JP2012023266A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温での光電変換効率に優れることで、使用環境の汎用性が高く、耐久性に優れる色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】基板、第一電極、半導体および増感色素を含有する光電変換層、正孔輸送層および第二電極をこの順に有する光電変換素子、を有する太陽電池において、該正孔輸送層は、ジアリールアミン、もしくはモノアリールアミンと、臭素化したアリール化合物とのBuchwald−Hartwig反応や、アリールボランを用いた鈴木反応などにより合成した化合物を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池に関するものであり、特に増感色素を担持した半導体を用いた光電変換素子を具備する色素増感型太陽電池に関する。
近年、環境問題などから、エネルギー源として、太陽光エネルギーが注目されている。そして、太陽光エネルギーの光、熱を活用して、利用し易いエネルギー形態である電気エネルギーに変換する方法が実用化されている。
これらの方法の中で、例えば太陽光を電気エネルギーに変換する方法は、代表的な例であり、この方法には、光電変換素子が用いられる。
光電変換素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウムおよびセレン化インジウム銅等の無機系の材料を用いた光電変換素子が広く用いられ、所謂太陽電池に広く利用されている。
これらの無機系の材料を用いた光電変換素子を用いた太陽電池は、材料として用いるシリコンなどが高度な精製過程が必要な高純度品が求められる、多層pn接合による構造の為に製造工程が複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いなどの問題点があった。
一方、より簡素な素子として有機材料を用いた光電変換素子の研究も進められている。
例えば、C.W.Tang:Applied Physics Letters,48,183(1986)に記載のような、n型の有機色素であるペリレンテトラカルボン酸誘導体とp型の有機色素である銅フタロシアニンを接合させた、pn接合型の有機光電変換素子が報告されている。
有機光電変換素子において、弱点であると考えられている励起子拡散長の短さと空間電荷層の薄さを改良する為に、単に有機薄膜を積層するpn接合部の面積を大きく増大させ、電荷分離に関与する有機色素数を充分に確保しようという試みがその結果を出しつつある。
また、例えば、G.Yu, J.Gao, J.C.Humelen, F.Wudl and A.J.Heeger: Science, 270, 1789(1996)に記載のような、n型の電子伝導性の有機材料とp型の正孔伝導性ポリマーを膜中で複合させることによりpn接合部分を飛躍的に増大させて、膜中全体で電荷分離を行う手法である。Heegerらは1995年に共役高分子をp型の導電性ポリマーとし、電子伝導材料としてフラーレンを混合させた光電変換素子が提案されている。
これらの光電変換素子は次第にその特性を向上させてはいるが、高い変換効率のまま安定して挙動するとこまでには至っていない。
しかし、1991年にGratzelは、酸化チタン上に吸着した色素の増感光電流の膨大で詳細な実験の集大成として、酸化チタンを多孔質化し、その電荷分離の面積(電荷分離に寄与する分子数)を充分に確保することによって、安定動作し高い変換効率を有する光電変換素子の作製に成功(例えば、非特許文献1参照)した。
この光電変換素子では、多孔質酸化チタン表面に吸着した色素が光励起され、色素から酸化チタンに電子注入され色素カチオンとなり、対極から正孔輸送層を通じて色素が電子を受け取るというサイクルを繰り返す。正孔輸送層としてはヨウ素を含む電解質を有機溶媒に溶解させた電解液が用いられている。
この光電変換素子は酸化チタンの安定と相まって、優れた再現性を有しており、研究開発の裾野も大きく広がり、この光電変換素子も色素増感型太陽電池と呼ばれて、大きな期待と注目を浴びている。
この方式は、酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がなく、半導体としては安価なものを使用することができ、さらに利用できる光は広い可視光領域にまでわたっており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できるという利点を有する。
しかし、光電変換層に資源的制約があるルテニウム錯体を用いるため、高価なルテニウム錯体を用いる必要がある、経時での安定性が充分でないなどの問題がある。
また、更なる問題点として、色素増感型太陽電池は先述のとおり電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要となるなどの問題点を有していた。
電解液を有する他の電気化学素子の代表例としては、鉛蓄電池やリチウム電池などが代表的ではあるが、コンパクトにモジュール化されたこれらの電気化学素子でさえ100%回収され、リサイクルされている訳ではなく、環境上からは好ましいものではない。
このような電解液の問題を回避し、さらに色素増感型太陽電池の良さを引き継いだ、全固体色素増感型太陽電池の開発も進んでいる。
この分野では、U.Bach,D.Lupo,P.Comte,J.E.Moser, F.Weissortel,J.Salbeck,H.Spreitzer and M.Gratzel,Nature,395,583(1998)に記載の、アモルファス性有機正孔移動剤を用いたものや、G.R.A.Kumara, S.Kaneko, M.kuya,A.Konno and K.Tennakone:Key Engineering Matterals,119,228(2002)に記載の正孔移動剤にヨウ化銅を用いたものなどが知られているが、正孔移動剤の伝導度が低いため未だ充分な光電変換効率を与えるには至っていない。
さらに、伝導度の比較的高い正孔移動剤としてはポリチオフェン系材料が代表例としてあげられ、PEDOTを正孔移動剤として用いた全固体色素増感型太陽電池が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
また、半導体と、例えば特定の増感色素とを用いた太陽電池が知られており、そこで使用される正孔輸送層としては、例えばトリアリールアミン構造骨格を有する化合物を含有した正孔輸送層が知られている(非特許文献3および特許文献1参照)。
他方、太陽電池が使用される環境としては、温度、湿度などが異なる様々な環境があり、使用される環境の変化に対しても充分に適用できるものが要求されている。
しかしながら、上記のような材料を用いた、色素増感型の太陽電池では、まだ光電変換効率、耐久性が充分でなく、特に低温において光電変換効率が充分でなく、低温においても光電変換効率に優れる太陽電池が求められている。
特開2009−269987号公報
B.O’Regan and M.Gratzel:Nature,353,737(1991) J.Xia,N.Masaki,M.Lira−Cantu,Y.Kim,K.Jiang and S.Yanagida:Journal of the American Chemical Society,130,1258(2008) M.Thelakkat,J. Hagen,D.Haarer, H.−W.Schmidt,Synthetic Metals,VOL.102、1125,(1999)
