JP2011243379A - 光電変換素子、光電気化学電池及び光電変換素子用色素溶液 - Google Patents
光電変換素子、光電気化学電池及び光電変換素子用色素溶液 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に下記一般式(1)の構造を有する色素を含む色素が吸着された半導体微粒子層を有する光電変換素子。
[一般式(1)中、R11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。R11〜R13は互いに結合して環を形成していてもよい。R14及びR15はそれぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。A11及びA12は、炭素原子及び窒素原子とともに3〜10員環を形成するための非金属原子団を表す。X−はアニオン性の対イオンを表す。n2は0以上の整数を表す。]
【選択図】なし
Description
そこで異なる波長域での光吸収が可能な色素を2種以上用いることにより、光吸収を多くし、変換効率の高い光電変換素子を提供する提案がされている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、光電変換素子には、初期の変換効率が高く、使用後も変換効率の低下が少なく耐久性に優れることが必要とされる。しかし耐久性という点では、特許文献2記載の光電変換素子では十分とはいえない。
そこで、変換効率が高く、耐久性に優れた光電変換素子、光電気化学電池及び光電変換素子用色素溶液が必要とされている。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
M(LL1)m1(LL2)m2(U)m3・CI 一般式(2)
[ 一般式(2)において、Mは金属原子を表し、LL1は下記一般式(3)で表される2座又は3座の配位子であり、LL2は下記一般式(4)で表される2座又は3座の配位子である。
Uはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドまたはチオ尿素からなる1座または2座の配位子を表す。
m1は1〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜2の整数を表し、m2が2のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
L1及びL2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のエテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。
a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR21は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR22は同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときR23は同じでも異なっていてもよく、R23は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR24は同じでも異なっていてもよく、R24は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2がともに1以上のとき、R23とR24が連結して環を形成してもよい。
n3は0又は1を表す。]
<2>前記一般式(3)で表される配位子LL1が下記一般式(5)で表され、かつ前記一般式(4)で表される配位子LL2が下記一般式(6)で表されることを特徴とする<1>記載の光電変換素子。
<3>前記一般式(3)で表される配位子LL1が下記一般式(7)又は(8)で表されることを特徴とする<1>記載の光電変換素子。
e1及びe2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e1が2以上のときR41は同じでも異なっていてもよく、e2が2以上のときR42は同じでも異なっていてもよい。
f1及びf2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f1が2以上のとき、R43は同じでも異なっていてもよく、R43は互いに連結して環を形成してもよい。f2が2以上のときR44は同じでも異なっていてもよく、R44は互いに連結して環を形成してもよい。
f1及びf2がともに1以上のとき、R43とR44が連結して環を形成してもよい。
g1及びg2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、g1が1以上のとき、R45はR50及び/又はR51と連結して環を形成してもよい。g1が2以上のとき、R45は同じでも異なっていてもよく、R45は互いに連結して環を形成してもよい。g2が1以上のとき、R46はR52及び/又はR53と連結して環を形成してもよい。g2が2以上のとき、R46は同じでも異なっていてもよく、R46は互いに連結して環を形成してもよい。
p1は0又は1を表す。]
R72はR71及び/又はR75と連結して環を形成してもよく、R74はR73及び/又はR76と連結して環を形成してもよい。
Wはカルコゲン又はNHを表し、p2は0又は1を表す。
e3及びe4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e3が2以上のときR61は同じでも異なっていてもよく、e4が2以上のときR62は同じでも異なっていてもよい。
f3及びf4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f3が2以上のとき、R63は同じでも異なっていてもよく、R63は互いに連結して環を形成してもよい。f4が2以上のときR64は同じでも異なっていてもよく、R64は互いに連結して環を形成してもよい。
f3及びf4がともに1以上のとき、R63とR64が連結して環を形成してもよい。]
<4>前記MがRuであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の光電変換素子。
<5>前記一般式(1)の構造を有する色素が、下記一般式(9)で表されることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項記載の光電変換素子。
<6>前記一般式(9)中、Zが下記一般式(10)若しくは一般式(11)で表される基又はメチン基であることを特徴とする<5>記載の光電変換素子。
<7>前記一般式(1)の構造を有する色素が、下記一般式(12)で表されることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項記載の光電変換素子。
