JP6351118B2 - 光電変換素子、色素増感太陽電池、金属錯体色素および色素溶液 - Google Patents
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Description
これらの金属錯体色素以外にも、各種の金属錯体色素が研究されている。
例えば、特許文献1には、5’−カルボキシ−2,2’−ビチオフェニル基を中央のピリジン環に有するターピリジン配位子と3個の1座配位子とを有する色素(Compound 1)が具体的に記載されている(同文献の8頁)。
また、特許文献2には、末端ピリジン環および中央ピリジン環の少なくとも一方に、3位および4位ともに無置換のチオフェン環基を複数連結して導入したターピリジン配位子と、3個の1座の配位子またはビピリジン配位子とを持つ金属錯体色素が記載されている。また、この金属錯体色素を用いた光電気化学電池が、光電変換効率が高く、耐久性に優れていたことも記載されている。
<1>導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(I) M(LA)(Z)nZ・(CI)mY
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。
Zは、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレノシアネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、イソシアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群から選ばれる配位子を表す。nZは2または3を表す。
CIは電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。mYは0〜3の整数を表す。
Gは、チオフェン環基、または、チオフェン環を縮合環として含む多環縮合環基を表す。ただし、n個のGのうち少なくとも1つは下記式(G1−1)または(G1−2)で表される環基である。nは2〜7の整数を表す。Tは水素原子または置換基を表す。
<4>−(G)n−が、下記式(G2−1)、(G2−2)および(G2−3)のいずれかの式で表される部分構造を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<6>−(G)n−Tで表される基が、下記式(G3−1)または(G3−2)で表される基である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<7>RG11〜RG13、RG21〜RG27およびRG31〜RG34として採りうる置換基が、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基からなる群より選ばれる置換基を表す<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<8>RG11〜RG13、RG21〜RG27およびRG31〜RG34として採りうる置換基が、各々独立に、炭素数が3〜12のアルキル基、炭素数が3〜12のアルコキシ基または炭素数が3〜12のアルキルチオ基を表す<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<9>Zが、チオシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン原子、シアノ基、シアネート基、イソシアネート基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、下記式(XA−1)で表される配位子および下記式(XA−2)で表される配位子からなる群から選ばれる<1>〜<8>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<12>酸性基が、カルボキシ基シ基またはその塩である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<13>Zaが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
LWを含む環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれる少なくとも一種である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<15>下記式(I)で表される金属錯体色素。
式(I) M(LA)(Z)nZ・(CI)mY
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。
Zは、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレノシアネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、イソシアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群から選ばれる配位子を表す。nZは2または3を表す。
CIは電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。mYは0〜3の整数を表す。
Gは、チオフェン環基、または、チオフェン環を縮合環として含む多環縮合環基を表す。ただし、n個のGのうち少なくとも1つは下記式(G1−1)または(G1−2)で表される環基である。nは2〜7の整数を表す。Tは水素原子または置換基を表す。
特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、または複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極(対向電極)とを有する。感光体層と電荷移動体層と対極とがこの順で導電性支持体上に設けられている。
以下、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池の好ましい実施形態について説明する。
光電変換素子10は、導電性支持体1と、色素(金属錯体色素)21が担持されることにより増感された半導体微粒子22、および、半導体微粒子22間に電解質を含む感光体層2と、正孔輸送層である電荷移動体層3と、対極4とからなる。
光電変換素子10において、受光電極5は、導電性支持体1および感光体層2を有し、作用電極として機能する。
