WO2006009173A1 - ポリマー光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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WO2006009173A1
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fluorinated
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Naru Yasuda
Hayami Hosokawa
Toshiyuki Takahashi
Yoshitaka Tatara
Kiyofumi Takano
Hirofumi Yamaguchi
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Omron Corporation
Dainippon Ink And Chemicals, Incorporated
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/10Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
    • G02B6/12Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
    • G02B6/13Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method
    • G02B6/138Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method by using polymerisation

Definitions

  • Patent Document 1 a method of using a polymer of a specific bifunctional fluorinated acrylic oligomer for at least one of a core layer or a clad layer for the purpose of improving transparency and pattern forming ability has been proposed (see, for example, Patent Document 1).
  • the fluorinated acrylic oligomer in Patent Document 1 is a monomer generally referred to as a fluorinated di (meth) acrylate, and a compound having a different structure of the fluorinated moiety may be used in combination, or the compounding amount of the compound.
  • the polymer optical waveguide meeting the purpose is manufactured by changing the.
  • the manufacturing method of the polymer optical waveguide which consists of these is provided.
  • FIG. 6 (a) is a schematic cross-sectional view of a polymer optical waveguide according to still another embodiment of the present invention
  • FIG. 6 (b) is a schematic view showing its manufacturing process.
  • the core material and the clad material mentioned here are compositions in which various properties such as the refractive index of the cured product obtained by curing the curable composition are adjusted to be optimal as the core layer or the clad layer. Therefore, in order to prevent the composition of the core material and the cladding material from changing as much as possible, the refractive index of the core material and the cladding material should be adjusted using the same base material. It is effective to realize a small difference in refractive index by introducing a small amount of compounds having different refractive indexes.
  • fluorine compounds are derived from fluorine atoms and have a low refractive index.
  • fluorine-based mold release agent (E) include the following compounds.
  • the conversion rate (content of fluorinated acrylic copolymer (A)) obtained by sampling this reaction product and precipitating it in 10 times the amount of methanol was 7.3%.
  • This polymerization reaction product fluorinated acrylic copolymer (A) and unreacted monomers fluorine-containing (meth) atalylate (al-1), non-fluorine mono (meth) atalylate (a2-3), ( Fluorinated acrylic syrup 1 is a mixture of a2-5) and (a2-4).
  • the number average molecular weight in terms of polystyrene in a THF (tetrahydrofuran) solution of the obtained polymerization reaction product by GPC (gel permeation chromatography) was 970,000.

Abstract

 含フッ素(メタ)アクリレート(a1)と非フッ素モノ(メタ)アクリレート(a2)とを共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体(A)、含フッ素(メタ)アクリレート(B)、非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)、多官能(メタ)アクリレート(D)を含有し、得られる硬化物のガラス転移温度が60~150°CであるUV硬化性組成物(I)からなるクラッド用材料と、前記フッ素化アクリル共重合体(A)、前記含フッ素(メタ)アクリレート(B)、前記非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)、前記多官能(メタ)アクリレート(D)を含有し、得られる硬化物のガラス転移温度が60~150°Cであり、且つ得られる硬化物の屈折率が前記クラッド用材料を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大きいUV硬化性組成物(II)からなるコア用材料を用いてスタンパ法によりUV硬化させ、クラッド層とコア層を得る。

Description

明 細 書
ポリマー光導波路及びその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、特定の UV (紫外線)硬化性組成物を用いたポリマー光導波路、及びそ の製造方法に関する。
背景技術
[0002] 近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファイバ網の整備及び周辺機器'部材の開発 が盛んに行われている。この中で、光導波路及びそれを用いた光学素子は、光通信 をオフィスや各家庭の末端ユーザーに普及させる上での必要不可欠な部材である。 従来、導波路材としては光特性に優れた石英系材料を用いて実用化されていた。し かし、末端ユーザーに普及させるための材料としては高価であり、且つ加工性に劣る ためニーズに合致した多様な光学素子を製造することが困難であった。
[0003] このような状況の中で、石英に比較し安価で加工性に優れた高分子材料を用いた ポリマー光導波路の検討が進められている。特にフッ素系ポリマーはフッ素原子固有 の特性に由来し、可視光から近赤外光領域に亘り吸収および散乱損失が少ないた め低伝搬損失であり、さらには撥水性が高いため吸湿に伴う伝搬損失増大への抑制 効果が高ぐ該用途に好適に用いることが期待される。また、(メタ)アクリル系モノマ 一やオリゴマーは原料の入手容易性、反応性等力も工業材料として好ま U、。
[0004] 例えば、ポリマー光導波路の従来技術として、透明性とパターン形成能の向上を目 的とし、特定の 2官能フッ素化アクリルオリゴマーの重合物をコア層又はクラッド層の 少なくとも一方に使用する方法が提案されている (例えば、特許文献 1参照)。前記特 許文献 1におけるフッ素化アクリルオリゴマーとは、一般には含フッ素ジ (メタ)アタリレ ートと称されるモノマーであり、含フッ素部分の構造が異なる化合物を併用したり、当 該化合物配合量を変化させたりすることにより、目的に合致したポリマー光導波路を 作製している。また、前記特許文献 1には、フッ素化アクリルオリゴマー以外に、反応 性化合物として少なくとも一方の末端に二重結合を有する化合物や、分子内に少な くとも 1つの炭素 炭素二重結合を有する化合物を反応性希釈剤として含んでも良 いという記載がある。ここで、反応性ィ匕合物と称されている多官能オリゴマー型 (メタ) アタリレートとして例示されている化合物は全て非フッ素系化合物であり、反応性希 釈剤としてはフッ素系または非フッ素系(メタ)アタリレートが例示されている。一般に フッ素系化合物と非フッ素系化合物が混合された組成物において、特にある程度の 分子量を有する重合性化合物を含む場合、硬化前及び硬化後における透明性を維 持するための相溶性発現は、非常に困難である。通常、あらゆる組成範囲において 透明性を維持できることは希であり、該組成物中における各成分の種類及び Z又は 量が最適化されなければ実現できな 、。
