JP2012084250A - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規で酸化物半導体への吸着性が良く、光電変換効率が高い化合物(色素)を用いた光電変換素子及び太陽電池を提供する。
【解決手段】対向する一対の電極間に、少なくとも増感色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、前記増感色素が下記一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物の少なくとも1つを含有することを特徴とする光電変換素子。一般式(1)[M(L3a)(L3b)](A)一般式(2)[M(L3a)(L2a)(L1a)](A)一般式(3)[M(L3a)(L1a)(L1b)(L1c)](A)一般式(4)[M(L2a)(L2b)(L2c)](A)一般式(5)[M(L2a)(L2b)(L1a)(L1b)](A)(式中Mは金属原子又は金属イオン、L3は3価の配位子、L2は2価の配位子、L1は1価の配位子、Aは対アニオンである。)
【選択図】なし

Description

本発明は新規化合物(色素)を用いた光電変換素子及び太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では、非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
その一方で、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体は、クロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料、またはそれらの複合材料等である。これらを真空蒸着法、キャスト法、またはディッピング法等により、薄膜化し電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題もあった。
こうした状況の中で、良好な特性を示す太陽電池がスイスのグレッツェル博士らによって報告された(非特許文献1参照)。提案された電池は色素増感型太陽電池であり、ルテニウム錯体で分光増感された酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の利点は酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がないこと、従って安価で、さらに利用できる光は広い可視光領域にまでわたっており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できることである。
しかしながら、これらの色素を酸化チタン多孔質薄膜に吸着させるには、例えば16時間から24時間と長時間にわたる浸漬時間が必要であった。(特許文献1参照)。
特開2010−100850号公報
B.O’Regan,M.Gratzel,Nature,353,737(1991)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、新規で光吸収領域が広く、またモル吸光係数が大きく、光電変換効率が高いく、かつ半導体への吸着特性の優れた化合物(色素)を用いた光電変換素子及び太陽電池を提供することにある。
本発明者らは、生産性が高く光電変換効率が高い光電変換素子の開発の為には、新たな増感色素を見出すことが重要であるとの考えのものに、増感色素の探索を行った結果、イミダゾロン骨格含有アミン構造を有する化合物を用いた光電変換素子が、高い光電変換効率と高い吸着速度を達成することを見出し、本願発明を達成した。
即ち、本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.増感色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、前記増感色素が下記一般式(1)〜(5)から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
一般式(1) [M(L3a)(L3b)](A)
一般式(2) [M(L3a)(L2a)(L1a)](A)
一般式(3) [M(L3a)(L1a)(L1b)(L1c)](A)
一般式(4) [M(L2a)(L2b)(L2c)](A)
一般式(5) [M(L2a)(L2b)(L1a)(L1b)](A)
(一般式(1)〜一般式(5)中、Mは一個の金属原子または該金属のイオンであり、(L3a)、(L3b)は該金属に配位する3価の配位子であり、(L3a)、(L3b)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L2a)、(L2b)、(L2c)は該金属に配位する2価の配位子、もしくは該金属に結合する置換基であり、(L2a)、(L2b)、(L2c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L1a)(L1b)(L1c)は該金属に配位する1価の配位子もしくは該金属に結合する置換基であり(L1a)(L1b)および(L1c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。但し、一般式(1)〜一般式(5)中には各々下記一般式Zの構造を有し、該一般式Zの構造は、(L3a)、(L3b)、(L2a)、(L2b)、(L2c)、(L1a)(L1b)(L1c)上の少なくとも1か所に置換する。Aは対イオンであり、1価もしくは2価の陰イオンもしくは陽イオンである。bは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表し、bは0〜2の整数である)
Figure 2012084250
(一般式Z中、Rは水素原子、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基又は複素環基を表す。RはXで置換した、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アミノ基、アリール基または複素環基を表す。Xは酸性基を表し、mは1以上の整数を表す。m≧2の場合、Xは同じでも異なってもよい。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。)
2.前記一般式Zが、下記一般式Zであることを特徴とする前記1に記載の光電変換素子。
Figure 2012084250
(一般式Z中、Rは水素原子、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基または複素環基を表す。R、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基または複素環基を表し、互いに連結して環状構造を形成してもよい。nは0以上の整数を表し、n≧2の場合、R、Rは同じでも異なってもよい。Yは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、Xは酸性基を表す。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。)
