JP5788817B2 - 光電変換素子及び色素増感太陽電池 - Google Patents

光電変換素子及び色素増感太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5788817B2
JP5788817B2 JP2012033397A JP2012033397A JP5788817B2 JP 5788817 B2 JP5788817 B2 JP 5788817B2 JP 2012033397 A JP2012033397 A JP 2012033397A JP 2012033397 A JP2012033397 A JP 2012033397A JP 5788817 B2 JP5788817 B2 JP 5788817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
dye
integer
photoelectric conversion
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012033397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013171641A (ja
Inventor
野村 公篤
公篤 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012033397A priority Critical patent/JP5788817B2/ja
Publication of JP2013171641A publication Critical patent/JP2013171641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5788817B2 publication Critical patent/JP5788817B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

本発明は、光電変換素子及び色素増感太陽電池に関する。
発電に使用される太陽電池として、各種のシリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の無機材料からなるものが主な研究開発の対象とされ、その一部は実用化されている。しかし、これらの太陽電池を家庭用電源等の用途として広く普及させるためには、価格や原材料の十分な確保、さらには、エネルギーペイバックタイムの長期化等の問題があり、これらを克服する必要がある。一方、集光部分の大面積化や廉価で提供することを目的として、有機材料を用いた色素増感太陽電池も多く提案されてきた。しかし、この種の太陽電池では、無機系のものに比し、一般に変換効率が低く、耐久性に劣る状況である。
色素増感太陽電池の性能改良を図るため、光電変換素子に使用される増感色素として、ルテニウム金属錯体の配位子を修飾したものなどが開発されてきている(特許文献1,2)。また、ステロイド骨格を持つものなどの共吸着剤が提案されている(特許文献3〜5参照)。
特許第4576494号公報 特開2001−291534号公報 特開2010−135184号公報 特開2009−132922号公報 特開2008−311127号公報
ところで、色素増感太陽電池は、酸化物半導体微粒子上に吸着した色素の励起状態から酸化物半導体微粒子に電子が注入され、この結果生じた色素カチオンラジカルが電解液中のレドックス材料を酸化することで発電する。したがって、酸化されたレドックス材料が半導体微粒子上の電子により還元されると電流を外部に取り出せないため発電効率が低下すると考えられる(逆電子移動)。
以上のような従来技術の状況および本発明者らの問題認識に鑑み、本発明は、上記の点に改良を施し、高光電変換効率と高耐久性(特に高温での耐久性)とを高いレベルで両立し、さらに素子ごとの性能のばらつきを抑えた光電変換素子及び色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
上記のような従来技術の状況に鑑み、本発明者は改めて原理的な側面からの改善を鋭意検討した。その結果、単に増感色素の会合を抑制する共吸着剤ではなく、特定の電子ブロッキング剤を用いることで、酸化物半導体表面の電子をクーロン反発により表面から遠ざけ、電解液中のレドックスアニオンを微粒子表面から遠ざけることにより効率の改善が可能と考え、その効果を実証した。さらにこの効果は色素吸着電極の含水率低減および電解液の含水率低減によって増強されることが判明した。また、本電子ブロッキング剤は素子性能のばらつきを抑えることも可能であることが判明し、有用であることが分かった。すなわち、上記の目的は、以下の手段によって達成された。
〔1〕基板および透明電極を有する導電性支持体と、吸着基をもつ増感色素および半導体微粒子を有する感光体と、電解質を有する電解質層と、対極とを有し、前記電解質を保持するよう前記透明電極と前記対極とを絶縁する部材とを具備する光電変換素子であって、
前記感光体層に、下記条件A〜Cのすべてを満たす総炭素数1〜60の電子ブロッキング剤と前記増感色素とが共存し、前記両者がともに前記半導体微粒子に吸着されてなる光電変換素子。
[A:炭素に結合しpKaが7以下に相当する酸残基として、カルボキシル基を有する。]
[B:アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基を含む連結基を有する。]
[C:有機概念図における置換基のI値が200以上である極性基として、スルホ基又はホスホン酸基を有する。
〔2〕前記電子ブロッキング剤が下記式(a)で表される〔1〕項に記載の光電変換素子。
式(a) (A)n11−B−(C)n12
[式中、Aは前記条件Aに係る酸残基である。Bは前記条件Bに係る連結基である。Cは前記条件Cに係る極性基である。n11は1〜3の整数を表す。n12は1〜3の整数を表す。]

〕前記増感色素が少なくとも下記式(I)で表される色素を含む〔1〕又は2〕項に記載の光電変換素子。
ML m1 m2mX・CI (I)
[式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。Lは下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1は1又は2である。m2は0〜2の整数を表す。mXは0〜3の整数を表す。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 0005788817
[式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。]
Figure 0005788817
[式中、A〜Cは5員環以上の含窒素芳香環を表す。aは0または1の整数を表す。Vは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
〕前記増感色素が少なくとも下記式(II)で表される色素を含む〔1〕又は2〕項に記載の光電変換素子。
ML m3 m4mY・CI (II)
[式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式L3で表される2座の配位子を表す。Lは下記式L4で表される2座又は3座の配位子を表す。Yは1座又は2座の配位子を表す。m3は0〜3の整数を表す。m4は1〜3の整数を表す。mYは0〜2の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
Figure 0005788817
(式中、Acは酸性基を表す。Rは置換基を表す。Rはアルキル基又は芳香環基を表す。e1及びe2は0〜5の整数を表す。L及びLは共役鎖を表す。e3は0又は1を表す。fは0〜3の整数を表す。gは0〜3の整数を表す。)
Figure 0005788817
(式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。)
〕前記増感色素のMが、Ru、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn、又はZnである〔又はに記載の光電変換素子。
〕前記増感色素が下記式(III)で表される色素を含む〔1〕又はに記載の光電変換素子。
Figure 0005788817
[式中、Qは4価の芳香環基を示す。X、Xは硫黄原子、酸素原子、又はCRを表す。R、Rは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。R、R’は、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。P、Pは色素残基を表す。ただしPはポリメチン色素を形成するのに必要な原子群を表す。Wは電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
〕前記増感色素を含有させた電解液の水分含有率が0.1質量%以下である〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載の光電変換素子。
〕前記電解質を構成する酸化還元剤がコバルト錯体である〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載の光電変換素子。
〕〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備してなる色素増感太陽電池。
10〕有機溶媒中に、吸着基をもつ増感色素を0.001〜0.1質量%含有し、下記条件A〜Cのすべてを満たす基を有する総炭素数1〜60の電子ブロッキング剤を0.001〜0.1質量%含有し、水を0〜0.1質量%含有する、色素増感太陽電池用の色素吸着用液組成物。
[A:炭素に結合しpKaが7以下に相当する酸残基として、カルボキシル基を有する。]
[B:アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基を含む連結基を有する。]
[C:有機概念図における置換基のI値が200以上である極性基として、スルホ基又はホスホン酸基を有する。]
11〕〔10に記載の色素吸着用液組成物を準備する工程、該液組成物を使用して、基板および透明電極を有する導電性支持体と、吸着基をもつ増感色素および半導体微粒子を有する感光体と、電解質を有する電解質層と、対極とを有し、前記電解質を保持するよう前記透明電極と前記対極とを絶縁する部材とを具備する色素増感太陽電池に組み立てる工程とを有する色素増感太陽電池の製造方法。
本明細書において、芳香環とは、芳香族環及び複素環(脂肪族複素環及び芳香族複素環)を含む意味に用い、単環であっても複環であってもよい。炭素−炭素二重結合については、分子内にE型及びZ型が存在する場合、そのいずれであってもよい。特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明により、高光電変換効率と高耐久性(特に高温での耐久性)とを高いレベルで両立し、さらに製品間でのばらつきを抑えた光電変換素子及び色素増感太陽電池を提供することができる。また、本発明の製造方法および液組成物は上記優れた性能を発揮する光電変換素子ないし色素増感太陽電池の製造及び利用に有用である。
