JP2012018958A - 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池 - Google Patents

有機光電変換素子、それを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率および耐久性の高い逆層型有機光電変換素子において、曲線因子および光電変換効率の高い有機光電変換素子を用いた太陽電池、及び光センサアレイを提供する。
【解決手段】少なくとも、基板上に第1の電極、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料からなるバルクへテロジャンクション層、および第2の電極とをこの順に有する有機光電変換素子において、前記第1の電極の仕事関数が第2の電極の仕事関数より浅く、前記第1の電極と前記バルクへテロジャンクション層との間に一般式(1)で表される化合物を含有する層を更に有することを特徴とする有機光電変換素子。
Figure 2012018958

【選択図】なし

Description

本発明は、有機光電変換素子、太陽電池に関し、更に詳しくは、バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGS(銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)からなる半導体材料)などの化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)などが提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは、未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低コストな発電コストを達成しうる太陽電池として、透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合された光電変換層を挟んだバルクへテロジャンクション型光電変換素子が提案され、5%を超える効率が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
これらのバルクへテロジャンクション型太陽電池においては、陽極・陰極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速且つ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。更に、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池などと異なり、160℃より高温のプロセスがないため、安価且つ軽量なプラスチック基板上への形成も可能であると期待される。
他方で太陽電池には耐久性も要求されるが、未だ有機薄膜太陽電池の耐久性は不十分なものであり、改善が期待されている。
このような課題に対して、通常の有機薄膜太陽電池を逆の順番に積層し、透明電極側から電子をとりだし、仕事関数の深い安定な金属電極側から正孔を取りだす、いわゆる逆層構成の有機薄膜太陽電池が提案されている(特許文献1、非特許文献2)。
このような構成にすることで、不安定で酸化されやすい浅い仕事関数の金属を使用する必要がなくなり、電極起因の劣化が抑制され、大幅に寿命を向上できることが開示されている。
このような逆層構成では、電子輸送層上に発電層を塗布積層する必要があるため、電子輸送層に用いられる材料としては、塗布製膜可能でかつ発電層を塗布する溶媒に不溶である材料が求められる。しかしこのような電子輸送材料の報告例は少なく、塗布プロセスで成膜できる電子輸送材料としてTiOxが開示されているが(特許文献1)、TiOx層は水分とチタニウムアルコキシドを反応させて形成するため、水分による劣化が起きる有機光電変換素子においては好ましい素材であるとはいえず、また生産規模で安定な膜が形成できないといった問題があった。
他方、有機材料の電子輸送材料である、オキサジアゾール系化合物を従来構成の電子輸送材料として使用した例が開示されているが(非特許文献3)、これは従来構成の有機薄膜光電変換素子の電子輸送層に該化合物を適用した報告のみにとどまり、この報告には本発明の効果を示唆する思想は何ら開示されなかった。
特開2009−146981号公報
Nature Mat.,vol.6(2007),p497、A.Heeger etc. APPLIED PHYSICS LETTERS 89,p143517、NREL Shaheen etc. Phys.Stat.Sol.(a) 205,No5,1222−1225(2008),Muzubu Ichikawa etc.
