JP2014232608A - 光電変換素子、光電変換素子の製造方法および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換特性、特に低照度条件での光電変換特性に優れる光電変換素子および全固体型色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】基板、第一電極、n型半導体および増感色素を含有する光電変換層、電荷輸送層、ならびに第二電極を有する光電変換素子において、前記電荷輸送層が固体電荷輸送層であり、前記光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方が、下記一般式(1):

(nは、1〜6の整数である)で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含み、前記陰イオンが、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含まれる、光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本願発明は、色素増感型の光電変換素子、該光電変換素子の製造方法および該光電変換素子を用いて構成した太陽電池に関する。
近年、エネルギー源として、無限でありかつ有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されている代表的なものとしては、住宅用の太陽電池があり、具体的には、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンおよびテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅などを用いた無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池は、例えば、シリコン系のものについては、非常に純度の高いシリコンが要求されるために当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、従って製造コストが高い、という欠点がある。
また、太陽電池としては、有機材料を使う有機系太陽電池も多く提案されている。有機系太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子からなるものなどがあり、これに使用される有機半導体としては、クロロフィル、ペリレンなどの合成色素や顔料、ポリアセチレンなどの導電性高分子材料またはそれらの複合材料などが挙げられ、これらが真空蒸着法、キャスト法またはディッピング法などにより薄膜化されたものによって電池材料が構成されている。有機半導体を用いた電池材料は、低コストで大面積化が容易などの長所を有する一方で、光電変換効率が1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪い、という問題がある。
このような問題に対し、良好な変換効率を示す太陽電池として、色素増感太陽電池が提案されている。
色素増感太陽電池は、具体的には、透光性基板上に透明導電層が積層されてなる導電性支持体の透明導電層上に酸化チタンなどの半導体多孔質物質に増感色素が吸着されてなる光電変換層が積層されてなる半導体電極と、透明導電層に電気的に接続された第2電極層とが、電荷輸送層を介して対向するよう設けられて構成されている。
色素増感太陽電池の多くは電荷輸送層としてヨウ素系の電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要であるという問題点を有しており、電解液を固体化することができればより好ましい。この電解液の溶出問題を回避すべく、電解液を固体正孔移動剤に置き換えた全固体色素増感太陽電池の開発も進んでおり、例えば、特許文献1に記載のポリピロールを正孔移動剤として用いた全固体型色素増感太陽電池や、非特許文献1および2に記載のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を正孔移動剤として用いた全固体型色素増感太陽電池が報告されている。特に、PEDOTは電荷輸送性能が優れており、全固体型色素増感太陽電池の中では高い光電変換特性を示している。
また、電荷輸送層(正孔輸送層)形成時に、支持電解質としてリチウム塩を添加することが記載される(例えば、特許文献2)。
特開2003−142168号公報 特開2012−243549号公報
J.Xia, N.Masaki, M.Lira−Cantu, Y.Kim, K.Jiang and S. Yanagida: Journal of the American Chemical Society, 130, 1258(2008) X.Liu, W.Zhang, S.Uchida, L.Cai, B.Liu and S.Ramakrishna: Advanced Materials, 22, E150(2010)
上記特許文献1ならびに上記非特許文献1、2に記載される全固体型色素増感太陽電池は、太陽光同等の強度(100mW/cm2)では優れた光電変換性能を示す。また、上記特許文献2によるように、電荷移動剤にリチウム塩を添加することにより、光電変換特性が向上する。このため、上記特許文献及び非特許文献に記載の全固体型色素増感太陽電池は、太陽光同等の強度(100mW/cm2)では優れた光電変換性能を示す。しかしながら、これらの全固体型色素増感太陽電池は、室内光を想定した低照度条件(1mW/cm2以下)では光電変換性能が低下してしまうという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、光電変換特性、特に低照度条件での光電変換特性に優れる光電変換素子および全固体型色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、光電変換層及び電荷輸送層中のアルカリ金属イオン濃度を特定量以上に調節することによって、上記課題を解決できることを見出した。上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、基板、第一電極、n型半導体および増感色素を含有する光電変換層、電荷輸送層、ならびに第二電極を有する光電変換素子において、前記電荷輸送層が固体電荷輸送層であり、前記光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方が、下記一般式(1):
ただし、nは、1〜6の整数である、
で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含み、前記陰イオンが、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含まれる、光電変換素子によって達成できる。
