JP4400134B2 - 有機el素子用化合物及び有機el素子 - Google Patents

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本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子用化合物、有機EL素子用化合物の製造方法及び有機EL素子に関する。
ナフトフルオランテン誘導体は、有機EL素子の発光材料として注目されている(特許文献1)。かかるナフトフルオランテン材料は、従来、リンイリドを用いたWittig反応(特許文献1及び非特許文献1)や、Diels−Alder反応(特許文献1及び非特許文献2)で製造されていた。
特開平10−294177号公報 Syntheis, 497-498(1983) J. Org. Chem., 17, 845-852(1952)
非特許文献1の反応によれば、ナフトフルオランテンは以下の反応式により製造される。
Figure 0004400134
しかしながら、ナフトフルオランテンの8位及び13位にフェニル基等の置換基を導入することを目的として、リン原子に近接した芳香環にバルキーな置換基を備える以下の化学式で表されるようなリンイリドを原料物質として採用した場合には、立体障害等のために上記反応が進行し難く、ナフトフルオランテンの8位及び13位にフェニル基を導入することが実質的に不可能であることを本発明者らは見出した。
Figure 0004400134
一方、非特許文献2によれば、ナフトフルオランテン誘導体は以下の反応式により製造される。しかしながら、かかる反応では7位及び14位に置換基が導入されてしまい、有機EL素子の発光材料として用いたときに置換基の影響等により有機ELとしての性能が劣る問題が生じることを本発明者らは見出した。
Figure 0004400134
また、特許文献1には、ナフトフルオランテンの8位及び13位に置換基を有し、且つ7位及び14位に置換基を有しない化合物が示されており、この化合物が上記反応いずれかにより得られるとされているが、上記反応によればナフトフルオランテンの8位及び13位に置換基を導入した上で、7位及び14位を未置換にすることが実質的なレベルで不可能であることが判明した。
そこで、本発明の目的は、8,13位が置換され且つ7,14位が未置換のナフトフルオランテン誘導体及び係る誘導体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的はかかる誘導体を発光層に導入した有機EL素子を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(a)で表されるキノン化合物に、下記一般式(b)及び(c)で表される有機金属化合物を反応させて下記一般式(d)で表されるヒドロキシ化合物を得るステップと、上記ヒドロキシ化合物を脱OHさせるステップと、を備える製造方法により、8,13位が置換され且つ7,14位が未置換のナフトフルオランテン誘導体である、下記一般式(1)で表される有機EL素子用化合物が提供されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記一般式(1)で表される有機EL素子用化合物を提供するものである。
Figure 0004400134
Figure 0004400134
Figure 0004400134
Figure 0004400134
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基、アミノ基、又は置換基を有していてもよいアリールアミノ基を示し、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基、アミノ基、又は置換基を有していてもよいアリールアミノ基を示す。また、MはLi又はMgX(Xはハロゲン原子)を示す。]
本発明の製造方法及び化合物において、有機EL素子の発光材料として用いたときの発光性や安定性の観点から、R31、R32、R33、R34、R35及びR36が水素原子である、「8,13位が置換され且つ1,2,5,6,7,9,12,14位が未置換である有機EL素子用化合物」が好適であり、同様の観点からは、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36が水素原子である、「8,13位が置換され且つ1,2,5,6,7,9,10,11,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体」や、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36が水素原子である、「8,13位が置換され且つ1,2,3,4,5,6,7,9,10,11,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体」が好適である。そして、分子の対称性に優れたR1及びR2が同一の基である上記有機EL素子用化合物が更に好適である。
上記のような有機EL素子用化合物は、電界の印加により発光及び/又は電荷輸送を生じるものがよく、発光は青色〜黄色発光、特には青色発光がよい。なお、上記有機EL素子用化合物は、発光材料として使用することが最も好ましいが、当該有機EL素子用化合物が電荷輸送性を有する場合には、電子注入材料、電子輸送材料、ホール注入材料及びホール輸送材料のうちの少なくとも一種として使用することもできる。よって、上記有機EL素子用化合物を電子注入層、電子輸送層、ホール注入層及びホール輸送層のうちの一層以上に含有させてもよい。
本発明はまた、上記有機EL素子用化合物を含む有機EL素子、すなわち、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、上記有機層の少なくとも1つは、上記本発明の有機EL素子用化合物を含有する発光層である有機EL素子を提供する。かかる有機EL素子は、電界の印加により青色〜黄色発光を生じる素子となる。
ここで、青色〜黄色の領域の発光性(特に青色発光性)を向上させるために、上記発光層の少なくとも1つは、アントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有しており、上記有機EL素子用化合物は、上記ホスト材料中に配されているようにしてもよい。
なお、上記有機EL素子用化合物が青色発光を生じるものである場合、上記有機層の少なくとも1つが、黄色発光材料を含有するようにして、電界の印加により白色発光を生じる有機EL素子としてもよい。この場合において、上記有機層の少なくとも1つにナフタセン誘導体を含有させるのがよく、ナフタセン誘導体を含有する有機層を上記発光層以外の有機層の少なくとも1つとして、発光層が多層の白色発光有機ELを形成させてもよい。