本発明の目的は、低温での光電変換効率に優れることで、使用環境の汎用性が高い色素増感型太陽電池を提供することにある。
本発明の上記課題は、下記手段により達成される。
1.基板、第一電極、半導体および増感色素を含有する光電変換層、正孔輸送層および第二電極をこの順に有する光電変換素子、を有する太陽電池において、該正孔輸送層は、下記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする太陽電池。
Figure 2012023266
(式中、Ar〜Ar17、Ar22は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の、芳香族炭化水素残基、複素環残基を表す。
Ar18〜Ar21は各々独立に、置換基を有していてもよい3価の、芳香族炭化水素残基または複素環残基を表す。
〜X、X10〜X17は水素原子、ハロゲン原子、Xまたは、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。但し、一般式(1)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(2)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(3)においてX10〜X17の少なくとも一つはXである。
Zは置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。
一般式(1)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
一般式(2)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
一般式(3)においてAr10〜Ar22、X10〜X17、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。)
2.前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする前記1に記載の太陽電池。
3.前記増感色素がカルボキシル基を有することを特徴とする前記1または2に記載の太陽電池。
4.前記正孔輸送層が、前記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を複数種含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の太陽電池。
本発明の上記手段により、低温での光電変換効率に優れることで、使用環境の汎用性が高い色素増感型太陽電池が提供できた。
本発明の太陽電池に用いられる光電変換素子の一例を示す断面図である。
本発明は太陽電池であって、基板、第一電極、半導体および増感色素を含有する光電変換層、正孔輸送層および第二電極をこの順に有する光電変換素子を有する太陽電池において、該正孔輸送層は、上記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする。
本発明においては、正孔輸送層に、上記特定の化合物を含有させることで、特に低温での光電変換効率に優れ、耐久性に優れる色素増感型太陽電池が提供できる。
本発明の、太陽電池は、基板、第一電極、半導体および増感色素を含有する光電変換層、正孔輸送層および第二電極をこの順に具備する光電変換素子を有する。
(太陽電池、光電変換素子)
本発明の太陽電池に用いられる光電変換素子について、図1により説明する。
図1は、光電変換素子の一例を示す模式断面図である。
図1に示すように、光電変換素子10は、基板1、第一電極2、光電変換層6、正孔輸送層7および第二電極8をこの順に設置してなる。
光電変換層6は、半導体および色素を含有する。
第一電極2と光電変換層6との間には、短絡防止、封止などの目的で、バリヤ層3を有することが好ましい。
太陽光は、図下方の矢印の方向から入る。
本発明の光電変換素子の製造例を以下に示す。
第一電極2を付けた基板1(導電性支持体ともいう)上に、バリヤ層3を付着して形成した後、バリヤ層3上に、半導体からなる半導体層を形成し、その半導体表面に増感色素を吸着させて光電変換層6を形成する。その後、光電変換層6の上に、正孔輸送層7を形成する。
正孔輸送層7は、増感色素を担持した半導体からなる半導体層の上に存在し、その上に第二電極8が付着している。第一電極2および第二電極8に端子を付けて電流を取り出すことができる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、光吸収して電子を半導体に注入した後の増感色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を第二電極に輸送する機能を担う層である。
正孔輸送層は、上記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を含有する。
一般式(1)から(3)において、Ar〜Ar17、Ar22は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の、芳香族炭化水素残基または複素環残基を表す。
Ar18〜Ar21は各々独立に、置換基を有していてもよい3価の、芳香族炭化水素残基または複素環残基を表す。
〜X、X10〜X17は水素原子、ハロゲン原子、Xまたは、置換または未置換のアルコキシ基、アミノ基、アルキル基を表わし、一般式(1)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(2)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(3)においてX10〜X17の少なくとも一つはXである。
Zは、置換基は有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。
一般式(1)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
一般式(2)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
一般式(3)においてAr10〜Ar22、X10〜X17、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
Ar〜Ar17、Ar22で表される置換基を有していてもよい2価の、芳香族炭化水素残基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、アセナフチレン、フルオレン、フェナントレン、インデン、ピレン等から水素を除いた2価の基が挙げられる。
これらの2価の、芳香族炭化水素残基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、インドリル基、クマリニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、飽和の複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