本発明によれば、光電変換特性、特に低照度条件での光電変換特性に優れる光電変換素子および太陽電池を提供できる。
本願発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図である。 本発明の光電変換素子による光電変換特性の発揮メカニズムを説明する図面である。 従来の光電変換素子による光電変換特性の発揮メカニズムを説明する図面である。 光電変換層及び電荷輸送層中のアルカリ金属イオン濃度が低い場合の光電変換素子による光電変換特性の発揮メカニズムを説明する図面である。
本発明は、基板、第一電極、n型半導体および増感色素を含有する光電変換層、電荷輸送層、ならびに第二電極を有する光電変換素子において、前記電荷輸送層が固体電荷輸送層であり、前記光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方が、上記一般式(1)で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含み、前記陰イオンが、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含まれる、光電変換素子を提供する。本願発明は、特定濃度のアルカリ金属イオンが光電変換層及び電荷輸送層中に存在することを特徴とする。当該構成によって、光電変換素子の光電変換特性、特に低照度条件での光電変換特性を向上できる。このような効果を奏するメカニズムは明らかではないが、以下のように推測できる。なお、本発明は、下記推測によって限定されるものではない。
すなわち、全固体型色素増感太陽電池では、一般的に、半導体界面からの漏れ電流が発生しやすく、入射光強度が低い場合にこの漏れ電流が顕著に現れる。特に室内光を想定した低照度条件(1mW/cm2以下)では光電変換性能が低下してしまうという問題があった。このため、低照度条件で十分な光電変換性能を得るためには、漏れ電流を抑制・防止する必要がある。
ここで、例えば、上記非特許文献1や2では、光電変換素子の製造過程において、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[LiTFSI]をブチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[BMI・TFSI]や炭酸プロピレンに溶解させた溶液を用いた処理を行っている。前者は蒸気圧が0の不揮発性溶媒であり、後者も沸点240℃の難揮発性溶媒である。このため、製造工程中にこれらの溶媒が蒸発しにくく、図3に示されるように、残留した溶媒分子24は、光電変換層6中の増感色素4間の空隙及び電荷輸送層7中の電荷輸送性高分子固体23間の空隙に多く存在する。このため、これらの空隙に存在する陽イオン(アルカリ金属塩由来の陽イオン)21及び陰イオン(アルカリ金属塩由来の陰イオン)22が少なく、n型半導体5表面での電気二重層の形成が不十分となる。このため、半導体界面での漏れ電流の発生を抑えることができず、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能を低下させてしまう。また、増感色素と電荷輸送性高分子固体との分子間接触が小さくなるので、出力電流の低下をももたらしてしまう。
これに対して、本発明の光電変換素子では、十分量(1.30μmol/mm3以上)の一般式(1)の陰イオンのアルカリ金属塩が光電変換層及び電荷輸送層中に存在する。図2は、本発明の光電変換素子による光電変換特性の発揮メカニズムを説明する図面である。図2に示されるように、このような光電変換素子では、アルカリ金属塩が陽イオン(アルカリ金属塩由来の陽イオン)21及び陰イオン(アルカリ金属塩由来の陰イオン)22の形態となって、光電変換層6中の増感色素4間の空隙及び電荷輸送層7中の電荷輸送性高分子固体23間の空隙に多量に存在する。ここで、光照射時にはn型半導体5の表面は負に帯電するので、陽イオン21はn型半導体5表面に引き寄せられる。このため、電気二重層がn型半導体5表面で形成され、この電気二重層は半導体界面からの漏れ電流を大幅に低減できる。ゆえに、本発明の光電変換素子は、低照度条件であっても、優れた光電変換特性を発揮できる。
なお、光電変換層及び電荷輸送層中に存在する一般式(1)の陰イオンが1.30μmol/mm3未満と少ない場合には、図4に示されるように、n型半導体5表面に存在する陽イオン(アルカリ金属塩由来の陽イオン)21及び陰イオン(アルカリ金属塩由来の陰イオン)22の密度が小さい。このため、n型半導体5表面での電気二重層の形成が十分に行われず、半導体界面での漏れ電流の発生を抑えることができず、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能を低下させてしまう。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[光電変換素子]
本発明の光電変換素子について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換素子を模式的に表す断面図である。図1に示すように、光電変換素子10は、基体1、第一電極2、バリア層3、光電変換層6、電荷輸送層7、および第二電極8が順次積層されてなる構成を有する。ここで、光電変換層6は、n型半導体(以下では、単に「半導体」とも称する)5および増感色素4を含有する。図1に示されるように、第一電極2と光電変換層6との間には、短絡防止、封止などの目的で、バリア層3を有することが好ましい。なお、図1中では、太陽光は、図下方の矢印9の方向から入っているが、本発明は当該形態に限定されず、図上方から太陽光が入射してもよい。
次に、本発明に係る光電変換素子の製造方法の好ましい実施形態について説明する。まず、第一電極2を形成した基体1上に、バリア層3を形成した後、バリア層3上に半導体5からなる半導体層を形成し、その半導体表面に増感色素4を吸着させて光電変換層6を形成する。その後、光電変換層6の上に電荷輸送層7を形成する。この際、電荷輸送層7は、増感色素4を担持した半導体5からなる光電変換層6に侵入する。このため、光電変換層6及び電荷輸送層7は一層の形態で存在しても、あるいは電荷輸送層7が一部光電変換層6に侵入しかつ一部が光電変換層6上に存在してもよい。そして、電荷輸送層7の上に第二電極8を形成する。第一電極2および第二電極8に端子を付けることにより電流を取り出すことができる。
以下、本願発明の光電変換素子の各部材について説明する。なお、本発明は、光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方における一般式(1)の陰イオン量を特定量とすることを特徴とするものであるため、それ以外の部材については従来と同様の部材が使用でき、下記形態に限定されない。
<アルカリ金属塩>
本発明では、光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方が、下記一般式(1):
で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含む。ここで、アルカリ金属塩は、光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方に含まれればよいが、好ましくは光電変換層および電荷輸送層双方に含まれる。当該構成によると、半導体界面での漏れ電流の発生をより有効に抑えることができ、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能をより有効に向上できる。なお、アルカリ金属塩は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記一般式(1)において、nは、1〜6の整数である。光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、nは、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、1が特に好ましい。
上記一般式(1)の陰イオンの対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属であれば、特に制限されない。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属由来の陽イオンが挙げられる。これらのうち、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、アルカリ金属イオンが好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウムがより好ましく、リチウム、ナトリウムがさらにより好ましく、リチウムが特に好ましい。すなわち、アルカリ金属塩がリチウム塩(Li[(Cn2n+1SO22N])であることが好ましい。アルカリ金属塩がリチウム塩であると、リチウムイオンはイオン半径が小さく動きやすいため、電気二重層をより容易に形成しやすいため、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果の観点から特に好ましい。
また、上記一般式(1)の陰イオンは、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含まれる。ここで、上記一般式(1)の陰イオンの量が1.30μmol/mm3未満である場合には、上述したように、アルカリ金属塩の量が少なく、n型半導体表面に存在する陽イオン(アルカリ金属塩由来の陽イオン)及び陰イオン(アルカリ金属塩由来の陰イオン)の密度が小さすぎる(図4参照)。このため、n型半導体表面での電気二重層が十分形成されず、半導体界面での漏れ電流の発生を有効に抑えることができない。このため、得られる光電変換素子は、十分な光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能を発揮できない(例えば、下記比較例1参照)。光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、上記一般式(1)の陰イオンは、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.50μmol/mm3以上の量で含まれることが好ましく、1.60μmol/mm3以上の量で含まれることがより好ましい。ここで、上記一般式(1)の陰イオン量の上限は、特に制限されないが、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、10.0μmol/mm3以下であることが好ましく、4.0μmol/mm3以下であることがより好ましく、2.0μmol/mm3以下であることが特に好ましい。なお、一般式(1)の陰イオンの量の測定方法は、特に制限されないが、本明細書では、下記方法によって測定された値(μmol/mm3)を意味する。
(一般式(1)の陰イオンの量の測定方法)
光電変換層及び電荷輸送層におけるアルカリ金属塩由来の陰イオンの量(存在量)は、以下のようにして求められる。詳細には、光電変換素子を硫酸に浸漬させて、光電変換層及び電荷輸送層に含まれるアルカリ金属塩成分を溶出させる。この溶出液を検体として、誘導結合プラズマ発光分析分光装置(SII社製、SPS3520UV)を用いて、対イオン量(μmol)を定量する。一方、光電変換層及び電荷輸送層の合計体積は、光電変換層及び電荷輸送層それぞれの面積(縦及び横の長さの積)と厚みとの積の合計(mm3)とする。なお、光重合法により電荷輸送層を形成する場合には、電荷輸送層が光電変換層を構成する多孔質体の内部に形成されるので、光電変換層の外寸をそのまま光電変換層と電荷輸送層の合計体積(mm3)として採用する。上記で求められた対イオン(アルカリ金属イオン)量(μmol)を光電変換層及び電荷輸送層の合計体積(mm3)で除して、対イオン量(μmol/mm3)を測定し、アルカリ金属塩の種類によって、一般式(1)の陰イオン量を算出する。すなわち、対イオン1モルに対して一般式(1)の陰イオンが1モル存在するので、一般式(1)の陰イオン量は対イオン量と同じである。この際、基板(例えば、ガラス基板)等の他の部材からの対イオン(例えば、Liイオン等のアルカリ金属イオン)が溶出しないことを予め確認する。また、他の部材からの対イオンの溶出が確認された場合には、下記で得られた対イオンの量から、当該他の部材からの対イオンの量を差し引いた値を用いる。
例えば、実施例1の方法に基づいて作製した光電変換素子のLiイオン量分析値は3.31μgであった。このLiイオン量を、Liの原子量6.934ならびに光電変換層の外寸7×7×0.0057=0.279mm3で除すると、体積あたりのモル量が1.71μmol/mm3であると算出される。ここで、陰イオン([(CF3SO22N]-)の量と、Liイオン(Li+)量とは同じであるので、陰イオン量は1.71μmol/mm3となる。
なお、上記方法以外にも、任意の光電変換素子から一般式(1)で示される陰イオンの存在を検出する方法としては、光電変換素子をアセトニトリルに浸漬させることにより溶出した成分を濃縮し、重水素化クロロホルムに再溶解させて19F−NMRスペクトルを測定する方法が使用できる。例えば、n=1の場合は、−79ppmに特徴的なシングレットピークが出現することが知られている。当該方法によって求められる一般式(1)の陰イオン量と、上記で求められた陰イオン量とは、実質的に同等である。
