JP5239262B2 - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5239262B2
JP5239262B2 JP2007229934A JP2007229934A JP5239262B2 JP 5239262 B2 JP5239262 B2 JP 5239262B2 JP 2007229934 A JP2007229934 A JP 2007229934A JP 2007229934 A JP2007229934 A JP 2007229934A JP 5239262 B2 JP5239262 B2 JP 5239262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
following
dye
semiconductor
photoelectric conversion
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007229934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009064616A (ja
Inventor
一国 西村
秀和 川▲崎▼
英也 三輪
明彦 伊丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2007229934A priority Critical patent/JP5239262B2/ja
Publication of JP2009064616A publication Critical patent/JP2009064616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5239262B2 publication Critical patent/JP5239262B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Description

本発明は、色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を用いて構成した太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
その一方で、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体はクロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料、またはそれらの複合材料等である。これらを真空蒸着法、キャスト法またはディッピング法等により薄膜化し、電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題もあった。
こうした状況の中で、良好な特性を示す太陽電池がスイスのグレッツェル博士らによって報告された(例えば、非特許文献1参照。)。提案された電池は色素増感型太陽電池であり、ルテニウム錯体で分光増感された酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の利点は酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度まで精製する必要がないこと、従って安価で、更に利用できる光は広い可視光領域にまで亘っており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できることである。
反面、資源的制約があるルテニウム錯体が使われているため、この太陽電池が実用化された場合に、ルテニウム錯体の供給が危ぶまれている。また、このルテニウム錯体は高価であることと、経時での安定性に問題があり、安価で安定な有機色素へ変更することが出来ればこの問題は解決できる。
電子供与能を有するπ電子共役系および電子吸引性を有する酸性吸着基を併せ持つ色素分子が光電変換効率の高い素子を与えることが知られている。光電変換効率5%から9%に至るまでの有機色素の報告例も増えてきているが(例えば、非特許文献2、3参照)、いずれも吸収ピーク波長は530nm以下であり、600nm以上の赤色光から近赤外にかけての領域の光吸収が弱く、この領域の光を光電変換に利用することが課題として残っている。吸収ピークが600nm以上の長波吸収色素を用いた光電変換素子も報告されているが(例えば、非特許文献4参照)、400〜550nmでの光吸収が弱く、光電変換効率は最大で3.7%にとどまっている。
可視光から近赤外にわたる広い波長領域に吸収を持つ色素を用いれば、変換効率の高い光電変換素子を与えることができる。広い波長領域に吸収を持たせる手段として、複数の色素を共吸着させることが試みられており、いくつかの系では単独色素吸着の場合よりも光電変換効率の向上が観測されているが(特許文献1、2、非特許文献5、6参照)、多くの場合では異種色素分子間での電荷の再結合が起こり、光電変換効率の低下を招いてしまう。色素分子間での電荷の再結合を防ぎ、なおかつ吸収波長領域の広域化を行うには、単一分子で広い波長領域に吸収を持つ光増感色素を得る必要がある。
特開2003−249279号公報 特開2006−185911号公報 Nature, 353, 737 (1991), B. O’Regan, M. Gratzel J. Phys. Chem. B, 107, 597 (2003), K. Hara, H. Arakawa J. Am. Chem. Soc., 126, 12218 (2004), T. Horiuchi, S. Uchida Chem. Commun., 2069 (2007), M. Tanaka, H. Imahori J. Phys. Chem. B., 105, 9960 (2001), A. Ehret, M.T. Spitler New. J. Chem., 29, 773 (2005), Y. Chen, B. Zhang
本発明の目的は、光電変換効率が高く、高耐久性の色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる酸化物半導体電極と対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる光電変換素子を備えた太陽電池において、該色素が下記一般式(1)
Figure 0005239262
