JP2011165597A - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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和也 磯部
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Abstract

【課題】酸化物半導体への吸着性が良く、光電変換効率が高い化合物(色素)を用いた光電変換素子及び太陽電池を提供する。
【解決手段】対向する一対の電極間に、少なくとも色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、色素が一般式(1)で表される化合物を含有し、且つ電荷輸送層に芳香環基或いは複素環基を導入したアリールアミンを重合させた化合物を含有する光電変換素子及び太陽電池。
Figure 2011165597

【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を用いて構成した太陽電池に関する。
近年、石油や原子力に依らず、無限で有害物質を発生しない太陽光の有効な利用は人類全体が精力的に検討されている。例えば太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換素子はこの代表的な例である。
このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。しかしながら、これらの太陽電池に主に用いられているシリコンは、高度な精製過程が必要な高純度品が求められ、かつ、多層pn接合による構造の為に製造工程は複雑でプロセス数も多く、製造コストが高く、太陽光等を利用した光電変換素子の普及にはより簡易的で製造工程の簡素な素子の開発が待たれている。
無機材料を用いた光電変換素子の改良が進められている一方、より簡素な素子として有機材料を用いた光電変換素子の研究も地道ではあるが進められている。
例えば、1986年にはTangらによってn型の有機色素であるペリレンテトラカルボン酸誘導体とp型の有機色素である銅フタロシアニンを接合させた、pn接合型の有機光電変換素子が報告されて(例えば、非特許文献1参照)いる。
有機光電変換素子において、弱点であると考えられている励起子拡散長の短さと空間電荷層の薄さを改良する為に、単に有機薄膜を積層するpn接合部の面積を大きく増大させ、電荷分離に関与する有機色素数を充分に確保しようという試みがその結果を出しつつある。一つは例えばn型の電子伝導性の有機材料とp型の正孔伝導性ポリマーを膜中で複合させることによりpn接合部分を飛躍的に増大させて、膜中全体で電荷分離を行う手法である。Heererらは1995年に共役高分子をp型の導電性ポリマーとし、電子伝導材料としてフラーレンを混合させた光電変換素子を提案(例えば、非特許文献2参照)した。これらの光電変換素子は次第にその特性を向上させてはいるが、高い変換効率のまま安定して挙動するとこまでには至っていない。
しかし、1991年にGratzelは、酸化チタン上に吸着した色素の増感光電流の膨大で詳細な実験の集大成として、酸化チタンを多孔質化し、その電荷分離の面積(電荷分離に寄与する分子数)を充分に確保することによって、安定動作し高い変換効率を有する光電変換素子の作製に成功(例えば、非特許文献3参照)した。この光電変換素子では、多孔質酸化チタン表面に吸着した色素が光励起され、色素から酸化チタンに電子注入され色素カチオンとなり、対極から電荷輸送層を通じて色素が電子を受け取るというサイクルを繰り返す。電荷輸送層としてはヨウ素を含む電解質を有機溶媒に溶解させた電解液が用いられている。
この光電変換素子は酸化チタンの安定と相まって、優れた再現性を有しており、研究開発の裾野も大きく広がり、この光電変換素子も色素増感型太陽電池と呼ばれて、大きな期待と注目を浴びている。
この方式の利点は酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がないこと、従って安価で、さらに利用できる光は広い可視光領域にまでわたっており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できることである。
反面、資源的制約があるルテニウム錯体が使われているため、この太陽電池が実用化された場合に、ルテニウム錯体の供給が危ぶまれている。また、このルテニウム錯体は高価なことと、経時での安定性に問題があり、安価で安定な有機色素へ変更することができれば、この問題は解決できる。
更なる問題点として、色素増感型太陽電池は先述のとおり電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要となる。電解液を有する他の電気化学素子の代表例としては、鉛蓄電池やリチウム電池などが代表的ではあるが、コンパクトにモジュール化されたこれらの電気化学素子でさえ100%回収され、リサイクルされている訳ではなく、散逸した化学種が新たに環境に蓄積された場合に、二次的な問題を誘起するのは自明である。
このような電解液の問題を回避し、さらに色素増感型太陽電池の良さを引き継いだ、全固体色素増感型太陽電池の開発も進んでいる。この分野ではアモルファス性有機正孔移動剤を用いたもの(例えば、非特許文献4参照)や正孔移動剤にヨウ化銅を用いたもの(例えば、非特許文献5参照)などが知られているが、未だ充分な光電変換効率や安定的に動作するレベルに至っていない。
C.W.Tang: Applied Physics Letters, 48, 183(1986) G.Yu, J.Gao, J.C.Humelen, F.Wudl and A.J.Heerger: Science, 270, 1789(1996) B.O’Regan and M.Gratzel: Natuer, 353, 737(1991) U.Bach, D.Lupo, P.Comte, J.E.Moser, F.Weissortel, J.Salbeck, H.Spreitzer and M.Gratzel,Nature,395,583(1998) G.R.A.Kumara, S.Kaneko, M.Okuya, A.Konno and K.Tennakone: Key Engineering Matterals, 119, 228(2002)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易に製造ができ、光電変換効率および耐久性に優れる固体型色素増感型光電変換素子及び太陽電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.対向する一対の電極間に、少なくとも色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、前記色素が下記一般式(1)で表される化合物を含有し、且つ前記電荷輸送層に下記一般式(2)で表される化合物を重合させた化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
