JP2005114171A - 弧状ヒンジファスナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 弧状ヒンジファスナ及びこれを用いる方法を提供する。
【解決手段】 ファスナ(400)は、パネル(604)内の穴(602)の中に挿入される一般的な種類のものとすることができる。このようなファスナは、少なくとも2つの弧状ヒンジセグメント(412)と、該ヒンジセグメントから広がる方向に離れるように延びる対応する数のウイング(410)とを含むことができ、各々のヒンジセグメントは、中心ポストから間隔をもって配設された2つの弧状表面(460、462)を有する。このようなファスナは、さらに、中心ポストの遠位端を越えて領域(470)の方向に収束して延び、総合的に、例えば、端部がボールソケット形態(464A、464B)を帯びるようなビーク構成を帯びるウイングアーム(424A、424B)を含むことができる。
【選択図】 図4

Description

一般に、ウイング付きファスナが知られている。典型的なウイング付きファスナは、一般に、矢(↓)形状の輪郭を有する。ウイングは、ファスナが挿入された、パネル内の穴の縁(例えば、自動車において見出すことができるように)に対して当接する外縁を有する。ウイング付きファスナの2つの変形態様が、従来技術の図1ないし図2に示され、これらは、Shereyk他に付与された米国特許第5,851,097号に示される2つの図に対応する。
従来技術の図1は、ベース152に連結されたステム110を含むウイング付きファスナの第1の変形態様150を示す部分側面図である。弾性アーム/ウイング120の近位端154は、ステム110の遠位(ベース152に対して)端112と直接連結される。各々のウイング120の側部162は、直線状である。薄い可撓性ウェブ(つなぎ)130が、対応するアーム120とステム110とをつなぐ。各々の可撓性つなぎ130は、ベース152及びステム110の両方から離れるように、広がる方向に傾斜する。各々の可撓性つなぎ130は、その近位端114付近のステム110に沿った点156と、それぞれのウイング120におけるおおよその中間点160と遠位端122との間の点158との間を連結する。
従来技術の図2は、ファスナ150と同様なウイング付きファスナの第2の変形態様を示す部分側面図であり、したがって、参照番号は再使用され、その一般的な説明は簡潔さのために省略される。ファスナ170のつなぎ130’は、ステム110に沿った点176と対応するウイング120の遠位端122との間を連結する。点176及び遠位端122は、ベース152’からおおよそ同じ垂直距離に配置される。ウイング120の通常位置においては、つなぎ130’は、予め撓められた半径134といわれる湾曲形状を有する。
従来技術によるウイング付きファスナの第3の変形態様300が、図3(部分断面図)及び図3Aの対応する拡大部分図に示されている。ステム304の遠位(ベース302に対して)端308は、対応する平坦なヒンジ310により、少なくとも2つのウイング316に連結される。各ウイング316は、直線側部332と、上方部分320と下方部分322とを有する。各々の平坦なヒンジ310は、ステム304の遠位端308と、対応するウイング316における位置318との間を連結する。ウイング316とステム304との間には、図1ないし図2のつなぎ130、130’により形成されたような第2の連結部はない。下方部分322は、ステム304の遠位端308の下に位置する領域330の方向に、収束するように延びる。下方部分332の遠位端328は、領域330において、互いに隣接して配置され、これはビークに似通っている。
本発明の一態様は、パネル内の穴の中に挿入される一般的な種類のファスナに向けられる。本発明の別の態様においては、このようなファスナは、中心ポストの遠位端と接合する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメントと、該ヒンジセグメントから離れ広がる方向に延びる対応する数のウイングとを含むことができる。本発明の別の態様においては、ウイングアームが、中心ポストの遠位端を越えて或る領域の方向に収束して延び、総合的に、例えば、該ウイングアームの端部がボールソケット形態を帯びるようなビーム構成を帯びる。