(式中、A 及びA は下記に示す置換基であり、Dは下記に示す、酸性基を有しない2価の有機残基で、HOMO準位が−8.0〜−7.0eVとなる構造である。ここで、DのHOMO準位とは、A ならびにA2を水素原子で置換した分子で分子軌道計算により求めたHOMO準位である。)
で表され、前記一般式(1)で表される色素をエタノールに溶解させたときの吸収スペクトルが、350〜450nm及び450〜900nmに吸収極大を有し、
前記一般式(1)で表される色素が、
前記A が下記A−1a、前記A が下記A−2aで、前記Dが下記D−1a、下記D−2a、下記D−3aのいずれかの化合物、
前記A が下記A−1a、前記A が下記A−3aで、前記Dが下記D−10aの化合物、
前記A が下記A−1a、前記A が下記A−5aで、前記Dが下記D−3bの化合物、
前記A が下記A−1a、前記A が下記A−8aで、前記Dが下記D−11aの化合物、
前記A が下記A−1a、前記A が下記A−12bで、前記Dが下記D−4aの化合物、
前記A が下記A−1b、前記A が下記A−11bで、前記Dが下記D−6aの化合物、
前記A が下記A−1c、前記A が下記A−10aで、前記Dが下記D−5aの化合物、
前記A が下記A−1e、前記A が下記A−4bで、前記Dが下記D−2bの化合物、
のいずれかであることを特徴とする太陽電池。
Figure 0005239262
Figure 0005239262
.前記一般式(1)中の置換基AならびにA内の酸性基がカルボキシル基であり、Dが芳香族3級アミン構造を有することを特徴とする前記に記載の太陽電池。
本発明により、光電変換効率が高く、高耐久性の色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。光電変換特性を示す公知の有機色素には、酸化チタン薄膜への吸着基となる酸性基の種類が単一であるものが多く、光吸収波長領域も比較的狭い。異なる吸着基を導入したとき、それぞれの電子吸引基に由来する吸収ピークを異なる波長に有することになるため、結果として吸引基が単一の場合に比べて光吸収領域が広域化することになり、より広い波長領域で光電変換が効率的に行われることが期待される。我々は電子供与性のπ電子系母格に異なる吸着基を導入して、吸引基が単一の場合に比べて光吸収領域の広域化を観測し、なおかつ変換効率で優位に立つ色素を見出すに至った。
《一般式(1)で表される化合物》
本願の一般式(1)で表されるA1、A2の例を以下に示す。
Figure 0005239262
Figure 0005239262
一般式(1)において、Dは、環状構造を有し、酸性基を有しない2価の有機残基で、HOMO準位が−8.0〜−7.0eVとなるような構造である。ここで、DのHOMO準位とは、A1ならびにA2を水素原子で置換した分子で分子軌道計算により求めたHOMO準位である。DはA1ならびにA2と単結合で結合している。HOMO準位の計算は、Dの末端を水素原子で置換した分子に対して行う。なお、HOMO準位の計算値として、AM1法を用いた半経験的分子軌道法で構造最適化を行ったときのちを用いた。使用ソフトはWinmostar V3.62(千田範夫氏製作)(http://winmostar.com/)である。
Dの代表骨格としては、以下のD−1〜D−11をあげることができる。D内の水素原子は、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオアルキル基等の1価の置換基で置換されていてもよい。Dとして特に好ましくは、D−1〜D−5のような芳香族三級アミンを部分構造として有するものである。Dの具体例として以下のD−1a〜D−11aをあげることができる。それぞれのDについてのHOMO準位の値も表1に示す。
Figure 0005239262
Figure 0005239262
Figure 0005239262
Figure 0005239262
光電変換素子に用いる色素(増感色素ともいう)は、電子供与性および電子吸引性を有する部分からなり、本願の色素では前者がD、後者がA1およびA2に該当する。Dは光受容部としての機能を有し、酸化されやすいほど、すなわちHOMO準位が高いほど光励起により電子を放出しやすい。本願の色素は、−8.0eV以上と高いHOMOを有しており、光励起による電子放出が起こりやすく光電変換に有利な増感色素である。ただし、HOMO準位が−7.0eV以上の場合は酸化され易すぎるため、光電変換素子としての経時安定性に欠けてしまう。また、増感色素の可視部での吸収は、DからA1あるいはA2への分子内電荷移動によるものであり、その吸収ピーク位置は電子吸引性の強弱に依存する。A1あるいはA2が互いに異なるときには、前述の吸収ピークが異なる位置に観測されるので、より広い光吸収領域を実現し、高効率の光電変換素子を実現できるものと推定している。好ましくはA1またはA2のうち一方の電子吸引性が充分に強く、吸収ピーク位置が450〜900nmの間にある場合である。
以下、本発明に係る一般式(1)で表される色素の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005239262
Figure 0005239262
以下に、本発明に係る一般式(1)及び(24)で表される色素の具体的合成法を示すが、その他の色素も同様にして合成することが可能であり、合成法としてはこれらに限定されない。
色素(1)の合成
Figure 0005239262
N,N’−ビス(p−ホルミルフェニル)−p−トルイジン634mg(2.01mmol)、ローダニン−N−酢酸385mg(2.01mmol)、酢酸アンモニウム292mg(3.79mmol)を酢酸8mlに溶解させた。この溶液を4時間加熱還流した後、酢酸エチルならびに水を加えた。有機相を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた物質をカラムクロマトグラフィー(トルエン→トルエン:酢酸エチル=2:1)によりローダニン1置換体を274mg(収率28%)分離して得た。この物質249mg(0.40mmol)、シアノ酢酸43mg(0.50mmol)、酢酸アンモニウム110mg(1.43mmol)を酢酸2mlに溶解させた。この溶液を1時間加熱還流した後、酢酸エチルならびに水を加えた。有機相を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた物質をクロロホルム−ヘキサン混合溶液から再析出させて、色素(1)を219mg(99%)得た。