色素増感太陽電池20となる光電変換素子は、図1に示す光電変換素子に対して、導電性支持体41および感光体層42の構成、および、スペーサーSを有する点で異なるが、それらの点以外は図1に示す光電変換素子10と同様に構成されている。すなわち、導電性支持体41は、基板44と、基板44の表面に成膜された透明導電膜43とからなる2層構造を有している。また、感光体層42は、半導体層45と、半導体層45に隣接して成膜された光散乱層46とからなる2層構造を有している。導電性支持体41と対極48との間にはスペーサーSが設けられている。色素増感太陽電池20において、40は受光電極であり、47は電荷移動体層である。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。本発明の金属錯体色素は、下記式(AL−1)で表される配位子LAを有することにより、光電変換素子および色素増感太陽電池に、半導体層の膜厚変化の影響が小さく、高い光電変換効率を付与できる。したがって、本発明の金属錯体色素は増感色素として色素増感太陽電池に好ましく用いられる。
LAは、下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。
Gは、チオフェン環基、または、チオフェン環を縮合環として含む多環縮合環基を表す。ただし、n個のGのうち少なくとも1つは下記式(G1−1)または(G1−2)で表される環基である。nは2〜7の整数を表す。Tは水素原子または置換基を表す。
Mは、金属錯体色素の中心金属であり、長周期律表上6〜12族の各元素のイオンが挙げられる。このような金属イオンとしては、例えば、Ru、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnおよびZnの各イオンが挙げられる。金属イオンMは、1種のイオンであっても2種以上のイオンであってもよい。
本発明においては、金属イオンMは、Os2+、Ru2+またはFe2+が好ましく、Os2+またはRu2+がより好ましく、Ru2+が特に好ましい。
光電変換素子中に組み込まれた状態においては、Mの価数は、周囲の材料との酸化還元反応により変化することがある。
配位子LAは、上記式(AL−1)で表され、式(AL−1)中の3つの窒素原子で金属イオンMに配位する3座の配位子または化合物である。
この配位子LAは、1つ以上の酸性基(吸着基ともいう)を、後述するZaが形成する環およびZbが形成する環の少なくとも1つに有する。配位子LAは、本発明の金属錯体色素を半導体微粒子に担持させる配位子である。
ZaおよびZbが形成する環は、5員環の芳香族ヘテロ環および6員環の芳香族ヘテロ環が好ましい。これらの環は、単環に加えて、芳香族環および脂肪族環の少なくとも1つが縮環した縮合環を包含する。
ZaおよびZbが形成する環は、それぞれ、上記5員環の芳香族ヘテロ環の群および6員環の芳香族ヘテロ環の群からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、式(AL−1)で示される各環の構造に適合する芳香族ヘテロ環が好ましく選択される。
Zaが形成する環は、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
なかでも、ZaおよびZbが形成する環は、イミダゾール環、ピリジン環またはピリミジン環であることがより好ましく、ともにピリジン環であることが特に好ましい。
酸性基としては、好ましくは、カルボキシ基、ホスホニル基、スルホ基、またはカルボキシ基を有する基であり、より好ましくはカルボキシ基である。
また、この置換基を介してZaおよびZbが形成する環が互いに結合した縮合環を形成してもよい。このような縮合環としては、例えば、1,10−フェナントロリン環が挙げられる。
LWを含む環は、ZaおよびZbが形成する環として説明した6員環の芳香族環の群より、式(AL−1)中の上記環構造に適合する芳香族ヘテロ環が好ましく選択される。より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環およびイソキノリン環の少なくとも1種であり、ピリジン環またはピリミジン環であることがさらに好ましく、ピリジン環であることが特に好ましい。
*は、LWを含む環、他のGまたはTとの結合部を表す。本発明においては、特に限定されないが、式(G1−1)においてRG11に隣接する結合部が、また式(G1−2)においてRG13に隣接する結合部が、LWを含む環またはこの環側の他のGに結合することが好ましい。
Zt2で表される環としては、単環でも、この単環が2以上縮合してなる多環でもよい。単環は、特に限定されず、芳香族環でも脂肪族環でもよく、また炭化水素環でもヘテロ環(上記ヘテロ原子を少なくとも1つ有する環)でもよい。好ましくは、脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環である。単環は、特に限定されないが、5員環または6員環が好ましい。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
芳香族ヘテロ環としては、例えば、Zaが形成する環として説明した5員環または6員環の上記各環が挙げられる。これら以外にも、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環等が挙げられ、チオフェン環が好ましい。
もう1つの結合部が他の環である場合、式(G1−2)で表される環基としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾチオフェン環、ベンゾイソチオフェン環、チエノピリジン環、チエノフラン環、チエノピロール環、チエノシロール環等が挙げられる。
2つの結合部がいずれもチオフェン環である環基としては、下記式(G1−2A)〜(G1−2E)のいずれかの式で表される環基が好ましい。
RG13は、式(G1−2)のRG13と同義であり、好ましいものも同じである。
RTAは置換基を表す。RTAは、特に限定されず、後述する置換基群ZRから選ばれる基が挙げられる。なかでも、置換基としては、アルキル基、アルキルチオ基、アルコキシ基が好ましい。本発明においては、置換基RTAを複数有する場合であっても、置換基RTAが互いに結合して環を形成しないことが好ましい。式(G1−2D)および(G1−2E)において、RTAは、ベンゼン環に結合してもよく、結合部***を有するチオフェン環に結合してもよい。
PT2a、PT2bおよびPT2cは、それぞれ、0または1である。
PT2dおよびPT2eは、それぞれ、0〜3の整数であり、0〜2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
RG11〜RG13は、いずれも、下記式中のチオフェン環、または、式(G1−2)中のZt2と環を形成しない基である。
チオフェン環基としては、上記置換基RG11およびRG12がいずれも水素原子である(無置換の)チオフェン環、RG11およびRG12が互いに結合してなる環を有するチオフェン環(例えば、アルキレンジオキシチオフェン環、チエノチオフェン環、ピラノチオフェン環)等からなる各環基が挙げられる。アルキレンジオキシチオフェン環のアルキレン基は、特に限定されず、その炭素数は1〜3が好ましく、2または3がより好ましい。
