JP5032788B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は有機EL素子に係り、より詳細には、互いに発光波長の異なる複数の発光層を備えた有機EL素子に関する。
近年、表示装置として、薄型、低電力消費等といった優れた特性を有する有機EL素子の研究が盛んに行われている。その中で最近、互いに発光波長の異なる複数の発光層を備えた有機EL素子についての研究も行われている。このような構成の有機EL素子においては、有機EL素子からの発光色は、各発光層の発光強度比に依存する。ところが、このような発光強度比を調整することは決して容易ではなく、そのため、発光強度比の調整について種々の研究がなされている。例えば、下記特許文献1には、互いに接している複数の発光層のそれぞれを、電子輸送材料とホール輸送材料との混合物を含む混合層で構成し、電子輸送材料とホール輸送材料との混合比率を変えることにより、発光強度比の調整、すなわち発光色の制御をすることが提案されている。
一方、下記特許文献2には、複数の発光層の間に、電子輸送性が高くホール輸送性の低い材料を含むキャリア再結合領域制御層を設け、この層の厚さを調整することにより、有機EL素子の発光色を制御することが提案されている。
特開2001−52870号公報 特開平8−78163号公報
しかしながら、上記特許文献1の有機EL素子は、以下に示す問題点を有していた。すなわち、上記特許文献1では、複数の発光層が互いに接しているために、その界面でエネルギー移動が起こり、互いに接している発光層のうち短波長で発光する層の励起エネルギーが長波長で発光する層へと移動してしまう。この結果、長波長側の発光強度が大きくなり、短波長側の発光強度が小さくなるため、短波長側の発光強度を大きくすることができない。このように、特許文献1に記載の有機EL素子では、発光し得る色の波長が狭い範囲に限られてしまい、種々の色の光を発することができないという問題が生じていた。
また、上記特許文献2の有機EL素子にあっても、キャリア再結合領域制御層が薄い場合は特許文献1の場合と同様にエネルギー移動が起こるため、同様の問題が生じてしまう。キャリア再結合領域制御層に電子輸送性が高くホール輸送性が低い材料を用いているため、この層が厚い場合は、陰極に近い側の発光層にホールが注入できなくなる傾向がある。その結果として、ホールと電子との再結合が陽極に近い側の発光層に偏って起こるため、陰極に近い側の発光層を強く光らせることができなくなる。よって種々の発光色を実現させることはやはり困難であった。
そこで本発明は、発光層間のエネルギー移動が十分なレベルまで低減され、再結合領域の制御が可能で、種々の発光色を実現できる有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、発光領域制御層を設けること、そして、その発光領域制御層を特定の材料で構成させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一対の電極とこれらの電極間に配置された有機層とを備える有機EL素子であって、有機層が、少なくとも1つの非発光性の発光領域制御層と、発光領域制御層を挟持するように設けられ且つ互いに発光波長の異なる複数の発光層とを備えており、発光領域制御層は、ホール輸送材料と電子輸送材料とを含有する層である、有機EL素子を提供する。
本発明における「非発光性の発光領域制御層」は、必ずしも全く発光しない発光領域制御層を意味するものではなく、発光色の制御を妨げない程度の発光であれば十分に許容しうる。このような発光領域制御層を用いることにより、各発光層の発光比率を制御して所望の発光色を得ることができるようになる。ここで、発光色の制御を妨げない程度の発光とは、発光領域制御層の発光ピーク強度が、発光層の発光ピーク強度(発光ピークが発光層により異なる場合は、最大の発光ピーク強度)に対して、10%以下である発光を示し、5%以下である発光が好ましい。極めて良好な発光色の制御が可能となるという理由から、発光領域制御層の発光ピーク強度が、発光層の発光ピーク強度に対して、1%以下であることが特に好ましい。
発光領域制御層におけるホール輸送材料と電子輸送材料との比率は任意でよく、質量比で言えば、ホール輸送材料が0質量%超100質量%未満、電子輸送材料が0質量%超100質量%未満であればよい。ホール輸送材料の質量(M)と電子輸送材料の質量(M)との比は、M:M=1:99〜99:1が好ましく、5:95〜95:5がより好ましく、10:90〜90:10が更に好ましく、15:85〜75:25にすると特によい。また、発光領域制御層は、非発光性である限りにおいては、ホール輸送材料と電子輸送材料以外にキャリア輸送を制御するためのトラップ性物質、構成材料の劣化を抑制するための酸素クエンチャーなどの補助物質を含んでいてもよいが、含んでも良い補助物質としては発光領域制御層に隣接する発光層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物よりも大きいHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有するものであることが好ましい。この場合において、これらの化合物の含有量は、発光領域制御層の全質量を基準として、50%以下が好ましい。また、発光領域制御層の膜厚は、両側に隣接する発光層間のエネルギー移動を抑制でき、かつ発光層に供給されるホールと電子の比率を制御できる膜厚であれば特に限定されないが、1nm〜50nmであることが好ましく、5nm〜20nmであることが特に好ましい。発光領域制御層の膜厚が5nm未満ではホールと電子の比率を制御するのが難しくなり、1nm未満になると発光層間のエネルギー移動が抑制できなくなる場合がある。また、発光領域制御層が50nm超である場合には発光層で再結合するべきホールと電子が発光領域制御層内で再結合して失活し得るため、素子の効率が低くなる傾向がある。
本発明の有機EL素子は、上記構成の発光領域制御層を備えているために、この層を挟持するように配置された発光層の間のエネルギー移動を防止することが可能となる。また、これに加えそれぞれの発光層で起こる再結合の比率を自在に制御することもできるようになる。
したがって、本発明の有機EL素子によれば、種々の発光色を実現することができる。ここで、上記のような有機EL素子がこのような効果を奏することができる理由については、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らはその理由の1つを以下のように考えている。
すなわち、電子輸送性が高くホール輸送性の低い材料を含むような層を発光領域制御のために用いた場合には、一対の電極のうち陽極として機能する電極から注入されたホールがこの層でブロックされやすい。このようにホールがブロックされてしまうと、陰極として機能する電極側の発光層に十分にホールを供給することができず、陰極として機能する電極側の発光層でホールと電子とを十分に再結合させることが困難となる。このため、発光層間でのエネルギー移動は抑制できるが、陽極側の発光層からの発光のみが強くなり、陽極側と陰極側の発光層からの発光を所望の比率で制御するは困難となる。また、発光領域制御のために用いる層が薄い場合には、ホールが陰極側の発光層にも十分供給され、両発光層で再結合を起こさせることができるが、その反面、発光層間でのエネルギー移動が起こりやすくなり、両発光層のうち長波長で発光する側の発光層のみが強く発光し、やはり種々の発光色を実現することが困難となる。
これに対し、本発明の有機EL素子では、発光領域制御層が形成されており、その層がホール輸送材料と電子輸送材料とを含有する層であるため、一対の電極のうち陽極として機能する電極から注入されたホール及び陰極として機能する電極から注入された電子がブロックされにくい。このため、電子及びホールが発光領域制御層をスムーズに通過することが可能となり、その結果、発光領域制御層がエネルギー移動を制御するのに十分な膜厚を有していても、両発光層に十分な電子とホールとをバランスよく供給し、再結合させることができる。また、発光領域制御層のホール輸送材と電子輸送材の混合比率を変えることで、両発光層での再結合比率を制御できるため、種々の発光色を実現することができる。
また、本発明は、一対の電極とこれらの電極間に配置された有機層とを備える有機EL素子であって、上記有機層が、少なくとも1つの発光領域制御層と、上記発光領域制御層を挟持するように設けられ且つ互いに発光波長の異なる複数の発光層とを備えており、上記発光領域制御層は、ホール輸送材料と電子輸送材料とを含有する層であり、上記発光領域制御層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物が、上記発光層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物よりも大きいHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する、有機EL素子を提供する。
このような構成の有機EL素子によっても、種々の発光色を実現できる。この理由としては、発光領域制御層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物が、発光層を構成する材料のうちの最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物よりも大きいHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有することにより、発光層から発光領域制御層へのエネルギー移動が防止されることが挙げられる。
上記ホール輸送材料は、発光領域制御層におけるホール輸送性を高くする観点から、芳香族アミン化合物及び/又は含硫黄複素環化合物を含むことが好ましい。また高いホール輸送性と低い電子輸送性、大きなHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有していることから、上記ホール輸送材料の少なくとも1種が芳香族アミン化合物であることがより好ましい。さらに、結晶性が低く、ガラス転移温度を有する場合はその温度が高いため安定な薄膜が得られ、芳香族アミン化合物の中でも特に高いホール輸送性を有していることから、芳香族アミン化合物は、下記式(I)で表されるテトラアリールジアミン誘導体であることが好ましい。
Figure 0005032788
[式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立にアリール基、フルオレン基、カルバゾリル基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、R,Rはそれぞれ独立にアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子を示し、r1〜r4はそれぞれ0又は1〜5の整数を示し、r5,r6はそれぞれ0又は1〜4の整数を示す。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つはアリール基であり、r1〜r4の合計は1以上である。]
上記電子輸送材料としては、発光領域制御層における電子輸送性を高める観点から、縮合環炭化水素化合物、含窒素複素環化合物、含窒素複素環金属錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。また上記電子輸送材料の少なくとも1種は、縮合環炭化水素化合物であることがより好ましい。
さらに上記縮合環炭化水素化合物は、純青領域の短波長のエネルギー移動を抑制するのにも十分であり、かつキャリア輸送に対する障壁となり難いHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有するため、アントラセン誘導体であることが好ましく、アントラセン誘導体は、比較的結晶性が低く、かつ比較的高いガラス転移温度を有しているために安定かつ均一な薄膜を形成できることから、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005032788
[式(II)中、A101は置換基を有していてもよいモノフェニルアントリル基又は置換基を有していてもよいジフェニルアントリル基を示す。nは1又は2であり、nが1である場合にはLは水素原子、nが2である場合にはLは単結合又は2価の連結基を示す。なお、nが2である場合にはA101はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
また上記縮合環炭化水素化合物は、高いキャリア移動度を有し、キャリア輸送に対する障壁が非常に低いため有機EL素子の駆動電圧を低く抑えることができるため、ナフタセン誘導体であることも好ましく、ナフタセン誘導体は、比較的結晶性が低く、かつ比較的高いガラス転移温度を有しているために安定かつ均一な薄膜を形成できることから、下記式(IIIa)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005032788
[式(IIIa)中、Q10、Q20、Q30、Q40、Q50、Q60、Q70、Q80、Q110、Q120、Q130及びQ140はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基又はアラルキル基を示す。]
上記含窒素複素環化合物は、電子輸送性が非常に高く、かつホール輸送性が低いという理由から、フェナントロリン誘導体であることが好ましい。
青色から赤色までの所望の発光が高い効率で得られ、かつ連続駆動寿命と耐熱性が確保でき、さらには低電圧で駆動できるため、上記発光層は、上記式(I)及び(II)で表される化合物、下記式(IIIb)で表されるナフタセン誘導体、下記式(IV)で表されるスチリル系アミン化合物、下記式(V)で表されるジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン誘導体、及び下記式(VI)で表される含窒素複素環金属錯体のうち少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005032788
[式(IIIb)中、T10、T20、T30、T40、T50、T60、T70、T80、T110、T120、T130及びT140はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、複素環基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示す。]
Figure 0005032788
Figure 0005032788
Figure 0005032788
[式(IV)中、R31は上記式(11)で表される基を示し、R32は上記式(12)で表される基を示し、m1は0又は1〜2の整数、m2は1〜3の整数を示し、m1+m2は3である。m1が2である時、R31はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、m2が2又は3である時、R32はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。式(11)中、R65は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、又は置換基を有していてもよいアリールアミノアリール基を示し、v2は0又は1〜5の整数を示す。式(12)中、R61は、水素原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R62及びR63は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアルケニル基を示し、R66及びR67はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を示し、v3及びv4は、それぞれ独立に、0又は1〜4の整数を示し、v5は0又は1を示す。]
Figure 0005032788
[式(V)中、Z〜Z、Z〜Z16、Z19及びZ20は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニルチオ基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、シアノ基、水酸基、−COOR100基(基中、R100は水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を示す)、−COR200基(基中、R200は水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、あるいはアミノ基を示す)、あるいは−OCOR300(基中、R300は置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を示す)を示し、さらに、Z〜Z、Z〜Z16、Z19及びZ20から選ばれる2つ以上の隣接する基は互いに結合あるいは縮合して、置換している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素環式脂肪族環、芳香族環、あるいは縮合環を形成していてもよい。]
Figure 0005032788
上記発光層は、キャリア移動度が高いために駆動電圧を低くすることができるという理由から、上記式(I)、(II)、(IIIb)又は(VI)で表される化合物のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。特に、青色発光を得るためにはHOMO−LUMO間エネルギーギャップが大きいため(I)又は(II)で表される化合物のうち少なくとも2種を含むことが好ましい。また、緑色から赤色発光を得るためには上記式(I)、(II)、(IIIb)又は(VI)で表される化合物を含むことも好ましいが、比較的高効率HOMO−LUMO間エネルギーギャップが小さい上記式(IIIb)、(VI)で表される化合物を含むことが特に好ましい。
また上記発光層は、素子の電気的特性及び安定性を変化させることなく種々の発光色が得られるという理由から、上記式(I)、(II)、(IIIb)又は(VI)で表される第1の化合物、及び上記式(IIIb)、(IV)又は(V)で表される第2の化合物をそれぞれ少なくとも1種含むことも好ましい。この場合、第1の化合物をホスト物質、第2の化合物を発光ドーパント物質として混合したドーピング発光層を形成することが好ましい。ここでホスト物質とは発光層の組成の多くの部分を占め、主にキャリアの輸送物質としての機能、再結合中心としての機能、及び再結合エネルギーをドーパントに伝播する機能を有する物質を意味する。発光ドーパント物質とはホスト物質に比べて発光層中での含有量が低く、キャリアをトラップする機能、再結合中心としての機能、ホスト物質から再結合エネルギーを受け取って励起状態となり発光する機能を有する物質を意味する。ホスト物質に対するドーパント物質の含有量は、ホストの再結合エネルギーを受け取るために十分な量であり、かつ濃度消光を起こさない程度に少ない量であれば特に限定されないが、重量比で0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。また、青色もしくはシアン色発光層を得るためにはホスト物質として上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を少なくとも1種を含み、発光ドーパント物質として、上記式(IV)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましく、緑色発光層を得るためにはホスト物質として上記式(I)及び/又は(VI)で表される化合物を少なくとも1種含み、発光ドーパント物質として(IIIb)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましく、赤色発光層を得るためにはホスト物質として上記式(I)及び/又は(IIIb)で表される物質を少なくとも1種含み、発光ドーパント物質として上記式(V)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。また、イエロー発光層を得るためにはホスト物質として上記式(I)、(II)、(VI)で表される化合物を少なくとも1種含み、発光ドーパントとして上記式(IIIb)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
また上記発光層は、青色から赤色までの広い波長領域の発光が得られるという理由から、上記発光領域制御層を挟んだ複数の異なった発光層が、それぞれ、上記式(IIIb)、(IV)及び(V)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することが好ましい。但し、上記1種又は2種以上の化合物は、前記異なった発光層毎に異なる。
上記発光層は、所望の発光色が得られるという観点から、青色発光する層と、緑色発光する層と、赤色発光する層とをそれぞれ少なくとも1層含むことが好ましい。
上記発光層はまた、所望の発光色が得られるという観点から、シアン色発光する層と黄色発光する層とをそれぞれ少なくとも1層含むことも好ましい。
上記発光層の数は、2層以上であり、2層又は3層が好ましいがそれに限定されるものではない。
本発明は、また、有機EL素子の発光色の制御方法であって、
一対の電極とこれらの電極間に配置された有機層とを備える有機EL素子について、
上記有機層として、少なくとも1つの非発光性の発光領域制御層と、上記発光領域制御層を挟持する互いに発光波長の異なる複数の発光層と、を形成し、
上記発光領域制御層には、ホール輸送材料と電子輸送材料とを含有させ、
上記発光領域制御層中の上記ホール輸送材料と上記電子輸送材料の比を変化させる方法、を提供する。
本発明は、さらに、有機EL素子の発光色の制御方法であって、
一対の電極とこれらの電極間に配置された有機層とを備える有機EL素子について、
上記有機層として、少なくとも1つの非発光性の発光領域制御層と、上記発光領域制御層を挟持する互いに発光波長の異なる複数の発光層と、を形成し、
上記発光領域制御層には、ホール輸送材料と電子輸送材料とを含有させ、
上記発光領域制御層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物が、上記発光層を構成する材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有する化合物よりも大きいHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有するようにして、
上記発光領域制御層中の上記ホール輸送材料と上記電子輸送材料の比を変化させる方法、を提供する。
上述した制御方法により、発光色が制御された有機EL素子を得ることができる。
本発明によれば、発光層間のエネルギー移動の抑制と再結合領域の制御を両立させ、種々の発光色を実現できる有機EL素子が提供される。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔第1実施形態〕
まず本発明の有機EL素子の第1実施形態について説明する。図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、第1実施形態に係る有機EL素子100は、基板4を有し、基板4の一面上に第1の電極1、有機層5、及び第2の電極2を順次積層した構成を有するものである。第1の電極1と第2の電極2との間には、電源Pによって電圧を印加可能となっている。
有機層5は、第1の電極1側から、第1の発光層10a、非発光性の発光領域制御層15、第2の発光層10bを順次積層して構成されている。すなわち、第1の発光層10a及び第2の発光層10bは、発光領域制御層15を挟持するように設けられている。また第1の発光層10a、第2の発光層10bは、互いに発光波長の異なる層となっている。さらに、発光領域制御層15は、ホール輸送材料及び電子輸送材料の混合物を含む。このような有機EL素子100によれば、種々の発光色を実現できる。
以下、発光領域制御層15、第1の発光層10a、第2の発光層10bについて詳細に説明する。
<発光領域制御層>
まず発光領域制御層15について説明する。
発光領域制御層15は、上述したように、ホール輸送材料及び電子輸送材料の混合物を含む。
(ホール輸送材料)
上記ホール輸送材料は、ホール輸送性を有するものであれば特に制限されないが、ホール輸送材料としては、例えば芳香族アミン化合物、含硫黄複素環化合物が挙げられる。これらのうち、芳香族アミン化合物が、高いホール輸送性と低い電子輸送性、大きなHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有しているという理由から、好ましい。
上記芳香族アミン化合物は、結晶性が低く、ガラス転移温度が高いため安定な薄膜が得られ、芳香族アミン化合物の中でも特に高いホール輸送性を有しているという理由から、下記式(I)で表されるテトラアリールジアミン誘導体であることが好ましい。
Figure 0005032788
式(I)について説明すると、R〜Rは、それぞれ独立にアリール基、フルオレン基、カルバゾリル基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、R〜Rのうちの少なくとも1つはアリール基である。r1〜r4は、それぞれ0又は1〜5の整数であり、r1〜r4は同時に0になることはない。従って、r1〜r4の合計は1以上である。R及びRは、それぞれ独立にアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示す。r5及びr6は、それぞれ0又は1〜4の整数である。
〜Rで表されるアリール基としては、単環もしくは多環のものであってよく、縮合環も含まれる。総炭素数は6〜20のものが好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
〜Rで表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基等が挙げられ、特にホール輸送性が高く、HOMO−LUMO間エネルギーギャップが大きいという理由から、フェニル基が好ましい。
〜Rで表されるアルキル基としては、直鎖状でも分岐を有するものであってもよい。上記アルキル基は、ホール輸送性と蒸着成膜が容易であるという理由から、炭素数1〜10のものが好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としてはアリール基の場合と同様のものが挙げられる。
〜Rで表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、(n−,i−)プロピル基、(n−,i−,s−,t−)ブチル基等が挙げられる。
〜Rで表されるアルコキシ基としては、アルキル部分の炭素数1〜6のものが好ましく、その具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。アルコキシ基はさらに置換されていてもよい。この場合の置換基としてはアリール基と同様のものが挙げられる。
〜Rで表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−(t−ブチル)フェノキシ基等が挙げられる。
〜Rで表されるアミノ基としては、無置換でも置換基を有するものであってもよいが、置換基を有するものが好ましく、その具体例としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、フェニル−トリルアミノ基、ビス(ビフェニル)アミノ基等が挙げられる。
〜Rで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
〜Rのうちの少なくとも1つはアリール基であるが、さらには2つ以上、特には3つ以上のものが好ましい。従って、r1〜r4のうち2つ以上、さらには3つ以上が1以上の整数であることが好ましく、特にr1〜r4のうち2つ以上、さらには3つ以上が1であることが好ましい。
式(I)において、R、Rで表されるアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子としてはR〜Rの説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
r5、r6は、ともに0であることが好ましい。
なお、r1〜r4が2以上の整数の時、各R〜R同士はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。また、r5、r6が2以上の整数の時、R、Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。
式(I)で表される化合物の中でも、式(I−1)又は式(I−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
式(I−1)及び(I−2)において、R〜R10はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示す。これらの具体例としては式(I)のR〜Rの説明で挙げたものと同様なものが挙げられる。
r7〜r10はそれぞれ0又は1〜4の整数であり、r7〜r10は、式(I−1)及び式(I−2)のいずれにおいても0であることが好ましい。
また、R11〜R14は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、これらは同一でも異なっていてもよい。これらの具体例としては式(I)のR〜Rの説明で挙げたものと同様なものが挙げられる。
r11〜r14はそれぞれ0又は1〜5の整数である。
また、式(I−1)及び式(I−2)において、R、R、r5及びr6は式(I)のものと同義であり、r5=r6=0であることが好ましい。
なお、式(I−1)及び式(I−2)において、r7〜r10がそれぞれ2以上の整数である時、各R〜R10同士は同一でも異なるものであってもよい、またr11〜r14がそれぞれ2以上の整数である時、各R11〜R14同士は同一でも異なるものであってもよい。
また、式(I)で表される化合物の中で、式(I−3)で表される化合物も好ましい。
Figure 0005032788
式(I−3)において、R、R、r5及びr6は式(I)のものと同義であり、r5=r6=0であることが好ましい。
Ar、Arは、それぞれ独立にアリール基を示し、これらは同一でも異なっていてもよい。アリール基の具体例としいては式(I)のR〜Rの説明と同様のものを挙げることができ、フェニル基又はビフェニル基が特に好ましい。
15、R16は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示す。これらの具体例としては式(I)のR〜Rの説明で挙げたものと同様なものが挙げられる。
r15、r16は、0又は1〜4の整数であるが、r15=r16=0であることが好ましい。
17、R18は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示す。これらの具体例としては式(I)のR〜Rの説明で挙げたものと同様なものが挙げられる。
r17、r18は、0又は1〜5の整数であるが、r17=r18=0であることが好ましい。
なお、式(I−3)において、r15、r16が2以上の整数である時、R15同士、R16同士はそれぞれ同一でも異なるものであってもよく、r17、r18が2以上の整数である時、R17同士、R18同士はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。
以下に、式(I)で表される化合物の具体例を式(I−4)〜(I−22)に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式(I−4)〜(I−8)は一般式であり、表1〜7にR等の組合せで具体例を示している。これらの表では、全ての置換基が水素原子の時はHで示し、水素原子以外の置換基が存在する時は置換基のみを示す。この時、他の置換基は水素原子であることを意味する。
Figure 0005032788
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式(I−7)で表される化合物及び(I−8)で表される化合物において、R、R、R、R12、R15、R16、R22、R25、R26、R32、R35及びR36としては、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、メチル基、フェニル基、メトキシ基、フェノキシ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基が挙げられる。R、R23、R、R24、R13、R33、R14及びR34については以下の表に示すとおりである。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
Figure 0005032788
Figure 0005032788
上記ホール輸送材料としての含硫黄複素環化合物は特に制限されないが、含硫黄複素環化合物としては、例えば、チオフェン誘導体が挙げられる。
(電子輸送材料)
発光領域制御層15に含まれる電子輸送材料としては、例えば縮合環炭化水素化合物、含窒素複素環化合物、含窒素複素環金属錯体が挙げられる。これらのうち、電子移動度が高いため駆動電圧が低くでき、かつ発光領域制御層及び隣接する発光層に含まれる他の材料と励起錯体形成等の発光効率を下げるような相互作用を起こし難いという理由から、縮合環炭化水素化合物が好ましく用いられる。上記縮合環炭化水素化合物は、特に制限されないが、電子移動度が特に高いという理由から、アントラセン誘導体又はナフタセン誘導体であることが好ましい。
アントラセン誘導体は特に制限されないが、比較的結晶性が低く、かつ比較的高いガラス転移温度を有しているために安定かつ均一な薄膜を形成できるという理由から、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005032788
式(II)中、A101は置換基を有していてもよいモノフェニルアントリル基又は置換基を有していてもよいジフェニルアントリル基を示す。nは1又は2であり、nが1である場合にはLは水素原子、nが2である場合にはLは単結合又は2価の連結基を示す。なお、nが2である場合にはA101はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記モノフェニルアントリル基及びジフェニルアントリル基が置換基を有する場合の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられ、アントラセン自体のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを変えることなく薄膜の安定性を向上させることができるという理由から、フェニル基であることが好ましい。これらのような置換基の置換位置は特に限定されないが、フェニル基が置換基を有することが、アントラセン自体のHOMO−LUMO間エネルギーギャップを変えることなく薄膜の安定性を向上させることができるという理由から、好ましい。
また、モノフェニルアントリル基及びジフェニルアントリル基におけるフェニル基の結合位置は、大きなHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有し、かつ合成が比較的容易であるという理由から、アントラセン環の9位及び/又は10位であることが好ましい。
式(II)において、Lは水素原子、単結合又は2価の連結基を示すが、2価の連結基としてはアルキレン基等が介在してもよいアリーレン基が好ましい。その具体例としてはフェニレン基、ビフェニレン基、アントリレン基等の通常のアリーレン基の他、2個ないしそれ以上のアリーレン基が直接連結したものが挙げられ、p−フェニレン基、4,4′−ビフェニレン基等が電子移動度を向上させるという理由から、好ましい。
また、Lで表されるアリーレン基は、2個ないしそれ以上のアリーレン基がアルキレン基を介在して連結するものであってもよい。アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が好ましい。このようなアリーレン基の具体例を下記式(21)、(22)に示す。
Figure 0005032788
上記式(II)で表される化合物の蒸着膜は安定なアモルファス状態なので、薄膜の膜物性が良好となりムラがなく均一な発光が可能である。また、大気下で1年以上安定であり結晶化を起こさない。
式(II)で表される化合物の中でも、式(II−1)又は(II−2)で表される化合物が、薄膜の安定性が特に高いという理由から、より好ましい。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
式(II−1)において、M及びMはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基を示す。
、Mで表されるアルキル基としては、直鎖状でも分岐を有するものであってもよいが、炭素数1〜10の置換基を有してもよいアルキル基が蒸着による成膜が容易であるという理由から、好ましく、1〜4の置換基を有してもよいアルキル基がより好ましい。特に、炭素数1〜4の無置換のアルキル基が蒸着による成膜が容易であるという理由から、好ましく、その具体例としてはメチル基、エチル基、(n−,i−)プロピル基、(n−,i−,s−,t−)ブチル基等が挙げられる。
、Mで表されるシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
、Mで表されるアリール基としては、蒸着による成膜が容易であるという理由から、炭素数6〜20のものが好ましく、さらにはフェニル基、トリル基等の置換基を有するものであってもよい。その具体例としては、フェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基等が挙げられる。
、Mで表されるアルケニル基としては、蒸着による成膜が容易でありかつ薄膜の安定性が高いという理由から、総炭素数6〜50のものが好ましく、無置換のものであってもよいが置換基を有するものであってもよく、化学的安定性の観点から、置換基を有する方が好ましい。この時の置換基としては、フェニル基等のアリール基が電子輸送性に影響を与えずに安定性を向上できるという理由から、好ましい。その具体例としては、トリフェニルビニル基、トリトリルビニル基、トリビフェニルビニル基等が挙げられる。
式(II−1)において、q1及びq2は、それぞれ、0又は1〜5の整数を示し、特に、0又は1であることが、合成が容易であるという理由から好ましい。q1及びq2が、それぞれ、1〜5の整数、特に1又は2である時、M及びMは、それぞれ、アルキル基、アリール基、アルケニル基、であることが分子内での電子の局在化が起こり難いため、他の材料との相互作用が起こり難く、また、高い電子移動度が得られるという理由から、好ましい。
式(II−1)において、MとMとは同一でも異なるものであってもよく、MとMとがそれぞれ複数存在する時、M同士、M同士はそれぞれ同一でも異なるものであってもよく、M同士あるいはM同士は結合してベンゼン環等の環を形成してもよい。
式(II−1)において、Lは水素原子、単結合又はアリーレン基を示す。Lで表されるアリーレン基は、式(II)のLと同義である。
次に、式(II−2)について説明すると、M及びMは式(II−1)におけるM及びMと、またq3及びq4は式(II−1)におけるq1及びq2と、さらにLは式(II−1)におけるLとそれぞれ同義であり、好ましいものも同様である。
式(II−2)において、MとMとは同一でも異なるものであってもよく、MとMがそれぞれ複数存在する時、M同士、M同士は、それぞれ同一でも異なるものであってもよく、M同士あるいはM同士は結合してベンゼン環等の環を形成してもよい。
式(II−2)において、Lは水素原子、単結合又はアリーレン基を示す。Lで表されるアリーレン基は、式(II)のLと同義である。
式(II−1)及び(II−2)で表される化合物を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、(II−3)〜(II−10)は一般式であり、表8〜表16に、それぞれ対応する具体例をM11〜M15及びM21〜M25又はM31〜M35及びM41〜M45の組合せで示している。
Figure 0005032788
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上記電子輸送材料としてのナフタセン誘導体は、比較的結晶性が低く、かつ比較的高いガラス転移温度を有しているために安定かつ均一な薄膜を形成できるという理由から、下記一般式(IIIa)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005032788
式(IIIa)中、Q10、Q20、Q30、Q40、Q50、Q60、Q70、Q80、Q110、Q120、Q130及びQ140は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基を示す。
式(IIIa)中、Q10,Q20,Q30及びQ40(以下、Q10〜Q40と表す。)は水素原子、アルキル基、アリール基及びアルケニル基のいずれかであることが、分子内での電子の局在化が起こり難いため、他の材料との相互作用が起こり難いという理由から、好ましく、アリール基であることがより好ましい。また、特に、Q10,Q40が水素原子かつQ20,Q30が上記置換基であるものも分子の対象性を向上させ電子移動度を向上させるという理由から、好ましい。
また、Q10とQ40、Q20とQ30とはそれぞれ同じものであることが分子の対象性を保ち電子の移動度を向上させるという理由から、好ましいが、異なっていてもよい。
50,Q60,Q70及びQ80(まとめてQ50〜Q80と表す。)は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びのいずれかが分子の対象性を保ち電子の移動度を向上させるという理由から、好ましく、特に好ましくは水素原子又はアリール基である。また、Q50とQ60、Q70とQ80とは、それぞれ同じものであることが好ましいが、異なっていても良い。また、Q110、Q120、Q130及びQ140(以下、Q110〜Q140と表す。)は水素原子が好ましい。
10〜Q40、Q50〜Q80及びQ110〜Q140で表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、蒸着による成膜が容易であるという理由から、炭素数が1〜6のものが好ましく、直鎖状であっても分岐を有していても良い。アルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、(n,i)−プロピル基、(n,i,sec,tert)−ブチル基、(n,i,neo,tert)−ペンチル基等が挙げられる。
10〜Q40、Q50〜Q80及びQ110〜Q140で表されるアリール基としては、単環もしくは多環のものであって良く、縮合環も含まれる。総炭素数は、6〜30のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から、好ましく、置換基を有していても良い。Q10〜Q40、Q50〜Q80、Q110〜Q140で表されるアリール基としては、好ましくはフェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、(1−、及び2−)ナフチル基、アントリル基、(o−,m−,p−)ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基である。
10〜Q40、Q50〜Q80及びQ110〜Q140で表されるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有する(1−、及び2−)フェニルアルケニル基、(1,2−、及び2,2−)ジフェニルアルケニル基、(1,2,2−)トリフェニルアルケニル基等が好ましいが、無置換のものであっても良い。
10〜Q40、Q50〜Q80及びQ110〜Q140で表されるアラルキル基は、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜30のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、その具体例としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
これら置換基の2種以上が縮合環を形成していてもよい。また、さらに置換されていても良く、その場合の好ましい置換基としては上記と同様である。
10〜Q40、Q50〜Q80及びQ110〜Q140が置換基を有する場合、特に、Q10〜Q40のうちの少なくともその2種以上が上記置換基を有することが分子の共役系を広げ高い電子移動度が得られるという理由から、好ましい。その置換位置としては特に限定されるものではなく、Q10〜Q40がフェニル基を有するものである時、メタ、パラ、オルト位のいずれでも良い。
式(IIIa)においては、Q10〜Q40及びQ50〜Q80の少なくとも1つ以上、さらにはQ10〜Q40の少なくとも1つ以上が置換又は無置換のアリール基であることが、分子の共役を広げかつ他の材料との相互作用が起こり難いという理由から、好ましい。
特に、上記式(IIIa)で表される化合物としては、下記式(III−1)で表される化合物が比較的HOMO−LUMO間エネルギーギャップが大きく、黄色〜赤色の波長のエネルギーを確実にブロックできるという理由から、好ましく、また式(III−2)で表される化合物も好ましい。まず、式(III−1)について説明する。
Figure 0005032788
式(III−1)中、Q〜Q及びQ11〜Q16は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基又は複素環基を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。Q21〜Q25、及びQ51〜Q55は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基を示し、これらは同一でも異なるものであってもよく、これらのうち隣接する2個以上が互いに結合して環を形成してもよい。
これらの基の具体例としては式(IIIa)のQ10〜Q40と同義のものが挙げられる。
式(III−1)中、Q51〜Q55及びQ21〜Q25は水素原子、アリール基、及びアルケニル基のいずれかが分子内での電子の局在化が起こり難いため、他の材料との相互作用が起こり難いという理由から、好ましく、特に好ましくはアリール基である。また、これらのうちの少なくとも1群中にはアリール基を置換基として有することが、分子の共役系を広げ高い電子移動度が得られるという理由から、好ましい。これらのうち隣接する2個以上が縮合環を形成していてもよい。アリール基の好ましい態様としては上記Q10〜Q40と同様である。
形成される縮合環としては、例えばインデン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等を挙げることができる。
式(III−1)中のQ〜Qは、式(IIIa)中のQ50〜Q80と同義のものである。またQ11〜Q16としては特に水素原子が好ましい。
Figure 0005032788
式(III−2)中、Q〜Q、Q11〜Q14、Q31〜Q35、Q41〜Q45、Q61〜Q65、Q71〜Q75は式(IIIa)のQ10等と同義のものである。
