来よりも隣り合うインダクタの間隔を狭
く設定しても、クロストークの発生を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のチップ型インダクタアレ
イを示す外観斜視図
【図2】従来例のチップ型インダクタアレイの構造を示
す斜視図
【図3】従来例のチップ型インダクタアレイを示す要部
分解斜視図
【図4】本発明の一実施形態のチップ型インダクタアレ
イを示す要部分解斜視図
【図5】本発明の一実施形態のチップ型インダクタアレ
イを示す平面図
【図6】図5に示すA−A線矢視方向断面図
【図7】本発明の一実施形態のクロストーク抑制動作を
説明する図
【符号の説明】
2…チップ型インダクタアレイ、21…素体、21a…
低透磁率磁性材料、21b…高透磁率磁性材料、22a
〜22f…接続電極、23a1,23a2,23a3〜23e
1,23e2,23e3…導体パターン、24a〜24f…
…低透磁率磁性材料シート、25a1,25a2,25a3〜
25e1,25e2,25e3…高透磁率磁性材料パターン、
26…スルーホール、L1,L2,L3…コイル(イン
ダクタ)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋形状の導電材からなる複数のインダ
    クタと該複数のインダクタを包含する所定空間に充填さ
    れた所定のセラミック材料とによって形成された略直方
    体形状の素体と、前記各インダクタの両端に接続され、
    前記素体の外面に形成された複数対の接続電極とを備
    え、前記複数のインダクタは、螺旋の中心軸が互いにほ
    ぼ平行になり、且つ螺旋の中心軸が前記素体の対向する
    1対の主面に対してほぼ直角に交わるように並設されて
    いるチップ型インダクタアレイにおいて、 前記素体は、前記複数のインダクタを構成する複数の螺
    旋形状の導電材と、前記インダクタの導電材近傍にのみ
    配置された高透磁率の磁性材料と、これ以外の部分を形
    成する低透磁率のセラミック材料とから構成されている
    ことを特徴とするチップ型インダクタアレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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