JP5789506B2 - 光電変換素子及び色素増感太陽電池 - Google Patents

光電変換素子及び色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子及び色素増感太陽電池に関する。
太陽光発電に使用される太陽電池として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の化合物からなる太陽電池が主な研究開発の対象とされ、その一部は実用化されている。しかし、これらの太陽電池を家庭用電源等の用途として広く普及させるためには、これらの太陽電池は、廉価で製造することや原材料の確保が困難であること、さらには、エネルギーペイバックタイムが長いこと等の問題点があり、これらを克服する必要がある。一方、集光部分の大面積化や廉価で提供することを目的として、有機材料を用いた太陽電池も多く提案されてきた。しかし、従来の太陽電池では、一般に変換効率が低く、耐久性が悪い場合が多かった。
このような状況下で、ルテニウム錯体色素により分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式光電変換素子及び太陽電池、並びにこれを作製するための材料および製造技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの文献に記載された湿式光電変換素子の第一の利点は、二酸化チタン等の廉価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、廉価で光電変換素子を提供できる点にある。また、これらの湿式光電変換素子の第二の利点は、用いる色素が広範囲の波長域の光を吸収できるため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を吸収し、電気に変換できることである。
現在までに、光電変換素子に使用される金属錯体色素としてN3、N719、Z907などが開発されている。また、最近になって、金属錯体色素としてJ2が提案されている(特許文献3参照)。一方、金属錯体色素の凝集を抑制するために共吸着剤を用いることが知られている(特許文献3参照)。
米国特許第4927721号明細書 国際公開第94/04497号パンフレット 特開2000−228233号公報
本発明の課題は、高光電変換効率と高耐久性(特に高温での耐久性)とを高いレベルで両立した光電変換素子及び色素増感太陽電池を提供することにある。
共吸着剤を半導体に吸着させることにより、色素の光電変換性能を非効率なものとする色素同士の会合を抑制する効果が期待できる。一方で、その分色素の吸着量が減り、光吸収能の低下が生じる方向となる。これに対し、本発明者らは、ボロン酸基を有する共吸着剤が適度な吸着力を示し、上記の相反する特性を両立する可能性があると考えた。しかしながら、上記特許文献3にもボロン酸系共吸着剤の例示はあるものの、実施例はなく、その光電変化素子における性能は未知の状況であった。そこで、本発明者が検討及び実験確認を重ねたところ、ヘテロ環基を有さない特定のボロン酸系共吸着剤を選定することにより、上記相反する特性を両立し、色素の半導体への吸着は妨げずに、色素の会合を抑制することができることを見出した。本発明はかかる知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)導電性支持体と、導電性支持体の導電性表面を被覆するように設けられた半導体層とを少なくとも有する光電変換素子であって、半導体層の半導体の表面に金属錯体色素と下記式(I)で表される共吸着剤が担持されており、前記金属錯体色素100質量部に対して前記共吸着剤が1〜5000質量部で適用された、光電変換素子。
Figure 0005789506
[式中、Raは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環状の脂肪族基、芳香族基、または非環状ヘテロ原子含有基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または環状の脂肪族基を表す。]
(2)Raが、一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表される(1)に記載の光電変換素子。
Figure 0005789506
[式中、Rbは、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアルコキシ基を示す。Rcは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはアリール基を表す。nは0以上の整数を表す。*は結合手を表す。]
(3)Lが2官能以上の鎖状連結基である(1)または(2)に記載の光電変換素子。
(4)Lが、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子、及びハロゲン原子から選ばれる原子群で構成された連結基、または単結合であり、当Lが炭素原子を含む場合にその炭素数が15以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(5)金属錯体色素が少なくとも下記式(I)で表される色素を含む(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
ML m1 m2mX・CI (I)
[式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1は1又は2である。m2は1又は2である。mXは0又は1である。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 0005789506
[式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。]
Figure 0005789506
[式中、A〜Cは5員環以上の含窒素芳香環を表す。aは0または1の整数を表す。Vは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
(6)金属錯体色素が少なくとも下記式(II)で表される色素を含む(1)〜(5)のいずれか1項に記載の光電変換素子。
ML m3 m4mY・CI : 式(II)
[式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式L3で表される2座の配位子を表す。Lは下記式L4で表される2座又は3座の配位子を表す。Yは1座又は2座の配位子を表す。m3は0〜3の整数を表す。m4は1〜3の整数を表す。mYは0〜2の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
Figure 0005789506
(式中、Acは酸性基を表す。Rは置換基を表す。Rはアルキル基又は芳香環基を表す。e1及びe2は0〜5の整数を表す。L及びLは共役鎖を表す。e3は0又は1を表す。fは0〜3の整数を表す。gは0〜3の整数を表す。)
Figure 0005789506
(式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。)
(7)金属錯体色素の金属元素又は金属元素Mが、Ru、Re、Rh、Pt、Fe、Os、Cu、Ir、Pd、W、又はCoである(5)または(6)に記載の光電変換素子
(8)式(II)の配位子L3に係るL及びLがエテニレン基又はエチニレン基である(6)又は7)項に記載の光電変換素子。
)導電性支持体と、その上側の半導体層と、さらにその上側の電荷移動体と、さらにその上側の対極とを有する(1)〜()のいずれか1項に記載の光電変換素子
(10)共吸着剤を用いたときの酸化物半導体に吸着した色素の透過スペクトルにおける最大吸収の強度が、共吸着剤を用いない場合の70%〜99%である(1)〜()のいずれか1項に記載の光電変換素子。