式(III−2)中、Q71〜Q73、Q61〜Q63、Q31〜Q33及びQ41〜Q43は水素原子、アリール基及びアルケニル基のいずれかであることが好ましく、特に好ましくはアリール基である。また、これらのうちの少なくとも1群中にはアリール基を置換基として有することが好ましく、特に好ましくはアリール基である。これらの2個以上が結合して環を形成していてもよい。アリール基の好ましい態様としては式(IIIa)中のQ10〜Q40と同様である。また、Q71〜Q73とQ41〜Q43、Q61〜Q63とQ31〜Q33は、それぞれ同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
形成される環としては、例えばインデン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、等を挙げることができる。
式(III−2)中のQ〜Qは、式(IIIa)中のQ50〜Q80と同義のものであり、Q11〜Q14、Q74、Q75、Q64、Q65、Q44、Q45、Q34、Q35は水素原子であることが好ましい。
本発明におけるナフタセン誘導体の特に好ましい具体例を、式(IIIa)のQ10,Q20,Q30、Q40、Q50,Q60,Q70、Q80の組み合わせ(ただし、Q110〜Q140は水素原子である。)を用いて、表17〜72に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005032788
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(含窒素複素環化合物)
電子輸送材料としての含窒素複素環化合物は、高い電子移動度と低いホール移動度を併せ持つという理由からフェナントロリン誘導体であることが好ましい。その具体例としては、下記式(31)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005032788
(含窒素複素環金属錯体)
また電子輸送材料としての含窒素複素環化合物としては、例えば、下記式(VI)、(VII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
<発光層>
次に、第1の発光層10a及び第2の発光層10bについて説明する。
第1の発光層10a及び第2の発光層10bに含まれる材料は、ホールと電子との再結合により発光を生じさせる材料を含むものであれば特に制限されない。このような材料は、上記式(I)、(II)、(VI)、下記式(IIIb)、(IV)及び(V)で表される化合物のうち少なくとも1種の化合物を含むものであることが、青色から赤色までの所望の発光が高い効率で得られ、かつ連続駆動寿命と耐熱性が確保でき、さらには低電圧で駆動できるという理由から好ましい。
また、ホスト材料として使用した場合にはキャリア移動度が高いため駆動電圧が低くでき、発光ドーパント材料として使用した場合には高い蛍光量子収率が得られることから、発光層には下記式(IIIb)で表されるナフタセン誘導体を用いることが好ましい。
Figure 0005032788
[式(IIIb)中、T10、T20、T30、T40、T50、T60、T70、T80、T110、T120、T130及びT140はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、複素環基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示す。]
式(IIIb)中、T10〜T40は、分子内での電子の局在化が起こり難いため、他の材料との相互作用が起こり難いという理由から、水素原子、アルキル基、アリール基及びアルケニル基のいずれかであることが好ましく、アリール基であることがより好ましい。また、特に、T10,T40が水素原子かつT20,T30が上記置換基であるものも分子の対象性を向上させ電子移動度を向上させるという理由から、好ましい。
また、T10とT40、T20とT30とはそれぞれ同じものであることが分子の対象性を保ち電子の移動度を向上させるという理由から、好ましいが、異なっていてもよい。
50〜T80は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びのいずれかが分子の対象性を保ち電子の移動度を向上させるという理由から、好ましく、特に好ましくは水素原子又はアリール基である。また、T50とT60、T70とT80とは、それぞれ同じものであることが好ましいが、異なっていても良い。また、T110〜T140は、水素原子が好ましい。
10〜T40、T50〜T80及びT110〜T140で表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、蒸着による成膜が容易であるという理由から、炭素数が1〜6のものが好ましく、直鎖状であっても分岐を有していても良い。アルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、(n,i)−プロピル基、(n,i,sec,tert)−ブチル基、(n,i,neo,tert)−ペンチル基等が挙げられる。
10〜T40、T50〜T80及びT110〜T140で表されるアリール基としては、単環もしくは多環のものであって良く、縮合環も含まれる。総炭素数は、6〜30のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から、好ましく、置換基を有していても良い。T10〜T40、T50〜T80、T110〜T140で表されるアリール基としては、好ましくはフェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、(1−、及び2−)ナフチル基、アントリル基、(o−,m−,p−)ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基である。
10〜T40、T50〜T80及びT110〜T140で表されるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有する(1−、及び2−)フェニルアルケニル基、(1,2−、及び2,2−)ジフェニルアルケニル基、(1,2,2−)トリフェニルアルケニル基等が好ましいが、無置換のものであっても良い。
10〜T40、T50〜T80及びT110〜T140で表されるアラルキル基は、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜30のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、その具体例としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
これら置換基の2種以上が縮合環を形成していてもよい。また、さらに置換されていても良く、その場合の好ましい置換基としては上記と同様である。
10〜T40、T50〜T80及びT110〜T140が置換基を有する場合、特に、T10〜T40のうちの少なくともその2種以上が上記置換基を有することが分子の共役系を広げ高い電子移動度が得られるという理由から、好ましい。その置換位置としては特に限定されるものではなく、T10〜T40がフェニル基を有するものである時、メタ、パラ、オルト位のいずれでも良い。
式(IIIb)においては、T10〜T40及びT50〜T80の少なくとも1つ以上、さらにはT10〜T40の少なくとも1つ以上が置換又は無置換のアリール基であることが、分子の共役を広げかつ他の材料との相互作用が起こり難いという理由から、好ましい。
上記式(IIIb)で表される化合物としては、特に、上記式(III−1)で表される化合物が比較的HOMO−LUMO間エネルギーギャップが大きく、黄色〜赤色の波長のエネルギーを確実にブロックできるという理由から、好ましく、また上記式(III−2)で表される化合物も好ましい。
発光層は、上記式(I)、(II)、(IIIb)又は(VI)で表される第1の化合物、及び上記式(IIIb)、(IV)又は(V)で表される第2の化合物をそれぞれ少なくとも1種含むことも好ましいく、この場合において、第1の化合物をホスト物質、第2の化合物をドーパント物質として混合したドーピング発光層を形成するのがよい。好ましいホスト物質とドーパント物質の組は以下の通りである。
Figure 0005032788
なお、一般式(IIIb)で表される化合物が、ホスト物質として用いられる場合、T10、T20、T30、T40、T50、T60、T70、T80、T110、T120、T130及びT140はヘテロ原子を含まないものが好ましいが、ドーパント物質として用いられる場合はこのような制限はない。
本発明では、発光層において、下記一般式(IV)で表されるスチリル系アミン化合物を用いることが、効率が高く長寿命な素子が得られるという理由から好ましく、特に青色〜シアンのような比較的短波長の発光層に用いることが好ましい。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
Figure 0005032788
式(IV)について説明すると、R31は上記式(11)で表される基であり、R32は上記式(12)で表される基である。m1は0又は1〜2の整数、m2は1〜3の整数を示し、m1+m2は3である。
また、m1が2である時、R31はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、m2が2又は3である時、R32はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
61は水素原子又はアリール基を示す。R61で表されるアリール基としては置換基を有するものであってもよく、総炭素数6〜30のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、例えばフェニル基等が挙げられる。
62及びR63はそれぞれ水素原子、アリール基又はアルケニル基を示し、これらは同一でも異なっていてもよい。
62及びR63で表されるアリール基としては置換基を有するものであってもよく、総炭素数6〜70のものが、蒸着による成膜が容易であるという理由から、好ましい。その具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられ、置換基としてはアリールアミノ基(例えばジフェニルアミノ基)、アリールアミノアリール基等が蛍光強度を増大させ、ホールトラップ性を向上させて高い効率が得られるという理由から、好ましい。また、このような置換基中にはスチリル基(スチリル基はさらにフェニル基、ジフェニルアミノ基、ナフチル(フェニル)アミノ基、ジフェニルアミノフェニル基等の置換基を有していてもよい。)が含まれることも好ましく、このような場合式(IV)で示される化合物から誘導される一価の基同士が、それ自体で又は連結基を介して結合したような構造であることも好ましい。
62及びR63で表されるアルケニル基は置換基を有するものであってもよく、総炭素数2〜50のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、ビニル基等が挙げられ、ビニル基とともにスチリル基を形成していることが好ましく、スチリル基はアリールアミノアリール基(例えばジフェニルアミノフェニル基)やアリールアミノ基(例えばジフェニルアミノ基)等の置換基を有していてもよく、このような場合、式(IV)で示される化合物から誘導される一価の基同士が、それ自体で又は連結基を介して結合したような構造であることも好ましい。
65はアリール基、アルキル基、アミノ基、アリールアミノ基又はアリールアミノアリール基を示し、これらはスチリル基(スチリル基はさらにフェニル基等の置換基を有していてもよい。)を含んでいてもよく、このような場合、式(IV)で示される化合物から誘導される一価の基同士がそれ自体で又は連結基を介して結合したような構造であることも好ましい。
v2は0又は1〜5の整数を示し、vが2以上の時、R65同士が互いに結合してベンゼン環等を形成し、縮合環となっていてもよい。