[0005] 一方、ポリマー光導波路に関しては、目的に応じてコア層及びクラッド層のサイズ、 形態を決定し、また工業上は大量生産可能な方法で製造できなければならない。し かし、従来は、目的とするポリマー光導波路の微細なコアパターンを実現するために 、安価で大量生産という点では不向きなフォトリソグラフィ一法により製造されており、 前記特許文献 1においても、フォトリソグラフィ一法を用いている。安価で大量生産可 能な製造方法としては、例えばスタンパを用いた成形法 (以下、スタンパ法と略記す る)が挙げられるが、前記特許文献 1に記載の組成物をスタンパ法に適用しょうとする と、反応性化合物と称されて 、る多官能オリゴマー型 (メタ)アタリレートの種類及び Z 又は量を最適化し、透明性を維持し目的とする粘度を実現する必要があるが、前記 特許文献 1に記載された範囲の化合物では達成できな力つた。
[0006] 即ち、特許文献 1に記載の組成物にぉ 、て、透明性ひ 、ては低伝搬損失を維持し ようとすると、低い粘度になってしまいスタンパ法が適用できな力つた。逆に、スタンパ 法に適用するために粘度を上げようとして多官能オリゴマー型 (メタ)アタリレートを導 入すると、透明性が低下するという欠点があり、ポリマー光導波路をスタンパ法で安 価に大量生産することはできな力つた。
[0007] 特許文献 1:特開 2002— 182046号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 上記実状に鑑み、本発明の課題は低伝搬損失性に優れたフッ素系 UV硬化性組 成物を材料とするポリマー光導波路を提供すること、及び該ポリマー光導波路を工業 的に大量生産可能な方法であるスタンパ法により製作可能にすることにある。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究したところ、下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH ……(1)
n 2n+ l 2 2 1 2
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 ) で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレートと非フッ素モノ (メタ)アタリレートとを共重合し て得られるフッ素化アクリル共重合体、
下記一般式 (2)
C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
2
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート、非フッ素モノ (メタ)アタリレート、多官能 (メタ )アタリレートを含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が 6 0〜150°Cである UV硬化性組成物カゝらなるクラッド用材料と、前記フッ素化アクリル 共重合体、前記含フッ素 (メタ)アタリレート、前記非フッ素モノ (メタ)アタリレート、前 記多官能 (メタ)アタリレートを含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラス 転移温度が 60〜150°Cであり、且つ得られる硬化物の屈折率が前記クラッド用材料 を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大き 、UV硬化性組成物からなるコア用材料 を用いることにより、工業的に大量生産可能なスタンパを用いた成形法が適用でき、 その結果、低伝搬損失性に優れたポリマー光導波路を見出し、その合理的な製造を 可會 にした。
[0010] 即ち、本発明は、下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH
n 2n+ l 2 2 1 2 ……(1)
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 ) で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)と を共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)、
下記一般式 (2)
C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 ) で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、
非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)、
多官能 (メタ)アタリレート (D)を含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラ ス転移温度が 60〜150°Cである UV硬化性組成物 (I)カゝらなるクラッド用材料と、 前記フッ素化アクリル共重合体 (A)、前記含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、前記非フッ 素モノ (メタ)アタリレート(C)、前記多官能 (メタ)アタリレート(D)を含有し、得られる 硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が 60〜150°Cであり、且つ得られる 硬化物の屈折率が前記クラッド用材料を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大き V、UV硬化性組成物 (Π)力もなるコア用材料
を、スタンパを用いた成形法により製造したことを特徴とするポリマー光導波路を提供 するものである。
また、本発明は、下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH ……(1)
n 2n+ l 2 2 1 2
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)と を共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)、
下記一般式 (2)
C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
2
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、
非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)、
多官能 (メタ)アタリレート (D)を含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラ ス転移温度が 60〜150°Cである UV硬化性組成物 (I)カゝらなるクラッド用材料とを透 光性を有する基板の上に滴下する工程と、
前記クラッド用材料を前記基板とスタンパとの間に挟み込み、 UV照射により硬化さ せてクラッド層を形成すると共にクラッド層の表面にコア溝を形成する工程と、 前記フッ素化アクリル共重合体 (A)、前記含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、前記非フッ 素モノ (メタ)アタリレート(C)、前記多官能 (メタ)アタリレート(D)を含有し、得られる 硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が 60〜150°Cであり、且つ得られる 硬化物の屈折率が前記クラッド用材料を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大き Vヽ UV硬化性組成物 (Π)カゝらなるコア用材料を前記コア溝に充填し、 UV照射により 硬化させてコァ層を形成する工程
とからなるポリマー光導波路の製造方法を提供するものである。
発明の効果
[0012] 本発明によれば、低伝搬損失性、力学的強度、耐久性 (耐環境特性)等に優れ、コ ァ層とクラッド層との密着性も良好である、フッ素系の UV硬化性組成物を材料として 用いたポリマー光導波路を、工業的に安価に大量生産可能な方法であるスタンパを 用いる成形法により提供することができる。また、該ポリマー光導波路の製造方法は、 加工性に優れる材料と微細なコアパターンを確実に実現できる成形法を用いて 、る ことから、目的に応じた種々のポリマー光導波路を容易に作製することが可能である 図面の簡単な説明
[0013] [図 1]図 1 (a)、図 1 (b)、図 1 (c)及び図 1 (d)は本発明の一実施形態によるポリマー 光導波路の製造工程を示す概略図である。
[図 2]図 2 (a)、図 2 (b)、図 2 (c)及び図 2 (d)は図 1 (a)〜図 1 (d)の後の工程を示す 概略図である。
[図 3]図 3 (a)、図 3 (b)及び図 3 (c)は本発明の別な実施形態による光力ブラの製造 工程を示す概略図である。
[図 4]図 4 (a)は同上の光力ブラのコア分岐部分を示す平面図である。図 4 (b)は図 4 ( a)の Y— Y断面図である。
[図 5]図 5 (a)はコア分岐部分における下クラッド層の歪みを示す平面図である。図 5 ( b)はコア分岐部分における下クラッド層の欠けを示す平面図である。
[図 6]図 6 (a)は本発明のさらに別な実施形態によるポリマー光導波路の概略断面図 であり、図 6 (b)はその製造工程を示す概略図である。
符号の説明
[0014] 11 基板 12 クラッド用材料
13 スタンパ
14 下クラッド層
15 コア溝
16 コア用材料
17 平板
18 コア層
19 カバーガラス
20 上クラッド層
21 ポリマー光導波路
22 原盤
23 凹凸形状
24 スタンパ
発明を実施するための最良の形態
[0015] 以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲等にぉ 、て用いられて 、る「〜 (メタ)ァク リレート」という表記は、「〜アタリレート」でもよぐ「〜メタアタリレート」でもよぐまた両 者が含まれて 、てもよ 、と!/、うことを意味する。
[0016] 本発明で得られるポリマー光導波路の特徴は、コア用材料及びクラッド用材料に特 定のフッ素系 UV硬化性組成物を用いることにある。
[0017] ポリマー光導波路を安価に大量に生産する観点からは、短時間で硬化させ得ること が可能で、低コストな UV硬化性組成物を用いることは有効である。 UV硬化性組成 物を用いない代表的な方法として、熱硬化性組成物を用いる方法が挙げられるが、 熱硬化性組成物は硬化に要する時間が長 、ため、熱硬化が主な硬化工程である製 造方法は、コスト、生産性、作業性の観点力 不利益な場合が多い。
[0018] ポリマー光導波路を形成するコア層とクラッド層は、光導波路の目的に合致した厳 密な屈折率差を必要とする。一方、コア層とクラッド層との界面で密着性不良を生じる と、伝搬損失が大きくなるば力りでなぐ力学的強度も低下する。また、たとえ両者の 密着性が良好であっても、線膨張係数や吸湿性等の違いによって長期的に界面不 整が生じ、耐久性が得られないこともある。従って、密着性が高くその他の諸物性も 類似の特性を示すィ匕合物カゝらなる組成物を、コア用材料及びクラッド用材料として用 いることは有効な手段である。(ここで言うコア用材料、クラッド用材料とは、硬化性組 成物を硬化させて得られる硬化物の屈折率等の諸特性をコア層又はクラッド層として 最適であるように調整した該組成物である。)そこで、できる限りコア用材料とクラッド 用材料の組成を変化させないようにするためには、コア用材料及びクラッド用材料に 対して同じ組成のベース材料を用いた上で屈折率の異なる化合物を少量導入して 微小屈折率差を実現することが有効である。一般にフッ素系化合物は、フッ素原子 に由来し低屈折率性を有する。従って、高フッ素含有量 (低屈折率性)組成物に対し て非フッ素系化合物を、逆に低フッ素含有量またはフッ素を含まない (高屈折率性) 組成物に対してフッ素系化合物を少量添加することにより、コア用材料とクラッド用材 料の組成ひいては諸物性を大きく変化させることなぐ目的とする微小な屈折率差を 得ることができる。さらに、同じ組成のベース材料を用いていることから、コア層とクラ ッド層を組み合わせた際の界面での密着性も良好で、ポリマー光導波路としての諸 特性に優れたものとなる。本特性は、本発明で用いる UV硬化性組成物力 フッ素系 化合物と非フッ素系化合物の混合物力 形成されていることにより実現する特徴であ り、各種シングルモードあるいはマルチモード対応の光導波路に対して容易に屈折 率調整が可能となる。