得られた色素(1)のNMRは、1H−NMR(CDCl3,δ):2.42(s,3H,CH3),4.96(s,2H,NCH2),7.09−7.26(m,8H,ArH),7.45(d,2H,ArH),7.76(s,1H,−CH=C),7.95(d,2H,ArH),8.18(s,1H,−CH=C)であった。
色素(24)の合成
Figure 0005239262
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(p−トリル)ベンジジン10.38g(20.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド12.5ml(161mmol)に溶解させ、塩化ホスホリル11.2ml(120mmol)を滴下した。窒素雰囲気下にて90度で18時間加熱を行い、反応混合物を酢酸エチルで希釈して水洗ならびに濃縮したものをカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=9:1)にて精製分離し、ジホルミル体を7.08g(収率61%)得た。このジホルミル体1.14g(1.98mmol)とローダニン−N−酢酸189mg(0.990mmol)、酢酸アンモニウム321mg(4.2mmol)を酢酸8mlに溶解させた。この溶液を1時間加熱還流した後、酢酸エチルならびに水を加えた。有機相を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた物質をカラムクロマトグラフィー(トルエン→トルエン:酢酸エチル=3:2)によりローダニン1置換体を369mg(収率50%)分離して得た。この物質148mg(0.20mmol)、シアノ酢酸22mg(0.26mmol)、酢酸アンモニウム60mg(0.78mmol)を酢酸2mlに溶解させた。この溶液を1時間加熱還流した後、酢酸エチルならびに水を加えた。有機相を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた物質をトルエン−ヘプタン混合溶液から再析出させて、色素(24)を144mg(89%)得た。
得られた色素(24)のNMRは、1H−NMR(CDCl3,δ):2.35(s,3H,CH3),4.92(s,2H,NCH2),6.98−7.34(m,18H,ArH),7.51(t,4H,ArH),7.79(s,1H,−CH=C),7.86(d,2H,ArH),8.09(s,1H,−CH=C)であった。
その他の色素も上記と同様にして合成した。
《酸化物半導体》
本発明に係る酸化物半導体電極に用いられる酸化物半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する酸化物が挙げられるが、さらに上記金属の硫化物、セレン化物、窒化物等を含有することができる。
好ましい金属の酸化物として、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物が挙げられ、これら酸化物に含有させることのできる化合物として、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34等が挙げられるが、好ましく用いられるのはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、PbSであり、更に好ましく用いられるのはTiO2またはNb25であるが、中でも好ましく用いられるのはTiO2である。
本発明に係る酸化物半導体電極に、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti34)を混合し 本発明に係る酸化物半導体電極に用いられる酸化物半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の酸化物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34等が挙げられるが、好ましく用いられるのはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、PbSであり、更に好ましく用いられるのはTiO2またはNb25であるが、中でも好ましく用いられるのはTiO2である。
本発明に係る酸化物半導体電極に用いる酸化物半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti34)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,15(1999)記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
《増感処理》
本発明に係る酸化物半導体は、前記一般式(1)で表される色素を含むことにより増感し、本発明に記載の効果を奏することが可能となる。ここで、該色素を含むとは半導体表面への吸着、半導体が多孔質などのポーラスな構造を有する場合には、半導体の多孔質構造に前記色素が入りこむ等の種々の態様が挙げられる。
また、半導体層(半導体でもよい)1m2あたりの前記一般式(1)で表される、各々の色素の総含有量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
本発明に係る前記一般式(1)で表される色素を用いて増感処理を行う場合、前記色素を単独で用いてもよいし、複数を併用することも、本発明に係る前記一般式(1)で表される色素と他の色素(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の色素)とを混合して用いることもできる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように、吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
酸化物半導体に一般式(1)で表される色素を含ませるには、前記色素を適切な溶媒(エタノールなど)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
