JP2013072079A - 光電変換素子及び光電気化学電池、並びにこれに用いられる金属錯体色素 - Google Patents

光電変換素子及び光電気化学電池、並びにこれに用いられる金属錯体色素 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換特性に優れ、かつ耐久性(耐熱性、水強制添加時の連続光照射耐久性)にも優れた光電変換素子及び光電気化学電池、並びにこれに用いられる金属錯体色素を提供する。
【解決手段】導電性支持体上側に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体と、電荷移動体と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、前記色素として下記式(1)で表される金属錯体色素を用いる光電変換素子。
MLmX・CI (1)
[式(1)において、Mは金属原子を表す。L、L2、Xは特定の配位子を表す。mXは1又は2である。CIは、電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
【選択図】図1

Description

本発明は光電変換素子及び光電気化学電池、並びにこれに用いられる金属錯体色素に関する。
太陽光発電に使用される太陽電池として様々なものが開発されている。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の化合物からなる太陽電池が主な研究開発の対象とされ、その一部は実用化されている。しかし、これらの太陽電池を家庭用電源等の用途にまで広く普及させるためには、廉価で製造することや原材料の確保が必要である。そして、エネルギーペイバックタイム(EPT:投入エネルギーの回収期間)を大幅に短くすることも求められてくる。さらには、素子の軽量化や柔軟性の付与も望まれる。かかるニーズを受け、シリコン系の太陽電池が普及する一方で、集光部分の大面積化や製造コストの低減の可能性をもち、無機系の材料に対して分子修飾を利用した分子設計ができ、軽量性ないし柔軟性に富む有機材料を用いた太陽電池の実用化が検討されてきた。
このような状況下で、ルテニウム錯体色素により分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする色素増感型太陽電池に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、そのビピリジンリガンドに所定の置換基を導入した増感色素も提案されている(特許文献3、4参照)。
米国特許第4927721号明細書 米国特許公開公報2010/0258175号 特開2001−291534号公報 特開2011−037788号公報
ところで、光電変換素子の分光増感に使用されるルテニウム錯体色素としては、N719などが開発されている。これを使用した光電変換素子は、使用当初は高い光電変換効率を示す。しかし、使用後の変換効率の低下が大きく、耐久性に改善課題がある。また、可視域の吸収が弱いことも課題として残されている。また、本発明者の確認によると、特許文献3、4に記載の技術によってもその性能が十分とはいいがたく(後記比較例参照)、さらなる性能向上が望まれる。
本発明は、光電変換特性に優れ、かつ耐久性(耐熱性、水強制添加時の連続光照射耐久性)にも優れた光電変換素子及び光電気化学電池、並びにこれに用いられる金属錯体色素の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)導電性支持体上側に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体と、電荷移動体と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、前記色素として下記式(1)で表される金属錯体色素を用いる光電変換素子。
MLmX・CI (1)
[式(1)において、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座または2座の配位子を表す。mXは1又は2である。CIは、電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 2013072079
[式中、Rはアルキル基または芳香環基である。N位の2つのRのうち少なくとも1つは分岐アルキル基または分岐アルキルが置換した芳香環基を表す。R及びRはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。n1は0〜4の整数を表す。n2は0〜3の整数を表す。Lは単結合または共役鎖である。Eは窒素原子またはCHを表す。m1は0または1を表す。]
Figure 2013072079
[式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。c1は0または1を表す。]
(2)前記MがRuである(1)に記載の光電変換素子。
(3)前記L2が下記式(L2−1)で表される(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
Figure 2013072079
[Acは酸性基を表す。c1は式L2と同義である。]
(4)前記式(1)の色素が下記式(1−1)又は式(1−2)で表される(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
Figure 2013072079
[式中、R、R、R、n1、n2、L、Acは、前記式(1)と同義である。]
(5)前記連結基Lがエテニレン基である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(6)前記式(1)の色素が前記式(1−1)で表される(4)又は(5)に記載の光電変換素子。
(7)前記Rにおける分岐アルキル鎖が第四級炭素原子を有するか、または第三級炭素原子を有し、その側鎖のアルキル基の炭素数が2以上である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(8)前記感光体に付与される色素が複数の色素によりなり、そのうち少なくとも1つが前記式(1)で表される色素である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(9)前記複数の色素のうち少なくとも1つが最大吸収波長がエタノール溶液中で600nm以上である(8)記載の光電変換素子。
(10)導電性支持体及び該導電性支持体の導電性表面を被覆するように設けられた半導体層を少なくとも有し、該半導体層の半導体の表面に前記式(1)で表される金属錯体色素及び酸性基もしくはその塩の基を1つ以上有する共吸着剤が担持されている(1)〜(9)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(11)前記感光体層がさらに下記式(A)で表される共吸着剤を有する(1)〜(10)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
Figure 2013072079
[式中、Acは、酸性基を表す。Raは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えた光電気化学電池。
(13)下記式(1)で表される金属錯体色素。
MLmX・CI (1)
[式(1)において、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座または2座の配位子を表す。mXは1又は2である。CIは、電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 2013072079
[式中、Rはアルキル基または芳香環基である。N位の2つのRのうち少なくとも1つは分岐アルキル基または分岐アルキルが置換した芳香環基を表す。R及びRはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。n1は0〜4の整数を表す。n2は0〜3の整数を表す。Lは単結合または共役鎖である。Eは窒素原子またはCHを表す。m1は0または1を表す。]
Figure 2013072079
[式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。c1は0または1を表す。]
本明細書において、芳香環とは、芳香族環及び芳香族複素環を含む意味に用いる。炭素−炭素二重結合については、分子内にE型及びZ型が存在する場合、そのいずれであってもよい。特定の記号で表示された置換基が複数あるとき、あるいは複数の置換基や配位子(置換基数を含む)等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基ないし配位子等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基や配位子が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池は、光電変換特性に優れ、かつ耐久性(耐熱性、水強制添加時の連続光照射耐久性)にも優れる。また、本発明の金属錯体色素は上記光電変換素子及び光電気化学電池の増感色素として新規でありかつ有用である。
本発明の光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。 実施例で作製した電極基板を模式的に示す断面図である。 実施例で作製した色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。 図1に示す光電変換素子の変形例をその拡大部分(円内)において模式的に示した断面図である。
本発明の光電変換素子に用いられる金属錯体色素は中心金属に対して特定の分岐アルキル基をもつ配位子を有し、これにより、高光電変換効率と耐久性の向上とを実現した。
