JP5744691B2 - 光電変換素子及びこれを用いた光電気化学電池 - Google Patents

光電変換素子及びこれを用いた光電気化学電池 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子及びこれを用いた光電気化学電池に関する。
光電変換素子は各種の光センサー、複写機、太陽電池等に用いられている。この光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどの様々な方式が実用化されている。とくに、非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は、燃料が不要であり、無尽蔵のクリーンエネルギーを利用するものとして、その本格的な実用化が大いに期待されている。その中でも、シリコン系太陽電池は古くから研究開発が進められてきた。各国の政策的な配慮もあって普及が進んでいる。しかし、シリコンは無機材料であり、スループット及び分子修飾には自ずと限界がある。
そこで色素増感型太陽電池の研究が精力的に行われている。とくにその契機となったのは、スイス ローザンヌ工科大学のGraetzel等の研究成果である。彼らは、ポーラス酸化チタン薄膜の表面にルテニウム錯体からなる色素を固定した構造を採用し、アモルファスシリコン並の変換効率を実現した。これにより、色素増感型太陽電池が一躍世界の研究者から注目を集めるようになった。
特許文献1には、この技術を応用し、ルテニウム錯体色素によって増感された半導体微粒子を用いた色素増感光電変換素子が記載されている。さらに、上記色素を含む感光体と組み合わせる電荷移動体において、その電解質を改良する試みも行われている。特許文献2には、電解質としてコバルト錯体を用いたものが開示されている。
米国特許第5463057号明細書 Journal of the American Chemical Society, Vol.124,No.37(2002)
上記文献2に開示された技術により短波長領域の光電変換効率が改善されている。しかし、長波長領域の変換効率はかえって低下してしまっている。昨今、太陽電池の性能を向上させるために、むしろ長波長領域のIPCE(Incident Photon−to−Current Efficiency)を改善する取り組みが行われてきており、その方向での開発が望まれる。
本発明は、コバルト錯体を電解質に適用することにより、光電変換効率及び耐久性を高めることができ、しかも長波長側のIPCEを大きく低下させることのない光電変換素子及びこれを用いた光電気化学電池の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)導電性支持体上に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体と、電荷移動体と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、前記色素として下記式()で表される色素を用い、前記電荷移動体中の電解質として下記式(A)のコバルト錯体を用いる光電変換素子。
Figure 0005744691
[式中、Rは置換基を表す。Z 置換基を表す。k1は又は正の整数を表す。Aは6又は7員環の含窒素複素環を表す。 は水素原子又は置換基を表す。L は下記式(L −2)〜(L −5)のいずれかで表される連結基を表す。n1は1以上の整数を表す。Bは酸性基を少なくとも一つ有する基又は酸性核を表す。
Figure 0005744691
[式中、R 〜R は水素原子又は置換基を表す。X はNRb、O、S、又はSeを表す。Rbは水素原子又は置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Arは単環もしくは複環の芳香族環を表す。]
Co(Lm1(X)m2・CI : 式(A)
[式(A)において、Lは下記式LAで表される2座又は3座の配位子を表す。Xは1座又は2座の配位子を表す。m1は1〜3の整数を表す。m2は2〜6の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 0005744691
(式中、Za、Zb及びZcは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。cは0又は1を表す。
)前記Aが七員環である(1)に記載の光電気変換素子。
)前記連結基L式(−4)で表される(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
)式(A)中のLAが下記式(LA−1)〜(LA−4)で表される(1)〜()のいずれか1項に記載の光電変換素子。
Figure 0005744691
(Ra、Rb、Rc、Rは置換基を表す。naは0〜4の整数を表す。ncは0〜3の整数を表す。ndは0〜2の整数を表す。)
)前記Lが前記式(LA−1)又は(LA−2)で表される()に記載の光電変換素子。
)(1)〜()のいずれか1項に記載の光電変化素子を用いた光電気化学電池。
本明細書において、芳香環とは、芳香族環及び複素環(脂肪族複素環及び芳香族複素環)を含む意味に用い、単環であっても複環であってもよい。炭素−炭素二重結合については、分子内にE型及びZ型が存在する場合、そのいずれであってもよい。特定の記号で表示された置換基、配位子、置換基数が複数規定されているとき、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基や配位子が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明の光電変換素子及びこれを用いた光電気化学電池によれば、コバルト錯体を電解質に適用したことにより光電変換効率及び耐久性を高めることができる。
本発明の光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。 実施例で作製した電極基板を模式的に示す断面図である。 実施例で作製した色素増感型態様電池を図1に示す光電変換素子の変形例としてその拡大部分(円内)において模式的に示した断面図である。
コバルト錯体はヨウ素等の電解質に比べ光電変換素子におけるVocが高くなる。しかし、その酸化還元電位に対し適したエネルギー準位を持つ色素は限られており、電子移動がスムーズに行われないものが多く、Jscの低下を招き結果として低変換効率となる。他方、良好なエネルギー準位を有していても、酸化チタンへの吸着状態が適していないと、逆電子移動等の原因によりVocの向上効果が得られない。上記文献2においても、一部の性能に改善は見られるが、全体的な性能バランスを考慮するときには満足なものとはいえない。