Figure 2011165597
(式中、Ar、Arはそれぞれ独立に置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。R、Rはそれぞれ独立に置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Tは置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。P、Pはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シアノ基、またはカルボキシル基のいずれかを表す。Pはシアノ基、またはカルボキシル基を表す。n1は1〜6の整数を表す。m1は1〜3の整数を表す。l1は0または1を表す。kは1〜3の整数を表し、kが2以上でP及びPが複数存在する場合、それぞれのP及びそれぞれのPは互いに同じ又は異なっても良い前記の基を表す。また、PとPで下記一般式(3)〜(12)の何れかで表される置換基を形成しても良い。R、R、Ar、Ar、P、P、Pは互いに連結して環状構造を形成してもよい。炭素−炭素二重結合は、シス体、トランス体のどちらでもよい。)
Figure 2011165597
(式中、*で示される炭素原子は一般式(1)においてPとPが結合している炭素原子を表す。Rはカルボン酸で置換された、置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。)
Figure 2011165597
(式中、Ar、Ar、Arはそれぞれ独立に置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。Ar、Ar、Arは互いに連結して環状構造を形成してもよい。Rは置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Tは置換または未置換の下記一般式(13)〜(21)のいずれかで表される置換基を表す。n2は1〜6の整数を表す。l2は0または1を表す。炭素−炭素二重結合は、シス体、トランス体のどちらでもよい。尚、下記一般式(13)〜(21)がRと結合する位置はそれぞれの水素原子の結合位の何れかである。)
Figure 2011165597
2.前記一般式(1)で表される化合物におけるTが、前記一般式(13)〜(21)の何れかで表される置換基で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の光電変換素子。
3.前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(22)で表される化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載の光電変換素子。
Figure 2011165597
(式中、R及びTは前記一般式(2)におけるR及びTと同義の基を表す。n2及びl2は前記一般式(2)におけるn2及びl2と同一の数を表す。Rはハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。jは0〜14の整数を表し、jが2以上の場合は、それぞれのRは互いに同じ又は異なっても良い前記の基を表す。)
4.前記電荷輸送層が前記半導体層の表面または内部で重合により形成された化合物を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
5.前記半導体層を形成する半導体が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
本発明により、光電変換効率および耐久性に優れる固体型色素増感型光電変換素子及び太陽電池を提供することができた。
本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者等は、本発明の化合物を有する光電変換素子の良好な特性の理由を以下のように推定した。発電時において色素は光酸化反応を繰り返すことにより電流を発生させており、耐久性向上には光安定性に優れ、酸化に対して強い色素が適していると判断した。そこで、本発明者らは、光電変換効率が高い一般式(1)で表されるアリールアミンを色素の母核とし、光励起された電子が酸化チタン電極へ効率的に移動できるようにするため、酸性基を付加し酸化チタンと結合生成可能な構造とした。
また、色素はその凝集体形成により、励起状態が安定化し、光安定性が向上すると考えられる。
そこで色素に、芳香環基或いは複素環基の導入により、分子間相互作用を強め、凝集の促進が図れた。
さらに、電荷輸送層に一般式(2)で表されるアリールアミンを重合させた化合物を含有することで、電荷輸送化合物の重合した分子鎖に沿っての電荷輸送も可能となり電荷輸送能が向上すると共に、色素の一般式(1)のTと電荷輸送性化合物の一般式(2)のT2で表される類似の置換基を有する化合物間の相互作用が高まり、その分子間距離が近くなるため、色素で発生した電荷が、効率よく、化合物(2)へと受け渡され、良好な光電変換サイクルが達成したものと推定している。
これらの化合物の有している置換基T又はTが、特にピロール、フラン、チオフェン誘導体の場合、ヘテロ原子の隣接炭素が無置換であると、反応性が高く、化学重合もしくは電解重合が容易となる。そこで、電荷輸送層或いは、電荷輸送性化合物の形成に重合反応を使用する場合には、電荷輸送能に優れるアリールアミン誘導体がピロール、フラン、チオフェン誘導体で置換された化合物を電荷輸送材として用いることで、電荷輸送材を重合して電荷輸送能を高めることが容易となり好ましい。さらにピロール、フラン、チオフェン誘導体で置換された化合物を色素と電荷輸送性化合物に共に用いると、電荷輸送材が色素とも重合しやすくなることで、色素が電荷発生してカチオン状態になった時に電荷輸送層からの電子授受が速やかに行われると考えられより好ましい。
また、酸化チタン表面と電荷輸送層とを空間的に分離することができ、逆電子移動が抑止され、電荷分離状態が改善するため光電変換効率の向上が期待される。
これにより、色素増感型の光電変換素子として、光電変換効率が高く、高耐久性の新規な色素および電荷輸送材を見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔光電変換素子〕
本発明の光電変換素子について、図により説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明に係る光電変換素子は、基板1、透明導電膜2、バリヤ層3、半導体層6、電荷輸送層7、対向電極8等から構成されている。光は、下方矢印の方向から入る。