この理由は未解明の点を含むが、下記のように説明することができる。色素が酸化物半導体から脱離する原因の一つとなる水の接近を、前記分岐アルキル鎖により効率よく抑制できる。その結果、耐熱性及び水の存在下での耐久性が向上したと考えられる。しかも、それのみでなく、N位上の置換基に上記分岐アルキル鎖を導入することで、非効率な会合を抑制できると共に、とりわけ上記耐久性の向上について大きな効果が得られる。以下にその好ましい実施形態を中心に、本発明について詳細に説明する。
[素子の構造]
本発明の色素を用いることができる光電変換素子の好ましい実施態様を、図面を参照して説明する。図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、電荷移動体層3、及び対極4からなる。前記導電性支持体1と感光体2とにより受光電極5を構成している。その感光体2は導電性微粒子22と増感色素21とを有しており、色素21はその少なくとも一部において導電性微粒子22に吸着している(色素は吸着平衡状態になっており、一部電荷移動体層に存在していてもよい。)。感光体2が形成された導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
受光電極5は、導電性支持体1および導電性支持体上に塗設される色素21の吸着した半導体微粒子22を含む感光体層(半導体膜)2よりなる電極である。感光体層(半導体膜)2に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有している。そこでこの電子が色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき色素21の分子は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路で仕事をしながら、励起されて酸化された色素は電解質中の還元剤(例えば、I)から電子を受け取り、基底状態の色素に戻ることにより、光電気化学電池として作用する。この際、受光電極5はこの電池の負極として働く。
本実施形態の光電変換素子は、導電性支持体上に後述の色素が吸着された多孔質半導体微粒子の層を有する感光体を有する。このとき色素において一部電解質中に解離したもの等があってもよい。感光体は目的に応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。本実施形態の光電変換素子の感光体には、特定の増感色素が吸着した半導体微粒子を含み、感度が高く、光電気化学電池として使用する場合に、高い変換効率を得ることができる。
なお、光電変換素子の上下は特に定めなくてもよいが、本明細書において、図示したものに基づいて言えば、対極4の側を上部(天部)の方向とし、受光側となる支持体1の側を下部(底部)の方向とする。
[式(1)で表される色素]
本発明の色素は下記式(1)で表される。
MLmX・CI (1)
*Mは金属原子を表す。
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、、W、Cr、Mo、Ni、、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はである。特に好ましくは、Ru、Os、であり、最も好ましくはRuである。
*L
は下記式(L1)で表される配位子を表す。ただし、配位するのに適切な電子状態であればよく、アニオンになっているなど、配位子として適切な状態として解釈すればよい。
Figure 2013072079
・R
式中、Rはアルキル基または芳香環基である。N位の2つのRのうち少なくとも1つは分岐アルキル基または分岐アルキルが置換した芳香環基を表す。芳香環基としては、後記置換基Tで挙げた芳香族基もしくは芳香族複素環基が上げられ、中でも好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、セレノフェン環などが挙げられる。同一特性基中のR1同士は同じでも異なっていてもよく、互いに環を形成していてもよい。
における分岐アルキル鎖が第四級炭素原子を有するか、または第三級炭素原子を有し、その側鎖のアルキル基の炭素数が2以上であることがより好ましい。
は下記式(R1−1)で表されることが好ましい。
Figure 2013072079
式中、R1a、R1bはアルキル基を表す。R1cは水素原子またはアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。R1cが水素原子のとき、R1bは炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、R1aは炭素数2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。R1cがアルキル基のとき、R1bは炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、R1aは炭素数1〜8が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4である。n11が2以上の場合、複数存在する、R1b、R1cの合計炭素数は2〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜7、特に好ましくは2〜5である。*はNに結合する結合手を表す。Lは単結合又は芳香環基である。芳香環基としては、後記置換基Tのアリール基、ヘテロ環基が挙げられる。Lは−(CH)n−で表される連結基であり、nは0以上の整数であり、0〜2の整数であることが好ましい。ただし、主鎖を(L−C)n11−R1aとする。n11は1以上の整数であり、n11が2以上の場合は、複数あるL、R1b、R1cは同一でも異なっていてもよい。
・R及びR
及びRはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子の好ましい例は、後記置換基Tの例が挙げられる。
・n1,n2
n1は0〜4の整数を表す。n2は独立に0〜3の整数を表す。
・L
は単結合または共役鎖であり、共役鎖の好ましい例としては、後記L、Lの例が挙げられる。
・E
Eは窒素原子またはCHを表す。m1は0または1を表す。ただし、EがCHのときは、式L1の配位子はアニオンになって中心金属に配位する。
*L2
2は下記式(L2)で表される配位子を表す。
Figure 2013072079
・Za、Zb及びZc
式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。
Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5員環又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。形成される5員環又は6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、Zb及びZcは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。
・酸性基
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシ基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基など、あるいはこれらのいずれかを有する基が挙げられ、好ましくはカルボキシ基あるいはこれを有する基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、ホスホニル基、若しくはホスホリル基、又はこれらの塩のいずれかであることが好ましい。酸性基とは、連結基を介して結合した基でもよく、例えば、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基などを好ましいものとして挙げることができる。なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。なお、上述のとおり、酸性基Acは酸性を示す基を有する基であればよく、換言すれば、酸性を示す基は所定の連結基を介して導入されていてもよい。なお、酸性基はその塩として存在していてもよい。塩となるとき対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。
・c1
c1は0または1を表す。
前記式(1)記載のL2が下記式(L2−1)で表されることが好ましい。
Figure 2013072079
Acは前記の酸性基を表す。c1は式L2と同義である。
前記式(1)の色素が下記式(1−1)又は式(1−2)で表されることが好ましい。
さらに好ましくは下記式(1−1)で表されることが好ましい。
Figure 2013072079
式中、R、R、R、n1、n2、L、Acは、前記式(1)と同義である。
*配位子X
Xは1座又は2座の配位子を表す。中でも、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレネート基、イソセレネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子、又はハロゲン原子、ホスフィン、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座の配位子が好ましい。
また、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する2座の配位子、又は1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオ尿素からなる群より選ばれる2座の配位子を表すことが好ましい。
なお配位子Xがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
・mX
配位子Xの数を表すm3は1または2である。
*対イオンCI
