JP2011258328A - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高光電変換効率、高耐久性を有した光電変換素子および色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】電荷移動層に一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 2011258328

(Ar、Ar、Arは、アリール基または複素環基、Xは電子供与性基、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基または複素環基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光エネルギーの利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用において、現在実用化されているものは住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
一方、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体は、クロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料またはそれらの複合材料等である。これらを真空蒸着法、キャスト法またはディッピング法等により、薄膜化し電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題があった。
こうした状況の中で、1991年に増感色素としてルテニウム錯体を用いた新規色素増感太陽電池は10%の光電変換効率を持つことがグレッツェル教授により発表されて以来、次世代の電力源として注目されている(非特許文献1参照)。また、液体型の色素増感太陽電池の問題点である電解質溶液の揮発、液漏れ、増感色素の離脱を改善するべく固体型の色素増感太陽電池が近年多数発表されている(非特許文献2、3参照)。
これらの有機化合物を使用した太陽電池は、現行のシリコン系等の無機系太陽電池に比べ、可撓性に優れ、フレキシブル基板への太陽電池の設置が可能となり、使用用途の拡大が期待されている。
B.O’Regan and M.Gratzel,Nature,353,737(1991) K.Tennakone,et al.,J.Phys.D;Appl.Phys.,31,1492(1998) U.Bach,et al.,Nature,395,583(1998)
我々は、特に電解質層の封止に係わる要求精度が高くない層構成として、電解質層に、各種電荷輸送物質を含有させた固体の電荷輸送層を用いることを試みた。ところが、種々の検討を進めていくと、稼働日数が増加するとともに徐々に光電変換効率が低下するという問題が発生することが明らかとなった。
本発明の課題は、上記問題を解決することであり、高い光電変換効率を達成するとともに、高い耐久性を有した光電変換素子および色素増感型太陽電池を提供することである。
本発明者の検討によれば、本発明の目的は下記構成を採ることにより達成できる。
1.導電性支持体上の半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子において、前記電荷移動層に下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする色素増感型の光電変換素子。
Figure 2011258328
(式中、Arは、置換または未置換のアリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar、Arは各々独立に、置換または未置換のアリール基または複素環基を表す。nは0〜4の整数である。Xは電子供与性基を表す。R、Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基または複素環基を表し、R、Rが同時に水素原子であることはない。R、R、Xは互いに連結して環状構造を形成してもよい。)
2.前記ArおよびArのうちの少なくとも一方が置換もしくは未置換のビフェニル基またはスチルベニレン基であることを特徴とする前記1に記載の色素増感型の光電変換素子。
3.前記電荷移動層が、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む複数の化合物を含有することを特徴とする前記1または2に記載の色素増感型の光電変換素子。
4.前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子。
5.前記色素がカルボキシル基を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
本発明により、高い光電変換効率を達成するとともに、高い耐久性を有した光電変換素子とそれを用いた太陽電池を提供することができる。
本発明の光電変換素子の一例を示す断面図。
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子において、電荷移動層にベンゼン環上に置換基を有する化合物を含有させることで、高い光電変換効率を有すると共に高い耐久性が得られることを見いだし、さらに検討を重ねて本発明の構成を特定するに至った。
本発明の化合物により上記特性が得られる理由については、一般式(1)の構造を有する化合物は、色素との間で電子移動により電荷(ホール)を受け取り、その後他分子と電荷交換を繰りかえし対向電極まで電荷を輸送する機能を有しているが、特に色素からの電荷注入性の向上と、電荷の高移動性の為、電子供与性のXを置換した構造であり、さらにこのような電子供与性の置換基を有する化合物で生じるβ位のラジカル化劣化に対し、置換基を有することにより光電流の導電反応時に副反応として発生してしまうラジカル化合物の発生を抑制し、電荷輸送性の化合物である一般式(1)の化合物のラジカル安定性が向上したためであると推定している。
(電荷移動層)
前記電荷移動層(正孔輸送層ともいう)について説明する。
該電荷移動層は色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層である。該電荷移動層は、正孔輸送材料としてのp型化合物半導体である一般式(1)の化合物を含有する。p型化合物半導体のバンドギャップは色素吸収を妨げないため大きいことが好ましい。本発明で使用するp型化合物半導体のバンドギャップは、2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素ホールを還元するためには、色素吸着電極イオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によって電荷移動層に使用するp型化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下が好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下が好ましい。
正孔輸送材料は単独で用いても複数を組み合わせてもよく、複数の正孔輸送材料を組み合わせることにより単独で用いるより蜜に層形成を形成でき、より効率よく正孔を伝達(輸送)することができる。
電荷移動層の形成に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような電荷移動層中には、必要に応じて、例えば、N(PhBr)SbCl、Li[(CFSON]等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。これらの正孔輸送層中に添加剤を加えることにより、正孔輸送層7は、より効率よく正孔を伝達(輸送)することができる。