多環縮合環基としては、上記式(G1−2)で表される環基において、置換基RG13が水素原子である環基等が挙げられる。
本発明においては、n個のGを形成する環の合計数は、特に限定されないが、光電変換効率の点で、2個または3個が好ましく、2個がより好ましい。ここで、Gを形成する環は、単環である場合は1つとし、多環縮合環基である場合は多環縮合環基を形成する縮合環の数とする。例えば、上記式(G1−2A)および(G1−2B)で表さる各環基を形成する縮合環の数は2つであり、式(G1−2C)〜(G1−2E)で表さる各環基を形成する縮合環の数は3つである。
−(G)n−で表される基は、好ましくは、下記式(G2−1)、(G2−2)および(G2−3)のいずれかの式で表される部分構造を含む。なかでも、式(G2−1)または(G2−2)で表される部分構造を含むことがより好ましく、式(G2−1)で表される部分構造を含むことがさらに好ましい。
RG21〜RG24として採りうる置換基は、上記RG11として採りうる置換基と同義であり、好ましいものも同じである。
RG25〜RG27として採りうる置換基は、上記RG11として採りうる置換基と同義であり、好ましいものも同じである。
Zt2は式(G2−2)または式(G2−3)中の、RG27を持つチオフェン環と縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。Zt2は、上記式(G1−2)のZt2と同義であり、好ましいものも同じである。
*は、LWを含む環、他のGまたはTとの結合部を表す。本発明においては、特に限定されないが、式(G2−1)においてRG21に隣接する結合部が、式(G2−2)においてチオフェン環基の結合部が、また式(G2−3)において多環縮合環基の結合部が、それぞれ、LWを含む環またはこの環側の他のGに結合することが好ましい。
RG31〜RG34は各々独立に水素原子または置換基を表す。ただし、式(G3−1)において、RG31およびRG32のうちの少なくとも一つが置換基である。なかでも、RG31が置換基でRG32が水素原子である態様、または、RG31およびRG32がともに置換基である態様が好ましい。式(G3−2)において、RG33およびRG34のうちの少なくとも一つが置換基である。なかでも、RG33が置換基でRG34が水素原子である態様が好ましい。
RG31〜RG34として採りうる置換基は、上記RG11として採りうる置換基と同義であり、好ましいものも同じである。
−(G)n−Tで表される基は、上記酸性基を有していない。
G、Tおよびnは式(AL−1)のG、Tおよびnと同義である。
このエステル化物は、上記酸性基が保護された化合物であって、加水分解等により酸性基に再生できるエステルであり、特に限定されない。例えば、上記酸性基のアルキルエステル化物、アリールエステル化物、ヘテロアリールエステル化物等が挙げられる。これらのなかでも、アルキルエステル化物が好ましい。アルキルエステル化物を形成するアルキル基は、特に限定されないが、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。アリールエステル化物を形成するアリール基およびヘテロアリールエステル化物を形成するヘテロアリール基は、それぞれ、特に限定されず、後述する置換基群ZRで例示したものが挙げられる。これらの基は、後述する置換基群ZRより選択される1種以上の置換基を有していてもよい。
エステル化される酸性基は、2つが好ましい。この場合、2つのエステルは同じでも異なっていてもよい。
本発明においては、前駆体化合物を加水分解して合成した配位子LAを用いて、本発明の金属錯体色素を合成することができる。また、後述する実施例1のように、前駆体化合物を用いて金属錯体色素化した後に、上記方法に準じてエステル基を加水分解して、本発明の金属錯体色素を合成することもできる。
式(L1−2)において、Y2は、式(L1−1)のY1がトリアルキルスズ基、ボロン酸基またはボロン酸エステル基の場合、ハロゲン原子またはパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基を表し、式(L1−1)のY1がハロゲン原子またはパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基の場合、トリアルキルスズ基、ボロン酸基またはボロン酸エステル基を示す。
式(L1−2)および式(L1−3)において、Rはアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を示す。
配位子Zは、下記に示す配位子であって、好ましくは1座配位子または2座配位子である。
nZは、配位子Zの数を表し、2または3を表す。ただし、nZは、「(Z)nZ」の合計配位数が3となるように、配位子Zの配位部位の数(1座または2座)を考慮して、適宜に決定される。例えば、配位子Zがすべて1座で配位する場合、nZは3を表す。配位子の1つが2座配位する場合、nZは2(残りの配位子は1座で配位する)を表す。本発明において、配位子Zは、その配位部位すべてが金属イオンに配位している必要はなく、少なくとも1つの配位部位で金属イオンに配位していればよい。例えば、2座配位子であっても、1つの配位部位で金属イオンに配位子して、1座配位子となることがある。2または3個の配位子Zは互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の配位子Z同士が結合していてもよい。
上記各配位子において、「…」は金属原子Mとの配位結合を示す。
Vxa1〜Vxa4は、各々独立に、硫黄原子または酸素原子を表し、酸素原子が好ましい。
Rxa1〜Rxa3は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
Txaは置換基を表す。nTは0〜4の整数を表し、0または1が好ましい。