本発明の光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。 実施例1で作製した色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。 光電変換素子における電子ブロッキング剤の作用について模式的に示した説明図である。
一般に、光電変換素子においては、増感色素(図中:Dye)が光の照射を受け励起され、カチオンラジカルを生じながら、半導体に電子を付与する。この電子が電極を通じて回路中に提供され、発電が実現される。一方、電解質(I)から色素への電子の移行も生じそれが対極に及ぶことで(図中、矢印としては示していない)、上記回路中の電子の移行が連繋し電流が生起されることとなる。これに対し、半導体粒子(図中:TiO)から電子が色素側に逆流し、光によって生成したI をIに戻してしまう現象が起こる(図中破線で示した逆電子移動)。これは、素子中の光電変換を妨げる方向となり、抑制・防止されることが望まれる。本発明の電子ブロッキング剤によれば、系内を効果的にアニオン性にしてエネルギー的に高い部分(クーロン場)Eを付与することができ、上記半導体から電解質への電子逆の流れを遮断できると推定される。これにより、上記の高光電変換効率とともに高耐久性、さらには素子のばらつきの抑制を達成できたと考えられる。以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、上記の説明ないし図により限定して解釈されるものではない。
[電子ブロッキング剤]
本発明の光電変換素子においては、前記増感色素もしくは電解質を含む層に下記条件A〜Cのすべてを満たす総炭素数1〜60の電子ブロッキング剤が含まれていることを特徴とする。
・条件A
前記電子ブロッキング剤は、炭素に結合しpKaが7以下に相当する酸残基として、カルボキシル基を有する。ここで、pKaが7以下に相当するものとは、酸残基の結合手に典型的にはメチル基を補った化合物を想定し、そのpKaにより評価することを意味する。例えば、酸残基がカルボキシル基であれば、酢酸となり、そのpKaは4.76となる。pKaはさらに−2以上であることが実際的であり、1以上であることが好ましい。上限値としては、5以下であることが好ましい。なお、本明細書において、pKaは特に断らない限り、25℃における値を言い、化学便覧 基礎編 改訂5版に掲載の値等を参照することができる
・条件B
前記電子ブロッキング剤は、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を含む連結基を有する。この連結基は、さらに、単結合、アミノ基、ホスフィノ基、シリル基、エステル基、カルボニル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルホン基、スルホキシド基、酸素原子、硫黄原子などの連結基ないし原子を伴っていてもよい。また、当該連結基は2価以上であればよく、上限は特にないが、6価以下の連結基であることが好ましい。
・条件C
前記電子ブロッキング剤は、有機概念図における置換基のI値が200以上である極性基として、スルホ基又はホスホン酸基を有する。
有機概念図のI値は、400以上が好ましく、さらに500以上であることが好ましい。I値は上限は特にないが、1500以下であることが実際的である。有機概念図については、各参考書等を参照することができるが、例えば甲田善生ら「有機概念図―基礎と応用」三共出版(2008/11)を参照して特定することができる。以下に、I値(無機性値)及びO値(有機性値)の値をまとめた表を前記書籍から引用して示す。但し、本発明の極性基はイミノ基あるいはアミノ基を含む基であると金属錯体に対して配位子交換により素子性能が劣化するため、イミノ基およびアミノ基を含まないものが好ましく、窒素原子を含まないことがさらに好ましい。従って、本発明の極性基は、炭素原子、リン原子、硫黄原子を酸素原子により酸化体としたものが特に好ましい。
Figure 0005788817
上記書籍等に開示のない置換基については、同書籍で提示されている特定手法あるいは類似の置換基から推定する(I値の加算性を利用して構造から積算する)などしてI値を設定すればよい。
本条件を満たす極性基は、スルホ基(I値:250)、ホスホン酸基(I値:約500[算定値])が挙げられる。なお、ホスホン酸基のI値は算定値である。
前記電子ブロッキング剤は、下記式(a)で表される化合物であることが好ましい。
式(a) (A)n11−B−(C)n12
式中、Aは前記条件Aに係る酸残基である。Bは前記条件Bに係る連結基である。Cは前記条件Cに係る極性基である。n11は1〜3の整数を表す。n12は1〜3の整数を表す。なお、A、B、Cの好ましい範囲も、上記条件A〜Cで規定されるものと同様である。
以下に、電子ブロッキング剤の具体例を示すが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。さらにこれらの酸性プロトンがNaイオン、Kイオン、Csイオンに置き換わった化合物も具体例として挙げられる。
Figure 0005788817
以下に、上記例示化合物における、酸性基Aおよび極性基Cの内容を示しておく。
――――――――――――――――――――――――――――――――
例示化合物 酸性基A/個数 極性基C/個数
――――――――――――――――――――――――――――――――
1 カルボキシル基/1 スルホ基/1
2 カルボキシル基/2 スルホ基/1
3 カルボキシル基/1 スルホ基/1
4 カルボキシル基/1 スルホ基/2
5 カルボキシル基/1 スルホ基/1
6 カルボキシル基/2 スルホ基/1
7 カルボキシル基/1 スルホ基/1
8 カルボキシル基/1 スルホ基/1
9 カルボキシル基/1 スルホ基/1
10 カルボキシル基/1 スルホ基/1
11 カルボキシル基/1 ホスホン酸基/2
12 カルボキシル基/2 ホスホン酸基/1
13 カルボキシル基/1 ホスホン酸基/1
14 カルボキシル基/1 ホスホン酸基/1
15 カルボキシル基/1 カルボキシル基/1
――――――――――――――――――――――――――――――――
さらに一般式(a)で示される電子ブロッキング剤として以下の例を示す。
Figure 0005788817
さらにこれらの酸性プロトンがNaイオン、Kイオン、Csイオンに置き換わった化合物も具体例として挙げられる。
本発明の光電変換素子に使用される電子ブロッキング剤の使用量(例えば、半導体微粒子に吸着させる量)は、増感色素100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。なお、この電子ブロッキング剤と色素との割合は、色素吸着用液組成物においても同様である。
なお、電子ブロッキング剤は色素でないものが好ましく、したがって可視光領域(420nm〜700nm)に実質的に吸収ピークをもたないものであることが好ましい。
[増感色素]
本発明に用いることができる増感色素としては、下記式(I)ないし(III)で表される化合物からなる色素を含むことが好ましい。
(式(I)で表される色素)
ML m1 m2mX・CI (I)
・M
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Zn又はCuであり、最も好ましくはRuである。
・L
は下記式(L1)で表される。
Figure 0005788817
・Za、Zb、Zc
式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基Acを有する。
・Ac
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシ基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基など、あるいはこれらのいずれかを有する基が挙げられ、好ましくはカルボキシ基あるいはこれを有する基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した形を採っていてもよく、塩であってもよい。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、ホスホニル基、若しくはホスホリル基、又はこれらの塩のいずれかであることが好ましい。酸性基とは、連結基を介して結合した基でもよく、例えば、カルボキシビニレン基、ジカルボキシビニレン基、シアノカルボキシビニレン基、カルボキシフェニル基などを好ましいものとして挙げることができる。なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。
上述のとおり、酸性基Acは酸性を示す基を有する基であればよく、換言すれば、酸性を示す基は所定の連結基を介して導入されていてもよい。酸性基はその塩として存在していてもよい。塩となるとき対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。連結基としては、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数2〜4のアルケニレン基、炭素数2〜4のアルキニレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基等が挙げられる。
前記酸性基Acは半導体表面に吸着する吸着基として機能しうる。
Za、Zb及びZcにおいて、形成される5員環又は6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、Zb及びZcは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。
は下記式(L1−1)で表されることが好ましい。
Figure 0005788817
・A、A、A
式中、A、A、Aはそれぞれ独立に酸性基を表す。A、A、Aとしては上記酸性基Acとしてあげたものと同義である。
・R〜R
〜Rはそれぞれ独立に置換基を表す。R〜Rとしては例えば前記の置換基Tが挙げられる。R〜Rとして好ましくはアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、ビニル基を介したヘテロアリール基、ビニル基を介したアリール基である。
・b1〜b3、c1〜c3
b1、b3およびc1、c3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、b2、c2は0〜3の整数を表す。ただし、c1〜c3がすべて0であることはない。
は下記式(L1−2)で表されることがさらに好ましい。
Figure 0005788817
・R〜R
式中、R、RおよびRは水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基または酸性基を表す。R、RおよびRのうち少なくとも1つは酸性基であり、好ましくは前記酸性基Acが挙げられる。
・m1
m1は1又は2である。1であるのがより好ましい。
・L
は下記式(L2)で表される。
Figure 0005788817
・V
Vは置換基を表し、Hammett則におけるσp値が正の置換基を表すことが好ましい。