また、正孔輸送層中には、必要に応じて、有機バインダー等の添加物を添加してもよい。この有機バインダー(高分子バインダー)としては、正孔の輸送を極度に阻害しないものを用いるのが好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等を用いることができる。
前記電荷移動層の作成は、半導体電極6上に電荷移動層の塗布溶液をディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等の各種塗布法により、塗布して形成するのが好ましい。また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。
以下に、前記一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2011258328
一般式(1)において、Arは、置換または未置換のアリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar、Arは各々独立に、置換または未置換のアリール基または複素環基を表す。
Arで表される置換または未置換のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、2価アズレン環、2価アセナフチニレン環、2価フルオレン環、2価フェナンスレン環、2価インデン環、2価ピレン環、ビフェニレン基等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていても良い。
置換または未置換の複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミヂン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、キナゾリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルボリン環(前記カルボリン環のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、1,10−フェナントロリン環、フタラジン環、インドール環、キノリン環、ベンゾチオフェン環、クマリン環等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていてもよい。
Ar、Arで表される置換または未置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセンニル基、アズレニル基、1価アセナフチレン環、1価フルオレン環、1価フェナンスレン環、1価インデン環、1価ピレン環、ビフェニル環等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていても良い。また、Ar、Arのうち、少なくとも一方はビフェニル基またはスチルベニレン基であることが好ましい。
置換または未置換の複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミヂン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、キナゾリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルボリン環(前記カルボリン環のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、1,10−フェナントロリン環、フタラジン環、インドール環、キノリン環、ベンゾチオフェン環、クマリン環等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていてもよい。
nは0〜4の整数であるが、好ましくは0または1である。
Xは電子供与性基であり、例えば置換又は未置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキル基を表す。
Xで表される置換又は未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、炭素数6〜12のアルコキシル基等が挙げられる。
Xで表される置換又は未置換のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、炭素数6〜12のアルキルチオ基等が挙げられる。
Xで表される置換または未置換のアミノ基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等が挙げられる。
Xで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていても良い。
、Rはハロゲン原子、シアノ基、置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基または複素環基を表す。
、Rで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
、Rで表される置換または未置換のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基、等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていてもよい。
、Rで表される置換または未置換のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基、等が挙げられる。これらの基は置換基により更に置換されていてもよい。
又、R、Rで表される置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基は、Xにおける置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基と同義なものが用いられる。
又、R、Rで表される置換または未置換のアリール基、複素環基はAr、Arにおける置換または未置換のアリール基、複素環基と同義なものが用いられる。
上記の本発明の化合物は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、インドリル基、クマリニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、飽和の複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。尚、これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
、R、Xは互いに連結して環状構造を形成し、とは、ベンゼン環にXの位置に連結した原子が少なくとも、酸素、硫黄、窒素、炭素のいずれかであり、ベンゼン環のR、R位置に連結した原子が少なくとも硫黄、窒素、炭素のいずれかであり、その間を連結した環状置換基である。
一般式(1)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記構造式において部分構造の波線がついている部分は、一般式(1)で結合している結合部分を表す。
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
Figure 2011258328
一般式(1)で表される電荷移動層に含有される化合物(以下、本発明の化合物ともいう)の合成例を以下に示す。下記合成例で合成された化合物以外の一般式(1)の化合物で類似の化合物は、下記合成例に準じて合成することが出来る。
(合成例1)(化合物8の合成)
Figure 2011258328