[0019] しかし、通常、フッ素系化合物と非フッ素系化合物を混合した組成物またはその硬 化物は、両者の相溶性の悪さに起因し、該組成物に濁りを生じたり、硬化物において 透過率の低下を引き起こしたりする。
[0020] また、ポリマー光導波路の製造に一般的に用いられているフォトリソグラフィ一法は 、スピンコーティングにより構成材料が塗布されるため、ポリマー成分を含まない低粘 度組成物(一般的には 30mPa' sZ25°C以下、すなわち 25°Cにおける粘度が 30m Pa' s以下)であることが好ましい。しかし、スタンパ法では後述するように該構成材料 を基板若しくは硬化物上に滴下し、その形状を一定時間保持する必要があるため、 ある程度の粘度を有することが好ましい。この為、塗布される該構成材料中にオリゴ マー及び Z又はポリマー成分が含まれることが好ま 、が、オリゴマー及び Z又はポ リマーを含むフッ素系化合物と非フッ素系化合物との混合物では、組成物の透明性 や硬化物の高透光性を実現するための相溶性制御は一層困難であり、従って、後述 する特定の uv硬化性組成物をコア用材料及びクラッド用材料として用いることが必 須である。
[0021] 次に、本発明で用いるコア用材料及びクラッド用材料の材料であるフッ素系の UV 硬化性組成物について説明する。コア用材料及びクラッド用材料は、前述のように、 得られる硬化物の屈折率差が異なる点以外では同一の必須成分を含有する UV硬 化性組成物を用いており、以下の説明では、コア用材料とクラッド用材料の区別をせ ず、必須とする各成分について記載する。
[0022] まず、第 1の必須成分である下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH ……(1)
n 2n+ l 2 2 1 2
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)と を共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)につ 、て述べる。
[0023] フッ素化アクリル共重合体 (A)は、前記一般式(1)で表わされる含フッ素 (メタ)ァク リレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)とを共重合して得られる共重合体 であれば、何ら制限なく用いることができる。前記含フッ素 (メタ)アタリレート (al)は、 共重合体 (A)を低屈折率ィ匕するために必要不可欠な成分であり、また、後述する含 フッ素モノ (メタ)アタリレート(B)と他の成分である非フッ素 (メタ)アタリレート (C)、多 官能 (メタ)アタリレート(D)との相溶性維持、さらにはポリマー光導波路における透明 性等の観点力 重要である。前記含フッ素 (メタ)アタリレート(al)の具体例としては、 以下の如き化合物が挙げられる。
al — 1 CH CHCOOCH CH C F
al - 2 CH
2 8 17
al - 3 CH
2 10 21
al -4 CH
2 10 21
al - 5 CH
2 6 13 al -6 : CH =C (CH ) COOCH CH C F
2 3 2 2 6 13
al - 7 : CH =CHCOOCH CH C F
2 2 2 4 9
al -8 : CH =C (CH ) COOCH CH C F
2 3 2 2 4 9
al - 9 : CH =CHCOOCH CH C F
2 2 2 2 5
[0024] 本発明者等の知見によれば、前記一般式(1)で表される含フッ素 (メタ)アタリレート
(al)中の炭素原子数が増加するに従い、フッ素原子含有量も増加し、得られる硬化 物の低屈折率ィ匕に寄与できるものであるが、 nが 6近傍カも該化合物の結晶性が炭 素原子数と共に増加し、組成物として使用しに《なり、 nが 10を超えるものでは均一 な組成物を得る事が出来ない。従って、得られるポリマー光導波路の低屈折率性、 力学的強度と低伝搬損失を両立させるためには、前記一般式(1)中の nが 4〜8のも のを用いることが好ましぐ nが 6〜8のものが特に好ましい。また、前記一般式(1)で 示される化合物としては、 1種類だけを用いても 2種類以上の化合物を同時に用いて も構わない。
[0025] 前記非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)は、得られる共重合体 (A)の透明性、硬化 性組成物中の他の成分である含フッ素モノ (メタ)アタリレート(B)、非フッ素 (メタ)ァク リレート (C)、多官能 (メタ)アタリレート(D)との相溶性や、得られるポリマー光導波路 の目的とする力学特性や寸法安定性、透明性等を実現する上で必須な成分である。 非フッ素モノ (メタ)アタリレート(a2)としては、分子中にフッ素原子を含まずに、アタリ ロイル基またはメタクリロイル基を 1個含む化合物であれば、種々の化合物を制限なく 用いることができ、例えば、メチル (メタ)アタリレート、 n—プロピル (メタ)アタリレート、 i —プロピル (メタ)アタリレート、 n—ブチル (メタ)アタリレート、 i—ブチル (メタ)アタリレ ート、 t—ブチル (メタ)アタリレート、 2—ェチルへキシル (メタ)アタリレート、ォクチル( メタ)アタリレート、デシル (メタ)アタリレート、イソデシル (メタ)アタリレート、ラウリル (メ タ)アタリレート、ステアリル (メタ)アタリレート、イソステアリル (メタ)アタリレート等の脂 肪族基エステル (メタ)アタリレート、グリセロール (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシ (メタ )アタリレート、 3—クロ口一 2—ヒドロキシ (メタ)アタリレート、グリシジル (メタ)アタリレー ト、ァリル (メタ)アタリレート、ブトキシェチル (メタ)アタリレート、ブトキシエチレングリコ ール (メタ)アタリレート、 N, N—ジェチルアミノエチル (メタ)アタリレート、 N, N—ジメ チルアミノエチル (メタ)アタリレート、 y—メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 2— メトキシェチル (メタ)アタリレート、メトキシジエチレングリコール (メタ)アタリレート、メト キシジプロピレングリコール (メタ)アタリレート、ノユルフェノキシポリエチレングリコー ル (メタ)アタリレート、ノ-ルフエノキシポリプロピレングリコール (メタ)アタリレート、ァ 口ニックス M— 5700 (東亞合成工業株式会社製)、フエノキシェチル (メタ)アタリレ ート、フエノキシジプロピレンダルコール (メタ)アタリレート、フエノキシポリプロピレング ルコール(メタ)アタリレート、 AR— 200、 MR— 260、 AR— 200、 AR— 204、 AR— 208、 MR— 200、 MR— 204、 MR— 208 (以上、大八化学株式会社製)、ピスコ一 ト 2000、ビスコート 2308 (以上、大阪有機化学工業株式会社製)、ポリブタジエン (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコール (メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコー ル (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコール ポリプロピレングリコール (メタ)アタリレ ート、ポリエチレングリコールーポリブチレングリコール (メタ)アタリレート、ポリスチリル ェチル (メタ)アタリレート、ライトエステル HOA— MS、ライトエステル HOMS (以 上、共栄社ィ匕学株式会社製)、ベンジル (メタ)アタリレート、シクロへキシル (メタ)ァク リレート、ジシクロペンタ-ル (メタ)アタリレート、ジシクロペンテ-ル (メタ)アタリレート 、イソボル-ル (メタ)アタリレート、メトキシ化シクロデカトリェン (メタ)アタリレート、フエ -ル (メタ)アタリレート、 FANCRYL FA— 512A、 FANCRYL FA— 512M (以 上、 日立化成工業株式会社製)、さらには、サイラブレーン TM— 0701、サイラブレ ーン FM— 0711、サイラプレーン FM— 0721、サイラプレーン FM— 0725 (以 上、チッソ株式会社製)等のシリコーン含有モノマーが挙げられ、 1種類だけを用いて も良 、し、 2種類以上をどのような組み合わせで用いても構わな 、。
これらの中でも、得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)の透明性、他の成分との相 溶性ひいては得られるポリマー光導波路の低伝搬損失性を向上させるものとして、非 フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)のエステル部置換基が脂肪族環式構造を有する、 a2- l : ベンジル (メタ)アタリレート
a2- 2 : シクロへキシル (メタ)アタリレート
a2- 3 : ジシクロペンタ-ル (メタ)アタリレート
a2-4 : ジシクロペンテ-ル (メタ)アタリレート a2- 5 : イソボル-ル (メタ)アタリレート
a2-6 : メトキシ化シクロデカリン (メタ)アタリレート
a2- 7 : フエ-ル (メタ)アタリレート
a2-8 : FANCRYL FA— 512A (日立化成工業株式会社製) a2- 9 : FANCRYL FA— 512M (日立化成工業株式会社製) a2- 10 : ァダマンチル (メタ)アタリレート
a2- l l : ジメチルァダマンチル (メタ)アタリレート
を用いることが好ましい。さらに、ポリマー光導波路の低伝搬損失、力学的強度、寸 法安定性の観点から、ジシクロペンタ-ル (メタ)アタリレート、ジシクロペンテ-ル (メタ )アタリレート、イソボル-ル (メタ)アタリレートを用いることが特に好まし 、。
[0027] フッ素化アクリル共重合体 (A)の製造方法には何ら制限はなぐ種々の方法、即ち ラジカル重合法、カチオン重合法、ァ-オン重合法等の重合機構に基づき、溶液重 合法、塊状重合法、さらにェマルジヨン重合法等によって、熱、光、電子線、放射線 等を重合開始エネルギーとして製造できるが、工業的には、熱及び Z又は光を開始 エネルギーとするラジカル重合法が好ま U、。
[0028] 重合開始エネルギーとして、熱を利用する場合は、無触媒であっても良ぐまたは 種々の熱重合開始剤を制限なく使用することができる。前記重合開始剤としては、例 えば、過酸化べンゾィル、過酸化ジァシル等の過酸化物、ァゾビスイソブチ口-トリル 、フエ-ルァゾトリフエ-ルメタン等のァゾ化合物、 Mn (acac) 等の金属キレート化合