66及びR67はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基を示す。R66及びR67で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、直鎖状でも分岐を有していてもよく、総炭素数1〜6のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、その具体例としてはメチル基、エチル基等が挙げられる。R66及びR67で表されるアリール基としては、置換基を有していてもよく、単環でも多環であってもよく総炭素数6〜20のものが蒸着による成膜が容易であるという理由から好ましく、その具体例としてはフェニル基等が挙げられる。
、vは0又は1〜4の整数を示す。
は0又は1を示す。式(IV)の中でも、vが0であって、R65が結合していてもよいジフェニルアミノ基と、R61、R62、R63が結合したビニル基とがフェニレン基に対してパラ位となるように結合した構造が分子全体の共役系を広げて強い傾向強度が得られるという理由から好ましい。
式(IV)で表されるスチリル系アミン化合物の中でも、下記式(IV−1)、(IV−2)で表されるものが分子全体の共役系を広げて強い傾向強度が得られるという理由からさらに好ましい。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
式(IV−1)中、R61、R62は式(12)中のものと同義であり、R64、R65は式(11)中のR65と同義であり、v、vは、式(11)中のVと同義のものであり、n1は0又は1を示し、L61は結合手又はアリーレン基を示す。アリーレン基の好ましい具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられ、これらの組合せも好ましく、これらの基は、さらに置換基を有していてもよい。
式(IV−2)中、R61〜R63、R65、vは、式(IV)中のものと同義のものであり、m2は0又は1を示し、L62は式(IV−1)中のL61と同義である。
式(IV)で表されるスチリル系アミン化合物の具体例(IV−3)〜(IV−11)を以下に示す。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
本発明では下記式(V)で表されるジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン誘導体を用いることが好ましい。
Figure 0005032788
式(V)中、Z〜Z,Z〜Z10,Z11〜Z16,Z19及びZ20は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニルチオ基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアルケニルアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、シアノ基、水酸基、−COOR100基(基中、R100は水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を示す)、−COR200基(基中、R200は水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、あるいはアミノ基を示す)、あるいは−OCOR300(基中、R300は置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を示す)を示し、さらに、Z〜Z20から選ばれる隣接する基から選ばれる基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素環式脂肪族環、芳香族環、あるいは縮合環を形成していてもよい。
なお、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基、フリル基、チエニル基、ピリジル基などの複素環式芳香族基を示す。
また、一般式(V)において、Z〜Z20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、直鎖、分岐又は環状のアルキルチオ基、直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、直鎖、分岐又は環状のアルケニルオキシ基、及び直鎖、分岐又は環状のアルケニルチオ基は置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子、炭素数4〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルコキシ基、炭素数3〜20のアリールオキシ基、炭素数4〜20のアリールオキシアルコキシ基、炭素数5〜20のアリールアルケニル基、炭素数6〜20のアラルキルアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルキルチオアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルケニルチオ基、炭素数4〜20のアラルキルチオ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルチオ基、炭素数5〜20のアラルキルチオアルキルチオ基、炭素数3〜20のアリールチオ基、炭素数4〜20のアリールオキシアルキルチオ基、炭素数4〜20のアリールチオアルキルチオ基、炭素数4〜20のヘテロ原子含有の環状アルキル基、あるいはハロゲン原子などで単置換又は多置換されていてもよい。さらに、これらの置換基に含まれるアリール基は、さらにハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜10のアリール基、炭素数4〜10のアラルキル基などで置換されていてもよい。
一般式(V)において、Z〜Z20のアラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、及びアリールチオ基中のアリール基は置換基を有していてもよく、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数4〜20のアラルキル基、炭素数3〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数3〜20のアリールオキシ基、炭素数4〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数4〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数4〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数4〜20のアリ−ルオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数4〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数4〜20のアラルキルチオ基、炭素数3〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、炭素数2〜40のN,N−2置換アミノ基などの置換基で単置換あるいは多置換されていてもよい。
さらに、これらの置換基に含まれるアリール基は、さらにハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基などで置換されていてもよい。
一般式(V)において、Z〜Z20のアミノ基は置換基を有していてもよく、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のアラルキル基、あるいは炭素数3〜20のアリール基で単置換又は2置換されていてもよい。
一般式(V)において、R100、R200及びR300のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアリール基は置換基を有していてもよく、例えば、Z〜Z20で挙げた置換基で単置換又は多置換されていてもよい。
〜Z20は、好ましくは、Z,Z,Z,Z10,Z15,Z16,Z19及びZ20が水素原子であり、且つZ〜Z,Z11〜Z14が水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい総炭素数1〜24の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよい総炭素数1〜24の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい総炭素数2〜24の直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、アルケニルアリール基、アリ−ルアルケニル基、置換基を有していてもよい総炭素数7〜24のアラルキル基、置換基を有していてもよい総炭素数6〜24のアリール基、シアノ基、複素環基、水酸基、−COOR100、−COR200、あるいは−OCOR300(但し、基中、R100〜R300は前記に同じ意味を示す)である。
さらに、Z〜Z20から選ばれる隣接する基は互いに結合あるいは縮合して、置換している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素環式脂肪族環、芳香族環、あるいは縮合環を形成していてもよい。
本発明に係る式(V)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下表74〜85で表される化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例示化合物中、Phはフェニル基を示す。
Figure 0005032788
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Figure 0005032788
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<基板>
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
<第1の電極>
第1の電極1は、本実施形態では陽極でありホール注入電極として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、第1の電極1に隣接する有機層5にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子100の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が透過率と導電性を両立するという観点から、好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のInに対するSnOの比は、キャリア密度を向上させるという観点から1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のInに対するZnOの比もキャリア密度を向上させるという観点から12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、InとSnOとを化学量論組成で含有するが、IT
Oの組成をInO・SnOで表す時、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO)等の透明な誘電体を添加することによ
り、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiOを添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の
電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、発光層10等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
<第2の電極>
第2の電極2は陰極であり電子注入電極として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、発光層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、その膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、発光層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで発光層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換基を有していてもよい脂肪族カルボン酸塩、2価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
2価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等2価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の1級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の2級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
なお、第2の電極2上には補助電極をさらに設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
発光領域制御層に含まれるホール輸送材料としては、下記式(HT1)〜(HT4)で表される化合物を含むことが好ましい。また電子輸送材料としては、下記式(ET1)、(ET2)、(EM3)及び(EM4)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
Figure 0005032788
発光層は、発光材料として、上記式(EM1)〜(EM6)で表される化合物を含むことが好ましい。さらに発光層は、上記式(HT1)〜(HT4)で表される化合物をホール輸送材料として含むことが好ましく、上記式(ET1)、(ET2)で表される化合物を電子輸送材料として含むことが好ましい。
発光領域制御層に含まれるホール輸送材料及び電子輸送材料と発光層に含まれる発光材料との好ましい組み合わせを表86に示す。
Figure 0005032788
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造でき、有機層の形成方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて適宜選択して採用できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の有機EL素子の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、基板4と、第1の電極1と第1の発光層10aとの間にホール輸送層11を有し、第2の発光層10bと第2の電極2との間に電子輸送層12を有する点で第1実施形態の有機EL素子と相違する。
上記ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、キノリン誘導体、キノリノール誘導体、キノキサリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の有機EL素子の第3実施形態について説明する。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態を示す模式断面図である。図3に示すように、本実施形態の有機EL素子300は、有機層5が、第1の発光領域制御層15aと第2の発光領域制御層15bとを有し、第1の発光層10aと第2の発光層10bとは、発光領域制御層15aを挟持しており、第2の発光層10b及び第3の発光層10cとは、第2の発光領域制御層15bを挟持しており、且つ第1の発光層10aと第1の電極1とがホール輸送層11を介して接し、第3の発光層10cと第2の電極2とが電子輸送層12を介して接している点で、第1実施形態の有機EL素子100と相違する。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の有機EL素子の第4実施形態について説明する。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態を示す模式断面図である。図4に示すように、本実施形態の有機EL素子400は、第1の電極1とホール輸送層11との間にホール注入層14を有し、第2の発光層10bと第2の電極2との間に電子注入層13を有する点で、第2実施形態の有機EL素子と相違する。
上記ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができる。また、上記電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
本発明は、上記第1〜第4実施形態に限定されるものではない。例えば、図1〜図4には、基板4上に陽極を配置し、発光層10を介して基板4から遠い側に陰極を配置した有機EL素子の例を示したが、陽極及び陰極の位置は逆であってもよい。基板4上に陰極を配置した場合、陰極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、陰極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
また、上記第1〜第4実施形態では、発光領域制御層15が非発光性となっているが、発光領域制御層に含まれるホール輸送材料及び電子輸送材料のうち最小のHOMO−LUMO間エネルギーギャップが、発光層に含まれる発光材料よりも大きなHOMO−LUMO間エネルギーギャップを有していれば、非発光性に限られない。この場合でも、発光波長の異なる発光層の間のエネルギー移動を防止することができる。
以下、本発明の内容を、実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び参考例)
ITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した後、酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄し、真空蒸着装置の槽内に設けられた基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。次いで減圧状態を保ったまま、下記化合物(51)を蒸着速度0.1nm/secで100nmの膜厚に蒸着し、ホール輸送層とした。
さらに、減圧を保ったまま、下記化合物(52)、(51)及び(53)の質量比85:15:3の混合物を、全体の蒸着速度0.1nm/secとして20nmの厚さに蒸着し、第1の発光層とした。さらに、化合物(52)及び(51)の混合物を全体の蒸着速度0.1nm/sで10nmの厚さに蒸着し、発光領域制御層とした。次いで、下記化合物(52)及び(54)の質量比100:3の混合物を、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し第2の発光層とした。次いで、下記化合物(55)を30nm蒸着し、電子輸送層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、LiFを蒸着速度0.01nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを150nm蒸着し有機EL素子を得た。
Figure 0005032788
Figure 0005032788
上記のようにして製造した有機EL素子について、発光領域制御層における上記化合物(51)及び(52)を質量比100:0〜0:100で変化させた時の、第1の発光層と第2の発光層との発光強度比及び色度を測定した。結果を表87に示す。なお、発光強度比、色度は、得られた素子を電流密度100mA/cmで駆動した際の発光スペクトルを、分光放射輝度計で測定し、得られたスペクトルの各発光層の発光ピークに相当する波長における発光強度の比を算出することにより求めた。
表87に示す結果より、本実施例によれば、ホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を変化させることで発光制御範囲を70%とすることができた。ここで、発光制御範囲は、ホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を100:0〜0:100に変化させた時の、第1の発光層の発光比率の変化の範囲とした。
Figure 0005032788
(実施例2及び参考例)
発光領域制御層を化合物(51)及び(56)の混合物の層とした他は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
こうして製造した有機EL素子について、発光領域制御層における化合物(51)及び(56)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の第1の発光層と第2の発光層との発光強度比及び色度を実施例1と同様にして測定した。結果を表88に示す。表88に示す結果より、本実施例によれば、ホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を変化させることで発光制御範囲を95%とすることができた。ここで、発光制御範囲の定義は、実施例1と同様とした。
Figure 0005032788
(実施例3及び参考例)
発光領域制御層を化合物(51)及び(57)の混合物の層とした他は実施例1と同様な方法で有機EL素子を製造した。
発光領域制御層における化合物(51)及び(57)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の、第1の発光層と第2の発光層との発光比を表89に示す。表89に示す結果より、本実施例によれば、ホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を変化させることで発光制御範囲を80%とすることができた。ここで、発光制御範囲の定義は、実施例1と同様とした。
Figure 0005032788
(実施例4及び参考例)
ITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面を酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄し、真空蒸着装置の槽内に設けられた基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。次いで減圧状態を保ったまま、化合物(51)を蒸着速度0.1nm/secで100nmの膜厚に蒸着し、ホール輸送層とした。さらに、減圧を保ったまま、化合物(58)、(51)及び(61)の質量比50:50:1の混合物を、全体の蒸着速度0.1nm/secとして20nmの厚さに蒸着し、第1の発光層とした。さらに、化合物(52)及び(51)の混合物を全体の蒸着速度0.1nm/sで10nmの厚さに蒸着し、第1の発光領域制御層とした。次いで、化合物(52)、(51)及び(60)の質量比70:30:3の混合物を、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し第2の発光層とした。さらに、化合物(52)及び(51)の混合物を全体の蒸着速度0.1nm/sで10nmの厚さに蒸着し、第2の発光領域制御層とした。さらに、減圧を保ったまま、化合物(55)、(51)及び(59)の質量比85:15:3の混合物を、全体の蒸着速度0.1nm/secとして20nmの厚さに蒸着し、第3の発光層とした。次いで、化合物(55)を30nm蒸着し、電子注入層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、LiFを蒸着速度0.01nm/secで0.3nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを150nm蒸着し有機EL素子を得た。