式(1)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、式(1)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、式(1)の色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
以下に、配位子Lの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例においては、金属錯体を構成する配位子として、プロトン放出状態などその構造及び電荷の状態を合目的的に解釈すればよく、これにより発明が限定して解釈されるものではない。なお、下記式では対イオンを省略しているが任意のものを伴っていてもよい。
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
以下に、配位子L2の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例においては、金属錯体を構成する配位子として、酸性基がプロトンを放出していない状態を記載しているが、プロトンを放出し対イオンを有するなど電荷の状態を合目的的に解釈すればよく、これにより発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 2013072079
Figure 2013072079
以下に金属錯体色素の具体例を示すが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
式(1)で表される化合物の具体例を下記に示すが本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
Figure 2013072079
Figure 2013072079
式(1)で表される化合物からなる色素の合成は、後記実施例に記載の方法を参考にして行うことができる。
式(1)で表される化合物の最も長波長の最大吸収波長は(λmax)は特に限定されないが、500nm以上であることが好ましく、500〜600nmであることがより好ましい。
本発明の金属錯体色素は後述の光電変換素子に使用する場合、単独で用いても他の色素と併用してもよい。これらの色素のうち、少なくとも一つの色素(本発明の式(1)で表される金属錯体色素以外の色素で併用する色素)は、最も長波側の最大吸収波長が0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液中で600nm以上であることが好ましい。
本発明の式(1)で表される金属錯体色素よりも長波側で効率よく光電変換する色素と組合せることで、効率的に太陽光を光電変換することが可能となる。組合せる色素として、好ましくはポルフィリン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン色素、さらに好ましくはポルフィリン系色素、スクアリリウム系色素であり、特に好ましくはスクアリリウム系色素である。ポルフィリン系色素のうち好ましくは2核錯体であり、スクアリリウム系色素のうち好ましくはスクアリリウム骨格を2つ有するビススクアリリウムが好ましい。
(式(2)の化合物からなる色素)
上述した、色素以外で他の金属錯体色素と併用することで、互いの吸着状態を制御し、各々よりも高い効率や耐久性を達成することができる。
他の金属錯体色素としては、下記式(2)で表される化合物からなる色素を含むことが好ましい。
MzL m3 m4mY・CI (2)
・金属原子Mz
Mzは式(1)におけるMと同義である。
*L(式(L3))
は下記式(L3)で表される2座の配位子を表す。
Figure 2013072079
・m3
m3は0〜3の整数であり、1〜3であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。m3が2以上のとき、Lは同じでも異なっていてもよい。
・Ac
Acはそれぞれ独立に酸性基を表す。Acの好ましいものは式(1)で定義したものと同義である。Acはピリジン環上もしくはその置換基のどの原子に置換してもよい。
・R
はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくは置換基Tの例を挙げることができる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基またはアシルアミノ基である。
・R
は、アルキル基又は芳香環基を表す。芳香族基としては、好ましくは炭素原子数6〜30の芳香族基、例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等である。複素環(ヘテロ環)基としては、好ましくは炭素原子数1〜30のヘテロ環基、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリルである。好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、より好ましくはチエニルが挙げられる。該電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基であるのが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基またはヒドロキシ基であるのがより好ましく、アルキル基であるのが特に好ましい。
・e1、e2
e1、e2は0〜5の整数であるが、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。
・L及びL
及びLはそれぞれ独立に共役鎖を表し、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。エテニレン基やエチニレン基等は、無置換でも置換されていてもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L及びLはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、チオフェンジイル、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LとLは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
・e3
e3は0または1である。特に、e3が0のとき式中右側のfは1又は2であるのが好ましく、e3が1のとき右側のfは0又は1であるのが好ましい。fの総和は0〜2の整数であるのが好ましい。
・g
gはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、0〜2の整数であるのが好ましい。
・f
fはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。fの和が1以上であって、配位子Lが酸性基を少なくとも1個有するときは、式(2)中のm3は2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。fが2以上のときAcは同じでも異なっていてもよい。式中左側のfは0又は1であるのが好ましく、右側のfは0〜2の整数であるのが好ましい。
式(2)における配位子Lは、下記式(L3−1)、(L3−2)又は(L3−3)で表されるものが好ましい。
Figure 2013072079
式中、Ac、Ra、f、g及びe3は式(L3)におけるものと同義である。ただし、N位に置換するRaは水素原子であってもよい。e4は0〜4の整数である。
*L(式(L4))
は下記式(L4)で表される2座又は3座の配位子を表す。
Figure 2013072079
式(L4)において、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。
・m4
m4は1〜3の整数であり、1〜2であるのが好ましい。m4が2以上のときLは同じでも異なっていてもよい。
・Zd、Ze、Zf
Zd、Ze及びZfは式(1)のZa、Zb、Zcと同義である。
・h
hは0または1を表す。hは0であるのが好ましく、Lは2座配位子であるのが好ましい。
配位子Lは、下記式(L4−1)〜(L4−8)のいずれかにより表されるのが好ましく、式(L2−1)、(L2−2)、(L2−4)、又は(L2−6)により表されるのがより好ましく、式(L4−1)又は(L4−2)により表されるのが特に好ましく、式(L4−1)により表されるのが特に好ましい。
Figure 2013072079
式中、Acはそれぞれ独立に酸性基又はその塩を表す。Acは前記で定義したAcと同義である。
式中、Rは式(1)と同義である。ただし、N位に置換するRは水素原子であってもよい。
iはそれぞれ独立に0以上置換可能な炭素の位置の数(整数)を表す。なお置換可能数は式の番号の横に()で表示した。Rは互いに連結して、あるいは縮環して環を形成していてもよい。
なお、上記式L4−1〜L4−8では、置換基Rを所定の芳香環に結合手を延ばして示しているが、その芳香環に置換したものに限定されない。つまり、例えば、式L4−1では、左側のピリジン環にAc、Rが置換した形になっているが、これらが右側のピリジン環に置換した形態であってもよい。
*配位子Y
式(2)中、Yは1座又は2座の配位子を表す。mYは配位子Yの数を表す。mYは0〜2の整数を表し、mYは好ましくは1又は2である。Yが1座配位子のとき、mYは2であるのが好ましく、Yが2座配位子のとき、mYは1であるのが好ましい。mYが2以上のとき、Yは同じでも異なっていてもよく、Yどうしが連結していてもよい。