11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の光電変換素子を含有する色素増感太陽電池。
本明細書において、炭素−炭素二重結合については、分子内にE型及びZ型が存在する場合、そのいずれであってもよい。特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明により、高光電変換効率と高耐久性(特に高温での耐久性)とを高いレベルで両立した光電変換素子及び色素増感太陽電池を提供することができる。
本発明の光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。 実施例1で作製した色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。 実施例2で作製した色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。 実施例3で作成した色素増感型太陽電池について、図1に示す光電変換素子の変形例をその拡大部分(円)において模式的に示した断面図である。
本発明の光電変換素子はその半導体表面に金属錯体錯体色素とボロン酸基をもつ共吸着剤を有する。この共吸着剤は、金属錯体色素と相互に作用し、その適度な吸着力により、光電変化性を妨げずに色素同士の不用意な会合等を抑えることができると考えられる。特に、ボロン酸という比較的吸着力の弱いものを採用したことにより、金属錯体色素の吸着サイトを過度に減少させてしまうことなく、所望の効果を発揮したものとみられる。このとき、グアニジンのようなヘテロ原子をもつ鎖状置換基は共吸着剤として使用する場合にはプロトン化しており、ボロン酸の吸着性には影響を与えないものと推定される。一方、ボロン酸化合物自体がヘテロ環を持つ場合、これがボロン酸の吸着サイトをふさいでしまう。一部推定を含むものの、このような観点から、後記式(A)で表される特定のボロン酸を採用することで、前記金属錯体色素との相互作用を好適に発揮したものと考えられる。以下、金属錯体色素、特定共吸着剤の順で、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
[金属錯体色素]
本発明に用いることができる金属錯体色素としては、下記式(I)ないし(II)で表される化合物からなる色素を含むことが好ましい。
(式(I)で表される色素)
本発明の色素は下記式(I)で表される。
ML m1 m2mX・CI (I)
・M
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Zn又はCuであり、最も好ましくはRuである。
・L
は下記式(L1)で表される。
Figure 0005789506
・Za、Zb、Zc
式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基ACを有する。
・Ac
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシ基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基など、あるいはこれらのいずれかを有する基が挙げられ、好ましくはカルボキシ基あるいはこれを有する基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、ホスホニル基、若しくはホスホリル基、又はこれらの塩のいずれかであることが好ましい。酸性基とは、連結基を介して結合した基でもよく、例えば、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基などを好ましいものとして挙げることができる。なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。
なお、上述のとおり、酸性基Acは酸性を示す基を有する基であればよく、換言すれば、酸性を示す基は所定の連結基を介して導入されていてもよい。なお、酸性基はその塩として存在していてもよい。塩となるとき対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。連結基としては、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数2〜4のアルケニレン基、炭素数2〜4のアルキニレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基等が挙げられる。
Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5員環又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。形成される5員環又は6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、Zb及びZcは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。
は下記式(L1−1)で表されることが好ましい。
Figure 0005789506
・A、A、A
式中、A、A、Aはそれぞれ独立に酸性基を表す。A、A、Aとしては上記酸性基Acとしてあげたものと同義である。
・R〜R
〜Rはそれぞれ独立に置換基を表す。R〜Rとしては例えば前記の置換基Tが挙げられる。R〜Rとして好ましくはアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、ビニル基を介したヘテロアリール基、ビニル基を介したアリール基である。
・b1〜b3、c1〜c3
b1、b3およびc1、c3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、b2、c2は0〜3の整数を表す。ただし、c1〜c3がすべて0であることはない。
は下記式(L1−2)で表されることがさらに好ましい。
Figure 0005789506
・R〜R
式中、R、RおよびRは水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基または酸性基を表す。R、RおよびRのうち少なくとも1つは酸性基であり、好ましくは前記酸性基Acが挙げられる。
・m1
m1は1又は2である。1であるのがより好ましい。
・L
は下記式(L2)で表される。
Figure 0005789506
・V
Vは置換基を表し、Hammett則におけるσp値が正の置換基を表すことが好ましい。
ただし環A及びCのいずれかが下記式(L2−2)であるとき、その少なくとも1つが有する置換基VのHammett則のσpは0.54未満であることが好ましい。環A及びCが下記式(L2−2)でないとき、Vのσp値が0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましい。σp値に上限は特にないが、1以下であることが実際的である。環AもしくはCが下記式(L2−2)であるとき、Vのσp値が0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましい。このようなσp値を有する置換基とすることで、耐久性、変換効率を維持しつつ、吸収光のより長波長化が実現できる。
本明細書において置換基のσp値については、Corwin Hansch, A. LEO and R. W. TAFT“A Survey of Hammett Substituent Cosntants and Resonance and Field Parameters”Chem.Rev.1991,91,165−195に記載されている値に準ずる。
なお、1つのヘテロ環に複数の置換基Vがあるとき、すなわちnが2以上の場合は、各置換基Vのσp値の和で評価する。ただし、それぞれのヘテロ環ごとに評価し、別のヘテロ環に置換したVについては、その和とせずに、それぞれのσp値で評価する。
Vの少なくとも1つがヘテロ環基を含む置換基であることが好ましい。これによりεが向上し、IPCEが増大する。結果として変換効率の顕著な向上が見られる。
好ましいヘテロ環基としては、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、およびこれらのベンゾ縮環体、トリアジン、などを挙げることができる。
・n
nは0以上の整数を表す。好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
・A、C
AおよびCは下記式(L2−1)〜(L2−11)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0005789506
式中、Vは上記式L2のVと同義であり、nは上記式L2のnと同義であり、好ましい範囲も同じである。*は結合位置を表す。Rは置換基を表し、mは0以上の整数を表す。mの上限は各式中の「置換可能数」であり、式L2−1であれば3である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。Rとしては前記置換基Tがあげられ、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。なお、式(L2−6)、(L2−8)、(L2−10)においては、R、Vがピロール環に置換しているものを含む意味である。
前記環A及びCが前記式(L2−2)〜(L2−6)及び(L2−9)であることが好ましい。
・B
Bは、置換基を有していてもよい5員環以上、好ましくは5〜14員環の含窒素芳香環を表す。形成される環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Bは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。
Bは下記式(L2−21)または(L2−22)で表されることが好ましい。
Figure 0005789506
・R、R
式中、Rは置換基を表す。Rとしては前記置換基Tの例が挙げられる。Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。また、Rはアリール基またはヘテロ環基であることが好ましい。
がヘテロ環基である場合、チオフェン、フラン、ピロール、セレノフェン、およびそのベンゾ縮環体、およびこれらが自身も含めて2環以上連結したもの、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノシクロペンタン、ジチエノシロール、などがより好ましい。
*は結合手を意味する。
・da、db、dc
daはそれぞれ0〜5の整数を表す。dbは0〜2の整数を表す。dcは0〜4の整数を表す。
・L
は後記式(II)のL3で規定されるL及びLと同義の連結基である。
・a
aは0または1の整数を表す。
・m2
m2は1又は2であり、1が好ましい。
・X
Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子、又はハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座の配位子を表す。なお配位子Xがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
・mX
配位子Xの数を表すmXは0又は1であり、好ましくは1である。
・CI
式(I)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、式(I)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、式(I)の色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、ホスホニウムイオン(例えばテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
式(I)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記ではまず各配位子の組合せで化合物を示し、さらに具体的な化学式を示すようにしている。
Figure 0005789506
Figure 0005789506
Figure 0005789506
M(L−1)m1(L−2)m2(X)m3 ・・・ 式(A)(下表参照用)
なお、Xはm3が0でないとき−NCS配位子である。下表の化合物番号はA−xxxとして呼称する(例えば一番目の化合物はA−1となる)。
Figure 0005789506
Figure 0005789506
Figure 0005789506
式(I)で表される化合物からなる色素の合成は、定法により行うことができる。
(式(II)で表される色素)
ML m3 m4mY・CI (II)
・金属原子M
Mは式(I)におけるMと同義である。
・L
は下記式(L3)で表される2座の配位子を表す。
Figure 0005789506
・m3
m3は0〜2の整数であり、1、2であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。m3が2以上のとき、Lは同じでも異なっていてもよい。
・Ac
Acはそれぞれ独立に酸性基を表す。Acの好ましいものは式(I)で定義したものと同義である。Acはピリジン環上もしくはその置換基のどの原子に置換してもよい。
・R
はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくは置換基Tの例を挙げることができる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基またはアシルアミノ基である。
・R
は、アルキル基又は芳香環基を表す。芳香族基としては、好ましくは炭素原子数6〜30の芳香族基、例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等である。複素環(ヘテロ環)基としては、好ましくは炭素原子数1〜30のヘテロ環基、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリルおよび自身も含めてこれらを2つ以上組み合わせたものである。好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、より好ましくはチエニルおよびチエニルが2つ以上連結したものが挙げられる。該電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基であるのが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基またはヒドロキシ基であるのがより好ましく、アルキル基であるのが特に好ましい。
・e1、e2
e1、e2は0〜5の整数であるが、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。
・L及びL
及びLはそれぞれ独立に共役鎖を表し、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。エテニレン基やエチニレン基等は、無置換でも置換されていてもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L及びLはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、チオフェンジイル、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LとLは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
・e3
e3は0または1である。特に、e3が0のとき式中右側のfは1又は2であるのが好ましく、e3が1のとき右側のfは0又は1であるのが好ましい。
・g
gはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、0〜2の整数であるのが好ましい。
・f
fはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。fの和が1以上であって、配位子Lが酸性基を少なくとも1個有するときは、式(II)中のm3は2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。fが2以上のときAcは同じでも異なっていてもよい。式中左側のfは0又は1であるのが好ましく、右側のfは0〜2の整数であるのが好ましい。左右のfの総和は0〜2の整数であるのが好ましい。
式(II)における配位子Lは、下記一般式(L3−1)、(L3−2)又は(L3−3)で表されるものが好ましい。
Figure 0005789506
式中、Ac、Ra、f、g及びe3は一般式(L3)におけるものと同義である。ただし、N位に置換するRaは水素原子であってもよい。e4は0〜4の整数である。
・L
は下記式(L4)で表される2座又は3座の配位子を表す。
Figure 0005789506
式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。
・m4
m4は1〜3の整数であり、1〜2であるのが好ましい。m4が2以上のときLは同じでも異なっていてもよい。
・Zd、Ze、Zf
Zd、Ze及びZfは式(I)のZa、Zb、Zcと同義である。
・h
hは0または1を表す。hは0であるのが好ましく、Lは2座配位子であるのが好ましい。
配位子Lは、下記式(L4−1)〜(L4−8)のいずれかにより表されるのが好ましく、式(L4−1)、(L4−2)、(L4−4)、又は(L4−6)により表されるのがより好ましく、式(L4−1)又は(L4−2)により表されるのが特に好ましく、式(L4−1)により表されるのが特に好ましい。
Figure 0005789506
式中、Acはそれぞれ独立に酸性基又はその塩を表す。Acは前記で定義したAcと同義である。
式中、Rは式(I)と同義である。ただし、N位に置換するRは水素原子であってもよい。
iはそれぞれ独立に0以上置換可能な炭素の位置の数(整数)を表す。なお置換可能数は式の番号の横に()で表示した。Rは互いに連結して、あるいは縮環して環を形成していてもよい。
なお、上記式L4−1〜L4−8では、置換基Rを所定の芳香環に結合手を延ばして示しているが、その芳香環に置換したものに限定されない。つまり、例えば、式L4−1では、左側のピリジン環にAc、Rが置換した形になっているが、これらが右側のピリジン環に置換した形態であってもよい。
・Y
式(II)中、Yは1座又は2座の配位子を表す。mYは配位子Yの数を表す。mYは0〜2の整数を表し、mYは好ましくは1又は2である。Yが1座配位子のとき、mYは2であるのが好ましく、Yが2座配位子のとき、mYは1であるのが好ましい。mYが2以上のとき、Yは同じでも異なっていてもよく、Yどうしが連結していてもよい。
配位子Yは、好ましくはアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子である。より好ましくはアシルオキシ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基またはアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子であり、特に好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子または1,3−ジケトンからなる配位子であり、最も好ましくは、ジチオカルバメート基、チオシアネート基およびイソチオシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトンからなる配位子である。なお配位子Yがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
Yが2座配位子のとき、Yはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、またはチオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。Yが1座配位子のとき、Yはチオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、チオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
・CI
式(II)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。式(I)中のCIと同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(II)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出してもよい。
Figure 0005789506
Figure 0005789506
式(II)により表される色素は、特開2001−291534号公報や当該公報に引用された方法を参考にして合成することができる。
式(II)で表される化合物からなる色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記式(I)で表される化合物からなる色素と、式(II)で表される化合物からなる色素を用いて、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。
式(II)で表される化合物からなる色素と、式(I)で表わされる化合物からなる色素の配合割合は、前者をR、後者をSとすると、モル%の比で、R/S=95/5〜10/90、好ましくはR/S=95/5〜50/50、さらに好ましくはR/S=95/5〜60/40、より一層好ましくはR/S=95/5〜65/35、最も好ましくはR/S=95/5〜70/30である。
[共吸着剤]
本発明における半導体層(半導体膜とも称し、図1の感光層2)は、半導体の表面に金属錯体色素及び共吸着剤が担持されている。以下に本発明で使用する一般式(A)で表される共吸着剤を説明する。
Figure 0005789506
・Ra
式中、Raは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環状の脂肪族基、芳香族基、または非環状ヘテロ原子含有基を表す。ここで非環状ヘテロ原子含有基とは、ヘテロ環基以外のヘテロ原子を有する基を意味する。前記Raは、一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0005789506
・Rb
式中、Rbは、アルキル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基を示す。アルキル基またはアルコキシ基の具体例としては、後記置換基Tが挙げられる。Rbは、アルキル基であることがより好ましい。
・Rc
Rcは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはアリール基を表す。アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはアリール基の具体例としては、後記置換基Tが挙げられる。Rcは、アルキル基、アリール基であることがより好ましい。
・n
nは0以上の整数を表すし、0〜8であることが好ましく、0〜4であることがより好ましい。
・L
Lは単結合または2価の連結基を表す。このLは、2官能以上の鎖状連結基であることが好ましい(例えば、後記例示化合物のK-9、K−14など。)。Lは、好ましくは置換もしくは無置換の、直鎖もしくは分岐の炭素数1〜30のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、2−メチルプロピレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ドデカンジイル基、n−ヘキサデカンジイル基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が挙げられ、より好ましくは、下記一般式(B)で表される基である。
−CH(CH)−(CH)x−C(=O)X−M−B(OMa) 一般式(B)
一般式(B)において、xは1または2を表し、2が好ましい。XはO、S、NRを表し、NRが好ましい。ここで、Rは水素原子、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基を表し、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基は置換基Tで挙げたアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同じである。Mはアルキレン基を表し、このアルキレン基は置換基を有してもよく、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜10のアルキレン基である。
・M
は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または環状の脂肪族基を表す。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または環状の脂肪族基の具体例としては、後記置換基Tが挙げられる。Mは水素原子、アルキル基がより好ましい。
以下に本発明で使用する共吸着剤の具体的化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005789506
Figure 0005789506
Figure 0005789506
前記特定の共吸着剤は、常法によって合成することができる。
前記特定の共吸着剤は単独で用いても、上記以外の共吸着剤と併用してもよい。本発明においては、酸化物半導体に吸着した金属錯体色素の透過吸収スペクトルの最大吸収の強度が、共吸着剤を使用しない場合の70%〜99%であることが好ましく、80%〜95%であることがさらに好ましい。また、本発明の共吸着剤を酸化物半導体に吸着させる際の使用量は、金属錯体色素100質量に対し1〜5000質量であり、10〜500質量がより好ましく、50〜300質量がさらに好ましい。共吸着剤の適用量をこの範囲とすることで、冒頭で述べた金属錯体との相互作用を一層効果的に引き出すことができ好ましい。
なお、本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基及び配位子についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
[光電変換素子及び色素増感型太陽電池]
図1に示されるように、本発明の光電変換素子10は、導電性支持体1、その上に設置される色素21により増感した半導体層(半導体膜)である感光層2、正孔輸送層3、及び対極4からなる。ここで本実施形態においては、前記半導体に、色素21とともに、共吸着剤24が吸着されている。半導体層(半導体膜)を設置した導電性支持体は光電変換素子において作用電極として機能する。本実施形態においては、この光電変換素子10を外部回路6で動作手段Mに仕事をさせる電池用途に使用できるようにした色素増感太陽電池を利用したシステム100として示している。
本実施形態において受光電極5は、導電性支持体1、およびその上に塗設される色素化合物21及び共吸着剤24の吸着した半導体微粒子22の層(半導体層である感光層)2よりなる。本実施形態においては受光電極5に電解質3を含みうるものとして示しているが、これを含まないものとしてみてもよい。半導体層である感光層2は目的に応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。一層の感光層中の色素化合物21は一種類でも多種の混合でもよいが、そのうちの少なくとも1種は、上述した本発明の金属錯体色素を用いる。半導体層である感光層2に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有しており、この電子が色素化合物21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体に到達する。このとき金属錯体色素は酸化体となっているが、電極上の電子が外部回路で仕事をしながら色素酸化体に電解質3に戻ることで太陽電池として働く。
本実施形態においては、金属錯体色素21と共吸着剤23とが適度に半導体微粒子22上に共吸着したため、上述した色素の不用意な会合等を防ぐことができる。ただし、図1は説明のために模式的に示したものであり、色素や共吸着剤の吸着形態などの本発明の構成がそこに示した構成によって限定して解釈されるものではない。
本発明において光電変換素子及び色素増感型太陽電池に用いられる材料及び各部材の作成方法については、この種のものにおける通常のものを採用すればよく、例えば米国特許第4927721号明細書、米国特許第4684537号明細書、米国特許第5084365号明細書、米国特許第5350644号明細書、米国特許第5463057号明細書、米国特許第5525440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。以下、主たる部材について概略を説明する。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電膜層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体である。支持体としては、ガラス及びプラスチックの他、セラミック(特開2005―135902号公報)、導電性樹脂(特開2001―160425号公報)を用いてもよい。支持体上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003―123859号公報記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002―260746号公報記載のライトガイド機能が挙げられる。
導電膜層の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
導電性支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。透明導電性支持体としては、ガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが好ましい。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスもしくはプラスチックの支持体1m当たりの0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
半導体微粒子は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型、ブルッカイト型、または、ルチル型があげられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合するか、または半導体電極として用いてもよい。
半導体微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子として0.001〜1μm、分散物の平均粒径として0.01〜100μmであることが好ましい。半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する方法として、湿式法の他、乾式法、その他の方法が挙げられる。