尚、これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
2価の複素環残基の、複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミヂン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、キナゾリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルボリン環(前記カルボリン環のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、1,10−フェナントロリン環、フタラジン環、インドール環、クマリン環等が挙げられる。
これらの2価の複素環残基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、上記の2価の、芳香族炭化水素残基が有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
〜X、X10〜X17で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
〜X、X10〜X17で表される、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ヘキソキシ基等が挙げられる。
〜X、X10〜X17で表される、置換を有していてもよいアミノ基としては、例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等が挙げられる。
〜X、X10〜X17で表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
〜X、X10〜X17で表される、Xは、−Ar22−Zであり、Zは、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。
置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基としては、X〜X、X10〜X17で表わされる置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基と同義なものが用いられる。
本発明における正孔輸送層を用いることで、特に低温においても光電変換効率に優れる理由は、明確ではないが以下のように推定される。
アリール基を導入することによりπ共役系が拡張し、それにより分子間相互作用が大きくなることにより電荷輸送物質間での電荷授受が低温条件においても滞りなく行われるためと推測できる。また、π共役系の拡張により色素分子との分子間相互作用も大きくなり、色素−正孔輸送物質間の電荷授受も滞りなく行われていると推測出来る。
一般式(1)で表される化合物は、該当するジアリールアミン、もしくはモノアリールアミンと、臭素化したアリール化合物とのBuchwald−Hartwig反応や、アリールボランを用いた鈴木反応などにより合成することができる。
一般式(2)で表される化合物は、該当するジアリールアミンと、下記臭素化したジアリール化合物とのBuchwald−Hartwig反応などにより合成することができる。
Br−Ar−Ar−Br
一般式(3)で表される化合物は、該当するジアリールアミンと、下記臭素化したスピロ骨格含有化合物とのBuchwald−Hartwig反応などにより合成することができる。
Figure 2012023266
一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012023266
Figure 2012023266
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Figure 2012023266
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Figure 2012023266
Figure 2012023266
Figure 2012023266
Figure 2012023266
(合成例)
一般式(1)で表される電荷移動層に含有される化合物(以下、本発明の化合物ともいう)は、類似の化合物において一般的に用いられる合成法により合成することができる。
合成例1(化合物1の合成)
Figure 2012023266
トルエンに、0.1当量の酢酸パラジウム、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、50℃で10分間撹拌した後、1当量のアニリン、3当量の4−ブロモアニソール、3当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、80℃で5時間撹拌した。反応液をセライト濾過した後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Aを得た。
化合物AのDMF溶液に、1.3当量のN−ブロモスクシミドを加え80℃で1.5時間攪拌。反応液に水を加えた後に酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Bを得た。
化合物Bのトルエン溶液に1.5当量の4−メトキシフェニルボロン酸、0.1当量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、2当量の炭酸カリウム、トルエンの1/10量のエタノールを加え、70℃で2時間撹拌した。反応液をセライト濾過した後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物1を得た。
合成例2(化合物22の合成)
Figure 2012023266
2−ブロモ−6−クロロナフタレンのトルエン溶液に1.1当量の4−メトキシフェニルボロン酸、0.1当量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、2当量の炭酸カリウム、トルエンの1/10量のエタノールを加え、70℃で2時間撹拌した。反応液をセライト濾過した後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Cを得た。
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量のベンジルアミン、0.9当量の4−ブロモアニソール、2当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、110℃で2時間攪拌した。反応液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Dを得た。
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量の化合物D、1.1当量の化合物C、2当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、110℃で3時間攪拌した。反応液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Eを得た。