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は光電変換効率および耐久性の高い逆層型有機光電変換素子において、曲線因子および光電変換効率の高い有機光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.少なくとも、基板上に第1の電極、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料からなるバルクへテロジャンクション層、および第2の電極とをこの順に有する有機光電変換素子において、
前記第1の電極の仕事関数が第2の電極の仕事関数より浅く、
前記第1の電極と前記バルクへテロジャンクション層との間に一般式(1)で表される化合物を含有する層を更に有することを特徴とする有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。Raはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、na個のRaは各々異なっていても同一でも良く、naは1〜4の整数である。Rbはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、nb個のRbは各々異なっていても同一でも良く、nbは1〜3の整数である。nは0〜1の整数を表す。)
2.前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。Raはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、na個のRaは各々異なっていても同一でも良く、naは1〜4の整数である。Rbはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、nb個のRbは各々異なっていても同一でも良く、nbは1〜3の整数である。nは0〜1の整数を表し、mは1〜3を表す。)
3.前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。Lは単結合または二価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
4.前記一般式(3)で表される化合物が、一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする前記3に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。mは1〜3を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
5.前記一般式(3)で表される化合物が、一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする前記3に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
6.前記一般式(5)で表される化合物が、一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする前記5に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012018958
(式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。mは1〜3を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
7.前記一般式(1)〜(6)において、Xが酸素原子を表すことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
8.前記一般式(1)〜(6)において、Qがヘテロアリール基を表すことを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
9.前記一般式(1)〜(6)で表される化合物を有する層が、溶液プロセスによって形成されていることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
10.前記一般式(1)〜(6)で表される化合物を有する層が、溶液プロセスにより塗布後、重合によって不溶化処理され形成されたことを特徴とする前記9に記載の有機光電変換素子。
11.前記1〜10のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。
本発明により、光電変換効率および耐久性の高い有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池を提供することができた。
従来の順層構成の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 本発明の逆層構成の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型の光電変換層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の有機光電変換素子は、第一の電極とバルクへテロジャンクション層との間に前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
(有機光電変換素子及び太陽電池の構成)
図1は、従来の順層型のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子を示す断面図である。図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、透明電極(一般に陽極)12、正孔輸送層17、光電変換層14、電子輸送層18及び対極(一般に陰極)13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された透明電極12、光電変換層14及び対極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は必須ではなく、例えば、光電変換層14の両面に透明電極12及び対極13を形成することで、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換層14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合した光電変換層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。
ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
図1において、基板11を介して透明電極12から入射された光は、光電変換層14の光電変換層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は内部電界、例えば、透明電極12と対極13の仕事関数が異なる場合では透明電極12と対極13との電位差によって、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。