透明導電膜と半導体層(酸化物半導体層)の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。光電極と対極の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。半導体微粒子は多くの色素を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子を支持体上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。一般に、半導体微粒子の層の厚みが大きいほど単位面積当たりに担持できる色素の量が増えるため光の吸収効率が高くなるが、発生した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。半導体微粒子層(半導体層)の好ましい厚みは素子の用途によって異なるが、典型的には0.1〜100μmである。色素増感太陽電池として用いる場合は1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましい。半導体微粒子は、支持体に塗布した後に粒子同士を密着させるために、100〜800℃の温度で10分〜10時間焼成してもよい。支持体としてガラスを用いる場合、製膜温度は400〜60℃が好ましい。
なお、半導体微粒子の支持体1m当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。色素の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜10ミリモルである。この場合、本発明の色素の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。また、色素の半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
前記色素が塩である場合、前記特定の金属錯体色素の対イオンは特に限定されず、例えばアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
色素を吸着した後に、アミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。電荷移動層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極と対極との間に設けられる。代表的な例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。
以上の液体電解質及び擬固体電解質の代わりにp型半導体あるいはホール輸送材料などの固体電荷輸送系を用いても良い。固体電荷輸送層として有機ホール輸送材料を用いても良い。
酸化還元対は、電子のキャリアになるので、ある程度の濃度が必要である。好ましい濃度としては合計で0.01モル/1以上であり、より好ましくは0.1モル/1であり、特に好ましくは0.3モル/1以上である。この場合の上限には特に制限はないが、通常5モル/1程度である。
対向電極は、光電気化学電池の正極として働くものである。対向電極は、通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でない。対極の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光層に光が到達するためには、前述の導電性支持体と対向電極との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の光電気化学電池においては、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、対向電極は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。光電気化学電池の対向電極としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。光電気化学電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。このようにして得られる本発明の光電気化学電池の特性は、一般的にはAM1.5Gで100mW/cmのとき、開放電圧0.01〜1.5V、短絡電流密度0.001〜20mA/cm、形状因子0.1〜0.9、変換効率0.001〜25%である。
本発明は、特許第4260494号公報、特開2004−146425号公報、特開2000−340269号公報、特開2002−289274号公報、特開2004−152613号公報、特開平9−27352号公報等に記載の光電変換素子、色素増感太陽電池に適用することができる。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層形成するための種々のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
[ペーストの調製]
(ペーストA)球形のTiO粒子(アナターゼ、平均粒径;25nm、以下、球形TiO粒子Aという)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
(ペースト1)球形TiO粒子Aと、球形のTiO粒子(アナターゼ、平均粒径;200nm、以下、球形TiO粒子Bという)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO粒子Aの質量:TiO粒子Bの質量=30:70)を調製した。
(ペースト2)ペーストAに、棒状TiO粒子(アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO粒子Cという)を混合し、棒状TiO粒子Cの質量:ペーストAの質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274号公報に記載の図5に示した光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、同公報図3の光電極以外は色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する10×10mmのスケールの色素増感型太陽電池1を作製した。具体的な構成は添付の図2に示した。41が透明電極、42が半導体電極、43が透明導電膜、44が基板、45が半導体層、46が光散乱層、40が光電極,20が色素増感型太陽電池、CEが対極、Eが電解質、Sがスペーサーである。
ガラス基板上にフッ素ドープされたSnO導電膜(膜厚;500nm)を形成した透明電極を準備した。そして、このSnO導電膜上に、上述のペースト1をスクリーン印刷し、次いで乾燥させた。その後、空気中、450℃の条件のもとで焼成した。更に、ペースト2を用いてこのスクリーン印刷と焼成とを繰り返すことにより、SnO導電膜上に図2に示す半導体電極42と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;6μm、光散乱層の層厚;4μm、光散乱層に含有される棒状TiO粒子Cの含有率;30質量%)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
次に、半導体電極に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、マグネシウムエトキシドで脱水した無水エタノールを溶媒として、これに下記表に記載の金属錯体色素(3×10−4モル/L)と共吸着剤(3×10−4モル/L〜30×10−4モル/L)を溶解し、色素溶液を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、これにより、半導体電極に色素が約1.5×10−7mol/cm、共吸着剤が約3×10−7mol/cm吸着し、吸着し、光電極40を完成させた。