3
物等が挙げられる。また、紫外線のような光を利用する場合にも種々の光重合開始 剤(例えば、後述の F—1〜F— 11に示すィ匕合物)を用いて行うことができる。また、 必要に応じてアミンィ匕合物、リンィ匕合物等の種々の光増感剤を添加することにより、 重合を迅速ィ匕することも可能である。電子線または放射線よつて重合体を得る場合 には、通常、重合開始剤の添カ卩は必要としない。
[0029] さらに、ラジカル重合を行う場合には、必要に応じて種々の連鎖移動剤を併用する ことにより、分子量を調整することも可能である。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリ ルメルカプタン、 2—メルカプトエタノール、ェチルチオグリコール酸、ォクチルチオグ リコール酸、 Ύ メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の化合物を挙げることができる [0030] 溶液重合を行う場合に用いる溶剤の種類にも特に制限はなぐ例えば、エタノール 、イソプロピルアルコール、 n—ブタノール、 iーブタノール、 tーブタノール等のアルコ ール類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等 のケトン類、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸ェチル、乳酸 ブチル等のエステル類、 2—ォキシプロピオン酸メチル、 2—ォキシプロピオン酸ェチ ル、 2—ォキシプロピオン酸プロピル、 2—ォキシプロピオン酸ブチル、 2—メトキシプ 口ピオン酸メチル、 2—メトキシプロピオン酸ェチル、 2—メトキシプロピオン酸プロピル 、 2—メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミ ド、ジメチルスルホキシド、 N メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセ口ソルブ、セ 口ソルブ、ブチノレセロソノレブ、ブチノレカノレビトーノレ、ェチルセ口ソルブアセテート等の エーテノレ類、プロピレングリコール、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピ レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノェチルエーテ ルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリ コール類及びそのエステル類、 1, 1, 1 トリクロルェタン、クロ口ホルム等のハロゲン 系溶剤、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ ン等の芳香族炭化水素類、さらにパーフルォロオクタン、パーフルォロトリ一 n—プチ ルァミン等のフッ素ィ匕イナ一トリキッド類のいずれも使用でき、単独でも、 2種以上の 混合溶剤として使用しても良い。
[0031] また、共重合体を製造する場合、モノマーの組み合わせにより決定されるブロック、 交互、ランダムのシークェンスの他に、重合機構、開始剤、連鎖移動剤等の選択によ りこれらのシークェンスを自由に制御することが可能であり、如何なるシークェンスを 有する重合体であっても用いることができる。さらに、共重合体は 1種類のみを用いる ことも、 2種類以上を同時に用いることもできる。
[0032] フッ素化アクリル共重合体 (A)は、本発明で用いる UV硬化性組成物の必須成分 の中で唯一の高分子量成分であり、その組成、分子量、導入量等によって該組成物 の粘度、硬化反応時の体積収縮率、硬化物の力学的特性ひいては光導波路の寸法 安定性等が変化する。 [0033] 前記フッ素化アクリル共重合体 (A)の分子量、分子量分布にも特に制限はない。 重合体の分子量は、ポリマー光導波路を製造する際に用いる UV硬化性組成物の加 ェ方法'条件ひいては該組成物の粘度、要求される光導波路の寸法安定性等により 適宜選択されるものである力 数平均分子量で 5,000〜3,000,000、好ましくは 10, 000〜2,000,000である。さらに、粘度ひいては光導波路を製造する際の作業性、 光導波路の寸法安定性発現等の観点から、分子量の異なる 2種類以上の重合体を 該組成物中に導入することも可能である。フッ素化アクリル共重合体 (A)の分子量は 、後述するスタンパ法に適した粘度に影響するため、その導入量と共に、形状、サイ ズ等の光導波路の設計要因、スタンパの形状、製造条件等の設備要因等を考慮し て選択される。
[0034] 本発明者等の知見によれば、フッ素化アクリル共重合体 (A)の共重合組成、分子 量等を制御することによりスタンパからの離型性を向上させ得ることも可能である。こ のような場合、組成物の粘度及び硬化反応時の体積収縮率の制御、硬化物の力学 的特性ひ!、ては光導波路の寸法安定性等のフッ素化アクリル共重合体 (A)の該組 成物中での本質的な役割を維持した上で、離型性を発現させることも可能であるが、 目的とする光導波路の寸法、パターン、使用するスタンパ等の条件によっては、離型 性向上を目的としたフッ素化アクリル共重合体 (A)を別途導入することが好ま 、。こ のような離型効果を得るためには、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)として、ポリエ チレングリコール (メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコール (メタ)アタリレート、ポリ エチレングリコール ポリプロピレングリコール(メタ)アタリレート、ポリエチレングリコ 一ルーポリブチレングリコール (メタ)アタリレート等のポリオキシアルキレン基含有 (メ タ)アタリレート、 (メタ)アクリル酸、グリセロール (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシル (メ タ)アタリレート、 3 クロ口一 2 ヒドロキシル (メタ)アタリレート、グリシジル (メタ)アタリ レート等の水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の極性基含有モノマ 一、サイラプレーン FM— 0711、サイラプレーン FM— 0721、サイラプレーン F M— 0725 (以上、チッソ株式会社製)等のシリコーン含有モノマーを用いることが好 ましい。さらに、離型効果を効率的に発現するためには、フッ素化アクリル共重合体 の分子量としては、数平均分子量で 1,000〜50,000の範囲であることが好ましぐ 2, 000〜 10,000の範囲であることが特に好ましい。このように、離型効果を効率的に発 現させる好ま ヽ分子量の範囲は、組成物の粘度及び硬化反応時の体積収縮率の 制御、硬化物の力学的特性ひ!、ては光導波路の寸法安定性等を実現する上での好 ましい分子量の範囲と異なる。この点からも、離型効果が重要視される場合、フッ素 化アクリル共重合体 (A)は 2種類以上を使用することが好ましい。但し、本発明で用 Vヽる UV硬化性組成物に適用する離型剤としては、フッ素化アクリル共重合体 (A)の 他にも、後述する離型剤 (E)を用いることも可能であり、これらの選択は、該組成物の 相溶性、光導波路の寸法'パターンに応じた金型の設計、離型性のレベル等によつ て行われる。
[0035] 本発明で用いるフッ素化アクリル共重合体 (A)の UV硬化性組成物中における導 入量としては、光導波路を製造する際に要求される最適な粘度、加工方法、他の成 分との相溶性等により変化するが、該組成物中のフッ素化アクリル共重合体 (A)、後 述する含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)および多官 能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に通常 0.01〜80重量部含まれ、好ま しくは 0.05〜50重量部、さらに好ましくは 0.1〜20重量部である。
[0036] 次に、下記一般式(2)
C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
2
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (B)につ 、て述べる。含フッ素 (メタ)アタリレ 一 HB)の例示化合物には、上記したフッ素化アクリル共重合体 (A)に用いる含フッ 素 (メタ)アタリレート(al)と同様の化合物が挙げられるが、これら具体例によって、本 発明が何等限定されるものでないことは勿論である。
[0037] 含フッ素 (メタ)アタリレート(B)は、コア用材料及びクラッド用材料の目的とする屈折 率の調整、フッ素化アクリル共重合体 (A)との相溶性向上、該組成物の粘度調整等 の役割を果す。 目的とする光導波路の屈折率、コア層とクラッド層の屈折率差、光導 波路製造条件方法に依存する該組成物の粘度等により、適宜前記一般式 (2)の範 囲内から最適な化合物が選択される。前述のフッ素化アクリル共重合体 (A)に用い る含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と含フッ素 (メタ)アタリレート(B)とは、何れも前記一 般式(1)及び(2)で表わされる化合物と!/、う点にぉ ヽて同類の化合物である。これは 、前記フッ素化アクリル共重合体 (A)との相溶性向上ひいては光導波路の低伝搬損 失化において有利に働く。ここで、含フッ素 (メタ)アタリレート(B)は前記一般式(2) で表わされる化合物であれば、必ずしも含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と同一の化合 物である必要はなぐ 目的とする光導波路の屈折率、コア層とクラッド層の屈折率差、 光導波路製造方法に依存する該組成物の粘度等により選択される。
[0038] 含フッ素 (メタ)アタリレート(B)の導入量としては、 目的とする光導波路の屈折率、 該組成物の粘度、光導波路の耐久性レベルにより異なるが、該組成物中のフッ素化 アクリル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート(B)、後述する非フッ素モノ (メタ) アタリレート(C)および多官能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に 5〜80重 量部含まれる事が好ましぐ 10〜60重量部含まれる事が特に好ましい。
[0039] 次に、非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)につ 、て述べる。非フッ素モノ (メタ)アタリ レート(C)の例示化合物としては、上記したフッ素化アクリル共重合体 (A)に用いる 非フッ素モノ (メタ)アタリレート(a2)と同様の化合物が挙げられ、 1種類でも、 2種類 以上の混合物として使用しても良 、。