<8>前記半導体微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項記載の光電変換素子。
<9><1>〜<8>のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
<10>有機溶媒中に、下記一般式(1)の構造を有する色素と、下記一般式(2)で表される構造を有する色素の両方の色素を含有し溶解したことを特徴とする光電変換素子用色素組成物。
M(LL1)m1(LL2)m2(U)m3・CI 一般式(2)
[ 一般式(2)において、Mは金属原子を表し、LL1は下記一般式(3)で表される2座又は3座の配位子であり、LL2は下記一般式(4)で表される2座又は3座の配位子である。
Uはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドまたはチオ尿素からなる1座または2座の配位子を表す。
m1は1〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜2の整数を表し、m2が2のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
L1及びL2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のエテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。
a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR21は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR22は同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときR23は同じでも異なっていてもよく、R23は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR24は同じでも異なっていてもよく、R24は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2がともに1以上のとき、R23とR24が連結して環を形成してもよい。
n3は0又は1を表す。]
(A1)一般式(1)の構造を有する色素
本発明の光電変換素子において組み合わされて使用される色素の1つは、下記一般式(1)で表される構造を有する色素である。
R14及びR15はそれぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。R14及びR15としては、R11〜R13と同様のものを挙げることができる。
一般式(9)において、X1やX2として、ヘテロ原子(好ましくは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子など)、置換基を有するアミノ基、置換基を有するメチル基、置換基を有するエテニレン基が好ましい。ここで置換基としては、一般式(1)におけるR1〜R3と同様のものを挙げることができる。
Y1及びY2はそれぞれ独立に置換基を表し、r1及びr2は独立して0〜4の整数を表す。r1及びr2は0〜2が好ましい。r1又はr2が2以上の場合はY1、Y2は各々同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。Y1やY2としては、置換もしくは無置換のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基が好ましい。
一般式(9)において、R14及びR15はそれぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。R14及びR15としては、一般式(1)におけるR14及びR15と同様のものを挙げることができる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、t−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、ベンジル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、カルボキシブチル、さらに好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ベンジル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピルである。
X−はアニオン性の対イオンを表し、n2は0以上の整数を表す。X−としては、一般式(1)におけるX−と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(12)中、Vとしては、ヘテロ原子(好ましくは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子など)、シアノ酢酸アルキル、アセト酢酸アルキルである。好ましくは、シアノ酢酸アルキルである。一般式(12)中、X3、X4、Y3、Y4、r3及びr4としては、それぞれ、一般式(9)におけるX1、X2、Y1、Y2、r1及びr2と同様のものを挙げることができる。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、上記一般式(1)の構造を有する色素とともに下記一般式(2)で表される構造を有する色素を用いる。
M(LL1)m1(LL2)m2(U)m3・CI 一般式(2)
一般式(2)の構造を有する色素は、金属原子に、配位子LL1及び配位子LL2と、場合により特定の官能基Xが配位しており、必要な場合はCIにより電気的に中性に保たれている。
Mは金属原子を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Zn又はCuであり、最も好ましくはRuである。
配位子LL1は、下記一般式(3)により表される2座または3座の配位子により表される2座または3座の配位子であり、好ましくは2座配位子である。配位子LL1の数を表すm1は1〜3の整数であり、1であるのがより好ましい。m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。
一般式(3)中のR21及びR22はそれぞれ独立に酸性基を表し、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば、―CONHOH、―CONCH3OH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)2等)及びホスホニル基(例えば―P(O)(OH)2等)を有する基である。R21及びR22としては、好ましくはカルボキシル基、ホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
配位子LL1がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また配位子LL1がアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
ここでL1及びL2はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のエテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L1及びL2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。L1とL2は同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はトランス体であってもシス体であってもよく、これらの混合物であってもよい。
a1とa2の和が1以上であって、配位子LL1が酸性基を少なくとも1個有するときは、一般式(2)中のm1は2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。
置換基を有してもよいアリール基としては、好ましくは、炭素原子数6〜30の芳香族基(例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等)を挙げることができる。置換基を有してもよいヘテロ環基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30のヘテロ環基(例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリル)を挙げることができる。この中でも置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
e1及びe2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e1が2以上のときR41は同じでも異なっていてもよく、e2が2以上のときR42は同じでも異なっていてもよい。
f1及びf2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f1が2以上のとき、R43は同じでも異なっていてもよく、R43は互いに連結して環を形成してもよい。f2が2以上のときR44は同じでも異なっていてもよく、R44は互いに連結して環を形成してもよい。
f1及びf2がともに1以上のとき、R43とR44が連結して環を形成してもよい。
g1及びg2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、g1が1以上のとき、R45はR50及び/又はR51と連結して環を形成してもよい。g1が2以上のとき、R45は同じでも異なっていてもよく、R45は互いに連結して環を形成してもよい。g2が1以上のとき、R46はR52及び/又はR53と連結して環を形成してもよい。g2が2以上のとき、R46は同じでも異なっていてもよく、R46は互いに連結して環を形成してもよい。
p1は0又は1を表す。
R72はR71及び/又はR75と連結して環を形成してもよく、R74はR73及び/又はR76と連結して環を形成してもよい。
Wはカルコゲン又はNHを表し、p2は0又は1を表す。
e3及びe4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e3が2以上のときR61は同じでも異なっていてもよく、e4が2以上のときR62は同じでも異なっていてもよい。
f3及びf4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f3が2以上のとき、R63は同じでも異なっていてもよく、R63は互いに連結して環を形成してもよい。f4が2以上のときR64は同じでも異なっていてもよく、R64は互いに連結して環を形成してもよい。
f3及びf4がともに1以上のとき、R63とR64が連結して環を形成してもよい。
一般式(2)中、LL2は2座又は3座の配位子を表す。配位子LL2の数を表すm2は1〜2の整数であり、1であるのが好ましい。m2が2のときLL2は同じでも異なっていてもよい。
配位子LL2は、下記一般式(4)で表される2座又は3座の配位子である。
配位子LL2が、下記一般式(6)に示されるものが好ましい。一般式(6)において、M1及びM2はそれぞれ独立に水素原子、金属原子又はアンモニウムイオンを表し、M1とM2は同じでも異なっていてもよい。
一般式(2)中、Uは1座又は2座の配位子を表す。配位子Uの数を表すm3は0〜2の整数を表し、m3は好ましくは1又は2である。Uが1座配位子のとき、m3は2であるのが好ましく、Uが2座配位子のとき、m3は1であるのが好ましい。m3が2のとき、Uは同じでも異なっていてもよく、U同士が連結していてもよい。
一般式(2)中のCIは電気的に中性を保つのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、一般式(2)の色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、一般式(2)の色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
一般式(2)で表される構造を有する色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば―CONHOH等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)2等)、ホスホニル基(例えば―P(O)(OH)2等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)を色素中に有することが好ましい。
一般式(2)の構造を有する色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
また一般式(1)の構造を有する色素は、溶液中における極大吸収波長が、好ましくは670〜1100nmの範囲であり、より好ましくは700〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記一般式(1)の構造を有する色素と、一般式(2)の構造を有する色素を用いることにより、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。さらにこれらの色素を併用することにより、変換効率の低下率を低減することできる。