3.前記一般式ZのYが硫黄原子であることを特徴とする前記2に記載の光電変換素子。
4.前記Rが水素原子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
5.前記増感色素として、前記一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物から選ばれた複数の化合物を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
6.前記半導体層を形成する半導体が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
7.前記一般式(1)〜一般式(5)中のMがルテニウム、オスミニウム、銅及び鉄から選択された一種の金属原子または金属のイオンであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
本願発明により、新規で酸化物半導体への吸着性が良く、光電変換効率が高い化合物(色素)を用いた光電変換素子及び太陽電池を提供することができた。
本発明に用いられる光電変換素子の一例を示す断面図である。
本願発明の光電変換素子は、増感色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子であり、前記増感色素が前記一般式(1)〜一般式(5)から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする。
光電変換素子が上記構成を有することにより、光電変換効率が高い光電変換素子及び太陽電池を提供することができる。
本願発明に係わる増感色素、即ち、イミダゾロン骨格含有金属錯体構造を有する化合物は、従来のローダニン骨格含有金属錯体構造を有する化合物より、分子吸光係数が高いこと、該イミダゾロン骨格含有金属錯体構造を有する化合物の分子中の電子アクセプター部分(イミダゾロン骨格部分)の電気陰性度が高いため、分子中の酸性基(X)の求核性が強まり、半導体表面の金属分子に結合または配位しやすくなり光電変換効率が向上したものと推定している。また、本願発明に係るイミダゾロン骨格含有金属錯体構造を有する化合物の一部の増感色素分子は分子間相互作用により凝集が発達して吸収波長が長波シフトし、また吸着色素量が増加することにより、より多くの波長の光を吸収していることが光電変換効率を向上させている要因として推定している。また、高い電気陰性度は半導体、例えば酸化チタンの吸着サイトと予想される水酸基の水素に吸着しやすいため、比較的高速で吸着可能であると推定している。
以下、本願発明をさらに詳細に説明する。
〔光電変換素子〕
本発明の光電変換素子について、図により説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。
図1に示すように、基板1、1′、透明導電膜2、7、半導体3、増感色素4、電荷輸送層5、隔壁9等から構成されている。
本発明の光電変換素子は、透明導電膜2を付けた基板1(導電性支持体とも言う。)上に、半導体3の粒子を焼結して形成した空孔を有する半導体層を有し、その空孔表面に色素4を吸着させたものが用いられる。対向する一対の電極の内の一つの電極6としては、基板1′上に透明導電膜7が形成され、その上に白金8を蒸着したものが用いられ、両電極間には電荷輸送層5として電荷輸送物質が充填されている。透明導電膜2及び7に端子を付けて光電流を取り出す。
次に、一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物及び一般式Zの構造について記載する。
一般式(1)〜一般式(5)において、
一般式(1)〜一般式(5)中、Mは一個の金属原子または該金属のイオンであり、(L3a)、(L3b)は該金属に配位する3価の配位子であり、(L3a)、(L3b)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L2a)、(L2b)、(L2c)は該金属に配位する2価の配位子であり、(L2a)、(L2b)、(L2c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L1a)(L1b)(L1c)は該金属に配位する1価の配位子もしくは置換基であり(L1a)(L1b)および(L1c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。但し、一般式(1)〜一般式(5)中には各々下記一般式Zの構造を有し、該一般式Zの構造は、(L3a)、(L3b)、(L2a)、(L2b)、(L2c)、(L1a)(L1b)(L1c)上の少なくとも1か所に置換する。Aは対イオンであり、1価もしくは2価の陰イオンもしくは陽イオンである。bは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表す。
上記(L3a)、(L3b)で表される3価の配位子としては、置換もしくは無置換の2,2′:6′,2″−ターピリジン等が挙げられる。
上記(L2a)、(L2b)、(L2c)で表される2価の配位子もしくは置換基としては、各々置換又は無置換の、2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、2−フェニルピリジン、β−ジカルボニル化合物、β−ジケトナート等が挙げられる。
上記(L1a)(L1b)および(L1c)で表される1価の配位子としては、水分子、置換もしくは未置換のピリジン等が挙げられ、1価の置換基としてはイソチオシアネート基、チオシアネート基、イソシアネート基、シアノ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
尚、上記1価、2価、3価の置換基や配位子については、具体的な化合物例で、後に例示している。
前記Aで表される対イオンのうち、陰イオンとしてはヘキサフルオロリン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどが挙げられ、陽イオンとしてはテトラブチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、水素イオンなどが挙げられる。
上記Mで表される金属原子または該金属のイオンとしては、ルテニウム、銅、コバルト、オスミウム、イリジウム、鉄、チタン、ケイ素、亜鉛、ニッケル、パラジウム、スズ等の金属原子または金属イオンが挙げられる。これらの金属原子または金属イオンの中で、特に好ましいものは、ルテニウム>オスミウム>銅>鉄である(特に、好ましい順に例示した)。
一方、一般式Zにおいて、Rは水素原子、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基または複素環基を表す。RはXで置換した、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アミノ基、アリール基または複素環基を表す。Xは酸性基を表し、mは1以上の整数を表す。m≧2の場合、Xは同じでも異なってもよい。炭素−炭素二重結合は、シス体、トランス体のどちらでもよい。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。
、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等が挙げられ、アルキニル基としては、プロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、アミノ基としては、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロポエンチルアミノ基等が挙げられ、複素環基としては、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、モルホニル基等が挙げられる。
で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられ、アルキルセレノ基としては、メチルセレノ基、エチルセレノ基、プロピルセレノ基、ブチルセレノ基、ヘキシルセレノ基等が挙げられ、アミノ基としては、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロポエンチルアミノ基等が挙げられる。
上記、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基にXが置換、もしくは上記アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アミノ基のアルキル上にXが置換している。
Xは酸性基を表し、酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、スルフィノ基、スルフィニル基、ホスホリル基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホニル基、スルホニル基、及び、それらの塩等が挙げられ、カルボキシル基、スルホ基が好ましい。
置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、水酸基、アミノ基、チオール基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)または複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基等)が挙げられる。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
次に、一般式Zの構造について記載する。
前記一般式(1)中の一般式Zが、一般式Zで表される化合物は、光電変換効率が高く好ましい。
一般式Zにおいて、R、Xは、一般式Z中のR、Xと同義である。R、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基または複素環基を表し、互いに連結して環状構造を形成してもよい。nは0以上の整数を表し、n≧2の場合、R、Rは同じでも異なってもよい。Yは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、Xは酸性基を表す。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。
、Rで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。
、Rで表される各々置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基または複素環基としては、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、アリル基等が挙げられ、アルキニル基としては、プロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、複素環基としては、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、モルホニル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、アミノ基としては、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロポエンチルアミノ基等が挙げられ、複素環基としては、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、モルホニル基等が挙げられる。
一般式Zに於いて、Yは、硫黄原子であることが好ましい。電子が酸化チタンに良好に流れ込みやすい経路を形成しやすいためと推定している。
また、一般式Z又は一般式ZのRは、水素原子であることが好ましい。
この部分が水素の場合には、良好な変換効率が得られている。色素同士が水素結合を形成して、良好な凝集構造を形成しやすくなっている為と推定している。
一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。この表で、部分構造の波線が付いている部分は、一般式で結合している結合部分を表す。
Figure 2012084250
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上記具体例の化合物構造の中で、Z〜Z10は以下に示す2価の基を表す。
Figure 2012084250
一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物(以下、本発明の色素ともいう)は、一般的な合成法により合成することができる。
《合成例》
合成例1(化合物121の合成)
Figure 2012084250
化合物Aのクロロホルム溶液に、チオヒダントイン3当量、ピペリジン6当量を加え40℃で4時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Bを得た。
化合物Bのエタノール溶液に、2.5当量のブロモ酢酸、5当量の水酸化カリウムを加え、70℃で5時間攪拌した。ロータリーエバポレータにて濃縮乾固した後、水、酢酸エチルを加え分液ロートにて有機層を除去した。水層に1mol/l塩酸を過剰量加え5分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Cを得た。
塩化ルテニウム(III)3水和物および2.3当量の2,2′−ジピリジルを、DMF:1N塩酸の1:1溶液に加え、暗所にて9時間撹拌した。沈殿物を桐山ろ過により分取し、水洗後、真空乾燥し化合物Dを得た。
化合物DのDMF溶液に、1当量の化合物Cを加え、遮光下で8時間撹拌した。ロータリーエバポレータにて濃縮乾固した後、エーテルにて沈殿物を洗浄し、化合物Eを得た。
化合物EのDMF溶液に、4当量のチオシアン酸アンモニウムを加え、150℃にて8時間撹拌した。室温まで冷却に、沈殿物を桐山ろ過で濾取し、水洗、冷アセトンにて洗浄し、真空乾燥した後、シリカカラムで処理し化合物121を得た。
化合物121は、核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで構造を確認した。
合成例2(化合物8の合成)
Figure 2012084250
化合物FのTHF溶液を−20℃に冷却し、3当量のジイソブチルアルミニウムヒドリドのTHF溶液を加え、1時間撹拌した。反応液に飽和ロッシェル塩水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Gを得た。
化合物Gのクロロホルム溶液に、チオヒダントイン4当量、ピペリジン8当量を加え40℃で12時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Hを得た。
化合物Hのエタノール溶液に、4当量のブロモ酢酸、8当量の水酸化カリウムを加え、70℃で8時間攪拌した。ロータリーエバポレータにて濃縮乾固した後、水、酢酸エチルを加え分液ロートにて有機層を除去した。水層に1mol/l塩酸を過剰量加え5分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレータにて濃縮乾固し、シリカカラムで処理し化合物Iを得た。
塩化ルテニウム(III)3水和物および1当量の化合物Jを、DMF:1N塩酸の1:1溶液に加え、暗所にて7間撹拌した。沈殿物を桐山ろ過により分取し、水洗後、真空乾燥し化合物Kを得た。
化合物KのDMF溶液に、1当量の化合物Iを加え、遮光下で12時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、濾液に0.5mol/lヘキサフルオロリン酸水溶液をpH2.5になるまで滴下し錯体を沈殿させた。錯体を濾取し、pH2.5ヘキサフルオロリン酸水溶液、アセトン/ジエチルエーテル(4:1)で洗浄した後、真空乾燥し化合物8を得た。化合物8は、核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで構造を確認した。
他の化合物も同様にして合成することができる。
このようにして得られた本発明の色素を半導体に担持させることにより増感し、本発明に記載の効果を奏することが可能となる。ここで、半導体に色素を担持させるとは、半導体表面への吸着、半導体が多孔質等のポーラスな構造を有する場合には、半導体の多孔質構造に前記色素を充填する等の種々の態様が挙げられる。
また、半導体層(半導体でもよい)1m当たりの本発明の色素の総担持量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
本発明の色素を用いて増感処理を行う場合、色素を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いることもできる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
半導体に本発明の色素を担持させるには、適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
本発明の色素を複数種併用したり、その他の色素を併用したりして増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について別々の溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。各色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体に色素等を含ませる順序がどのようであっても本発明に記載の効果を得ることができる。また、前記色素を単独で吸着させた半導体の微粒子を混合する等することにより作製してもよい。
また、本発明に係る半導体の増感処理の詳細については、後述する光電変換素子のところで具体的に説明する。
また、空隙率の高い半導体の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、色素等の吸着処理を完了することが好ましい。
次に本発明の光電変換素子について説明する。
〔光電変換素子〕
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上に、少なくとも半導体に本発明の色素を担持させてなる半導体層、電荷輸送層及び対向電極を有する。以下、半導体、電荷輸送層、対向電極について順次説明する。
《半導体》
半導体電極に用いられる半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられるが、好ましく用いられるのは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、好ましく用いられるのは、TiOまたはNbであるが、中でも特に好ましく用いられるのはTiO(酸化チタン)である。
半導体層に用いる半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)に記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合は、そのまま固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る半導体を液体アミンまたはアミン溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
(導電性支持体)
本発明の光電変換素子や本発明の太陽電池に用いられる導電性支持体には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフィルムのような非導電性材料に導電性物質を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体に用いられる材料の例としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えばインジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。導電性支持体の厚さは特に制約されないが、0.3〜5mmが好ましい。
また、光を取り込む側の導電性支持体は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。透明な導電性支持体を得るためには、ガラス板またはプラスチックフィルムの表面に、導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体の表面抵抗は、50Ω/cm以下であることが好ましく、10Ω/cm以下であることがさらに好ましい。
《半導体層の作製》
本発明に係る半導体層の作製方法について説明する。
本発明に係る半導体層の半導体が粒子状の場合には、半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹き付けて、半導体層を作製するのがよい。また、本発明に係る半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合して半導体層を作製することが好ましい。
本発明に係る半導体層の好ましい態様としては、上記導電性支持体上に半導体の微粒子を用いて焼成により形成する方法が挙げられる。