化合物Eの酢酸溶液に1.2当量の48%臭酸水溶液を加え、80℃で1時間撹拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Fを得た。
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量の化合物F、0.45当量の4,4′−ジブロモビフェニル、3当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、110℃で5時間攪拌した。反応液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物22を得た。
合成例3(化合物28の合成)
Figure 2012023266
トルエンに0.1当量のパラジウムアセテート、0.4当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量のベンジルアミン、2.5当量の4−ブロモ−4′−メトキシジフェニル、5当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、110℃で4時間攪拌した。反応液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Gを得た。
化合物Gの酢酸溶液に1.2当量の48%臭酸水溶液を加え、80℃で3時間撹拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Hを得た。
トルエンに0.3当量のパラジウムアセテート、0.9当量のトリ−tert−ブチルホスフィンを加え、40℃で10分間撹拌したのち、1当量の化合物I、5当量の化合物H、8当量のtert−ブトキシナトリウムを加え、110℃で12時間攪拌した。反応液をセライト濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物28を得た。
(正孔輸送層の作製)
本発明に係る正孔輸送層は、一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物を含有する塗布液を、下述する半導体層上に塗布乾燥することで得ることができる。
塗布液に用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の組み合わせの例としては、例えばクロロベンゼン−アセトニトリル混合溶媒等が挙げられる。
正孔輸送層には、必要に応じて、電荷輸送剤として知られている化合物、あるいは、例えば、N(PhBr)SbCl、Li[(CFSON]等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
電荷輸送剤としては、芳香族アミン誘導体を好ましく用いることができる。芳香族アミン誘導体としては、特に、トリフェニルジアミン誘導体が好ましい。
トリフェニルジアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。
また、モノマー、オリゴマーやプレポリマーは、比較的低分子量であることから、有機溶媒等の溶媒への溶解性が高い。
このため、電荷輸送層を塗布法により形成する場合に、電荷輸送層材料の調製をより容易に行うことができるという利点がある。
このうち、オリゴマーとしては、ダイマーまたはトリマーを用いるのが好ましい。
具体的な芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖としたp型半導体高分子材料を用いることもできる。
芳香族アミン誘導体以外の電荷輸送剤としては、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。
塗布する方法としては、ディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等の各種塗布法を用いることができる。
また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。
正孔輸送層中の、一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物の含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、さらに90から100質量%であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、5nmから300nmであることが好ましく、10〜200nmであることが好ましい。
一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物は単独で用いても複数を組み合わせてもよく、複数の上記化合物を組み合わせることにより単独で用いるより蜜に層形成を形成でき、より効率よく正孔を伝達(輸送)することができる。
(基板)
基板は、光入射方向の側に設けられ、光電変換素子の光電変換効率の観点から、光透過率が10%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上であり、特に80%〜100%であることが好ましい。
光透過率とは、JIS K 7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率をいう。
基板としては、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができるが、上記のように高い光透過性を有していることが好ましい。
基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。
可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に特に好ましく適用することができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度およびコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
これらの基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。
表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
基板の厚さとしては、1〜1000μmが好ましく、さらに10〜100μmであることが好ましい。
(第一電極)
第一電極は、基板と光電変換層との間に配置される。
第一電極としては、その光透過率が80%以上、さらに90%以上のものが好まし用いられる。光透過率は、上記基板の説明の記載と同様のものである。
第一電極は、基板の光入射方向に対して反対側となる一方の面上に設けられる。
第一電極を形成する材料の例としては、金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは金属酸化物を用いることが好ましく、例えば、SnO、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO、CdSnO、CdSnO)、In、CdIn等が挙げられる。
金属として好ましくは、銀が挙げられ、光透過性を持たせるために、開口部を持つグリッドパターニングされた膜、あるいは微粒子やナノワイヤーを分散し塗布した膜が好ましく用いられる。