本発明の光電変換素子の製造例を以下に示す。透明導電膜2を付けた基板1(導電性支持体とも言う)上に、バリヤ層3を付着形成した後、焼結して形成した多孔質の半導体5を作製し、その半導体表面に色素4を吸着させて半導体層6を形成する。電荷輸送層7が半導体層6上に存在し、その上に対向電極8が付着している。透明導電膜2および対向電極8に端子を付けて光電流を取り出す。
(一般式(1)で表される化合物)
一般式(1)において、Ar、Arはそれぞれ独立に置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表すが、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、ピレニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基等、複素環基としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、インドリニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイソキオサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、アントラキノニル基、ナフトキノリル基等を挙げることができる。
、Rはそれぞれ独立に置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、t−オクチル基、ドデシル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基等、
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等、
アルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、3−ペンチニル基等を挙げることができる。
、R、Ar、Arは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
n1は1〜6の整数を表し、好ましくは1〜3である。m1は1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。l1は0または1を表す。

以下に本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011165597
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Figure 2011165597
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(一般式(2)で表される化合物)
一般式(2)において、Ar、Ar、Arはそれぞれ独立に、置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表すが、具体的には、上記Ar、Arで挙げた基を挙げることができる。
以下に本発明の一般式(2)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011165597
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合成例
合成例1(例示化合物A−5の合成)
Figure 2011165597
化合物(a)0.9g(2.08×10−3モル)、2−チオフェンボロン酸0.72g(5.62×10−3モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.48g(4.15×10−4モル)、炭酸ナトリウム1.65g(1.55×10−2モル)(1ml水溶液)を1,2−ジメトキシエタン5mlおよびトルエン5ml混合溶媒に溶解し、10時間加熱還流した。放冷後、水を加えて反応を終了した。有機相を分取し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、減圧濃縮し、得られた残査をシリカカラムにより精製して、化合物(b)0.5gを得た。
化合物(b)160mg(3.65×10−4モル)、2−チオヒダントイン84mg(7.23×10−4モル)、酢酸アンモニウム215mg(2.79×10−3モル)を酢酸4mlに溶解し、90℃で2時間加熱撹拌した。放冷後、水を加えて、沈殿物を濾取し、得られた残査を、シリカカラムで処理し化合物(c)141mgを得た。
化合物(c)100mg(1.86×10−4モル)、ブロモ酢酸39mg(2.80×10−4モル)、水酸化カリウム16mg(2.85×10−4モル)をエタノール5mlに溶解し、70℃で1時間攪拌した。ロータリーエバポレータにて濃縮乾固した後、水、酢酸エチルを加え分液ロート酢酸にて有機層を除去した。水槽に1mol/l塩酸を過剰量加え5分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し例示化合物A−5を90mg得た。
得られた例示化合物A−5のHNMRのデータを以下に示す。
HNMR(400MHz,CDCl+(CDSO):δ10.88(1H,s,NH),δ7.98(2H,d,ar−H),7.54(4H,d,ar−H),7.26(4H,m,ar−H),7.16−7.06(8H,m,ar−H),6.85(1H,s,ar−H),3.99(2H,s,SCH)。
合成例2(例示化合物B−24の合成)
Acta Chemica Scandinavica 1998, 52, 131−136.に記載の方法に従って、例示化合物B−3(トリス[4−(2−チエニル)フェニル]アミン)を合成した。
本発明の色素を半導体に担持させることにより増感し、本発明の電荷輸送材料を色素吸着半導体上の電荷輸送層に重合して含有させることにより、本発明に記載の効果を奏することが可能となる。ここで、半導体に色素を担持させるとは、半導体表面への吸着、半導体が多孔質等のポーラスな構造を有する場合には、半導体の多孔質構造に前記色素を充填する等の種々の態様が挙げられる。
本発明に係る半導体の増感処理および電荷輸送層の詳細については、後述する半導体層の作製および電荷輸送層のところで具体的に説明する。
《基板》
基板1は、光入射方向9の側(光入射面側ともいう)に設けられ、色素増感型光電変換素子の光電変換効率向上の観点から、光透過率が10%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上であり、特に80%〜100%(透明であることを示す)であることが好ましい。
上記のような光透過率を基板1が示すためには、例えば、ガラス板やプラスチックフイルムのような光に対して透明な材料を用いることが好ましい。