Rxa1〜Rxa3およびTxaとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、置換基群ZRから選ばれる基が挙げられる。なかでも、Rxa1〜Rxa3は、それぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ハロゲン原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が置換したアルキル基(ハロゲン化アルキル基)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が置換したアリール基(ハロゲン化アリール基)およびハロゲン化アルキル基が置換したアリール基からなる群より選択される基、または、この群より選択される2つ以上(好ましくは2つ)の基が結合してなる基が好ましい。アルキル基としては炭素数1〜20が好ましい。ハロゲン化アルキル基としては、アルキル部分の炭素数が1〜30であることが好ましく、炭素数が1〜6であることがより好ましく、炭素数が1であることがさらに好ましく、トリフルオロメチルが特に好ましい。ハロゲン化アリール基としては、1〜5個のハロゲン原子が置換したフェニル基が好ましく、1〜4個のハロゲン原子が置換したフェニル基がより好ましく、1個のハロゲン原子が置換したフェニル基が好ましい。ハロゲン化アルキル基が置換したアリール基としては1〜5個のハロゲン化アルキル基が置換したフェニル基が好ましい。
ここで、置換基を有するアリール基およびヘテロアリール基は、式(XA−2)中のZXaが形成する環と結合する単環、または、この単環を縮合環として含む多環の基であって、この単環が5員環である場合、ZXaが形成する環と結合する環構成原子に対してα位のsp2炭素原子の少なくとも1つが置換基を有するアリール基またはヘテロアリール基であることが、好ましい。また、上記単環が6員環である場合、ZXaが形成する環と結合する環構成原子に対してα位およびβ位のsp2炭素原子の少なくとも1つが置換基を有するアリール基またはヘテロアリール基であることが、好ましい。このようなアリール基およびヘテロアリール基としては、2,6−ジ置換フェニル基、3−置換−2−チエニル基等が挙げられる。置換基としては、特に限定されないが、置換基群ZRから選ばれる基が挙げられる。
アミノ基は、後述する置換基群ZRにおいて説明したアミノ基が挙げられる。
式(XA−2)で表される配位子は、例えば、上記アシルオキシ基の好ましい態様である。このような配位子としては、上記したもの以外にも、例えば、Vxa3が硫黄原子であり、Vxa4が硫黄原子である態様等が挙げられる。
例えば、(XA−2)で表される配位子のうちピコリン酸誘導体は、Journal of Medicinal Chemisty,2011,vol.54,No.13,p.4721−4734に記載の化合物No.45の合成方法に準拠して、例えば下記スキームにより、合成することができる。
以下に示す構造式は幾つも取りうる共鳴構造のうちの1つの極限構造にすぎず、共有結合(−で示す)と配位結合(…で示す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。一般に、金属錯体色素が陽イオンもしくは陰イオンであるか、または、正味のイオン電荷を有するかどうかは、金属錯体色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有すること等により、金属錯体色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、金属錯体色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。
式中、M、LA、Z、nZ、CIおよびmYは、上記した通りであり、好ましいものも同じである。
下記具体例および実施例で示す具体例は、各具体例における配位子LAおよびZの具体的な組み合わせに関わらず、配位子LAおよびZそれぞれの具体例をも各々独立に示すものである。具体例中のMeはメチルを表す。
本発明において、好ましい置換基としては、下記置換基群ZRから選ばれる基が挙げられる。置換基群ZRは、上記酸性基を含まない置換基群である。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基群ZRを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群ZRの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
さらに、本明細書において、アルキル基をシクロアルキル基と区別して記載している場合、アルキル基は、直鎖アルキル基および分岐アルキル基を包含する意味で用いる。一方、アルキル基をシクロアルキル基と区別して記載していない場合(単に、アルキル基と記載されている場合)、および、特段の断りがない場合、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびシクロアルキル基を包含する意味で用いる。このことは、環状構造を採りうる基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等)を含む基(アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニルオキシ基等)、環状構造を採りうる基を含む化合物(上記アルキルエステル化物等)についても同様である。下記置換基群ZRの説明においては、例えば、アルキル基とシクロアルキル基のように、直鎖または分岐構造の基と環状構造の基とを明確にするため、これらを分けて記載していることもある。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20)、アリール基(芳香族炭化水素環基、好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましい。ヘテロ環基には芳香族ヘテロ環基(ヘテロアリール基という)および脂肪族ヘテロ環基を含む。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、
導電性支持体は、導電性を有し、感光体層2等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された導電性支持体1、または、ガラスもしくはプラスチックの基板44とこの基板44の表面に成膜された透明導電膜43とを有する導電性支持体41が好ましい。
導電性支持体1および41の厚みは、特に限定されないが、0.05μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明導電膜43を設ける場合、透明導電膜43の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることがさらに好ましく、0.05〜20μmであることが特に好ましい。
感光体層は、上記色素21が担持された半導体微粒子22および電解質を有していれば、その他の構成は特に限定されない。好ましくは、上記感光体層2および上記感光体層42が挙げられる。
半導体微粒子22は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブもしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