一般式(2)で示される構造を有する金属錯体色素と、一般式(1)で表わされる構造を有する色素の両方の色素の配合割合は、特に制限されることはない。一般式(2)で表される構造を有する金属錯体をR、一般式(1)で表される構造を有する色素Sとすると、各色素の配合割合はモル%で、好ましくは、R/S=60/40〜99/1、さらに好ましくはR/S=70/20〜99/1、より好ましくはR/S=80/10〜99/1、より一層好ましくはR/S=90/10〜99/1、最も好ましくはR/S=93/7〜99/1である。
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体を製造することができる。
導電性支持体としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m2当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。好ましく使用される高分子材料の一例として、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。
本発明における導電性金属支持体の厚さは10μm以上2000μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以上1000μm以下であり、特に好ましくは50μm以上500μm以下である。この厚さが厚すぎると可撓性に欠けるため、光電変換素子として使用する場合に支障が生じることがある。また薄すぎると光電変換素子を使用中に破損することがあり好ましくない。
本発明に用いられる導電性金属支持体の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては10Ω/m2以下であり、さらに好ましくは1Ω/m2以下であり、特に好ましくは0.1Ω/m2以下である。この値が高すぎると、通電しにくくなり光電変換素子としての機能を発揮することができない。
また巻回された金属シートを連続的に送り出しながら半導体微粒子分散液を該金属シートに塗工し、その後加熱することで、多孔質の導電性支持体を得ることができる。その後本発明の色素を連続塗布することで、導電性支持体上に感光層を形成することができる。この工程を経ることにより、廉価で光電変換素子や光電気化学電池を製造することが可能になる。
使用することが可能な高分子材料層としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を例示することができる。
本発明の導電性金属支持体として、高分子材料層の上に導電層を設けたものを使用することにより、該高分子材料層は光電変換素子や光電気化学電池の保護層として機能することが可能となる。高分子材料として電気絶縁性の材料を使用すれば、該高分子材料層は保護層としてだけでなく、絶縁層として機能することができる。これにより、光電変換素子自体の絶縁性を確保することができる。該高分子材料層を絶縁層として使用する場合は、この体積固有抵抗は1010〜1020Ω・cmのものを使用することが好ましい。さらに好ましくは、体積固有抵抗は1011〜1019Ω・cmである。前記の材料を使用して、特に導電性の材料を配合しなければ、この範囲内の体積固有抵抗を有する絶縁層のものを得ることができる。
導電性金属支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。
導電性支持体上には、紫外光を遮断する機能を持たせることが好ましい。例えば、紫外光を可視光に変えることが出来る蛍光材料を前記高分子材料層の内部または表面に存在させる方法が挙げられる。また、別の好ましい方法して、紫外線吸収剤を用いる方法も挙げられる。導電性支持体上には、特開平11−250944号公報などに記載の機能を付与してもよい。
導電膜の抵抗値はセル面積が大きくなると大きくなる為、集電電極を配置してもよい。好ましい集電電極の形状及び材質としては、特開平11−266028号公報などに記載のものを使用することができる。高分子材料層と導電層の間にガスバリア膜及び/又はイオン拡散防止膜を配置しても良い。ガスバリア層としては、樹脂膜や無機膜のどちらでもよい。
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を前記の導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体を製造することができる。
半導体微粒子としては、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子が用いられる。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合してもよい。
本発明においては、半導体微粒子分散液を前記の導電性支持体に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、前述のゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、あるいはミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水および/または各種の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として少量用いてもよい。しかし、これらの分散助剤は、導電性支持体上へ製膜する工程の前に、ろ過法や分離膜を用いる方法、あるいは遠心分離法などによって大部分を除去しておくことが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/m2が好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/m2である。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5〜100gがより好ましい。
また、加熱処理に加えて光のエネルギーを用いることもできる。例えば、半導体微粒子として酸化チタンを用いた場合に、紫外光のような半導体微粒子が吸収する光を与えることで表面を活性化してもよいし、レーザー光などで半導体微粒子表面のみを活性化することができる。半導体微粒子に対して該微粒子が吸収する光を照射することで、粒子表面に吸着した不純物が粒子表面の活性化によって分解され、上記の目的のために好ましい状態とすることができる。加熱処理と紫外光を組み合わせる場合は、半導体微粒子に対して該微粒子が吸収する光を照射しながら、100℃以上250℃以下あるいは好ましくは100℃以上150℃以下で行われることが好ましい。このように、半導体微粒子を光励起することによって、微粒子層内に混入した不純物を光分解により洗浄するとともに、微粒子の間の物理的接合を強めることができる。
塗布後に圧力をかけても良く、圧力をかける方法としては、特表2003−500857号公報等が挙げられる。光照射の例としては、特開2001−357896号公報等が挙げられる。プラズマ・マイクロ波・通電の例としては、特開2002−353453号公報等が挙げられる。化学的処理としては、例えば特開2001−357896号公報が挙げられる。