更に、上記ナフタセン誘導体を含有する有機層の少なくとも1つに、アントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有させ、ナフタセン誘導体を上記ホスト材料中に配すのが好ましい。ナフタセン誘導体としては、ルブレン又はルブレン誘導体が特に好ましい。上述の構成により、発光効率、輝度半減寿命、発色性及び安定性に優れた白色発光有機ELが得られる。
本発明によれば、8,13位が置換され且つ7,14位が未置換のナフトフルオランテン誘導体及び係る誘導体の製造方法を提供することが可能になる。また、かかる誘導体を発光層に導入した有機EL素子を提供することが可能になる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(有機EL素子用化合物)
本発明に係る有機EL素子用化合物は、上記一般式(1)で表される8,13位が置換され且つ7,14位が未置換のナフトフルオランテン誘導体である。
1、R2、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36(以下「R1〜R36」と略す。)としての、置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、その炭素数は1〜12がよく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。特に好適なアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。
1〜R36は、置換基を有していてもよいアリール基であってもよく、アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等が挙げられる。
1〜R36はまた、置換基を有していてもよいアルケニル基であってもよい。ここで、アルケニル基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、その炭素数は2〜12がよく、2〜6がより好ましく、2〜3が更に好ましい。特に好適なアルケニル基としては、ビニル基、アリル基が挙げられる。
1〜R36としては、置換基を有していてもよい複素環基を採用することもできるが、複素環基としては、ヘテロ元素としてN、O及びSからなる群より選ばれる原子(より好ましくはN及びSからなる群より選ばれる原子)の少なくとも1つを有する複素環基(単環式でも縮合環式でもよい。)が好ましい。なお、本発明における、置換基を有していてもよい複素環基は、「置換基を有していてもよい複素環状化合物」から導かれる1価の基を意味する。
1〜R36は更に、アミノ基、又は置換基を有していてもよいアリールアミノ基であってもよく、アリールアミノ基としてはジフェニルアミノ基が挙げられる。
これらのうち、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基及び置換基を有していてもよいアリールアミノ基における置換基としては、上述のアルキル基(好適な態様も同様である。)、アリール基、アルケニル基(好適な態様も同様である。)、複素環基(好適な態様も同様である。)、アミノ基、アリールアミノ基又はハロゲン原子が好ましい。
なお、R1及びR2のそれぞれ、又は、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36のそれぞれ、は同一でも異なっていてもよく(R1及びR2については同一が好ましい。)、異なる場合において上記例示した基のいずれの組み合わせも可能である。
有機EL素子用の発光材料又は電荷輸送材料として特性が特に優れることから、一般式(1)で表される有機EL素子用化合物は、「8,13位が置換され且つ1,2,3,4,5,6,7,9,10,11,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体」(以下、「第1の誘導体」という)、「8,13位が置換され且つ1,2,5,6,7,9,10,11,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体」(以下、「第2の誘導体」という)、又は、「8,13位が置換され且つ1,2,5,6,7,9,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体」(以下、「第3の誘導体」という)であることが特に好ましい。
第1の誘導体としては、以下の化学式(I−1)又は(I−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
上述した一般式(1)で表される有機EL素子用化合物は、上記一般式(a)で表されるキノン化合物と、上記一般式(b)及び(c)で表される有機金属化合物(有機リチウム試薬、有機グリニャール試薬)とを反応させて、有機金属化合物の有機基のカルボニル炭素に対する求核攻撃を生じさせて、上記一般式(d)で表されるヒドロキシ化合物を得、当該ヒドロキシ化合物を脱OHさせれば製造できる。ここで、脱OHは、例えばヒドロキシ化合物をSnCl2の存在下でHClと反応させればよい。なお、一般式(a)で表されるキノン化合物は公知の製造方法で得られる。
上記製造方法に基づいた化学式(I−1)及び(I−2)で表される有機EL素子用化合物の反応スキームは以下のとおりである。
Figure 0004400134
Figure 0004400134
一般式(1)における、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基及び置換基を有していてもよいアルケニル基としては、以下の化学式(i−1)〜(i−42)で表される基が挙げられる。以下の化学式(i−1)〜(i−21)は、置換基を有していてもよいアリール基の例である。
Figure 0004400134
また、以下の化学式(i−22)〜(i−40)は、置換基を有していてもよい複素環基の例である。
Figure 0004400134
更に、以下の化学式(i−41)は、置換基を有していてもよいアリールアミノ基の例である。
Figure 0004400134
また更に、以下の化学式(i−42)は、置換基を有していてもよいアルケニル基の例である。
Figure 0004400134
ここで、一般式(1)に導入される置換基のそれぞれは、同一でも異なっていてもよく、異なる場合において上記例示した置換基のいずれの組み合わせも可能である。
第1の誘導体としては、上述した化学式(I−1)及び(I−2)で表される化合物に加え、以下の化学式(I−3)〜(I−26)で表される、8位及び13位の両方に「置換基を有していてもよいアリール基」が導入された化合物、以下の化学式(I−27)〜(I−45)で表される、8位及び13位のいずれか一方に「置換基を有していてもよいアリール基」が、他方に「置換基を有していてもよい複素環基」がそれぞれ導入された化合物、以下の化学式(I−46)〜(I−64)で表される、8位及び13位の両方に「置換基を有していてもよい複素環基」が導入された化合物、以下の化学式(I−65)〜(I−66)で表される、8位及び13位のいずれか一方もしくは両方に「置換基を有していてもよいアリールアミノ基」が導入された化合物、及び、以下の化学式(I−67)〜(I−68)で表される、8位及び13位のいずれか一方もしくは両方に「置換基を有していてもよいアルケニル基」が導入された化合物、等が挙げられる。
Figure 0004400134
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第2の誘導体には、上述した第1の誘導体も含まれ得るが、これと異なる誘導体としては、第1の誘導体の3,4位のどちらか一方もしくは両方が置換されたナフトフルオランテン誘導体が挙げられる。ここで、第1の誘導体において、3,4位のどちらか一方もしくは両方が置換されたナフトフルオランテン誘導体(すなわち、8,13位が置換され、3,4位のうちの少なくとも一方が置換され且つ1,2,5,6,7,9,10,11,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体)としては、以下の化学式(II−1)〜(II−14)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
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第3の誘導体には、上述した第1の誘導体及び第2の誘導体も含まれ得るが、これらと異なる誘導体としては、第1の誘導体又は第2の誘導体の、10,11位のどちらか一方もしくは両方が置換されたナフトフルオランテン誘導体が挙げられる。ここで、第1の誘導体又は第2の誘導体において、10,11位のどちらか一方もしくは両方が置換されたナフトフルオランテン誘導体(すなわち、8,13位が置換され、10,11位のうちの少なくとも一方が置換され且つ1,2,5,6,7,9,12,14位が未置換であるナフトフルオランテン誘導体)としては、以下の化学式(III−1)〜(III−10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
Figure 0004400134
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(有機EL素子)
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、図1における有機EL素子100の第1の電極1と発光層10の間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図2における有機EL素子200の第2の電極2と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態(4層型有機EL)を示す模式断面図である。図4に示す有機EL素子400は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態(5層型有機EL)を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、図4における有機EL素子400の電子注入層13と発光層10の間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
なお、第1〜第5実施形態、並びに、以下の第6実施形態において第1の電極1は基板4上に形成されている。また、いずれの実施形態においても発光層は本発明の有機EL素子用化合物を含有しており、「8,13位が置換され且つ7,14位が未置換のナフトフルオランテン誘導体」である当該化合物は、電界の印加により典型的には青色(シアン色)に発光する。
上記実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2がそれぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1実施形態においては発光層10(第2〜3実施形態ではホール輸送層11、第4〜5実施形態ではホール注入層14)に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに、発光層10(第2実施形態においても発光層10、第3実施形態では電子輸送層12、第4〜5実施形態では電子注入層13)に対して、第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて発光層中の有機EL素子用化合物が発光する。
図6は、本発明に係る有機EL素子の第6実施形態(6層型有機EL)を示す模式断面図である。図6に示す有機EL素子600は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、第1発光層10a、第2発光層10b、電子輸送層12及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、第1発光層10a、第2発光層10b、電子輸送層12及び電子注入層13は、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、第1発光層10aは黄色発光材料となるナフタセン誘導体(ルブレン誘導体等)を含有しており、第2発光層10bは青色発光材料となる有機EL素子用化合物を含有している。
第6実施形態においても、第1の電極1及び第2の電極2がそれぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第5実施形態と同様にホール及び電子が注入されこれらの再結合に基づいて、第1発光層10aと第2発光層10bが発光するため、第6実施形態に係る有機ELは全体として白色光を発する。なお、第5実施形態における発光層10に有機EL素子用化合物とナフタセン化合物を導入し、分散状態を制御することにより白色発光有機EL素子としてもよい。
第1〜6実施形態のいずれにおいても、青色発光材料となる有機EL素子用化合物を含む発光層は、当該有機EL素子用化合物が、ホスト材料(電荷輸送材料)であるアントラセン誘導体及び/又はテトラアリールジアミン誘導体中に分散するように配されたものであってもよい。また、黄色発光材料となるナフタセン誘導体を含む発光層は、当該ナフタセン誘導体が、アントラセン誘導体及び/又はテトラアリールジアミン誘導体中に分散するように配されたものであってもよい。これらアントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体は、それぞれ電子輸送材料及びホール輸送材料としての機能を有している。なお、ホスト材料は、アントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体に限定されるものではなく、これら以外のホスト材料を適宜選択して用いてもよい。
また、発光層、ホール輸送層、電子輸送層、ホール注入層及びホール輸送層の好適な厚さは、いずれも5〜100nmである。
(ナフタセン誘導体)
本発明において用いられるナフタセン誘導体は特に制限されないが、以下の一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。式(2)中、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは非置換のアリール基、アルケニル基、複素環基又はアルキル基を示す。
Figure 0004400134
41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48(以下「R41〜R48」と略す。)であるアリール基としては、単環若しくは多環のものが採用でき、縮合環や環集合であってもよい。各置換基の炭素数は6〜30が好ましく置換基を有していてもよい。このようなアリール基としては、好ましくはフェニル基、トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基が挙げられる。
41〜R48であるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有する、1−フェニルエテニル基若しくは2−フェニルエテニル基、1,2−ジフェニルエテニル基、2,2−ジフェニルエテニル基、1,2,2−トリフェニルエテニル基が好ましいが、非置換のものであってもよい。
41〜R44の置換基となるアリールオキシ基としては、総炭素数6〜18のアリール基を有するものが好ましく、このような基としては、o−フェノキシ基、m−フェノキシ基、p−フェノキシ基が挙げられる。
41〜R44の置換基となるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基等のいずれでもよい。これらは、総炭素数1〜6の脂肪族及び/又は1〜4環の芳香族炭素環を有することが好ましい。このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスビフェニリルアミノ基、ジナフチルアミノ基が挙げられる。
41〜R44の置換基となる複素環基としては、ヘテロ原子としてO、N、Sを含有する5員または6員環の芳香族複素環基、炭素数2〜20の縮合多環芳香複素環基が挙げられる。また、芳香族複素環基及び縮合多環芳香複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基が挙げられる。なお、上記置換基の2種以上は縮合環を形成していても、更に置換基を有していてもよく、更に有する置換基としては上述の置換基が挙げられる。
41〜R44が置換基を有する場合、少なくともその2種以上が上記置換基を有することが好ましい。置換位置は特に限定されず、メタ、パラ、オルト位のいずれでもよい。なお、R41 とR44 、R42 とR43はそれぞれ同じものであることが好ましいが異なっていてもよい。
一般式(2)で表される化合物は、以下の一般式(2a)で表される化合物であることが好ましい。式中、R51、R52、R53、R54、R55、R61、R62、R63、R64、R65、R71、R72、R73、R74、R75、R81、R82、R83、R84及びR85は、それぞれ独立に水素原子、アリール基、アミノ基、複素環基、アリールオキシ基又はアルケニル基を示し、R45、R46、R47及びR48は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは非置換のアリール基又はアルケニル基を示す。
Figure 0004400134
アリール基、アミノ基、複素環基およびアリールオキシ基の好ましい態様としては、R41〜R44におけるのと同様である。また、R51、R52、R53、R54及びR55(以下「R51〜R55」と略す。)、R61、R62、R63、R64及びR65(以下「R61〜R65」と略す。)、R71、R72、R73、R74及びR75(以下「R71〜R75」と略す。)、R81、R82、R83、R84及びR85(以下「R81〜R85」と略す。)は、それぞれ同一であることが好ましいが異なっていてもよい。
51〜R55、R61〜R65、R71〜R75及びR81〜R85の置換基となるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。これらは、総炭素数1〜6の脂肪族及び/又は1〜4環の芳香族炭素環を有することが好ましい。このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスビフェニリルアミノ基が挙げられる。
形成される縮合環としては、例えばインデン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、iso−キノリン、キノクサリン、フェナジン、アクリジン、インドール、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、アクリドン、ベンズイミダゾール、クマリン、フラボン等が挙げられる。
ナフタセン誘導体の好適例としては以下に示すルブレン(EDM−1)が挙げられる。
Figure 0004400134
(アントラセン誘導体)
本発明において用いられるアントラセン誘導体は特に制限されないが、以下の一般式(3)で表される化合物であることが好ましく、以下の一般式(3a)又は(3b)で表される化合物であることがより好ましい。なお、式(3)中、Aはモノフェニルアントリル基又はジフェニルアントリル基を示し、Lは水素原子、単結合、二価又は三価の連結基を示し、n1は1〜3の整数を示す。ここで、n1が2以上の場合、2つ以上のAはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。また、式(3a)及び(3b)中、M1、M2、M3及びM4は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は複素環基を示し、q1、q2、q3及びq4は、それぞれ独立に0〜5の整数を示す。また、n2は1分子中のジフェニルアントリル基の数を示し、L1及びL2は連結基を示す。なお、一般式(3a)において、n2は1〜3の整数であり、n2が1の場合、L1は水素原子であり、n2が2の場合、L1は単結合又はアリーレン基である。また、一般式(3b)において、L2は単結合又はアリーレン基である。