金属酸化物として好ましくは、上記の金属酸化物に、Sn、Sb、FおよびAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。
中でも好ましいのは、SnをドープしたIn(ITO)、SbをドープしたSnO、FをドープしたSnO(FTO)等の導電性金属酸化物が好ましく用いられ、耐熱性の点からFTOが最も好ましい。
第一電極を基板上に有するものを、ここでは導電性支持体と呼ぶ。
導電性支持体の膜厚としては、0.1mm〜5mmの範囲が好ましい。
また、導電性支持体の表面抵抗は、50Ω/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、10Ω/cm以下である。
導電性支持体の光透過率の好ましい範囲は、上記基板の光透過率の好ましい範囲と同様である。
(バリア層)
本発明の光電変換素子は、短絡防止手段として、膜状(層状)をなし、第一電極と半導体層との間に位置するバリヤ層を有することが好ましい。
バリヤ層、光電変換層は、下述するように多孔質であることが好ましい態様であるが、この場合、バリヤ層の空孔率をC[%]とし、半導体層の空孔率をD[%]としたとき、D/Cが、例えば、1.1以上程度であるのが好ましく、5以上程度であるのがより好ましく、10以上程度であるのがさらに好ましい。
これにより、バリヤ層と半導体層とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。
より具体的には、バリヤ層の空孔率Cとしては、例えば、20%以下程度であるのが好ましく、5%以下程度であるのがより好ましく、2%以下程度であるのがさらに好ましい。すなわち、バリヤ層は、緻密層であるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
バリヤ層の平均厚さ(膜厚)としては、例えば、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.5μm程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
このバリヤ層の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛、ニオブ、スズ、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムまたはその酸化物、また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、ニオブ酸ストロンチウムのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、CdS、CdSe、TiC、Si、SiC、BNのような各種金属化合物等の1種または2種以上の組み合わせなども使用することができる。
特に正孔輸送層がp型半導体の場合、バリヤ層に金属を使用する場合には正孔輸送層よりも仕事関数の値が小さく、ショットキー型の接触をするものが用いられる。またバリヤ層に金属酸化物を用いる場合には、透明導電層とオーミックに接触し、かつ伝導帯のエネルギー準位が多孔質半導体層4よりも低いところにあるものが好ましい。
このとき、酸化物を選択することで多孔質半導体層(光電変換層)からバリヤ層への電子移動効率を向上させることもできる。
この中でも、半導体層(光電変換層)と同等の電気伝導性を有するものであるのが好ましく、特に、酸化チタンを主とするものがより好ましい。
(光電変換層)
光電変換層は、半導体および増感色素を含有し、当該増感色素を担持した当該半導体を含有する半導体層からなる。
(半導体)
半導体層に用いられる半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、好ましく用いられるのは、TiOまたはNbであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiO(酸化チタン)である。
半導体層に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。
例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。
また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)に記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る半導体を液体有機塩基または有機塩基溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
《半導体層の作製》
半導体層の作製方法について説明する。
半導体層の半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹き付けて、半導体層を作製するのがよい。また、本発明に係る半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体層を作製することが好ましい。
半導体層の好ましい態様としては、上記導電性支持体上に半導体の微粒子を用いて焼成により形成する方法が挙げられる。
本発明に係る半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質層への充填等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる半導体層を、半導体微粉末を用いて焼成により形成する方法について詳細に説明する。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜100nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。
溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ、界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹き付け、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜とも言う)が形成される。
導電性支持体上に半導体微粉末含有塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の導電層上に形成された半導体微粒子層は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した半導体層とするため前記半導体微粒子層の焼成処理が行われる。
半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
半導体層が、多孔質構造膜である場合には、正孔輸送層の正孔輸送物質などの成分は、この空隙にも存在することが好ましい態様である。
ここで、半導体層の空隙率は10体積%以下が好ましく、さらに好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアサイザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、少なくとも10nm以上が好ましく、さらに好ましくは500〜30000nmである。