前駆体として例えば、(NH4)2TiF6、過酸化チタン、金属アルコキシド・金属錯体・金属有機酸塩等が挙げられる。
また、金属有機酸化物(アルコキシドなど)を共存させたスラリーを塗布し加熱処理、光処理などで半導体膜を形成する方法、無機系前駆体を共存させたスラリー、スラリーのpHと分散させたチタニア粒子の性状を特定した方法が挙げられる。これらスラリーには、少量であればバインダーを添加しても良く、バインダーとしては、セルロース、フッ素ポリマー、架橋ゴム、ポリブチルチタネート、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
半導体微粒子又はその前駆体層の形成に関する技術としては、コロナ放電、プラズマ、UVなどの物理的な方法で親水化する方法、アルカリやポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸などによる化学処理、ポリアニリンなどの接合用中間膜の形成などが挙げられる。
(2)乾式法として好ましくは、特開2000−231943号公報等が挙げられる。
(3)その他の方法として、好ましくは、特開2002−134435号公報等が挙げられる。
また、耐熱基板上でいったん塗膜を作製した後、プラスチック等のフィルムに転写する方法を用いても良い。好ましくは、特開2002−184475号公報記載のEVAを介して転写する方法、特開2003−98977号公報記載の紫外線、水系溶媒で除去可能な無機塩を含む犠牲基盤上に半導体層・導電層を形成後、有機基板に転写後、犠牲基板を除去する方法などが挙げられる。
支持体として高分子材料を用いる場合、250℃以下で製膜後加熱することが好ましい。その場合の製膜方法としては、(1)湿式法、(2)乾式法、(3)電気泳動法(電析法を含む)の何れでも良く、好ましくは、(1)湿式法、又は(2)乾式であり、更に好ましくは、(1)湿式法である。
なお、半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。
溶液と本発明の色素よりなる色素吸着用色素溶液は必要に応じて50℃ないし100℃に加熱してもよい。色素の吸着は半導体微粒子の塗布前に行っても塗布後に行ってもよい。また、半導体微粒子と色素を同時に塗布して吸着させてもよい。未吸着の色素は洗浄によって除去する。塗布膜の焼成を行う場合は色素の吸着は焼成後に行うことが好ましい。焼成後、塗布膜表面に水が吸着する前にすばやく色素を吸着させるのが特に好ましい。吸着する色素は一般式(1)の構造を有する色素と一般式(2)の構造を有する色素とを併用することが必要である。本発明の趣旨を損なわない範囲内で他の色素をさらに混合してもよい。光電変換の波長域をできるだけ広くするように、混合する色素が選ばれる。色素を混合する場合は、すべての色素が溶解するようにして、色素吸着用色素溶液とすることが必要である。
また、色素の半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
色素を吸着した後に、アミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
受光電極は酸化チタンと酸化スズ(TiO2/SnO2)などの複合電極を用いても良く、チタニアの混合電極として例えば、特開2000−113913号公報等が挙げられる。チタニア以外の混合電極として例えば、特開2001−185243号公報、特開2003−282164号公報等が挙げられる。
また受光電極層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
受光電極と対極の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
代表的な酸化還元対としては、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。これらを溶かす有機溶媒としては、非プロトン性の極性溶媒(例えばアセトニトリル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノン等)が好ましい。ゲル電解質のマトリクスに使用されるポリマーとしては、例えばポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリド等が挙げられる。溶融塩としては、例えばヨウ化リチウムと他の少なくとも1種類のリチウム塩(例えば酢酸リチウム、過塩素酸リチウム等)にポリエチレンオキシドを混合することにより、室温での流動性を付与したもの等が挙げられる。この場合のポリマーの添加量は1〜50質量%である。また、γ−ブチロラクトンを電解液に含んでいてもよく、これによりヨウ化物イオンの拡散効率が高くなり変換効率が向上する。
マトリックス高分子として好ましくは、含窒素複素環を主鎖あるいは側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子及びこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造をもつ高分子、液晶性化合物を含むもの、エーテル結合を有する高分子、ポリフッ化ビニリデン系、メタクリレート・アクリレート系、熱硬化性樹脂、架橋ポリシロキサン、PVA、ポリアルキレングリールとデキストリンなどの包摂化合物、含酸素または含硫黄高分子を添加した系、天然高分子などが挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子などを添加しても良い。
(1)一般式(1)の構造を有する色素
下記に示すように、(S24−1)0.69g、(S24−2)0.17g及びトリエチルアミン0.42mLを、1−ブタノール10mLとトルエン10mLの混合溶媒中で混合し、120℃に加熱下で5時間攪拌し、(S24−1)と(S24−2)を反応させた。得られた結晶を吸引ろ過によりろ別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、一般式(1)で示される0.22gの前記例示色素S−24を調製した。
4,4’−ビス[2−(5−ヘキシル−2−チエニル)ビニル]−2,2’−ビピリジン(0.15g、0.245mmol)とジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)二量体(0.0747g、0.122mmol)のDMF10ml溶液をマイクロ波(200W)、窒素暗雰囲気下、60℃で10分間加熱した。続いて2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸(0.12g、0.49mmol)を添加し、150℃で10分間加熱した。温度を100℃に冷却し、チオシアン酸アンモニウム(0.8g、水4mlの溶液)を加え、120℃で10分間反応させた。温度を室温まで下げ、DMFを真空蒸留した。水80mlを残留物に添加し、30分間浸漬した。不溶物を集め、水とジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物をTBAOH(水酸化テトラブチルアンモニウム)と共にメタノールに溶解し、メタノールを流出液として、SephadexLH−20(商品名、Pharmacia Fine Chemicals社製)のカラムで精製した。主層の生成物を回収濃縮し、硝酸0.2Mを添加して沈殿物を得た。この生成物を集め、室温で真空乾燥後、一般式(2)で表される構造を有する前記例示色素Ru−3(0.31g)を得た。
(光電変換素子の作製)
図1に示す光電変換素子を以下のようにして作製した。
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。このうち一方の導電膜上にアナターゼ型酸化チタン粒子を焼結して受光電極を作製した。その後、受光電極上にシリカ粒子とルチルとを40:60(質量比)で含有する分散液を塗布及び焼結して絶縁性多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成した。
表1において、一般式(1)の構造を有する色素と、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素のうち、一方しか使用しなかった試料(1−22〜1−29)では、一般式(1)の構造を有する色素のみを使用した場合は、色素の濃度が0.1ミリモル/L、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素のみを使用した場合は、色素の濃度が0.5ミリモル/Lのエタノール溶液のものを用いた。
さらに色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させて、感光体を形成した。感光体の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2であった。色素の塗布量は、色素の種類に応じ、最適な増感度を示すように、適宜0.1〜10ミリモル/m2の範囲から選択した。
電解液としては、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5モル/L)、ヨウ素(0.1モル/L)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
用いた色素の極大吸収波長を測定した。測定は、分光光度計(U−4100(商品名)、日立ハイテク製)によって行い、溶液はテトラヒドロフラン:エタノール=1:1を用い、色素の濃度が17μMになるようにした。その結果を表1に示す。
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルタ(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42(商品名)、Kenko社製)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cm2であった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型(商品名)、ケースレー社製)で測定した。
変換効率の初期値については、5%以上のものを◎、3.5%以上5%未満のものを○、0.5%以上3.5%未満のものを△、0.5%未満のものを×とし、変換効率が3.5%以上のものを合格、変換効率が3.5%未満のものを不合格とした。
300時間連続照射時の変換効率の低下率については、25%以下のものを合格とし、25%を越えるものを不合格とした。
これに対して、一般式(1)の構造を有する色素を使用した場合でも、ルテニウム金属錯体色素を用いなかった場合には(試料番号1−26〜1−29)、変換効率の初期値は0.5%未満で、変換効率が低い上に、300時間連続照射後の変換効率の低下率は90%以上で、変換効率は大きく低下した。
また、一般式(1)の構造を有する色素を使用した場合でも、ルテニウム金属錯体色素のうち、一般式(2)の構造を有する色素を用いなかった場合には、変換効率の初期値が合格レベルに到達するものがある(試料番号1−19、1−20)。しかしこれらの場合でも、300時間連続照射後の変換効率の低下率はそれぞれ、45%と40%で、合格レベルに到達しなかった。
一方、一般式(1)の構造を有する色素を使用しない場合には、一般式(2)の構造を有する色素を用いた場合でも、変換効率の初期値が合格レベルに到達するものがある(試料番号1−22、1−23、1−25)。しかしこれらの場合でも、300時間連続照射後の変換効率の低下率は合格レベルに到達しなかった。
1.二酸化チタン分散液の調製
内側をフッ素樹脂コーティングした内容積200mlのステンレス製容器に二酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製,Degussa P−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triron X−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmで2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニアビーズを濾別した。得られた分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒径は2.5μmであった。なお粒径はMALVERN社製のマスターサイザーにより測定した。
フッ素をドープした酸化スズを被覆した20mm×20mmの導電性ガラス板(旭ガラス(株)製,TCOガラス−U,表面抵抗:約30Ω/m2)を準備し、その導電層側の両端(端から3mmの幅の部分)にスペーサー用粘着テープを張った後で、導電層上にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した。分散液の塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこの半導体塗布ガラス板を電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃で30分間焼成し、その後冷却した。
次に、表2の試料番号2−1〜2−6においては、表2に記載された一般式(1)の構造を有する色素と、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素をエタノール溶液に溶解し、一般式(1)の構造を有する色素の濃度が0.1ミリモル/L、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素の濃度が0.5ミリモル/Lのエタノール溶液を得た。表2において、一般式(1)の構造を有する色素と、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素のうち、一方しか使用しなかった試料(2−7〜2−15)では、一般式(1)の構造を有する色素のみを使用した場合は、色素の濃度が0.1ミリモル/L、一般式(2)の構造を有する色素又は比較色素のみを使用した場合は、色素の濃度が0.5ミリモル/Lのエタノール溶液のものを用いた。
このエタノール溶液中に、前記半導体塗布ガラス板を48時間浸漬した。色素が吸着した半導体塗布ガラス板を4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し、自然乾燥させた。このようにして得られた色素増感酸化チタン微粒子層の厚さは10μmであり、酸化チタン微粒子の塗布量は20g/m2であった。また色素の吸着量は、その種類に応じて0.1〜10ミリモル/m2の範囲内であった。
溶媒としては、アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンとの体積比90/10の混合物を用いた。この溶媒に、ヨウ素と電解質塩として、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩を加えて、0.5モル/Lの電解質塩および0.05モル/Lのヨウ素を含んだ溶液を調製した。この溶液に、(溶媒+窒素含有高分子化合物+塩)100質量部に対し、窒素含有高分子化合物(α)を10質量部加えた。さらに窒素含有高分子化合物の反応性窒素原子に対する求電子剤(β)を0.1モル混合し、均一な反応溶液とした。
次いで80℃で30分間加熱して、架橋反応を行った。このようにして、特開2000−323190号公報の図2に示す通り、導電性ガラス板10の導電層12上に、色素増感酸化チタン微粒子層22、電解質層30、および白金薄膜42およびガラス板41からなる対極40が順に積層された本発明の光電気化学電池1−1(試料No.2−1)を得た。
また色素と電解質組成物の組成の組み合わせを表2に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、異なる感光層20および/または電荷移動層30を有する光電気化学電池1−2、1−3、1−4及び1−5を得た。
(1)光電気化学電池A
前述のようにして本発明の色素により色素増感された酸化チタン微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)を同じ大きさの白金蒸着ガラス板にスペーサーを介して重ねあわせた。次に両ガラス板の隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンとの体積比90/10の混合物を溶媒としたヨウ素0.05モル/L、ヨウ化リチウム0.5モル/Lの溶液)を浸透させて、光電気化学電池A−1を作製した。また色素を表2に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、光電気化学電池A−2、A−3、A−4及びA−5を得た。
前述のようにして本発明の色素により色素増感された酸化チタン微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)上に、電解液を塗布し、含浸させた。なお電解液は、ヘキサエチレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学(株)製,ブレンマーPE−350)1gと、エチレングリコール1gと、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロバン−1−オン(日本チバガイギー(株)製,ダロキュア1173)20mgを含有した混合液に、ヨウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気することにより得た。次に前記混合溶液を含浸させた多孔性酸化チタン層を減圧下に置くことにより、多孔性酸化チタン層中の気泡を除き、モノマーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子化合物の均一なゲルを多孔性酸化チタン層の微細空孔内に充填した。このようにして得られたものをヨウ素雰囲気に30分間曝して、高分子化合物中にヨウ素を拡散させた後、白金蒸着ガラス板を重ね合わせ、光電気化学電池B−1を得た。また色素を表2に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、光電気化学電池B−2、B−3、B−4及びB−5を得た。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルタ(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光とした。光強度は89mW/cm2とした。
変換効率の初期値が5%以上を合格、5%未満を不合格とした。また300時間経過後の変換効率の低下率が30%以下の場合を合格、30%を越える場合を不合格とした。
(1)色素の記号は本文中に記載の通りである。
(2)窒素含有高分子α、求電子剤βは以下の化合物を示す。
これに対して、一般式(1)の構造を有する色素を使用した場合でも、ルテニウム金属錯体色素を用いなかった場合には(試料番号2−13〜2−15)、変換効率の初期値も、300時間連続照射後の変換効率の低下率も合格レベルに到達しなかった。一般式(1)の構造を有する色素を使用した場合でも、ルテニウム金属錯体色素のうち、一般式(2)の構造を有する色素を用いなかった場合には(試料番号2−4〜2−6)、同様に、変換効率の初期値も、300時間連続照射後の変換効率の低下率も合格レベルに到達しなかった。
一方、一般式(1)の構造を有する色素を使用しない場合には、一般式(2)の構造を有する色素を用いた場合でも、変換効率の初期値が合格レベルに到達するものがある(試料番号2−8)。しかしこの場合でも、300時間連続照射後の変換効率の低下率は合格レベルに到達しなかった。
2 感光体
21 色素
22 半導体微粒子
23 電解質
3 電荷移動体
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
Claims (10)
- 導電性支持体上に色素が吸着された半導体微粒子層を有する感光体、電荷移動体、および対極を含む積層構造よりなる光電変換素子であって、前記色素が下記一般式(1)の構造を有する色素と、下記一般式(2)で表される構造を有する色素とを含有することを特徴とする光電変換素子。
M(LL1)m1(LL2)m2(U)m3・CI 一般式(2)
[ 一般式(2)において、Mは金属原子を表し、LL1は下記一般式(3)で表される2座又は3座の配位子であり、LL2は下記一般式(4)で表される2座又は3座の配位子である。
Uはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドまたはチオ尿素からなる1座または2座の配位子を表す。
m1は1〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜2の整数を表し、m2が2のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
L1及びL2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のエテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。
a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR21は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR22は同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときR23は同じでも異なっていてもよく、R23は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR24は同じでも異なっていてもよく、R24は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2がともに1以上のとき、R23とR24が連結して環を形成してもよい。
n3は0又は1を表す。]
- 前記一般式(3)で表される配位子LL1が下記一般式(5)で表され、かつ前記一般式(4)で表される配位子LL2が下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
- 前記一般式(3)で表される配位子LL1が下記一般式(7)又は(8)で表されることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
e1及びe2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e1が2以上のときR41は同じでも異なっていてもよく、e2が2以上のときR42は同じでも異なっていてもよい。
f1及びf2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f1が2以上のとき、R43は同じでも異なっていてもよく、R43は互いに連結して環を形成してもよい。f2が2以上のときR44は同じでも異なっていてもよく、R44は互いに連結して環を形成してもよい。
f1及びf2がともに1以上のとき、R43とR44が連結して環を形成してもよい。
g1及びg2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、g1が1以上のとき、R45はR50及び/又はR51と連結して環を形成してもよい。g1が2以上のとき、R45は同じでも異なっていてもよく、R45は互いに連結して環を形成してもよい。g2が1以上のとき、R46はR52及び/又はR53と連結して環を形成してもよい。g2が2以上のとき、R46は同じでも異なっていてもよく、R46は互いに連結して環を形成してもよい。
p1は0又は1を表す。]
R72はR71及び/又はR75と連結して環を形成してもよく、R74はR73及び/又はR76と連結して環を形成してもよい。
Wはカルコゲン又はNHを表し、p2は0又は1を表す。
e3及びe4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、e3が2以上のときR61は同じでも異なっていてもよく、e4が2以上のときR62は同じでも異なっていてもよい。
f3及びf4はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、f3が2以上のとき、R63は同じでも異なっていてもよく、R63は互いに連結して環を形成してもよい。f4が2以上のときR64は同じでも異なっていてもよく、R64は互いに連結して環を形成してもよい。
f3及びf4がともに1以上のとき、R63とR64が連結して環を形成してもよい。] - 前記MがRuであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光電変換素子。
- 前記半導体微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の光電変換素子。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
- 有機溶媒中に、下記一般式(1)の構造を有する色素と、下記一般式(2)で表される構造を有する色素の両方の色素を含有し溶解したことを特徴とする光電変換素子用色素溶液。
M(LL1)m1(LL2)m2(U)m3・CI 一般式(2)
[ 一般式(2)において、Mは金属原子を表し、LL1は下記一般式(3)で表される2座又は3座の配位子であり、LL2は下記一般式(4)で表される2座又は3座の配位子である。
Uはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドまたはチオ尿素からなる1座または2座の配位子を表す。
m1は1〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜2の整数を表し、m2が2のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
L1及びL2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のエテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。
a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR21は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR22は同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときR23は同じでも異なっていてもよく、R23は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR24は同じでも異なっていてもよく、R24は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2がともに1以上のとき、R23とR24が連結して環を形成してもよい。
n3は0又は1を表す。]
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