本発明においては、上記式(I)で表される金属錯体色素を用いることから、半導体層45の厚みを薄くすることができる。例えば、上記好ましい範囲のなかでも、6μm以下とすることができる。
また、受光電極5または40と対極4または48の接触を防ぐために、スペーサーS(図2参照)やセパレータを用いることが好ましい。
光電変換素子10および色素増感太陽電池20においては、増感色素として少なくとも1種の上記式(I)で表される金属錯体色素を使用する。式(I)で表される金属錯体色素は上記の通りである。
本発明においては、式(I)で表される金属錯体色素または必要により併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基またはその塩)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはケノデオキシコール酸である。
本発明において、光散乱層は、入射光を散乱させる機能を有する点で、半導体層と異なる。
色素増感太陽電池20において、光散乱層46は、好ましくは、棒状または板状の金属酸化物粒子を含有する。光散乱層46に用いられる金属酸化物粒子は、例えば、上記金属のカルコゲニド(酸化物)の粒子が挙げられる。光散乱層46を設ける場合、光散乱層の厚みは感光体層42の厚みの10〜50%とすることが好ましい。
光散乱層46は、特開2002−289274号公報に記載されている光散乱層が好ましく、特開2002−289274号公報の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層3および47は、色素21の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極5または40と、対極4または48との間に設けられる。
電荷移動体層3および47は電解質を含む。ここで、「電荷移動体層が電解質を含む」とは、電荷移動体層が電解質のみからなる態様、および、電解質と電解質以外の物質を含有する態様の、両態様を含む意味である。
電荷移動体層3および47は、固体状、液体状、ゲル状またはこれら混合状態のいずれであってもよい。
電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を含有する溶融塩および酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質等が挙げられる。なかでも、液体電解質が光電変換効率の点で好ましい。
特に、液体電解質に用いる有機溶媒としては、ニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が好ましく、ニトリル化合物がより好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
ヨウ素は、ヨウ素とシクロデキストリンとの包摂化合物として使用することもできる。また環状アミジンを用いてもよく、酸化防止剤、加水分解防止剤、分解防止剤、ヨウ化亜鉛を加えてもよい。
対極4および48は、色素増感太陽電池の正極として働くものであることが好ましい。対極4および48は、通常、上記導電性支持体1または41と同じ構成とすることもできるが、強度が十分に保たれるような構成では基板44は必ずしも必要でない。対極4および48の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層2および42に光が到達するためには、上記導電性支持体1または41と対極4または48との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体1または41が透明であって太陽光を導電性支持体1または41側から入射させるのが好ましい。この場合、対極4および48は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極4および48としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、本発明の金属錯体色素および溶媒を含有する色素溶液(本発明の色素溶液)を用いて、製造することができる。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤の濃度が調整されている色素溶液が好ましい。本発明においては、本発明の色素溶液は、本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。共吸着剤の使用量は上記した通りである。
このようにして作製した感光体層を備えた受光電極に、さらに電荷移動体層や対極等を設けることで、本発明の光電変換素子または色素増感太陽電池を得ることができる。
本明細書において、室温とは25℃を意味する。また、Meはメチルを表し、Etはエチルを表し、Buはブチルを示し、TBAはテトラブチルアンモニウムを示す。また、BPinは4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−ylを表す。
実施例1において合成した金属錯体色素および合成中間体を、MS(マススペクトル)測定、1H−NMR測定により、同定した。
本実施例で、合成した金属錯体色素D−1〜D−26を以下に示す。
以下のスキームに従って、金属錯体色素(D−1)を合成した。
500mLの3つ口フラスコに、THF(テトラヒドロフラン、200mL)、化合物(1−1)(10g)を入れ、窒素ガス雰囲気下で−40℃に冷やした。そこに、LDA(リチウムジイソプロピルアミド、2.0当量)を加え、混合液を−40℃で30分攪拌した。その後、混合液にMeOTs(メチルトシラート、16.6g、2.2当量)を加え、室温で3時間攪拌した。得られた溶液にH2Oを50mL入れ、ヘキサンで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(1−2)を12.1g得た。
500mLの3つ口フラスコに、THF(160mL)、H2O(16mL)、化合物(1−2)(14g)、化合物(1−3)(13.5g)、P(tBu)3PdG2(
クロロ[(トリ−tert−ブチルホスフィン)−2−(2−アミノビフェニル)]パラジウム(II)、0.82g)およびK3PO4(17g)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下にて加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、セライト濾過し、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(1−4)を14.2g得た。