本発明者らは、このような点を改善し、コバルト錯体を電解質に適用する利点をより効果的に引き出すことができる色素化合物の探索をつづけた。そこで、本出願人において先に開発した特開2010−135281等に開示された有機色素(非金属錯体色素)が極めて良好な性質を示すことを見出した。これは、一部推定を含めていうと、この色素が適したエネルギー準位を有していることでJscの低下を起こさず、Voc向上の効果を十分に発揮し高変換効率を達成したと考えられる。また、従来、有機色素はヨウ素等の電解質との反応により劣化し、耐久性の低下に繋がっていたが、本発明で用いるコバルト錯体と本発明の色素は互いに反応しにくく安定で耐久性の向上に寄与したと考えられる。これは、換言すると、有機色素を用いた際の耐久性の低下はヨウ素等の電解質と色素の反応が要因となっており、これが改善されることで改良効果をもたらしたと予想される。
[素子の構造]
本発明の色素を用いることができる光電変換素子の好ましい実施態様を、図面を参照して説明する。図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、電荷移動体層3、及び対極4からなる。前記導電性支持体1と感光体2とにより受光電極5を構成している。その感光体2は導電性微粒子22と増感色素21とを有しており、色素21はその少なくとも一部において導電性微粒子22に吸着している(色素は吸着平衡状態になっており、一部電荷移動体層に存在していてもよい。)。感光体2が形成された導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
受光電極5は、導電性支持体1および導電性支持体上に塗設される色素21の吸着した半導体微粒子22を含む感光体層(半導体膜)2よりなる電極である。感光体層(半導体膜)2に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有している。そこでこの電子が色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき色素21の分子は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路で仕事をしながら、励起されて酸化された色素は電解質中の還元剤(例えば、I)から電子を受け取り、基底状態の色素に戻ることにより、光電気化学電池として作用する。この際、受光電極5はこの電池の負極として働く。
本実施形態の光電変換素子は、導電性支持体上に後述の色素が吸着された多孔質半導体微粒子の層を有する感光体を有する。このとき色素において一部電解質中に解離したもの等があってもよい。感光体は目的に応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。本実施形態の光電変換素子の感光体には、特定の増感色素が吸着した半導体微粒子を含み、感度が高く、光電気化学電池として使用する場合に、高い変換効率を得ることができる。 なお、光電変換素子の上下は特に定めなくてもよいが、本明細書において、図示したものに基づいて言えば、対極4の側を上部(天部)の方向とし、受光側となる支持体1の側を下部(底部)の方向とする。
[有機色素色素]
本発明においては、感光体に適用する色素として下記式(1)で表される色素を用いる。
Figure 0005744691
・R
式中、Rは置換基を表す。置換基の好ましいものとしては、後記置換基Tの例を挙げることができる。
・Y
Yは色素残基を表す。色素残基とは、一般式(1)のY以外の構造とともに全体として色素化合物を構成するのに必要な原子群を示す。例えば、Yによって形成される色素化合物としてはメロシアニン、ヘミシアニン、スチリル、オキソノール、シアニンなどのポリメチン色素、アクリジン、キサンテン、チオキサンテンなどを含むジアリールメチン、トリアリールメチン、クマリン、インドアニリン、インドフェノール、ジアジン、オキサジン、チアジン、ジケトピロロピロール、インジゴ、アントラキノン、ペリレン、キナクリドン、ナフトキノン、ビピリジル、ターピリジル、テトラピリジル、フェナントロリンなどが挙げられる。好ましくは、ポリメチン色素、ポリアリール、ポリヘテロアリール色素等が挙げられる。nは1以上の整数を表し、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
・Z、Z
、Zは置換基を表す。置換基の好ましいものとしては、後記置換基Tの例を挙げることができる。k1、k2は0または正の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。
・A
Aは6または7員環の含窒素複素環を表す。
式(1)で表される色素が、下記式(2)で表される色素であることが好ましい。
Figure 0005744691
A、Z、k1は式(1)と同義である。
・R、R
式中、Rは式(1)と同義である。Rは水素原子または置換基を表す。置換基の好ましいものとしては、後記置換基Tの例を挙げることができる。
・L
は連結基を表す。Lはそれぞれ下記式(L−1)〜(L−5)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0005744691
・R〜R
〜Rは水素原子又は置換基を表す。置換基の好ましいものとしては、後記置換基Tの例が挙げられる。なお、先に述べたとおり、近接する置換基どうしは結合したり縮環したりして環を形成していてもよく、このことは、R及びRないしR及びRについても同様である。
はNRb、O、S、またはSeを表す。Rbは水素原子又は置換基を表し、好ましい置換基としては後記置換基Tの例が挙げられる。
Arは単環もしくは複環の芳香族環を表す。
nは0〜4の整数を表す。
は中でも、式L−1および式L−4が更に好ましい。
・n1
n1は1以上の整数を表し、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。
・B