ここで、通常透明電極12の仕事関数は対極13の仕事関数よりも大きいため、正孔は透明電極12へ、電子は対極13へ輸送される。つまり対極13は仕事関数が浅く酸化されやすい金属を用いる必要がある。この金属が酸化されると、導電性がなくなったり、逆に仕事関数が深くなって層間の接触抵抗が大幅に増加して素子の電気特性が劣化してしまうことが、順層型素子において耐久性が低い大きな要因であった。
そこで本発明では、透明電極(第1の電極)12の仕事関数よりも対極(第2の電極)13の仕事関数を大きくして、即ち、第1の電極の仕事関数を第2の電極の仕事関数よりも浅くして、電子を透明電極(第1の電極)12へ、正孔を対極(第2の電極)13へと輸送するように設計することで、対極13に、酸化されにくく安定な、仕事関数の大きい金属を使用することができる。すなわち、前述のように仕事関数の関係を逆転させ、さらに図1における正孔輸送層17と電子輸送層18の位置を入れ替えた、図2に示されるような逆層構成の有機光電変換素子とすることで、対極の酸化に起因する素子の劣化を大幅に抑制することができ、高い安定性を提供できるようになる。
なお、図1、図2には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
更に、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。図3は、タンデム型の光電変換層を備える有機光電変換素子を示す断面図である。
タンデム型構成の場合、基板11上に順次透明電極12、電子輸送層18、第1の光電変換層14′を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換層16、次いで対電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換層16は、第1の光電変換層14′の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、第1の光電変換層14′、第2の光電変換層16と各電極の間には、正孔輸送層17を有していても良い。
以下に、これらの層を構成する材料について述べる。
〔電子輸送層(正孔ブロック層)〕
本発明の有機光電変換素子は、光電変換層であるバルクヘテロジャンクション層と第1の電極との間に電子輸送層を形成することで、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことができる。
本発明の電子輸送層は、不純物をドープすることもできる。その例としては、特開2008−108995号公報等に記載されたものが挙げられる。
これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
この際に使用する塗布方法に制限はないが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
形成される電子輸送層の膜厚としては5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmである。
本発明の一般式(1)〜(6)で表される化合物は、溶液プロセスにより塗布後、重合によって不溶化処理されることが好ましい。
重合によって不溶化処理させるためには、一般式(1)〜一般式(6)で表される化合物は、重合性基を有することが好ましく、重合性基としては、下記一般式(a)で表される基が好ましい。
Figure 2012018958
式中、Aは、下記一般式(b)、(c)及び(d)からなる連結基群から選択される少なくともひとつを有する連結基または該連結基の複数の組み合わせで表される2価の連結基を表し、Bは水素原子または置換基を表す。
Figure 2012018958
式中、R、R′は、各々水素原子または置換基を表し、nは0以上の整数を表す。
一般式(a)において、Bで表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(a)において、Aは、下記一般式(b)、(c)及び(d)からなる連結基群から選択される少なくともひとつを有する連結基または該連結基の複数の組み合わせで表される2価の連結基を表すが、前記一般式(b)において、R、R’で各々表される置換基は、一般式(a)において、Bで表される置換基と同義である。
また、一般式(a)で表される重合性基としては、下記に示す基が好ましい。
Figure 2012018958
本発明においては、一般式(1)〜(6)で表される化合物を電子輸送層に含有することで、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を向上することができる。
本発明の効果の原因は定かではないが、一般式(1)で表される化合物を、電極上に成膜することで、電極表面の凹凸により一般式(1)で表される化合物の配向性が増し、結果として導電性が向上し、前述の効果が得られたと推定している。
ここで、一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)において、Qはアルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等)、アリール基またはヘテロアリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾチアジアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったもの)を表し、ヘテロアリール基がより好ましい。Lは単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンなどの炭化水素基の他、ヘテロ原子を含むものであってもよく、またチオフェン−2,5−ジイル基やピラジン−2,3−ジイル基のような芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよいし、酸素や硫黄などのカルコゲン原子であってもよい。また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のようなヘテロ原子を会して連結する基でもよい。単結合とは、連結する置換基同士を直接結合する結合手である。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換、または無置換のアリールまたはヘテロアリール基(例えば、Qのアリール基又はヘテロアリール基の例と同様のものが挙げられる)を表す。Raはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基(例えば、Qのアリール基又はヘテロアリール基の例と同様のものが挙げられる)から選ばれる基を表し、na個のRaは各々異なっていても同一でも良く、naは1〜4の整数である。Rbはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基(例えば、Qのアリール基又はヘテロアリール基の例と同様のものが挙げられる)から選ばれる基を表し、nb個のRbは各々異なっていても同一でも良く、nbは1〜3の整数である。nは0〜1の整数を表す。置換基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、t−アミル基、2−エチルヘキシル基、2−クロロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、6−シアノヘキシル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、4−トリフルオロメチルシクロヘキシル基、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、4−t−アミルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ピリジル基、4−トリフルオロメチル−ピリジル基、フリル基、チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、ピラゾリル基、1,3−ジオキソラン−2−イル基、ベンズチアゾール−2−イル基などが挙げられ、好ましくはt−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、o−トリル基、4−t−アミルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、好ましくは一般式(2)で表される。一般式(2)において、Q、L、X、Ra及びRbは一般式(1)のQ、L、X、Ra及びRbと同義である。mは1〜3を表す。
一般式(1)で表される化合物は、好ましくは一般式(3)で表される。一般式(3)において、Q、L及びXは一般式(1)のQ、L及びXと同義のものを表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。Lは単結合または二価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。
一般式(3)で表される化合物は、好ましくは一般式(4)で表される。一般式(4)において、Q、L、X及びR〜Rは一般式(3)のQ、L、X及びR〜Rと同義のものを表す。mは1〜3を表す。
一般式(3)で表される化合物は、好ましくは一般式(5)で表される。一般式(5)において、Q、L、X及びR〜Rは一般式(3)のQ、L、X及びR〜Rと同義のものを表す。
一般式(5)で表される化合物は、好ましくは一般式(6)で表される。一般式(6)において、Q、L、X及びR〜Rは一般式(3)のQ、L、X及びR〜Rと同義のものを表す。mは1〜3を表す。
以下、本発明の一般式(1)〜(6)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2012018958
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本発明の一般式(1)〜(6)で表される化合物は、米国特許第7,282,586号明細書、J.Mat.Chem.2006,16,221−225等を参考にして合成することができる。
〔p型半導体材料〕
本発明の光電変換層(バルクへテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、オリゴチオフェン、オリゴパラフェニレン、フルオレン、カルバゾール、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、チエノチオフェン、ベンゾジチオフェン、シクロペンタジチオフェン、ジチエノピロール、ジチエノシロール、ジチエノナフタレン、ベンゾチオフェノベンゾチオフェン、アントラジチオフェン、チエノピラジン、ベンゾチアジアゾール、ジケトピロロピロール、ピラゾロトリアゾール等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、ビスエチレンジチアテトラチアフルバレン(BEDTTTF)、およびこれらの誘導体等を挙げることができる。
なお、本発明において低分子化合物とは、化合物の分子量に分布のない、単一分子であることを意味する。他方、高分子化合物とは、所定のモノマーを反応させることによって一定の分子量分布を有する化合物の集合体であることを意味する。しかし、実用上分子量によって定義をする際には、好ましくは分子量が5000以上の化合物を高分子化合物と区分する。より好ましくは10000以上、さらに好ましくは30000以上である。他方、高分子量になるほど溶解性が低下するため、分子量は100万以下、より好ましくは10万以下であることが好ましい。なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。また、分子量に応じた精製も分取用のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で精製することができる。
より好ましいp型半導体材料としては、ドナーユニットとアクセプターユニットが共重合された、ドナー・アクセプター型の共役ポリマーである。このようなポリマーは、吸収波長が長波長まで伸び、広い範囲の太陽光を吸収できるため、高い電流密度の発生が期待できる。
このようなポリマーの例としては、例えば、下記構造式で表されるポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン、Nature Mat.,(2006),vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、国際公開第08/664号パンフレットに記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater.,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体、Nature Mat.,vol.6(2007),p497に記載のポリ(シクロペンタジチオフェン−ベンゾチアジアゾール)共重合体(PCPDTBT)等、US2008087324号公報に記載のポリ(シラシクロペンタジチオフェン−ベンゾチアジアゾール)共重合体、Adv.Mater.2010,p22に記載のポリ(ベンゾジチオフェン−チエノチオフェン)共重合体、Adv.Mater.2007,19,p2295に記載のポリカルバゾール誘導体、等を挙げることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、光電変換層上に正孔輸送層を塗布で製膜する場合、正孔輸送層溶液が光電変換層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
[n型半導体材料]
本発明に係る光電変換層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、この中でもn型半導体材料としては、各種のp型半導体材料と高速(〜50フェムト秒)且つ効率的に電荷分離を行うことができる、フラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、及びこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でもN−Methylfulleropyrrolidine、下記構造式で表される[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−n−ヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7,329,709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン、J.Amer.Chem.Soc.,(2009)vol.130,p15429に記載のSIMEF、Appl.Phys.Lett.,Vol.87(2005)、p203504に記載のC60MC12等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