Vのσp値が0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましい。σp値に上限は特にないが、1以下であることが実際的である。このようなσp値を有する置換基とすることで、耐久性、変換効率を維持しつつ、吸収光のより長波長化が実現できる。
ここでHammett則における置換基定数σp値について説明する。Hammett則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.ハメットにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版,1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページ、Corwin Hansch, A. LEO and R. W. TAFT“A Survey of Hammett Substituent Cosntants and Resonance and Field Parameters”Chem.Rev.1991,91,165−195などに詳しい。
なお、1つのヘテロ環に複数の置換基Vがあるとき、すなわちnが2以上の場合は、各置換基Vのσp値の和で評価する。ただし、それぞれのヘテロ環ごとに評価し、別のヘテロ環に置換したVについては、その和とせずに、それぞれのσp値で評価する。
Vの少なくとも1つがヘテロ環基を含む置換基であることが好ましい。これによりεが向上し、IPCEが増大する。結果として変換効率の顕著な向上が見られる。
好ましいヘテロ環基をなすヘテロ環としては、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、およびこれらのベンゾ縮環体、トリアジン、などを挙げることができる。
・n
nは0以上の整数を表す。好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
・A、C
AおよびCは下記式(L2−1)〜(L2−11)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0005788817
式中、Vは上記式L2のVと同義であり、nは上記式L2のnと同義であり、好ましい範囲も同じである。ただし、その上限は各環構造の「置換可能数」である。*は結合位置を表す。Rは置換基を表し、mは0以上の整数を表す。mの上限は各式中の「置換可能数」であり、式L2−1であれば3である。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。Rとしては前記置換基Tがあげられ、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。なお、式(L2−6)、(L2−8)、(L2−10)においては、R、Vがピロール環に置換しているものを含む意味である。
前記環A及びCが前記式(L2−2)〜(L2−6)及び(L2−9)であることが好ましい。
・B
Bは、置換基を有していてもよい5員環以上、好ましくは5〜14員環の含窒素芳香環を表す。形成される環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Bは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及び/又はハロゲン原子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するのが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。
Bは下記式(L2−21)または(L2−22)で表されることが好ましい。
Figure 0005788817
・R、R
式中、Rは置換基を表す。Rとしては前記置換基Tの例が挙げられる。Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。また、Rはアリール基またはヘテロ環基であることが好ましい。
がヘテロ環基である場合、チオフェン、フラン、ピロール、セレノフェン、およびそのベンゾ縮環体、およびこれらが自身も含めて2環以上連結したもの、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノシクロペンタン、ジチエノシロール、などがより好ましい。
*は結合手を意味する。
・da、db、dc
daはそれぞれ0〜5の整数を表す。dbは0〜2の整数を表す。dcは0〜4の整数を表す。
・L
は後記式(II)のL3で規定されるL及びLと同義の連結基である。
・a
aは0または1の整数を表す。
・m2
m2は0〜2の整数を表し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
・X
Xは1座の配位子を表す。好ましくはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子、又はハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座の配位子を表す。
配位子Xがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。なお、配位子Xは上記で示した各基がアニオン性配位子ないし中性配位子のいずれになって中心金属に配位していてもよい。
・mX
配位子Xの数を表すmXは0〜3の整数を表し、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
・CI
式(I)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、式(I)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、式(I)の色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。従ってCIで表される対イオンは一般式(I)中に複数あっても良い。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、ホスホニウムイオン(例えばテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
式(I)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005788817
式(I)で表される化合物からなる色素の合成は、定法により行うことができる。文献情報としては、Chem.Commun.,2009,5844−5846;US2010/0258175A1などを参照することができる。
(式(II)で表される色素)
ML m3 m4mY・CI (II)
・金属原子M
Mは式(I)におけるMと同義である。
・L
は下記式(L3)で表される2座の配位子を表す。
Figure 0005788817
・m3
m3は0〜2の整数であり、1、2であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。m3が2以上のとき、Lは同じでも異なっていてもよい。
・Ac
Acはそれぞれ独立に酸性基を表す。Acの好ましいものは式(I)で定義したものと同義である。Acはピリジン環上もしくはその置換基のどの原子に置換してもよい。
・R
はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくは置換基Tの例を挙げることができる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基またはアシルアミノ基である。
・R
は、アルキル基又は芳香環基を表す。芳香族基としては、好ましくは炭素原子数6〜30の芳香族基、例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等である。複素環(ヘテロ環)基としては、好ましくは炭素原子数1〜30のヘテロ環基、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリルおよび自身も含めてこれらを2つ以上組み合わせたものである。好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、より好ましくはチエニルおよびチエニルが2つ以上連結したものが挙げられる。該電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基であるのが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基またはヒドロキシ基であるのがより好ましく、アルキル基であるのが特に好ましい。
・e1、e2
e1、e2は0〜5の整数であるが、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。
・L及びL
及びLはそれぞれ独立に共役鎖を表し、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。エテニレン基やエチニレン基等は、無置換でも置換されていてもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L及びLはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、チオフェンジイル、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LとLは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
・e3
e3は0または1である。特に、e3が0のとき式中右側のfは1又は2であるのが好ましく、e3が1のとき右側のfは0又は1であるのが好ましい。
・g
gはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、0〜2の整数であるのが好ましい。
・f
fはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。fの和が1以上であって、配位子Lが酸性基を少なくとも1個有するときは、式(II)中のm3は2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。fが2以上のときAcは同じでも異なっていてもよい。式中左側のfは0又は1であるのが好ましく、右側のfは0〜2の整数であるのが好ましい。左右のfの総和は0〜2の整数であるのが好ましい。
式(II)における配位子Lは、下記一般式(L3−1)、(L3−2)又は(L3−3)で表されるものが好ましい。
Figure 0005788817
式中、Ac、Ra、f、g及びe3は一般式(L3)におけるものと同義である。ただし、N位に置換するRaは水素原子であってもよい。e4は0〜4の整数である。なお、Ra、Acは隣接する環のどこに置換していてもよい意味である。
・L
は下記式(L4)で表される2座又は3座の配位子を表す。
Figure 0005788817
式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基Acを有する。
・m4
m4は1〜3の整数であり、1〜2であるのが好ましい。m4が2以上のときLは同じでも異なっていてもよい。