前記一般式(1)で表される色素を複数種類併用したり、その他の増感色素を併用して増感処理する際には、各々の色素の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの色素について溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して作製することもできる。各色素について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、酸化物半導体に前記色素や増感色素等を含ませる順序がどのようであっても、本発明に記載の効果を得ることができる。また、前記色素を単独で吸着させた半導体微粒子を混合する等することにより作製してもよい。
吸着処理は酸化物半導体が粒子状の時に行ってもよいし、支持体上に膜を形成した後に行ってもよい。吸着処理に用いる色素を溶解した溶液はそれを常温で用いてもよいし、該色素が分解せず溶液が沸騰しない温度範囲で加熱して用いてもよい。また、後述する光電変換素子の製造のように、半導体微粒子の塗布後に前記色素の吸着を実施してもよい。また、半導体微粒子と本発明に係る前記色素とを同時に塗布することにより、前記色素の吸着を実施してもよい。また、未吸着の色素は洗浄によって除去することができる。
また、本発明に係る酸化物半導体の増感処理については、半導体を前記一般式(1)で表される色素を含むことにより増感処理が行われるが、増感処理の詳細については、後述する光電変換素子のところで具体的に説明する。
また、空隙率の高い半導体薄膜を有する酸化物半導体の場合には、空隙に水分、水蒸気などにより水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に、前記色素や増感色素等の吸着処理(酸化物半導体の増感処理)を完了することが好ましい。
本発明に係る酸化物半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合は、そのまま固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る酸化物半導体を液体アミンまたはアミン溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
また、前記一般式(1)で表される色素と併用して用いることのできる色素としては、本発明に係る酸化物半導体を分光増感しうるものならばいずれの色素も用いることができる。光電変換の波長域をできるだけ広くし、且つ変換効率を上げるため2種類以上の色素を混合することが好ましい。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合する色素とその割合を選ぶことができる。
併用して用いる色素の中では、光電子移動反応活性、光耐久性、光化学的安定性等の総合的な観点から、金属錯体色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリメチン系色素が好ましく用いられる。
〔光電変換素子〕
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる酸化物半導体電極と対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる。以下、酸化物半導体電極、電荷移動層、対向電極について説明する。
《酸化物半導体電極》
本発明に係る酸化物半導体電極の作製方法について説明する。
本発明に係る酸化物半導体電極の一態様としては、導電性支持体上に上記の酸化物半導体を焼成により形成する等の方法が挙げられる。
本発明に係る酸化物半導体が焼成により作製される場合には、上記の色素や増感色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質への入り込み等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く色素の吸着処理を実施することが特に好ましい。
本発明に係る酸化物半導体が粒子状の場合には、酸化物半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹きつけて、酸化物半導体電極を作製するのがよい。また、本発明に係る酸化物半導体が膜状であって、導電性支持体上に保持されていない場合には、酸化物半導体を導電性支持体上に貼合して酸化物半導体電極を作製することが好ましい。
(導電性支持体)
本発明の光電変換素子や本発明の太陽電池に用いられる導電性支持体には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフイルムのような非導電性材料に導電性物質を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体に用いられる材料の例としては金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えば、インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。導電性支持体の厚さは特に制約されないが、0.3〜5mmが好ましい。
また、導電性支持体は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。透明な導電性支持体を得るためには、ガラス板またはプラスチックフイルムの表面に、導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体は表面抵抗が50Ω/cm2以下であることが好ましく、10Ω/cm2以下であることが更に好ましい。
(酸化物半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、酸化物半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、更に好ましくは2〜50nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹きつけ、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜)が形成される。
導電性支持体上に塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の基板上に形成された半導体微粒子集合体膜は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、前記半導体微粒子集合体膜を焼成処理して機械的強度を高め、基板に強く固着した焼成物膜となるため好ましく行われる。