本発明のさらに別の態様においては、ファスナ(400)が提供される。このようなファスナは、ベース(406)と、該ベースから延びる中心ポスト(402)と、該中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、該ベースから離れるように延び、両方が該中心ポストの遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメントと、該中心ポストの遠位端付近から離れ広がる方向に、該ベースの方向に延び、それぞれが該弧状ヒンジセグメントの遠位端に接合された少なくとも2つのウイング(410)とを含むことができる。
本発明のさらに別の態様においては、ファスナ(400)が提供される。このようなファスナは、ベース(406)と、該ベースから延びる中心ポスト(402)と、該中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、該ベースから離れるように延び、各々が該中心ポストの遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメントと、該中心ポストの遠位端付近から離れ広がる方向に、該ベースの方向に延び、該弧状ヒンジセグメントの遠位端と接合する少なくとも2つのウイング(410)と、該中心ポストの遠位端付近で該中心ポストと接合し、該弧状ヒンジセグメントが該ウイングのそれぞれと接合する位置に対して遠位側のウイングの端部(452)から延びる2つのブリッジ(414)とを含むことができる。
本発明のさらに別の態様においては、ファスナ(400)が提供される。このようなファスナは、ベース(406)と、該ベースから延びる中心ポスト(402)と、該中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、該ベースから離れるように延び、各々が該中心ポストの遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメントと、該中心ポストの遠位端付近から離れ広がる方向に、該ベースの方向に延び、それぞれが該弧状ヒンジセグメントの遠位端に接合された少なくとも2つのウイング(410)とを含むことができ、該弧状ヒンジセグメント及び該ウイングの少なくとも1つが弾性を有するものである。
本発明のさらに別の態様においては、ポリマーファスナ(400)が提供される。このファスナは、細長い第1部材(402)と、該第1部材と結合し、かつ該第部材から斜めに延びる撓み可能な第2部材(412)と、該第1部材と結合し、かつ該第部材から斜めに延び、該第2部材とは間隔をもって配設された少なくとも1つの撓み可能な第3部材(410)と、丸い部分(464A)と凸状部分(464B)とを含む先端部領域(466)とを含むことができ、ファスナが締結されていない状態にある場合には、該丸い部分と該凸状部分とが、互いに間隔をもって配設されて、該ファスナの引き抜き力が該ファスナの挿入力より大きいときには、該丸い部分が該凸状部分に対して接触するようになる。
本発明のさらに別の態様においては、シャフト(402)の二又端部(406)に対して、該二又端部まわりに撓み可能なように、第1の種類の連結(412)により、中間部分(420)のそれぞれが結合された少なくとも二つのウイング(410)を有し、該ウイングには挟み具状の対応する部分(424A、424B)があり、さらに、該シャフトと該ウイングとの間に、第2の種類の連結のための斜め部材(414)があるファスナ(400)を用いる方法が提供される。この方法は、ファスナが、該ファスナをパネル(604)内の穴(602)の中に完全に挿入するのに必要な第1の大きさの力のしきい値を示すことと、該ファスナが、完全に挿入されたファスナを、該穴から引き抜くのに必要な第1の大きさより大きな第2の大きさの力のしきい値を示すことを含むことができる。
通常の構成と比較して有利な本発明の態様は、相対的に大きな引き抜き力しきい値と、相対的に小さい挿入力とを示すことであり、大きさが相対的に小さいにもかかわらず、小さいファスナが、大きいファスナに対して、高い挿入力を有するという傾向に悩まされることがないということを含む。
本発明のさらに別の適用可能分野は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、本発明の例示的な実施形態を示すものであるが、これらは例示目的を意図するに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
本発明は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
図1ないし図6Cは、全体的に、相対的な比率を示すが、縮尺通りであるものとして解釈するべきではない。
以下の例示的な実施形態の説明は、本発明、その適用例又は用途を限定することを意図するものではない。