・Zd、Ze、Zf
Zd、Ze及びZfは式(I)のZa、Zb、Zcと同義である。
・h
hは0または1を表す。hは0であるのが好ましく、Lは2座配位子であるのが好ましい。
配位子Lは、下記式(L4−1)〜(L4−8)のいずれかにより表されるのが好ましく、式(L4−1)、(L4−2)、(L4−4)、又は(L4−6)により表されるのがより好ましく、式(L4−1)又は(L4−2)により表されるのが特に好ましく、式(L4−1)により表されるのが特に好ましい。
Figure 0005788817
式中、Acはそれぞれ独立に酸性基又はその塩を表す。Acは前記で定義したAcと同義である。
式中、Rは式(I)と同義である。ただし、N位に置換するRは水素原子であってもよい。
iはそれぞれ独立に0以上置換可能な炭素の位置の数(整数)を表す。なお置換可能数は式の番号の横に()で表示した。Rは互いに連結して、あるいは縮環して環を形成していてもよい。
なお、上記式L4−1〜L4−8では、置換基Rを所定の芳香環に結合手を延ばして示しているが、その芳香環に置換したものに限定されない。つまり、例えば、式L4−1では、左側のピリジン環にAc、Rが置換した形になっているが、これらが右側のピリジン環に置換した形態であってもよい。
・Y
式(II)中、Yは1座又は2座の配位子を表す。mYは配位子Yの数を表す。mYは0〜2の整数を表し、mYは好ましくは1又は2である。Yが1座配位子のとき、mYは2であるのが好ましく、Yが2座配位子のとき、mYは1であるのが好ましい。mYが2以上のとき、Yは同じでも異なっていてもよく、Yどうしが連結していてもよい。
配位子Yは、好ましくはアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子である。より好ましくはアシルオキシ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基またはアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、1,3−ジケトンまたはチオ尿素からなる配位子であり、特に好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子または1,3−ジケトンからなる配位子であり、最も好ましくは、ジチオカルバメート基、チオシアネート基およびイソチオシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトンからなる配位子である。なお配位子Yがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
Yが2座配位子のとき、Yはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、またはチオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。Yが1座配位子のとき、Yはチオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、チオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
なお、配位子Xは上記で示した各基がアニオン性配位子ないし中性配位子のいずれになって中心金属に配位していてもよい。
・CI
式(II)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。式(I)中のCIと同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(II)で表される構造を有する色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出してもよい。
Figure 0005788817
Figure 0005788817
式(II)により表される色素は、特開2001−291534号公報や当該公報に引用された方法を参考にして合成することができる。
式(I)ないし(II)で表される化合物からなる色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記式(I)で表される化合物からなる色素と、式(II)で表される化合物からなる色素を用いて、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。
式(II)で表される化合物からなる色素と、式(I)で表わされる化合物からなる色素の配合割合は、前者をR、後者をSとすると、モル%の比で、R/S=95/5〜10/90、好ましくはR/S=95/5〜50/50、さらに好ましくはR/S=95/5〜60/40、より一層好ましくはR/S=95/5〜65/35、最も好ましくはR/S=95/5〜70/30である。
本発明においては、前記増感色素としてスクアリリウム色素も好ましく用いられる。以下に、中でも好ましく適用される式(III)で表される化合物について説明する。
(式(III)の化合物からなる色素)
当該色素は、その式と別の共鳴構造式で表されるものも含まれる。このことは導入される原子群(P11、P12、P13、P14、Ar等)のすべての化学式について同様であり、分子全体として整合する共役構造として解釈されるものである。
Figure 0005788817
・Q
式(1)中、Qは4価の芳香環基を表す。芳香環は上述のように芳香族環及び複素環を含む。芳香族環としては、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が好ましい。複素環としては、後記例示置換基HArexの環構造が挙げられる。
・X、X
、Xは硫黄原子、セレン原子、酸素原子、またはCRを表す。ここでR、Rはアルキル基を表す。アルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が挙げられ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、1−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等が好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、1−エチルペンチル、2−エトキシエチル、ベンジルがより好ましく、メチル、エチル、プロピル、デシル、2−エトキシエチルが特に好ましい。以下、このアルキル基の例示及び好ましいものを、アルキル基「Rex」と呼ぶ。X、Xは硫黄原子、酸素原子もしくはCRが好ましく、CRがより好ましい。なお、式(1)中、X,Xと、N−R,N−R’との上下の関係は反転したものであってもよい(つまり、N−Rが下、N−R’が上という関係であってもよい)。
・R、R’
R、R’は、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。炭素原子で結合するヘテロ環基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピランが挙げられる。脂肪族基としては、上記アルキル基Rexが挙げられる。芳香族基としては、炭素原子数6〜26のアリール基が挙げられ、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニルが好ましく、フェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニルがより好ましい。以下、この芳香族基(アリール基)の例示及び好ましいものを、芳香族基「Arex」と呼ぶ。
・P
は色素残基を表す。
・P
はポリメチン色素を形成するのに必要な原子群を表す。
ただし、PとPは異なるものとする。ここで、両原子群が異なるとは、本発明の効果を奏する範囲で異なっていればよく、その具体的な構造は限定されない。典型的には、前記式(III)で表される色素において、前記Pが電子のアクセプターをなし、Pがドナーをなす、該色素がドナー・アクセプター型の分子を構成することが好ましい。ここで、ドナー・アクセプター型の色素とは光が照射された際に色素内のドナー部位が分子内の共役を介してアクセプター部位へ電子を移動する分子内光誘起電子移動を生じる色素をいう。
・W
は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、色素中の助色団及び置換基に依存する。式(III)の構造を有する色素が解離性の置換基を有する場合、解離して負電荷を有していてもよい。この場合、分子全体の電荷はWによって中和される。
が陽イオンの場合、例えば、プロトン、無機若しくは有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)又はアルカリ金属イオンである。Wが陰イオンの場合、無機陰イオン又は有機陰イオンのいずれであってもよい。例えば、ハロゲン陰イオン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンなどが挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポリマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III))でもよい。
<置換基Pの実施形態>
は、後記式P11もしくは式P12、または式P13もしくは式P14で表される原子群を表すことが好ましい。
Figure 0005788817
式中*は結合手を表す。特に断らない限り別の式においても同様である。
・R31、R32
式中、R31、R32は、酸性基を有することがある脂肪族基、又は酸性基を有することがある芳香環基を表す。脂肪族基としては、前記アルキル基Rexの他、下記のシクロアルキル基CRexが挙げられる。CRexとして、好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基であり、より好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等である。芳香環基としては、前記芳香族基Arexの他、下記の複素環基HArexが挙げられる。HArexとしては、好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基であり、より好ましくは、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等である。
・R33
33は、硫黄原子または下記式Rを表す。
Figure 0005788817
式RにおけるR34、R35はシアノ基又は酸性基を表す。R34、R35は両者がシアノ基もしくは酸性基であってもよいが、シアノ基と酸性基との組合せであることが好ましい。好ましい酸性基としては、前記酸性基Acが挙げられる。
・R36〜R38
36〜R38は水素原子又は置換基を表す。置換基としては、置換基Tが挙げられる。R36〜R38はアルキル基Rex又は水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
・R39
39は酸素原子又は置換基を表す。R39が2価の置換基であるとき、下記式R91又はR92で表されることが好ましい。
Figure 0005788817