本発明においては、この焼成物膜はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体薄膜の空隙率は10体積%以下が好ましく、更に好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%以下である。なお、半導体薄膜の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は、少なくとも10nm以上が好ましく、更に好ましくは100〜10000nmである。
焼成処理時、焼成物膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成物膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、更に好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(酸化物半導体の増感処理)
酸化物半導体の増感処理は上記のように色素を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。その際には、半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成させた基板を、予め減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去し、前記一般式(1)で表される色素が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようにしておくことが好ましく、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
前記一般式(1)で表される色素を溶解するのに用いる溶媒は、前記色素を溶解することができ、且つ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はないが、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
前記色素の溶解において、好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(増感処理の温度、時間)
酸化物半導体を焼成した基板を前記一般式(1)で表される色素を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に前記色素が深く進入して吸着等を十分に進行させ、半導体を十分に増感させ、且つ溶液中で前記色素の分解等により生成して分解物が色素の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃条件下では3〜48時間が好ましく、更に好ましくは4〜24時間である。この効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。但し、浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させて場合には上記の限りではない。
浸漬しておくにあたり前記一般式(1)で表される色素を含む溶液は、前記色素が分解しない限りにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10〜100℃であり、更に好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
《電荷移動層》
本発明に用いられる電荷移動層について説明する。
電荷移動層にはレドックス電解質が好ましく用いられる。ここで、レドックス電解質としては、I-/I3 -系や、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3 -系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。電荷移動層はこれらレドックス電解質の分散物で構成され、それら分散物は溶液である場合に液体電解質、常温において固体である高分子中に分散させた場合に固体高分子電解質、ゲル状物質に分散された場合にゲル電解質と呼ばれる。電荷移動層として液体電解質が用いられる場合、その溶媒としては電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。固体高分子電解質の例としては特開2001−160427号公報記載の電解質が、ゲル電解質の例としては「表面科学」21巻、第5号288〜293頁に記載の電解質が挙げられる。
《対向電極》
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3 -イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を十分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金メッキや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子の一態様として太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。即ち、色素増感された酸化物半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記酸化物半導体電極、電荷移動層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、酸化物半導体に吸着された本発明に係る色素は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体を経由して対向電極に移動して、電荷移動層のレドックス電解質を還元する。一方、半導体に電子を移動させた本発明に係る色素は酸化体となっているが、対向電極から電荷移動層のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層のレドックス電解質は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明これらに限定されない。