Bは酸性基を少なくとも一つ有する基または酸性核を表す。酸性基を有する基としてたとえばシアノ酢酸が挙げられる。また酸性核として、T.H.James著「The Theory of the photografic process. forth edition.」Macmillan publishing社、1977年刊の199ページに記載のものが挙げられる。Bとして好ましくは、シアノ酢酸、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ピラゾリジンジオン、ピラゾロン、インダンジオン、イソオキサゾロン、さらに好ましくは、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、特に好ましくはシアノ酢酸、ロダニンである。
Bとして、好ましくは下記の構造を挙げることができる。
Figure 0005744691
以下に本発明の式(1)又は(2)で表される色素の好ましい具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
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Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
式(1)で表される化合物からなる色素の合成は、後記実施例に記載の方法を参考にして行うことができる。
本発明においては、色素として下記一般式(3)で表されるものと同時に用いてもよい。
Figure 0005744691
[式中、Qは4価の芳香族基を示し、X31、X32はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、又はCR3a3bを表す。ここでR3a、R3bはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、これらは置換されていてもよい。R31、R32はそれぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、これらは置換されていてもよい。P、Pはそれぞれ独立に色素残基を表す。Wは電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
一般式(3)の例として下記が挙げられる。
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
Figure 0005744691
[コバルト錯体]
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体には、その電解質として下記式(A)で表されるコバルト錯体が用いられる。
Co(Lm1(X)m2・CI : 式(A)
・L
式中、Lは下記式LAで表される2座又は3座の配位子を表す。
Figure 0005744691
式中、Za、Zb及びZcは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。形成される5員環又は6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、Zb及びZcは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。
cは0又は1を表す。
・X
Xは1座又は2座の配位子を表す。Xはハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子であることがより好ましい。
・m1、m2
m1は1〜3の整数を表す。m2は2〜6の整数を表す。
・CI
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
式(A)中のLAが下記式(LA−1)〜(LA−4)で表されることが好ましい。
Figure 0005744691
・Ra〜Rc、R
Ra〜Rc、Rは置換基を表す。置換基としては例えば、脂肪族基、芳香族基、複素環基等が挙げられる。置換基の具体的な例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロ環等を挙げることができる。好ましい例としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、シクロヘキシル、ベンジル等)、置換アリール基(例えばフェニル、トリル、ナフチル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等)を挙げることができる。
・n*
naは0〜4の整数を表す。ncは0〜3の整数を表す。ndは0〜2の整数を表す。
上記コバルト錯体の具体的な例としては例えば以下が挙げられる。本発明がこれらの例に限定して解釈されるものではない。なお、下記の例示構造は、電解液中での酸化還元に関わる母核の構造であり、電解液調整時には対イオンが存在していてもよい。
Figure 0005744691
(式Co−A)
―――――――――――――――――――――
化合物名 Ra Rb
―――――――――――――――――――――
Co−1 t−Bu H
Co−2 COOtBu H
Co−3 Ph H
Co−4 3−pentyl H
Co−5 H H
Co−6 Me H
Co−7 H Me
Co−8 Me Me
Co−9 構造A H
―――――――――――――――――――――
Figure 0005744691
(式Co−B)
――――――――――――
化合物名 Rc
――――――――――――
Co−10 H
Co−11 Ph
――――――――――――
(式Co−C)
――――――――――――
化合物名 Rd
――――――――――――
Co−12 Et
Co−13 t−Bu
Co−14 H
――――――――――――
(式Co−D)
――――――――――――
化合物名 Re
――――――――――――
Co−15 Et
Co−16 t−Bu
Co−17 H
――――――――――――
前記コバルト錯体の合成は、後記実施例に記載の方法を参考にして行うことができる。
なお、本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基及び配位子を含む)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
[光電変換素子]
(感光体層)
光電変換素子の実施態様については図1に基づき既に説明した。本実施形態において感光体層2は、後述の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。また、感光体層2は目的に応じて設計され、多層構造からなるものであってもよい。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
(電荷移動体)
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物には、電解質として上記コバルト金属錯体を用いる。さらに必要により組合せるものとして、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
前記コバルト金属錯体の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。本電解質の量を上記下限値以上とすることで、高いJscを得ることができ好ましい。上記上限値以下とすることで、Vocの低下を抑制でき好ましい。組み合わせるヨウ素ないしヨウ素化物の含有量は電解質組成物全体に対して0〜5質量%であるのが好ましい。
本発明の光電変換素子10に用いられる電解質組成物は溶媒を含んでいてもよい。電解質組成物中の溶媒含有量は組成物全体の50質量%以下であるのが好ましく、30質量%以下であるのがより好ましく、10質量%以下であるのが特に好ましい。
溶媒としては低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度を高めることができるか、又はその両方であるために優れたイオン伝導性を発現できるものが好ましい。このような溶媒としてカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン等)、エーテル化合物(ジオキサン、ジエチルエーテル等)、鎖状エーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン性極性溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルフォラン等)、水、特開2002−110262記載の含水電解液、特開2000−36332号公報、特開2000−243134号公報、及び再公表WO/00−54361号公報記載の電解質溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は二種以上を混合して用いてもよい。
(導電性支持体)
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
導電性支持体1としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、又は表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体1としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。好ましく使用される高分子材料の一例として、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。導電性支持体1上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002−260746記載のライトガイド機能が上げられる。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
(半導体微粒子)
図1に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に増感色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。本発明においては半導体微粒子として、前記の特定の界面活性剤を用いて調製したものを適用する。
(半導体微粒子分散液)
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、ゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、又はミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び各種の有機溶媒のうちの一つ以上を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
半導体微粒子分散液は、半導体微粒子以外の固形分の含量が分散液全体の10質量%以下とすることができる。この濃度は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%である。すなわち、半導体微粒子分散液中に、溶媒と半導体微粒子以外の固形分を半導体微分散液全体の10質量%以下とすることができる。実質的に半導体微粒子と分散溶媒のみからなることが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/mが好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/mである。
半導体微粒子分散液の塗布方法としては、アプリケーション系の方法としてローラ法、ディップ法等の定法を使用することができる。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1μm〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1μm〜30μmが好ましく、2μm〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5g〜100gがより好ましい。なお、上記微粒子分散液を塗布して製膜する方法は特に限定されず、公知の方法を適宜適用すればよい。
増感色素21の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01ミリモル〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1ミリモル〜50ミリモル、特に好ましくは0.1ミリモル〜10ミリモルである。この場合、本発明にかかる増感色素21の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。
また、増感色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001ミリモル〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
(対極)
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などがあげられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。
対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
(受光電極)
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしても良い。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。
受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
導電性支持体1と多孔質半導体微粒子層の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。好ましい例としては、特開平06−507999号公報等が挙げられる。
受光電極5と対極4の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
セル、モジュールの封止法としては、ポリイソブチレン系熱硬化樹脂、ノボラック樹脂、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ガラスフリット、アルミナにアルミニウムアルコキシドを用いる方法、低融点ガラスペーストをレーザー溶融する方法などが好ましい。ガラスフリットを用いる場合、粉末ガラスをバインダーとなるアクリル樹脂に混合したものでもよい。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
(合成例1)
(例示色素A−1の調製)
下記のスキームの方法に従って例示色素A−1を調製した。
Figure 0005744691
(1)化合物A−1aの調製
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン50.0gをDMF130mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷し、50〜70%水素化ナトリウム18.4gを4分割添加して内温5℃以下で0.5時間攪拌した。そこへ1−ヨードエタン70.3gを20分かけて滴下し、DMF20mlで残量を洗い入れた。その後室温まで昇温し、2.5時間反応を行った。反応終了後、反応液に水を滴下し、酢酸エチルを加えて抽出を行った。分液後、酢酸エチル層を1N塩酸、重曹水、水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥を行った。硫酸マグネシウムを除去後、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製することで化合物A−1a 41.7gを得た。
(2)化合物A−1bの調製
化合物A−1a 10.0gをDMF180mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷した。この溶液へN−ブロモスクシンイミド10.1gを4分割添加し、そのまま1時間攪拌を行った。反応終了後、反応液へチオ硫酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えて抽出、分液を行った後、酢酸エチル層へ水を加えて洗浄した。分液後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥して、濾過および濃縮を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−1b 6.5gを得た。
(3)化合物A−1cの調製
化合物A−1b 1.21gおよび4−ヘキシル−2−ボロン酸エステル2.25g、炭酸ナトリウム10wt%溶液6mlをDME40mlへ溶解し、系内を窒素置換した。この溶液へテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム234mgを添加し、3.5時間加熱還流を行った。室温に冷却後、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)により精製し、A−1c 1.54gを得た。
(4)化合物A−1dの調製
化合物A−1c 0.39gをDMF10mlに溶解し、氷冷した。この溶液へ、DMF1.32mlとオキシ塩化リン0.34mlより予め調整したVilsmeier試薬を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後70℃へ昇温し、さらに1時間20分攪拌した。
反応終了後、反応液を14wt%酢酸ナトリウム水溶液中へ添加し、室温で30分攪拌した。この溶液を酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル抽出液を併せて、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去し組成生物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−1d 0.28gを得た。
(5)化合物A−1の調製
化合物A−1d 0.20gをアセトニトリル3.5mlおよびトルエン3mlに溶解した。この溶液へシアノ酢酸81.5mg、ピペリジン2mlを添加し、70℃で8.5時間加熱攪拌した。冷却後、反応液へジクロロメタンを加え、有機層を希塩酸および水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をメタノール/ジクロロメタンで再結晶し、粗精製を行った後、カラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール=10/1)により精製し、A−1 0.12gを得た。
この化合物のUV・VISスペクトルをエタノール溶液として測定したところ、最大吸収波長は437.5nmであった。
(例示色素A−4の調製)
下記のスキームの方法に従って例示色素A−4を調製した。
Figure 0005744691
(6)化合物A−4aの調製
化合物A−1d 0.7gをDMF10mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷した。この溶液へN−ブロモスクシンイミド0.265gを分割添加し、そのまま1時間攪拌を行った。反応終了後、反応液へチオ硫酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えて抽出、分液を行った後、酢酸エチル層へ水を加えて洗浄した。分液後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥して、濾過および濃縮を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−4d0.51gを得た。
前記段落(0076)で示される鈴木カップリング反応及び前記段落(0079)で示される臭素化反応を繰り返すことにより、A−4bで表されるヘキシル置換チオフェン環が2個結合したアゼピン誘導体、A−4dで表されるヘキシル置換チオフェン環が3個結合したアゼピン誘導体、A−4fで表されるヘキシル置換チオフェン環が4個結合したアゼピン誘導体を合成することができる。
(7)化合物A−4の調製
化合物A−4g 0.21gをアセトニトリル3.5mlおよびベンゼン3ml、DMF0.2mlに溶解した。この溶液へシアノ酢酸42.1mg、ピペリジン0.6ml、酢酸アンモニウム42.5mgを添加し、Dean−Stark装置を付けて33時間加熱還流を行った。冷却後、反応液へジクロロメタンを加え、有機層を希塩酸および水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール=20/1)により粗精製した後、液体クロマトグラフィーにより精製し、A−4
0.11gを得た。この化合物のUV・VISスペクトルをエタノール/THF混合溶液(3:2、体積比)として測定したところ、最大吸収波長は450.5nmであった。
<例示色素C−25の調製>
下記の方法により例示色素C−15を調製した。
Figure 0005744691
(1)化合物C−25aの調製
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン5.0gと1−ヨードデカン10.3gとをDMF20mlに室温で攪拌し溶解させた後に氷冷した。50〜70%水素化ナトリウム2.5gを分割添加し、内温10℃以下で3.0時間攪拌した。反応終了後、反応液に水を滴下し残存している水素化ナトリウムを失活させ、ヘキサンを加えて分液し、有機層を濃縮、カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物C−25a 8.6gを得た。
(2)化合物C−25bの調製
DMF 20mlに氷冷下オキシ塩化リン10mlを加え30分攪拌し、化合物A−24a 3.5gをこれに加え60℃に加温し2.5時間攪拌した。放冷し室温にした後に反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、カラム精製を行い化合物C−25b 2.0gを得た。
(3)化合物C−25cの調製
化合物C−25b 2.2gとメチルトリフェニルホスホニウムヨージド2.9gとをDMF20mlに室温で撹拌し、これらを溶解させた後に28%ナトリウムメトキシドMのメタノール溶液 1.4gを滴下した。その後、60℃に加温し3時間撹拌した。放冷し室温にした後に反応液に水を加え、さらにヘキサンを加え抽出後、有機層を濃縮後カラムクロマトグラフィーで精製することで化合物C−25c 2.0gを得た。
(4)化合物C−25dの調製
DMF 20mlに氷冷下オキシ塩化リン10mlを加え30分攪拌し、化合物C−25c 2.0gをこれに加え60℃に加温し0.5時間攪拌した。放冷し室温にした後に反応液に水を加え攪拌し、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、濃縮後、カラム精製を行い化合物C−25d 2.1gを得た。
(5)例示色素C−25の合成
AcOH 20mlにA−24d 1.5g、シアノ酢酸 0.3gを加え30分撹拌した後、酢酸アンモニウム 0.6gを加え、90℃に加温し5時間撹拌した。放冷し室温にした後に反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、濃縮した。得られた結晶を再結晶により精製しC−25 0.6gを得た。
(合成例2)コバルト錯体の合成
Co−10(2価および3価、カウンターイオンがTFSIの場合)の合成
(詳細はChem.Eur.J.2003,9,3756参照)
1,10−フェナントロリン 0.568g(3.15mmol)のメタノール溶液にCoCl 0.25g(1.05mmol)の水溶液を滴下して加えた。この溶液にLiTFSI 0.80gを10mlの水に溶かした溶液を加えた。析出した沈殿物を濾取し、減圧乾燥する事でCo(o−phen)](TFSI)を得た。
1,10−フェナントロリン 0.568g(3.15mmol)のメタノール溶液にCoCl 0.25g(1.05mmol)の水溶液を滴下して加えた。この溶液に臭素のメタノール溶液を加え、析出した沈殿物を濾取した。15mlの水にこの析出物とLiTFSI 1.20gを加えたところ、一度溶解した後再度析出物を生じた。この析出物を濾取し、水で洗浄後、減圧乾燥する事によりCo(o−phen)](TFSI)を得た。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するための種々のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
[ペーストの調製]
先ず、光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するためのペーストを以下の表Aの組成で調製した。なお以下の調製ではTiOを媒体に入れて撹拌することによりスラリーを調製し、そこに増粘剤を加え、混練することでペーストを得た。
Figure 0005744691
TiO粒子1:アナターゼ、平均粒径;25nm
TiO粒子2:アナターゼ、平均粒径;200nm
棒状TiO粒子S1:アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5
棒状TiO粒子S2:アナターゼ、直径;30nm、アスペクト比;6.3
棒状TiO粒子S3:アナターゼ、直径;50nm、アスペクト比;6.1
棒状TiO粒子S4:アナターゼ、直径;75nm、アスペクト比;5.8
棒状TiO粒子S5:アナターゼ、直径;130nm、アスペクト比;5.2
棒状TiO粒子S6:アナターゼ、直径;180nm、アスペクト比;5
棒状TiO粒子S7:アナターゼ、直径;240nm、アスペクト比;5
棒状TiO粒子S8:アナターゼ、直径;110nm、アスペクト比;4.1
棒状TiO粒子S9:アナターゼ、直径;105nm、アスペクト比;3.4
板状マイカ粒子P1 :直径;100nm、アスペクト比;6
CB:セルロース系バインダー
以下に示す手順により、特開2002−289274号公報に記載の図5に示した光電極42と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、同公報図3の光電極以外は色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する10×10mmのスケールの色素増感型太陽電池を作製した。具体的な構成は添付の図2に示した。41が透明電極、42が半導体電極、43が透明導電膜、44が基板、45が半導体層、46が光散乱層、40が光電極、20が色素増感型太陽電池、CEが対極、Eが電解質、Sがスペーサーである。
ガラス基板上にフッ素ドープされたSnO導電膜(膜厚;500nm)を形成した透明電極を準備した。そして、このSnO導電膜上に、上述のペースト2をスクリーン印刷し、次いで乾燥させた。その後、空気中、450℃の条件のもとで焼成した。更に、ペースト4を用いてこのスクリーン印刷と焼成とを繰り返すことにより、SnO導電膜上に図2に示す半導体電極42と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;6μm、光散乱層の層厚;4μm、光散乱層に含有される棒状TiO粒子1の含有率;30質量%)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
次に、半導体電極に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、マグネシウムエトキシドで脱水した無水エタノールを溶媒として、これに下記表1に記載の色素を、その濃度が3×10−4mol/Lとなるように溶解し、色素溶液を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、これにより、半導体電極に色素が約1.5×10−7mol/cm吸着し、光電極10を完成させた。
次に、対極として上記の光電極と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚さ;100nm)、電解質Eとして、下記溶液を調製した。更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備し、特開2002−289274号公報に記載の図3に示すように、光電極40と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して色素増感型太陽電池を完成させた。
(電解液)
電解液は、表記載の二価のCo錯体(0.25M)、NOBF(0.025M)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。また比較例の電解液としてヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5mol/L)、ヨウ素(0.1mol/L)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
(試験方法)
(光電変換効率の測定)
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cmであった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型、商品名)にて測定した。これにより求められた光電気化学電池の光電変換効率を測定した結果を下記表1に示した。評価は下記のとおりに区別した。
AA:光電変換効率が8.5%以上のもの
A :7.5%以上8.5%未満のもの
:6.0%以上7.5%未満のもの
B :4.5%以上6.0%未満のもの
C :4.5%未満のもの
(耐久性)
変換効率の初期値に対し500時間後の変換効率の低下を耐久性として評価した。評価は500時間後の変換効率を初期の変換効率で除した百分率で評価した。結果は以下のように区分して示している。
AA:75%超
A: 65%超75%以下
B: 50%超65%以下
C: 50%以下
(色素残存率)
500時間後のセルを分解し、酸化チタンを0.1%AcOH MeOH溶液に浸すことで色素を脱着させた。これを一定液量に調整しHPLCでarea値を測定した(データ<1>)。一方で、光照射前のセルを同様の方法で分解、色素の脱着、一定液量への調整を行いHPLCarea値を測定した(データ<2>)。その後データ<1>/データ<2>×100で得られる数値を色素残存率として定めた。
結果を下表1に示す。
Figure 0005744691
Figure 0005744691
上記の結果より、本発明の増感色素及び電解質の組合せによれば、高い色素残存率を示し、変換効率の改善が見られることが分かる。
なお、上記ペースト2以外のペースト1〜14についても同様に試験を行ない、本発明の色素によれば良好な性能が得られることを確認した。特に、ペースト10、13が光電変換効率及び耐久性において高い性能を示した。
(実施例2)
以下の方法で、光電極にCdSe量子ドット化処理を行い、コバルト錯体を用いた電解液を使用して、図3に示す色素増感太陽電池を作成した。
FTOガラス(1、日本板硝子(株)社製 表面抵抗:8Ωsq−1)表面にチタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドのエタノール溶液を16回噴霧し、450℃で30分間以上焼成した。この基板に20nm−TiOで約2.1μmの透明層と60nm−TiO(昭和タイタニウム(株)社製)で約6.2μmの光散乱層をスクリーン印刷で積層し、TiCl水溶液で後処理を行い、FTO/TiOフィルム(2)を作成した。
このFTO/TiOフィルムを不活性ガス雰囲気下のグローブバック内で0.03MのCd(NOエタノール溶液に30秒間浸した後、連続して0.03Mのセレナイドエタノール溶液に30秒間浸した。その後、エタノール中で1分以上洗浄し、過剰のプレカーサーを除去して乾燥した。この浸漬→洗浄→乾燥過程を5回繰り返して酸化チタン層(22)にCdSe 量子ドット(23)を成長させ、CdTeで表面安定化処理を行うことにより、CdSe処理した光電極を作成した。
セレナイド(Se2−)はArやN雰囲気下、0.068gのNaBH(0.060Mの濃度となる様に)を0.030Mの SeOエタノール溶液に加える事によって系内で調整した。