《透明導電膜》
透明導電膜2(透明導電層ともいう)について説明する。
透明導電膜2は、基板1の光入射方向9に対して反対側となる一方の面上に設けられる。
透明導電膜2を形成する材料の例としては、金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは透明導電性金属酸化物を用いることが好ましく、例えば、SnO、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO、CdSnO、CdSnO)、In、CdIn等が挙げられる。
金属として好ましくは、銀が挙げられ、光透過性を持たせるために、開口部を持つグリッドパターニングされた膜、あるいは微粒子やナノワーヤーを分散し塗布した膜が好ましく用いられる。
透明導電性金属酸化物として好ましくは、上記の金属酸化物に、Sn、Sb、F及びAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。
中でも好ましいのは、SnをドープしたIn(ITO)、SbをドープしたSnO、FをドープしたSnO(FTO)等の導電性金属酸化物が好ましく用いられ、耐熱性の点からFTOが最も好ましい。
《導電性支持体》
上記の基板1と透明導電膜2とから導電性支持体が形成される。
尚、導電性支持体(基板1と透明導電層2からなる)の膜厚としては、0.1mm〜5mmの範囲が好ましい。また、導電性支持体の表面抵抗は、50Ω/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、10Ω/cm以下である。
尚、透明導電性支持体の光透過率の好ましい範囲は、上記基板1の光透過率の好ましい範囲と同義である。
《バリヤ層》
本実施形態では、短絡防止手段として、膜状(層状)をなし、透明導電膜2と電荷輸送層7との間に位置するバリヤ層3が設けられている。このバリヤ層3は、電荷輸送層7の空孔率より、その空孔率が小さくなるよう形成されたものである。
光電変換素子を製造する際には、電荷輸送層を塗布法により、半導体層の上面に塗布することが行われる。この場合、仮に、バリヤ層が設けられない太陽電池では、半導体の空孔率を大きくすると、電荷輸送層材料が半導体の孔内を浸透していき、透明導電膜2に到達してしまうことがある。すなわち、バリヤ層を有さない太陽電池では、透明導電膜と電荷輸送層との間で接触(短絡)が生じることにより、漏れ電流が多くなり、発電効率(光電変換効率)の低下を招く場合がある。
これに対し、バリヤ層3が設けられた光電変換素子では、前述のような不都合が防止され、発電効率の低下が好適に防止または抑制される。
また、バリヤ層の空孔率をC[%]とし、半導体層の空孔率をD[%]としたとき、D/Cが、例えば、1.1以上程度であるのが好ましく、5以上程度であるのがより好ましく、10以上程度であるのがさらに好ましい。これにより、バリヤ層と半導体層とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。
より具体的には、バリヤ層の空孔率Cとしては、例えば、20%以下程度であるのが好ましく、5%以下程度であるのがより好ましく、2%以下程度であるのがさらに好ましい。すなわち、バリヤ層は、緻密層であるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
バリヤ層3の平均厚さ(膜厚)としては、例えば、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.5μm程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
このバリヤ層3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛、ニオブ、スズ、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムまたはその酸化物、また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、ニオブ酸ストロンチウムのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、CdS、CdSe、TiC、Si、SiC、BNのような各種金属化合物等の1種または2種以上の組み合わせなども使用することができる。特に電荷輸送層がp型半導体の場合、バリヤ層に金属を使用する場合には電荷輸送層よりも仕事関数の値が小さく、ショットキー型の接触をするものが用いられる。またバリヤ層に金属酸化物を用いる場合には、透明導電層とオーミックに接触し、かつ伝導帯のエネルギー準位が多孔質半導体層4よりも低いところにあるものが好ましい。このとき、酸化物を選択することで多孔質半導体層からバリヤ層への電子移動効率を向上させることもできる。
この中でも、半導体層と同等の電気伝導性を有するものであるのが好ましく、特に、酸化チタンを主とするものがより好ましい。
《半導体》
半導体電極に用いられる半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、好ましく用いられるのは、TiOまたはNbであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiO(酸化チタン)である。
半導体層に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)に記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る半導体を液体有機塩基または有機塩基溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
《半導体層の作製》
本発明に係る半導体層の作製方法について説明する。
本発明に係る半導体層の半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹き付けて、半導体層を作製するのがよい。また、本発明に係る半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体層を作製することが好ましい。
本発明に係る半導体層の好ましい態様としては、上記導電性支持体上に半導体の微粒子を用いて焼成により形成する方法が挙げられる。
本発明に係る半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質層への充填等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる半導体電極を、半導体微粉末を用いて焼成により形成する方法について詳細に説明する。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜100nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ、界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹き付け、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜とも言う)が形成される。
導電性支持体上に半導体微粉末含有塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の導電層上に形成された半導体微粒子層は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した半導体層とするため前記半導体微粒子層の焼成処理が行われる。
本発明においては、この半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体層の空隙率は10体積%以下が好ましく、さらに好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアサイザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、少なくとも10nm以上が好ましく、さらに好ましくは500〜30000nmである。
焼成処理時、焼成膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。また、基板がプラスチック等で耐熱性に劣る場合には、200℃以上の焼成処理を行わずに、加圧により微粒子どうしおよび微粒子−基板間を固着させることもでき、あるいはマイクロ波により、基板は加熱せずに、半導体層のみを加熱処理することもできる。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高めたりして、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(半導体の増感処理)
半導体層(半導体でもよい)1m当たりの本発明の色素の総担持量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
本発明の色素を用いて増感処理を行う場合、色素を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いることもできる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
半導体に本発明の色素を担持させるには、適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
本発明の色素を複数種併用したり、その他の色素を併用したりして増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について別々の溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。各色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体に色素等を含ませる順序がどのようであっても本発明に記載の効果を得ることができる。また、前記色素を単独で吸着させた半導体の微粒子を混合する等することにより作製してもよい。
また、空隙率の高い半導体の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、色素等の吸着処理を完了することが好ましい。
半導体の増感処理は、前述のように本発明の色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。その際には半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成させた基板を、予め減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去しておくことが好ましい。このような処理により、本発明の色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようになり、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
本発明の色素を溶解するのに用いる溶媒は、前記化合物を溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はない。しかしながら、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記化合物の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
前記化合物の溶解において、好ましく用いられる溶媒はアセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、複数の溶媒を混合してもよい。特に好ましくはアセトニトリル、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(増感処理の温度、時間)
半導体を焼成した基板を本発明の色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に深く進入して吸着等を充分に進行させ、半導体を十分に増感させることが好ましい。また、溶液中での色素の分解等により生成して分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃条件下では3〜48時間が好ましく、さらに好ましくは4〜24時間である。この効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。ただし、浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させた場合には、上記の限りではない。
浸漬しておくに当たり本発明の色素を含む溶液は、前記色素が分解しない限りにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は5〜100℃であり、さらに好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
《電荷輸送層》
本発明に用いられる電荷輸送層(電荷移動層あるいは正孔輸送層ともいう)について説明する。
電荷輸送層は、光吸収して電子を半導体に注入した後の色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層である。