式R92中、R40は水素原子もしくはアルキル基を表す。アルキル基としては、上記アルキル基Rexが挙げられる。
・n31、n32
n31は0以上の整数を表し、0〜3であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。n32は0又は1を示し、0であることが好ましい。
Figure 0005788817
・V
P13、P14において、Vは水素原子又は置換基を表す。Vは複数ある場合、同じでも異なっていてもよく、又は互いに結合して環を形成していてもよい。Vが置換基であるとき、その好ましい例としては置換基Tが挙げられる。Vは酸性基Acを有することが好ましい。これにより、モル吸光係数向上または電子注入効率向上の効果が得られる。
・n41
n41は0〜4の整数を表す。好ましくは、0〜3であり、より好ましくは0〜2である。
・n42
n42は1〜4の整数を表す。好ましくは、1〜3であり、より好ましくは1、2である。
・Y
は硫黄原子、NR47、又はCR4849を表す。Yは硫黄原子、NCH、又はC(CHを表すことが好ましい。
・R47〜R49
47〜R49は水素原子、脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。炭素原子で結合するヘテロ環基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピランが挙げられる。R47の好ましい例としては、脂肪族基として、好ましくは、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である。さらに好ましくは、アルキル基又はアルケニル基である。より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル等)である。芳香族基としてはベンゼン、ナフタレン、アントラセン等が挙げられる。R48とR49とは、同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
・Z
Zは脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。置換基の好ましい例として酸性基が挙げられ、より好ましくはカルボキシル基を有する基が挙げられる。
Zは脂肪族基を有する基を表すことが好ましい。脂肪族基としては、好ましくは、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である。さらに好ましくは、アルキル基又はアルケニル基である。より好ましくは炭素数5〜18のアルキル基(例えばペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル等)である。Zを炭素数5〜18の脂肪族基とすることにより、前記作用が得られる。脂肪族基は後記置換基Tで置換されていてもよい。
・R41〜R45
41〜R45は水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。炭素原子で結合するヘテロ環基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピランが挙げられる。R41〜R45は、好ましくは水素原子または脂肪族基である。脂肪族基としては、好ましくは、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である。さらに好ましくは、アルキル基又はアルケニル基である。より好ましくは炭素数5〜18のアルキル基(例えばペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル等)である。より好ましくは水素原子である。
・R46
46は酸素原子又は結合する二つの置換基のHammett則におけるσの和が正となる二価の炭素原子を表す。
式P14においてR46は上述の式R91又はR92で表されることが好ましい。これにより、電子注入効率向上の効果が得られる。
<置換基Pの実施形態>
本発明においては前記Pが下記式P21またはP22であることが好ましい。
Figure 0005788817
・R51〜R53
式中、R51〜R53は置換基を表す。置換基としては、後記置換基Tが挙げられ。R51〜R53はアルキル基Rex又は水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
・n41
n41は0以上の整数を表し、0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
・Ar
Arは、Hammett則におけるσp値が0以下の置換基を有する芳香環基または前記σp値が0以下の置換基を有するπ過剰系複素環基を表す。π過剰系複素環基とは、π過剰系複素環化合物の残基を意味する。π過剰系とは、典型的には、窒素原子等のローンペアを含めπ電子系の数が環を構成する原子の数を上回る状態を意味する。詳細は、例えば、「新編 ヘテロ環化合物 基礎編」(講談社サイエンテイフィック)p15等を参照することができる。σp値については、先に述べたとおりである。
置換基定数σpが0以下の置換基としては、電子供与性の置換基が挙げられ、具体的には、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは前記Rexが挙げられる。アルコキシ基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基であり、より好ましくは、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等である。σp値が0以下の置換基において、σp値は、−0.13以下であることが好ましく、−0.2以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、−1.2以上であることが実際的である。
Arは直接またはメチン鎖を介して連結してよく、直接連結する場合には共役構造が上記式とは異なることを意味する。
前記Arは、下記式RC1、RC2、RC3、Rc4で表されることが好ましい。前記Arは下記式RC1、Rc2、Rc3で表されることがより好ましく、下記式Rc1、Rc3で表されるのが特に好ましい。
Figure 0005788817
・Y
式中、YはS、NR、またはC(Rを表す。Rは置換基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基の好ましいものとしては前記Rexが挙げられる。Rは置換基を表す。置換基としては後記置換基Tが挙げられる。
・A
Aは芳香環を表す。芳香環の好ましいものとしては、前記芳香族基Arex及び複素環基HArexが挙げられる。
・R
は水素原子もしくは置換基を表す。置換基の好ましいものとしては後記置換基Tが挙げられる。好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基等である。なお、式RC2において2つあるRは互いに異なっていてもよく、結合ないし縮合して環を形成していてもよい。
・E
EはS、NR、Oを表す。Rは置換基を表し、前記と同義である。
・D
DはHammett則におけるσp値が0以下の置換基を表す。Dは、−OR、−NRを表すことが好ましい。Rは、置換基を表し前記と同義である。
・B
Bは芳香環を表す。芳香環の好ましいものとしては、前記芳香族基Arex及び複素環基HArexが挙げられる。
・X
は−SR、−OR、−NR を表し、Rは置換基を表し、前記と同義である。
*は結合手を表し、式P21及び式P22でみて、メチン鎖を介して連結しても、二重結合になって直接連結されてもよい。
・k
kは正の整数である。好ましくは、1〜4の整数である。
・L
Lは下記式L、Lを示す。nは、0以上の整数を示し、0〜2が好ましい。
Figure 0005788817
式L、L中、E、R、k、*は前記と同義である。
式(III)で表される本発明の色素は、エタノール溶液における極大吸収波長が、好ましくは500〜1300nmの範囲であり、より好ましくは600〜1100nmの範囲である。
以下に本発明の式(III)で表される色素の好ましい具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
Figure 0005788817
Figure 0005788817
Figure 0005788817
式(III)で表される化合物からなる色素の合成は、Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal,第40巻(3号),253〜258頁、Dyes and Pigments,第21巻,227〜234頁及びこれらの文献中に引用された文献の記載等を参考にして行うことができる。
なお、本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基及び配位子についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。さらに、置換基が配位子を表すとき、これはアニオン性配位子ないし中性配位子のいずれになって中心金属に配位していてもよい。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環の炭素原子数2〜20のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファもイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
[色素吸着用液組成物]
本発明においては、有機溶媒中に、前記増感色素と電子ブロッキング剤とを含有させてなる色素吸着用液組成物を用いて、光電変換素子を作製することが好ましい。
媒体となる有機溶媒の種類は特に限定されないが、非ハロゲン系の有機溶媒が挙げられ、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジエチルホルムアミド、N−エチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
なかでも、アルコール類(特に総炭素数1〜6の脂肪族アルコール)、アミド類(特に総炭素数2〜6の脂肪族アミド類)またはその組み合せが好ましく、特にメタノール、t−ブタノール、エタノール、2−プロパノール、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、またはその組み合せが好ましい。特に脱水処理した無水のものが好ましく、総炭素数は1〜4が好ましく、脂肪族化合物が好ましく、アルコールであることが好ましい。無水エタノールであることがより好ましい。
液組成物中の増感色素の量は特に限定されないが、0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.05質量%であることがより好ましい。
液組成物中の電子ブロッキング剤の量は特に限定されないが、0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.002〜0.01質量%であることがより好ましい。
液組成物中の水の含有は制限されていることが好ましく、水を0.1質量%以下に抑えることが好ましい。