Figure 2012018958
〔光電変換層の形成方法〕
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また、塗布法は製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限はないが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層の正孔と電子(キャリア)の移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換層は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。この場合、前述したような塗布後に不溶化できるような材料を用いることで形成することが可能となる。
光電変換層の膜厚としては2nm〜5μm、好ましくは2〜200nm、更に好ましくは5〜20nmである。
〔正孔輸送層(電子ブロック層)〕
本発明の有機光電変換素子は、光電変換層と対極(第2の電極)となる陽極との中間には正孔輸送層を、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層としては、スタルクヴイテック製、商品名BaytronP等のPEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)−PSS(ポリスチレンスルホン酸)、ポリアニリン及びそのドープ材料、国際公開第06/019270号パンフレット等に記載のシアン化合物、などを用いることができる。なお、光電変換層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、光電変換層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用する方が好ましい。
このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、光電変換層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。光電変換層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
また、同様に正孔を輸送する特性から10−4よりも高い正孔移動度を有していることが好ましく、また電子を阻止する特性から、電子移動度が10−6よりも低い化合物を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲が好ましい。
〔その他の層〕
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層などを挙げることができる。
〔電極〕
本発明の有機光電変換素子においては、少なくとも陽極と陰極とを有する。また、タンデム構成をとる場合には、中間電極を用いることでタンデム構成を達成することができる。なお、本発明においては、主に正孔が流れる電極を陽極と呼び、主に電子が流れる電極を陰極と呼ぶ。
また、透光性があるかどうかといった機能から、透光性のある電極を透明電極と呼び、透光性のない電極を対電極と呼び分ける場合がある。本発明においては、逆層構成であるため、透光性のある透明電極(第1の電極)をカソードとして使用し、透光性のない対電極(第2の電極)はアノードとして使用することが好ましい。
〔透明電極(カソード)〕
本発明の透明電極は、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、AZO、FTO、SnO、ZnO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au、Pt等の非常に薄い金属層または金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ等のナノワイヤやナノ粒子を含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等を用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせてカソードとすることもできる。
カソードは導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。
〔対電極(アノード)〕
カソードである透明電極の仕事関数がおよそ−5.0〜−4.0eVであるため、バルクヘテロジャンクション層で生成したキャリアが拡散してそれぞれの電極に到達するためには、ビルトインポテンシャル、すなわちアノードとカソード間の仕事関数の差がなるべく大きいことが好ましい。
したがって、アノードの導電材としては、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、金、銀、銅、白金、ロジウム、インジウム、ニッケル、パラジウム等が挙げられる。
これらの中で、正孔の取り出し性能、光の反射率、及び酸化等に対する耐久性の点から、銀が最も好ましい。
アノードはこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、アノード側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の陰極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性陰極とすることができる。
〔中間電極〕
また、前記図3のようなタンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記陽極で用いたような材料(ITO、AZO、FTO、SnO、ZnO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au、Pt等の非常に薄い金属層または金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ等のナノワイヤやナノ粒子を含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお、前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで中間電極(電荷再結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると1層形成する工程を省くことができ好ましい。
〔基板〕
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、基板の反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
〔光学機能層〕