焼成処理時、焼成膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、基板がプラスチック等で耐熱性に劣る場合には、200℃以上の焼成処理を行わずに、加圧により微粒子どうしおよび微粒子−基板間を固着させることもでき、あるいはマイクロ波により、基板は加熱せずに、半導体層のみを加熱処理することもできる。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径および比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。
また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高めたりして、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(増感色素)
本発明に係る増感色素は、下述するような半導体の増感処理により、半導体に担持されており、光照射時、光励起され起電力を生じ得るものである。増感色素としては、光電変換素子に用いられる公知の増感色素を用いることができる。
電荷の半導体への効率的な注入の観点から、増感色素はカルボキシル基を有することが好ましい。以下に、増感色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012023266
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Figure 2012023266
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(半導体の増感処理)
半導体層1m当たりの本発明の色素の総担持量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
増感処理を行う場合、増感色素を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いることもできる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
半導体に増感色素を担持させるには、適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
増感色素を複数種併用したり、その他の色素を併用したりして増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について別々の溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。
各増感色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体に増感色素等を含ませる順序がどのようであってもよい。
また、前記色素を単独で吸着させた半導体の微粒子を混合する等することにより作製してもよい。
また、空隙率の高い半導体の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、増感色素等の吸着処理を完了することが好ましい。
半導体の増感処理は、前述のように増感色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。
その際には半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成させた基板を、予め減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去しておくことが好ましい。このような処理により、増感色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようになり、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
増感色素を溶解するのに用いる溶媒は、増感色素を溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はない。
しかしながら、溶媒に溶解している水分および気体が半導体膜に進入して、増感色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気および蒸留精製しておくことが好ましい。
増感色素の溶解において、好ましく用いられる溶媒はアセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、複数の溶媒を混合してもよい。特に好ましくはアセトニトリル、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(増感処理の温度、時間)
半導体を焼成した基板を増感色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に深く進入して吸着等を充分に進行させ、半導体を十分に増感させることが好ましい。
また、溶液中での色素の分解等により生成して分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃条件下では3〜48時間が好ましく、さらに好ましくは4〜24時間である。
この効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。
ただし、浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させた場合には、上記の限りではない。
浸漬しておくに当たり本発明の色素を含む溶液は、前記色素が分解しない限りにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は5〜100℃であり、さらに好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
(第二電極)
第二電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられる。絶縁性の物質でも、正孔輸送層に面している側に導電性物質層が設置されていれば、これも使用可能である。
正孔輸送層との接触性が良いことが好ましい。また正孔輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定であることが好ましい。このような材料として金、銀、銅、アルミ、白金等の金属薄膜やカーボンブラック、導電性高分子等の有機導電体を用いることも出来る。
(太陽電池)
本発明の太陽電池は、上記の光電変換素子を有する。
本発明の太陽電池は、光電変換素子のみでも態様電池として機能するが、太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有するようにすることが好ましい。
即ち、色素増感された半導体に太陽光が照射されうる構造となっており、本発明の太陽電池を構成する際には、前記光電変換層、正孔輸送層および第二電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に担持された増感色素は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体および外部負荷を経由して第二電極に移動して、正孔輸送層の正孔輸送性材料に供給される。
一方、半導体に電子を移動させた増感色素は酸化体となっているが、第二電極から正孔輸送層の重合体Aを経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に正孔輸送層の重合体Aは酸化されて、再び第二電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。
〔光電変換素子1の作製:本発明〕
酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)18nm、ポリエチレングリコール分散)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へスクリーン印刷法(塗布面積5×5mm)により塗布し200℃で10分間及び450℃で15分間焼成を行い、厚さ1.5μmの酸化チタン薄膜を得た。
色素Aをアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解し、5×10−4mol/lの溶液を調製した。上記酸化チタンを塗布焼結したFTOガラス基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して色素の吸着処理を行い、半導体電極とした。
クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒に、本発明の化合物1を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/l、t−Butylpyridineを50mmol/lとなるように溶解した正孔輸送層形成用塗布液を調製した。そして、当該正孔輸送層形成用塗布液を、前記光増感色素を吸着、結合させた半導体層の上面にスピンコート法により塗布し正孔輸送層を形成した。さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対極電極を作製し、光電変換素子1を作製した。前述したスピンコート法による塗布では、スピンコートの回転数を1000rpmに設定して行った。
Figure 2012023266
〔光電変換素子2〜20の作製:本発明〕
光電変換素子1の作製において、正孔輸送層形成用塗布液に添加した本発明の化合物を表1のように替えた以外は同様にして、光電変換素子2〜20を作製した。
〔光電変換素子21の作製:本発明〕
光電変換素子1の作製において、正孔輸送層形成用塗布液をクロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒中に、ホール輸送剤として、化合物13を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した塗布液Aと、化合物28を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/lとなるように溶解した塗布液Bを、A:B=1:1で混合した正孔輸送層形成用塗布液に代えた以外は同様にして、光電変換素子21を作製した。
〔光電変換素子22、23の作製:比較例〕
光電変換素子1の作製において、電荷輸送物質含有塗布液を表1のように代えた以外は同様にして、光電変換素子22、23を作製した。
Figure 2012023266
〔太陽電池の評価〕
上記の光電変換素子1〜23からなる太陽電池1〜23について、下記の評価を行った。
(光電変換特性)
半導体電極を株式会社フジタカ社製サーモコントローラー(FTC−12V150N−A)で0℃としたペルチェ素子上に配置し、強度100mW/cmのキセノンランプ照射下、5×5mmのマスクをかけた条件下で光電変換特性の測定を行った。
即ち、太陽電池について、I−Vテスターを用いて0℃、20%RHにて電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(FF)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、太陽電池の光電変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(Voc×Jsc×FF)/P (A)
ここで、Pは入射光強度[mW・cm−2]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm−2]、FFは形状因子を示す。
Figure 2012023266
表1より、本発明の太陽電池1〜21は、0℃という低温において、比較の光電変換素子22、23に比べ光電変換効率が高いことが分かる。
1 基板
2 第一電極
3 バリヤ層
6 光電変換層
7 正孔輸送層
8 第二電極
10 光電変換素子

Claims (4)

  1. 基板、第一電極、半導体および増感色素を含有する光電変換層、正孔輸送層および第二電極をこの順に有する光電変換素子、を有する太陽電池において、該正孔輸送層は、下記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする太陽電池。
    Figure 2012023266
    (式中、Ar〜Ar17、Ar22は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の、芳香族炭化水素残基、複素環残基を表す。
    Ar18〜Ar21は各々独立に、置換基を有していてもよい3価の、芳香族炭化水素残基または複素環残基を表す。
    〜X、X10〜X17は水素原子、ハロゲン原子、Xまたは、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。但し、一般式(1)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(2)においてX〜Xの少なくとも一つはXであり、一般式(3)においてX10〜X17の少なくとも一つはXである。
    Zは置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アミノ基またはアルキル基を表わす。
    一般式(1)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
    一般式(2)においてAr〜Ar、Ar22、X〜X、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
    一般式(3)においてAr10〜Ar22、X10〜X17、Zは互いに連結して環状構造を形成してもよい。)
  2. 前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記増感色素がカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記正孔輸送層が、前記一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物を複数種含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池。
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