配位子Yは、好ましくはアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子である。より好ましくはアシルオキシ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基またはアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子であり、特に好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子または1,3−ジケトンからなる配位子であり、最も好ましくは、ジチオカルバメート基、チオシアネート基およびイソチオシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトンからなる配位子である。なお配位子Yがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
Yが2座配位子のとき、Yはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、またはチオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
Yが1座配位子のとき、Yはチオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、ホスフィン、カルボニル、ジアルキルケトン、チオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
*対イオンCI
式(2)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。式(1)中のCIと同義であり、好ましい範囲も同じである。
*結合基
式(2)で表される構造を有する色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。結合基としては先のAcが挙げられる。
式(2)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出して任意のカウンターイオンを有してもよい。
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
式(2)により表される色素は、特開2001−291534号公報や当該公報に引用された方法を参考にして合成することができる。
式(2)で表される化合物からなる色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記式(1)で表される化合物からなる色素と、式(2)で表される化合物からなる色素を用いて、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。
式(2)で表される化合物からなる色素と、式(1)で表わされる化合物からなる色素の配合割合は、前者をR、後者をSとすると、モル%の比で、R/S=95/5〜10/90、好ましくはR/S=95/5〜50/50、さらに好ましくはR/S=95/5〜60/40、より一層好ましくはR/S=95/5〜65/35、最も好ましくはR/S=95/5〜70/30である。
[共吸着剤]
本発明の光電変換素子においては、本発明の金属錯体色素または併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としてはカルボキシル基もしくはその塩の基を有する共吸着剤が好ましく、該共吸着剤としては、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えばブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはケノデオキシコール酸である。
好ましい共吸着剤は、下記式(A)で表される化合物である。
Figure 2013072079
式中、Raは置換基を表す。置換基としては、下記置換基Tの例が挙げられる。
Acは酸性基を表し、先に示したものと同義である。
nは0以上の整数を表し、nが2以上の時、複数のRbは互いに同一でも異なっていてもよい。nは2〜4であることが好ましい。
これらの具体的化合物は、上述のステロイド骨格を有する化合物として例示した化合物が挙げられる。
本発明の共吸着剤は、半導体微粒子に吸着させることにより、色素の非効率な会合を抑制する効果及び酸化物半導体表面から電解質中のレドックス系への逆電子移動を防止する効果がある。共吸着剤の使用量は特に限定されないが、上記増感色素1モルに対して、好ましくは1〜200モル、さらに好ましくは10〜150モル、特に好ましくは20〜50モルであることが上記の作用を効果的に発現させられる観点から好ましい。
本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基や配位子を含む)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−チエニル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
[光電変換素子]
(感光体層)
光電変換素子の実施態様については図1に基づき既に説明した。本実施形態において感光体層2は、後述の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。また、感光体層2は目的に応じて設計され、多層構造からなるものであってもよい。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
(電荷移動体)
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物には、酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)、2価と3価のコバルト錯体の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
ヨウ素塩のカチオンは5員環又は6員環の含窒素芳香族カチオンであるのが好ましい。特に、式(1)により表される化合物がヨウ素塩でない場合は、再公表WO95/18456号公報、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を併用するのが好ましい。
本発明の光電変換素子10に使用される電解質組成物中には、ヘテロ環4級塩化合物と共にヨウ素を含有するのが好ましい。ヨウ素の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物は溶媒を含んでいてもよい。電解質組成物中の溶媒含有量は組成物全体の50質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましく、10質量%以下であるのが特に好ましい。溶媒としては特開2001−291534号記載の溶媒などが挙げられる。
また、本発明の電解質としては、正孔導体物質を含む電荷輸送層を用いてもよい。正孔導体物質として、9,9’−スピロビフルオレン誘導体などを用いることができる。
また、電極層、感光体層(光電変換層)、電荷移動体層(ホール輸送層)、伝導層、対極層を順次に積層することができる。p型半導体として機能するホール輸送材料をホール輸送層として用いることができる。好ましいホール輸送層としては、例えば無機系又は有機系のホール輸送材料を用いることができる。無機系ホール輸送材料としては、CuI、CuO,NiO等が挙げられる。また、有機系ホール輸送材料としては、高分子系と低分子系のものが挙げられ、高分子系のものとしては、例えばポリビニルカルバゾール、ポリアミン、有機ポリシラン等が挙げられる。また、低分子系のものとしては、例えばトリフェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、フェナミン誘導体等が挙げられる。この中でも有機ポリシランは、従来の炭素系高分子と異なり、主鎖のSiに沿って非局化されたσ電子が光伝導に寄与し、高いホール移動度を有するため、好ましい(Phys. Rev. B, 35, 2818(1987))。
(導電性支持体)
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
導電性支持体1としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、又は表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体1としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
(半導体微粒子)
図1に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。本発明においては半導体微粒子として、前記の特定の界面活性剤を用いて調製したものを適用する。
(半導体微粒子分散液)
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、ゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、又はミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び各種の有機溶媒のうちの一つ以上を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、又はキレート剤等を分散助剤として少量用いてもよい。しかし、これらの分散助剤は、導電性支持体上へ製膜する工程の前に、ろ過法や分離膜を用いる方法、あるいは遠心分離法などによって大部分を除去しておくことが好ましい。半導体微粒子分散液は、半導体微粒子以外の固形分の含量が分散液全体の10質量%以下とすることができる。この濃度は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%である。すなわち、半導体微粒子分散液中に、溶媒と半導体微粒子以外の固形分を半導体微分散液全体の10質量%以下とすることができる。実質的に半導体微粒子と分散溶媒のみからなることが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/mが好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/mである。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1μm〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1μm〜30μmが好ましく、2μm〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5g〜100gがより好ましい。なお、上記微粒子分散液を塗布して製膜する方法は特に限定されず、公知の方法を適宜適用すればよい。