500mLの3つ口フラスコに、化合物(1−4)(12g)およびTHF(150mL)を入れ、窒素ガス雰囲気下で−78℃に冷却した。そこにn−BuLi(1.6Mヘキサン溶液、35mL)を加え、混合液を−78℃で15分攪拌した。その後、混合液にBu3SnCl(13mL)を加えて、室温にて攪拌した。得られた溶液を塩化アンモニウムで中和し、酢酸エチルで反応生成物を抽出した。有機相を濃縮して、化合物(1−5)を得た。
得られた化合物(1−5)、化合物(1−6)(10.7g)、Pd(PPh3)4(2.1g)およびトルエン(150mL)を、500mLのナスフラスコに入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下110℃で攪拌した。得られた溶液を室温に戻し、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(1−7)を14g得た。
300mLの3つ口フラスコに、化合物(1−7)(6g)、トルエン(100mL)、Pd(PPh3)4(1.6g)およびMe3SnSnMe3(3.6mL)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下で3時間加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、H2Oを50mL加えて、セライト濾過した。反応生成物をトルエンで抽出した。有機相を濃縮し、濃縮残渣を50℃にて乾燥した。得られたSn体を300mLの3つ口フラスコに入れ、さらに、トルエン(100mL)、Pd(PPh3)4(1.6g)および化合物(1−8)(5.4g)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下で2時間加熱還流した。得られた溶液を室温に戻し、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(1−9)を7g得た。
1H−NMRは、CDCl3溶媒を用いて、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質として、プロトン共鳴周波数400MHzで、測定した。
50mLのナスフラスコに、化合物(1−9)(2g)、塩化ルテニウム(0.82g)およびエタノール(30mL)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下で3時間加熱還流した。沈殿物をろ取し、エタノールで洗浄して、化合物(1−10)を2g得た。
50mLのナスフラスコに、化合物(1−10)(2g)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mLと7gのテトラブチルアンモニウムチオシアネートを加え、140℃で3時間加熱した。反応液を室温に戻した後、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物(1−11)を0.8g得た。
ナスフラスコに、0.3gの化合物(1−11)とアセトン10mLと1.45mLの1M(モル/L)TBAOH(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド)/MeOH(メタノール)溶液を入れ、60℃で2時間加熱した。その後、反応液を濃縮し、水5mL入れ、硝酸(HNO3)でpH3に調整し、析出した結晶をろ取し、超純水で洗浄して、金属錯体色素(D−1)を0.25g得た。
金属錯体色素(D−1)は表1に示すデータから確認された。
金属錯体色素(D−1)の合成と同様にして、上記金属錯体色素(D−2)〜(D−21)をそれぞれ合成した。
合成した金属錯体色素(D−2)〜(D−21)は表1に示すデータから確認された。
以下のスキームに従って、金属錯体色素(D−22)および金属錯体色素(D−22TBA)を合成した。
上記化合物(1−9)の合成と同様にして化合物(22−1)を合成した。
ナスフラスコに、化合物(22−1)(0.5g)、塩化ルテニウム(0.21g)およびエタノール(10mL)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下で3時間加熱還流した。得られた沈殿物をろ取し、エタノールで洗浄した。得られた沈殿物に化合物(22−2)(0.23g)、DMF(10mL)、トリプロピルアミン(1mL)を入れ、混合物を窒素ガス雰囲気下、140℃で加熱した。反応混合物を室温に戻した後に濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(22−3)を0.3g得た。
ナスフラスコに、化合物(22−3)(0.3g)、チオシアン酸アンモニウム(0.2g)、DMF(40mL)およびH2O(4mL)を入れ、混合物を100℃で加熱した。反応混合物を室温に戻した後に、濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(22−4)を0.1g得た。
化合物(22−4)(100mg)、DMF(15mL)および1NのNaOH水溶液(1.5mL)を入れ、混合物を室温で反応させた。得られた溶液にTfOH(トリフルオロメタンスルホン酸)を加え、pHを2.9に調整した。得られた析出物をろ取し、超純水で洗浄して、金属錯体色素(D−22)を70mg得た。
金属錯体色素(D−22)は表2に示すデータから確認された。
10mLのナスフラスコに、金属錯体色素(D−22)(50mg)と、10%TBAOH/MeOH(0.13g)とを投入し、室温で反応させた。得られた溶液を濃縮し、金属錯体色素(D−22TBA)を50mg得た。
金属錯体色素(D−22)および(D−22TBA)の合成と同様にして、上記金属錯体色素(D−23)〜(D−26)および(D−23TBA)〜(D−26TBA)をそれぞれ合成した。
合成した金属錯体色素(D−23)〜(D−26)は表2に示すデータから確認された。
金属錯体色素のTBA塩(D−23TBA)〜(D−26TBA)は、いずれも、MS測定において、プロトン化されて電気的に中性な金属錯体色素と同じ質量になるので、TBA塩についてはMS測定の結果を省略する。
実施例1で合成した金属錯体色素(D−1)〜(D−26)および(D−22TBA)〜(D−26TBA)または下記比較化合物(c−1)〜(c−4)それぞれを用いて、図2に示す色素増感太陽電池20(5mm×5mmのスケール)を製造した。製造は、以下に示す手順により、行った。製造した色素増感太陽電池20それぞれの下記性能を評価した。その結果を表3に示した。
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成し、導電性支持体41を作製した。そして、このSnO2導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させた。次いで、チタニアペースト「18NR−T」を再度スクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを、空気中、500℃で焼成し、半導体層45(層厚;10μm)を成膜した。さらに、この半導体層45上に、チタニアペースト「18NR−AO」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを500℃で焼成し、半導体層45上に光散乱層46(層厚;5μm)を成膜した。