Figure 0004400134
Figure 0004400134
Figure 0004400134
1、M2、M3及びM4(以下「M1〜M4」と略す。)としてのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、その炭素数は1〜10が好ましく1〜4がより好ましい。好適なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
また、M1〜M4であるアリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、フェニル基、トリル基等の置換基を有していてもよい。このようなアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ピレニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基等が挙げられる。
1〜M4であるアルケニル基は、炭素数6〜50のものが好ましく、アリール基(フェニル基等)等のような置換基を有していてもよい。このようなアルケニル基としては、トリフェニルビニル基、トリトリルビニル基、トリビフェニルビニル基が挙げられる。
1〜M4であるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基等のアルキル基部分の炭素数が1〜6のものが好ましい。なお、アルコキシ基は更に置換されていてもよい。また、M1〜M4であるアリールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられる。
1〜M4であるアミノ基は、未置換でも置換基を有するものであってもよいが、置換基を有することが好ましく、この場合の置換基としてはアルキル基(メチル基、エチル基等)、アリール基(フェニル基等)等が好ましい。このようなアミノ基としては、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基が挙げられる。
1〜M4である複素環基としては、ビピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、ピリジル基、チエニル基、フリル基、オキサジアゾイル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基等が挙げられ、これらは、メチル基、フェニル基等の置換基を有していてもよい。
なお、L1及びL2であるアリーレン基としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基が挙げられる。
また、好適なアントラセン誘導体の具体例としては以下の化学式(4a)又は(4b)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
(テトラアリールジアミン誘導体)
本発明において用いられるテトラアリールジアミン誘導体は、以下の一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。式中、M11、M12、M13及びM14(以下「M11〜M14」と略す。)は、それぞれ独立にアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、M11〜M14の少なくとも1つはアリール基である。r1、r2、r3及びr4(以下「r1〜r4」と略す。)は、それぞれ独立に0〜5の整数であるが、r1〜r4は同時に0になることはない。従って、r1+r2+r3+r4は1以上の整数であり、少なくとも1つのアリール基が存在する条件を満たす数である。M15及びM16は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、r5及びr6は、それぞれ独立に0〜4の整数である。
Figure 0004400134
11〜M14であるアリール基としては、単環若しくは多環のものが採用でき、縮合環や環集合も含まれる。総炭素数は6〜20が好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
このような基としては、o−フェニル基、m−フェニル基、p−フェニル基、トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基が挙げられ、特にフェニル基が好ましく、アリール基、特にフェニル基の結合位置は3位(Nの結合位置に対してメタ位)または4位(Nの結合位置に対してパラ位)であることが好ましい。
11〜M14であるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜10が好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としてはアリール基と同様のものが挙げられる。
11〜M14であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
11〜M14であるアルコキシ基としては、アルキル部分の炭素数1〜6のものが好ましく、このような基としてはメトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。なお、アルコキシ基はさらに置換されていてもよい。
11〜M14であるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−(t−ブチル)フェノキシ基が挙げられる。
11〜M14であるアミノ基としては、未置換でも置換基を有するものであってもよいが、置換基を有するものが好ましく、このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジビフェニリルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N−フェニル−N−ナフチルアミノ基、N−フェニル−N−ビフェニリルアミノ基、N−フェニル−N−アントリルアミノ基、N−フェニル−N−ピレニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジアントリルアミノ基、ジピレニルアミノ基が挙げられる。