なお、半導体微粒子22の支持体1m当たりの塗布量は0.5g〜500g、さらには5g〜100gが好ましい。
半導体微粒子22に増感色素21を吸着させるには、溶液と本発明にかかる色素よりなる色素吸着用色素溶液の中に、よく乾燥した半導体微粒子22を長時間浸漬するのが好ましい。色素吸着用色素溶液に使用される溶液は、本発明にかかる増感色素21が溶解できる溶液なら特に制限なく使用することができる。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、トルエン、t−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、n−ブタノールなどを使用することができる。その中でも、エタノール、トルエンを好ましく使用することができる。
増感色素21の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01ミリモル〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1ミリモル〜50ミリモル、特に好ましくは0.1ミリモル〜10ミリモルである。この場合、本発明にかかる増感色素21の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。また、増感色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001ミリモル〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
(対極)
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などがあげられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
(受光電極)
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしてもよい。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
導電性支持体1と多孔質半導体微粒子層の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。好ましい例としては、特開平06−507999号公報等が挙げられる。受光電極5と対極4の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
セル、モジュールの封止法としては、ポリイソブチレン系熱硬化樹脂、ノボラック樹脂、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ガラスフリット、アルミナにアルミニウムアルコキシドを用いる方法、低融点ガラスペーストをレーザー溶融する方法などが好ましい。ガラスフリットを用いる場合、粉末ガラスをバインダー
となるアクリル樹脂に混合したものでもよい。
(実施例)
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
<例示色素の調製>
(例示化合物D−1−3aの調製)
下記のスキームの方法に従って例示色素D−1−3aを調製した。
(i)化合物d−3の調製
アニリン(d−1) 27.4g、炭酸カリウム76.9gをN−メチルピロリドン300mlに室温で攪拌し、2−エチルヘキシルアイオダイド 212gを滴下した後、80℃で2.5時間攪拌後、120℃で5時間攪拌した。その後、tert−ブトキシカリウム32.8gを添加し、150℃で8時間攪拌した。水350mlと酢酸エチル400mlで抽出・分液後、有機層を水300mlで洗浄後、有機層を濃縮し得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−3 78.2gを得た。
(ii)d−4の調製
N,N−ジメチルホルムアミド15.0gを窒素雰囲気下、0℃でで攪拌しながらオキシ塩化リン18.9gを滴下した。室温で30分攪拌後、d−3 32.7gを滴下後、60℃で30分攪拌した。その後室温まで冷却後、水300mlを添加し、水酸化ナトリウム32gを水150mlに溶解した水溶液を添加し15分攪拌した後、酢酸エチル200mlを添加し、析出物をろ過した。ろ液を分液し、有機層を水100mlで洗浄・分液後、有機層を濃縮しした。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−4 32.0gを得た。
(iii)d−6の調製
d−5 2.24gを窒素雰囲気下、0℃でTHF(テラヒドロフラン)100mlに溶解し、別途調整したLDA(リチウムジイソプロピルアミド)を、d−5の2.1等量を滴下し、75分攪拌した。その後d−4 8.5gをTHF10mlに溶解した溶液を滴下し0℃で1時間攪拌し、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液50mlを添加後、分液を行い、有機層をを濃縮した。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−6 9.7gを得た。
(iv)化合物d−7の調製
d−6 4.3g、PPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)2.4gを、トルエン40mlに加え、窒素雰囲気下で7時間加熱還流を行った。飽和重曹水及び塩化メチレンで分液を行い、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノール及び塩化メチレンで再結晶後、d−7 3.6gを得た。
(iV)例示色素D−1−3aの調製
化合物d−7 1.15g、d−8 421mg、をDMF60mlに加え70℃で4時間攪拌した。その後d−9 336mgを加え150℃で7時間加熱攪拌した。その後チオシアン酸アンモニウム 3.7gを加え130℃で5時間攪拌した。濃縮後、水1.3ml加えろかし、ジエチルエーテルで洗い粗精製物1.7gを得た。粗精製物1.5gをTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノール溶液に溶解し、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の分画を回収し濃縮後硝酸0.1M水溶液を添加して、沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、D−1−3b 0.9gを得た。精製物0.7gをメタノール溶液に溶解し、1N硝酸メタノール溶液を添加して沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、D−1−3aを650mg得た。またD−1−3b 300mgをTBAOHメタノール溶液で処理後、水を添加し沈殿物をろ過し、残渣としてD−1−3c 280mgを得た。
得られた化合物D−1−3aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1299.6(M−H)
得られた例示色素D−1−3aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は534nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−2aの調製)
、D−1−3aのd−2を下記のd−10に変更して、例示色素D−1−3aと同様にして例示色素D−1−2aを調製した。
得られた化合物D−1−2aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1131.4(M−H)
得られた例示色素D−1−2aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は535nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−5aの調製)
D−1−3aのd−2を下記のd−11に変更して、例示色素D−1−3aと同様に、例示色素D−1−5aを調製した。
得られた化合物D−1−5aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1155.6(M−H)
得られた例示色素D−1−2aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は534nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−7aの調製)
D−1−3aのd−4を下記のd−12に変更して、以下例示色素D−1−3aと同様に、例示色素D−1−7aを調製した。
得られた化合物D−1−7aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1379.5(M−H)
得られた例示色素D−1−7aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は536nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−9aの調製)