[0040] 非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)は、フッ素化アクリル共重合体 (A)との相溶性向 上、該組成物の粘度調整、光導波路の低伝搬損失化、寸法安定性等のパターン形 成能、力学的強度、耐久性向上等の役割を果す。フッ素化アクリル共重合体 (A)と の相溶性向上の観点からは、フッ素化アクリル共重合体 (A)中に用いる非フッ素モノ (メタ)アタリレート(a2)と同類さらには同一の化合物を用いることが好ましい。また、 硬化物の透明性向上ひいては光導波路の低伝搬損失化及び寸法安定性等のバタ ーン形成能、力学的強度、耐久性向上の観点力 は、脂肪族環式構造を有する (メ タ)アタリレートが好ましぐこれらの例示化合物として上記した (a2— 1)〜(a2— 11) が挙げられ、その中でも、ジシクロペンタ-ル (メタ)アタリレート、ジシクロペンテ-ル( メタ)アタリレート及びイソボル-ル (メタ)アタリレートが特に好まし!/、。
[0041] 非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)の導入量としては、 目的とする該組成物の粘度、 他の成分との相溶性により異なる力 組成物の相溶性を向上させることによって光導 波路の伝搬損失を低減でき、かつ非フッ素セグメント含有量が適切であり、近赤外域 の吸収が起こりにくぐ該組成物の屈折率調整が容易で、光導波路の寸法安定性や 環境変化に対する耐久性に優れる点から、該組成物のフッ素化アクリル共重合体 (A )、含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)および後述する 多官能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に、 10〜70重量部含有する事が 好ましぐ 15〜55重量部含有する事が特に好ましい。
次に、多官能 (メタ)アタリレート(D)について述べる。多官能 (メタ)アタリレート(D) としては、分子中に 2個以上のアタリロイル基またはメタクリロイル基を含む化合物で あれば制限なく用いることが可能である。この様な化合物の具体例としては、
D エチレングリコールジ(メタ)アタリレート
D 2 ジエチレングリコールジ (メタ)アタリレート
D 3 トリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート
D 4 ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート
(数平均分子量: 150〜1000)
D- 5 : リコールジ (メタ)アタリレート
D- 6 : リコールジ (メタ)アタリレート
D- 7 : トリプロピレングリコールジ (メタ)アタリレート
D- 8 : ポリプロピレングリコールジ(メタ)アタリレート
(数平均分子量: 150〜1000)
D- 9 ネオペンチルグリコールジ (メタ)アタリレート
D- 10 1, 3 ブタンジオールジ (メタ)アタリレート
D- 11 1, 4 ブタンジオールジ (メタ)アタリレート
D- 12 1, 6 へキサンジオールジ (メタ)アタリレート
D- 13 ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ (メタ)アタリ レート
D- 14 CH =C (R') COOCH C (CH ) CH OCOCH C (CH ) CH O
COC (R') =CH
(R'は H又は CH )
D— 15 ビスフエノー ート D— 16
D— 17 : ペンタエリスルトールトリ(メタ)アタリレート
D— 18 : ジペンタエリスルトールへキサ(メタ)アタリレート
D— 19 : ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アタリレート
D— 20
D— 21 : ジペンタエリスルトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アタリレート D-22 : CH =CHCOO(CH ) (CF ) (CH ) OCOCH = CH
2 2 2 2 2 2 2 2
D— 23 : CH =C(CH )COO(CH ) (CF ) (CH ) OCOC(CH )=CH
2 3 2 2 2 2 2 2 3
2
D— 24 : CH =CHCOO(CH ) (CF ) (CH ) OCOCH = CH
2 2 2 2 4 2 2 2
D-25 : CH =C(CH )COO(CH ) (CF ) (CH ) OCOCH = CH
2 3 2 2 2 8 2 2 2 D— 26 : CH =CHCOO(CH ) (CF(CF )CF ) (CH ) OCOC(CH )
2 2 2 3 2 4 2 2 3 =CH
2
D-27 : CH =CHCOO(CH ) (CF(CF )CF ) (CF ) (CH ) OCOC(
2 2 2 3 2 a 2 b 2 2
CH )=CH
3
(a、 bは 1〜6の整数)
[0043] 上記以外の具体例として、ネオマー NA— 305、ネオマー BA— 601、ネオマー
TA— 505、ネオマー TA— 401、ネオマー PHA—405X、ネオマー TA705X 、ネオマー EA400X、ネオマー EE401X、ネオマー EP405X、ネオマー HB6 01X、ネオマー HB605X(以上、三洋化成工業株式会社製)、 KAYARAD HY -220, KAYARAD HX— 620、 KAYARAD D— 310、 KAYARAD D— 32 0、 KAYARAD D— 330、 KAYARAD DPHA、 KAYARAD DPCA— 20、K AYARAD DPCA— 30、 KAYARAD DPCA— 60、 KAYARAD DPCA— 1 20(以上、 日本化薬株式会社製)等も挙げられる。
[0044] 多官能 (メタ)アタリレート (D)としては 1種類だけを用いても、 2種類以上のものを同 時に用いても構わない。このような多官能 (メタ)アタリレート (D)は、その種類と導入 量により、本発明で用いる UV硬化性組成物の架橋形態が大きく変化するため、光 導波路のパターン形成能、寸法安定性、高温高湿、低温低湿等の環境変化に伴う 十分な耐久性、耐熱性を実現する上で重要である。多官能 (メタ)アタリレート (D)の 種類あるいは導入量によっては、相溶性が低下する場合があるため、該多官能 (メタ )アタリレート(D)の種類ある 、は導入量は適正に選択する必要がある。適正な選択 によって相溶性が維持若しくは向上される場合には、得られる硬化物の強靭性が増 大し、光導波路に必要な力学的強度を増加させることができる。さらに、他の成分と の相溶性に優れた多官能 (メタ)アタリレート (D)を適量配合することにより、硬化物の 透明性ひいては光導波路の低伝搬損失化にも著効を示す。従って、多官能 (メタ)ァ タリレート (D)は、他の成分との相溶性、目的とする光導波路の製造方法に関わるパ ターン形成能、力学的強度、耐久性を考慮し最適な種類および導入量を選択する必 要がある。
[0045] 本発明者等の知見によれば、上記した観点から、多官能 (メタ)アタリレート(D)とし てトリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート及び Z又はネオペンチルダリコール (メ タ)アタリレートを含有することが好ま 、。
[0046] 多官能 (メタ)アタリレート (D)の導入量としては、架橋密度が適正でパターン形成 能が良好であり、光導波路としての寸法安定性、力学的強度に優れる点、及び他の 組成物との相溶性が向上し、伝搬損失を低下させ、均質な架橋構造を形成すること により光導波路自体の強度に優れる点から、該組成物中のフッ素化アクリル共重合 体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)および多 官能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に、 10〜65重量部含有することが 好ましぐ 20〜55重量部含有する事が特に好ましい。
[0047] 本発明のポリマー光導波路の製造方法としては、上述の UV硬化性組成物を材料 とするスタンパを用いる成形法である以外には特に制限はない。すなわち、本発明で 得られるポリマー光導波路の構造は、特に限定されることはない。スタンパを用いた 成型法では、例えば、まず、コア溝の形状を複製したスタンパを用意しておき、基板と スタンパの間〖こクラッド用に調製された UV硬化性組成物 (I) (即ちクラッド用材料)を 挟み込んで紫外線照射して硬化させ、下クラッド層を成形する。下クラッド層の上面 には、コア層を成形するためのコア溝が形成されているので、このコア溝内にコア用 に調製された UV硬化性組成物 (Π) (即ちコア用材料)を充填して UV硬化させ、コア 層を成形する、さら〖こ、この上にクラッド用に調製された UV硬化性組成物 (I) (クラッ ド用材料)を用いて上クラッド層を成形する方法が挙げられる。
[0048] 本発明で用いる UV硬化性組成物は含フッ素組成物であるため、フッ素化アクリル 共重合体 (A)のところで述べたようにスタンパを用いてポリマー光導波路を生産する 場合の離型性は得られ易いが、大量生産を効率良く行うためには更に離型剤を導入 することが好ましい。導入する離型剤としては特に制限はなぐ種々の材料を制限な く用いることが可能である。しかし、本発明で用いる UV硬化性組成物が含フッ素化 合物を含むことを考慮すると、これら化合物との良好な相溶性を維持し、繰り返し使 用に堪え得る離型性を得るためには、含フッ素系離型剤、特にパーフルォロアルキ ル基を含有するフッ素系離型剤 (E)を含むことが好ましい。通常、フッ素系離型剤の 作用機構は以下のように推定される。まず、該組成物中において少量の導入量であ つても、スタンパ界面に吸着し易いセグメントまたは官能基がスタンパ界面に吸着す ることにより、離型剤分子がスタンパ界面に濃縮する。そこで、同一分子内に存在す る離型効果が高い含フッ素セグメント、特にパーフルォロアルキル基が強制的にスタ ンパ界面近傍に濃縮されることにより離型効果を発現すると考えられる。従って、フッ 素系離型剤 (E)には、パーフルォロアルキル基と共に同一分子内に存在するスタン パ界面に吸着し易 、セグメントまたは官能基がある事が好ま 、。これらのセグメント または官能基のスタンパ界面への吸着性は、単純にスタンパ界面への吸着性の要 因だけでなぐ積極的な意味でのスタンパ界面への吸着性は低!、セグメントや官能 基であっても、該離型剤が該組成物中に対する溶解性が低ければ結果としてスタン パ界面に存在することもある。
[0049] このようなフッ素系離型剤 (E)の具体例としては、以下の如き化合物が挙げられる。
E- 1 C F CH CH SCH CH COOLi
8 17 2 2 2 2
E- 2 C F CH CH SCH CH COONa
6 13 2 2 2 2
E- 3 C F CH CH SCH CH COOH
6 13 2 2 2 2
E- 4 C F CH CH SCH CH (CH ) COOK
8 17 2 2 2 3
E- 5 C F CH CH SO K
8 17 2 2 3
E- 6 C F CH CH SO N (CH ) CH E-■7 C F CH CH OPO (OH)
10 21 2 2 2
E- 8 C F CH CH OPO (OH)
8 17 2 2 2
E- 9 C F CH CH OPO (OH)
6 13 2 2 2
E- 10 C F CH CH OPO (OH)
4 9 2 2 2
E- 11 (C F CH CH O) PO (OH)
6 13 2 2 2
E- 12 (C F CH CH O) PO
6 13 2 2 3
E- 13 C F CH CH O (CH CH O) H
y 2y+l 2 2 2 2 z
(yは 1〜20の整数、 zは 1〜30の整数)
E— 14 : C F CH CH O (CH CH O) CH