図4、図4A、及び図5は、本発明の態様による弧状ヒンジウイング付きファスナ400の側面図を示す。図4における参照番号のほとんどは、斜視図の明確さのために、図5においては繰り返し示されていない。このようなファスナ400は、例えば、自動車のパネルにおけるような(以下の図6Aないし図6Cを参照されたい)穴の中に挿入することができ、トリムパネル、絶縁体、カーペット、ワイヤ組立体などに取り付けるのに用いることができる。
ファスナ400は、中心ポスト(又はシャフト、ストーク、又は柱)402と、ベース(又はヘッド)408と、ウイング410と、弧状ヒンジ412と、ブリッジ(又は懸架リンク)414とを含む。中心ポスト402の近位端404は、ベース408と接合する。少なくとも2つのウイング410が、対応する数の弧状ヒンジ412により、中心ポスト402に結合される。中心ポスト402及び弧状ヒンジ412は、全体として、逆Y字形状として説明することができる輪郭を示す。
各々の弧状ヒンジ412の近位端416は、中心ポスト402の遠位端(又は先端部)406と接合する。或いは、中心ポストの遠位端406が弧状ヒンジ412を含むものと考える場合には、該中心ポスト402は、該遠位端406において分岐すると説明することができる。
各々の弧状ヒンジ412の遠位端418は、対応するウイング410における内側位置420と接合する。各々のウイング410は、位置420に対して、上方位置422と下方位置424とを含む。各々のウイング410の上方部分422及び下方部分424の近位端426及び428は、対応する弧状ヒンジ412の遠位端418と接合する。上方部分422全体は、中心ポスト402から離れ広がる方向に、ベース408とほぼ同一平面上の想像平面の方向に延びる。
ウイング410の上方部分422及び下方部分424と、対応する弧状ブリッジ412とは、全体として、くぎ抜きハンマーのヘッドと類似していると説明することができる輪郭を示し、この場合、該ハンマーのネックが弧状ヒンジ412と類似し、該上方部分422がハンマーヘッドの細長い打撃面領域と類似し、該下方部分424が該ハンマーヘッドの爪と類似している。或いは、ウイング410の上方部分422及び下方部分424と、対応する弧状ブリッジ412とは、全体として、T字形態の構成として説明することができる輪郭を示し、この場合、弧状ブリッジ412がT字形態のトランクと類似し、該上方部分422及び該下方部分424がT字形態のアームと類似する。
各々のブリッジ414は直線部材であり、典型的には、対応する上方部分422より相対的に薄いものであってよい。各々のブリッジ414の遠位端434は、対応するウイング410の上方部分442の遠位端430と接合する。各々のブリッジ414の近位端432は、遠位端406にほぼ隣接した位置432において、中心ポスト402と接合する。各々のブリッジ414は、対応するウイング410と中心ポスト402との間の第2の連結部を表す(第1の連結部は、対応する弧状ヒンジ412による)。
ベース408は、ファスナ400が入れられる用途の状況に応じて、種々の構成のヘッド配置436を含むように形成することができる。さらに、ベース408は、空隙又は陥凹部440を定める傘面438を含むように形成することができる。傘面438の縁442は、ファスナ400がパネル内の穴の中に挿入されたときに、該パネルに対して当接する(以下に説明される図6Cを参照されたい)。
各々のウイング410の上方部分422は、これ自体が2つの部品、すなわち下方部品444及び上方部品446を有するとして説明することができる。下方部品444の遠位端448は、上方部品446の近位端450と接合する。遠位端448が近位端450と接合するところには、平らな表面474がある。下方部品444は、中心ポスト402から離れ広がる方向に、ベース408とほぼ同一平面の想像平面の方向に延びる。上方部品446は、中心ポスト402の長軸とほぼ同一直線上にある想像線の方向に、ベース408に向って収束するように延びる。
各々のブリッジ414は、遠位端430において、対応するウイング410と接合していることが分かる。より具体的には、各々のブリッジ414は、上方部品446の遠位端452において、対応するウイング410と接合する。ウイング410の下方部分424は、ボールソケット構成466を帯びる遠位端464A及び464Bを有するように配置することができ、ここでは、該遠位端464Aがボールを表し、該遠位端464Bがソケットを表す。したがって、下方部分には、それぞれ、参照番号424A及び424Bが与えられる。下方部分424A及び424B、並びに、ヒンジ部分412は、口470を有する領域468を定める。2つのウイング410の下方部分424A及び424Bは、併せて、ビーク(又はペンチ)と似通った輪郭を有する。
本発明を開発する際に、従来技術における以下の問題が認識され、その物理学的特性が求められ、この問題が克服された。従来技術によるファスナ300は、望まれるよりはるかに高い挿入力を示す。平坦なヒンジ310は、対向する湾曲表面336に対して、三角形の断面を有する撓み領域332を生成する平坦な表面334を有する。ファスナ300を引き抜くのに適用される力に応答して、このような三角形の撓み領域332は、ファスナ300がパネル内の穴の中に挿入された後に、該ファスナ300を除去するのに必要な力のしきい値を増加させることが望ましい、対抗する実質的にバランスのとれていない張力及び圧縮力を生成する。しかし、ファスナ300を挿入するのに適用される力に応答して、ウイング316が内方に撓められたときに、対応する対抗する実質的にバランスと取れていない張力及び圧縮力がまた生じて、挿入力を、望まれるより大幅に大きいものにする。ファスナにとっては、本発明により達成されるように、(大幅に高い)抜き取り/引き抜き力に対して、大幅に低い挿入力を示すことがより望ましい。
従来技術の平坦なヒンジ310とは対照的に、本発明の態様による各々の弧状ヒンジ412は、上面462及び下面460の各々が実質的に湾曲した平坦な表面であるという意味で弧状である。さらに、表面462及び460は同心とすることができる。表面462及び460の各対は、内方又は外方に撓むウイング410に応答して、対抗しかつ実質的によりバランスのとれた張力及び圧縮力を生成し、引き抜き又は挿入に対抗する相対的によりバランスのとれた力をもたらす。このようなバランスとは対照的に、ブリッジ414は、挿入力より引き抜き力に対抗する大幅に高い力を生成する。
弧状ヒンジ412及びブリッジ414の組み合わせにより、ファスナ400は、引き抜き力より大幅に低い挿入力を示す(ここでも、従来技術の平坦なヒンジ310とは対照的に)。ブリッジ414は、中心ポスト402の方向に向かう撓みより、該中心ポスト402から離れる方向に向かう撓みを強く抑制することによって、相対的に大きな引き抜き力のしきい値をもたらす。
ファスナ400の引き抜き力のしきい値は、下方部分424A及び424Bのビーク構成を含むことにより、さらに増加される。引き抜き力の下では、ウイング410は、外方に撓んで、下方部分424A及び424Bの遠位端464A及び464Bのそれぞれを互いに挟むか又は接触させ(収束撓みとも説明される)、この点においては、このような撓みを抑制している力が大きくなり、引き抜き力が対応して大きくなることをもたらす。
(各々のウイング410の上方部分422の)上方部品446の空隙440の方向にほぼ面する表面454(すなわち、中心ポスト402に面する側部にほぼ対向する)は、位置405と452との間で直線になる。各々の上方部品446の遠位端452は、傘面438により定められる空隙440の中に延びる。各表面454は、ファスナ400が完全に挿入されたパネル内の穴の縁に対して当接し、したがって、該各表面454は、保持表面として説明することができる。上方部品446の長軸に対してほぼ横方向の視点から見ると、どれだけの表面積が穴の縁に対して接触することが望まれるかによって、表面454は、平坦であっても湾曲されていてもよい。傘面438に対するウイング410の配置は、ファスナ400が穴の中に挿入されたときに、該傘面438を圧縮状態に維持するように寸法決めすることができる。
(各々のウイング410の上方部分422の)下方部品444の(中心ポスト402に面する表面458に対してほぼ対向する)表面456は、位置448と426との間で湾曲していてもよいし、(好ましさは少ないが)直線であってもよい。湾曲している場合には、下方部品444は、端部426及び428が中間部分からより中心ポスト402から遠くなるように凸状とすることができる。(表面456に対してほぼ対向する)各表面458は、それぞれ、対応する表面456と同心であっても平行であってもよい。下方部品444の長軸に対してほぼ横方向の視点からは、表面456は、どれだけの表面積が(パネル内の)穴の縁に対して接触することが望まれるかによって、平坦であっても湾曲していてもよい。
各表面456は、ファスナ400が部分的に挿入されるパネル内の穴の縁に対して、一時的に当接して、ウイング410が中心ポスト402の方向に一次的に撓むようにする(以下に説明される図6Bを参照されたい)。ウイング410の広がりの構成は、ファスナ400を穴の中に導き、したがって、各表面456は、案内表面として説明することができる。
ファスナ400についての幾つかの特定の例示的数値は、以下のように与えられる。各々のブリッジ414と中心ポスト402との間の広がり角度(I)は、約13.5°とすることができる。各々のウイング410の下方部品444と上方部品446との間の角度(II)は、134°とすることができる。下方部品444と中心ポスト402との間の広がり角度(III)は、約20°とすることができる。各々のウイング410の(上方部分422の上方部品446の)遠位端452から(下方部分424)の遠位端464A/464Bまでの距離は、約9.6cmとすることができる。中心ポストの遠位端406から各々のウイング410の下方部分424の遠位端464A/464Bの遠位端までの距離は、約3cmとすることができる。口470における遠位端464Aと464Bとの間のギャップは、約0.35mmとすることができる。表面456に対する位置448及び426の間の曲率半径は、約28mmとすることができる。弧状ヒンジ412に対する曲率半径は、上面462に対しては約0.65mmであり、下面460に対しては約1.4mmとすることができる。挿入力FIは、FI<(=5lbs)とすることができる。引き抜き力Fwは、(=30lbs)<Fw<(=50lbs)の範囲内とすることができる。これらは、寸法及び力の例示的な値に過ぎず、変形を考慮することができることを繰り返して記載する。
図6Aないし図6Cは、パネル604内の穴602の中に挿入されている図4の弧状ヒンジファスナ400の種々の段階を示す断面である。図6Aは、ファスナ400が穴602の方向に、挿入方向606において移動しているが、遠位端464A/464Bが該穴602の中に入る前の状態を示す。
図6Bは、ファスナ400が、パネル604がウイング410の上方部分422の下方部品444のおおよその中間点に隣接する点まで、部分的に穴602の中に挿入された状態を示す。穴602の直径は、最も広い点におけるウイング410の公称広がりより小さいものであるべきであり、図6Bに示される該ウイング410は、パネル604内の穴の縁608により内方に撓みされた状態で示されることが注記される。
低下された挿入力のしきい値の大きさを達成するために、穴602の直径は、挿入中に、該穴602の縁608が、最初に弧状ヒンジ412内の撓み位置の上の最小距離で表面456に接触するのに十分なものとする。撓み位置に対して、最小距離は、挿入方向606に対してほぼ反対方向で測定される。上で与えられた例示的な寸法及び力においては、最小距離の対応する例は、約1.0mmになる。
図6Cは、ファスナ400が穴602の中に完全に挿入された状態を示す。保持表面454が、穴602の縁608に対して当接する。傘面438の縁442は、パネル602に対して当接し、該傘面438を圧縮して、(少なくとも)障壁ではないにしても、水浸出に対する妨害物を与える。
例として、図6Cは、パネル604は、自動車におけるパネルであるという状況を表現した。この例を発展させて、トリムパネル(又はカーペット)610(想像線で示される)が、ヘッド構成436と係合する状態が示される。或いは、構造610は、配線用ハーネス、消音材料、フロアマットなどの支持構造体とすることができる。
ファスナ402は、例えば、ポリアセタール樹脂としても知られているポリオキシメチレン(“POM”)、のような好適な工学グレードのポリマーから射出成形することにより作られる単一の一体的な部品である。もちろん、ファスナ400を製造するのに他の材料を用いよもよいが、他の材料が用いられた場合には、本発明の幾つかの利点が実現されないことがある。さらに、ファスナ400は、好適なプラスチック射出成形工程を用いて製造することができ、他の製造技術を用いてもよいが、ここでも、そのような製造技術が用いられた場合には、幾つかの利点が実現されないことがあることを認識されたい。
或いは、本発明のファスナは、自動車に関連しない用途に用いることを想定することができる。さらに、ファスナは、種々の穴の形状及び材料の多数のパネルの中に挿入することができる。さらに、代替的なヘッド形状を用いることができるが、本発明の幾つかの利点が達成されないことがある。
述べられた実施形態は、本発明の例であり、したがって、本発明の要旨から離れない変形態様は、本発明の範囲内にあると意図される。このような変形態様は、本発明の精神及び範囲から離れるものであると見なされるべきではない。
従来技術によるウイング付きファスナを示す部分側面図である。 従来技術による別のウイング付きファスナを示す部分側面図である。 従来技術によるさらに別のウイング付きファスナを示す部分側面図である。 図3の拡大部分図である。 本発明の態様による弧状ヒンジウイング付きファスナの側面図を示す。 図4の拡大部分図である。 図4の弧状ヒンジファスナの横向き斜視図を示す。 パネル内の穴の中に挿入された図4の弧状ヒンジファスナの種々の段階を、部分的に断面で示す側面図である。 パネル内の穴の中に挿入された図4の弧状ヒンジファスナの種々の段階を、部分的に断面で示す側面図である。 パネル内の穴の中に挿入された図4の弧状ヒンジファスナの種々の段階を、部分的に断面で示す側面図である。
符号の説明
400:ファスナ
402:中心ポスト
406:ベース
410:ウイング
412:弧状ヒンジセグメント

Claims (17)

  1. ベース(406)と、
    前記ベースから延びる中心ポスト(402)と、
    前記中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、前記ベースから離れるように延び、各々が前記中心ポストの前記遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面(460、462)を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメント(412)と、
    前記中心ポストの前記遠位端付近の領域から離れかつ広がる方向に、前記ベースの方向に延びる少なくとも2つのウイング(410)と、
    を備え、
    前記弧状ヒンジセグメントの遠位端(418)は、前記ウイングのそれぞれに接合されたことを特徴とするファスナ(400)。
  2. 各々の弧状ヒンジセグメントの2つの弧状表面が、同心の対向表面である請求項1に記載のファスナ。
  3. 前記2つの弧状ヒンジセグメントの前記中心ポストに対する広がりの構成が、逆Y字形態を有する請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のファスナ。
  4. 前記ベースがヘッド(436)の一部であり、
    前記ヘッドが、凸状の傘面(438)を有するように配置され、
    前記傘面が、前記ウイングが該傘面により定められる空隙(440)の中に部分的に延びるように配設された請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のファスナ。
  5. ベース(406)と、
    前記ベースから延びる中心ポスト(402)と、
    前記中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、前記ベースから離れるように延び、両方が前記中心ポストの前記遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面(460、462)を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメント(412)と、
    前記中心ポストの前記遠位端付近の領域から離れ広がる方向に、前記ベースの方向に延び、それぞれが前記弧状ヒンジセグメントの遠位端(418)に接合された少なくとも2つのウイング(410)と、
    前記中心ポストの遠位端付近で該中心ポストと接合し、前記弧状ヒンジセグメントが前記ウイングのそれぞれと接合する位置に対して遠位側にあるウイングの端部(452)から延びる2つのブリッジ(414)と、
    を備えることを特徴とするファスナ(400)。
  6. 各々のブリッジセグメントが、ほぼ直線の部材を表す請求項5に記載のファスナ。
  7. 前記ファスナが、ポリマー系材料であり、前記弧状ヒンジセグメントと前記ウイングの少なくとも1つが弾性材料である請求項5ないし請求項6のいずれか1項に記載のファスナ。
  8. ベース(406)と、
    前記ベースから延びる中心ポスト(402)と、
    前記中心ポストの遠位端(406)から広がる方向に、前記ベースから離れるように延び、各々が前記中心ポストの前記遠位端から間隔をもって配設された2つの弧状表面(460、462)を有する少なくとも2つの弧状ヒンジセグメント(412)と、
    前記中心ポストの前記遠位端付近の領域から離れ広がる方向に、前記ベースの方向に延び、それぞれが前記弧状ヒンジセグメントの遠位端(418)に接合された少なくとも2つのウイング(410)と、
    を備え、
    前記弧状ヒンジセグメントと前記ウイングの少なくとも1つが弾性を有することを特徴とするポリマーファスナ。
  9. 少なくとも2つのウイングの各々が、第1部分(422)と第2部分(424)とを含み、
    各々の第2部分の近位端(428)が、それぞれの弧状ヒンジセグメントの遠位端と接合し、
    各々の第1部分が前記中心ポストから離れるように傾斜し、
    前記第2部分の前記近位端が、それぞれ、前記第1部分の近位端(426)と接合し、
    前記第2部分の各々が、前記ベースの方向に延び、かつ前記中心ポストの長軸に対してほぼ同一線上の想像線の方向に傾斜した、
    請求項8に記載のファスナ。
  10. 各第1部品が湾曲部材(444及び446)である請求項9に記載のファスナ。
  11. 前記第1部品の外面(454、474)が、前記ファスナがパネル(604)内の穴(602)の中に部分的に挿入されたときに、該パネル(604)内の穴(602)を定める縁(608)に対して当接し、
    前記第2部品の外面(456)が、前記ファスナが前記穴の中に完全に挿入されたときに、前記パネル内の穴を定める縁に対して当接する
    請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載のファスナ。
  12. 細長い第1部材(402)と、
    前記第1部材に結合され、かつ該第1部材から斜めに延びる撓み可能な第2部材(412)と、
    前記第1部材に結合され、該第1部材から斜めに延びる少なくとも1つの第3部材(410)と、
    を備え、前記第2部材と前記第3部材とが、互いに間隔をもって配設され、
    先端部領域(466)が丸い部分(464A)と凸状部分(464B)とを含み、
    ファスナが締結されていない状態にある場合には、前記丸い部分と前記凸状部分とが、互いに間隔をもって位置させられ、該ファスナの引き抜き力が該ファスナの挿入力より大きいときには、該丸い部分が該凸状部分に対して接触するようになることを特徴とするポリマーファスナ。
  13. 前記第1部材に対する前記第2部材と前記第3部材との結合が、それぞれ、これらの間における第1の種類の連結を表し、
    前記ポリマーファスナが、
    前記第1部材と前記第2部材と前記第3部材とのそれぞれの間に第2の種類の連結を作ることにより、該第2部材及び該第3部材の撓みを抑えるように作用する第1及び第2の懸架リンク(414)
    をさらに備えた請求項12に記載のポリマーファスナ。
  14. さらに前記第1部材に結合し、かつ該第1部材から斜めに延びる撓み可能な第4部材(412)
    をさらに備え、
    前記撓み可能な第2部材及び前記第4部材の各々が、前記細長い第1部材の遠位端と結合し、
    前記細長い第1部材に対する前記撓み可能な第2部材及び前記第4部材の配置が広がり形状で、逆Y字形態を有するようになった請求項12ないし請求項13のいずれか1項に記載のポリマーファスナ。
  15. シャフト(402)の二又端部(406)に対して、該二又端部まわりに撓み可能なように、
    第1の種類の連結(412)により、中間部分(420)のそれぞれが結合された少なくとも二つのウイング(410)を有し、前記ウイングには挟み具状の対応する部分(424A、424B)があり、さらに、前記シャフトと前記ウイングとの間に、第2の種類の連結のための斜め部材(414)がある形式のファスナ(400)を用いる方法であって、
    前記ファスナが、該ファスナをパネル(604)内の穴(602)の中に完全に挿入するのに必要な第1の大きさの力のしきい値を示すことと、
    前記ファスナが、完全に挿入されたファスナを、前記穴から引き抜くのに必要な前記第1の大きさより大きな第2の大きさの力のしきい値を示すこと
    からなる方法。
  16. 前記ファスナが前記穴の中に完全に挿入されているときに、ファスナ引き抜きの試みに対し、該ファスナが、前記ウイングをその位置から撓ませ始めるのに必要な第3の大きさの力のしきい値を示し、
    前記第3の大きさが、前記第1の大きさより大きいが、前記第2の大きさより小さく、
    前記ファスナが、前記ペンチが接触するのに十分な前記ウイングの撓みにより、前記第2の力を示すこと
    をさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記ファスナが、各々のウイングにおいて、パネル(604)内の穴(602)の中に部分的に挿入されたときに、該穴を定める縁(608)に対して当接する外面(454、474)と、
    前記ファスナが前記パネル内の穴の中に完全に挿入されたときに、該穴を定める縁に対して当接する外面(456)と、
    をさらに備えた請求項15ないし請求項16のいずれか1項に記載のファスナ。
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