本発明に係る半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質層への充填等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる半導体電極を、半導体微粉末を用いて焼成により形成する方法について詳細に説明する。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは2〜50nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ、界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹き付け、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜とも言う)が形成される。
導電性支持体上に半導体微粉末含有塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の導電層上に形成された半導体微粒子層は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した半導体層とするため前記半導体微粒子層の焼成処理が行われる。
本発明においては、この半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体層の空隙率は10体積%以下が好ましく、さらに好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、少なくとも10nm以上が好ましく、さらに好ましくは500〜30000nmである。
焼成処理時、焼成膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、さらに好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高めたりして、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(半導体の増感処理)
半導体の増感処理は、前述のように本発明の色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。その際には半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成させた基板を、予め減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去しておくことが好ましい。このような処理により、本発明の色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようになり、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
本発明の色素を溶解するのに用いる溶媒は、前記化合物を溶解することができ、かつ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はない。しかしながら、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記化合物の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
前記化合物の溶解において、好ましく用いられる溶媒はアセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、複数の溶媒を混合してもよい。特に好ましくはアセトニトリル、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(増感処理の温度、時間)
半導体を焼成した基板を本発明の色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に深く進入して吸着等を充分に進行させ、半導体を十分に増感させることが好ましい。また、溶液中での色素の分解等により生成して分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃条件下では3〜48時間が好ましく、さらに好ましくは4〜12時間である。この効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。ただし、浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させた場合には、上記の限りではない。生産性を重視する場合には、変換効率が最大値に達しない条件での浸漬を設定する場合も多く、この様な条件では、本願の化合物の吸着特性は特に効果を発揮する。この様な条件例としては、たとえば、1時間〜6時間、特に1時間〜3時間の短時間吸着条件の場合には効果が大きい。
浸漬しておくに当たり本発明の色素を含む溶液は、前記色素が分解しない限りにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は5〜100℃であり、さらに好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
《電荷輸送層》
本発明に用いられる電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層である。
本発明に係る電荷輸送層は、レドックス電解質の分散物や正孔輸送材料としてのp型化合物半導体(電荷輸送剤)を主成分として構成されている。
レドックス電解質としては、I/I 系や、Br/Br 系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I/I 系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。これらの分散物は溶液である場合に液体電解質、常温において固体である高分子中に分散させた場合に固体高分子電解質、ゲル状物質に分散された場合にゲル電解質と呼ばれる。電荷輸送層として液体電解質が用いられる場合、その溶媒としては電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。固体高分子電解質の例としては特開2001−160427号公報記載の電解質が、ゲル電解質の例としては「表面科学」21巻、第5号288〜293頁に記載の電解質が挙げられる。
電荷輸送剤としては、色素吸収を妨げないために大きいバンドギャップを持つことが好ましい。本発明で使用する電荷輸送剤のバンドギャップは、2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、電荷輸送剤のイオン化ポテンシャルは色素ホールを還元するためには、色素吸着電極イオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によって電荷輸送層に使用する電荷輸送剤のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下が好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下が好ましい。
電荷輸送剤としては、正孔の輸送能力が優れている芳香族アミン誘導体が好ましい。このため、電荷輸送層を主として芳香族アミン誘導体で構成することにより、光電変換効率をより向上させることができる。芳香族アミン誘導体としては、特に、トリフェニルジアミン誘導体を用いるのが好ましい。トリフェニルジアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。また、モノマー、オリゴマーやプレポリマーは、比較的低分子量であることから、有機溶媒等の溶媒への溶解性が高い。このため、電荷輸送層を塗布法により形成する場合に、電荷輸送層材料の調製をより容易に行うことができるという利点がある。このうち、オリゴマーとしては、ダイマーまたはトリマーを用いるのが好ましい。
具体的な芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
芳香族アミン誘導体以外の電荷輸送剤としては、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。
以下に、電荷輸送剤(CTM)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012084250
Figure 2012084250
Figure 2012084250
《対向電極》
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子の一態様として、太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。即ち、色素増感された半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記半導体電極、電荷輸送層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に担持された本発明に係る色素は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体を経由して対向電極に移動して、電荷移動層のレドックス電解質を還元する。一方、半導体に電子を移動させた本発明に係る色素は酸化体となっているが、対向電極から電荷輸送層のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層のレドックス電解質は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明これらに限定されない。
〔光電変換素子1の作製〕
酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)18nm、ポリエチレングリコール分散)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へスクリーン印刷法(塗布面積5×5mm)により塗布した。塗布及び乾燥(120℃で3分間)を3回繰り返し、200℃で10分間及び500℃で15分間焼成を行い、厚さ15μmの酸化チタン薄膜を得た。この薄膜上に、さらに酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)400nm、ポリエチレングリコール分散)を同様の方法で塗布及び焼成し、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を形成した。
本発明の化合物1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解し、5×10−4mol/lの溶液を調製した。上記酸化チタンを塗布焼結したFTOガラス基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して色素の吸着処理を行い、半導体電極とした。
電荷輸送層(電解液)にはヨウ化1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム0.6mol/l、グアニジンチオシアネート0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、4−(t−ブチル)ピリジン0.5mol/lを含むアセトニトリル:バレロニトリル=85:15の溶液を用いた。対極に白金及びクロムを蒸着したガラス板を用い、先に作製した半導電極及び電荷輸送層とクランプセルで組み立てることにより光電変換素子1を作製した。
〔光電変換素子2〜35の作製〕
光電変換素子1の作製において、化合物1を表1に記載の化合物に変更した以外は同様にして、光電変換素子2〜35を作製した。
〔光電変換素子36の作製〕
光電変換素子1の作製において、化合物1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液の代わりに、化合物1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液及び下記化合物301をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液を1:1の比で混合した色素溶液に変更した以外は同様にして、光電変換素子36を作製した。
Figure 2012084250
〔光電変換素子37の作製〕
光電変換素子1の作製において、化合物1をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液の代わりに、化合物93をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液及び化合物149をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解した5×10−4mol/lの溶液を1:1の比で混合した色素溶液に変更した以外は同様にして、光電変換素子37を作製した。
〔光電変換素子38の作製〕
光電変換素子1の作製において、化合物1を下記化合物401に変更し、電荷移動層(電解液)にはヨウ化1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム0.6mol/l、ヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、4−(t−ブチル)ピリジン0.5mol/lを含む3−メトキシプロピオニトリルの溶液を用いた以外は同様にして、光電変換素子38を作製した。
Figure 2012084250
〔光電変換素子39の作製〕
光電変換素子38の作製において、化合物401を下記化合物402に変更した以外は同様にして、光電変換素子39を作製した。
Figure 2012084250
〔光電変換素子40の作製〕
市販の酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径(顕微鏡観察平均)18nm、ポリエチレングリコール分散)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へスクリーン印刷法(塗布面積5×5mm)により塗布し200℃で10分間及び450℃で15分間焼成を行い、厚さ1.5μmの酸化チタン薄膜を得た。
本発明の化合物149をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解し、5×10−4mol/lの溶液を調製した。上記酸化チタンを塗布焼結したFTOガラス基板を、この溶液に室温で3時間浸漬して色素の吸着処理を行い、半導体電極とした。
次いで、クロロベンゼン:アセトニトリル=19:1混合溶媒に、ホール輸送材料である芳香族アミン誘導体2,2′,7,7′−テトラキス(N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)アミン)−9,9′−スピロビフルオレン(OMeTAD)を0.17mol/l、ホールドーピング剤としてN(PhBr)SbClを0.33mmol/l、Li[(CFSON]を15mmol/l、t−Butylpyridineを50mmol/lとなるように溶解したホール層形成用塗布液を調製した。そして、当該ホール層形成用塗布液を、前記光増感色素を吸着、結合させた半導体層の上面にスピンコート法により塗布し、電荷輸送層を形成した。さらに真空蒸着法により金を90nm蒸着し、対極電極を作製し、光電変換素子40を作製した。前述したスピンコート法による塗布ではスピンコートの回転数を1000rpmに設定して行った。
〔光電変換素子41の作製〕
光電変換素子40の化合物149を化合物401に変更した以外は、光電変換素子40と同様にして光電変換素子41を作製した。
〔光電変換素子の評価〕
作製した光電変換素子を、ソーラーシミュレータ(英弘精機製)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cmの擬似太陽光を照射することにより行った。即ち、光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。
評価の結果を表1に示す。
Figure 2012084250
表1より、本発明のイミダゾロン骨格を有する色素を用いた光電変換素子35は、比較の色素を用いた光電変換素子38に比べ、短絡電流、開放電圧、変換効率において向上が見られた。また、複数の色素を用いた光電変換素子36、37においても変換効率の向上が見られ、光電変換素子40は光電変換素子41に比べ短絡電流、開放電圧、変換効率において向上が見られた。本発明のイミダゾロン骨格を有する色素を用いた光電変換素子1〜34においても変換効率向上が見られた。また、3時間という短時間吸着で、本発明の一部色素は、分子間相互作用により凝集が発達し、吸収波長が長波シフトし、または吸着色素量が増加していることから、より多くの波長の光を吸収していることも変換効率向上の要因と考えられる。
1、1′ 基板
2、7 透明導電膜
3 半導体
4 色素
5 電荷輸送層
6 対向電極
8 白金

Claims (8)

  1. 増感色素を半導体に担持してなる半導体層及び電荷輸送層が設けられている色素増感型の光電変換素子において、前記増感色素が下記一般式(1)〜(5)から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
    一般式(1) [M(L3a)(L3b)](A)
    一般式(2) [M(L3a)(L2a)(L1a)](A)
    一般式(3) [M(L3a)(L1a)(L1b)(L1c)](A)
    一般式(4) [M(L2a)(L2b)(L2c)](A)
    一般式(5) [M(L2a)(L2b)(L1a)(L1b)](A)
    (一般式(1)〜一般式(5)中、Mは一個の金属原子または該金属のイオンであり、(L3a)、(L3b)は該金属に配位する3価の配位子であり、(L3a)、(L3b)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L2a)、(L2b)、(L2c)は該金属に配位する2価の配位子、もしくは該金属に結合する置換基であり、(L2a)、(L2b)、(L2c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。(L1a)(L1b)(L1c)は該金属に配位する1価の配位子もしくは該金属に結合する置換基であり(L1a)(L1b)および(L1c)はそれぞれ同じでも異なっても構わない。但し、一般式(1)〜一般式(5)中には各々下記一般式Zの構造を有し、該一般式Zの構造は、(L3a)、(L3b)、(L2a)、(L2b)、(L2c)、(L1a)(L1b)(L1c)上の少なくとも1か所に置換する。Aは対イオンであり、1価もしくは2価の陰イオンもしくは陽イオンである。bは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表し、bは0〜2の整数である)
    Figure 2012084250
    (一般式Z中、Rは水素原子、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基又は複素環基を表す。RはXで置換した、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、アミノ基、アリール基または複素環基を表す。Xは酸性基を表し、mは1以上の整数を表す。m≧2の場合、Xは同じでも異なってもよい。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。)
  2. 前記一般式Zが、下記一般式Zであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 2012084250
    (一般式Z中、Rは水素原子、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基または複素環基を表す。R、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、シアノ基、或いは、各々置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基または複素環基を表し、互いに連結して環状構造を形成してもよい。nは0以上の整数を表し、n≧2の場合、R、Rは同じでも異なってもよい。Yは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表し、Xは酸性基を表す。一般式Z中に炭素−炭素二重結合を含む場合は、該二重結合はシス体、トランス体のどちらでもよい。)
  3. 前記一般式ZのYが硫黄原子であることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記Rが水素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記増感色素として、前記一般式(1)〜一般式(5)で表される化合物から選ばれた複数の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記半導体層を形成する半導体が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記一般式(1)〜一般式(5)中のMがルテニウム、オスミニウム、銅及び鉄から選択された一種の金属原子または金属のイオンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池。
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