y 2y+l 2 2 2 2 z 3
(yは 1〜20の整数、 zは 1〜30の整数)
E— 15 : C F CH CH SO NH (CH ) N (CH ) -CI
8 17 2 2 2 2 3 3 3
本発明で用いる uv硬化性組成物を硬化させるために、光開始剤を導入せずに硬 化し光導波路を製造することも可能であるが、通常光開始剤を適量導入して硬化さ せることが好ましい。導入する光開始剤 (F)としては特に制限はなぐ種々の光開始 剤を用いることが可能である。光開始剤 (F)の具体例としては、
F- 1 : ベンゾフエノン
F- 2 : ァセトフエノン
F- 3 : ベンゾイン
F- 4 : ベンゾインェチノレエーテノレ
F- 5 : ベンゾインイソブチノレエーテノレ
F- 6 : ベンジルメチルケタール
F- 7 : ァゾビスイソブチロニトリル
F- 8 : 1ーヒドロキシシクロへキシルフェ二ルケトン
F- 9 : 2 ヒドロキシ一 2—メチル 1—フエ二ルー 1 オン
F- 10 : 1— (4'—イソプロピルフエ-ル) 2 ヒドロキシ 2
1 オン
F— 11 (4, ドデシルフエ-ル) 2 ヒドロキシ— 2—メチルプロパン- オン 等を挙げることができる。
[0051] 光開始剤は 1種類のみを用いても、 2種類以上を同時に併用しても構わない。本発 明者らの知見によれば、光源の種類、 目的とする硬化速度、硬化させる雰囲気、硬 化させる構造 (例えば、石英ガラス越しに硬化させる構造である力、ポリエチレンテレ フタレートのような高分子フィルム越しに硬化させる構造)により 2種類以上の開始剤 を併用する方が好まし 、場合がある。
[0052] また、必要に応じてアミンィ匕合物またはリン化合物等の光増感剤を添加し、重合を 迅速ィ匕することもできる。本発明で用いる UV硬化性組成物中に占める光開始剤の 導入量としては、 0.01〜15重量%、より好ましくは 0.1〜10重量%、特に好ましくは 0 .3〜7重量%でぁる。
[0053] また、本発明で用いる UV硬化性組成物には、必要に応じて種々の各種添加剤を 添加することも可能である。添加剤としては、粘度調整のための溶剤、耐光安定剤、 耐候安定剤、耐熱安定剤、消泡剤、難燃剤、レべリング剤、着色剤、表面改質剤、更 にはガラス等の基材との密着性を向上させるためのカップリング剤が挙げられる。カツ プリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、ジルコ アルミネート系が挙げられ 、これらの中でジメチルジメトキシシラン、ジメチルジェトキシシラン、メチルトリメトキシ シラン、ジメチルビニルメトキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、 γ—クロ口プロピル トリメトキシシラン、 γ クロ口プロピルメチルジメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリ エトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピノレ メチノレジメトキシシラン、 γ—メタクリロキシプロピルメトキシシラン、 γ—メタクリロキシ プロピルメチルジメトキシシラン、 γ—アタリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、 γ —アタリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、 Ί メルカプトプロピルトリメトキシシラ ン等のシラン系が特に好ましい。
[0054] 本発明者らの知見によれば、 目的とする導波路の良好なパターン形成能及び寸法 安定性と、高温高湿または低温低湿等の環境変化に対する光学的、力学的及び熱 的耐久性を発現させるためには、該組成物の硬化物の動的粘弾性測定によるガラス 転移温度 (Tg)が 60〜150°Cであることが必要であり、 90〜140°Cであることが好ま しい。ここで、通常、ガラス転移温度 Tgは、測定方法及び条件によりその絶対値は変 化することが知られているため以下の通り定義した。
[0055] ガラス転移温度 Tg測定用サンプルは、以下の通り調整した。まず、該組成物中の 必須成分であるフッ素化アクリル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、非フ ッ素モノ (メタ)アタリレート(C)および多官能 (メタ)アタリレート (D)の合計重量部に対 して 0.6重量部の光開始剤 F— 9 (2—ヒドロキシ一 2—メチルー 1—フエ-ルー 1—ォ ン)を添加したもの準備し、測定用配合液とする。また、ガラス板上に、厚さ lmmのガ ラス板で 5mm X 35mm X lmmの大きさの注型枠を形成したものと、スライドガラスを 準備する。次に、調整した測定用配合液を注型枠中に注入し、スライドガラスで封止 する。次いで、 160WZcmのメタルハライドランプを用い、照度; 94mWZcm2、照射 エネルギー量; 900mj/cm2〖こて硬化させ、ガラス転移温度 Tg測定用試料を作製 する。これを用いて、動的粘弾性測定装置により、サンプルサイズ; 5mm X 35mm X lmm、周波数; 1Ηζ、昇温速度; 3°CZmin、測定モード;引張り(チャック間距離 20 mm)により測定し、 tan δのピーク温度をガラス転移温度 Tgと定義した。
[0056] 得られる硬化物のガラス転移温度 Tgが 60°C未満の該組成物を用いると、その硬度 が低いために光導波路を製造する際のパターン形成能が劣悪となり、製造時の歩留 まりが低下するば力りでなぐ 目的とする光導波路の寸法が安定せず、伝搬特性や 力学特性に悪影響を及ぼす。また、硬化物のガラス転移温度 Tgが 150°Cを超える組 成物の場合も、硬度が高いために欠けなどが生じ易ぐパターン形成能が低下し光 導波路製造時の歩留まりが低下する。
[0057] 本発明で用いる UV硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度 Tgを 60〜150°Cと する手段には特に制限はない。有効な手段としては、フッ素化アクリル共重合体 (A) に用いる非フッ素 (メタ)アタリレート(a2)や非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)として、 該 (メタ)アタリレートのホモポリマーのガラス転移温度 Tgが高い化合物、例えば、メチ ルメタタリレート、脂肪族環式構造を有する (メタ)アタリレート、具体的には、ジシクロ ペンタ-ル (メタ)アタリレート、ジシクロペンテ-ル (メタ)アタリレート、イソボル-ル(メ タ)アタリレート、ァダマンチル (メタ)アタリレート、ジメチルァダマンチル (メタ)アタリレ 一ト等を使用する方法、多官能 (メタ)アタリレート (D)における官能基数、導入量を 他の成分に応じて最適化し架橋密度を高める方法、光開始剤の導入量を最適化す る方法等が挙げられ、 目的とする光導波路を形成する UV硬化性組成物の組成、光 導波路の形状等により適宜決定される。
[0058] また、本発明で用いる UV硬化性組成物の粘度としては、ポリマー光導波路を製造 する際の作業性が良好で、歩留まりに優れ、 目的とする光導波路のサイズが得られる 点から50〜150111?&' 5725°〇(25°〇にぉける粘度。以下同じ。)であることが好まし い。粘度は、該組成物中の各成分の種類、導入量、フッ素化アクリル共重合体 (A) の分子量等により決定されるものである。
[0059] 本発明で用いる UV硬化性組成物を硬化させるための設備、すなわちポリマー光 導波路を製造する設備としては、特に限定されるものではなぐ種々の装置、照度、 照射時間、照射エネルギー量、雰囲気温度で行うことが出来、 目的とする導波路の 所望の性能に応じて適正に選択する事が可能である。例えばエネルギー源としては 、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、 中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ等を使 用することができる。また、重合効率化の点からは、空気や酸素に曝される条件では 、窒素ガス等の不活性ガスで硬化雰囲気を置換し、 UV照射することが好ましい。ま た、必要に応じて熱をエネルギー源と併用すること、例えば UVにて硬化せしめた後 熱処理を行うことも可能である。
[0060] 本発明のポリマー光導波路を製造するために、 UV硬化性組成物を塗布或いは賦 型する基材の形状及び材質にも特に制限なぐ石英ガラス等のガラス、ポリメタクリル 酸メチル等の高分子フィルム、ゴム等の材料を自由な形状で用いることができる。ま た、このような基材には光導波路の構成、製造上の作業性等の理由により、基材との 接着性を向上させる様な処理 (例えば、シランカップリング処理、コロナ処理等が挙げ られる。)或いは基材との離型性を向上させるような処理 (例えば、シリコーン系或い はフッ素系離型剤の塗布)を行うことも可能である。
[0061] 本発明のポリマー光導波路を製造する際、該組成物を目的とする基材上に塗布す る方法にも制限はない。例えば、刷毛塗り、アプリケーター、バーコ一ター、ローラー ブラシ、またはロールコーター等による塗布法、エアースプレーまたはエアーレススプ レー塗装機等によるスプレー塗布法、シャワーコーターまたはカーテンフローコータ 一等による流し塗り法 (フローコート)、デイツビング法、キャスティング法、スピンコー ティング法、ディスペンサー法を用いることができる。これらの方法は、目的とする光 導波路のサイズ、製造条件及びそれに関わるに作業性、コスト等を加味して適宜選 択される。
[0062] 次に、光導波路の具体的な製造方法について説明するが、これらの説明によって 本発明が何等限定されるものでないことは勿論である。
[0063] ポリマー光導波路は、コア層と呼ばれる領域の周囲をコア層よりも屈折率の小さい クラッド層と呼ばれる領域で囲んで、コア層に光を閉じ込めて伝搬させるものであり、 光導波路のコア層の形状、クラッド層の厚さ等の構造、両層の屈折率差などの設計 は、従来の石英光導波路と基本的には同一である。一般的には、シングルモード光 導波路の場合は、シングルモード光ファイバとの接続を考慮し、 MFD (モードフィー ルド径)が同一になるようにコア層の断面の大きさとしては縦横とも約 5 mの矩形状 、コア層とクラッド層との屈折率差としては 0.3〜0.5%という非常に微細な形状と微小 な屈折率差が要求される。更に、光導波路として実用できるものは、例えば波長 1.3 1 μ m付近の伝搬損失として 0.5dBZcm以下である事が必要であり、更には 0.3dB Zcm以下である事が好まし 、。
[0064] 本発明のポリマー光導波路は、上記のような特定の UV硬化性組成物を用いてスタ ンパ法により製造することを特徴とするものである。図 1 (a)〜図 1 (d)及び図 2 (a)〜 図 2 (d)はスタンパ法によるポリマー光導波路の基本的な製造工程を表わして 、る。 以下、これらの図に従ってポリマー光導波路の製造工程を説明する。
[0065] まず始めに、目的とするポリマー光導波路のコア溝の形状を凸パターンとして形成 されたスタンパを作製しておく。通常、スタンパは、フォトリソグラフィ等の半導体プロ セスゃレーザー精密加工などを用いて原盤を作製した後、この原盤を基にして電铸 法により何度カゝ複製することによってニッケル等で作製される。また、 UV硬化性組成 物 (I)で屈折率等の特性をクラッド用に調整したクラッド用材料と、 UV硬化性組成物 (II)で屈折率等の特性をコア用に調整したコア用材料とを準備する。
[0066] ついで、ガラス、石英、シリコン等力 なる透光性を有する基板 11の上に適量の未 硬化のクラッド用材料 12を滴下し(図 1 (a) )、上面力もスタンパ 13により押圧する。こ のとき、押圧されたクラッド用材料 12は基板 11とスタンパ 13の端まで押し広げられ、 所望の厚さとなるまで押圧される。クラッド用材料 12が所望の厚さになった時点で、 基板 11を通してクラッド用材料 12に高圧水銀灯やメタルハライド灯などカゝら UVを照 射し、クラッド用材料 12を硬化させる(図 l (b) )。クラッド用材料 12の反応が進んでク ラッド用材料 12が十分に硬化したら、クラッド用材料 12からスタンパ 13を離型する。 スタンパ 13を離型すると、基板 11の上には均一な厚みの下クラッド層 14が成形され 、下クラッド層 14の上面にはスタンパの凸パターンに相当するコア溝 15が成形される (図 l (c) )。
[0067] 下クラッド層 14の上面に未硬化のコア用材料 16を滴下した後、透光性を有する平 板 17でコア用材料 16を押圧し(図 1 (d) )、コア用材料 16をコア溝 15内に充填させる 。なお、コア用材料 16をコア溝 15内に充填させる方法としては、スピンコート法などを 利用してもよい。コア用材料 16がコア溝 15に充填されたら、平板 17を通してコア用 材料 16に UVを照射し、コア用材料 16を硬化させる(図 2 (a) )。このとき、コア溝 15 のみにコア用材料 16が充填され、コア溝 15以外の下クラッド層 14上にはコア用材料 16が残らな 、ことが望ま U、が、コア形状に比較して十分に薄!、厚さであれば光の 伝搬特性に影響を与えない。コア用材料 16が硬化したら、その上の平板 17を剥離さ せると、コア溝 15内にコア層 18が成形される(図 2 (b) )。
[0068] ついで、コア層 18の上から下クラッド層 14の上に未硬化のクラッド用材料 12を滴下 し(図 2 (c) )、カバーガラス 19でクラッド用材料 12を押圧し、クラッド用材料 12を下ク ラッド層 14とカバーガラス 19の間で所定の厚みとなるように押し広げる。クラッド用材 料 12が所定の厚みとなったら、カバーガラス 19を通してクラッド用材料 12に UVを照 射し、クラッド用材料 12を硬化させる。なお、クラッド用材料 12を均一な所定厚みに 広げる方法としては、スピンコート法などを利用してもよい。下クラッド層 14の上のクラ ッド用材料 12が硬化すると、上部クラッド層 20が成形される(図 2 (d) )。
[0069] こうしてポリマー光導波路 21がスタンパ法によって製作され、高屈折率のコア層 18 が低屈折率の下クラッド層 14及び上部クラッド層 20の間に挟み込まれ、低損失な光 の伝搬が実現される。
[0070] このようなスタンパ法及び UV硬化法による光導波路の作製では、作製工程数が少 なぐホトマスクは用いず、し力も、未硬化のコア用材料ゃクラッド用材料を除去する ための工程が不要である。コア層と上下クラッド層の硬化物のわずかな屈折率差は、 UV硬化性組成物を構成する各成分の配合比を少し変えるだけで、容易に調整でき るので、狭い幅の屈折率制御が容易である。また、コア層と上下クラッド層の硬化物 は、わずかに配合比が異なるだけ UV硬化性組成物力もなるものであるから、界面の 密着性は良好である。同一組成の UV硬化性組成物を用いるので下クラッド層と上ク ラッド層の界面の密着性も良好であることは 、うまでもな 、。
[0071] また、このようにして製作することにより、低伝搬損失性に優れたポリマー光導波路 を得ることができる。
[0072] なお、本発明にお 、ては、 UV硬化法と熱硬化法を組み合わせた硬化法を用いて もよい。この場合は、コア用材料又はクラッド用材料を適当な程度にまで UV硬化させ た後、熱硬化により完全硬化させる硬化法が挙げられる。得られた硬化物のスタンパ の離型性や微細形状賦形性は、単独 UV硬化法による硬化物の作製の場合と同じよ うに良好である。
[0073] 次に、光分岐 Z結合用のポリマー光導波路 (以下、光力ブラという。)の製造工程を 説明する。まず、複数に分岐したコアパターンを有する光力ブラ用のマスクを作製し、 このマスクを用いてシリコン基板に露光し、フォトリソグラフィ法によりエッチングを施し て下クラッド層とほぼ同等の凹凸形状 23を有する原盤 22を作製する(図 3 (a) )。ここ で、ほぼ同等であるとは、後の工程により発生するシュリンク、例えば、組成物の硬化 反応時の収縮等を考慮し、下クラッド層成形時に所望の形状となるようにマスク設計 を行うことを意味する。
[0074] ついで、この原盤 22に基づいて、電铸法によりニッケル材質のスタンパ 24を作製 する(図 3 (b) )。このとき、スタンパ 24は、下クラッド層と凹凸が反転した凹凸形状を 有している。また、生産性を向上させるためには、スタンパ 24には、下クラッド層の複 数個分の領域 25を形成しておくことが望ま U、。
[0075] この後、上記方法と同様にして、下クラッド層 14と上部クラッド層 20との間にコア層 18が形成され、その上下をカバーガラス 19と基板 11で挟まれた複数個分の光力プ ラ 26を形成する。最後に、ダイシング装置によって各光力ブラ 26を 1個ずつチップ状 に切り離す(図 3 (c) )ことによって、所望の光力ブラを得る事ができる。
[0076] 図 4 (a)は光力ブラ 26のコア分岐部分を示す平面図、図 4 (b)はその Y— Y断面図 である。光力ブラ 26のコア分岐部分においては、図 4 (a) (b)に示すように、下クラッド 層 14を挟んでコア層 18同士が隣接した構造となっている。従って、コア層 18間に挟 まれた領域の下クラッド層 14につ 、ては、アスペクト比の高 、断面形状となって!/、る 。しかし、本発明で得られる光力ブラ 26では、クラッド用材料のガラス転移温度 Tgが 60°C以上であるため、コア層 18の形状が正しく転写される。これに対し、クラッド用材 料を用いて得られる硬化物のガラス転移温度 Tgが 60°C未満の場合には、コア分岐 部分における下クラッド層 14のアスペクト比が高くて下クラッド層 14が横に倒れ易 ヽ ので、下クラッド層 14を形成した後、コア層 18を成形する際の押圧力ゃ上クラッド層 20を成形する際の押圧力により、図 5 (a)に示すようにコア分岐部分において下クラ ッド層 14が湾曲するように変形する。また、クラッド用材料を用いて得られる硬化物の ガラス転移温度 Tgが 60°C未満の場合には、下クラッド層 14の成形時にぉ 、てスタン パ 24を離型させたとき、コア分岐部分における下クラッド層 14の先端部(図 5 (b)で 破線で示した部分)がスタンパ 24と一緒に剥がれ、下クラッド層 14の一部が欠けた状 態になる。従って、クラッド用材料を用いて得られる硬化物のガラス転移温度 Tgは、 6 0°C以上である必要があり、 90°C以上が望ましい。
[0077] 更に、コア層の形状の異なるポリマー光導波路を示す。図 6 (a)は該ポリマー光導 波路の断面図、図 6 (b)はそのポリマー光導波路の製造工程においてスタンパ 13で 下クラッド層を成形する工程を説明する概略図である。この導波路では、コア溝 15の 断面形状を両側面が傾斜して上方で広がった台形となって 、る。このようなコア溝 15 を成形するためには、スタンパ 13の凸パターン 27の断面も下方で狭くなつた断面台 形状にしておけばよ 、。このようにスタンパ 13の凸パターン 27の断面を下方で狭!ヽ 台形状にしておくことにより、図 6 (b)に示すように、スタンパ 13を容易にコア溝 15及 び下クラッド層 14から離型できるようになり、下クラッド層 14の離型時における欠けを 防止することができる。台形断面の両側面は、シングルモード導波路の場合は、対称 (同心円状)のモードフィールドパターンを実現するために、テーパー角は 20° 以内 である事が望ましい。 実施例
[0078] 以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、実施例中「部」、「%」は 特に断りのない限り、重量基準である。
[0079] 合成例 1 フッ素化アクリル共重合体 (A)の合成
攪拌機及び温度計を備えた 500mlのガラス製円筒フラスコに、含フッ素 (メタ)アタリ レートとして(al— 1) : 192.0g、非フッ素モノ(メタ)アタリレートとして(a2— 3) : 101.6 g、(a2— 5) : 101.6g、(a2— 4) : 4.0g及び光開始剤として (F— 9) : 0.7gを採取し、 窒素置換しながら、側面から 80WZcmの高圧水銀灯を 1灯照射することにより、発 熱により 6°C昇温するまで反応を行った。得られた反応生成物は、無色透明な粘ちよ う液体であった。本反応生成物をサンプリングし、 10倍量のメタノール中に沈殿させ て得られた転化率 (フッ素化アクリル共重合体 (A)の含有量)は 7.3%であった。本重 合反応物(フッ素化アクリル共重合体 (A)と未反応モノマー類である含フッ素 (メタ)ァ タリレート(al— 1)、非フッ素モノ(メタ)アタリレート(a2— 3)、(a2— 5)、(a2— 4)の 混合物)をフッ素化アクリルシラップ 1とする。得られた重合反応物の GPC (ゲルパー ミエーシヨンクロマトグラフィー)による THF (テトラヒドロフラン)溶液中におけるポリス チレン換算の数平均分子量は、 970,000であった。
[0080] 合成例 2〜4
合成例 1において、表 1に示す組成比で各々のアタリレートを用いた以外は、合成 例 1と同様の条件にて反応を行い、フッ素化アクリルシラップ 2、 3及び 4を得た。
[0081] なお、含フッ素 (メタ)アタリレート (al— 1)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート(a2— 3) 、(a2— 5)、(a2— 4)は、全てアタリレートを用いた。
[0082] [表 1] 表 1 フッ素化アク リ ルシラップの合成 (組成比) ノ重量部
Figure imgf000031_0001
[0083] ついで、上記シラップ 1〜4、含フッ素 (メタ)アタリレート(Β)として前記構造式 (al— 1)で示されるアタリレート、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)として前記 (a2— 3)、 (a 2-4) , (a2— 5)のアタリレート、多官能 (メタ)アタリレート(D)として、前記 (D— 9)、 (D— 16)のアタリレート、光開始剤 (F— 9)、フッ素系離型剤 (E)として前記一般式 中(E— 13)で y=8、 zの平均値が 8のものを表 2〜3に示す割合で配合してクラッド 用材料である UV硬化性組成物 (I 1)〜(I 7)、及びコア用材料である UV硬化性 組成物 (Π— 1)〜(Π— 7)を作製した。ここで、 (I一:!)〜 (I 4)及び (Π— 1)〜(Π— 4)を組み合わせたものが本発明の実施例であり、(I 5)〜 (I 7)及び (Π— 5)〜 (I I 7)を組み合わせたものが比較例である。すなわち、比較例 1では硬化物のガラス 転移温度 Tgが本発明で用いる UV硬化性組成物を用いて得られる硬化物の下限値 60°Cよりも低ぐ比較例 2ではフッ素化アクリル共重合体 (A)成分を欠いており、比較 例 3では多官能 (メタ)アタリレート (D)成分を欠!ヽて 、る。