実施例1
〔光電変換素子1の作製〕
市販の酸化チタンペースト(粒径18nm)を、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へスクリーン印刷法により塗布した。60℃で10分間加熱してペーストを乾燥させた後、500℃で30分間焼成を行い、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を得た。
色素(1)をエタノールに溶解させ、3×10-4モル/lの溶液を作製した。酸化チタンを塗布焼結させたFTOガラス基板をこの溶液に室温で16時間浸漬させて、色素の吸着処理を行い、酸化物半導体電極とした。
電荷移動層(電解液)にはヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム0.6モル/l、ヨウ化リチウム0.1モル/l、ヨウ素0.05モル/l、4−(t−ブチル)ピリジン0.5モル/lを含む3−メチルプロピオニトリル溶液を用いた。対極には白金薄膜をスパッタリングしたFTOガラス基板を用い、熱硬化性樹脂を用いて先に作製した酸化物半導電極と接着した後、上記の電解液を注入し封止することにより光電変換素子1を作製した。
〔光電変換素子2〜17の作製〕
光電変換素子1の作製において、色素(1)に代えて色素(24)(29)(30)(33)(35)(38)(40)(45)(47)、比較色素(1a)(1b)(1c)(1d)(24a)(24b)(48)のそれぞれを用いた他は同様にして、光電変換素子2〜17を作製した。
Figure 0005239262
強度100mW/cm2のキセノンランプ照射下、酸化物半導体電極に5×5mm2のマスクをかけた条件下で光電変換特性の測定を行った。
即ち、光電変換素子1〜15について、560nmにおける光電変換の量子収率を求めた。なお、光電変換素子の量子収率(IPCE(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
IPCE=(1250×I)/(λ×P) (A)
ここで、Iは電流密度[μA/cm2]、λは入射光波長[nm]、Pは入射光強度[W/m2]を示す。
表4に光電変換素子1〜17の特性評価結果を示した。各色素に対応するDのHOMO準位の値も併せて示した。
Figure 0005239262
いずれの場合も、対応する比較色素に比べ、本発明の色素が優位な光電変換性能を示している。よって、本発明の一般式(1)で表される化合物において、異なる吸着基の導入が、長波長の可視光を照射した時の光電変換効率の向上に対して有効であることが分かった。特に、芳香族3級アミン構造を有する色素(1)(24)(29)(30)(33)(35)(38)はいずれも50%以上の比較的高い量子収率を示し、異なる吸着基の導入がより有効な系であることがわかった。色素(24)、比較色素(24a)ならびに比較色素(24b)の量子収率の入射波長依存性を図1に示す。色素(24)は550nm以下の領域において比較色素(24a)より20%程度高い量子収率を示し、なおかつ量子効率の山が比較色素(24b)よりも50nm程度長波側にシフトしている。
色素(1)、比較色素(1a)ならびに比較色素(1b)のエタノール溶液の吸収スペクトルを図2に、色素(24)、比較色素(24a)ならびに比較色素(24b)のエタノール溶液の吸収スペクトルを図3に示す。本発明の色素(1)は410nm及び460nmに吸収極大を有し、色素(24)は390nm及び467nmに吸収極大を有することが分かった。各比較色素は350nm以上の領域に1個ずつしか吸収極大を持たないのに対し、色素(1)ならびに色素(24)は2個の吸収極大を有しており、光電変換に利用可能な光波長領域の拡大に寄与している。
色素(24)、比較色素(24a)ならびに比較色素(24b)の量子収率の入射波長依存性を示す図である。 色素(1)、比較色素(1a)ならびに比較色素(1b)のエタノール溶液の吸収スペクトルを示す図である。 色素(24)、比較色素(24a)ならびに比較色素(24b)のエタノール溶液の吸収スペクトルを示す図である。

Claims (2)

  1. 導電性支持体上の酸化物半導体に色素を吸着させてなる酸化物半導体電極と対向電極とを電荷移動層を介して対向配置してなる光電変換素子を備えた太陽電池において、該色素が下記一般式(1)
    Figure 0005239262
    (式中、A 及びA は下記に示す置換基であり、Dは下記に示す、酸性基を有しない2価の有機残基で、HOMO準位が−8.0〜−7.0eVとなる構造である。ここで、DのHOMO準位とは、A ならびにA2を水素原子で置換した分子で分子軌道計算により求めたHOMO準位である。)
    で表され、前記一般式(1)で表される色素をエタノールに溶解させたときの吸収スペクトルが、350〜450nm及び450〜900nmに吸収極大を有し、
    前記一般式(1)で表される色素が、
    前記A が下記A−1a、前記A が下記A−2aで、前記Dが下記D−1a、下記D−2a、下記D−3aのいずれかの化合物、
    前記A が下記A−1a、前記A が下記A−3aで、前記Dが下記D−10aの化合物、
    前記A が下記A−1a、前記A が下記A−5aで、前記Dが下記D−3bの化合物、
    前記A が下記A−1a、前記A が下記A−8aで、前記Dが下記D−11aの化合物、
    前記A が下記A−1a、前記A が下記A−12bで、前記Dが下記D−4aの化合物、
    前記A が下記A−1b、前記A が下記A−11bで、前記Dが下記D−6aの化合物、
    前記A が下記A−1c、前記A が下記A−10aで、前記Dが下記D−5aの化合物、
    前記A が下記A−1e、前記A が下記A−4bで、前記Dが下記D−2bの化合物、
    のいずれかであることを特徴とする太陽電池。
    Figure 0005239262
    Figure 0005239262
  2. 前記一般式(1)中の置換基AならびにA内の酸性基がカルボキシル基であり、Dが芳香族3級アミン構造を有することを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
JP2007229934A 2007-09-05 2007-09-05 太陽電池 Expired - Fee Related JP5239262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007229934A JP5239262B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007229934A JP5239262B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009064616A JP2009064616A (ja) 2009-03-26
JP5239262B2 true JP5239262B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=40559032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007229934A Expired - Fee Related JP5239262B2 (ja) 2007-09-05 2007-09-05 太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5239262B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5266714B2 (ja) * 2007-10-25 2013-08-21 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 光電変換素子、及び太陽電池
JP5815514B2 (ja) * 2009-06-19 2015-11-17 ドンジン セミケム カンパニー リミテッド 新規の有機色素およびその製造方法
JP5782220B2 (ja) * 2009-06-24 2015-09-24 富士フイルム株式会社 色素化合物、これを用いた光電変換素子及び色素増感型太陽電池
CN102695759A (zh) * 2009-12-30 2012-09-26 株式会社东进世美肯 新的有机染料及其制造方法
JP5700937B2 (ja) * 2010-02-09 2015-04-15 保土谷化学工業株式会社 光電変換用増感色素及びそれを用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池
JP2011204678A (ja) * 2010-03-05 2011-10-13 Fujifilm Corp 光電変換素子及び光電気化学電池

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007048680A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光電変換材料、半導体電極並びにそれを用いた光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009064616A (ja) 2009-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5181814B2 (ja) 光電変換素子、及び太陽電池
JP5135774B2 (ja) 光電変換素子、及び太陽電池
JP5206092B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2008186752A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2009272296A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2009269987A (ja) 新規化合物、光電変換素子及び太陽電池
JP5239262B2 (ja) 太陽電池
JP5396987B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5217475B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2010277998A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2010277991A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5233318B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5347329B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5223362B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5266714B2 (ja) 光電変換素子、及び太陽電池
JP2010282780A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2008226582A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2008234902A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2010168511A (ja) 新規化合物、光電変換素子及び太陽電池
JP5332114B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2010040280A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2008234901A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2008226688A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2010257741A (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP5250989B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100317

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees