JP2005140909A - 光学部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加工工程における離型性と微細形状賦形性を有し、賦形形状が耐熱性を有する架橋型樹脂硬化物よりなる光学部品を提供する。
【解決手段】 パーフルオロシクロヘキサン環を含有する架橋型樹脂硬化物よりなる光学部品。パーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーの架橋型樹脂組成物、パーフルオロシクロヘキサン環を含有するの重合体または/および共重合体とフッ素含有モノマーとの架橋型樹脂組成物、または、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体または/および共重合体とパーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーとの架橋型樹脂組成物をラジカル重合法によって硬化して得られる上記光学部品。
【選択図】なし


Description

本発明は、硬化型樹脂組成物から、ラジカル重合法によって作製された樹脂硬化物よりなる光学部品に関する。詳しくは、パーフルオロシクロヘキサン環を必須成分として含有する樹脂硬化物よりなる光学部品に関する。
プラスチック光学部品には、矯正用眼鏡レンズおよびコンタクト・レンズなどのような民生用レンズ類、ファインダー、カメラ、複写機、オーバーヘッド・プロジェクターおよびテレビ用や大型スクリーン用プロジェクターなどに使用される結像系レンズ類とプリンターおよび光ピックアップなどに使用される偏光系レンズ類などのような光学機器用レンズ類、ならびに光ファイバー通信機器に使用される微小光学部品(レンズ、プリズムなど)、ファイバー型光部品および光導波路型部品(光分岐/結合導波路、光分波/合波導波路、光方向性結合導波路、光スイッチ、光アイソレーター、光減衰/増幅部品、光インターコネクション、光導波回路など)などのような光部品類がある。このようなレンズ類と光部品類に対する要求特性としては、使用される用途に応じて、各種の光学物性および力学物性、耐熱性、耐湿性、耐光性および耐久性などがある。
プラスチック光学部品に使用されるプラスチック材料は、直鎖型ポリマーと架橋型ポリマーに大別され、プラスチック光学部品の成型加工には、プラスチック材料に応じて、各種の成型加工法が採用される。一般的にいえば、直鎖型ポリマーでは、屈折率とアッベ数の選択幅が狭く、複屈折が発生しやすく、耐熱性が不十分であり、また、微細な成型加工は困難である。一方、架橋型ポリマーでは、直鎖型ポリマーのような光学物性と耐熱性の問題は少ないが、透明性がやや不十分であり、架橋反応による硬化収縮率が大きく、また、微細な成型加工は可能であるが、多段の作製工程を必要とするため、大量生産は困難である。
光ファイバー通信機器に使用されるプラスチック光部品類では、レンズ類に要求される光学物性、力学物性や耐湿性などとは別に、低い光伝送損失(以下、光損失と略記する。)と狭い幅の屈折率制御性などの光学物性および高温のはんだ耐熱性などが要求特性となっている。具体的には、例えば、光導波路では、1.31μmと1.55μmの波長帯での光損失値が0.5dB/cm以下であり、コア部とクラッド部の比屈折率差が0.5%以下であり、はんだ耐熱性は250℃以上であることが要求特性となっている。このような要求特性を有する架橋型ポリマーの開発が、業界各社によって進められてきたが、要求特性を十分に満たす架橋型ポリマーの開発は、いまだ達成されていないのが現状である。
また、架橋型ポリマーを使用した光部品類では、微細な形状加工における加工容易性の改良も、業界から強く要求されている。例えば、光導波路では、作製工程数のより少ない加工法、精密加工性、基板面積増大による生産性向上などが要求されている。光導波路部品では、三次元的に光を閉じ込める構造となっている、コア部がクラッド部の中に埋め込まれたチャネル型が主流であるが、チャネル型の作製方法には、大別すると、次記するような5種類の加工法がある。選択重合法、直接露光法およびスタンパー法による作製方法では、架橋型ポリマーを形成する架橋硬化型モノマーあるいはモノマー混合物(組成物)を原料とし、架橋硬化(以下、硬化と表記する。)は光重合開始剤を添加した光(UV光)硬化法によることが共通している。
<選択重合法>
フィルムに含浸させたモノマーを、ホトマスクを用いて硬化させて、コア部を形成し、未硬化のモノマーを気化除去したのち、フィルムの両面に基板を張り合わせる。
<ホトリソグラフィー+RIE法>
基板上に形成された下部クラッド部表面に、コア部ポリマーを塗布し、さらにホトレジストを塗布したのち、ホトマスクを用いてホトレジスト層を硬化させる。次に、RIE加工により、コア部を形成したのち、上部クラッド部を形成する。
<直接露光法>
基板上に形成された下部クラッド部表面に、モノマーを塗布し、ホトマスクを用いて硬化させて、コア部を形成する。未硬化のモノマーを除去したのち、上部クラッド部を形成する。
<ホトブリーチング法>
基板上に形成された下部クラッド部表面に、色素のような特殊な化合物を含む樹脂膜を重ね、ホトマスクを用いて光照射し、光照射された部分のみの屈折率を変化させて、コア部を形成したのち、上部クラッド部を形成する。
<スタンパー法>
基板上に塗布したモノマー層に、スタンパー(押し型)を当てた状態で硬化させたのち、スタンパーを離型して、表面にコア凹部を有する下部クラッド部を形成する。次に、コア凹部にモノマーを注入し、硬化させたのち、上部クラッド部を形成する。
上記した5種類の作製方法には、それぞれ長所と短所があるが、ホトマスクを用いなくてもよい、モノマーの除去を必要としない、コア部の微細な形状の精密形成が可能である、作製工程数が少ない、基板面積の増大が可能である、光ファイバー実装が簡便であるなどの特長を有するスタンパー法が最も有望視されている。しかしながら、光導波路は、曲がり、分岐、方向性結合、交差の基本構造とこれらを組み合せた複雑な構造を有しているため、スタンパー法に対してもコア部の微細形状賦形性の一層の改良が最も重要な課題となっていた。
光部品類に使用される架橋型ポリマーの光損失の主な原因は、ポリマーの化学構造に起因する。すなわち、ポリマーを構成する化学構造のうち、C−H結合とベンゼン環は光損失を増大させる。この原因は、直鎖型ポリマーにも共通している。
C−H結合では、伸縮振動吸収による光損失が大きい。一方、ベンゼン環では、C−H結合の伸縮振動吸収とパイ(π)電子遷移吸収による光損失に、レイリー散乱による光損失が加算されるため、光損失が増大する。
このようなポリマーの化学構造に起因する光損失を低減させるためには、C−H結合数の減少またはC−H結合の無含有、あるいはベンゼン環の無含有が有効であることは、以前からよく知られていた。C−H結合のC−D(重水素)結合への置換は、ポリマーの光損失の低減には有効であるが、ポリマーの吸湿性が増大するという新たな問題が生じてくる。C−H結合をC−X(Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を表わす。)結合に置換すると、ポリマーの光損失は大幅に低減される。しかし、Xが塩素、臭素およびヨウ素の場合は、C−X結合が化学的、熱的に不安定なため、切断、分解されやすく、また、屈折率が非常に大きくなるという問題が生じてくる。C−F(フッ素)結合は、結合が安定であるばかりではなく、ポリマーの屈折率を低下させるので、ポリマーの光損失を低減させる最良の方法として、C−H結合をC−F結合に置換した多種多様なポリマーが提案され、その一部は実用化されてきた。
C−H結合の大部分または全てをC−F結合に置換した直鎖型脂肪族系ポリマーでは、置換の程度だけ光損失は低減されるが、耐熱性が不十分である(例えば、非特許文献1)。架橋型脂肪族系ポリマーでも、はんだ耐熱性を付与することは不可能である(例えば、特許文献1)。C−H結合の全てをC−F結合に置換したパーフルオロベンゼン環含有の芳香族系ポリマーでは、光損失は低減されるが、パーフルオロベンゼン環に起因するパイ電子遷移吸収とレイリー散乱による光損失は依然として残存する。全てのC−H結合をC−F結合に置換したパーフルオロ環状エーテル系ポリマーでは、光損失は大幅に低減されるが、直鎖型ポリマーであるため、耐熱性が不十分であるという問題がある(例えば、非特許文献2)。
一方、耐熱性付与が可能な架橋型ポリマーを使用した光導波路の作製方法においては、加工容易性に優れたスタンパー法が最も有望視されていることは前記したとおりである。スタンパー法では、数μm寸法の非常に微細な形状のスタンパー(押し型)を当てた状態のまま、架橋型モノマーまたはモノマー組成物(以下、架橋型樹脂または架橋型樹脂組成物と表記する。)を硬化させたのち、スタンパーを離型して、微細な形状が精密に賦形されることが、作製方法における必須要件である。このため、硬化によって得られた架橋型ポリマー(以下、樹脂硬化物と表記する。)からのスタンパーの離型性と微細な形状が精密に賦形される精密形状賦形性が、作製工程における最も重要な加工要求特性となる。離型性が不十分な場合は、スタンパーの微細な形状が精密に転写できないだけではなく、スタンパーの連続使用にも問題を生じる。一方、微細形状賦形性が不十分な場合は、設計どおりの形状の賦形に問題を生じ、歩留まりが低下する。これまでの樹脂硬化物では、上記したような離型性と微細形状賦形性が十分とはいえず、それらの改良が最も必要となっていた。
「ふっ素樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、1990年11月30日、733頁 特開2002-332313号公報 「透明ポリマーの屈折率制御」、学会出版センター、1998年11月10日、206頁
プラスチック光学部品の中で、特に、光ファイバー通信機器に使用される、樹脂硬化物により形成された光導波路型部品類に対しては、レンズ類のような光学部品に共通した光学物性、力学物性、耐湿性、耐光性、耐久性などの要求特性に加えて、低い光損失、屈折率制御性、はんだ耐熱性などが重要な物性要求特性であり、このような物性要求特性を満たす樹脂硬化物の開発が、業界から強く要請されていた。
また、硬化型樹脂組成物から作製される光導波路の作製方法としては、優れた加工容易性の観点から、スタンパー法が最も有望視されているが、樹脂硬化物からのスタンパーの離型性と樹脂硬化物の微細形状賦形性という加工要求特性の改良も必要となっていた。
しかしながら、上記した物性要求特性と加工要求特性とを同時に満足する樹脂硬化物を提供できていないのが現状である。
本発明は、上記した物性要求特性と加工要求特性とを同時に満足する樹脂硬化物、特に低光損失特性、屈折率制御性、はんだ耐熱性、スタンパーの離型性および微細形状賦形性に優れた樹脂硬化物よりなる光学部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、C−F結合を有する多様な化学構造を含有する樹脂硬化物について研究を続けてきた結果、ラジカル重合法によって得られたパーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物は、上記した物性要求特性と加工要求特性を共有することを見出し、ようやく本発明に到達した。
本発明は、ラジカル重合法によって作製されたパーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物よりなる光学部品である。
本発明の光学部品を構成する樹脂硬化物は、透明性、低屈折率などの光学物性、強度、弾性率などの力学物性、耐湿性、耐光性に優れ、光損失値が小さく、狭い幅の屈折率制御が可能であり、はんだ耐熱性を有するばかりではなく、スタンパーの離型性と微細形状賦形性にも優れている。したがって、本発明の樹脂硬化物は、プラスチック光学部品に好適であり、特に、微細な形状を有する光部品類の作製には、最適の樹脂硬化物である。
本発明の光学部品は、パーフルオロシクロヘキサン環を必須成分として含有する樹脂硬化物よりなるものである。
本明細書中における「樹脂硬化物」とは、ラジカル重合によって三次元的な網目構造を形成した架橋硬化物を意味する。
樹脂硬化物に含有されるパーフルオロシクロヘキサン環は、シクロヘキサン環の全てのC−H結合がC−F結合に置換された化学構造で示される。本発明でいうパーフルオロシクロヘキサン環には、C−F結合の一部が−CFに置換されたパーフルオロシクロヘキサン環も含まれる。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物を得る方法としては、上記パーフルオロシクロヘキサン環を樹脂硬化物に含有させることが可能な方法であれば特に制限されるものではなく、例えば、以下に示す基本的な3方法がある。すなわち、パーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーを含む架橋型樹脂または樹脂組成物を硬化して樹脂硬化物を得る第1の方法、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体または共重合体あるいは両者を、2価以上のフッ素含有モノマーに溶解した架橋型樹脂組成物を硬化して樹脂硬化物を得る第2の方法、およびパーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体または共重合体あるいは両者を、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマーに溶解した架橋型樹脂組成物を硬化して樹脂硬化物を得る第3の方法である。
第1の方法において、パーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーとは、パーフルオロシクロヘキサン環にラジカル重合基が直接的にまたは連結基を介して間接的に結合した化学構造で示されるモノマーである。ラジカル重合基としては、末端にラジカル重合性不飽和結合を有するものであれば特に制限はないが、重合性の良好な(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基の両者を表わす。以下の表記も同じである。)とビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。パーフルオロシクロヘキサン環含有モノマーには、ラジカル重合基の数によって、1置換体、2置換体および3置換体などがあり、それぞれ、1価モノマー、2価モノマーおよび3価モノマーに相当する。すなわちn価モノマーは、n個のラジカル重合基を含有する。2置換体では、o−、m−またはp−位にラジカル重合基を有し、3置換体では、1,2,3−、1,2,4−、1,3,5−位などにラジカル重合基を有する。パーフルオロシクロヘキサン環含有モノマーが含有するパーフルオロシクロヘキサン環とラジカル重合基との間の連結基としては、−(CH−(nは0、1または2であり、0または1であることが好ましい。)で示されるアルキレン基が好ましい。nが0の場合は、ラジカル重合基がパーフルオロシクロヘキサン環に直結したモノマーである。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシパーフルオロシクロヘキサン、(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン、(メタ)アクリロイルオキシエチルパーフルオロシクロヘキサン、およびビニルパーフルオロシクロヘキサンなどが挙げられる。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価モノマーの具体例として、例えば、o−、m−およびp−ジ(メタ)アクリロイルオキシパーフルオロシクロヘキサン、o−、m−およびp−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン、o−、m−およびp−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)パーフルオロシクロヘキサン、およびp−ジビニルパーフルオロシクロヘキサンなどが挙げられる。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する3価モノマーの具体例として、例えば、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシパーフルオロシクロヘキサン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン、および1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)パーフルオロシクロヘキサンなどが挙げられる。
このようなパーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーは、公知技術である常法によって合成することができる。例えば、溶媒中で、ヒドロキシメチルパーフルオロシクロヘキサンと(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩化物とのエステル化反応により、(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサンを得ることができる。
第1の方法においては、少なくとも上記したパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価以上のモノマー群の1種類以上を使用する。本発明の樹脂硬化物は架橋した樹脂硬化物なので、第1の方法においては、(i)パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマー群の1種類以上を選択して使用するか、または(ii)このような2価以上のモノマーを使用しない場合は、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しない2価以上のフッ素含有モノマー群の1種類以上とを併用する。
上記(i)の場合では、上記したパーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマー群の1種類以上と、上記したパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマー群の1種類以上とを併用することもできる。この併用の場合、1価モノマーの配合比は、モノマー全量の50重量%以下とするのが好ましい。50重量%を超えると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性の低下の傾向が大きくなる。
また、上記(i)の場合では、上記したパーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有モノマー(以下、他のフッ素含有モノマーと表記する。)群の1種類以上とを併用することもできる。他のフッ素含有モノマーとしては、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレン基とラジカル重合基とを含有し、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレン基とラジカル重合基との間に、前記したような連結基を有するモノマーが使用可能である。他のフッ素含有モノマーにおいても、ラジカル重合基の数によって、1価または2価以上のモノマーなどがある。他のフッ素含有モノマーに含有されるラジカル重合基としては、パーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーの重合性と同等とするために、(メタ)アクリロイルオキシ基またはビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基が特に好ましい。樹脂硬化物の耐熱性を低下させないためには、長鎖のパーフルオロアルキル基または長鎖のパーフルオロアルキレン基を含有するモノマーの使用は好ましくない。パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレン基の炭素数としては、3〜8の範囲が好ましい。
1価の他のフッ素含有モノマーの具体例としては、例えば、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2価以上の他のフッ素含有モノマーの具体例としては、例えば、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロプロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)パーフルオロブタン、1,6−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロヘキサン、1,8−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)パーフルオロオクタンなどが挙げられる。
他のフッ素含有モノマーの配合比は、1価モノマーの場合では、モノマー全量の40重量%以下とするのが好ましく、2価以上のモノマーの場合では、50重量%以下とするのが好ましい。これらの配合比を超えると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性が不十分となり、またスタンパー法の離型性と微細形状賦形性も低下するので好ましくない。
上記(ii)の場合においては、2価以上の他のフッ素含有モノマーとして、上記(i)の場合における他のフッ素含有モノマーとして使用可能な2価以上のモノマーと同様なモノマーを1種類以上使用することができる。この場合、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマーの配合比は、モノマー全量の60〜40重量%の範囲である。60重量%を超えると、はんだ耐熱性が不十分となり、一方、40重量%未満では、スタンパー法の離型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましくない。
本発明の樹脂硬化物にパーフルオロシクロヘキサン環を含有させる第2の方法は、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体または共重合体あるいは両者を、フッ素を含有する2価以上のモノマー群から選択される1種類以上のモノマーに溶解した樹脂組成物を硬化して、樹脂硬化物を得る方法である。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体は、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマー群の1種類を重合して合成される単独重合体である。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する共重合体は、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマー群の2種類以上を共重合して合成される共重合体である。パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマーを1価モノマーと併用して共重合すると、架橋型ポリマーとなり、フッ素を含有する2価以上のモノマーに溶解し難くなるので好ましくない。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する共重合体には、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマー群の1種類以上と、1価の他のフッ素含有モノマー群の1種類以上との共重合体も含まれる。この場合、1価の他のフッ素含有モノマーとしては、前記した第1の方法における1価の他のフッ素含有モノマーが使用できる。炭素数が9以上になると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法での離型性と微細形状賦形性の低下傾向が大きくなるので好ましくない。
第2の方法における1価の他のフッ素含有モノマーの共重合体中における重量比は、パーフルオロアルキル基の炭素数にもよるが、重量比で50重量%以下である。重量比が50重量%を超えると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法での離型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましくない。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体と共重合体は、公知の方法、例えば、溶媒中での熱重合法あるいは光重合法により合成することができる。重合体と共重合体の分子量は、5,000〜50,000の範囲が好ましく、10,000〜40,000の範囲がより好ましい。分子量が5,000未満では、樹脂硬化物のスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が十分とはいえず、また50,000を超えると、フッ素を含有する2価以上のモノマーへの溶解性や相溶性に問題を生じるので好ましくない。第2の方法による樹脂硬化物中におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体または共重合体、あるいは両者の重量比は、40〜60重量%の範囲が好ましい。重量比がこの範囲以外では、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性や微細形状賦形性が十分とはいえなくなるので好ましくない。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体または共重合体の溶解に使用する2価以上のフッ素を含有するモノマーとしては、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマーの使用が最も好ましいが、第1の方法において他のフッ素含有モノマーとして使用可能な2価以上のモノマー、すなわち、炭素数3〜8のパーフルオロアルキレン基を含有する2価以上のモノマー群の1種類以上を使用することもできる。パーフルオロアルキレン基の炭素数が9以上になると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性などに問題も生じてくるので好ましくない。また、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマー群の1種類以上と、第1の方法における他のフッ素含有モノマーとして使用可能な2価以上のモノマー群の1種類以上とを併用することもできる。この場合、これらのモノマーの配合比は任意である。さらには、本発明の目的を達成できる範囲内であれば、上記のようなフッ素を含有する2価以上のモノマーと、前記したパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価のモノマーを併用してもよい。
本発明の樹脂硬化物にパーフルオロシクロヘキサン環を含有させる第3の方法は、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体または共重合体あるいは両者を、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマー群から選択される1種類以上のモノマーに溶解した樹脂組成物を硬化して、樹脂硬化物を得る方法である。
第3の方法において、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体は、1価の他のフッ素含有モノマーの1種類を重合して合成される単独重合体である。1価の他のフッ素含有モノマーとしては、第2の方法における1価の他のフッ素含有モノマーと同じモノマーが使用できる。炭素数が9以上になると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましくない。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有共重合体は、1価の他のフッ素含有モノマー群の2種類以上を共重合して合成される共重合体である。
パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体と共重合体は、公知の方法、例えば、溶媒中での熱重合法あるいは光重合法により合成することができる。重合体と共重合体の分子量は、5000〜50000の範囲が好ましく、10000〜40000の範囲がより好ましい。分子量が5000未満では、樹脂硬化物のスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が十分とはいえず、また、50000を超えると、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマーへの溶解性や相溶性に問題を生じるので好ましくない。第3の方法による樹脂硬化物中におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体または共重合体あるいは両者の重量比は60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。重量比が60重量%を超えると、樹脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が十分とはいえなくなるので好ましくない。
本発明の目的を達成できる範囲内であれば、パーフルオロシクロヘキサン環を含有する2価以上のモノマーとともに、前記した第1の方法におけるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する1価モノマーおよび/または、前記した第1の方法における他のフッ素含有モノマーを併用してもよい。
第1〜第3の方法で使用される架橋型樹脂組成物には、硬化に必要な成分として、重合開始剤が添加される。光硬化法(以下、UV硬化法と表記する。)を採用する場合には、光重合開始剤が添加され、熱硬化法を採用する場合には熱重合開始剤が添加される。両硬化法を併用する場合には両方の重合開始剤が添加される。
光重合開始剤としては、一般のUV硬化型樹脂に使用されている光重合開始剤が使用できる。すなわち、α−開裂型、水素引き抜き型、電子移動型などの光重合開始剤である。具体的な化合物としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサイド類、アシルホスフィン酸エステル類などが例示できる。ヒドロキシル基を含有する光重合開始剤や水素引き抜きによってヒドロキシル基を生成する光重合開始剤は、樹脂硬化物を光導波路のような光部品類の作製に用いる場合は、光損失を増大させるので、使用することは好ましくない。また、使用される光重合開始剤は、本発明の架橋型樹脂組成物への溶解性からも選択する必要がある。光重合開始剤の添加量は、組成物全量に対して1〜5重量%とするのが一般的である。
熱重合開始剤としては、一般の熱硬化型樹脂に使用されている熱重合開始剤が使用できる。すなわち、アルキルまたはアリルハイドロパーオキサイド型、ジアルキルまたはジアリルパーオキサイド型、パーオキシエステル型、ジアシルパーオキサイド型、ケトンパーオキサイド型などの有機過酸化物やアゾ化合物のような熱重合開始剤である。しかし、安定性、取扱い性などから、中温ないしは高温分解型有機過酸化物を使用するのがよい。具体的な化合物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチル−i−ブチルケトンパーオキサイドなどが例示できる。ヒドロキシ・ラジカルを生成するハイドロパーオキシ基を含有する有機過酸化物は、樹脂硬化物を光導波路のような光部品類の作製に用いる場合は、光損失を増大させるので、使用することは好ましくない。使用される熱重合開始剤は、本発明の架橋型樹脂組成物への溶解性からも選択する必要がある。熱重合開始剤の添加量は組成物全量に対して1〜5重量%とするのが一般的である。
本発明に使用される架橋型樹脂組成物には、特別な目的のために、例えば、粘度調整、相溶性や基板密着性向上などの目的のために、必要に応じて、フッ素を含有しない他のモノマー、例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系などのモノマーやシラン系、チタン系などのカップリング剤などを添加してもよいが、添加量は、本発明の目的を達成できる範囲内、例えば、組成物全量の数重量%以下にする必要がある。また、これらのモノマーやカップリング剤には、光損失を非常に増大させる水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などは含有してはならない。
本発明において使用される架橋型樹脂組成物を、UV硬化法または/および熱硬化法によって硬化して得られる樹脂硬化物は、プラスチック光学部品として光学物性、力学物性、耐湿性、耐光性、耐久性などの要求特性を有しているばかりではなく、光ファイバー通信機器に使用される光部品類に要求される低光損失、屈折率制御性、はんだ耐熱性などの厳しい物性要求特性も有している。また、微細な精密加工性や加工容易性が要求される光部品類の作製において、例えば、光導波路の作製において、非常に良好なスタンパー離型性と微細形状賦形性などの加工要求特性をも併有している。
以下に、本発明の樹脂硬化物の最適の用途である光ファイバー通信機器用光部品類の中の光導波路の作製方法について説明するが、本発明の樹脂硬化物は最も有望視されているスタンパー法に最も有用である。本発明によって、スタンパー法におけるスタンパーの離型性と微細形状賦形性という加工要求特性の問題を解決することができたためである。スタンパー法による光導波路の作製には、硬化法としては、UV硬化法と熱硬化法のどちらも採用できるが、硬化速度や作業性などの有利性から、UV硬化法を採用することが好ましい。
UV硬化法による光導波路の作製では、まず、基板上に塗布された架橋型樹脂組成物薄膜にスタンパーを押し当てた状態で、UV照射して、樹脂硬化物となった下部クラッド部を形成する。続いて、スタンパーを離型すれば、下部クラッド部表面に、スタンパー形状に相当するコア凹部が賦形されている。このコア凹部に、下部クラッド部を形成する樹脂硬化物よりも、樹脂硬化物での屈折率がわずかに大きくなるように調製された架橋型組成物を注入したのち、UV硬化して、樹脂硬化物となったコア部を形成する。次に、下部クラッド部とコア部の表面に、下部クラッド部と同じ架橋型樹脂組成物を塗布したのち、UV硬化して、樹脂硬化物となった上部クラッド部を形成する。
スタンパーを用いるUV硬化法による光導波路の作製では、作製工程数が少なく、ホトマスクは用いず、しかも、未硬化の架橋型樹脂組成物を除去するための工程が不要である。コア部とクラッド部の樹脂硬化物間のわずかな屈折率差は、樹脂硬化物を構成するモノマーの配合比を少し変えるだけで、容易に調整できるので、狭い幅の屈折率制御が容易である。また、コア部とクラッド部の樹脂硬化物は、わずかに配合比が異なるだけの共通した成分とすることができるので、界面の密着性は良好である。一方、下部クラッド部と上部クラッド部の界面の密着性も良好であることはいうまでもない。
上記したスタンパーを用いるUV硬化法による光導波路の作製工程のうちでは、基板上に塗布した架橋型樹脂組成物薄膜に、スタンパーを押し当てた状態で、UV硬化して、コア部の賦形と下部クラッド部の形成とを同時に行う工程が最も重要であることは明白である。いいかえると、樹脂硬化物となって形成された下部クラッド部の表面に押し当てられた状態にある微細な形状のスタンパーの離型性と離型後の賦形された微細形状賦形性が最も重要な加工要求特性であるということができる。
低い光損失を示すパーフルオロ脂肪族系モノマーの樹脂硬化物では、UV硬化後のスタンパーの離型性は一般的には良好であるが、離型後、賦形された凹部の微細な形状に変化が生じ、スタンパーの微細形状が設計どおりに賦形できないという欠点がある。本発明のパーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物では、スタンパーの離型性は良好であるばかりではなく、下部クラッド表面に賦形された凹部の微細な形状に変化は生じないので、スタンパーの微細形状が設計どおりに賦形できる。この良好な微細形状賦形性について、さらに、その原因を究明したところ、樹脂硬化物の力学物性の一物性であるヤング率が関係していることを見出した。すなわち、本発明であるパーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物は、パーフルオロ脂肪族系モノマーの樹脂硬化物に比べると、ヤング率が非常に大きいという予期せぬ結果を見出した。樹脂硬化物の微細形状賦形性をヤング率で判定すると、2,500MPa以上であることが好ましく、より好ましくは3,000MPa以上である。
スタンパーを用いるUV硬化法による光導波路の作製に使用する架橋型樹脂組成物中のモノマーの重合基としては、UV硬化性、密着性、モノマー相溶性などが良好なことから、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。UV硬化法においては、UV光源が必要であり、高圧水銀灯やメタルハライド灯などが一般的に用いられる。本発明の樹脂硬化物の形成に必要なUV照射量は、モノマーや光重合開始剤の種類、塗布膜厚などから決められるので、任意であるが、通常1,000〜5,000mJ/cm2の範囲である。
本発明の樹脂硬化物は熱硬化法によっても得ることができる。熱硬化法の場合は、UV硬化法と異なり、架橋型樹脂組成物を加熱する必要がある。例えば、スタンパー法により光導波路を作製する場合では、スタンパーを押し当てた状態で、UV照射の代わりに、加熱すればよい。加熱の温度と時間は任意であるが、60℃、60分間ないし150℃、10分間の範囲が一般的である。熱硬化により得られた樹脂硬化物のスタンパーの離型性や微細形状賦形性は、UV硬化により得られた樹脂硬化物の場合と変わりなく、良好である。
本発明の樹脂硬化物は、UV硬化法と熱硬化法を組み合わせた硬化法によっても得ることができる。この場合は、架橋型樹脂組成物を適当な程度にまでUV硬化させたのち、熱硬化により完全硬化させる硬化法が一般的である。得られた樹脂硬化物のスタンパーの離型性や微細形状賦形性は、単独硬化法による樹脂硬化物の作製の場合と同じように良好である。
本発明の樹脂硬化物は、優れた物性要求特性(低光損失、屈折率制御性、はんだ耐熱性など)および加工要求特性(スタンパー離型性、微細形状賦形性など)を活かして、光ファイバー通信機器に使用される光部品類、例えば、レンズおよびプリズムなどの微小光学部品、ファイバー型光部品、ならびに光分岐/結合導波路、光分波/合波導波路、光方向性結合導波路、光スイッチ、光アイソレーター、光減衰/増幅部品、光インターコネクションおよび光導波回路などの光導波路型部品類に最適である。
本発明の樹脂硬化物は、優れた透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性などを活かして、各種の光学機器に装備される多様なプラスチック・レンズ類、にも使用できる。本発明の樹脂硬化物は、非常に良好なスタンパー離型性や微細形状賦形性を活かして、微細形状を有するマイクロ・レンズ・アレイや光反射シートなどにも使用できる。さらに、本発明の樹脂硬化物は低屈折率や耐熱性などを活かして、光ファイバーのクラッド材としての使用も可能である。
以下の実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例または比較例に記載の各種の試験は、次記する方法にしたがった。
スタンパーの離型性と微細形状賦形性
ガラス基板(50mm×50mm、厚さ0.5mm)上に、架橋型樹脂組成物を塗布したのち、10mm×5μm×高さ5μmの凸部が5mm間隔で5個配列した金型(スタンパー)を塗布膜厚が約25μmとなるように押し当てた。この状態で、ガラス基板側から、高圧水銀灯を3,000mJ/cm2照射して、UV硬化した樹脂硬化物薄膜を得た。次に、スタンパーを離型し、スタンパーの離れ易さの良否から、離型性の程度を判定した。作製された試験片の樹脂硬化物薄膜表面に賦形された凹部の微細形状は、FE-SEM型電子顕微鏡写真により、微細形状の賦形状態の良否を判定した。
ヤング率
JIS K7162に規定されている5B型試験片作製用注型型に架橋型樹脂組成物を流し込んだのち、石英ガラス板で覆い、高圧水銀灯を3,000mJ/cm2照射して、UV硬化したダンベル型引張特性試験片を作製した。JIS K7161の試験方法にしたがい、引張試験機((株)島津製作所:島津オートグラフ、型式AGS-20kNG)を用いて、試験速度1mm/分の条件で、ヤング率を測定した。
はんだ耐熱性
スタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験において作製された樹脂硬化膜表面に凹部が賦形された試験片を、循環式加熱炉中に、250℃で20秒間静置したのち取り出し、FE-SEM型電子顕微鏡写真により、微細形状の変形の有無や程度を判定した。
実施例1
1,2−ビス(アクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(共栄社化学(株)製品)6.0g、メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(アズマックス(株)製品)4.0gおよび光重合開始剤であるイルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製品)0.3gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(I)を調製した。
上記したスタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験方法にしたがって、架橋型樹脂組成物(I)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を、上記した試験方法にしたがって試験した結果も良好であり、微細形状に変化はみられなかった。上記した試験方法にしたがって、架橋型樹脂組成物(I)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は3,600MPaであり、非常に大きな値を示した。
実施例2
1,2−ビス(アクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(前出)7.5g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(アズマックス(株)製品)2.5gおよびイルガキュア907(前出)0.3gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(II)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(II)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(II)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は3,200MPaであり、非常に大きな値を示した。
実施例3
メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)5.0g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)5.0gおよびイルガキュア907(前出)0.3gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(III)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(III)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は殆どなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(III)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は2,600MPaであり、大きな値を示した。
比較例1
1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)5.0g、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(東京化成工業(株)製品)5.0gおよびイルガキュア907(前出)0.3gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(1)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(1)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、離型性は普通であったが、スタンパー形状は、精密に賦形されず、崩れた形状となった。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状はさらに崩れてしまった。架橋型樹脂組成物(1)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は600MPaであり、非常に小さい値を示した。
実施例4
メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)から、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン(アズマックス(株)製品)を溶媒として、α、α’−アゾビス(イソブチロニトリル)(ナカライテスク(株)製品)を重合触媒とした公知の溶液熱重合法にしたがって重合体を合成した。この重合体溶液をメタノールに混合して、重合体を沈殿させたのち、洗浄、乾燥して、白色の粉末状重合体(A)を得た。重合体(A)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC法)により測定した数平均分子量は14,000であった。
重合体(A)4.0g、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(共栄社化学(株)製品)6.0gおよび光重合開始剤であるルシリンTPO-L(BASFジャパン(株)製品)0.4gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(IV)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(IV)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(IV)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は3,400MPaであり、非常に大きな値を示した。
実施例5
実施例4において合成した重合体(A)3.5g、メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)2.0g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)4.5gおよびルシリンTPO-L(前出)0.4gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(V)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(V)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(V)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は3,000MPaであり、大きな値を示した。
実施例6
メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)およびパーフルオロ−n−プロピルメチルメタクリレート(アズマックス(株)製品)から、実施例4と同様にして、共重合体を合成したのち、洗浄、乾燥して、白色の粉末状共重合体(B)を得た。共重合体(B)の赤外吸収スペクトルから分析した共重合比は、約75:25(重量%)であった。また、共重合体(B)のGPC法により測定した数平均分子量は17,000であった。
共重合体(B)4.5g、メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)1.5g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)4.0gおよびルシリンTPO-L(前出)0.4gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(VI)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(VI)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は殆どなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(VI)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は2,800MPaであり、大きな値を示した。
実施例7
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートの重合体(共栄社化学(株)製品:数平均分子量12,000)(C)3.0g、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(前出)6.0g、メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)1.0gおよびルシリンTPO-L(前出)0.4gを混合、溶解して架橋型樹脂組成物(VII)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(VII)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(VII)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は2,900MPaであり、大きな値を示した。
比較例2
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートの重合体(C)(前出)3.0g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)6.0gおよびルシリンTPO-L(前出)0.4gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(2)を調製した。
この架橋型樹脂組成物(2)の樹脂硬化物について、離型性と微細形状保持性を試験した結果、離型性は少し不良であり、スタンパー形状は精密に賦形されず、崩れた形状となった。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状はさらに崩れてしまった。架橋型樹脂組成物(2)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は900MPaであり、非常に小さい値を示した。
実施例8
1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(前出)7.0g、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)パーフルオロブタン(前出)3.0gおよびジ−t−ブチルパーオキサイド(ナカライテスク(株)製品)0.3gを混合、溶解して、架橋型樹脂組成物(VIII)を調製した。
前記したスタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験方法と同様にして、架橋型樹脂組成物(VIII)の塗布薄膜にスタンパーを押し当てた状態で、循環式加熱炉中、110℃、10分間加熱して、樹脂硬化物薄膜を得た。この樹脂硬化物薄膜からのスタンパーの離型性は非常に良好であり、樹脂硬化物薄膜には、スタンパー形状が精密に賦形されていた。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなく、良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型樹脂組成物(VIII)から、前記した5B型試験片作製用注型型を用いて、加熱(110℃で30分間、続いて、150℃で5分間)により、ダンベル型試験片を作製した。測定したヤング率は3,100MPaであり、非常に大きな値を示した。