[0084] 表 2〜3には、コア用材料及びクラッド用材料の各配合組成を表しており、併せて各 UV硬化性組成物の粘度及びメタノール沈殿量、硬化物のガラス転移温度 Tg、屈折 率、ショァ D硬度を示した。粘度は、 25°Cの温度で B型粘度計を用いて測定したもの である。また、メタノール沈殿量は、最終組成物の 10倍量のメタノールに対する沈殿 量であって、最終組成物中のフッ素化アクリル共重合体 (A)の割合を示す。硬化物 のガラス転移温度 Tgは、動的粘弾性測定装置 (Rheometrics社 Solids Analyze r RSA— 2)を用いて測定した。屈折率は、サイズが 10mm X 40mm X 1mmの各サ ンプルの硬化試験片を用いて、アッベ屈折率計 (株式会社ァタゴ製、多波長アッベ 屈折率計 DR— M2)により測定した波長 589nm (NaD線)の光に対する屈折率値で ある。ショァ D硬度は、サイズ 15mm X 15mm X 5mmの各サンプノレの硬化試験片を 用いて測定したものである。なお、硬化物はガラス板を用いて所定サイズの硬化試験 片が成形されるような注型枠を作製し、各配合物中に気泡が混入しな 、ようにして注 型枠内に配合物を注入した後、その上面をガラス板で覆って、 160WZcmのメタル ハライドランプを用い、照度; 94mWZcm2、照射エネルギー量; 900nijZcrn2にて 硬化させることにより作製した。
[表 2]
及び 硬化物物性
Figure imgf000032_0001
[表 3」 表 3 比較例配合表 (部) 及び 硬化物物性
Figure imgf000033_0001
[0087] 比較例 3では、多官能 (メタ)アタリレート(D)が含まれていないので、相溶性が低下 し、組成物の透明性が悪ぐ硬化物が不透明となり、光導波路として使用できるレべ ルに満たな力つた。さらに、硬化物にタック感があり、柔軟すぎるためガラス転移温度 Tg、ショァ D硬度も測定不能であり、スタンパ法による光導波路を成形できな力つた。
[0088] 次に、上記で得られた各 UV硬化性組成物を用いて、直線導波路及び分岐導波路 を作製した。
直線導波路
上記で得られた UV硬化性組成物を用いて、図 1及び図 2に従った製造方法で、基 板としてガラスを用い、コア層の断面の大きさが 5.25 m X 5.25 m、上クラッド層 及び下クラッド層厚さ 20 mの直線導波路を作製した。硬化条件は、前述の硬化物 を得る際の硬化条件に従った。
分岐導波路
導波路長 10mm、分岐部分岐角 ldeg、出力ポート間隔 250 m、コア層の断面の 大きさが 5.25 /X mX 5.25 m、基板 (ガラス)及びカバーガラスの厚みが lmmであり 、また、下クラッド層の厚みが 25.25 /z m 上クラッド層の厚みが 20 mである導波路 を図 1〜3に従って作製した。硬化条件は、前述の硬化物を得る際の硬化条件に従 つた o
[0089] 得られた直線光導波路の直線部分における 1.31 μ mの波長帯における光損失及 び分岐導波路の分岐部における光損失を、光損失測定装置 (Agilent Technolog ies社製、 81632AZ81657A)を用いて測定した。結果を表 4に示す。
[0090] [表 4]
表 4 光導波路の評価結果
Figure imgf000034_0001
[0091] 表 4の脚注
成形性評価:スタンパによって下クラッド層を成形した際の成形性 (転写性)の良否 を判断した。
1):下クラッド層の断面形状が成形時の圧力で歪みが生じた。従って、コア層も歪 みが生じ、光が閉じ込められない状態になった。
2):組成物の粘度が低いため、基板上に滴下したときにクラッド用材料がすぐに拡 がり、クラッド層の厚みが 2 m以下になった。従って、光が閉じ込められない状態に なった。
[0092] 実施例における直線導波路の光損失の値は、いずれも 0.2dBZcm以下であった 。この値はほとんど組成物(コア用材料)の透過率と同等であり、光導波路としてすぐ れた形状実現性と安定性を有した製法と材料との組み合わせであると考えられる。ま た、実施例で得られた光力ブラのチップの両端に 1芯および 4芯の光ファイバアレイを 調芯して接着し、 I X 4光力ブラを実現し、その評価を行った結果、 7.0dBの挿入損 失であった。これは従来の石英導波路に材料損失の差だけ加えた値であり、直線導 波路のみならず、分岐導波路を有する光導波路においても、すぐれた形状実現性と 安定性を有した製法と材料との組み合わせであると考えられる。

Claims

請求の範囲
[1] 下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH
n 2n+ l 2 2 1 2 ……(1)
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)と を共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)、
下記一般式 (2)
C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
2
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、
非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)、
多官能 (メタ)アタリレート (D)を含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラ ス転移温度が 60〜150°Cである UV硬化性組成物 (I)カゝらなるクラッド用材料と、 前記フッ素化アクリル共重合体 (A)、前記含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、前記非フッ 素モノ (メタ)アタリレート(C)、前記多官能 (メタ)アタリレート(D)を含有し、得られる 硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が 60〜150°Cであり、且つ得られる 硬化物の屈折率が前記クラッド用材料を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大き V、UV硬化性組成物 (Π)力もなるコア用材料と
を用いて、スタンパを用いる成形法により UV硬化させ、クラッド層とコア層を得ること を特徴とするポリマー光導波路。
[2] 前記 UV硬化性組成物 (I)にお 、て、多官能 (メタ)アタリレート(D)を、フッ素化アタリ ル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C) および多官能 (メタ)アタリレート (D)の合計 100重量部中に 20〜55重量部含有し、 且つ、
前記 UV硬化性組成物 (Π)にお 、て、多官能 (メタ)アタリレート(D)を、フッ素化ァク リル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート(B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C )および多官能 (メタ)アタリレート (D)の合計 100重量部中に 20〜55重量部含有す る 請求項 1に記載のポリマー光導波路。
[3] 多官能 (メタ)アタリレート(D)がトリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート及び Z又 はネオペンチルダリコール (メタ)アタリレートである請求項 2に記載のポリマー光導波 路。
[4] 非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)が脂肪族環式構造を有する (メタ)アタリレートであ る請求項 1に記載のポリマー光導波路。
[5] 前記 UV硬化性組成物 (I)にお 、て、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)を、フッ素化 アクリル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート(B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレー ト(C)および多官能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に 15〜55重量部含 有し、且つ、
前記 UV硬化性組成物 (Π)にお 、て、非フッ素モノ (メタ)アタリレート (C)を、フッ素 化アクリル共重合体 (A)、含フッ素 (メタ)アタリレート(B)、非フッ素モノ (メタ)アタリレ ート(C)および多官能 (メタ)アタリレート(D)の合計 100重量部中に 15〜55重量部 含有する
請求項 4に記載のポリマー光導波路。
[6] 前記 UV硬化性組成物(I)の粘度が50〜150111?&' 5725°〇でぁり、且つ
前記 UV硬化性組成物(Π)の粘度が 50〜150mPa' sZ25°Cである
請求項 1〜5のいずれか 1項に記載のポリマー光導波路。
[7] 前記 UV硬化性組成物 (I)中に、パーフルォロアルキル基を含有するフッ素系離型 剤 (E)を含有し、且つ、
前記 UV硬化性組成物 (II)中に、パーフルォロアルキル基を含有するフッ素系離型 剤 (E)を含有する請求項 6に記載のポリマー光導波路。
[8] 下記一般式(1)
C F CH CH OCOC (R ) =CH ……(1)
n 2n+ l 2 2 1 2
(式中、 nは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 ) で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (al)と非フッ素モノ (メタ)アタリレート (a2)と を共重合して得られるフッ素化アクリル共重合体 (A)、
下記一般式 (2) C F CH CH OCOC (R ) =CH …… (2)
m 2m+ l 2 2 2 2
(式中、 mは 1〜10の整数であり、 Rは水素原子またはメチル基である。 )
2
で表わされる含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、
非フッ素モノ (メタ)アタリレート(C)、
多官能 (メタ)アタリレート (D)を含有し、得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラ ス転移温度が 60〜150°Cである UV硬化性組成物 (I)カゝらなるクラッド用材料とを透 光性を有する基板の上に滴下する工程と、
前記クラッド用材料を前記基板とスタンパとの間に挟み込み、 UV照射により硬化さ せてクラッド層を形成すると共にクラッド層の表面にコア溝を形成する工程と、 前記フッ素化アクリル共重合体 (A)、前記含フッ素 (メタ)アタリレート (B)、前記非フッ 素モノ (メタ)アタリレート(C)、前記多官能 (メタ)アタリレート(D)を含有し、得られる 硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が 60〜150°Cであり、且つ得られる 硬化物の屈折率が前記クラッド用材料を用いて得られる硬化物の屈折率よりも大き Vヽ UV硬化性組成物 (Π)カゝらなるコア用材料を前記コア溝に充填し、 UV照射により 硬化させてコァ層を形成する工程
とからなるポリマー光導波路の製造方法。
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