本発明に係る電荷輸送層は、電荷輸送材料として一般式(2)で表されるアリールアミンを重合させた化合物を主成分として構成されている。
電荷輸送化合物は重合することで電荷輸送能を向上させる。また重合しないモノマー成分のみだと、微結晶化が発生し、耐久性が著しく低下する。重合体の重合度把握は、本願の化合物では困難であるが、重合した化合物の溶解性は大きく低下するため、本願での重合したかの確認方法としては、モノマーである一般式(2)の化合物の溶解が可能な溶媒である、テトラヒドロフラン(THF)に浸漬させ、その溶解度で判断する。具体的には、25mlのサンプル瓶に化合物を10mgをとり、THF10mlに添加して、超音波を(25kHz、150W 超音波工業(株) COLLECTOR CURRENT 1.5A 超音波工業製 150) 5分間照射したときに、溶解している化合物が5mg以下の場合は重合していると規定する。
電荷輸送化合物は、半導体層の多孔質空孔部に充填され、多孔質内部にまで存在することが好ましい。色素と電荷輸送化合物との距離が縮まり、有効に働く半導体表面積が増大するためである。
電荷輸送材料としては、色素吸収を妨げないために大きいバンドギャップを持つことが好ましい。本発明で使用する電荷輸送材料のバンドギャップは、2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルは色素の酸化体を還元するためには、色素吸着電極イオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によって電荷輸送層に使用する電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下が好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下が好ましい。
化合物(2)のアリールアミン誘導体としては、特に、トリフェニルアミン誘導体を用いるのが好ましい。トリフェニルアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよく、また他の化合物と混合して用いることもできる。また、モノマー、オリゴマーやプレポリマーは、比較的低分子量であることから、有機溶媒等の溶媒への溶解性が高い。このため、電荷輸送層を塗布法により形成する場合に、電荷輸送層材料の調製をより容易に行うことができるという利点がある。このうち、オリゴマーとしては、ダイマーまたはトリマーを用いるのが好ましい。
このような芳香族アミン誘導体にピロール、フラン、あるいはチオフェン誘導体を導入し、重合させて用いることが好ましい。重合方法としては、重合触媒を用いる化学重合法、少なくとも作用極と対極とを備えて両電極間に電圧を印加することにより反応させる電解重合法、光照射単独あるいは重合触媒、加熱、電解等を組み合わせた光重合法等がある。
重合触媒を用いて化学重合を行う場合には、前記電荷輸送材料を重合させるものであれば特に制限はないが、塩化鉄(III)(iron(III) chloride)、トリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)(iron(III) tris−p−toluenesulfonate)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III) p−dodecylbenzenesulfonate)、メタンスルホン酸鉄(III)(iron(III) methanesulfonate)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III) p−ethylbenzenesulfonate)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)(iron(III) naphthalenesulfonate)及びその水和物等が挙げられる。
化学重合において、重合速度調整剤としては、前記重合触媒における三価鉄イオンに対する弱い錯化剤であり、膜が形成できるように重合速度を低減するものであれば特に制限はないが、重合触媒が塩化鉄(III)及びその水和物である場合には、5−スルホサリチル酸(5−sulphosalicylic acid)の様な芳香族オキシスルホン酸などが挙げられ、また、重合触媒がトリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、メタンスルホン酸鉄(III)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)及びその水和物である場合には、イミダゾールなどが挙げられる。
前記重合塗膜形成用溶液の濃度は、用いる前記電荷輸送材料、前記重合触媒、前記重合速度調整剤およびその他の添加剤のそれぞれの種類、その量比、塗布法に対する条件及び望まれる重合後の膜厚により変化するが、好適な前記電荷輸送材料、前記重合触媒、前記重合速度調整剤の混合物としての質量濃度は、1〜50%の範囲である。
前記重合塗膜形成用溶液を色素担持半導体層に塗布法により塗布した後、あるいは、色素担持半導体層を前記重合塗膜形成用溶液に浸漬させたまま重合反応を行なう。重合反応の条件は、用いる前記前記電荷輸送材料、前記重合触媒、及び前記重合速度調整剤のそれぞれの種類、その量比、濃度、塗布した段階での液膜の厚み、望まれる重合速度により異なるが、好適な重合条件としては、空気中加熱の場合の加熱温度が25〜120℃の範囲、加熱時間が1分〜24時間の範囲が好ましい。
電解重合法により前記電荷輸送層を形成する場合には、例えば次のようにして行われる。
前記電荷輸送材料をアセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネイト、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶解し、これに支持電解質として過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、Li[(CFSON]などの塩類を添加して、電解重合用液を作製する。溶媒としては、支持電解質および前記電荷輸送材料を溶解できるものであれば特に限定されない。支持電解質としては、イオン電離可能なものが用いられ、特定のものに限定されない。特に、溶媒に対する溶解性が高く、酸化、還元を受けにくいものが好適に用いられる。ついで、透明導電膜2、バリヤ層3および色素担持半導体多孔質膜6を形成した基板1をこの電解重合用液に浸し、色素担持半導体多孔質膜6を作用電極として、白金板などを対極として用い、また、参照極としてAg/AgClなどを用いて、直流電解する方法で行われる。電解重合用液中の前記電荷輸送材料の濃度は、0.1〜1000mmol/L程度が好適であり、支持電解質濃度は、0.1〜2mol/L程度が好適である。また、印加電流密度としては、0.01mA/cm〜1000mA/cmの範囲であることが望ましく、特に1mA/cm〜500mA/cmの範囲であることがより望ましい。電解重合用液の温度範囲は、その溶媒が固化・突沸しない範囲が適当であって一般に−30℃〜80℃である。電解電圧、電解電流、電解時間、温度等の条件は、使用する材料によって左右されるため、また、要求する膜厚に応じて適宜選択することができる。
前記電解重合後、脱ドーピングあるいはドーピングするために、保持電圧、溶媒、支持電解質などの条件を変えて重合膜を後処理することもできる。
また、前記電解重合により得られた電荷輸送層にさらに電荷輸送能を向上させる添加物を塗布、吸着させる工程を設けても良い。
具体的なアリールアミン構造としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、等が挙げられる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
電荷輸送層材料に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような電荷輸送層材料には、必要に応じて、例えば、N(PhBr)SbCl、Li[(CFSON]等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。これらの正孔輸送層材料に添加剤を加えることにより、電荷輸送層7は、より効率よく正孔を伝達(輸送)することができる。
電荷輸送層の作製は、半導体電極6上に前記電荷輸送層溶液をディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等の各種塗布法により、塗布して形成するのが好ましい。また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。
電荷輸送材料の具体例としては、前記B−1〜B−50を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《対向電極》
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられる。絶縁性の物質でも、多孔質半導体層に面している側に導電性物質層が設置されていれば、これも使用可能である。
電荷輸送層との接触性が良いことが好ましい。また電荷輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定であることが好ましい。このような材料として金、銀、銅、アルミ、白金等の金属薄膜やカーボンブラック、導電性高分子等の有機導電体を用いることも出来る。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子の一態様として、太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。即ち、色素増感された半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記半導体電極、電荷輸送層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に担持された本発明に係る色素は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体および外部負荷を経由して対向電極に移動して、電荷輸送層の電荷輸送性材料に供給される。一方、半導体に電子を移動させた本発明に係る色素は酸化体となっているが、対向電極から電荷輸送層の電荷輸送性材料を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷輸送層の電荷輸送性材料は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例
〔光電変換素子SC−1の作製(本発明)〕
チタンテトライソプロポキシド4ml、水1ml、およびエタノール溶液40mlを混合し、さらに塩酸を加えてpH1に調整した。この酸化チタン前駆体溶液を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板上に、1000rpmでスピンコートした。これを、100℃で15分間加熱して乾燥した。さらに、450℃で10分間焼成を行って緻密な、厚み30〜50nmの酸化チタン薄膜からなるバリヤ層を形成した。
酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)18nm、エチルセルロース分散)を、上記バリヤ層を形成したFTOガラス基板へスクリーン印刷法(塗布面積25mm)により塗布した。200℃で10分間及び500℃で15分間焼成を行い、厚さ1.5μmの酸化チタン薄膜を得た。色素のA−1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解し、5×10−4mol/lの溶液を調製した。上記酸化チタンを塗布焼結したFTOガラス基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して色素の吸着処理を行い、半導体電極とした。
前記半導体電極を1×10−4Mの電荷輸送材のB−24と、0.1Mの過塩素酸テトラブチルアンモニウムを溶解したアセトニトリル溶液に浸漬した。作用極を前記半導体電極、対極を白金線、参照電極をAg/Ag(AgNO 0.01M)、保持電圧を0.8Vとし、5分間電圧を保持し、その後、保持電圧0Vで1分間保持して、電荷輸送層を前記半導体電極表面に形成した。得られた半導体電極/電荷輸送層をアセトニトリルで洗浄、乾燥した。なお、ここで得られた電荷輸送層は、溶媒には不溶の重合膜になっている。その後、15mMのLi[(CFSON]、50mMのtert−ブチルピリジンを溶解したアセトニトリル溶液に10分間浸漬した。その後、半導体電極/電荷輸送層を自然乾燥後、さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対向電極を作製し、光電変換素子1を作製した。
[光電変換素子SC−2〜SC−20の作製]
光電変換素子1の作製において、色素のA−1を表1に記載の色素に変更し、電荷輸送材B−24を表1に記載の電荷輸送材に変更した以外は同様にして、光電変換素子SC−2〜20を作製した。
[光電変換素子SC−R1の作製(比較例)]
半導体電極作製までは光電変換素子SC−1と同様にして作製した。
その後、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒に、電荷輸送材B−24を0.1mol/l、Li[(CFSON]を15mmol/l、t−Butylpyridineを50mmol/lとなるように溶解した電荷輸送層形成用塗布液を調製した。そして、当該電荷輸送層形成用塗布液を、前記で作製した半導体電極の半導体層の上面にスピンコート法により塗布し、電荷輸送層を形成した。さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対向電極を作製し、光電変換素子SC−R1を作製した。前述したスピンコート法による塗布ではスピンコートの回転数を500rpmに設定して行った。
このときに対向電極作製前のサンプルを2つ作製し、そのうちの1つの電荷輸送層をスパチェラでかきとって溶解性を調べたところ、完全溶解し、重合体ではないことを確認した。
[光電変換素子SC−R2の作製(比較例)]
半導体電極の作製は、光電変換素子1の作製において、色素のA−1をR−1に変更した以外は同様にしてSC−R2を作製した。
Figure 2011165597
〔光電変換素子の評価〕
作製した光電変換素子を、ソーラーシュミレータ(英弘精機製)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cmの擬似太陽光を照射することにより行った。即ち、光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、光電変換素子の変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(Voc×Jsc×F.F.)/P・・・(A)
ここで、Pは入射光強度[mW/cm−2]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm−2]、F.F.は形状因子を示す。
更に半導体層を、強度100mW/cmのキセノンランプで30分間、光照射し、その後、9ppmのオゾン雰囲気下で10分間曝露させた後での光電変換特性の変化を比較した。
表1に光照射/オゾン曝露の劣化操作前後での光電変換電極を用いたときの特性評価結果を示す。
Figure 2011165597
表1より、本発明の骨格を有する色素および電荷輸送材を用いた光電変換素子は、比較の色素を用いた光電変換素子例に比べ、短絡電流、開放電圧、変換効率において向上が見られた。本発明の色素と電荷輸送材を用いることで、色素−電荷輸送材間の分子間相互作用が強まり、電荷輸送能が向上し、電荷再結合を抑制することができ、変換効率の向上に繋がったものと考えることができる。また、モノマーが同一でも重合体で無い場合には、微小リークの為、変換効率が低かった。
1 基板
2 透明導電膜
3 バリヤ層
4 色素
5 半導体
6 半導体層
7 電荷輸送層
8 対向電極

Claims (6)

  1. 対向する一対の電極間に、少なくとも色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、前記色素が下記一般式(1)で表される化合物を含有し、且つ前記電荷輸送層に下記一般式(2)で表される化合物を重合させた化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
    Figure 2011165597
    (式中、Ar、Arはそれぞれ独立に置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。R、Rはそれぞれ独立に置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Tは置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。P、Pはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シアノ基、またはカルボキシル基のいずれかを表す。Pはシアノ基、またはカルボキシル基を表す。n1は1〜6の整数を表す。m1は1〜3の整数を表す。l1は0または1を表す。kは1〜3の整数を表し、kが2以上でP及びPが複数存在する場合、それぞれのP及びそれぞれのPは互いに同じ又は異なっても良い前記の基を表す。また、PとPで下記一般式(3)〜(12)の何れかで表される置換基を形成しても良い。R、R、Ar、Ar、P、P、Pは互いに連結して環状構造を形成してもよい。炭素−炭素二重結合は、シス体、トランス体のどちらでもよい。)
    Figure 2011165597
    (式中、*で示される炭素原子は一般式(1)においてPとPが結合している炭素原子を表す。Rはカルボン酸で置換された、置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。)
    Figure 2011165597
    (式中、Ar、Ar、Arはそれぞれ独立に置換または未置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。Ar、Ar、Arは互いに連結して環状構造を形成してもよい。Rは置換または未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。Tは置換または未置換の下記一般式(13)〜(21)のいずれかで表される置換基を表す。n2は1〜6の整数を表す。l2は0または1を表す。炭素−炭素二重結合は、シス体、トランス体のどちらでもよい。尚、下記一般式(13)〜(21)がRと結合する位置はそれぞれの水素原子の結合位の何れかである。)
    Figure 2011165597
  2. 前記一般式(1)で表される化合物におけるTが、前記一般式(13)〜(21)の何れかで表される置換基で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(22)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    Figure 2011165597
    (式中、R及びTは前記一般式(2)におけるR及びTと同義の基を表す。n2及びl2は前記一般式(2)におけるn2及びl2と同一の数を表す。Rはハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルボニル基、アリール基または複素環基のいずれかを表す。jは0〜14の整数を表し、jが2以上の場合は、それぞれのRは互いに同じ又は異なっても良い前記の基を表す。)
  4. 前記電荷輸送層が前記半導体層の表面または内部で重合により形成された化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記半導体層を形成する半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
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