D−1−3aのd−4を下記のd−13に変更して、以下例示色素D−1−3aと同様に、例示色素D−1−9aを調製した。
得られた化合物D−1−9aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1375.4(M−H)
得られた例示色素D−1−9aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は540nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−11aの調製)
D−1−3aのd−1を下記のd−14に変更して、以下例示色素D−1−3aと同様に、例示色素D−1−11aを調製した。
得られた化合物D−1−11aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1359.6(M−H)
得られた例示色素D−1−11aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は536nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−12aの調製)
下記のスキームの方法に従ってd−20を調製し、D−1−3aのd−7を下記のd−20に変更して、以下例示色素D−1−3aと同様に、例示色素D−1−12aを調製した。
(i)化合物d−16の調製
D−1−3aのd−1を下記のd−15に変更して、同様にd−16を合成した。
(ii)d−18の調製
d−16 12、0gに対して、窒素雰囲気下−78℃でTHF250ml中で攪拌しながら、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液 1.05当量を滴下した。その後、d−17を1.5当量滴下し、−20℃まで昇温し1時間攪拌した。濃縮後、得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−18 10.4gを得た。
(iii)d−20の調製
d−19 3g、d−18 3等量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)を10mol%、炭酸セシウム5当量を窒素雰囲気下、0℃でTHF/水の5/1混合溶媒40ml中で攪拌しながら、トリ-tert-ブチルホスフィン30mol%を添加した。その後加熱還流を8時間行った。濃縮後、飽和重曹水と塩化メチレンで分液を行い、有機層を水で洗浄し分液後、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノール及び塩化メチレンで再結晶後化合物d−20 5.7gを得た。
得られた化合物D−1−12aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1247.6(M−H)
得られた例示色素D−1−12aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は528nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−1−13aの調製)
、D−1−12aのd−2を前述ののd−11に変更して、以下例示色素D−1−12aと同様に、例示色素D−1−13aを調製した。
得られた化合物D−1−13aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1303.6(M−H)
得られた例示色素D−1−13aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は527nmであった。
(例示色素D−1−14aの調製)
下記のスキームの方法に従ってd−23を調製し、D−1−12aのd−16を下記のd−23に変更して、以下例示色素D−1−12aと同様に、例示色素D−1−14aを調製した。

(i)d−23の調製
d−21 13.0gに対して、d−22 1.5当量、ヨウ化銅(I)1当量、炭酸カリウム3当量を窒素雰囲気下、1,2−ジクロロベンゼン65ml中で攪拌しながら、120℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、重曹水と酢酸エチルで分液を行い、有機層を水で洗浄し分液後、有機層を濃縮した。得られた粗精製物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、d−23 18.2gを得た。 得られた化合物D−1−14aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1327.4(M−H)
得られた例示色素D−1−14aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は528nmであった。
Figure 2013072079
(例示色素D−4−2aの調製)
(i)d−25の調製
d−24 10.3gに対して、窒素雰囲気下、0℃でTHF(テラヒドロフラン)250mlに溶解し、別途調整したLDA(リチウムジイソプロピルアミド)を、d−5の1.1等量を滴下し、75分攪拌した。その後d−4 1.1当量のTHF溶液を滴下し0℃で1時間攪拌し、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを添加後、分液を行い、有機層をを濃縮した。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物d−25 22.1gを得た。
(ii)化合物d−26の調製
d−25 20gに対して、PPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)2当量を、トルエン200mlに加え、窒素雰囲気下で7時間加熱還流を行った。飽和重曹水及び塩化メチレンで分液を行い、有機層を濃縮した。得られた結晶はメタノール及び塩化メチレンで再結晶後、d−26 18.2gを得た。
(iii)化合物d−29の調製
化合物d−26 3.2gに対しえて、化合物d−27 0.5当量をNMP200mlに加え窒素雰囲気下で70℃で3時間攪拌した。その後d−28 1当量を加え160℃で8時間加熱攪拌した。その後チオシアン酸アンモニウム 20等量を加え160℃で8時間攪拌した。濃縮後、水を加えろ過し、d−29 5.2gを得た。
(iv)例示色素D−4−2aの調整
d−29 1.0gをアセトン30mlと1N水酸化ナトリウム水溶液40mlの混合溶媒に加え、外設65℃で24時間攪拌した。室温に戻し、塩酸でpHを3に調整し、析出物をろ過し、粗精製物D−4−2a 560mgを得た。
これをTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノール溶液に溶解し、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の分画を回収し濃縮後トリフルオロメタンスルフォン酸0.1M溶液を加え、pH3に調整し、析出物をろ過しD−4−2a 400mgを得た。
得られた化合物D−4−2aの構造はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z=1055.3(M−H)
得られた例示色素D−1−14aについて、0.34mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶媒で色素濃度が17μmol/lとなるように調製し、分光吸収測定を行ったところ、吸収極大波長は587nmであった。
(例示色素D−4−2aの調製)
下記のスキームに従って例示色素D−4−2aを同様に合成した。
Figure 2013072079
(例示色素D−7−1aの調製)
(i)化合物d−31の調製
d−32 5.0gに対して、d−30 1当量、エチレングリコール250mlに加え、窒素雰囲気下で遮光条件下1時間加熱還流を行った。その後、d−9 1当量を添加後、130℃で2時間過熱を行った。その後、飽和次亜硫酸ナトリウム水溶液250mlで有機層を洗浄後、ろ過し、水100ml、ジエチルエーテル100mlで洗った。乾燥後、d−31 を得た。
(ii)例示色素D−7−1aの調製
d−31 4.2gに対して、ヨウ化カリウム 35当量をDMF270ml、水135mlに加え140℃で3時間攪拌した。濃縮後、3℃まで冷却し水10ml加えろかし、ジエチルエーテルで洗った。粗精製物をTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノール溶液に溶解し、SephadexLH−20カラムで精製した。主層の分画を回収し濃縮後硝酸0.2Mを添加して、沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、これを再度、メタノール溶液に溶解し、硝酸1Mを添加して沈殿物をろ過後、水及びジエチルエーテルで洗い、D−7−1a 3.4gを得た。
得られた化合物D−7−1はMS測定により確認した。
MS−ESI m/z : 1359.3 (M−H)
Figure 2013072079
前記の方法で調製した金属錯体色素は以下に示した。それらのカウンターアニオンが必要によりテトラブチルアンモニウムイオンであるものである。
(実施例1)
以下の方法で、色素増感太陽電池の試験セル(i)を作製し、この試験セルについて、光電変換特性を測定し、変換効率を求めた。
(試験セル(i))
100×100mmのFTO(フッ素ドープスズ)膜34付きガラス基板32の表面に、エッチング法により深さ5μmの溝を格子回路パターン状に形成した。エッチングは、フォトリソにてパターン形成した後に、フッ酸を用いて行った。これに、めっき形成を可能とするためにスパッタ法により金属導電層(シード層)を形成し、更にアディティブめっきにより金属配線層33を形成した。金属配線層33は、透明基板32表面から凸レンズ状に3μm高さまで形成した。回路巾は60μmとした。この上から、遮蔽層35としてFTO膜を400nmの厚さでSPD法により形成して、電極基板(i)とした。なお、電極基板(i)の断面形状は、特開2004−146425号公報中の図2に準ずるものとなっている。ここで作成した電極基板(i)(図中の符号で31)の模式図を添付図2に示した。