実施例9
50μm厚さのスペーサーによって縁どりされたガラス基板上に、実施例1において調製された架橋型樹脂組成物(I)を滴下し、25μm厚さになるようにスタンパー(凸部寸法:10mm×5μm×5μm)を押し当てた。この状態で、ガラス基板側から、高圧水銀灯を3,000mJ/cm2照射して、架橋型樹脂組成物(I)をUV硬化させて、下部クラッド部を形成した。スタンパーを離型したのち、下部クラッド部表面に形成された凹部に、1,2−ビス(アクリロイルオキシメチル)パーフルオロシクロヘキサン(前出)5.5g、メタクリロイルオキシメチルパーフルオロシクロヘキサン(前出)4.5gおよびイルガキュア907(前出)0.3gを混合、溶解して調製された架橋型樹脂組成物(IX)を滴下して満たした。続いて、高圧水銀灯を3,000mJ/cm2照射して、凹部内の架橋型樹脂組成物(IX)をUV硬化させて、コア部を形成した。次に、コア部が形成された下部クラッド部表面に、架橋型樹脂組成物(I)をスペーサーの厚さまで滴下したのち、ガラス板で覆い、高圧水銀灯を3,000mJ/cm2照射してUV硬化させて、上部クラッド部を形成した。
作製された光導波路試験片を取り出し、コア部が露出するように両端をダイシング装置で切断し、光導波路を得た。光損失測定装置(Agilent Technology社製品)を用いて、得られた光導波路の光損失値を測定した結果は、1.31μmの波長帯において0.15dB/cmであり、非常に低い光損失値を示した。この光導波路のはんだ耐熱性試験後の光損失値を測定した結果も0.15dB/cmであり、光損失値に変化は見られず、光導波路として、良好なはんだ耐熱性を有していた。

Claims (16)

  1. ラジカル重合法によって作製されたパーフルオロシクロヘキサン環を含有する樹脂硬化物よりなる光学部品。
  2. パーフルオロシクロヘキサン環として、1置換、2置換、および3置換構造のパーフルオロシクロヘキサン環の1種類以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  3. パーフルオロシクロヘキサン環および1個以上のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上より作製されたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  4. パーフルオロシクロヘキサン環および2個以上のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有モノマー群の1種類以上とより作製されたか、またはパーフルオロシクロヘキサン環および1個のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有せず、2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上とより作製されたことを特徴とする請求項3に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  5. パーフルオロシクロヘキサン環を含有する1種類以上の重合体または共重合体あるいは両者を、2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上のモノマーに溶解した組成物より作製されたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  6. 2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上のモノマーが、パーフルオロシクロヘキサン環を含有することを特徴とする請求項5に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  7. 共重合体が、パーフルオロシクロヘキサン環および1個のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有せず、1個のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上との共重合体であることを特徴とする請求項5または6に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  8. 共重合体が、パーフルオロシクロヘキサン環および1個のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有せず、1個のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上との共重合体であり、2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上のモノマーが、パーフルオロシクロヘキサン環および2個以上のラジカル重合基を含有するモノマー群、または/およびパーフルオロシクロヘキサン環を含有せず、2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の1種類以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  9. パーフルオロシクロヘキサン環を含有しない1種類以上のフッ素含有重合体または共重合体あるいは両者を、パーフルオロシクロヘキサン環および2個以上のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上のモノマーに溶解した組成物より作製されたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  10. パーフルオロシクロヘキサン環および2個以上のラジカル重合基を含有するモノマー群の1種類以上と、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有モノマー群の1種類以上とを併用することを特徴とする請求項9に記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  11. ラジカル重合基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  12. パーフルオロシクロヘキサン環と1個以上のラジカル重合基を含有するモノマーが、パーフルオロシクロヘキサン環とラジカル重合基との間に一般式;−(CH−(n=0、1または2)で表されるアルキレン基を含有することを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  13. ラジカル重合法が光または/および熱硬化法によることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  14. 樹脂硬化物のヤング率が2500MPa以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  15. 樹脂硬化物よりなる光学部品が光導波路型部品であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂硬化物よりなる光学部品。
  16. 光導波路型部品がスタンパー法によって作製されたことを特徴とする請求項15に記載の光導波路型部品。

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