CdSe処理した光電極を色素溶液に4時間浸漬し(表5中の色素の0.3mMアセトニトリル/t−ブタノール(1:1)溶液)光電極に色素(21)を吸着後、この光電極と対極(4、FTOガラス上にヘキサクロロ白金酸2−プロパノール溶液(0.05M)を400℃で20分Ptを化学析出したもの)を、25μmの厚みのサーリン(デュポン(株)社製)リングを挟み込んで組み立て、熱溶解によりシールをした。コバルト錯体を用いた電解液(0.75M Co(o−phen) 2+、0.075M Co(o−phen) 3+、0.20M LiClOのアセトニトリル/エチレンカーボネート(4:6/v:v)溶液)を対極側面に予め開けた穴より電極間の隙間(3)に注入し、その後その穴をバイネル(デュポン(株)社製)シートと薄いガラスのスライドで熱によって閉じて、色素増感太陽電池セル(10)を作製した。電解液に加えたコバルト錯体はChemical Communications、46巻、8788頁−8790頁(2010年)記載の方法で調整した。
このように作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様にして性能評価を行ったところ、本発明の増感色素及び上記電解質を用いたものは良好な性質を示し、素子の改良による性能向上も見られた。
その他、特開2004−146425号公報中の図2に示した電極基板を用いた太陽電池、特開2004−152613号公報の図1に示された光電極を利用した太陽電池、特開2000−90989号公報の実施例1と同様に作成したタンデムセルを利用した太陽電池、特開2003−217688号公報の図1に示した色素増感型太陽電池を作製して上記と同様の試験を行った。その結果、本発明の色素によれば、いずれも良好な性能が得られることを確認した。
その他に、特開2002−367686公報の段落[0053]〜[0076]の実験や特開2003−323818公報の段落[0043]〜[0055]の実験、特開2001−43907公報の段落[0073]〜[0090]の実験、特開2000−340269公報の段落[0014]〜[0022]の実験、特開2005−85500公報の段落[0022]〜[0066]の実験、特開2004−273272公報の段落[0014]〜[0016]の実験、特開2000−323190公報の段落[0155]〜[0167]の実験、特開2000−228234公報の段落[0137]〜[0147]の実験、特開2001−266963公報の段落[0085]〜[0092]の実験、特開2001−185244公報の段落[0036]〜[0045]の実験、特表2001−525108公報の59ページ〜60ページの実施例6の実験、特開2001−203377公報の段落[0023]〜[0026]の実験、特開2000−100483公報の段落[0046]〜[0054]の実験、特開2001−210390公報の段落[0043]〜[0055]の実験、特開2002−280587公報の段落[0080]〜[0086]の実験、特開2001−273937公報の段落[0089]〜[0104]の実験、特開2000−285977公報の段落[0160]〜[0171]の実験、特開2001−320068公報の段落[0105]〜[0116]の実験と、本発明化合物との組合せにおいて良好な結果が確認された。
1 導電性支持体
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
23 CdSe量子ドット
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池
M 電動モーター(扇風機)
41 透明電極
42 半導体電極
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
40 光電極
20 色素増感型太陽電池
CE 対極
E 電解質
S スペーサー
51 透明基板
52 透明導電膜
53 バリア層
54 n型半導体電極
55 p型半導体層
56 p型半導体膜
57 対極
57a 突起部

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に、色素が吸着された半導体微粒子の層を有する感光体と、電荷移動体と、対極とを配設した積層構造をもつ光電変換素子であって、前記色素として下記式()で表される色素を用い、前記電荷移動体中の電解質として下記式(A)のコバルト錯体を用いる光電変換素子。
    Figure 0005744691
    [式中、Rは置換基を表す。Z 置換基を表す。k1は又は正の整数を表す。Aは6又は7員環の含窒素複素環を表す。 は水素原子又は置換基を表す。L は下記式(L −2)〜(L −5)のいずれかで表される連結基を表す。n1は1以上の整数を表す。Bは酸性基を少なくとも一つ有する基又は酸性核を表す。
    Figure 0005744691
    [式中、R 〜R は水素原子又は置換基を表す。X はNRb、O、S、又はSeを表す。Rbは水素原子又は置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Arは単環もしくは複環の芳香族環を表す。]
    Co(Lm1(X)m2・CI : 式(A)
    [式(A)において、Lは下記式LAで表される2座又は3座の配位子を表す。Xは1座又は2座の配位子を表す。m1は1〜3の整数を表す。m2は2〜6の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 0005744691
    (式中、Za、Zb及びZcは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。cは0又は1を表す。)
  2. 前記Aが七員環である請求項1に記載の光電気変換素子。
  3. 前記連結基L式(−4)で表される請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 式(A)中のLAが下記式(LA−1)〜(LA−4)で表される請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 0005744691
    (Ra、Rb、Rc、Rは置換基を表す。naは0〜4の整数を表す。ncは0〜3の整数を表す。ndは0〜2の整数を表す。)
  5. 前記Lが前記式(LA−1)又は(LA−2)で表される請求項に記載の光電変換素子。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変化素子を用いた光電気化学電池。
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