このようにして、SnO2導電膜上に、感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;15μm)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体[A]を作製した。
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成し、導電性支持体41を作製した。そして、このSnO2導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを、空気中、500℃で焼成し、半導体層45(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;6μm)を成膜した。
このようにして、SnO2導電膜上に、光散乱層46を設けていない感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;6μm)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体[B]を作製した。
次に、金属錯体色素を担持していない感光体層42に実施例1で合成した各金属錯体色素((D−1)〜(D−26)および(D−22TBA)〜(D−26TBA))を以下のようにして担持させた。先ず、t−ブタノールとアセトニトリルとの1:1(体積比)の混合溶媒に、上記金属錯体色素それぞれを濃度が2×10−4モル/Lとなるように溶解し、さらにそこへ共吸着剤としてデオキシコール酸を上記金属錯体色素1モルに対して30モル加え、各色素溶液を調製した。次に、各色素溶液に受光電極前駆体[A]を25℃で20時間浸漬し、各色素溶液から引き上げた後に乾燥させた。
このようにして、受光電極前駆体[A]に各金属錯体色素が担持した受光電極40をそれぞれ作製した。
対極48として、上記の導電性支持体41と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚み;100nm)を作製した。また、電解液として、ヨウ素0.1M(モル/L)、ヨウ化リチウム0.1M、4−t−ブチルピリジン0.5Mおよび1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6Mをアセトニトリルに溶解して、液体電解質を調製した。さらに、感光体層42の大きさに合わせた形状を有するスペーサーS「サーリン」(商品名、デュポン社製)を準備した。
上記のようにして作製した受光電極40それぞれと対極48とを、上記スペーサーSを介して、対向させて熱圧着させた後に、感光体層42と対極48との間に電解液注入口から上記液体電解質を充填して電荷移動体層47を形成した。このようにして作製した電池の外周および電解液注入口を、レジンXNR−5516(ナガセケムテック製)を用いて、封止、硬化し、各色素増感太陽電池(試料番号1〜26)を製造した。
また、試料番号22〜26の各色素増感太陽電池は、受光電極前駆体[A]および[B]を用いて製造した色素増感太陽電池それぞれについて、電気的に中性な金属錯体色素(D−1〜D−26)を用いたものと、TBA塩の金属錯体色素(D−22TBA〜D−26TBA)を用いたものとの2種を含む。
金属錯体色素(c−1)は特許文献1に記載の「Compound 1」である。金属錯体色素(c−2)は上記金属錯体色素の合成方法に準じて合成した。金属錯体色素(c−3)は特許文献2の段落[0042]に記載の金属錯体色素「A−4」である。金属錯体色素(c−4)は特許文献2の段落[0041]に記載の金属錯体色素である。
製造した色素増感太陽電池それぞれを用いて電池特性試験を行った。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WXS−85H、WACOM社製)を用い、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/m2の擬似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を求めた。
各試料番号の色素増感太陽電池のうち受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号1A〜26Aおよびc1A〜c4A)それぞれについて、上記のようにして、光電変換効率を測定した(変換効率(A)という)。測定した変換効率(A)を評価した。評価は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号c1A)の変換効率(Sc1A)を、基準とした。
変換効率(A)の評価基準において、評価「A」および「B」が本試験の合格レベルであり、好ましくは「A」である。
(変換効率(A)の評価基準)
変換効率(A)が変換効率(Sc1A)に対して、
A:1.2倍より大きいもの
B:1.1倍より大きく、1.2倍以下のもの
C:1.0倍より大きく、1.1倍以下のもの
D:1.0倍以下のもの
各試料番号の色素増感太陽電池のうち受光電極前駆体[B]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号1B〜26Bおよびc1B〜c4B)それぞれについても、上記のようにして、光電変換効率を測定した(変換効率(B)という)。測定した変換効率(B)を評価した。評価は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号c1A)の変換効率(Sc1A)を、基準とした。
変換効率(B)の評価基準において、評価「S」、および「A」が本試験の合格レベルであり、好ましくは「S」である。
(変換効率(B)の評価基準)
変換効率(B)が変換効率(Sc1A)に対して、
S:1.1倍より大きいもの
A:1.0倍より大きく、1.1倍以下のもの
B:0.9倍より大きく、1.0倍以下のもの
C:0.9倍以下のもの
試料番号1〜26の色素増感太陽電池においては、いずれも、上記式(AL−1)で表される配位子LAと配位子Zとを組み合わせた金属錯体色素(D−1〜D−26)を用いた。これらの金属錯体色素(D−1〜D−26)が半導体微粒子に担持された本発明の色素増感太陽電池(試料番号1〜26)は、いずれも、変換効率(A)および変換効率(B)が高かった。また、試料番号22〜26の色素増感太陽電池の結果に示されるように、金属錯体色素は、電気的に中性であってもTBA塩であっても、色素増感太陽電池に優れた結果を付与することができた。よって、金属錯体色素の配位子として配位子LAと配位子Zとを併用することにより、光電変換素子および色素増感太陽電池が半導体層の膜厚の影響が小さく、例えば6μmまで厚みを薄くしても、優れた光電変換効率を発揮することが分かった。