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてよい。光学機能層としては、例えば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度発電層に入射させることができるような光拡散層などを設けてもよい。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また、光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物などのナノ粒子・ナノワイヤ等を無色透明なポリマーに分散した層などを挙げることができる。
〔パターニング〕
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
光電変換層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしてもよい。
電極材料などの不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行ったり、エッチングまたはリフトオフ等の公知の方法によってパターニングすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
〔封止〕
また、作製した有機光電変換素子が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、有機光電変換素子だけでなく有機エレクトロルミネッセンス素子などで公知の手法によって封止することが好ましい。
例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化珪素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〔有機光電変換素子SC−101の作製:比較例〕
特許文献1(特開2009−146981号公報)を参考として、逆層型の有機光電変換素子を作成した。
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(表面抵抗率13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次いで基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下でこの透明基板上に、以下の手順で作成した150mM/LのTiOx前駆体溶液をスピンコート(回転速度2000rpm,回転時間60s)し、所定のパターンに拭き取りを行った。
次に、空気中で放置してTiOx前駆体を加水分解させた。次に、TiOx前駆体を150℃で1時間加熱処理して30nmのTiOx層を得た。
《TiOx前駆体の調製:ゾルゲル法》
先ず、100ml三口フラスコに2−メトキシエタノール12.5mlと、6.25mmolのチタニウムテトライソプロポキシドとを入れ、氷浴中で10分間冷却した。次に、12.5mmolのアセチルアセトンをゆっくり加えて、氷浴中で10分間撹拌した。次に、混合溶液を80℃で2時間加熱後、1時間還流した。最後に、室温まで冷却し、メトキシエタノールを用いて所定の濃度(150mM/L)に調整した。TiOx前駆体を得た。なお、上記工程は全て窒素雰囲気で行った。
次いで、TiOx層の上に、クロルベンゼンにp型半導体材料として、P3HT(プレクトストロニクス製、プレックスコアOS2100)を1.0質量%、n型半導体材料としてPCBM(フロンティアカーボン製、Nanon Spectra E100H)を0.8質量%、溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけながら700rpmで60秒、次いで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分乾燥し、光電変換層を得た。
次に、有機半導体層の上に有機溶剤系PEDOT:PSSの分散液(化研産業製、エノコートHC200)をスピンコート(2000rpm,60s)し風乾して正孔輸送層を成膜した。
次に、導電性ポリマー層の上に銀電極層を膜厚約100nmになるように真空蒸着を行ったのち、150℃で10分間加熱処理を行うことで、逆層型の有機光電変換素子を作成した。
〔有機光電変換素子SC−102の作製:比較例〕
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(表面抵抗率13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
PEDOT−PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))の水分散液(スタルク社製BaytronP4083)をスピンコーターでITO上に塗布し、続けて140℃で10分間乾燥させた。膜厚はスピンコーターの回転速度を調整し、膜厚約30nmのPEDOT−PSS膜を製膜した。PEDOT−PSS膜は大気中で塗布及び乾燥し、正孔輸送層を形成した基板を作製した。
正孔輸送層の形成はクリーンルーム内の大気中で行い、その後、O及びHO濃度が1ppm以下に制御された窒素グローブボックス中に移して、光電変換層以降を製膜した。
次いで、正孔輸送層の上クロルベンゼンにp型半導体材料として、P3HT(プレクトストロニクス製、プレックスコアOS2100)を1.0質量%、n型半導体材料としてPCBM(フロンティアカーボン製、Nanon Spectra E100H)を0.8質量%、溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけながら700rpmで60秒、次いで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分乾燥し、光電変換層を得た。
さらに化合物例7の化合物を溶液濃度が0.2質量%になるように2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPO)に溶かして溶液を塗布、乾燥し、膜厚20nmの電子輸送層(正孔ブロック層)を製膜した。
前記作製した積層素子に、真空蒸着機を用いてアルミニウムをシャドウマスクを通してパターン蒸着し、金属電極を形成した後、150℃で10分間加熱処理を行うことで、順層型の有機光電変換素子を作成した。
〔有機光電変換素子SC−103の作製:実施例〕
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(表面抵抗率13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次に、化合物例5の化合物を溶液濃度が0.2質量%になるようにTFPOに溶かした溶液を塗布、乾燥することで、膜厚20nmの正孔ブロック層を製膜した。
次いで、正孔ブロック層の上クロルベンゼンにp型半導体材料として、P3HT(プレクトストロニクス製、プレックスコアOS2100)を1.0質量%、n型半導体材料としてPCBM(フロンティアカーボン製、Nanon Spectra E100H)を0.8質量%、溶解した液を塗布し、光電変換層を得た。
次に、有機半導体層の上に有機溶剤系PEDOT:PSSの分散液(化研産業製、エノコートHC200)をスピンコート(2000rpm,60s)し風乾して正孔輸送層を成膜した。
次に、導電性ポリマー層の上に銀電極層を膜厚約100nmになるように真空蒸着を行ったのち、150℃で10分間加熱処理を行うことで、逆層型の有機光電変換素子を作成した。
〔有機光電変換素子SC−104〜111の作製:実施例〕
有機光電変換素子SC−103の作製において、化合物例5を表1に示す化合物に変更した以外は有機光電変換素子SC−103と同様にして、有機光電変換素子SC−104〜114までそれぞれ作製した。
〔有機光電変換素子SC−101〜SC−114の評価〕
得られた有機光電変換素子SC−101〜SC−114は、エポキシ樹脂とガラスキャップで封止を行い、下記の変換効率と曲線因子、及び耐久性の評価を行った。
(変換効率と曲線因子)
上記作製した光電変換素子に、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、曲線因子(フィルファクター)FFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、平均値を求めた。またJsc、Voc、FFから式1に従って光電変換効率η(%)を求めた。
式1 Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF=η(%)
(耐久性)
ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの照射強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、初期の変換効率を測定した。さらに、この時の初期変換効率を100とし、陽極と陰極の間に抵抗を接続したまま100mW/cmの照射強度で100h照射し続けた後の変換効率を評価し、式2に従って相対低下効率を算出した。
式2 相対低下効率(%)=(1−暴露後の変換効率/暴露前の変換効率)×100
評価の結果を表1に示す。
Figure 2012018958
表1から、本発明にかかる電子輸送材料を使用した有機光電変換素子は、順層構成よりも逆層構成の方がその能力を更に発揮し、曲線因子及びVocを向上することがわかった。さらには素子の耐久性も向上することがわかった。
実施例2(NWP型ET)
実施例1の有機光電変換素子SC−103の作成において、化合物例5を用いて電子輸送層を形成したのに換えて化合物例82の化合物を溶液濃度が0.2質量%になるようにTFPOに溶かした溶液を塗布した後、120度のホットプレート上で加熱を行いながらUVランプを30秒間照射し、不溶化処理された膜厚10nmの電子輸送層を形成した以外は同様にして有機光電変換素子SC−201を作成した。
また、有機光電変換素子SC−201の作製において、電子輸送材料(化合物例82)を表2に示す化合物に変更した以外は有機光電変換素子SC−201と同様にして、有機光電変換素子SC−201〜205をそれぞれ作製した。
これについても実施例1と同様に、曲線因子、Voc、光電変換効率及び耐久性向上について評価を行った。
Figure 2012018958
表2から、本発明にかかる電子輸送材料を使用した有機光電変換素子は、不溶化処理をすることで、更に性能が向上することがわかった。
10 有機光電変換素子
11 基板
12 透明電極
13 対極
14、14′ 光電変換層
15 電荷再結合層
16 第2の光電変換層
17 正孔輸送層
18 電子輸送層

Claims (11)

  1. 少なくとも、基板上に第1の電極、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料からなるバルクへテロジャンクション層、および第2の電極とをこの順に有する有機光電変換素子において、
    前記第1の電極の仕事関数が第2の電極の仕事関数より浅く、
    前記第1の電極と前記バルクへテロジャンクション層との間に一般式(1)で表される化合物を含有する層を更に有することを特徴とする有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。Raはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、na個のRaは各々異なっていても同一でも良く、naは1〜4の整数である。Rbはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、nb個のRbは各々異なっていても同一でも良く、nbは1〜3の整数である。nは0〜1の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。Raはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、na個のRaは各々異なっていても同一でも良く、naは1〜4の整数である。Rbはフッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、nb個のRbは各々異なっていても同一でも良く、nbは1〜3の整数である。nは0〜1の整数を表し、mは1〜3を表す。)
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。Lは単結合または二価の連結基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
  4. 前記一般式(3)で表される化合物が、一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。mは1〜3を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
  5. 前記一般式(3)で表される化合物が、一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
  6. 前記一般式(5)で表される化合物が、一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012018958
    (式中、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R〜Rは水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基から選ばれる置換基を表し、隣接するRとRは連結して環を形成していても良い。mは1〜3を表す。Xは酸素原子、硫黄原子またはN−Rxから選ばれ、Rxは置換または無置換のアリールまたはヘテロアリール基を表す。)
  7. 前記一般式(1)〜(6)において、Xが酸素原子を表すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  8. 前記一般式(1)〜(6)において、Qがヘテロアリール基を表すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  9. 前記一般式(1)〜(6)で表される化合物を有する層が、溶液プロセスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  10. 前記一般式(1)〜(6)で表される化合物を有する層が、溶液プロセスにより塗布後、重合によって不溶化処理され形成されたことを特徴とする請求項9に記載の有機光電変換素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。
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