電極基板(i)上に平均粒径25nmの酸化チタン分散液を塗布・乾燥し、450℃で1時間加熱・焼結した。これを表中の色素のエタノール溶液中に40分間浸漬して色素担持した。50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートを介して白金スパッタFTO基板と対向して配置し、樹脂シート部を熱溶融させて両極板を固定した。予め、白金スパッタ極側に電解液の注液口を開けておき、電極間に電解液として0.5Mのヨウ化塩と0.05Mのヨウ素とを主成分に含むメトキシアセトニトリル溶液を注液した。更に、周辺部及び電解液注液口を、エポキシ系封止樹脂を用いて本封止し、集電端子部に銀ペーストを塗布して試験セル(i)とした。各試験セルについて下記の性能評価を行った。結果を下記表1に示す。
(試験方法)
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/mの疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、変換効率(η/%)を求めた。下記の各項目について評価・判定を行った。すべてにおいてA以上であると市場において高い評価を得ることができる。
(初期の変換効率[η])
AA:7.5%以上のもの
A: 7.0%以上7.5%未満のもの
B: 6.5%以上7.0%未満のもの
C: 6.5%未満のもの
(耐熱性試験:加熱暗所保存後の変換効率の降下率[γd])
80℃、500時間暗所経時後の光電変換効率(η)を測定した。このηの初期の変換効率(η)に対する降下率(γd:下式)を求めて評価を行った。
式: 降下率(γd)=(η−η)/(η
AA:γdが5未満のもの
A: γdが5以上10未満のもの
B: γdが10以上20未満のもの
C: γdが20以上のもの
(耐水耐久性:照射後の変換効率の降下率[γL])
500時間連続光照射後の変換効率の光電変換効率(η)を測定した。このとき、水の強制添加は、上記の電解液にメトキシアセトニトリルに対して1%(v/v)の水を添加して行った。このηの初期の変換効率(η)に対する降下率(γL:下式)を求めて評価を行った。
式: 降下率(γL)=(η−η)/(η
AA:γLが10未満のもの
A: γLが10以上15未満のもの
B: γLが15以上20未満のもの
C: γLが20以上のもの
Figure 2013072079
比較色素
Figure 2013072079
表1に示した結果より、比較色素を用いた場合に比べ、本発明の金属錯体色素を用いた試験セルは高い変換効率を示し、耐熱性及び水存在下での耐久性に優れることがわかった。
(実施例2)
以下に示す手順により、特開2010−218770公報に記載の図1に示したものと同様の構成を有する色素増感太陽電池を作成した。具体的な構成は添付の図3に示した。51が透明基板、52が透明導電膜、53がバリア層、54がn型半導体電極、55がp型半導体層、56がp型半導体膜、57が対極(57aが対極の突起部)である。
20mm×20mm×1mmの透明基板(51)としての透明ガラス板に、透明導電膜(52)としてのSnO2:F(フッ素ドープ酸化スズ)をCVDにより形成した透明導電(Transparent Conductive Oxide:TCO)ガラス基板を用意した。
次に、Ti(OCH(CH3)2)4と水とを容積比4:1で混合した溶液5mlを、塩酸塩でpH1に調整されたエチルアルコール溶液40mlと混合し、TiO2前駆体の溶液を調製した。そして、この溶液を、TCOガラス基板上に1000rpmでスピンコートし、ゾルーゲル合成を行った後、真空下で78℃、45分間加熱し、450℃、30分間のアニーリングを行い、酸化チタン薄膜からなるバリア層(53)を形成した。
一方、平均粒子径18nm(粒子径:10nm〜30nm)のアナターゼ型の酸化チタン粒子を、エタノール及びメタノールの混合溶媒(エタノール:メタノール=10:1(体積比))に均一に分散させて酸化チタンのスラリーを調製した。この時、酸化チタン粒子は、混合溶媒100質量%に対し、10質量%の割合でホモジナイザーを用いて均質に分散させた。
次に、エタノールに、粘度調整剤としてのエチルセルロースを濃度が10質量%となるように溶解させた溶液と、アルコール系有機溶媒(ターピネオール)とを上記で調製した酸化チタンのスラリーに添加し、再度、ホモジナイザーで均質に分散させた。この後、ターピネオール以外のアルコールをエバポレータで除去し、ミキサーで混合して、ペースト状の酸化チタン粒子含有組成物を調製した。尚、調製した酸化チタン粒子含有組成物の組成は、酸化チタン粒子含有組成物を100質量%として、酸化チタン粒子が20質量%、粘度調整剤が5質量%であった。
このようにして調製した酸化チタン粒子含有組成物を、上記で形成したバリア層(53)の上に、スクリーン印刷で所定のパターンを形成するように塗布し、150℃で乾燥した後、電気炉内で450℃に加熱して、TCOガラス基板上にn型半導体電極(54)が積層された積層体を得た。次いで、この積層体を硝酸亜鉛(ZnNO3)の溶液に一晩浸漬した後、450℃、45分間加熱して表面処理を行った。この後、表1に示す各種色素を用いて、そのエタノール溶液(増感色素の濃度:1×10-4mol/L)に、表面処理した積層体を浸漬し、25℃で40時間放置して、n型半導体電極(14)の内部に色素を吸着させた。
続いて、アセトニトリルにCuIを添加して飽和溶液を作製し、その上澄み液を6ml取り出したものに、15mgの1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネートを添加してp型半導体の溶液を調整した。そして、80℃に加熱したホットプレート上に、上記のn型半導体電極(54)に色素を含有させた後の積層体を配置し、n型半導体電極(54)にp型半導体の溶液をピペットで滴下塗布して浸透させ、そのまま1分間放置して乾燥させて、p型半導体層(55)を作製した。
次に、厚み1mmの銅板を1M濃度の塩酸にて洗浄し、さらに無水エタノールで洗浄した後、大気中で500℃、4時間加熱し、最大径100nmで高さ10μmのCuOナノワイヤ(突起部57a)が成長した銅板を作製した。この銅板を密閉容器内にヨウ素結晶と封入し、60℃の恒温槽で1時間加熱して、表面に薄いCuI層(p型半導体膜56)をコーティングされた対極(57)を作製した。そして、この対極(57)を、上記で作製した積層体に、p型半導体層(55)の側からに押し付けて積層した。
また、比較例として、上記と同様のTCOガラス基板の表面に、塩化白金酸を10質量%含むイソプロパノール溶液を滴下、乾燥し、400℃で加熱して、TCOガラス基板上にPt粒子が分散された対極を作製し、上記の対極(57)に代えて、p型半導体層(55)に積層した。
このように作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様にして性能評価を行った。その結果、本発明の色素を用いた素子において、初期変換効率(ηi)、耐熱性(暗所保存後低下率)(γd)、耐水耐久性(照射後低下率)(γL)について、最大2%以上の改良効果を確認した。
この結果より、異なるタイプの光電変換素子であっても本発明の金属錯体色素は良好な性能を示し、さらに素子の改良効果も顕著に発揮されることがわかった。比較例S−1〜S−3の色素についても同様に試験評価を行ったが、改良効果は見られるものの、本発明の素子(実施例)に比し、いずれも大きく劣る結果となることを確認した。
(実施例3)
実施例1に対して、共存させる色素ないし共吸着剤として下表2、3のものを用いた以外同様にして素子性能の評価を行った。なお、金属錯体色素の量は、総量として上記のとおりに維持し、共存させる色素を色素全体の30モル%含有させた。共吸着剤は色素の総量1モルに対して20モルを添加した。下表では、初期変換効率、暗所保存後低下率(耐熱性)、照射後低下率(耐水耐久性)について、その改良効果を下記の判定基準で示す。
AA:2%以上の上昇が見られたもの
A :0%以上2%未満の上昇が見られたもの
B :性能の下降が見られたもの
Figure 2013072079
Figure 2013072079
Figure 2013072079
上記の結果から分かるとおり、本願発明の光電変換素子においては、特定の共存色素ないし共吸着剤を共存させることで、顕著な改良効果が現れることが分かる。
(実施例4)
以下の方法で、光電極にCdSe量子ドット化処理を行い、コバルト錯体を用いた電解液を使用して、図4に示す色素増感太陽電池を作成した。図4は図1に円で示した感光体層をその変形例として拡大して模式的に示した説明図である。
FTOガラス(日本板硝子(株)社製 表面抵抗:8Ωsq−1)表面にチタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドのエタノール溶液を16回噴霧し、450℃で30分間以上焼成した。この基板に20nm−TiOで約2.1μmの透明層と60nm−TiO(昭和タイタニウム(株)社製)で約6.2μmの光散乱層をスクリーン印刷で積層し、TiCl水溶液で後処理を行い、FTO/TiOフィルム(2)を作成した。
このFTO/TiOフィルムを不活性ガス雰囲気下のグローブバック内で0.03MのCd(NOエタノール溶液に30秒間浸した後、連続して0.03Mのセレナイドエタノール溶液に30秒間浸した。その後、エタノール中で1分以上洗浄し、過剰のプレカーサーを除去して乾燥した。この浸漬→洗浄→乾燥過程を5回繰り返して酸化チタン層(22)にCdSe 量子ドット(23)を成長させ、CdTeで表面安定化処理を行うことにより、CdSe処理した光電極を作成した。
セレナイド(Se2−)はArやN雰囲気下、0.068gのNaBH(0.060Mの濃度となる様に)を0.030Mの SeOエタノール溶液に加える事によって系内で調整した。
CdS(23)処理した光電極を色素溶液に4時間浸漬し(ex.1=0.3mMのZ907Naアセトニトリル/t−ブタノール(1:1)溶液とex.2=0.1mMのSQ1エタノール溶液)光電極に色素(21)を吸着後、この光電極と対極(4、FTOガラス上にヘキサクロロ白金酸2−プロパノール溶液(0.05M)を400℃で20分Ptを化学析出したもの)を、25μmの厚みのサーリン(デュポン(株)社製)リングを挟み込んで組み立て、熱溶解によりシールをした。コバルト錯体を用いた電解液(0.75MCo(o−phen) 2+、0.075M Co(o−phen) 3+、0.20M LiClOのアセトニトリル/エチレンカーボネート(4:6/v:v)溶液)を対極側面に予め開けた穴より電極間の隙間(3)に注入し、その後その穴をバイネル(デュポン(株)社製)シートと薄いガラスのスライドで熱によって閉じて、色素増感太陽電池セル(10)を作製した。なお、o−phenはオルトフェナントロリンである。
電解液に加えたコバルト錯体はChemical Communications、46巻、8788頁−8790頁(2010年)記載の方法で調整した。
このように作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様にして性能評価を行った。このとき、初期変換効率、暗所保存後低下率(耐熱性)、照射後低下率(耐水耐久性)についてその改良効果が観測された。
以上のとおり、CdSe処理による光電極及びCo錯体電解質を適用した素子において、本発明の金属錯体色素は顕著な改良効果を示すことが分かる。比較例S−1〜S−3の色素についても同様に試験評価を行ったが、改良効果は見られるものの、本発明の素子(実施例)に比し、いずれも大きく劣る結果となることを確認した。
その他、特開2004-152613号公報の図1に示された光電極を利用した太陽電池、特開2000-90989号公報の実施例1と同様に作成したタンデムセルを利用した太陽電池、特開2003−217688号公報の図1に示した色素増感型太陽電池を作製して上記と同様の試験を行った。その結果、本発明の色素によれば、いずれも良好な性能が得られることを確認した。
その他に、特開2002−367686公報の段落(0053)〜(0076)の実験や特開2003−323818公報の段落(0043)〜(0055)の実験、特開2001−43907公報の段落(0073)〜(0090)の実験、特開2000−340269公報の段落(0014)〜(0022)の実験、特開2005−85500公報の段落(0022)〜(0066)の実験、特開2004−273272公報の段落(0014)〜(0016)の実験、特開2000−323190公報の段落(0155)〜(0167)の実験、特開2000−228234公報の段落(0137)〜(0147)の実験、特開2001−266963公報の段落(0085)〜(0092)の実験、特開2001−185244公報の段落(0036)〜(0045)の実験、特表2001−525108公報の59ページ〜60ページの実施例6の実験、特開2001−203377公報の段落(0023)〜(0026)の実験、特開2000−100483公報の段落(0046)〜(0054)の実験、特開2001−210390公報の段落(0043)〜(0055)の実験、特開2002−280587公報の段落(0080)〜(0086)の実験、特開2001−273937公報の段落(0089)〜(0104)の実験、特開2000−285977公報の段落(0160)〜(0171)の実験、特開2001−320068公報の段落(0105)〜(0116)の実験と、本発明化合物との組合せにおいて良好な結果が確認された。
1 導電性支持体
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
23 CdSe量子ドット
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池
M 電動モーター(扇風機)
31 電極基板
32 透明基板(ガラス基板)
33 金属配線層
34 透明導電膜(FTO膜)
35 遮蔽層
41 透明電極
42 半導体電極
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
40 光電極
20 色素増感型太陽電池
CE 対極
E 電解質
S スペーサー
51 透明基板
52 透明導電膜
53 バリア層
54 n型半導体電極
55 p型半導体層
56 p型半導体膜
57 対極
57a 突起部

Claims (13)

  1. 導電性支持体上側に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体と、電荷移動体と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、前記色素として下記式(1)で表される金属錯体色素を用いる光電変換素子。
    MLmX・CI (1)
    [式(1)において、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座または2座の配位子を表す。mXは1又は2である。CIは、電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 2013072079
    [式中、Rはアルキル基または芳香環基である。N位の2つのRのうち少なくとも1つは分岐アルキル基または分岐アルキルが置換した芳香環基を表す。R及びRはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。n1は0〜4の整数を表す。n2は0〜3の整数を表す。Lは単結合または共役鎖である。Eは窒素原子またはCHを表す。m1は0または1を表す。]
    Figure 2013072079
    [式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。c1は0または1を表す。]
  2. 前記MがRuである請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記L2が下記式(L2−1)で表される請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    Figure 2013072079
    [Acは酸性基を表す。c1は式L2と同義である。]
  4. 前記式(1)の色素が下記式(1−1)又は式(1−2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 2013072079
    [式中、R、R、R、n1、n2、L、Acは、前記式(1)と同義である。]
  5. 前記連結基Lがエテニレン基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記式(1)の色素が前記式(1−1)で表される請求項4又は5に記載の光電変換素子。
  7. 前記Rにおける分岐アルキル鎖が第四級炭素原子を有するか、または第三級炭素原子を有し、その側鎖のアルキル基の炭素数が2以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記感光体に付与される色素が複数の色素によりなり、そのうち少なくとも1つが前記式(1)で表される色素である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記複数の色素のうち少なくとも1つが最大吸収波長がテトラブチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液中で600nm以上である請求項8記載の光電変換素子。
  10. 導電性支持体及び該導電性支持体の導電性表面を被覆するように設けられた半導体層を少なくとも有し、該半導体層の半導体の表面に前記式(1)で表される金属錯体色素及び酸性基もしくはその塩の基を1つ以上有する共吸着剤が担持されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11. 前記感光体層がさらに下記式(A)で表される共吸着剤を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 2013072079
    [式中、Acは、酸性基を表す。Raは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えた光電気化学電池。
  13. 下記式(1)で表される金属錯体色素。
    MLmX・CI (1)
    [式(1)において、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座または2座の配位子を表す。mXは1又は2である。CIは、電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 2013072079
    [式中、Rはアルキル基または芳香環基である。N位の2つのRのうち少なくとも1つは分岐アルキル基または分岐アルキルが置換した芳香環基を表す。R及びRはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表す。n1は0〜4の整数を表す。n2は0〜3の整数を表す。Lは単結合または共役鎖である。Eは窒素原子またはCH
    を表す。m1は0または1を表す。]
    Figure 2013072079
    [式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。c1は0または1を表す。]
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