また、式(AL−1)中のnが2または3であると、そのなかでもn個のGを形成する環の合計数が2または3であると、変換効率(B)の向上効果がさらに高くなり、半導体層の膜厚を薄くしても優れた光電変換効率を示した。
さらに、配位子Zの種類を変更しても配位子LAと併用する限り、この金属錯体色素を有する光電変換素子および色素増感太陽電池(試料番号1および22〜26)は、半導体層の膜厚の影響が小さく、優れた光電変換効率を発揮することが分かった。
すなわち、試料番号c1は、3位および4位ともに無置換のチオフェン環基である、5’−カルボキシ−2,2’−ビチオフェニル基を中央ピリジン環にターピリジン配位子を有する色素を用いたものである。しかし、いずれの変換効率も合格レベルに到達しなかった。
試料番号c2は、フェニルエチニル基を末端ピリジン環に有するターピリジン配位子と3座配位子とを有する色素を用いたものである。しかし、いずれの変換効率も合格レベルに到達しなかった。
試料番号c3およびc4は、いずれも、3位および4位ともに無置換のチオフェン環基1つからなる基、または上記チオフェン環4つからなる基を、末端ピリジン環に導入したターピリジン配位子を有する金属錯体色素を用いた。しかし、いずれの変換効率も合格レベルに到達しなかった。
2、42 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3、47 電荷移動体層
4、48 対極
5、40 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電変換素子を電池用途に応用したシステム
M 動作手段(例えば電動モーター)
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
S スペーサー
Claims (16)
- 導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、該感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(I) M(LA)(Z)nZ・(CI)mY
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。
Zは、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレノシアネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、イソシアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群から選ばれる配位子を表す。nZは2または3を表す。
CIは電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。mYは0〜3の整数を表す。
Gは、チオフェン環基、または、チオフェン環を縮合環として含む多環縮合環基を表す。ただし、n個のGのうち少なくとも1つは下記式(G1−1)または(G1−2)で表される環基である。nは2〜7の整数を表す。Tは水素原子または置換基を表す。
- 前記nが、2または3である請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記−(G)n−が、前記式(G2−1)で表される部分構造を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記RG11〜RG13、RG21〜RG27およびRG31〜RG34として採りうる置換基が、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基からなる群より選ばれる置換基を表す請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記RG11〜RG13、RG21〜RG27およびRG31〜RG34として採りうる置換基が、各々独立に、炭素数が3〜12のアルキル基、炭素数が3〜12のアルコキシ基または炭素数が3〜12のアルキルチオ基を表す請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Mが、Ru2+またはOs2+である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記酸性基が、カルボキシ基またはその塩である請求項1〜11のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Zaが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記LWを含む環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環およびイソキノリン環からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜12のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えた色素増感太陽電池。
- 下記式(I)で表される金属錯体色素。
式(I) M(LA)(Z)nZ・(CI)mY
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。
Zは、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレノシアネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、イソシアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群から選ばれる配位子を表す。nZは2または3を表す。
CIは電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。mYは0〜3の整数を表す。
Gは、チオフェン環基、または、チオフェン環を縮合環として含む多環縮合環基を表す。ただし、n個のGのうち少なくとも1つは下記式(G1−1)または(G1−2)で表される環基である。nは2〜7の整数を表す。Tは水素原子または置換基を表す。
- 請求項15に記載の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液。
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