[光電変換素子および色素増感太陽電池]
本発明の光電変換素子は、基板、透明電極、半導体微粒子、吸着基をもつ増感色素、電解質、及び対極を有し、前記電解質を保持するようにして前記透明電極と前記対極とを絶縁する部材を具備する。例えば、図1に示されるように、光電変換素子10は、基板及び透明電極からなる導電性支持体1、その上に設置される色素21により増感した半導体層(感光体層)2、電解質層3、および対極4を具備する。ここで本実施形態においては、上記半導体層に、色素21とともに、電子ブロッキング剤24が吸着されている。半導体層を設置した導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。本実施形態においては、この光電変換素子10を外部回路6で動作手段Mに仕事をさせる電池用途に使用できるようにした色素増感太陽電池を利用したシステム100として示している。
本実施形態において受光電極5は、導電性支持体1、およびその上に塗設される色素21の吸着した半導体微粒子22をもつ感光体層2よりなる。本実施形態においては、図示する都合上、受光電極5に電解質を含みうるものとして示しているが、その境界は厳密なものではなく、図示したもののように凹凸のある表面で接していてもよい。半導体層である感光体層2は目的に応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。一層の感光層中の色素21は一種類でも多種の混合でもよい。半導体層を含む感光層2に入射した光は色素21を励起する。励起された色素はエネルギーの高い電子を有しており、この電子が色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき色素21は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路6で仕事をしながら、対極4を経由して、色素21の酸化体が存在する感光体層2に戻ることで太陽電池として働く。
本発明において光電変換素子及び色素増感太陽電池に用いられる材料及び各部材の作成方法については、この種のものにおける通常のものを採用すればよく、例えば米国特許第4,927,721号明細書、米国特許第4,684,537号明細書、米国特許第5,0843,65号明細書、米国特許第5,350,644号明細書、米国特許第5,463,057号明細書、米国特許第5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。以下、主たる部材について概略を説明する。
・電解質組成物
本発明の光電変換素子に用いることができる電解質組成物には、酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)2価と3価のコバルト錯体の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせ、2価と3価のコバルト錯体の組み合わせが好ましい。
前記コバルト錯体は、なかでも式(A)で表されるものであることが好ましい。
Co(Lma(X)mb・CI 式(A)
式(A)において、Lは2座または3座の配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。maは0〜3の整数を表す。mbは0〜6の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。LおよびXは、前記式(I)と同義である。
上記式(B)で表される化合物は、下記式(A−1)〜(A−3)で表されることがより好ましい。
Figure 0005788817
R’a〜R’iは置換基を表す。na〜nbは0〜4の整数を表す。nc、neは0〜3の整数を表す。ndは0〜2の整数を表す。nf、njは0〜4の整数を表す。なお、ここでの置換基R’a〜R’iは結合手の延びる各環に置換することを意味する。
式(A−1)〜(A−3)において、R’a〜R’iの置換基としては例えば、脂肪族基、芳香族基、複素環基等が挙げられる。置換基の具体的な例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロ環等を挙げることができる。好ましい例としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、シクロヘキシル、ベンジル等)、置換アリール基(例えばフェニル、トリル、ナフチル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等)を挙げることができる。
式(A)で表されるコバルト錯体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005788817
ヨウ素塩のカチオンは5員環または6員環の含窒素芳香族カチオンであるのが好ましい。特に、式(A)で表される化合物がヨウ素塩でない場合は、再公表WO95/18456号公報、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を併用するのが好ましい。
本発明の光電変換素子に使用される電解質組成物中には、ヘテロ環4級塩化合物と共にヨウ素を含有するのが好ましい。ヨウ素の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
・共吸着剤
本発明の光電変換素子においては、本発明の金属錯体色素または必要により併用する色素および電子ブロッキング剤とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としてはカルボキシル基もしくはその塩の基を有する共吸着剤が好ましく、該共吸着剤としては、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えばブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはケノデオキシコール酸である。
好ましい共吸着剤は、下記式(B)で表される化合物である。
Figure 0005788817
式(B)中、RB1は酸性基を有する置換基を表す。RB2は置換基を表す。nBは0以上の整数を表す。酸性基は、先に示したAcと同義である。nBは2〜4であることが好ましい。置換基の具体例としては、前記置換基Tが挙げられる。これらの具体的化合物は、上述のステロイド骨格を有する化合物として例示した化合物が挙げられる。
この共吸着剤は、半導体微粒子に吸着させることにより、色素の非効率な会合を抑制する効果がある。共吸着剤の使用量は特に限定されないが、上記増感色素1モルに対して、好ましくは1〜200モル、さらに好ましくは10〜150モル、特に好ましくは20〜50モルであることが上記の作用を効果的に発現させられる観点から好ましい。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電膜層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体である。支持体としては、ガラス及びプラスチックの他、セラミック(特開2005―135902号公報)、導電性樹脂(特開2001―160425号公報)を用いてもよい。支持体上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003―123859号公報記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002―260746号公報記載のライトガイド機能が挙げられる。
導電膜層の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
・導電性支持体
導電性支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。透明導電性支持体としては、ガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが好ましい。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスもしくはプラスチックの支持体1m当たりの0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
・半導体微粒子
半導体微粒子は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型、ブルッカイト型、または、ルチル型があげられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合するか、または半導体電極として用いてもよい。
半導体微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子として0.001〜1μm、分散物の平均粒径として0.01〜100μmであることが好ましい。半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する方法として、湿式法の他、乾式法、その他の方法が挙げられる。
透明導電膜と半導体層(酸化物半導体層)の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。光電極と対極の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。半導体微粒子は多くの色素を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子を支持体上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。一般に、半導体微粒子の層の厚みが大きいほど単位面積当たりに担持できる色素の量が増えるため光の吸収効率が高くなるが、発生した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。半導体微粒子層(半導体層)の好ましい厚みは素子の用途によって異なるが、典型的には0.1〜100μmである。色素増感太陽電池として用いる場合は1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましい。半導体微粒子は、支持体に塗布した後に粒子同士を密着させるために、100〜800℃の温度で10分〜10時間焼成してもよい。支持体としてガラスを用いる場合、製膜温度は400〜60℃が好ましい。
なお、半導体微粒子の支持体1m当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。色素の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜10ミリモルである。この場合、色素の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。また、色素の半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
前記色素が塩である場合、前記特定の金属錯体色素の対イオンは特に限定されず、例えばアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