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量のジフェニルアミン、1.2当量の4−ブロモ−2,6−ジフェニルアニソール、2当量のNa−OtBuを加え、110℃で4時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Aを得た。
化合物AのDMF溶液に、3当量のオキシ塩化リンを加え、60℃で8時間攪拌した。反応液に冷水を加え、室温にて1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Bを得た。
化合物BのDMF溶液に、2.5当量のdiethyl benzhydrylphosphonate、3当量のナトリウムヒドリドを加え70℃で2時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物8を得た。
化合物1は、核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで構造を確認した。
(合成例2)(化合物39の合成)
Figure 2011258328
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量のベンジルアミン、2.5当量の4−ブロモ−2,6−ジメチルアニソール、3当量のNa−OtBuを加え、110℃で4時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Cを得た。
化合物Cの酢酸溶液に、1.5当量の臭化水素酸水溶液(48%)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Dを得た。
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量の2,2′,7,7′−テトラブロモ−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]、6当量の化合物D、10当量のNa−OtBuを加え、110℃で8時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物39を得た。
このようにして得られた本発明の化合物を色素吸着半導体上に塗布することにより、本発明に記載の効果を奏することが可能となる。
次に本発明の光電変換素子について説明する。
本発明の化合物を用いて塗布を行う場合、化合物を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物と混合して用いることもできる。
半導体に本発明の化合物を塗布するには、適切な溶媒(クロロベンゼン−アセトニトリル混合溶媒等)に溶解し、添加物(Li−TFSI等)などを混合した後に色素担持半導体層にスピンコートやディップ方法で塗布するのが一般的である。
また、本発明に係る半導体の増感処理の詳細については、後述する光電変換素子のところで具体的に説明する。
〔光電変換素子〕
前記光電変換素子について、図をもって説明する。
図1は、前記光電変換素子の一例を示す断面図である。本発明の光電変換素子は図1に示すように、基板1、透明導電膜2、整流層3、色素4、半導体層5、半導体電極6、電荷輸送層7、対向電極8等から構成されている。
前記光電変換素子は、以下の構成で形成される。透明導電膜2を付けた基板1(導電性支持体ともいう)上に、整流層3を形成した後、焼結して形成した空孔を有する半導体層5を有し、その空孔表面に色素4を吸着させて半導体電極6を形成する。p型半導体を主たる成分とする正孔輸送層7を半導体電極6上に設け、その上に対向電極8が付着している。透明導電膜2及び対向電極8に端子を付けて光電流を取り出す。
前記光電変換素子は、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と対向電極とを、電荷移動層を介して対向配置してなる。また、前記光電変換素子は太陽電池として用いられることが好ましい。
以下、半導体電極、対向電極について説明する。
(半導体電極)
前記半導体電極(図1の6)の作製方法について説明する。
前記半導体層が焼成により作製される場合には、半導体の微粉末を塗布して半導体微粉末からなる層を設けてから焼成することにより、多孔質の半導体層が得られる。色素を用いての半導体の増感処理(吸着、多孔質への入り込み等)は、半導体の焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く色素の吸着処理を実施することが特に好ましい。
前記半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹きつけて、半導体層を作製するのが好ましい。また、前記半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体層を作製することが好ましい。
本発明の光電変換素子において、半導体としては、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、ZrO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、Ta、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、より好ましく用いられるのは、TiOまたはSnOであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiOである。
光電極に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもでき、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
先ず、半導体微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜50nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が含まれる。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹きつけ、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜)が形成される。
導電性支持体上に塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の基板上に形成された半導体微粒子集合体膜は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した焼成物膜とするため、前記半導体微粒子集合体膜の焼成処理が好ましく行われる。
本発明においては、この焼成処理で得られる焼成物膜はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体薄膜の空隙率は10体積%以下が好ましく、さらに好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%以下である。なお、半導体薄膜の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、10nm以上が好ましく、さらに好ましくは100〜10000nmである。
焼成処理時、焼成物膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成物膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは100〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高めたりする目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(半導体の増感処理)