<基板>
基板は、電極を塗布方式で形成する場合における、塗布液の被塗布部材としての役割を有する。基板側から光が入射する場合、基板はこの光を透過させることが可能な、すなわち、光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。具体的には、光電変換効率の観点から、光透過率が10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、80%〜100%であることが特に好ましい。なお、本明細書において、「光透過率」とは、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率を意味するものとする。
基板としては、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができるが、上記のように高い光透過性を有していることが好ましい。
基板の材料としては、剛性を有する基板、および可撓性を有する基板を用いることができる。剛性を有する基板と可撓性を有する基板を組み合わせて用いてもよい。
剛性を有する基板としては、特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ガラス板およびアクリル板が挙げられる。これらのうち、耐熱性の観点からガラス板を用いることが好ましい。剛性を有する基板の厚さは、特に制限されないが、0.1〜100mmが好ましく、0.5〜10mmがより好ましい。
一方、可撓性を有する基板としては、特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン等のポリオレフィン類樹脂フィルム;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム;ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム;ポリスルホン(PSF)樹脂フィルム;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂フィルム;ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム;ポリアミド樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;アクリル樹脂フィルム;トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルムが挙げられる。特に、太陽光エネルギーを利用することを考慮し、可視領域の波長(400〜700nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムを基板として用いることが好ましい。当該樹脂フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、およびポリカーボネートフィルム等が挙げられ、これらのうち、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムを用いることが好ましい。なお、可撓性を有する基板の厚さは、特に制限されないが、1〜1000μmが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
上記基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理や易接着層を設けてもよい。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理により表面処理を行うことができる。また、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、およびエポキシ系共重合体等を易接着層として使用することができる。
[第一電極]
第一電極は、基板と光電変換層との間に配置される。ここで、第一電極は、基板の光入射方向に対して反対側となる一方の面上に設けられる。第一電極は、光電変換効率の観点から、光透過率が10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、80%〜100%であることが特に好ましい。
第一電極を構成する材料としては、特に制限されず、公知の材料が使用できる。例えば、金属およびその酸化物、並びにSn、Sb、FおよびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含む複合(ドープ)材料を用いることができる。前記金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、およびインジウム等が挙げられ、金属酸化物としては、SnO2、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO3、Cd2SnO4、CdSnO4)、In23、およびCdIn24等が挙げられ、複合(ドープ)材料としては、SnをドープしたIn23(ITO)、SbをドープしたSnO2、FをドープしたSnO2(FTO)等が挙げられる。これらのうち、金属として好ましくは、銀が挙げられ、光透過性を持たせるために、開口部を持つグリッドパターニングされた膜、あるいは微粒子やナノワイヤーを分散し塗布した膜が好ましく用いられる。また、金属酸化物として好ましくは、上記の金属酸化物に、Sn、Sb、FおよびAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。より好ましくは、SnをドープしたIn23(ITO)、SbをドープしたSnO2、FをドープしたSnO2(FTO)等の導電性金属酸化物が好ましく用いられ、耐熱性の点からFTOが最も好ましい。
第一電極を形成する材料の基板への塗布量は、特に制限されないが、基板1m2当たり、1〜100g程度であることが好ましい。なお、本明細書では、基板とその上に形成された第一電極との積層体を「導電性支持体」とも称する。
導電性支持体の膜厚としては、特に制限されないが、0.1mm〜5mmであることが好ましい。導電性支持体の表面抵抗値としては、可能な限り低い値であることが好ましい。具体的には、表面抵抗値が500Ω/cm2以下であることが好ましく、10Ω/cm2以下であることがより好ましい。なお、導電性支持体の表面抵抗の下限は、可能な限り低いことが好ましいため、特に規定する必要はないが、0.01Ω/cm2以上であれば十分である。導電性支持体の光透過率の好ましい範囲は、上記基板の光透過率の好ましい範囲と同様である。
<バリア層>