色素を吸着した後に、アミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。電荷移動層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極と対極との間に設けられる。代表的な例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。
以上の液体電解質及び擬固体電解質の代わりにp型半導体あるいはホール輸送材料などの固体電荷輸送系を用いても良い。固体電荷輸送層として有機ホール輸送材料を用いても良い。
酸化還元対は、電子のキャリアになるので、ある程度の濃度が必要である。好ましい濃度としては合計で0.01モル/1以上であり、より好ましくは0.1モル/1であり、特に好ましくは0.3モル/1以上である。この場合の上限には特に制限はないが、通常5モル/1程度である。
・対極(対向電極)
対向電極は、光電気化学電池の正極として働くものである。対向電極は、通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でない。対極の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光層に光が到達するためには、前述の導電性支持体と対向電極との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の光電気化学電池においては、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、対向電極は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。光電気化学電池の対向電極としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。光電気化学電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。このようにして得られる本発明の光電気化学電池の特性は、一般的にはAM1.5Gで100mW/cmのとき、開放電圧0.01〜1.5V、短絡電流密度0.001〜20mA/cm、形状因子0.1〜0.9、変換効率0.001〜25%である。
本発明は、特許第4260494号公報、特開2004−146425号公報、特開2000−340269号公報、特開2002−289274号公報、特開2004−152613号公報、特開平9−27352号公報に記載の光電変換素子、色素増感太陽電池に適用することができる。また、特開2004−152613号公報、特開2000−90989号公報、特開2003−217688号公報、特開2002−367686号公報、特開2003−323818号公報、特開2001−43907号公報、特開2000−340269号公報、特開2005−85500号公報、特開2004−273272号公報、特開2000−323190号公報、特開2000−228234号公報、特開2001−266963号公報、特開2001−185244号公報、特表2001−525108号公報験、特開2001−203377号公報、特開2000−100483号公報、特開2001−210390号公報、特開2002−280587号公報、特開2001−273937号公報、特開2000−285977号公報、特開2001−320068号公報、特開2010−218770号公報等に記載の光電変換素子、色素増感太陽電池に適用することができる。
以下に実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層を形成するための種々のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
[ペーストの調製]
(ペーストA)球形のTiO粒子(アナターゼ、平均粒径;25nm、以下、球形TiO粒子Aという)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
(ペースト1)球形TiO粒子Aと、球形のTiO粒子(アナターゼ、平均粒径;200nm、以下、球形TiO粒子Bという)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO粒子Aの質量:TiO粒子Bの質量=30:70)を調製した。
(ペースト2)ペーストAに、棒状TiO粒子(アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO粒子Cという)を混合し、棒状TiO粒子Cの質量:ペーストAの質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274号公報に記載の図5に示した光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、同公報図3の光電極以外は色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する10×10mmのスケールの色素増感型太陽電池を作製した。具体的な構成は添付の図2に示した。41が透明電極、42が半導体電極、43が透明導電膜、44が基板、45が半導体層、46が光散乱層、40が光電極、20が色素増感型太陽電池、CEが対極、Eが電解質、Sがスペーサーである。
ガラス基板上にフッ素ドープされたSnO導電膜(膜厚;500nm)を形成した透明電極を準備した。そして、このSnO導電膜上に、上述のペースト1をスクリーン印刷し、次いで乾燥させた。その後、空気中、450℃の条件のもとで焼成した。更に、ペースト2を用いてこのスクリーン印刷と焼成とを繰り返すことにより、SnO導電膜上に図2に示す半導体電極42と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;6μm、光散乱層の層厚;4μm、光散乱層に含有される棒状TiO粒子Cの含有率;30質量%)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
まず下表の電子ブロッキング剤1gと等モル量のNaHを無水THFに加え、室温、窒素下で攪拌した。これを減圧乾固し、電子ブロッキング剤のNa塩を得た。以下の実施例では電子ブロッキング剤としてNa塩型の物を用いた。なおNa塩の代わりにK塩、Cs塩でも同様な効果が得られる。次に、半導体電極に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、マグネシウムエトキシドで脱水した無水エタノールを溶媒として、これに下記表に記載の金属錯体色素(3×10−4モル/L)及び電子ブロッキング剤等(1×10−4モル/L)を溶解し、色素溶液を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、これにより、半導体電極に色素が約1.5×10−7mol/cmおよび電子ブロッキング剤等が約0.3×10−7mol/cm吸着した光電極40を完成させた。なお試験116では電子ブロッキング剤の仕込量を(0.3×10−4モル/L)とし、試験117では(3×10−4モル/L)とした。試験119は、ブロッキング剤1とCDCAを質量で1:2となるように併用した。他の試験水準における色素種、電子ブロッキング剤種、仕込量、吸着液溶媒の脱水処理有無は表1、表2のとおりである。
次に、対極として上記の光電極と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚さ;100nm)、電解質Eとして、ヨウ素及びヨウ化リチウムを含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備し、光電極40と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して色素増感型太陽電池を完成させた。
(初期の変換効率)
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、変換効率ηiを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/mの疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、変換効率(ηi/%)、Jsc、Voc、FFを求めた。
(暗所保存後の変換効率の降下率)
65℃、300時間暗所経時後の光電変換効率(η)を測定した。前記初期の変換効率(η)に対する降下率(γd)(下式)を求めて評価を行った。
式: 降下率(γd)=(η−η)/(η
(性能のバラつきの評価)
同一の方法で7個の色素増感太陽電池を作製し、これらの光電変換効率(ηi)に対する標準偏差の割合であるばらつき率(SD)を求めた。
Figure 0005788817
Figure 0005788817
実施例はいずれも比較例に対して、Jsc、Voc、FF等のセルの詳細性能が比較的高く、その結果として高い変換効率が得られており、効率のばらつきが小さく、セルで暗所高温経時の変換効率低下率も小さいことが分かる。試験101〜110では特にばらつきが小さく、試験111〜114では特に暗所高温経時の変換効率低下率が小さいことがわかる。さらに、同一の色素を用いている素子間での対比(表2)では、顕著に、Jsc, Voc, FF, 変換効率が改善され、性能ばらつき、耐久性が向上していることがわかる。
Figure 0005788817
CDCA(ケノデオキシコール酸)
Figure 0005788817
1 導電性支持体
2 感光体
21 金属錯体色素
22 半導体微粒子
23 CdSe量子ドット
24 電子ブロッキング剤
3 電解質層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 色素増感太陽電池を利用したシステム

Claims (11)

  1. 基板および透明電極を有する導電性支持体と、吸着基をもつ増感色素および半導体微粒子を有する感光体と、電解質を有する電解質層と、対極とを有し、前記電解質を保持するよう前記透明電極と前記対極とを絶縁する部材とを具備する光電変換素子であって、
    前記感光体層に、下記条件A〜Cのすべてを満たす総炭素数1〜60の電子ブロッキング剤と前記増感色素とが共存し、前記両者がともに前記半導体微粒子に吸着されてなる光電変換素子。
    [A:炭素に結合しpKaが7以下に相当する酸残基として、カルボキシル基を有する。]
    [B:アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基を含む連結基を有する。]
    [C:有機概念図における置換基のI値が200以上である極性基として、スルホ基又はホスホン酸基を有する。]
  2. 前記電子ブロッキング剤が下記式(a)で表される請求項1に記載の光電変換素子。
    式(a) (A)n11−B−(C)n12
    [式中、Aは前記条件Aに係る酸残基である。Bは前記条件Bに係る連結基である。Cは前記条件Cに係る極性基である。n11は1〜3の整数を表す。n12は1〜3の整数を表す。]
  3. 前記増感色素が少なくとも下記式(I)で表される色素を含む請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    ML m1 m2mX・CI (I)