半導体の増感処理は上記のように色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成して固着した基板を浸漬することによって行われる。その際には、半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成し基板を、予め減圧処理や加熱処理して膜中の気泡を除去し、色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようにしておくことが好ましく、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
色素を溶解するのに用いる溶媒は、溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はないが、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
好ましく用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、混合溶媒を用いてもよい。特に好ましくはエタノール、t−ブチルアルコール、アセトニトリルである。
半導体を焼成した基板を、色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に前記色素が深く進入して吸着等を十分に進行させ、半導体を十分に増感させ、かつ溶液中で前記色素の分解等により生成した分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃では1〜48時間が好ましく、さらに好ましくは3〜24時間である。この温度、時間は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合に好ましい。ただし、浸漬時間については25℃での値であり、温度条件を変化させて場合にはこの限りではない。
浸漬しておくに当たり、色素を含む溶液は、色素が分解しない限り、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10〜100℃であり、さらに好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
色素を用いて増感処理を行う場合、色素を単独で用いてもよいし、複数を併用することもできる。
また、カルボキシル基を有する色素と他の色素を併用して用いることもできる。併用して用いることのできる色素としては、前記半導体層を分光増感しうるものならばいずれの色素も用いることができる。光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ光電変換効率を上げるため2種類以上の色素を混合することが好ましい。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合する色素とその割合を選ぶことができる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように、吸収波長の異なる2種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
併用して用いる色素の中では、光電子移動反応活性、光耐久性、光化学的安定性等の総合的な観点から、金属錯体色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリメチン系色素が好ましく用いられる。
本発明に好ましいカルボキシル基を有する色素と併用して用いることのできる色素としては、例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の色素を挙げることができる。
半導体層に色素を含ませるには、前記色素を適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
色素を複数種類併用したり、カルボキシル基を有する色素以外の他の色素を併用したりして増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。各色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体層に前記色素を含ませる順序がどのようであっても、本発明に記載の効果を得ることができる。また、色素を単独で吸着させた半導体微粒子を混合する等により作製してもよい。
吸着処理は半導体層が粒子状の時に行ってもよいし、支持体上に膜を形成した後に行ってもよい。吸着処理に用いる化合物を溶解した溶液はそれを常温で用いてもよいし、該化合物が分解せず溶液が沸騰しない温度範囲で加熱して用いてもよい。また、前述のように、半導体微粒子の塗布後に前記色素の吸着を実施してもよい。また、半導体微粒子と本発明の増感色素とを同時に塗布することにより、色素の吸着を実施してもよい。また、未吸着の色素は洗浄によって除去することができる。
また、空隙率の高い半導体薄膜を有する半導体層の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、前記増感色素の吸着処理(半導体層の増感処理)を完了することが好ましい。
(色素)
本発明では、半導体に色素を吸着させている。電荷の半導体薄膜への効率的な注入の観点から、上記増感色素はカルボキシル基を有することが好ましい。以下に、色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011258328
(導電性支持体)
本発明の光電変換素子や本発明の太陽電池に用いられる導電性支持体(基板ともいう)には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフィルムのような非導電性材料に導電性物質の層を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体に用いられる材料の例としては金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えば、インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。導電性支持体の厚さは特に制約されないが、0.3〜5mmが好ましい。
また、導電性支持体は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。透明な導電性支持体を得るためには、ガラス板またはプラスチックフィルムの表面に、導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体は、表面抵抗は50Ω/cm以下であることが好ましく、10Ω/cm以下であることがさらに好ましい。
(対向電極)
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、正孔輸送層との接触性のよい金属薄膜であることが好ましい。正孔輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定である金属である金薄膜が特に好ましい。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子の一態様として太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。即ち、色素増感された半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記半導体電極、正孔輸送層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に吸着された色素は、照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで正孔輸送層を経由して対向電極に移動して、正孔輸送層(電荷移動層ともいう)の芳香族アミン誘導体を還元する。一方、半導体に電子を移動させた色素は酸化体となっているが、対向電極から正孔輸送層を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に正孔輸送層の芳香族アミン誘導体は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。
〔光電変換素子1の作製:本発明〕
酸化チタンペースト(日揮触媒化成株式会社)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板(日本板硝子株式会社)へスクリーン印刷法(塗布面積5×5mm)により塗布し200℃で10分間及び450℃で15分間焼成を行い、厚さ1.5μmの酸化チタン薄膜を有する半導体電極フィルムを得た。
下記色素(1)をt−ブタノール:アセトニトリル=1:1の混合溶液に溶解し、3×10−4mol/lの溶液を調製した。上記半導体電極フィルムを、この溶液に室温で1.5時間浸漬して、色素の吸着処理を行った後、アセトニトリルで洗浄、乾燥し、色素担持半導体電極とした。
次に、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒中に、正孔輸送材料として化合物1を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した電荷移動層用塗布液を、上記色素担持半導体電極上にスピンコートし、電荷移動層を形成した。さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対極電極を作製し、光電変換素子1を作製した。
Figure 2011258328
〔光電変換素子2〜20作製:本発明〕
光電変換素子1の作製において、電荷移動層用塗布液に添加した本発明の化合物を表1のように替えた以外は同様にして、光電変換素子2〜20を作製した。
〔光電変換素子21の作製:本発明〕
光電変換素子1の作製において、電荷移動層用塗布液を、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒中に、正孔輸送材料として、化合物1を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した電荷移動層用塗布液Aと、化合物39を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した電荷移動層用塗布液Bを、A:B=1:1で混合した電荷移動層用塗布液に代えた以外は同様にして、光電変換素子21を作製した。
〔光電変換素子22作製:本発明〕
光電変換素子21の作製において、電荷移動層用塗布液の化合物1を化合物6に代え、化合物39を下記化合物101に代えた以外は同様にして、光電変換素子22を作製した。
Figure 2011258328
〔光電変換素子23、24の作製:比較例〕
光電変換素子1の作製において、電荷移動層用塗布液を表1のように代えた以外は同様にして、光電変換素子23、24を作製した。表1に記した化合物501と化合物502を以下に示す。
Figure 2011258328
〔光電変換素子の評価〕
作製した光電変換素子について、回転劣化前後の光電変換特性および電荷移動層表面耐久性を測定した。
(光電変換効率)
強度100mW/cmのキセノンランプ照射下、半導体電極に5×5mmのマスクをかけた条件下で光電変換特性の測定を行った。
即ち、光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度(JSC)、開放電圧(VOC)、及び形状因子(FF)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、光電変換素子の光電変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(VOC×JSC×FF)/P (A)
ここで、Pは入射光強度[mW・cm−2]、VOCは開放電圧[V]、JSCは短絡電流密度[mA・cm−2]、FFは形状因子を示す。
(耐久性評価)
セルを短絡させた上で120mW/cmの擬似太陽光を720時間照射した後に同様に電流−電圧特性を測定し、光劣化後の短絡電流密度(JSC1)、開放電圧(VOC1)、光電変換効率(η(%))を求め、下記式により耐久率を求めた。
耐久率=η/η
前記耐久率より下記のように耐久性評価を行った。
◎:η/ηが0.95以上
○:η/ηが0.90以上、0.94以下
△:η/ηが0.80以上、0.89以下
×:η/ηが0.79以下。
前記光電変換素子の評価の結果を表1に示す。
Figure 2011258328
表1より、変換効率の耐久性については、光電変換素子1〜20および複数の電解質物質を用いた光電変換素子21、22は、いずれも比較の光電変換素子23、24に比べ光電変換効率の耐久性が高いことが分かる。これはラジカル反応の反応点になりえる置換基Xのオルト位(RおよびRに該当)に置換基が存在することにより電解質分子のラジカル安定性が向上し、それゆえに耐久性が向上したためであると推測された。中でも複数の化合物を用いた光電変換素子21、22は、高い耐久性を有すると共に、初期の光電変換効率が高いことが分かる。
1 基板
2 透明導電膜
3 整流層
4 色素
5 半導体層
6 半導体電極
7 正孔輸送層
8 対向電極

Claims (6)

  1. 導電性支持体上の半導体に色素を吸着させてなる半導体電極と、対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる色素増感型の光電変換素子において、前記電荷移動層に下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする色素増感型の光電変換素子。
    Figure 2011258328
    (式中、Arは、置換または未置換のアリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar、Arは各々独立に、置換または未置換のアリール基または複素環基を表す。nは0〜4の整数である。Xは電子供与性基を表す。R、Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基または複素環基を表し、R、Rが同時に水素原子であることはない。R、R、Xは互いに連結して環状構造を形成してもよい。)
  2. 前記ArおよびArのうちの少なくとも一方が置換もしくは未置換のビフェニル基またはスチルベニレン基であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型の光電変換素子。
  3. 前記電荷移動層が、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む複数の化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型の光電変換素子。
  4. 前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子。
  5. 前記色素がカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型の光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
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