11〜M14であるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が挙げられる。M11〜M14の少なくとも1つはアリール基であるが、特にM11〜M14として1分子中にアリール基が2〜4個存在することが好ましく、r1〜r4のなかの2〜4個が1以上の整数であることが好ましい。
特に、アリール基は分子中に総計で2〜4個存在し、より好ましくはr1〜r4のなかの2〜4個が1であり、さらにはr1〜r4が1であり、含まれるM11〜M14のすべてがアリール基であることが好ましい。すなわち、分子中のM11〜M14が置換していてもよい4個のベンゼン環には総計で2〜4個のアリール基が存在し、2〜4個のアリール基の結合するベンゼン環は4個のベンゼン環のなかで同一でも異なるものであってもよいが、特に2〜4個のアリール基がそれぞれ異なるベンゼン環に結合することが好ましい。そして、更に少なくとも2個がNの結合位置に対してパラ位またはメタ位に結合していることがより好ましい。
また、この際アリール基としては少なくとも1個がフェニル基であることが好ましく、すなわちアリール基とベンゼン環が一緒になってN原子に対し4−または3−ビフェニリル基を形成することが好ましい。特に2〜4個が4−または3−ビフェニリル基であることが好ましい。4−または3−ビフェニリル基は一方のみでも両者が混在していてもよい。また、フェニル基以外のアリール基としては、特に1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基が好ましく、フェニル基以外のアリール基も特にNの結合位置に対しパラ位またはメタ位に結合することが好ましい。これらのアリール基もフェニル基と混在していてもよい。
15及びM16であるアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子としては、上記M11〜M14におけるのと同様のものが挙げられる。r5及びr6は、ともに0であることが好ましく、2つのアリールアミノ基を連結するビフェニレン基は未置換のものが好ましい。
好適なテトラアリールジアミン誘導体の具体例としては以下の化学式(5a)又は(5b)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
(第1の電極)
第1の電極1は陽極でありホール注入電極として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、第1の電極1に隣接する有機層にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のIn23に対するSnO2の比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のIn23に対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、In23とSnO2とを化学量論組成で含有するが、ITOの組成をInOx・SnOyで表すとき、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO2)等の透明な誘電体を添加することにより、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiO2を添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、発光層10等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
なお、図1〜図6には、基板4上に陽極を配置し、発光層10を介して基板4から遠い側に陰極を配置した有機EL素子の例を示したが、陽極及び陰極の位置は逆であってもよい。基板4上に陰極を配置した場合、陰極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、陰極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
(第2の電極)
第2の電極2は陰極であり電子注入電極として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、発光層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、そのの膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、発光層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで発光層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換又は未置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
二価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等二価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の一級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の二級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
本発明の有機EL素子は、有機層中に有機EL素子用化合物を含有しており、上述のアントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体、ナフタセン誘導体を場合により含有するが、これら以外の発光材料や電荷輸送性物質(ホスト材料)を含有していてもよい。
有機層が更に含有可能な発光材料としては、シアン発光材料(好ましくはスチリル誘導体)が好適であり、かかる発光材料を本発明の有機EL素子用化合物と併用することができる。スチリル誘導体としては以下の化学式(6)の化合物が挙げられる。
Figure 0004400134
有機層が含有可能な電荷輸送性物質としては、以下のAlq3、BND、t−BuPBD、p−EtTAZ、BCP等の電子輸送性物質や、
Figure 0004400134
Figure 0004400134
以下のTPAC、Spiro−TPD等のホール輸送性物質が挙げられる。
Figure 0004400134
Figure 0004400134
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができ、電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造でき、有機層の形成方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて適宜選択して採用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[有機EL素子用化合物の合成]
有機EL素子用化合物である8,13-ジフェニル-ナフト[2,3-k]フルオランテンを以下の製造方法により作製した。
(1)ナフト[2,3-k]フルオランテン-8,13-ジオンの合成
Jutus Liebigs Ann Chem.,496,170-186 (1932)の記載に準拠して、ナフト[2,3-k]フルオランテン-8,13-ジオンを合成した。
(2)フェニルリチウムの調製
室温、アルゴンガスの気流下で、蒸留トルエン50cm3、蒸留ジエチルエーテル50cm3の混合溶液にブロモベンゼン7gを溶解させた。そこへn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.57モル/L)を25cm3を滴下ロートより15分かけて加えた。そのまま室温にて1時間攪拌し、フェニルリチウムを調製した。
(3)中間体(ヒドロキシ化合物)の合成
上記フェニルリチウムを調製したフラスコに室温下にて直接ナフト[2,3-k]フルオランテン-8,13-ジオン6gを加え、そのまま10時間反応させた。蒸留水を30cm3加えて反応を終了させた後、白色沈殿物を回収した。沈殿物は蒸留水、メタノール、ヘキサンの順番で良く洗浄を行った。以上より、白色固体7g(80%)を得た。
(4)8,13-ジフェニル-ナフト[2,3-k]フルオランテンの合成
上記中間体(ヒドロキシ化合物)3gをTHF50cm3中にけん濁させ、70℃のオイルバス加熱した。そこへSnCl2:HCl(35%)=1:1の溶液を20g添加した。2時間反応させた後、加熱を止めて反応を終了させた。反応液を分液ロートに移してトルエンに溶解させた後、2リットルの蒸留水で洗浄した。トルエン層をビーカーに移し、硫酸マグネシウム5gで乾燥させた後ロータリーエバポレータにて適当に濃縮した。精製はシリカゲルクロマトグラフィーを用いた。以上より、黄色固体2.5g(90%)を得た
[有機EL素子の作製]
(実施例1)
ガラス基板上にRFスパッタ法でITO透明電極(陽極)を100nmの厚さに製膜し、パターニングした。このITO透明電極付き基板を中性洗剤、アセトン、エタノール、純水を用いて超音波洗浄し、乾燥した。透明電極表面をUV/O3洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、1×10-4Pa以下まで減圧した。次いで、減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−ジフェニル−(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(HIM−1)を蒸着速度0.1nm/秒で100nmの厚さに蒸着し、ホール注入層とした。
次いで、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−ベンジジン(HTM−1(NPD))を蒸着速度0.1nm/秒で30nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。更に、減圧状態を保ったまま、アントラセン誘導体(EHM−1、化学式(4a)で表される化合物)とナフトフルオランテン誘導体(NFL−1、化学式(I−1)で表される化合物)を重量比92:8で全体の蒸着速度0.1nm/秒で40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらに、減圧状態を保ったまま、LiFを蒸着速度0.01nm/秒で0.3nmの厚さに蒸着して電子注入層とし、陰極としてAlを150nm蒸着し、有機EL素子を得た(第5実施形態に対応する)。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流を流したところ、6.2V、10mA/cm2で700cd/m2の発光が確認された。この時の発光極大波長はλmax=470nm、色度座標は(x,y)=(0.13,0.22)であった。また、この素子に、50mA/cm2の一定電流を流し、連続発光させたところ、初期輝度3500cd/m2で、輝度半減時間は700時間の寿命特性を示した。
(実施例2〜4)
表1記載のアントラセン誘導体及びナフトフルオランテン誘導体を用いた他は、実施例と同様にして有機EL素子を得(第5実施形態に対応する)、実施例1と同様の評価を行った。なお、アントラセン誘導体であるEHM−2は、化学式(4b)で表される化合物であり、ナフトフルオランテン誘導体であるNFL−2は化学式(I−2)で表される化合物である。
(比較例1〜2)
表1記載のアントラセン誘導体を用いナフトフルオランテン誘導体を用いなかった他は、実施例と同様にして有機EL素子を得、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1〜4及び比較例1〜2の有機EL素子の構成と評価結果をまとめて以下の表1に示す。
Figure 0004400134
(実施例5)
実施例1と同様にして、ガラス基板上ITO透明電極(陽極)を形成し、更にホール注入層及びホール輸送層を形成した後に、テトラアリールジアミン誘導体(NPD、化学式(5b)で表される化合物)とナフトフルオランテン誘導体(NFL−1、化学式(I−1)で表される化合物)を重量比92:8で全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着し第1発光層を形成して、更に、アントラセン誘導体(EHM−2、化学式(4b)で表される化合物)とスチリル誘導体(EDM−2、化学式(6)で表される化合物)を重量比98:2で全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着し第2発光層を形成した。
この上に更に実施例1と同様にして電子輸送層、電子注入層及び陰極を形成して、有機EL素子を得(第6実施形態に対応する)、実施例1と同様の評価を行った。実施例5の有機EL素子の構成と評価結果をまとめて以下の表2に示す。
Figure 0004400134
(実施例6)
アントラセン誘導体(EHM−2、化学式(4b)で表される化合物)とナフタセン誘導体(EDM−1、上記記載のルブレン)を重量比98:2で全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着して第1発光層を形成し、アントラセン誘導体(EHM−2、化学式(4b)で表される化合物)とナフトフルオランテン誘導体(NFL−1、化学式(I−1)で表される化合物)を重量比92:8で全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着し第2発光層を形成した他は実施例5と同様にして有機EL素子を得(白色発光の第6実施形態に対応する)、実施例1と同様の評価を行った。実施例6の有機EL素子の構成と評価結果をまとめて以下の表3に示す。
Figure 0004400134
(実施例7)
アントラセン誘導体(EHM−2、化学式(4b)で表される化合物)とテトラアリールジアミン誘導体(NPD、化学式(5b)で表される化合物)とナフタセン誘導体(EDM−1、上記記載のルブレン)を、重量比が(EHM−2とNPDの合計):(EDM−1)=98:2となるようにして(但し、EHM−2:NPDは重量比で85:15)、全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着して第1発光層を形成し、アントラセン誘導体(EHM−2、化学式(4b)で表される化合物)とテトラアリールジアミン誘導体(NPD、化学式(5b)で表される化合物)とナフトフルオランテン誘導体(NFL−1、化学式(I−1)で表される化合物)を、重量比が(EHM−2とNPDの合計):(NFL−1)=92:8となるようにして(但し、EHM−2:NPDは重量比で85:15)、全体の蒸着速度0.1nm/秒で20nmの厚さに蒸着し第2発光層を形成した他は実施例5と同様にして、有機EL素子を得(白色発光の第6実施形態に対応する)、実施例1と同様の評価を行った。実施例6の有機EL素子の構成と評価結果をまとめて以下の表4に示す。
Figure 0004400134
第1実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第3実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第4実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第5実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第6実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
符号の説明
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、10…発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、100…第1実施形態に係る有機EL素子、200…第2実施形態に係る有機EL素子、300…第3実施形態に係る有機EL素子、P…電源。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表される有機EL素子用化合物。
    Figure 0004400134
    [式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基を示し、 11 、R 12 、R 21 、R 22 、R 31 、R 32 、R 33 、R 34 、R 35 及びR 36 は水素原子を示す。]
  2. 前記一般式(1)で表される有機EL素子用化合物は、下記一般式(a)で表されるキノン化合物に、下記一般式(b)及び(c)で表される有機金属化合物を反応させて下記一般式(d)で表されるヒドロキシ化合物とし、該ヒドロキシ化合物を脱OHさせてなる化合物である、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 0004400134
    Figure 0004400134
    Figure 0004400134
    [式中、R、R、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R35及びR36は上記と同義であり、MはLi又はMgX(Xはハロゲン原子)を示す。]
  3. 1及びR2が同一の基である請求項1又は2記載の有機EL素子用化合物。
  4. 電界の印加により発光及び/又は電荷輸送を生じる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子用化合物。
  5. 前記発光は、青色〜黄色発光である請求項記載の有機EL素子用化合物。
  6. 互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、
    前記有機層の少なくとも1つは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL素子用化合物を含有する発光層である有機EL素子。
  7. 前記発光層の少なくとも1つは、アントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有しており、
    前記有機EL素子用化合物は、前記ホスト材料中に配されている、請求項記載の有機EL素子。
  8. 電界の印加により、青色〜黄色発光を生じる請求項6又は7記載の有機EL素子。
  9. 電界の印加により、白色発光を生じる請求項6又は7記載の有機EL素子。
  10. 前記有機層の少なくとも1つは、黄色発光材料を含有する、請求項6〜9のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  11. 前記有機層の少なくとも1つは、ナフタセン誘導体を含有する、請求項6〜10のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  12. 前記ナフタセン誘導体を含有する有機層は、前記発光層以外の有機層の少なくとも1つである、請求項11記載の有機EL素子。
  13. 前記ナフタセン誘導体を含有する有機層の少なくとも1つは、アントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有しており、
    前記ナフタセン誘導体は、前記ホスト材料中に配されている、請求項12記載の有機EL素子。
  14. 前記ナフタセン誘導体は、ルブレン又はルブレン誘導体である、請求項12又は13記載の有機EL素子。
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