こうして得られた有機EL素子について、第1の発光領域制御層における化合物(51)及び(52)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の第1,第2,第3の発光層の発光強度比を実施例1と同様にして測定した。結果を表90に示す。表90に示す結果より、本実施例によれば、第1の発光領域制御層においてホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を変化させることで発光制御範囲を60%とすることができた。ここで、発光制御範囲は、第1の発光層の発光比率の変化の範囲とした。
Figure 0005032788
また第2の発光領域制御層における化合物(51)及び(52)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の、第1,第2,第3の発光層の発光強度比についても実施例1と同様にして測定した。結果を表91に示す。表91に示す結果より、本実施例によれば、第2の発光領域制御層において、ホール輸送材料と電子輸送材料との混合比を変化させることで発光制御範囲を90%とすることができた。ここで、発光制御範囲は、第3の発光層の発光比率の変化の範囲とした。
Figure 0005032788
(比較例1)
発光領域制御層を形成せず、第2の発光層を化合物(52)、(51)及び(54)の混合物の層とし、第1及び第2の発光層の成分の混合比を変化させた他は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
こうして得られた有機EL素子について、第1及び第2の発光層における化合物(51)及び(52)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の、第1の発光層と第2の発光層との発光強度比を実施例1と同様にして測定した。結果を表92に示す。表92に示す結果より、混合比が100:0の場合及び75:25の場合のいずれも発光が非常に弱く、発光強度比の測定が不可能であった。また、混合比が50:50〜0:100の場合はいずれも発光が生じたが、化合物(52)と(51)の混合比を変えたにもかかわらず、発光制御範囲は10%であった。ここで、発光制御範囲の定義は、実施例1と同様とした。
Figure 0005032788
(比較例2)
発光領域制御層を形成せず、第1の発光層の化合物(51)及び(52)の混合比を変化させた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
こうして製造した有機EL素子について、第1の発光層における化合物(51)及び(52)の混合比を100:0〜0:100で変化させた時の第1の発光層と第2の発光層との発光強度比を実施例1と同様にして測定した。結果を表93に示す。
表93に示す結果より、第1の発光層、第2の発光層のいずれからも発光したが、第1の発光層における化合物(51)及び(52)の混合比を変えたにもかかわらず、発光制御範囲は15%であった。ここで、発光制御範囲の定義は、実施例1と同様とした。
Figure 0005032788
(参考例1)
発光領域制御層を、電子輸送性材料である化合物(52)単独の層で構成した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
こうして得られた有機EL素子について、発光領域制御層の厚さを変化させた時の、第1の発光層と第2の発光層との発光強度比を実施例1と同様にして測定した。結果を表94に示す。
表94に示す結果より、第1の発光層、第2の発光層のいずれからも発光したが、発光領域制御層の厚さを変えたにもかかわらず、発光制御範囲は20%であった。ここで、発光制御範囲の定義は、実施例1と同様とした。
Figure 0005032788
以上の実施例1〜4の有機EL素子は、比較例1〜2及び参考例1の有機EL素子に比べて、発光制御範囲を大きくすることができた。このことから、実施例1〜4によれば、比較例1〜2及び参考例1の場合に比べて、種々の発光色を実現できることが分かった。
下記の実施例5、比較例3,4では本発明の発光領域制御層を用いた場合とホール輸送材料又は電子輸送材料を単独で発光領域制御層の成分として用いた場合の比較を行った。
(実施例5)
ITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面を酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄し、真空蒸着装置の槽内に設けられた基板ホルダーに固定して、槽内を1×10 −4 Pa以下まで減圧した。次いで減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル−(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを蒸着速度0.1nm/secで100nmの膜厚に蒸着し、ホール注入層とした。
次いで、上記化合物(51)を蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。さらに減圧を保ったまま、上記化合物(51)、(52)及び(62)
を、重量比を83:14:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして20nmの厚さに蒸着し、第1の発光層とした。さらに、上記化合物(52)及び(51)の質量比85:15の混合物を全体の蒸着速度0.1nm/sで10nmの厚さに蒸着し、発光領域制御層とした。次いで、上記化合物(52)及び(54)の質量比97:3の混合物を全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し第2の発光層とした。次いで、上記化合物(55)を30nm蒸着し、電子注入層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、LiFを蒸着速度0.01nm/secで0.3nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを150nm蒸着し有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、電流密度100mA/cm における輝度と色度を実施例1と同様にして測定した。その結果、色度座標は(x,y)=(0.28,0.33)であった。このことから、本実施例によれば、良好な白色発光が得られることが分かった。
(比較例3)
発光領域制御層を上記化合物(51)(ホール輸送材料)単独の層とした他は、実施例5と同様にして有機EL素子を製造した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、電流密度100mA/cmにおける輝度と色度を実施例1と同様にして測定した。その結果、色度座標は(x,y)=(0.17,0.27)であり、青色発光となった。
比較例4
発光領域制御層を、電子輸送材料としての上記化合物(52)単独の層で構成した他は、実施例6と同様にして有機EL素子を製造した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、電流密度100mA/cmにおける輝度と色度を比較例3と同様にして測定した。その結果、色度座標は(x,y)=(0.37,0.39)であり、黄色発光となった。
本発明の有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の第2実施形態を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の第3実施形態を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の第4実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、10…発光層、11…ホール輸送層、12…電子輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、15…発光領域制御層、100,200,300,400…有機EL素子、P…電源。

Claims (7)

  1. 有機EL素子の発光色の制御方法であって、
    一対の電極とこれらの電極間に配置された有機層とを備える有機EL素子について、
    前記有機層として、少なくとも1つの非発光性の発光領域制御層と、前記発光領域制御層を挟持する互いに発光波長の異なる複数の発光層と、を形成し、
    前記発光領域制御層には、ホール輸送材料(ただし、当該ホール輸送材料の少なくとも1種は、式(I−1)又は式(I−2)で表される化合物である。)と電子輸送材料(ただし、当該電子輸送材料は、縮合環炭化水素化合物、含窒素複素環化合物及び含窒素複素環金属錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。)とを含有させ、
    前記発光領域制御層中の前記ホール輸送材料と前記電子輸送材料の比を変化させる方法。
    Figure 0005032788
    Figure 0005032788
    [式(I−1)及び式(I−2)中、R,Rはそれぞれ独立にアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子を示し、R〜R10はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、R11〜R14は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、r5,r6はそれぞれ0又は1〜4の整数を示し、r7〜r10はそれぞれ0又は1〜4の整数であり、r11〜r14はそれぞれ0又は1〜5の整数である。]
  2. 前記電子輸送材料の少なくとも1種は、縮合環炭化水素化合物である請求項記載の方法。
  3. 前記縮合環炭化水素化合物は、アントラセン誘導体である請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記アントラセン誘導体は、下記式(II)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005032788
    [式(II)中、A101は置換基を有していてもよいモノフェニルアントリル基又は置換基を有していてもよいジフェニルアントリル基を示す。nは1又は2であり、nが1である場合にはLは水素原子、nが2である場合にはLは単結合又は2価の連結基を示す。なお、nが2である場合にはA101はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  5. 前記縮合環炭化水素化合物は、ナフタセン誘導体である請求項1又は2記載の方法。
  6. 前記ナフタセン誘導体は、下記式(IIIa)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005032788
    [式(IIIa)中、Q10、Q20、Q30、Q40、Q50、Q60、Q70、Q80、Q110、Q120、Q130及びQ140はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基又はアラルキル基を示す。]
  7. 前記含窒素複素環化合物は、フェナントロリン誘導体である請求項記載の方法。
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