JP2005108720A - 有機el素子用化合物および有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分に優れた発光効率および輝度を有し、しかも、駆動電圧を十分に低くすることができ、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できる有機EL素子を提供する。
【解決手段】上記課題を解決する有機EL素子100は、互いに対向して配置されている第1の電極1及び第2の電極2により、発光層10が挟持された構造を有している。発光層10は、下記一般式(1)で表される化合物を含有するものである。式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環若しくは縮合複素芳香環、を有する置換基である。
Figure 2005108720

【選択図】 なし

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子用化合物および有機EL素子に関するものである。
従来、有機EL素子に用いられる材料として1,10−フェナントロリン誘導体が知られている。この化合物誘導体は、例えば非特許文献1で提案されている4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンのように、有機化合物材料としては比較的電子移動度が高いため、有機EL素子の電子輸送層もしくは発光層のホスト材料として用いられてきた。しかしながら、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンはガラス転移温度が比較的低いために、有機EL素子に用いるには高温信頼性が低く、薄膜にした際の安定性に欠けるため、実用に耐えることができないという問題点がある。この問題点を解決するために、様々な置換基を導入した1,10−フェナントロリン誘導体が有機EL素子用化合物として提案されてきた。
例えば特許文献1では、高発光効率、高輝度の有機EL素子を提供することを意図して、有機EL素子に備えられる電子輸送層の構成材料に用いられる1,10−フェナントロリン及びその誘導体が提案されている。
さらに、特許文献2には、アルミニウムキノリノール錯体を発光層に用いた従来品よりも輝度と耐久性に優れた有機EL素子を提供することを意図して、1,10−フェナントロリンの2,9位にアリール基を導入し、そのアリール基に各種置換基を結合させたものを構成材料とした発光層を備えた有機EL素子が提案されている。
また、特許文献3では、既存の材料の応用により発光効率を高めると共に、長時間安定発光し、高輝度で色度良好な青色発光が可能なEL素子を提供することを意図して、主たる発光領域に接する部分に、1,10−フェナントロリンの4,7位にフェニル基を導入し、且つ、上記フェニル基以外に2つの置換基を導入したバソフェナントロリン誘導体を含む有機EL素子が提案されており、特許文献4にはその製造方法が開示されている。
特許文献5には、発光効率が高く、高輝度で色純度に優れた発光素子を提供することを意図して、1,10−フェナントロリン誘導体の多量体骨格を有する有機蛍光体を含む発光素子が提案されている。
さらに、特許文献6では、発光輝度を向上し長寿命化した有機EL素子の提供を意図して、1,10−フェナントロリン誘導体の二量体を含有する有機層によって構成される有機EL素子が提案されている。
特開平5−331459号公報 特開平7−82551号公報 特開2001−135482号公報 特開2001−131174号公報 特開2001−267080号公報 特開2003−123983号公報 中 茂樹(Shigeki Naka)、岡田 裕之(Hiroyuki Okada)、女川 博義(Hiroyoshi Onnagawa)、筒井 哲夫(Tetsuo Tsutsui)著、「バソフェナントロリンの高電子輸送性(High electron mobility in bathophenanthroline)」、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、アメリカン・インスティチュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2000年1月10日、第76巻,p.197
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1に記載の従来の有機EL素子について詳細に検討を行ったところ、特許文献1に記載の有機EL素子のうち、ガラス転移温度の高い1,10−フェナントロリンの誘導体を構成材料とする有機層を用いたものは、その有機層の電子輸送性が比較的低いため、優れた発光効率および輝度を示さないことを見出した。
さらに、特許文献2、3、4に記載の有機EL素子において、1,10−フェナントロリン誘導体を含有する有機層は、隣接する電極若しくはキャリア注入輸送層などの無機層との密着性が低下するため、駆動電圧が比較的高く、発光の際に比較的多くのダークスポット及び/又は輝点が生じてしまうことが明らかになった。
また、特許文献5、6に記載の有機EL素子において、1,10−フェナントロリン誘導体の多量体を含有する有機層は、電子輸送性が比較的低いため、優れた発光効率および輝度を示さないことが明らかになった。しかも、このような有機EL素子は、隣接する無機層との密着性が比較的低いために、駆動電圧が高くなる傾向にあり、発光の際に比較的多くのダークスポット及び/又は輝点が生じてしまうことも明らかになった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、十分に優れた発光効率および輝度を有し、しかも、駆動電圧を十分に低くすることができ、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できる有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、1,10−フェナントロリン誘導体の分子構造の観点から鋭意研究を重ねた結果、電子輸送性を必要とする有機層が、中心骨格の平面性を維持しつつ、しかも、窒素原子を分子の特定位置に有する1,10−フェナントロリン誘導体を含有することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されている電極間に備えられ発光層を含む1又は2以上の有機層の少なくとも1つが、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2005108720
ここで、式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオ基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シアノ基、水酸基、又は下記一般式(2)〜(4);
−COOR (2)
−COR10 (3)
−OCOR11 (4)
で表されるいずれかの基を示し、R、R、R、R、R、R、R及びRが示す各基は置換基を有していても有していなくてもよく、R、R、R、R、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環若しくは縮合複素芳香環、を有する置換基である。R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも2つの隣接する基は互いに結合或いは縮合して環を形成してもよい。
式(2)中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、Rが示す各基は置換基を有していても有していなくてもよい。
また、式(3)中、R10は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、R10が示す各基は置換基を有していても有していなくてもよい。
さらに、式(4)中、R11はアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、R11が示す各基は置換基を有していても有していなくてもよい。
このような化合物を、電子輸送性を必要とする有機層に含有させた有機EL素子は、上述した本発明の課題を解決することができる。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。但し、要因はこれらに限定されない。
1,10−フェナントロリン誘導体が優れた電子輸送性を有するのは、その中心骨格である1,10−フェナントロリン環の平面性によるものと考えられる。しかしながら、例えば特許文献1に記載されているような従来の1,10−フェナントロリン誘導体は、比較的嵩高い脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基若しくは芳香族縮合環基を置換基として導入した結果、分子全体として平面性を有しなくなったため、そのような化合物を含有する有機層の電子輸送性が低下したと推定される。これによって、従来の有機EL素子は十分に優れた発光効率及び輝度を有しないと考えられる。
また、1,10−フェナントロリン誘導体は、1,10−フェナントロリン環が有する窒素原子の作用により、その化合物を含有する有機層の隣接する無機層との密着性を高めていると考えられる。しかしながら、特許文献2、3、4に記載されているような従来の1,10−フェナントロリン誘導体は、その中心骨格である1,10−フェナントロリン環の有する窒素原子が置換基によりある程度遮蔽されてしまうと考えられる。したがって、そのような化合物を含有する従来の有機層は、隣接する無機層との十分に優れた密着性を有していないため、その有機層を備える従来の有機EL素子は、駆動電圧が高くなる傾向にあり、発光の際に比較的多くのダークスポット及び/又は輝点を生じさせるものと推定される。
さらに、特許文献5、6に記載されているような従来の1,10−フェナントロリン誘導体の多量体は、1,10−フェナントロリン環の置換基との立体反発に加え、1,10−フェナントロリン環同士の立体反発があるため、分子が三次元立体構造を有し、電子輸送性が比較的低いものと考えられる。さらには、1,10−フェナントロリン環内の窒素原子が、その近傍にある置換基もしくは他の1,10−フェナントロリン環により遮蔽されるため、その化合物を含有する有機層の隣接する無機層との密着性は低下すると考えられる。したがって、1,10−フェナントロリン誘導体の多量体は、これを含有する有機層を備える有機EL素子の発光効率及び輝度を低下させ、しかも、駆動電圧を増加させ、ダークスポットもしくは輝点を発生させると推定される。
一方、本発明の有機EL素子に用いる化合物は、1,10−フェナントロリンの置換基として環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環若しくは縮合複素芳香環を有する基を用いるため、その分子全体の平面性を失い難く、その結果、この化合物を含有した有機層は十分に優れた電子輸送性を有すると推定される。したがって、そのような化合物を、電子輸送性を要する有機層に用いた本発明の有機EL素子は、十分に優れた発光効率及び輝度を示すと考えられる。
また、本発明の有機EL素子に用いる化合物は、置換基中の複素芳香環が窒素原子を有するため、たとえその置換基によって1,10−フェナントロリン環中の窒素原子が遮蔽されることになっても、置換基中の窒素原子がこの化合物を含有する有機層の隣接する無機層との密着性を高めるものと考えられる。これによって、該化合物を含有する有機層を備えた本発明の有機EL素子は、駆動電圧を十分に低くすることができ、しかも、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できると推定される。
したがって、本発明の有機EL素子において、このような化合物を発光層、及び/又は電子注入電極と発光層との間に配置される有機層に含有させると、その作用効果を一層有効に発揮できるので好ましく、電子注入電極に隣接して配置される有機層に含有させても好ましい。
本発明の有機EL素子は、上記一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRのうち少なくとも1つが下記一般式(5)で表される基であると、上述した本発明の作用効果を一層発揮することができるので好ましい。
Figure 2005108720
ここで、式(5)中、Lは環中に窒素原子を有する複素環を有しない(n+1)価の有機基を示し、kは0又は1を示す。また、R12は単環式若しくは多環式の環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基を有する基を示し、nは1〜6の整数を示す。また、「多環式」の複素芳香環基とは、2つ以上の環が単結合により結合したものと、2つ以上の環が縮合した縮合環式の複素芳香環基と、の両方を含むものである。
このような化合物は一層優れた平面性を有するため、電子輸送性をさらに高めることができ、有機EL素子の発光効率及び輝度の向上に寄与するものと考えられる。
また、一般式(5)中、R12は、単環式若しくは多環式の、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基であると、この化合物を含有する有機層を備えた有機EL素子の駆動電圧をさらに低下でき、しかも、発光の際に発生し得るダークスポット及び輝点を一層抑制することができるので好ましい。このような1,10−フェナントロリン誘導体は、これを含有する有機層の無機層に対する密着性を高める窒素原子の、分子中に占める割合が高くなる傾向にあるので、駆動電圧の低下並びにダークスポット及び輝点の抑制に寄与できると推定される。したがって、R12が、単環式若しくは二環式の、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基であると、より好ましい。
さらに、R及び/又はRが上記一般式(5)で表される基であると、比較的容易に合成されるので好適である。
本発明によれば、十分に優れた発光効率および輝度を有し、しかも、駆動電圧を十分に低くすることができ、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できる有機EL素子を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(有機EL素子用化合物)