    [式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式(L1)で表される配位子を表す。Lは下記式(L2)で表される配位子を表す。Xは1座の配位子を表す。m1は1又は2である。m2は0〜2の整数を表す。mXは0〜3の整数を表す。CIは、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 0005788817
    [式中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成する原子群を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。]
    Figure 0005788817
    [式中、A〜Cは5員環以上の含窒素芳香環を表す。aは0または1の整数を表す。Vは置換基を表す。nは0以上の整数を表す。]
  4. 前記増感色素が少なくとも下記式(II)で表される色素を含む請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    ML m3 m4mY・CI (II)
    [式中、Mは金属原子を表す。Lは下記式L3で表される2座の配位子を表す。Lは下記式L4で表される2座又は3座の配位子を表す。Yは1座又は2座の配位子を表す。m3は0〜3の整数を表す。m4は1〜3の整数を表す。mYは0〜2の整数を表す。CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
    Figure 0005788817
    (式中、Acは酸性基を表す。Rは置換基を表す。Rはアルキル基又は芳香環基を表す。e1及びe2は0〜5の整数を表す。L及びLは共役鎖を表す。e3は0又は1を表す。fは0〜3の整数を表す。gは0〜3の整数を表す。)
    Figure 0005788817
    (式中、Zd、Ze及びZfは5又は6員環を形成しうる原子群を表す。hは0又は1を表す。ただし、Zd、Ze及びZfが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。)
  5. 前記増感色素のMが、Ru、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn、又はZnである請求項3又は4に記載の光電変換素子。
  6. 前記増感色素が下記式(III)で表される色素を含む請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    Figure 0005788817
    [式中、Qは4価の芳香環基を示す。X、Xは硫黄原子、酸素原子、又はCRを表す。R、Rは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。R、R’は、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。P、Pは色素残基を表す。ただしPはポリメチン色素を形成するのに必要な原子群を表す。Wは電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
  7. 前記増感色素を含有させた電解液の水分含有率が0.1質量%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記電解質を構成する酸化還元剤がコバルト錯体である請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備してなる色素増感太陽電池。
  10. 有機溶媒中に、吸着基をもつ増感色素を0.001〜0.1質量%含有し、下記条件A〜Cのすべてを満たす基を有する総炭素数1〜60の電子ブロッキング剤を0.001〜0.1質量%含有し、水を0〜0.1質量%含有する、色素増感太陽電池用の色素吸着用液組成物。
    [A:炭素に結合しpKaが7以下に相当する酸残基として、カルボキシル基を有する。]
    [B:アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基を含む連結基を有する。]
    [C:有機概念図における置換基のI値が200以上である極性基として、スルホ基又はホスホン酸基を有する。]
  11. 請求項10に記載の色素吸着用液組成物を準備する工程、該液組成物を使用して、基板および透明電極を有する導電性支持体と、吸着基をもつ増感色素および半導体微粒子を有する感光体と、電解質を有する電解質層と、対極とを有し、前記電解質を保持するよう前記透明電極と前記対極とを絶縁する部材とを具備する色素増感太陽電池に組み立てる工程とを有する色素増感太陽電池の製造方法。
JP2012033397A 2012-02-17 2012-02-17 光電変換素子及び色素増感太陽電池 Expired - Fee Related JP5788817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012033397A JP5788817B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 光電変換素子及び色素増感太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012033397A JP5788817B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 光電変換素子及び色素増感太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013171641A JP2013171641A (ja) 2013-09-02
JP5788817B2 true JP5788817B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=49265482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012033397A Expired - Fee Related JP5788817B2 (ja) 2012-02-17 2012-02-17 光電変換素子及び色素増感太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5788817B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2531440B (en) 2013-08-21 2016-10-26 Canon Kk Image capturing apparatus and control method thereof
EP3352185B1 (en) * 2015-09-17 2021-10-27 FUJIFILM Corporation Photoelectric conversion element, dye-sensitized solar cell, dye composition, and oxide semiconductor electrode

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4162116B2 (ja) * 2000-12-08 2008-10-08 富士フイルム株式会社 光電変換素子および光電気化学電池
JP5027432B2 (ja) * 2006-03-27 2012-09-19 独立行政法人科学技術振興機構 色素増感型太陽電池及びその製造方法
JP5339799B2 (ja) * 2008-07-09 2013-11-13 日本カーリット株式会社 導電性高分子電極とその製造方法、導電性高分子層形成用塗布液、およびそれを備えた色素増感太陽電池
JP5620315B2 (ja) * 2010-03-31 2014-11-05 富士フイルム株式会社 光電変換素子及び光電気化学電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013171641A (ja) 2013-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI567082B (zh) A photoelectric conversion element, a photoelectrochemical cell, and a metal complex pigment used therein
JP5893390B2 (ja) 光電変換素子及び色素増感太陽電池
WO2012033143A1 (ja) 光電変換素子、光電気化学電池及び色素
JP5689861B2 (ja) 光電変換素子、光電気化学電池およびこれに用いられる金属錯体色素
WO2013137221A1 (ja) 金属錯体色素、光電変換素子、色素増感太陽電池、色素増感太陽電池用色素吸着組成液、色素増感太陽電池用半導体電極および色素増感太陽電池の製造方法
WO2012017872A1 (ja) 金属錯体色素、光電変換素子及び光電気化学電池
WO2013089087A1 (ja) 光電変換素子及び色素増感太陽電池
JP5809870B2 (ja) 光電変換素子、光電気化学電池、及びそれらに用いられる色素
JP5788817B2 (ja) 光電変換素子及び色素増感太陽電池
JP2012051952A (ja) 色素、光電変換素子及び光電気化学電池
TWI617626B (zh) 光電轉換元件、色素增感太陽電池、金屬錯合物色素及溶解金屬錯合物色素而成的色素溶液
JP6026236B2 (ja) 金属錯体色素、光電変換素子、色素増感太陽電池、色素溶液、色素吸着電極及び色素増感太陽電池の製造方法
JP2013206716A (ja) 光電変換素子及び色素増感太陽電池
WO2013118709A1 (ja) 光電変換素子およびその製造方法、これを用いた色素増感太陽電池
JP5789506B2 (ja) 光電変換素子及び色素増感太陽電池
JP5756766B2 (ja) 光電変換素子、光電気化学電池及び色素
JP2013114944A (ja) 光電変換素子及び光電気化学電池
JP6144619B2 (ja) 光電変換素子、色素増感太陽電池およびこれに用いる金属錯体色素
JP2013206874A (ja) 光電変換素子、色素増感太陽電池用色素吸着組成液、色素増感太陽電池用半導体電極、色素増感太陽電池の製造方法および光電変換素子用金属錯体色素
JP6351118B2 (ja) 光電変換素子、色素増感太陽電池、金属錯体色素および色素溶液
JP5636341B2 (ja) 光電変換素子、光電気化学電池、及びそれらに用いられる色素
JP2016063154A (ja) 光電変換素子、色素増感太陽電池、ルテニウム錯体色素および色素溶液
JP2013175468A (ja) 光電変換素子、光電気化学電池およびこれに用いる金属錯体色素

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5788817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees