JP2014231505A - 有機電界発光素子用化合物及びそれを利用した有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子用化合物及びそれを利用した有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電界発光素子の構成材料として用いた場合に、十分に駆動電圧を低下させることができ、消費電力を抑制することができる有機電界発光素子用化合物及びこの化合物を用いた有機電界発光素子を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される有機電界発光素子用化合物。[式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい芳香族複素環式基、又は、複数存在するR1が互いに結合して生じた2価の基を示す。aは0〜4の整数であり、bは1〜3の整数である。Ar1〜Ar4のうち少なくとも1つは一般式(2)又は(3)で表される。]【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子用化合物及びそれを利用した有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、次世代の薄型平面ディスプレイや照明への実用を目指して盛んに研究が進められている。従来、有機電界発光素子は、液晶等の薄型平面ディスプレイと比較して、低消費電力であるとの特徴が期待されてきたが、現状、その特徴を十分引き出せているとは言いがたく、更なる低消費電力化に向けて改良検討が活発に行われている。また、有機電界発光照明の開発においても、低消費電力化が強く求められている。
有機電界発光ディスプレイ等の表示装置に用いられる電界発光素子は、例えば、ホール注入電極(陽極)と電子注入電極(陰極)との間に、発光性有機材料を含む発光層等の有機層を備えるものである。この発光層に上記電極から電界を印加することにより、発光性有機材料を励起・発光させる。
この有機電界発光素子の発光原理は、おおむね以下のように考えられている。すなわち、まず、陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが、発光層において再結合することにより、発光性有機材料の励起子が生成する。次いで、その励起子が失活する際に、エネルギーが光(蛍光、燐光)成分として放出される。これにより発光が生ずると考えられている。
このような有機電界発光素子の駆動電圧を抑制し、発光効率を向上させる方法の1つとして、陽極と発光層、陰極と発光層との間に、それぞれ発光層とは別の、ホール輸送層、電子輸送層を設ける方法が挙げられる。これにより、陽極、陰極から発光層に円滑にホール、電子を注入することが可能となる。現在では、更なる低消費電力化、高効率発光、更には長寿命化を達成させるため、ホール注入層、電子注入層を、それぞれ陽極とホール輸送層、陰極と電子輸送層との間に挿入した構造が主流となっている。
このホール注入輸送層の材料としては、様々な芳香族アミン誘導体が知られているが、ジアミン構造の中心骨格にジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンを有する化合物としては、特許文献1〜2に記載の化合物が挙げられる。
特許第4976292号公報 国際公開第2005/075451号
しかしながら、これらのジアミン構造の中心骨格にジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンを有する化合物を構成材料として用いた場合に、有機電界発光素子の駆動電圧を十分に低下させることができず、十分に消費電力を抑制できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、有機電界発光素子の構成材料として用いた場合に、十分に駆動電圧を低下させることができ、消費電力を抑制することができる有機電界発光素子用化合物及びこの化合物を用いた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される化合物を有機電界発光素子用材料として用いることにより、上記課題を解決することを見出した。本発明の下記一般式(1)で表される化合物は、高いホール輸送特性を示すため、有機電界発光素子の構成材料として用いた場合に、駆動電圧を大幅に低下させることができる。また、下記一般式(1)で表される化合物は、陽極からの高いホール注入特性を示すために、有機電界発光素子のホール注入層として用いた場合には、より高い低駆動電圧化効果を示す。
本発明の有機電界発光素子用化合物は、下記一般式(1)で表される。
[式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい芳香族複素環式基、又は、複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基を示す。aは0〜4の整数であり、bは1〜3の整数である。Ar〜Arのうち少なくとも1つは下記一般式(2)又は(3)で表される。
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるRと同じ基の中から選ばれる。Lは、単結合又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素骨格を含む2価の基を示す。cは0〜4の整数であり、dは0〜3の整数である。)
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるRと同じ基の中から選ばれる。Lは、上記一般式(2)におけるLと同じ基の中から選ばれる。eは0〜6の整数であり、fは0〜3の整数である。)一般式(1)において、Ar〜Arのうち一般式(2)でないものは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又は置換を有していてもよい芳香族複素環式基を示す。]
かかる有機電界発光素子用化合物によれば、有機電界発光素子の構成材料として用いた場合に、有機電界発光素子の駆動電圧を十分に低下させることができ、消費電力を抑制することができる。本発明の有機電界発光素子用化合物によりこのような効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。
本発明のジアミン構造の末端部に、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格もしくはベンゾジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格を有する化合物は、ジアミン構造の中心骨格にジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシンを有する化合物と比較して、高いホール輸送特性を示すことから、有機電界発光素子のホール注入層、ホール輸送層及び発光層材料として用いた場合に、駆動電圧を低下させることが可能である。
また、本発明の有機電界発光素子用化合物は、ホール注入層材料として用いた場合には、特に高い低電圧化効果を示し、且つ均一性の高い発光面を形成することができる。すなわち、本発明の有機電界発光素子用化合物は、陽極との相互作用が強く、陽極に対して密着性の高い均一な薄膜を形成するために、高いホール注入特性を示し、駆動電圧を低下させることができると考えられる。本発明の有機電界発光素子用化合物は、ジアミン構造の末端部に、極性が高く、立体障害が大きなジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格もしくはベンゾジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格を有している。末端部の酸素原子を有する極性基と陽極との相互作用及び立体障害による分子間相互作用の低減に伴う結晶化の抑制により、陽極との密着性が高い均一な薄膜を形成できると考えている。ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格もしくはベンゾジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン骨格をジアミン構造の中心部ではなく、末端部に有するために、上記の効果が得られると考えている。
また、上記一般式(2)又は(3)で表される置換基を2つ以上有する上記一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(2)又は(3)で表される置換基を1つ有する化合物よりも高い低電圧化効果を示す。高いホール輸送特性と、陽極と相互作用する極性基の数が多く、陽極に対する密着性が向上することによる高いホール注入特性のために、より高い低電圧化効果が得られると考えている。
また、本発明は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機電界発光素子であって、この有機層のうち少なくとも1層は上記の有機電界発光素子用化合物を含む有機電界発光素子を提供する。この有機電界発光素子によれば、上記本発明の有機電界発光素子用化合物を含むので、十分に駆動電圧を抑制することができる。
本発明によれば、有機電界発光素子の構成材料として用いた場合に、十分に駆動電圧を低下させることができ、消費電力を抑制することができる有機電界発光素子用化合物及びこの化合物を用いた有機電界発光素子を提供することができる。
第1実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る有機電界発光素子を示す模式断面図である。 合成例1の化合物(11)の赤外吸収スペクトルを示す図である。 合成例1の化合物(11)のHNMRスペクトルを示す図である。 合成例1の化合物(11)の13CNMRスペクトルを示す図である。 合成例2の化合物(12)の赤外吸収スペクトルを示す図である。 合成例2の化合物(12)のHNMRスペクトルを示す図である。 合成例2の化合物(12)の13CNMRスペクトルを示す図である。 合成例3の化合物(13)の赤外吸収スペクトルを示す図である。 合成例3の化合物(13)のHNMRスペクトルを示す図である。 合成例3の化合物(13)の13CNMRスペクトルを示す図である。 合成例4の化合物(14)の赤外吸収スペクトルを示す図である。 合成例4の化合物(14)のHNMRスペクトルを示す図である。 合成例4の化合物(14)の13CNMRスペクトルを示す図である。
以下。必要に応じて図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(有機電界発光素子用化合物)
本発明の好適な実施形態に係る有機電界発光素子用化合物は、上記一般式(1)で表される特定の置換基を有するジアミン化合物である。
一般式(1)中、R基(n=1〜5)は、置換基を有してもよいアルキル基であってもよい。このアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、その炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましい。好適なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。なお、これらのアルキル基は、更にメトキシ基、エトキシ基等の置換基によって置換されていてもよいが、置換基を有しないアルキル基も好適である。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、置換基を有してもよいアリール基であってもよい。このアリール基部分の具体例としては、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラニル基、ピレニル基、フルオレニル基が挙げられ、より詳細には、以下の化学式(i−1)〜(i−19)で表される置換基が挙げられる。なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、置換基を有してもよいアラルキル基であってもよい。このアラルキル基部分の具体例としては、ベンジル基、ナフチルメチル基が挙げられる。なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、置換基を有してもよいアルコキシ基であってもよい。このアルコキシ基部分の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なお、これらの基は更に、メトキシ基、エトキシ基等の置換基によって置換されていてもよいが、置換基を有しないアルコキシ基も好適である。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、置換基を有してもよいアリールオキシ基であってもよい。このアリールオキシ基部分の具体例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基が挙げられる。なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、置換基を有してもよい芳香族複素環式基であってもよい。この芳香族複素環式基部分の具体例としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、フラニル基、チエニル基、インドリル基が挙げられ、より詳細には以下の化学式(ii−1)〜(ii−16)で表される基が挙げられる。なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基、ピリジル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のR基(n=1〜5)はまた、複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基であってもよい。すなわち、複数のRが互いに結合して2価の基を形成していてもよく、R〜Rについても同様である。その具体例としては、以下の化学式(iii−1)〜(iii−3)で表される基が挙げられる。なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のR基(n=1〜5)としては、水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、又は、複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、化学式(iii−1)で表される複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基がより好ましい。R基(n=1〜5)のうち、R,R,Rとしては、水素原子又は置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましい。R,Rとしては、水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、又は、複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、化学式(iii−1)で表される複数存在するR(n=2,4)が互いに結合して生じた2価の基がより好ましい。
一般式(1)中、L及びLは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素骨格を含む2価の基であってもよい。この芳香族炭化水素骨格を含む2価の基の具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピレニレン基、フェナントレニレン基、フルオレニレン基が挙げられ、より詳細には、以下の化学式(iv−1)〜(iv−23)で表される基が挙げられる(これらの基における2本の結合手は、それぞれ、一般式(1)におけるアミノ基の窒素原子と結合していてもよく、一般式(2)におけるジベンゾ[b,e]ジオキシン環又は一般式(3)におけるベンゾジベンゾ[b,e]ジオキシン環と結合していてもよい。以下、2本の結合手を有する基において同様とする。)なお、これらの基は、更にメチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基等の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(1)のL及びLとしては、それぞれ独立に、単結合又は芳香族炭化水素骨格を含む2価の基が好ましく、単結合、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基がより好ましく、単結合、フェニレン基が更に好ましい。
一般式(1)中、Ar〜Arのうち一般式(2)でないものは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又は置換を有していてもよい芳香族複素環式基であることが好ましく、置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましい。
一般式(1)中、Ar〜Arのうち少なくとも1つは一般式(2)又は(3)で表される基を示すが、Ar〜Arのうち2つ以上が一般式(2)又は(3)で表される基であることが好ましい。
本実施形態の一般式(1)で表される化合物は、好ましくは、一般式(1)においてb=2である。
本実施形態の一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子用正孔注入材料、有機電界発光素子用正孔輸送材料又は有機電界発光素子用発光層材料であると好ましい。
本実施形態の有機電界発光素子は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機電界発光素子において、この有機層のうち少なくとも1層が、本実施形態の一般式(1)で表される化合物を単独又は混合物の成分として含有すると好ましい。さらに、本実施形態の有機電界発光素子は、本実施形態の一般式(1)で表される化合物が正孔注入層、正孔輸送層又は発光層に含有されていると好ましい。
(有機電界発光素子用化合物の具体例)
本実施形態の有機電界発光素子用化合物の好適な例としては、下記式(I−1)〜(I−18)、(II−1)〜(II−18)、(III−1)〜(III−11)、(IV−1)〜(IV−12)、(V−1)〜(V−18)、(VI−1)〜(VI−18)、(VII−1)〜(VII−12)、(VIII−1)で表される化合物が挙げられる。
(有機電界発光素子用化合物の製造方法)
本実施形態の有機電界発光素子用化合物の製造方法について、下記化合物(G)、(K)、(P)を例にとって説明する。
下記化合物(G)は、以下のようにして製造することができる。
下記化合物(A)と(B)を炭酸カリウム存在下で反応させることにより、化合物(C)を得る。化合物(C)を塩化スズを用いて還元し、化合物(D)を得る。次いで、化合物(D)にパラジウム触媒存在下、Ar−Xを作用させることにより、化合物(E)を得る。最後に、パラジウム触媒存在下、化合物(E)と化合物(F)を反応させることにより、化合物(G)が得られる。
[式中、R,R,R,Arは、それぞれ独立に、一般式(1)、(2)、(3)におけるR,R,R,Arと同じ基の中から選ばれ、b,c,dは、一般式(1)、(2)、(3)におけるb,c,dの中から選ばれる。Xは、脱離基(例えば、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルフォニルオキシ基等)を示す。]
下記化合物(K)は、以下のようにして製造することができる。
下記化合物(H)と(I)をヨウ化銅存在下で反応させることにより、化合物(K)を得る。次いで、化合物(K)にパラジウム触媒存在下、化合物(E)を作用させることにより、化合物(K)が得られる。
(式中、R,R,R,Ar,Ar,Arは、それぞれ独立に、一般式(1)、(2)、(3)におけるR,R,R,Ar,Ar,Arと同じ基の中から選ばれ、b,c,dは、一般式(1)、(2)、(3)におけるb,c,dの中から選ばれる。)
下記化合物(P)は、以下のようにして製造することができる。
下記化合物(D)を臭素化して化合物(L)を得る。化合物(L)と(M)をパラジウム触媒存在下で反応させることにより、化合物(N)を得る。次いで、化合物(N)にパラジウム触媒存在下でAr−NHを作用させることにより、化合物(O)を得る。最後に、化合物(O)と(J)をパラジウム触媒存在下で反応させることにより、化合物(P)が得られる。
(式中、R,R,R,Ar,Ar,Arは、それぞれ独立に、一般式(1)、(2)、(3)におけるR,R,R,Ar,Ar,Arと同じ基の中から選ばれ、b,c,dは、一般式(1)、(2)、(3)におけるb,c,dの中から選ばれる。)
(有機電界発光素子)
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機電界発光素子200は互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10、及び電子注入輸送層13が矜持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10、及び電子注入輸送層13は、いずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入輸送層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる。
図2は、本発明に係る有機電界発光素子の第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示す有機電界発光素子100は互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2により、発光層10が矜持された構造を有している(以下同様)。
なお、第1及び第2実施形態において、第1の電極1は基板4上に形成されているが、基板4側からの積層の順番を逆にしてもよい。つまり、第2実施形態の有機電界発光素子の場合は、基板4側から、第2の電極2、電子注入輸送層13、発光層10、ホール輸送層11、ホール注入層14、第1の電極1の順で積層されていてもよい。
また、本実施形態の有機電界発光素子用化合物は、上述したどの層に含まれていてもよいが、ホール注入層、ホール輸送層及び発光層に含まれていることが望ましい。
上記実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに、第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて発光層中の有機電界発光素子用化合物が発光する。
また、発光層10、電子注入輸送層13、ホール注入層14、及びホール輸送層11の好適な厚さは、いずれも1〜200nmである。
(基板)
基板4としては、従来の有機電界発光素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができ、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取り出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発光色の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
(第1の電極)
第1の電極1はホール注入電極(陽極)として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、従来の有機電界発光素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができるが、その第1の電極1に効率よく且つ均一に電界を印加できる材料が好ましい。
また、基板4の側を光取り出し側とする場合、有機電界発光素子の発光波長領域である波長400nm〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて、画像表示に必要な輝度が得られなくなる。
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜を容易に得ることができる点で特に好ましい。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば、酸化物透明電極を用いる場合、その膜厚は、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不十分になるとともに、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過率は向上するが、膜厚が10nm未満の場合、抵抗率が大きくなり、有機電界発光素子の駆動電圧を上昇させる傾向がある。
(第2の電極)
第2の電極2は電子注入電極(陰極)として機能する。第2の電極2の材料としては、従来の有機電界発光素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができるが、金属材料、有機金属錯体もしくは金属化合物等が挙げられ、発光層10に効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましく、また透明であってもよい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体例としては、Li、Na、KもしくはCs等のアルカリ金属、Mg、Ca、SrもしくはBa等のアルカリ土類金属、あるいはAl(アルミニウム)が挙げられる。また、La、Ce、Sn、ZnもしくはZr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。更には、上記金属材料の酸化物もしくはハロゲン化物を用いることもできる。更に、上記材料を含む混合物もしくは合金であってもよく、これらを複数積層してもよい。
第2の電極2の膜厚は、電子を均一に注入できる程度であればよく、0.1nm以上とすればよい。
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層13への水分または有機溶媒の浸入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く、取り扱いが容易な金属を用いることが望ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性に応じて、適宜選択することが望ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いることにより電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより、一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
(ホール注入層)
ホール注入層14の材料としては、上述した本実施形態の有機電界発光素子用化合物、すなわち化合物(1)を用いることが好ましい。このような材料を含有するホール注入層14を備える有機電界発光素子は、従来の有機電界発光素子と比較して、十分に駆動電圧を抑制することができ、消費電力を低下させることができる。
ホール注入層14は、構成材料として化合物(1)を単独で用いていてもよく、化合物(1)を主成分の材料として含有し、更に従来のホール注入層の材料として用いられているものを1種もしくは2種以上含有していてもよい。そのような材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等が挙げられる。また、ホール注入層14に、構成材料のガラス転移温度以上の温度で熱処理を加えてもよい。
なお、ホール注入層14は、化合物(1)と他の材料の積層構造であってもよい。
(ホール輸送層)
ホール輸送層11の材料としては、上述した本発明の有機電界発光素子用化合物、すなわち化合物(1)を用いることが好ましい。このような材料を含有するホール輸送層11を備える有機電界発光素子は、従来の有機電界発光素子と比較して、十分に駆動電圧を抑制することができ、消費電力を低下させることができる。
ホール輸送層11は、構成材料として化合物(1)を単独で用いていてもよく、化合物(1)を主成分の材料として含有し、更に従来のホール輸送層の材料として用いられているものを1種もしくは2種以上含有していてもよい。そのような材料としては、例えば、ホール輸送性低分子材料としては、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)等が挙げられる。
なお、ホール輸送層11は、化合物(1)と他の材料の積層構造であってもよい。
上記ホール注入層及びホール輸送層は、同種の材料を使用して、ホール注入輸送層として形成してもよい。
(発光層)
発光層10の材料としては、上述した本発明の有機電界発光素子用化合物、すなわち化合物(1)を用いることが好ましい。このような材料を含有する発光層10を備える有機電界発光素子は、従来の有機電界発光素子と比較して、十分に駆動電圧を抑制することができ、消費電力を低下させることができる。
発光層10は、構成材料として化合物(1)を単独で用いていてもよく、化合物(1)を含有し、更に従来の発光層の材料として用いられているものを1種もしくは2種以上含有していてもよい。そのような材料としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る時に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができるが、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体もしくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミンもしくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクドリン、クマリン、DCMもしくはDCJTB等の低分子有機化合物、あるいは、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体もしくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体もしくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマーもしくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたもの等の高分子系有機化合物等を挙げることができる。
なお、発光層10は、化合物(1)と他の材料の積層構造であってもよい。
(電子注入輸送層)
電子注入輸送層13の材料としては、従来の有機電界発光素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができ、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送性材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体等が挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、例えば、ポリキノキサリン、ポリキノリン等が挙げられる。電子注入輸送層13の材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る有機電界発光素子は、ホール注入層14、ホール輸送層11及び発光層10に本発明の有機電界発光素子用化合物を含有させること以外は、公知の方法で製造できる。そのようなホール輸送層14、ホール輸送層11及び発光層10を含めて各有機層を形成する方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて、適宜選択して採用することができる。
塗布法の具体例としては、有機層に用いる材料を有機溶媒に溶解させた後に、スピンコート法等の従来公知の方法により塗布し、更に塗布液から真空乾燥等により溶媒を除去する方法が挙げられる。この塗布法に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
下記化合物(11)を以下の方法で合成した。その反応式を以下に示す。
(2−ニトロジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−1)の合成)
アルゴン気流下、カテコール3.30g(30.0mmol)、3,4−ジフルオロニトロベンゼン4.77g(30.0mmol)、炭酸カリウム8.29g(60.0mmol)を脱水トルエン35mlと脱水N,N’−ジメチルホルムアミド140mlの混合溶液に懸濁させ、100℃にて20時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却後、水300ml中に加え、析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、目的の2−ニトロジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−1)の黄色粉末(収量4.28g、収率62%)を得た。
(2−アミノジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−2)の合成)
上記の反応により合成した2−ニトロジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−1)4.28g(18.7mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解した。次に、塩化スズ二水和物16.92g(75.0mmol)を含む濃塩酸50mlをゆっくり加え、室温で3時間攪拌した。析出した固体をろ過し、水酸化ナトリウム水溶液200ml中に懸濁させ、有機物をクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の2−アミノジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−2)の白色粉末(収量2.94g、収率79%)を得た。
(2−(4−ビフェニリルアミノ)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−3)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成した2−アミノジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−2)2.94g(14.8mmol)、4−ブロモビフェニル3.50g(15.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.092g(0.10mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド2.16g(22.5mmol)を脱水トルエン110mlに懸濁させた。次いで、トリ(tert−ブチル)ホスフィン0.20mmolを含むトルエン溶液0.20mlを加え、100℃で22時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に水100mlを加え、トルエンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の2−(4−ビフェニリルアミノ)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−3)の白色粉末(収量4.37g、収率85%)を得た。
(化合物(11)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成した2−(4−ビフェニリルアミノ)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−3)1.93g(5.5mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル0.78g(2.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.046g(0.05mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド0.72g(7.5mmol)を脱水トルエン120mlに懸濁させた。次いで、トリ(tert−ブチル)ホスフィン0.12mmolを含むトルエン溶液0.12mlを加え、100℃で20時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に水100mlを加え、トルエンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の化合物(11)の白色粉末(収量2.00g、収率96%)を得た。更に、昇華精製を行い、純度99.9%品(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により純度確認)を得た。
なお、得られた化合物の質量分析を行ったところ、m/z=853(M)にピークが確認された。また、この化合物を赤外吸収分光(IR)法を用いて分析したところ、図3に示すIRスペクトルが得られた。更に、この化合物をH‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図4に示すH‐NMRスペクトルが得られ、13C‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図5に示す13C‐NMRスペクトルが得られた。これらにより、合成例1で得られた化合物が化合物(11)であることが確認された。
<合成例2>
下記化合物(12)を以下の方法で合成した。その反応式を以下に示す。
(N,N−ビス(4−ビフェニリル)−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−4)の合成)
アルゴン気流下、ビス(4−ビフェニリル)アミン3.21g(10.0mmol)、4−ブロモ−4’−ヨードビフェニル3.77g(10.5mmol)、ヨウ化銅0.29g(1.5mmol)、1,10−フェナントロリン0.27g(1.5mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.68g(15.0mmol)を脱水トルエン200mlに懸濁させ、100℃で48時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に水200mlを加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的のN,N−ビス(4−ビフェニリル)−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−4)の白色粉末(収量4.92g、収率82%)を得た。
(化合物(12)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成したN,N−ビス(4−ビフェニリル)−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−4)1.50g(2.5mmol)、2−(4−ビフェニリルアミノ)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(1−3)0.92g(2.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.046g(0.05mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド0.36g(3.7mmol)を脱水トルエン180mlに懸濁させた。次いで、トリ(tert−ブチル)ホスフィン0.12mmolを含むトルエン溶液0.12mlを加え、100℃で46時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に水150mlを加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の化合物(12)の白色粉末(収量2.03g、収率100%)を得た。更に、昇華精製を行い、純度97.9%品(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により純度確認)を得た。
なお、得られた化合物の質量分析を行ったところ、m/z=823(M)にピークが確認された。また、この化合物を赤外吸収分光(IR)法を用いて分析したところ、図6に示すIRスペクトルが得られた。更に、この化合物をH‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図7に示すH‐NMRスペクトルが得られ、13C‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図8に示す13C‐NMRスペクトルが得られた。これらにより、合成例2で得られた化合物が化合物(12)であることが確認された。
<合成例3>
下記化合物(13)を以下の方法で合成した。その反応式を以下に示す。
(化合物(1−5)の合成)
アルゴン気流下、2,3−ジヒドロキシナフタレン4.81g(30.0mmol)、3,4−ジフルオロニトロベンゼン4.77g(30.0mmol)、炭酸カリウム8.29g(60.0mmol)を脱水トルエン30mlと脱水N,N’−ジメチルホルムアミド130mlの混合溶液に懸濁させ、100℃にて18時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却後、水400ml中に加え、析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、目的の化合物(1−5)の黄色粉末(収量7.12g、収率85%)を得た。
(化合物(1−6)の合成)
上記の反応により合成した化合物(1−5)5.59g(20.0mmol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解した。次に、塩化スズ二水和物18.05g(80.0mmol)を含む濃塩酸50mlをゆっくり加え、加熱還流下で3時間攪拌した。反応溶液を冷却後、析出した固体をろ過し、水酸化ナトリウム水溶液200ml中に懸濁させ、有機物をクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の化合物(1−6)の褐色粉末(収量4.20g、収率84%)を得た。
(化合物(1−7)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成した化合物(1−6)3.04g(12.2mmol)、ブロモベンゼン1.88g(12.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド1.38g(14.4mmol)を脱水1,4−ジオキサン200mlに懸濁させた。次いで、酢酸パラジウム0.011g(0.10mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos)0.07g(0.15mmol)、水10μlを含む1,4−ジオキサン溶液2mlを加え、100℃で65時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮した。メタノール100mlを加え、ろ過し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の化合物(1−7)の白色粉末(収量3.23g、収率83%)を得た。
(化合物(13)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成した化合物(1−7)1.71g(5.3mmol)、4,4’−ジヨードビフェニル0.78g(2.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.046g(0.05mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド1.20g(12.5mmol)を脱水トルエン120mlに懸濁させた。次いで、トリ(tert−ブチル)ホスフィン0.12mmolを含むトルエン溶液0.12mlを加え、100℃で47時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮した。メタノール100mlを加え、ろ過し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノール、トルエンで再結晶し、目的の化合物(13)の白色粉末(収量1.84g、収率75%)を得た。更に、昇華精製を行い、純度99.0%品(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により純度確認)を得た。
なお、得られた化合物の質量分析を行ったところ、m/z=801(M)にピークが確認された。また、この化合物を赤外吸収分光(IR)法を用いて分析したところ、図9に示すIRスペクトルが得られた。更に、この化合物をH‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図10に示すH‐NMRスペクトルが得られ、13C‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図11に示す13C‐NMRスペクトルが得られた。これらにより、合成例3で得られた化合物が化合物(13)であることが確認された。
<合成例4>
下記化合物(14)を以下の方法で合成した。その反応式を以下に示す。
(N,N−(4−ビフェニリル)フェニル−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−8)の合成)
アルゴン気流下、(4−ビフェニリル)フェニルアミン2.45g(10.0mmol)、4−ブロモ−4’−ヨードビフェニル3.95g(11.0mmol)、ヨウ化銅0.29g(1.5mmol)、1,10−フェナントロリン0.27g(1.5mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.68g(15.0mmol)を脱水トルエン200mlに懸濁させ、100℃で113時間攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液に水200mlを加え、トルエンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的のN,N−(4−ビフェニリル)フェニル−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−8)の白色粉末(収量4.21g、収率88%)を得た。
(化合物(14)の合成)
アルゴン気流下、上記の反応により合成したN,N−(4−ビフェニリル)フェニル−4’−ブロモビフェニル−4−イル−アミン(1−8)1.48g(3.1mmol)、化合物(1−7)0.98g(3.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド0.35g(3.6mmol)を脱水1,4−ジオキサン150mlに懸濁させた。次いで、酢酸パラジウム0.007g(0.03mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos)0.043g(0.09mmol)、水3μlを含む1,4−ジオキサン溶液2mlを加え、100℃で20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮した。メタノール100mlを加え、ろ過し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の化合物(14)の白色粉末(収量1.79g、収率83%)を得た。更に、昇華精製を行い、純度99.5%品(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により純度確認)を得た。
なお、得られた化合物の質量分析を行ったところ、m/z=721(M)にピークが確認された。また、この化合物を赤外吸収分光(IR)法を用いて分析したところ、図12に示すIRスペクトルが得られた。更に、この化合物をH‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図13に示すH‐NMRスペクトルが得られ、13C‐核磁気共鳴(H‐NMR)法を用いて分析したところ、図14に示す13C‐NMRスペクトルが得られた。これらにより、合成例4で得られた化合物が化合物(14)であることが確認された。
<実施例1>
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
次いで、減圧状態を保ったまま、化合物(11)を蒸着速度0.1nm/secで30nmの厚さに蒸着し、ホール注入層とした。
次いで、減圧状態を保ったまま、下記の構造を有するN,N,N’,N’−テトラキス(3−ビフェニリル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(21)を蒸着速度0.1nm/secで80nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、下記の構造の化合物(22)と、ドーパントしての下記の構造の化合物(23)とを、質量比97:3で、全体の蒸着速度を0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに、Alqを蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに相次いで蒸着し、電子注入輸送層とした。
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nmの厚さに蒸着し、最後にガラス封止して有機電界発光素子を得た。なお、化合物(11)の昇華精製は、蒸着前であれば、任意の段階で行うことができる。
この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例2>
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
次いで、減圧状態を保ったまま、下記の構造を有するN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス{4−[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(24)を蒸着速度0.1nm/secで30nmの厚さに蒸着し、ホール注入層とした。
次いで、減圧状態を保ったまま、化合物(11)を蒸着速度0.1nm/secで80nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)と、ドーパントして化合物(23)とを、質量比97:3で、全体の蒸着速度を0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに、Alqを蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに相次いで蒸着し、電子注入輸送層とした。
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nmの厚さに蒸着し、最後にガラス封止して有機電界発光素子を得た。なお、化合物(11)の昇華精製は、蒸着前であれば、任意の段階で行うことができる。
この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例3>
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
次いで、減圧状態を保ったまま、化合物(11)を蒸着速度0.1nm/secで1100nmの厚さに蒸着し、ホール注入輸送層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)と、ドーパントして化合物(23)とを、質量比97:3で、全体の蒸着速度を0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに、Alqを蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに相次いで蒸着し、電子注入輸送層とした。
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nmの厚さに蒸着し、最後にガラス封止して有機電界発光素子を得た。なお、化合物(11)の昇華精製は、蒸着前であれば、任意の段階で行うことができる。
この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例4>
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
次いで、減圧状態を保ったまま、化合物(11)を蒸着速度0.1nm/secで1100nmの厚さに蒸着し、ホール注入輸送層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(11)と、化合物(22)と、ドーパントして化合物(23)とを、質量比80:20:3で、全体の蒸着速度を0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
更に、減圧状態を保ったまま、化合物(22)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに、Alqを蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに相次いで蒸着し、電子注入輸送層とした。
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nmの厚さに蒸着し、最後にガラス封止して有機電界発光素子を得た。なお、化合物(11)の昇華精製は、蒸着前であれば、任意の段階で行うことができる。
この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例5>
実施例1の化合物(11)に代えて化合物(12)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例6>
実施例2の化合物(11)に代えて化合物(12)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例7>
実施例3の化合物(11)に代えて化合物(12)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例8>
実施例1の化合物(11)に代えて化合物(13)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例9>
実施例2の化合物(11)に代えて化合物(13)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例10>
実施例3の化合物(11)に代えて化合物(13)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例11>
実施例1の化合物(11)に代えて化合物(14)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例12>
実施例2の化合物(11)に代えて化合物(14)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<実施例13>
実施例3の化合物(11)に代えて化合物(14)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<比較例1>
実施例1の化合物(11)に代えて化合物(24)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
<比較例2>
実施例3の化合物(11)に代えて下記の構造を有する2,7−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(25)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子に直流電流を印加したところ、青緑色発光が確認できた。10mA/cmの電流密度での発光特性を表1に示す。
実施例1〜13及び比較例1〜2により、化合物(11)、(12)、(13)又は(14)が有機層に含まれた有機電界発光素子は、化合物(21)や化合物(24)、化合物(25)が含まれた有機電界発光素子と比較して、十分に駆動電圧を低下させることができ、消費電力を抑制することが可能であることが示された。
<実施例14>
実施例1で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、青緑色均一発光を示し、加熱前後で発光面の均一性に変化は見られなかった。
<実施例15>
実施例5で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、青緑色均一発光を示し、加熱前後で発光面の均一性に変化は見られなかった。
<実施例16>
実施例8で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、青緑色均一発光を示し、加熱前後で発光面の均一性に変化は見られなかった。
<実施例17>
実施例11で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、青緑色均一発光を示し、加熱前後で発光面の均一性に変化は見られなかった。
<比較例3>
実施例1の化合物(11)に代えて化合物(21)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。この有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、不均一な発光面が観察された。
<比較例4>
比較例1で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、不均一な発光面が観察された。
<比較例5>
比較例2で作製した有機電界発光素子を85℃にて保存し、300時間後の発光状態を確認したところ、不均一な発光面が観察された。
実施例14〜17及び比較例3〜5により、化合物(11)、(12)、(13)又は(14)は、化合物(21)や化合物(24)、化合物(25)と比較して、陽極に対して密着性の高い均一な薄膜を形成し、高温保存によっても安定で均一な発光面を維持するために、化合物(11)、(12)、(13)又は(14)をホール注入層14に含む有機電界発光素子は、化合物(21)や化合物(24)、化合物(25)を含む有機電界発光素子と比較して、十分に駆動電圧を低下させることができ、消費電力を抑制することが可能であることが示された。
以上詳細に説明したように、本発明の有機電界発光素子用化合物は、これを有機薄膜層に含有させることによって、有機電界発光素子の駆動電圧を十分に低下させることができ、消費電力が低い有機電界発光素子を実現することができる。
1・・・第1の電極、2・・・第2の電極、4・・・基板、10・・・発光層、11・・・ホール輸送層、13・・・電子注入輸送層、14・・・ホール注入層、100・・・第1実施形態に係る有機電界発光素子、200・・・第2実施形態に係る有機電界発光素子、P・・・電源。


Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される有機電界発光素子用化合物。
    [式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい芳香族複素環式基、又は、複数存在するRが互いに結合して生じた2価の基を示す。aは0〜4の整数であり、bは1〜3の整数である。Ar〜Arのうち少なくとも1つは下記一般式(2)又は(3)で表される。
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるRと同じ基の中から選ばれる。Lは、単結合又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素骨格を含む2価の基を示す。cは0〜4の整数であり、dは0〜3の整数である。)
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるRと同じ基の中から選ばれる。Lは、上記一般式(2)におけるLと同じ基の中から選ばれる。eは0〜6の整数であり、fは0〜3の整数である。)一般式(1)において、Ar〜Arのうち一般式(2)でないものは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又は置換を有していてもよい芳香族複素環式基を示す。]
  2. Ar〜Arのうち少なくとも2つが一般式(2)又は(3)で表される基である、請求項1に記載の有機電界発光素子用化合物。
  3. 陽極と陰極からなる一対の電極に矜持された、少なくとも発光層を含む有機電界発光素子において、請求項1又は2に記載の化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
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