本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子に用いられる化合物(以下、「有機素子用化合物」という。)は、上記一般式(1)で表される1,10−フェナントロリン誘導体(以下、場合によって「化合物(1)」という。)であり、R、R、R、R、R、R、R及びR(以下、「R〜R」という。)の少なくとも1つが、上記一般式(5)で表される基(以下、場合によって置換基(5)という。)である。なお、置換基(5)が化合物(1)の1,10−フェナントロリン環に複数導入される場合は、それぞれの置換基(5)が同一であってもよく、異なっていてもよい。
〜Rとしてのアルキル基は置換基を有していてもよく、また直鎖状であっても分岐状であってもよく、その炭素数は、分子の平面性をより維持する観点から1〜6であると好ましく、1〜3であるとより好ましい。具体的には、メチル基又はエチル基などが挙げられる。同様の観点から、アルコキシ基はメトキシ基若しくはエトキシ基等であると好ましく、アルキルチオ基はメチルチオ基若しくはエチルチオ基であると好ましく、アルケニル基はエテニル基若しくは2−プロペニル基であると好ましく、アルケニルオキシ基はエテニルオキシ基若しくは2−プロペニルオキシ基であると好ましく、アルケニルチオ基はエテニルチオ基若しくは2−プロペニルチオ基であると好ましく、アラルキル基はベンジル基であると好ましく、アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ基であると好ましく、アラルキルチオ基はフェニルメチルチオ基であると好ましい。
また、R〜Rがシクロアルキル基等の後述するような環状の基を有していてもよい。該シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、分子の平面性を維持する観点からその炭素数は6〜9であると好ましく、具体的には、シクロヘキシル基若しくはメチルシクロヘキシル基等であると好ましい。同様の観点から、シクロアルコキシ基はシクロヘキシルオキシ基若しくはメチルシクロヘキシルオキシ基等であると好ましく、シクロアルキルチオ基はシクロヘキシルチオ基若しくはメチルシクロヘキシルチオ基等であると好ましく、シクロアルケニル基はエテニルシクロヘキシル基等であると好ましく、シクロアルケニルアリールオキシ基はフェノキシ基等であると好ましい。
さらに、R〜Rとしてのアリール基は置換基を有していてもよく、分子の平面性を維持する観点から、置換基を有する場合は、その置換基が炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基及び/又は環の数が1つ又は2つの芳香族炭化水素基であると好ましい。好ましいアリール基の具体例としては、トリル基、エチルフェニル基、ビフェニル基若しくはナフチルフェニル基等が挙げられる。同様の観点から、アリールオキシ基はフェノキシ基若しくはメチルフェノキシ基等であると好ましく、アリールチオ基はフェニルチオ基若しくはメチルフェニルチオ基であると好ましい。
また、R〜Rとしての、置換基を有していてもよいアミノ基は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、及び/又は環の数が1〜4の芳香族炭化水素基を有すると好ましい。さらに、分子の平面性を維持する観点から、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、及び/又は環の数が1〜2の芳香族炭化水素基を有するとより好ましく、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基若しくはジナフチルアミノ基等が挙げられる。
〜Rとしての、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は水酸基であってもよく、−COOR 基、−COR10 基もしくは−OCOR11基であってもよい。上記R、R10、R11は、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基のいすれかであってもよく、R、R11は水素原子であってもよく、R10はアミノ基であってもよい。なお、R、R10、R11が示す前記各基は置換基を有していても有していなくてもよい。
これらの置換基は、得られる有機EL素子が実用に耐えることができ、より高い発光効率及びより高い輝度を示し、駆動電圧を一層低下させることができ、しかも、発光の際のダークスポット及び輝点の発生をより抑制することができるように、選択されると好ましい。
また、上記一般式(5)で表される基が有するR12としては、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を一層抑制する観点から、単環式若しくは多環式の環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基であると好ましく、単環式若しくは二環式の、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基であるとより好ましく、1つの複素芳香環当たり1つ以上の窒素原子を有すると特に好ましい。このような化合物(1)は、その分子中に占める窒素原子の割合がより高くなるため、該化合物を構成材料とする有機層と、隣接する無機層との密着性が向上し、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を一層抑制できるものと考えられる。
さらに、R12は、発光効率及び輝度をさらに向上させ、有機層の隣接する無機層との密着性を維持する観点から、1,10−フェナントロリン環基を有しないことが好ましい。R12が1,10−フェナントロリン環基を有すると、1,10−フェナントロリン環同士の立体反発が生じるため、分子が三次元立体構造を有し、電子輸送性が比較的低くなるものと考えられる。さらには、1,10−フェナントロリン環内の窒素原子が、その近傍にある置換基もしくは他の1,10−フェナントロリン環により遮蔽されるため、その化合物を含有する有機層の隣接する無機層との密着性は低下すると考えられる。
このような複素芳香環基の例を以下の(i−1)〜(i−28)に示す。なお、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20(以下、「R13〜R20」という。)は、各複素芳香環基の間で独立である。それらR13〜R20の少なくとも1つは、化合物(1)が有するフェナントロリン環との結合に用いられるか、又はLとの結合に用いられる。それ以外のR13〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、複素環基、ハロゲン基又はシアノ基である。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
Figure 2005108720
また、kが0である上記置換基(5)の具体例を以下の(i−29)〜(i−44)に示す。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
また、置換基(5)の導入位置としては、比較的容易に合成できる観点から、R及び/又はRであると好ましい。また、R〜Rのうち、置換基(5)以外のものは、得られる有機EL素子の発光効率及び輝度を一層向上させる観点から、水素原子、フェニル基若しくはメチル基であると好ましい。
化合物(1)が有するR〜R、及びn、kの組み合わせは、上述したいずれの基の組み合わせであってもよい。また、該化合物(1)が−COOR 基、−COR10 基もしくは−OCOR11基を有する場合は、R〜R、n、k、及び、R、R10もしくはR11の組み合わせは、上述したいずれの基の組み合わせであってもよい。
それらのなかで、下記一般式(6)、(7)又は(8)で表される1,10−フェナントロリン誘導体が特に好ましい。このような化合物を含有する有機層を備えた有機EL素子は、実用に耐えうる程度の高温信頼性及び薄膜安定性を有し、一層高い発光効率及び輝度を示し、より駆動電圧を低下することができ、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を一層抑制することができる。しかも、このような化合物は比較的に容易に合成することができる傾向にあるので、大量生産に適したものである。なお、それぞれの式中、R、Rは上述したR、Rと同様である。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
Figure 2005108720
一般式(6)、(7)、(8)で表される1,10−フェナントロリン誘導体としては、それぞれの化合物におけるR、Rの組み合わせが以下の表1及び表2(No.1〜No.31)に示される組み合わせであると、上述した観点より、より好ましい。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
Figure 2005108720
Figure 2005108720
上述した本実施形態の有機EL素子用化合物は、1,10−フェナントロリンの置換基として複素芳香環を有する基を用いるため、その分子全体の平面性を失い難く、その結果、この化合物を含有した有機層は十分に優れた電子輸送性を有すると推定される。したがって、本実施形態の有機EL素子用化合物を、電子輸送性を要する有機層に用いた有機EL素子は、十分に優れた発光効率及び輝度を示すものと考えられる。
また、本実施形態の有機EL素子用化合物は、置換基中の複素芳香環が窒素原子を有するため、たとえその置換基によって1,10−フェナントロリン環中の窒素原子が遮蔽されることになっても、置換基中の窒素原子がこの化合物を含有する有機層の隣接する無機層との密着性を高めるものと考えられる。これによって、本実施形態の有機EL素子用化合物を含有する有機層を備えた有機EL素子は、駆動電圧を十分に低くすることができ、しかも、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できるものと推測される。
上述した本実施形態の有機EL素子用化合物は、Christiane O. Dietrich-Bucheckerら著、“Dicopper(I) trefoil knots and related unknotted molecular systems: influence of ring size and structural factors on their synthesis and electrochemical and excited-state properties”、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of American Chemical Society)、アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(American Chemical Society)、1993年12月1日、115巻、11237頁に記載の方法に準じて合成することができる。例えば、下記一般式(a)で表される化合物と、下記一般式(b)で表される有機リチウム試薬とを反応させて、有機金属化合物の有機基の、環中に窒素を有する複素芳香環の炭素に対する求核攻撃を生じさせて、下記一般式(c)で表される化合物を得、当該化合物から脱水素することにより下記一般式(d)で表される本実施形態の有機EL素子化合物を製造できる。ここで、脱水素反応は、例えばクロロホルム溶媒中で二酸化マンガンと(MnO)と反応させればよい。なお、一般式(a)で表される化合物は、公知の製造方法で得られる。
Figure 2005108720
ここで、式(a)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルケニルオキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シアノ基、水酸基、−COOR 基、−COR10 基、又は−OCOR11を示す。なお、R〜Rが示す各基は置換基を有していても有していなくてもよい。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を示し、R10は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、アリール基、又はアミノ基を示し、R11はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を示す。なお、R、R10、R11が示す各基は置換基を有していても有していなくてもよい。また、フェナントロリン環を構成する炭素原子に結合した置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2005108720
ここで、式(b)中、Lは環中に窒素原子を有する複素環を有しない(n+1)価の有機基を示し、kは0又は1を示す。また、R12は単環式又は多環式の環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基を有する基を示し、nは1〜6の整数を示す。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
より具体的に示すと、例えば下記一般式(e)で表される本実施形態の有機EL素子化合物(一般式(7)で表される化合物のR、Rの組み合わせが表2のNo.20に該当する化合物;以下、化合物(e)という。)は、反応スキーム(f)に対応して製造される。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
(有機EL素子)
次に、本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子について説明する。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、図1における有機EL素子100の第1の電極1と発光層10の間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図2における有機EL素子200の第2の電極2と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態(4層型有機EL)を示す模式断面
図である。図4に示す有機EL素子400は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態(5層型有機EL)を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、図4における有機EL素子400の電子注入層13と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
さらに、図示していないが、発光層として異なる構成材料(材料の種類、材料の含有割合)を含有する発光層を複数積層して設けてもよい。
なお、第1〜第5実施形態において第1の電極1は基板4上に形成されている。また、本発明の有機EL素子用化合物は、上述した発光層、電子輸送層および電子注入層の少なくとも一つに、その構成材料として含有されている。
上記実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2がそれぞれホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1実施形態においては発光層10(第2〜3実施形態ではホール輸送層11、第4〜5実施形態ではホール注入層14)に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに、発光層10(第2実施形態においても発光層10、第3実施形態では電子輸送層12、第4〜5実施形態では電子注入層13)に対して、第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて発光層中の有機EL素子用化合物が発光する。
また、発光層、ホール輸送層、電子輸送層、ホール注入層及びホール輸送層の好適な厚さは、いずれも5〜100nmである。
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
(第1の電極)
第1の電極1はホール注入電極(陽極)として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、第1の電極1に隣接する有機層にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のInに対するSnOの比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のInに対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、InとSnOとを化学量論組成で含有するが、ITOの組成をInOx・SnOyで表すとき、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO)等の透明な誘電体を添加することによ
り、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiOを添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、発光層10等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
なお、図1〜図5には、基板4上にホール注入電極を配置し、発光層10を介して基板4から遠い側に電子注入電極を配置した有機EL素子の例を示したが、ホール注入電極及び電子注入電極の位置は逆であってもよい。基板4上に電子注入電極を配置した場合、電子注入電極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、電子注入電極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
(第2の電極)
第2の電極2は電子注入電極(陰極)として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、発光層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、その膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、発光層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで発光層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、
Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換又は未置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
二価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等二価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の一級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の二級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
(発光層)
発光層10には、上述した本発明の有機EL素子用化合物を構成材料として用いることができる。このような発光層10を備える有機EL素子は、実用に耐えることができるものであり、しかも、十分に高い発光効率及び輝度を示し、さらには、駆動電圧を十分に低くすることができ、発光の際のダークスポット及び輝点の発生を十分に抑制できる。
本発明の有機EL素子用化合物を発光層10の構成材料として用いない場合、発光層には、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
具体的には、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物、或いは、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体若しくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体若しくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマー若しくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたものなどの高分子有機化合物などを挙げることができる。
また、発光層の構成材料として、ホスト材料とドーパント材料を組み合わせて用いると好ましい。比較的蛍光性の強いドーパント材料を用いることによりホスト材料の発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行することが可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。このような場合の発光層におけるドーパント材料の含有量は、ホスト材料とドーパント材料の組み合わせにより異なるが、一般的には、0.01〜30.0重量%、さらには0.1〜10重量%であることが好ましい。
ホスト材料としては、上述した化合物のうち、1,10−フェナントロリン誘導体、有機金属錯体化合物、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、さらにはスチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン誘導体などが好ましい。ドーパント材料としては、上述した化合物のうち、有機金属錯体化合物、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、さらにはスチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン誘導体、あるいはキナクリドン、クマリン、DCM及びそれらの誘導体が好ましい。
発光層は、必要に応じて、少なくとも1種以上のホール輸送性化合物と少なくとも1種以上の電子輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、この混合層中にドーパントを含有させるとより好ましい。混合層では、キャリアのホッピング伝導パスが生成し、各キャリアは極性的に優勢な物質中を移動するので、逆方向のキャリア注入は起こり難くなると考えられる。これにより、発光層を構成する有機材料が損傷を受け難くなるので、有機EL素子の駆動寿命が延びるという利点がある。特に本発明に用いる有機EL素子用化合物は、電子注入に対して安定であるため、混合層の電子輸送性材料として好適に用いることができる傾向にある。
混合層に用いるホール輸送性化合物及び電子輸送性化合物としては、1,10−フェナントロリン誘導体、有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテンなどの芳香族炭化水素化合物またはこれらの誘導体を用いると好ましい。ホール輸送性化合物としては、強い蛍光を有するアミン誘導体を用いても好ましく、そのようなアミン誘導体としては、例えば、トリフェニルジアミン誘導体、スチリルアミン誘導体若しくは芳香族縮合環を有するアミン誘導体が挙げられる。
この場合のホール輸送性化合物と電子輸送性化合物との好ましい混合比は、それぞれのキャリア移動度及びキャリア濃度により異なるが、一般的には、ホール輸送性化合物と電子輸送性化合物との混合比(質量比)が、1:99〜99:1であると好ましく、10:90〜90:10であるとより好ましく、20:80〜80:20程度であると更に好ましい。
(ホール輸送層)
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いて
もよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層には、上述した本発明の有機EL素子用化合物を構成材料として用いることができる。このような電子輸送層を備える有機EL素子は、実用に耐えることができるものであり、しかも、十分に高い発光効率及び輝度を示すものである。
本発明の有機EL素子用化合物を電子輸送層の構成材料として用いない場合、電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。
特に、後述する電子注入層の構成材料として、本発明の有機EL素子用化合物を用いる際に、その有機EL素子が、本発明の有機EL素子用化合物以外の電子輸送材料を電子輸送層の構成材料として用いた電子輸送層を備えると好ましい。このような有機EL素子は寿命を一層向上できる傾向にある。
上述した電子輸送層の構成材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ホール注入層)
ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層には、上述した本発明の有機EL素子用化合物を構成材料として用いることができる。このような電子注入層を備える有機EL素子は、実用に耐えることができるものであり、しかも、十分に高い発光効率及び輝度を示すものである。
本発明の有機EL素子用化合物を電子注入層の構成材料として用いない場合、電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造でき、有機層の形成方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて適宜選択して採用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[有機EL素子用化合物の合成]
<2−(4−ブロモフェニル)ピリジンの合成>
まず、窒素気流の下、シュレンク管に4−ブロモフェニルボロン酸6g、2−ブロモピリジン24g、Pd(PPh1gを秤取した。続いて、溶媒としてエタノール20cm、トルエン60cmを秤取した。そこへ予め調製しておいた2Mの炭酸ナトリウム水溶液を40cm添加して、80℃で3時間反応させた。反応後のものを500cmの飽和食塩水にて洗浄し、トルエン層を分離させた後、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。そして溶媒をエバポレータにて除去後、ブロモピリジンを減圧留去した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製を行い、2−(4−ブロモフェニル)ピリジン4g(白色固体)を得た。
<化合物(e)の合成>
上記2−(4−ブロモフェニル)ピリジン1.3gを乾燥THF40cmに溶解させ、-78℃に冷却した。次いで、そこへ1.6Mのn−ブチルリチウム(ヘキサン溶液)を3.5cm秤量し、静かに投入した。1時間後、さらに4,7‐ジフェニル−1,10‐フェナントロリン1.8gを粉体のまま投入した。そして3時間後、少量の蒸留水を添加して反応を終了させた。溶媒をエバポレータにて除去後、適当量のジクロロメタンにて溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、水分及び無機塩を取り除いた。続いて、再び溶剤をエバポレータにて除去し、黄白色固体を得た。
次に、得られた黄白色固体を100cmのクロロホルムに溶解させ、二酸化マンガン8gを投入した。この溶液を30分間攪拌した後、濾過により二酸化マンガンを除去した。次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタンとTHFの混合溶媒)を用いて上記溶液の精製を行った。溶剤をエバポレータにて留去後、白色固体を得た。この白色固体を再沈澱(ジクロロメタン/エーテル)により精製し、化合物(e)(白色粉末)を得た。この化合物(e)の構造解析をGC−MSにより行い、m/z=484のフラグメントピークを確認した。
<化合物(g)の合成>
2−(4−ブロモフェニル)ピリジンの量を3.9gとした以外は化合物(e)と同様の方法で合成、精製を行い下記式(g)で表される化合物(以下、化合物(g)という。)を得た。
Figure 2005108720
[電子輸送性の評価試験]
有機層が有する電子輸送性(電子注入性)の評価は、図10に示すような単層型素子600、すなわち評価対象の有機層63を基板1上のホール注入電極62と、保護電極65を備えた電子注入電極64で挟んで得られる素子の電圧−電流特性を測定することにより行った。一般に、フェナントロリン誘導体は、イオン化ポテンシャルが6eV以上と比較的大きいために、ITOをホール注入電極62として用いた場合には、ホール注入に対する障壁が大きく、有機層63にはホールがほとんど注入されず、比較的電子注入障壁の小さい電子注入電極64から有機層63へ注入される電子が素子を流れる電流の大部分を占めると考えられる。したがって、このような測定方法を用いた結果、電流に対する電圧が比較的大きくなる場合には、有機層63の電子輸送性が小さい、及び/又は電子注入電極64から有機層63への電子注入の障壁が比較的大きくなっていると考えられる。
まず、厚さ100nmのITO透明電極(ホール注入電極)を有するガラス基板を、中性洗剤、純水を用いて超音波洗浄し、乾燥した。次いで、その透明電極の表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置(VPC−410、真空機工株式会社、商品名)の基板ホルダーに固定して、1×10−4Pa以下まで減圧した。そして、その上に、減圧状態を保ったまま、化合物(e)を蒸着速度0.1nm/秒で200nmの厚さに蒸着した。次いで、LiFを蒸着速度0.01nm/秒で0.3nmの厚さに蒸着して電子注入陰極とし、さらに保護電極としてAlを150nmの厚さに蒸着することにより、後述する実施例1の有機EL素子に対応する単層型素子を得た。この単層型素子に直流電圧を印可したところ、10.1Vで10mA/cmの電流が流れた。
また、化合物(e)を蒸着する代わりに化合物(g)を蒸着した以外は、実施例1の有機EL素子に対応する単層型素子の製造方法と同様にして、後述する実施例2の有機EL素子に対応する単層型素子を得た。この単層型素子に直流電圧を印可したところ、10.5Vで10mA/cmの電流が流れた。さらに、この単層型素子を乾燥アルゴン雰囲気下で1週間静置した後、再度直流電圧を印可したところ、10.8Vで10mA/cmの電流が流れた。
さらに、化合物(e)を蒸着する代わりに4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを蒸着した以外は、実施例1の有機EL素子に対応する単層型素子の製造方法と同様にして、従来の有機EL素子に対応する単層型素子を得た。この単層型素子に直流電圧を印可したところ、9.8Vで10mA/cmの電流が流れた。さらに、この単層型素子を乾燥アルゴン雰囲気下で1週間静置したところ、有機層が結晶化していることが確認された。
また、化合物(e)を蒸着する代わりに下記式(h)(以下、化合物(h)という。)で表される化合物を蒸着した以外は、実施例1の有機EL素子に対応する単層型素子の製造方法と同様にして、後述する比較例1の有機EL素子に対応する単層型素子を得た。この単層型素子に直流電圧を印可したところ、16.7Vで10mA/cmの電流が流れた。さらに、この単層型素子を乾燥アルゴン雰囲気下で1週間静置した後、再度直流電圧を印可したところ、17.8Vで10mA/cmの電流が流れた。
Figure 2005108720
さらに、化合物(e)を蒸着する代わりに下記式(j)(以下、化合物(j)という。)で表される化合物を蒸着した以外は、実施例1の有機EL素子に対応する単層型素子の製造方法と同様にして、後述する比較例2の有機EL素子に対応する単層型素子を得た。この単層型素子に直流電圧を印可したところ、13.7Vで10mA/cmの電流が流れた。さらに、この単層型素子を乾燥アルゴン雰囲気下で1週間静置した後、再度直流電圧を印可したところ、14.2Vで10mA/cmの電流が流れた。
Figure 2005108720
(実施例1)
厚さ100nmのITO透明電極(ホール注入電極)を有するガラス基板を、中性洗剤、純水を用いて超音波洗浄し、乾燥した。次いで、その透明電極の表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置(VPC−410、真空機工株式会社、商品名)の基板ホルダーに固定して、1×10−4Pa以下まで減圧した。次に、減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル−(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを蒸着速度0.1nm/秒で80nmの厚さに蒸着し、ホール注入層とした。
続いて、 N,N’−ジフェニル− N,N’−ジナフチル−ベンジジンを蒸着速度0.1nm/秒で15nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、下記式(k)で表される化合物(以下、化合物(k)という。)と下記式(l)で表される化合物(以下、化合物(l)という。)とを99:1の質量比で、全体の蒸着速度0.1nm/秒として40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
Figure 2005108720
Figure 2005108720
次に、減圧状態を保ったまま、化合物(k)を蒸着速度0.1nm/秒で25nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、化合物(e)を蒸着速度0.1nm/秒で5nmの厚さに蒸着し電子注入層とした。次いで、LiFを蒸着速度0.01nm/秒で0.3nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、さらに保護電極としてAlを150nm蒸着することにより、実施例1の3層型有機EL素子を得た。
この実施例1の有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ、駆動電圧5.5V、10mA/cmで625cd/mの発光(発光極大波長λmax=605nm)が確認され、ダークスポットおよび輝点のない均一な発光面が得られた。また、この素子に、50mA/cmの一定電流を流し連続発光させたところ、初期輝度は3200cd/m、初期駆動電圧は6.7Vであり、輝度半減時間は3000時間であった。輝度半減時の駆動電圧は7.5Vであり、その発光面は図6の発光部を拡大した光学顕微鏡写真に示すように、ダークスポットの成長がほとんど認められなかった。
(実施例2)
化合物(e)を蒸着し電子注入層とする代わりに、化合物(g)を蒸着し電子注入層とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の3層型有機EL素子を得た。
この実施例2の有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ、駆動電圧5.9V、10mA/cmで595cd/mの発光(発光極大波長λmax=605nm)が確認され、ダークスポットおよび輝点のない均一な発光面が得られた。また、この素子に、50mA/cmの一定電流を流し連続発光させたところ、初期輝度は3100cd/m、初期駆動電圧は7.1Vであり、輝度半減時間は3000時間であった。輝度半減時の駆動電圧は7.9Vであり、その発光面は図7の発光部を拡大した光学顕微鏡写真に示すように、ダークスポットの成長がほとんど認められなかった。
(比較例1)
化合物(e)を蒸着し電子注入層とする代わりに、化合物(h)を蒸着し電子注入層とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の3層型有機EL素子を得た。
この比較例1の有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ、駆動電圧7.8V、10mA/cmで565cd/mの発光(発光極大波長λmax=605nm)が確認され、発光面にダークスポットおよび輝点が確認された。また、この素子に、50mA/cmの一定電流を流し連続発光させたところ、初期輝度は2830cd/m、初期駆動電圧は9.3Vであり、輝度半減時間は1000時間であった。輝度半減時の駆動電圧は13.3Vであり、その発光面は図8の発光部を拡大した光学顕微鏡写真に示すように、ダークスポットの顕著な成長が認められた。
(比較例2)
化合物(e)を蒸着し電子注入層とする代わりに、化合物(j)を蒸着し電子注入層とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の3層型有機EL素子を得た。
この比較例2の有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ、駆動電圧6.9V、10mA/cmで588cd/mの発光(発光極大波長λmax=605nm)が確認され、初期輝度は2920cd/m、初期駆動電圧は8.4Vであり、輝度半減時間は1200時間であった。輝度半減時の駆動電圧は13.1Vであり、その発光面は図9の発光部を拡大した光学顕微鏡写真に示すように、ダークスポットの顕著な成長が認められた。
第1実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第3実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第4実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第5実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 実施例1に係る有機EL素子の発光面を示す光学顕微鏡写真である。 実施例2に係る有機EL素子の発光面を示す光学顕微鏡写真である。 比較例1に係る有機EL素子の発光面を示す光学顕微鏡写真である。 比較例2に係る有機EL素子の発光面を示す光学顕微鏡写真である。 有機層の電子輸送性の評価試験に用いた単層型素子の模式断面図である。
符号の説明
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、10…発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、100…第1実施形態に係る有機EL素子、200…第2実施形態に係る有機EL素子、300…第3実施形態に係る有機EL素子、P…電源。

Claims (8)

  1. 互いに対向して配置されている電極間に備えられ発光層を含む1又は2以上の有機層の少なくとも1つが、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機EL素子。
    Figure 2005108720
    [式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオ基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アミノ基、シアノ基、水酸基、又は下記一般式(2)〜(4);
    −COOR (2)
    (式(2)中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、Rが示す前記各基は置換基を有していても有していなくてもよい。)
    −COR10 (3)
    (式(3)中、R10は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、R10が示す前記各基は置換基を有していても有していなくてもよい。)
    −OCOR11 (4)
    (式(4)中、R11はアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又はアミノ基を示し、R11が示す前記各基は置換基を有していても有していなくてもよい。)
    で表されるいずれかの基を示し、R、R、R、R、R、R、R及びRが示す前記各基は置換基を有していても有していなくてもよく、R、R、R、R、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環若しくは縮合複素芳香環、を有する置換基である。R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも2つの隣接する基は互いに結合或いは縮合して環を形成してもよい。]
  2. 前記一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは下記一般式(5)で表される基であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
    Figure 2005108720
    (式(5)中、Lは環中に窒素原子を有する複素環を有しない(n+1)価の有機基を示し、kは0又は1を示す。また、R12は単環式若しくは多環式の環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基を有する基を示し、nは1〜6の整数を示す。)
  3. 前記R12は、単環式若しくは二環式の、環中に少なくとも1つの窒素原子を有する複素芳香環基であることを特徴とする請求項2記載の有機EL素子。
  4. 前記R及び/又はRが前記一般式(5)で表される基であることを特徴とする請求項請求項2又は3に記載の有機EL素子。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物を含有する前記有機層が、前記発光層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物を含有する前記有機層が、前記電極のうちの電子注入電極と前記発光層との間に配置される有機層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  7. 前記一般式(1)で表される化合物を含有する前記有機層が、前記電極のうちの電子注入電極に隣接して配置される有機層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記一般式(1)で表される化合物を含有する前記有機層が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、それらの金属の酸化物、及びそれらの金属のハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素又は化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子。
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