次に、対極として上記の光電極と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚さ;100nm)、電解質Eとして、ヨウ素及びヨウ化リチウムを含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備し、光電極40と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して色素増感型太陽電池を完成させた。
この太陽電池の性能を下記のようにして試験を行い、下記の評価項目に対して評価を行った。すべてにおいて「A」以上であると市場において高い評価を得ることができる。
(初期の変換効率)
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/mの疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、変換効率(ηi/%)を求めた。下記の各項目について評価・判定を行った。
AA:ηiが7%以上のもの
A: ηiが6%以上7%未満のもの
B: ηiが5%以上6%未満のもの
C: ηiが5未満のもの
(暗所保存後の変換効率の降下率)
80℃、300時間暗所経時後の光電変換効率(η)を測定した。前記初期の変換効率(η)に対する降下率(Rd)(下式)を求めて評価を行った。
式: 降下率(Rd)=(η−η)/(η
AA:Rdが5%未満のもの
A: Rdが5%以上10%未満のもの
B: Rdが10%以上20%未満のもの
C: Rdが20%以上のもの
(照射後の変換効率の降下率)
500時間連続光照射後の変換効率の光電変換効率(η)を測定した。前記初期の変換効率(η)に対する降下率(Ri)(下式)を求めて評価を行った。
式: Ri=(η−η)/(η
AA:Riが5%未満のもの
A: Riが5%以上10%未満のもの
B: Riが10%以上15%未満のもの
C: Riが15%以上のもの
Figure 0005789506
Figure 0005789506
Figure 0005789506
Figure 0005789506
本発明の金属錯体色素と特定のボロン酸共吸着剤とを組み合わせて用いることで、光電変換効率及び耐久性が大きく改善され、高いレベルでこれらの性能を両立できることが分かる。前記比較試験c11−04で用いた例示化合物7(J2色素)とS−1(ケノデオキシコール酸)との組合せが前記特許文献3に相当する比較例である。なお、表中c**で示した試験例は比較例であり、このことは以下の表においても同様である。
上記ペースト以外のペースト(チタニアの粒径や種類を変更したもの)についても同様に試験を行ない、本発明の色素によれば良好な性能が得られることを確認した。
(実施例2)
以下に示す手順により、特開2010−218770公報に記載の図1に示したものと同様の構成を有する色素増感太陽電池を作成した。具体的な構成は添付の図3に示した。51が透明基板、52が透明導電膜、53がバリア層、54がn型半導体電極、55がp型半導体層、56がp型半導体膜、57が対極(57aが対極の突起部)である。
20mm×20mm×1mmの透明基板51としての透明ガラス板に、透明導電膜52としてのSnO2:F(フッ素ドープ酸化スズ)をCVDにより形成した透明導電ガラス基板(Transparent Conductive Oxide:TCO)を用意した。
次に、Ti(OCH(CHと水とを容積比4:1で混合した溶液5mlを、塩酸塩でpH1に調整されたエチルアルコール溶液40mlと混合し、TiO2前駆体の溶液を調製した。そして、この溶液を、TCOガラス基板上に1000rpmでスピンコートし、ゾル−ゲル合成を行った後、真空下で78℃、45分間加熱し、450℃、30分間のアニーリングを行い、酸化チタン薄膜からなるバリア層53を形成した。
一方、平均粒子径18nm(粒子径:10nm〜30nm)のアナターゼ型の酸化チタン粒子を、エタノール及びメタノールの混合溶媒(エタノール:メタノール=10:1(体積比))に均一に分散させて酸化チタンのスラリーを調製した。この時、酸化チタン粒子は、混合溶媒100質量%に対し、10質量%の割合でホモジナイザーを用いて均質に分散させた。
次に、エタノールに、粘度調整剤としてのエチルセルロースを濃度が10質量%となるように溶解させた溶液と、アルコール系有機溶媒(ターピネオール)とを上記で調製した酸化チタンのスラリーに添加し、再度、ホモジナイザーで均質に分散させた。この後、ターピネオール以外のアルコールをエバポレータで除去し、ミキサーで混合して、ペースト状の酸化チタン粒子含有組成物を調製した。なお、調製した酸化チタン粒子含有組成物の組成は、酸化チタン粒子含有組成物を100質量%として、酸化チタン粒子が20質量%、粘度調整剤が5質量%であった。
このようにして調製した酸化チタン粒子含有組成物を、上記で形成したバリア層53の上に、スクリーン印刷で所定のパターンを形成するように塗布し、150℃で乾燥した後、電気炉内で450℃に加熱して、TCOガラス基板上にn型半導体電極54が積層された積層体を得た。次いで、この積層体を硝酸亜鉛(ZnNO3)の溶液に一晩浸漬した後、450℃、45分間加熱して表面処理を行った。この後、下表に示す各種色素を用いて、そのエタノール溶液(増感色素の濃度:3×10−4mol/L、共吸着剤の濃度(3×10−4モル/L〜30×10−4モル/L))に、表面処理した積層体を浸漬し、25℃で40時間放置して、n型半導体電極54の内部に色素を吸着させた。これにより、半導体電極に色素が約1.5×10−7mol/cm、共吸着剤が約3×10−7mol/cm吸着した。
続いて、アセトニトリルにCuIを添加して飽和溶液を作製し、その上澄み液を6ml取り出したものに、15mgの1−メチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネートを添加してp型半導体の溶液を調整した。そして、80℃に加熱したホットプレート上に、上記のn型半導体電極54に色素を含有させた後の積層体を配置し、n型半導体電極54にp型半導体の溶液をピペットで滴下塗布して浸透させ、そのまま1分間放置して乾燥させて、p型半導体層55を作製した。
次に、厚み1mmの銅板を1M濃度の塩酸にて洗浄し、さらに無水エタノールで洗浄した後、大気中で500℃、4時間加熱し、最大径100nmで高さ10μmのCuOナノワイヤ(突起部57a)が成長した銅板を作製した。この銅板を密閉容器内にヨウ素結晶と封入し、60℃の恒温槽で1時間加熱して、表面に薄いCuI層(p型半導体膜56)をコーティングされた対極57を作製した。そして、この対極57を、上記で作製した積層体に、p型半導体層55の側からに押し付けて積層した。
このように作製した色素増感型太陽電池50について実施例1と同様にして初期の変換効率を試験した。
Figure 0005789506
上記の結果より、本発明に係る金属錯体色素及びボロン酸共吸着剤を採用する技術を利用することにより、異なるタイプの素子においてその優れた効果が発現されることが分かる。
(実施例3)
以下の方法で、光電極にCdSe量子ドット化処理を行い、コバルト錯体を用いた電解液を使用して、図4に示す色素増感太陽電池を作成した。
FTOガラス(1)、日本板硝子(株)社製 表面抵抗:8Ωsq−1)表面にチタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドのエタノール溶液を16回噴霧し、450℃で30分間以上焼成した。この基板に20nm−TiOで約2.1μmの透明層と60nm−TiO(昭和タイタニウム(株)社製)で約6.2μmの光散乱層をスクリーン印刷で積層し、TiCl水溶液で後処理を行い、FTO/TiOフィルム2を作成した。
このFTO/TiOフィルムを不活性ガス雰囲気下のグローブバック内で0.03MのCd(NOエタノール溶液に30秒間浸した後、連続して0.03Mのセレナイドエタノール溶液に30秒間浸した。その後、エタノール中で1分以上洗浄し、過剰のプレカーサーを除去して乾燥した。この浸漬→洗浄→乾燥過程を5回繰り返して酸化チタン層(22)にCdSe量子ドット23を成長させ、CdTeで表面安定化処理を行うことにより、CdSe処理した光電極を作成した。セレナイド(Se2−)はArやN雰囲気下、0.068gのNaBH(0.060Mの濃度となる様に)を0.030Mの SeOエタノール溶液に加える事によって系内で調整した。
CdSe処理した光電極を色素溶液(下表中の色素0.3mM、下表中の共吸着剤3×10−4モル/L〜30×10−4モル/Lを含むアセトニトリル/t−ブタノール(1:1)溶液)に4時間浸漬し、光電極に色素21を吸着後、この光電極と対極(4、FTOガラス上にヘキサクロロ白金酸2−プロパノール溶液(0.05M)を400℃で20分Ptを化学析出したもの)を、25μmの厚みのサーリン(デュポン(株)社製)リングを挟み込んで組み立て、熱溶解によりシールをした。コバルト錯体を用いた電解液(0.75M Co(o−phen) 2+、0.075M Co(o−phen) 3+、0.20M LiClOのアセトニトリル/エチレンカーボネート(4:6/v:v)溶液)を対極側面に予め開けた穴より電極間の隙間3に注入し、その後その穴をバイネル(デュポン(株)社製)シートと薄いガラスのスライドで熱によって閉じて、色素増感太陽電池セル10を作製した。電解液に加えたコバルト錯体はChemical Communications、46巻、8788頁−8790頁(2010年)記載の方法で調整した。
このように作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様にして初期の変換効率を試験した。ただし、評価の区分は以下のとおりとした。
(初期の変換効率)
AA:6.5%以上のもの
A: 6.0%以上6.5%未満のもの
B: 5.5%以上6.0%未満のもの
C: 5.5%未満のもの
Figure 0005789506
上記の結果より、本発明に係る金属錯体色素及びボロン酸共吸着剤を採用する技術を利用することにより、量子ドットによる素子においても高い性能を発揮させることができることが分かる。
その他、特開2004-152613号公報の図1に示された光電極を利用した太陽電池、特開2000-90989号公報の実施例1と同様に作成したタンデムセルを利用した太陽電池、特開2003−217688号公報の図1に示した色素増感型太陽電池を作製して上記と同様の試験を行った。その結果、本発明の色素によれば、いずれも良好な性能が得られることを確認した。
1 導電性支持体
2 感光体
21 金属錯体色素
22 半導体微粒子
23 CdSe量子ドット
24 共吸着剤
3 電荷移動体
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 色素増感太陽電池を利用したシステム

Claims (11)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体の導電性表面を被覆するように設けられた半導体層とを少なくとも有する光電変換素子であって、該半導体層の半導体の表面に金属錯体色素と下記式(A)で表される共吸着剤が担持されており、前記金属錯体色素100質量部に対して前記共吸着剤が1〜5000質量部で適用された、光電変換素子。
    Figure 0005789506
    [式中、Raは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環状の脂肪族基、芳香族基、または非環状ヘテロ原子含有基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または環状の脂肪族基を表す。]
  2. 前記Raが、一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0005789506
    [式中、Rbは、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアルコキシ基を示す。Rcは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはアリール基を表す。nは0以上の整数を表す。*は結合手を表す。]
  3. 前記Lが2官能以上の鎖状連結基である請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記Lが、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子、及びハロゲン原子から選ばれる原子群で構成された連結基、または単結合であり、当該Lが炭素原子を含む場合にその炭素数が15以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記金属錯体色素が少なくとも下記式(I)で表される色素を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    ML m1 m2mX・CI (I)
    [式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。L2は下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1は1又は2である。m2は1又は2である。mXは0又は1である。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 0005789506
    [式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。]
    Figure 0005789506
    [式中、A〜Cは5員環以上の含窒素芳香環を表す。aは0または1の整数を表す。Vは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
  6. 前記金属錯体色素が少なくとも下記式(II)で表される色素を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    ML m3 m4mY・CI : 式(II)
    [式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式L3で表される2座の配位子を表す。Lは下記式L4で表される2座又は3座の配位子を表す。Yは1座又は2座の配位子を表す。m3は0〜3の整数を表す。m4は1〜3の整数を表す。mYは0〜2の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
    Figure 0005789506
    (式中、Acは酸性基を表す。Rは置換基を表す。Rはアルキル基又は芳香環基を表す。e1及びe2は0〜5の整数を表す。L及びLは共役鎖を表す。e3は0又は1を表す。fは0〜3の整数を表す。gは0〜3の整数を表す。)
    Figure 0005789506
    (式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。)
  7. 前記金属錯体色素の金属元素又は前記金属元素Mが、Ru、Re、Rh、Pt、Fe、Os、Cu、Ir、Pd、W、又はCoである請求項5または6に記載の光電変換素子。
  8. 前記式(II)の配位子L3に係るL及びLがエテニレン基又はエチニレン基である請求項6又は7に記載の光電変換素子。
  9. 導電性支持体と、その上側の前記半導体層と、さらにその上側の電荷移動体と、さらにその上側の対極とを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 前記共吸着剤を用いたときの酸化物半導体に吸着した色素の透過スペクトルにおける最大吸収の強度が、該共吸着剤を用いない場合の70%〜99%である請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子を含有する色素増感太陽電池。
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