本発明の光電変換素子は、短絡防止手段として、膜状(層状)をなし、第一電極と半導体層との間に位置するバリア層を有することが好ましい。
バリア層の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛、ニオブ、スズ、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムまたはその酸化物、また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、ニオブ酸ストロンチウムのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、CdS、CdSe、TiC、Si34、SiC、BNのような各種金属化合物等の1種または2種以上の組み合わせなどが挙げられる。
特に電荷輸送層がp型半導体の場合、バリア層に金属を使用する場合には電荷輸送層よりも仕事関数の値が小さく、ショットキー型の接触をするものを用いることが好ましい。また、バリア層に金属酸化物を用いる場合には、透明導電層とオーミックに接触し、かつ伝導帯のエネルギー準位が半導体層(光電変換層)よりも低いところにあるものを使用することが好ましい。このとき、酸化物を選択することで半導体層(光電変換層)からバリア層への電子移動効率を向上させることもできる。この中でも、半導体層(光電変換層)と同等の電気伝導性を有するものであるのが好ましく、特に、酸化チタンを主とするものがより好ましい。
バリア層の構造は特に制限されないが、光電変換層と同様に、多孔質構造膜であることが好ましい。ただし、バリア層の空孔率は半導体層(光電変換層)の空孔率よりも小さいことが好ましい。具体的には、バリア層の空孔率をC[%]とし、半導体層の空孔率をD[%]としたとき、D/Cが、例えば、1.1以上程度であるのが好ましく、5以上程度であるのがより好ましく、10以上程度であるのがさらに好ましい。ここで、D/Cの上限は、可能な限り大きいことが好ましいため、特に規定する必要はないが、通常、1000以下程度である。これにより、バリア層と半導体層とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。
より具体的には、バリア層の空孔率Cとしては、例えば、20体積%以下程度であるのが好ましく、5体積%以下程度であるのがより好ましく、2体積%以下程度であるのがさらに好ましい。すなわち、バリア層は、緻密層であるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。ここで、バリア層の空孔率Cの下限は、可能な限り小さいことが好ましいため、特に規定する必要はないが、通常、0.05体積%以上程度である。
バリア層の平均厚さ(膜厚)としては、例えば、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.5μm程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
<光電変換層>
光電変換層は、光起電力効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。本発明において、光電変換層はn型半導体および増感色素を必須に含む。より詳しくは、当該光電変換層は、n型半導体を含有する半導体層に増感色素が担持された構成を有する。
(n型半導体)
半導体層に用いられるn型半導体(本明細書では、単に「半導体」とも称する)の材料としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3族〜第5族、第13族〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等が使用されうる。金属のカルコゲニドの具体例としては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物;カドミウムまたは鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物等が挙げられる。また、その他の半導体の材料としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物;銅−インジウムの硫化物;チタンの窒化物等が挙げられる。より詳細には、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34等が挙げられる。これらのうち、TiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、またはPbSを用いることが好ましく、TiO2、ZnO、SnO2を用いることがより好ましく、TiO2(酸化チタン)を用いることが特に好ましい。すなわち、n型半導体は、酸化チタンであることが好ましい。これらの材料は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせた形態としては、例えば、酸化チタン半導体に20重量%の窒化チタン(Ti34)を混合する形態、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,15(1999)に記載の酸化亜鉛/酸化スズの複合の形態等が挙げられる。なお、金属酸化物または金属硫化物に、その他の半導体材料を組み合わせて使用する場合には、当該その他の半導体材料の添加量は、本発明による効果を阻害しない程度であれば特に制限されないが、金属酸化物または金属硫化物半導体に対する重量比が0%を超えて30%以下であることが好ましい。なお、上記他の半導体材料は、単独で使用されてもまたは2種以上の半導体を併用して用いてもよい。
半導体の形状としては、特に制限されず、球状、柱状、管状等の任意の形状を有しうる。半導体の大きさもまた、特に制限されず、例えば、半導体が球状である場合には、半導体の平均粒径が1〜5000nmであることが好ましく、2〜500nmであることがより好ましく、2〜100nmであることが特に好ましい。なお、上記半導体の「平均粒径」とは、100個以上のサンプルを電子顕微鏡で観察したときの1次粒子直径の平均粒径(1次平均粒径)を意味する。
上記半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。表面処理に用いられる有機塩基としては、特に制限はなく、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられる。これらのうち、ピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンを用いて表面処理することが好ましい。表面処理方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができ、当該方法は、当業者が必要に応じて適宜変更することができる。例えば、有機塩基が液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液(有機塩基溶液)を準備し、本発明に係る半導体を上記液体有機塩基または有機塩基溶液に0〜80℃で1分〜24時間浸漬することで、半導体の表面処理を実施できる。
(増感色素)
増感色素は、光照射時、光励起され起電力を生じる機能を有する。当該増感色素は、後述の半導体の増感処理により半導体に担持される。増感色素は、光照射時、光励起され起電力を生じ得るものであり、特に制限されず、公知の増感色素が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。例えば、下記一般式(3A)、一般式(3B)または一般式(3C)で表わされる化合物(有機色素)が増感色素として好ましく使用される。
上記一般式(3A)中、Ar1〜Ar3は、芳香族基である。この際、Ar1〜Ar3のいずれか2つは、互いに結合して環構造を形成していてもよい。なお、Ar1〜Ar3は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、pは、1〜3の整数であり、好ましくは1または2が好ましい。また、上記一般式(3B)中、Ar4〜Ar7は、芳香族基である。この際、Ar4およびAr5またはAr6およびAr7は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。なお、Ar4〜Ar7は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。Ar8は、2価の芳香族基である。また、qは、1〜4の整数であり、1または2が好ましい。さらに、上記一般式(3C)中、Ar9〜Ar10は、芳香族基である。なお、Ar9〜Ar10は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。R6は、炭素鎖長1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基または炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基である。この際、Ar9およびAr10、またはAr9若しくはAr10およびR6は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。rは、1〜2の整数であり、好ましくは1である。さらに、上記一般式(3A)〜(3C)中、Zは、酸性基および電子吸引性基または酸性基および電子吸引性環構造を有するAr1〜Ar10のいずれかに置換する基である。
ここで、Ar1〜Ar10で表わされる1価あるいは2価の芳香族基は、特に制限されない。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、フェニルチオフェン環、ジフェニルチオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロール環、フラン環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ローダニン環、ピラゾロン環、イミダゾロン環、ピラン環、ピリジン環、フルオレン環等の芳香族環から導かれるものである。これらの芳香族環を複数組み合わせて用いても良く、例えば、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、ビチオフェン基、4−チエニルフェニル基、ジフェニルスチリル基等、さらには、スチルベン、4−フェニルメチレン−2,5−シクロヘキサジエン、トリフェニルエテン(例えば、1,1,2−トリフェニルエテン)、フェニルピリジン(例えば、4−フェニルピリジン)、スチリルチオフェン(例えば、2−スチリルチオフェン)、2−(9H−フルオレン−2−イル)チオフェン、2−フェニルベンゾ[b]チオフェン、フェニルビチオフェン環、(1,1−ジフェニル−4−フェニル)−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ジブタジエン、4−(フェニルメチレン)−2,5−シクロヘキサジエン、フェニルジチエノチオフェン環由来の基などがある。これらの芳香族環は置換基を有していても良く、置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、各々置換もしくは未置換の、炭素鎖長1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ドデシル基、オクタデシル基、3−エチルペンチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)、アルコキシアルキル基(例えば、メトキシエチル基等)、炭素鎖長1〜18のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基)、複素環基(例えば、モルホニル基、フラニル基等)等がある。
また、上記一般式(3A)〜(3C)中、増感色素としては一般式(3A)で表わされるものが好ましく、特に一般式(1)で表わされる繰り返し単位(1)を有する重合体を含有する電荷輸送層と組み合わせるのが好ましい。上記一般式(3A)で表わされる増感色素のうち、一般式(3D)で表わされるものが好ましく、式中Ar11ならびにAr12にチオフェン環を含むものが特に好ましい。
また、上記一般式(3C)中、R6は、炭素鎖長1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基または炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基である。このうち、炭素鎖長1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基および炭素鎖長3〜9のシクロアルキル基は、上記一般式(1)中のR1〜R4の定義と同様である。これらのうち、炭素鎖長1〜18の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、ならびに炭素鎖長3〜7のシクロアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素鎖長1〜6の直鎖アルキル基およびイソプロピル基、t−ブチル基等の炭素鎖長3〜6の分岐アルキル基、ならびにシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素鎖長5〜6のシクロアルキル基がより好ましい。
また、上記一般式(3A)〜(3C)中、Zは、酸性基および電子吸引性基または酸性基および電子吸引性環構造を有するAr1〜Ar10のいずれかに置換する基である。なお、この置換する基Zは、一般式(3A)中のAr1〜Ar3、一般式(3B)中のAr4〜Ar7、または一般式(3C)中のAr9〜Ar10およびR6(好ましくは、Ar9〜Ar10)中に存在するいずれかの水素原子(H)に置換され、好ましくは、上記Arの末端の水素原子(H)に置換される。この際、置換する基Z中の酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基[−SO3H]、スルフィノ基、スルフィニル基、ホスホン酸基[−PO(OH)2]、ホスホリル基、ホスフィニル基、ホスホノ基、チオール基、ヒドロキシ基、ホスホニル基、およびスルホニル基;ならびにこれらの塩などが挙げられる。これらのうち、酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基が好ましく、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基がより好ましい。また、電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パーフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基)、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基、パーフルオロアリールスルホニル基などが挙げられる。これらのうち、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、クロロ基が好ましく、シアノ基、ニトロ基がより好ましい。電子吸引性環構造としては、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾロン環、ピラゾリン環、キノン環、ピラン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。これらのうち、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾリン環、キノン環、チアジアゾール環が好ましく、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾリン環がより好ましい。これらの置換する基Zは、光電子を効果的に半導体(特に酸化物半導体)に注入できる。また、置換する基Zにおいて、酸性基と、電子吸引性基または電子吸引性環構造とは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)、またはテルル原子(Te)等の原子を介して結合してもよい。または、置換する基Zは、電荷、特に正の電荷を帯びてもよく、この際、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、NO3 -、SO4 2-、H2PO4 -等の対イオンを有していてもよい。
すなわち、上記一般式(3A)〜(3C)中の置換する基Zの好ましい例は、下記がある。
また、本発明に係る増感色素の特に好ましい例を以下に示す。なお、本願発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、「Ph」は、フェニル基を表わす。また、下記実施例において、増感色素を下記記号にて規定する。
上記化合物は、当業者であれば、いずれも公知の反応、例えば、芳香族求電子置換反応、芳香族求核置換反応、カップリング反応、およびメタセシス反応等を適宜組み合わせることによって合成することができる。その他、上記化合物の合成にあたっては、特開平7−5706号公報、同7−5709号公報等が参照されうる。
また、増感色素として、ルテニウム錯体を使用してもよい。ここで、ルテニウム錯体としては、特に制限されず、公知のルテニウム錯体が使用できる。具体的には、下記化合物が好ましく使用される。また、下記実施例において、増感色素を下記記号にて規定する。
上記増感色素の他、例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物を使用してもよい。また、本発明に用いられるその他の増感色素としては、例えば、RuL2Cl2、RuL2(CN)2、ルテニウム535−bisTBA(Solaronics社製)、〔Ru2(NCS)222Oなどの金属錯体色素がある。ここで、RuL2Cl2とRuL2(CN)2のLは、2,2−ビピリジン、またはその誘導体を表す。さらに、前記金属錯体色素の他に、シアン系色素、アゾ系色素などの有機色素や、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、ラズベリー色素、ザクロ果汁色素、クロロフィル色素などの天然物由来の有機色素を使用することも可能である。
これらのうち、資源的制約、コスト、安定性などを考慮すると、上記一般式(3A)、一般式(3B)または一般式(3C)で表わされる化合物(有機色素)が好ましく使用される。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層であり、固体である(即ち、固体電荷輸送層である)。本発明に係る電荷輸送層は、正孔輸送材料としてのp型化合物半導体(電荷輸送剤)を主成分として構成されている。
電荷輸送剤としては、正孔の輸送能力が優れている芳香族アミン誘導体、導電性高分子が好ましい。このため、電荷輸送層を主として芳香族アミン誘導体、導電性高分子で構成することにより、光電変換効率をより向上させることができる。
芳香族アミン誘導体としては、特に、トリフェニルアミン誘導体を用いるのが好ましい。トリフェニルアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。また、モノマー、オリゴマーやプレポリマーは、比較的低分子量であることから、有機溶媒等の溶媒への溶解性が高い。このため、電荷輸送層を塗布法により形成する場合に、電荷輸送層材料の調製をより容易に行うことができるという利点がある。このうち、オリゴマーとしては、ダイマーまたはトリマーを用いるのが好ましい。
具体的な芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
導電性高分子は、下記化学式(A)で表される化合物または前記化合物の多量体を重合して形成される重合物(以下、単に「重合体」とも称する)を含有する。
上記化学式(A)中、
1およびY2は、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、−OR14基、−SR15基、−SeR16基、または−TeR17基を表わす。なお、Y1およびY2は、同一であってもまたは異なるものであってもよい。R14〜R17は、水素原子または炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐状のアルキル基を表す。ここで、Y1およびY2は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記Y1、Y2およびR14〜R17としての、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基は、特に制限されず、上記化学式(1)におけるアルキル基と同様である。
これらのうち、Y1およびY2としては、炭素数6〜18の直鎖もしくは分岐状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜18の直鎖のアルキル基がより好ましい。重合体が長鎖(例えば、炭素数6〜18の)アルキル基を有する場合には、当該アルキル基が自己凝集を阻害する官能基として作用して、自己凝集構造の形成を抑制できるため耐久性が向上できると推定される。
また、R14〜R17としては、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基が好ましい。
上記Y1およびY2としての、炭素数6〜24のアリール基としては、特に制限されないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、ピレニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基が好ましく、フェニル基、フルオレニル基がより好ましい。
1、Y2およびR14〜R17において、「炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素数6〜24のアリール基」中の水素原子の少なくとも一つは置換基で置換されていてもよい。
1、Y2およびR14〜R17において、置換基は、ハロゲン原子、各々置換もしくは非置換の、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜24のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜24のアルコキシ基、炭素数1〜24のアシル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数2〜24のアルケニル基、アミノ基、および炭素数2〜24のヘテロアリール基からなる群から選択される。
ここで、ハロゲン原子としは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子がある。
炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐状のアルキル基は、特に制限されず、上記化学式(1)におけるアルキル基と同様である。
炭素数1〜24のヒドロキシアルキル基としは、特に制限されないが、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基がある。
炭素数1〜24のアルコキシ基は、直鎖または分岐状のどちらであってもよく、特に制限されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、1−イソプロピルプロポキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−イソプロピルプロポキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル−1−イソプロピルブトキシ基、2−メチル−1−イソプロポキシ基、1−t−ブチル−2−メチルプロポキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基、n−ヘンエイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基がより好ましい。
炭素数1〜24のアシル基としては、直鎖または分岐状のどちらであってもよく、特に制限されないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐状のアシル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
炭素数6〜24のアリール基は、特に制限されず、上記Y1およびY2におけるアリール基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、直鎖または分岐状のどちらであってもよく、特に制限されないが、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、1−オクテニル基、3−オクテニル基、5−オクテニル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐状のアルケニル基が好ましく、1−プロペニル基がより好ましい。
上記Y1、Y2およびR14〜R17の置換基は、好ましくは、炭素数6〜18の直鎖のアルキル基であり、より好ましくは、n−オクチル基である。
上記化学式(A)で表される化合物の好ましい例としては、下記化合物(H1−1)〜(H1−7)が挙げられる。また、本発明では、導電性高分子として、下記化合物(H1−1)〜(H1−7)の部分構造を有する化合物が好ましく用いられる。ただし、本発明はこれらに限定されない。また、下記実施例において、導電性高分子を構成する重合体を下記記号にて規定する。
上記重合体の末端は特に制限されず、使用される原料(単量体、二量体、多量体など)の種類によって適宜規定されるが、通常、水素原子である。ここで、本発明に使用される重合体は、上記化学式(A)で表される化合物のみから形成されていてもよいし、上記化学式(A)で表される化合物および他の単量体から形成されていてもよい。好ましくは、上記化学式(A)で表される化合物のみから形成される。また、その際、重合体は、上記化学式(A)で表される単一種の化合物のみから形成されていてもよいし、上記化学式(A)で表される複数種の化合物から形成されていてもよい。
また、他の単量体としては、本発明に係る重合体の特性を阻害しないものであれば特に制限されず、公知の単量体が使用できる。具体的には、ピロール誘導体あるいはフラン誘導体、チアジアゾール等のモノマーやπ共役構造を有するモノマーなどが挙げられる。
本発明に使用される重合体は、上記化学式(A)で表される一種または二種以上の化合物またはこれらの化合物の多量体を、必要に応じて、その他のモノマーと共に、重合触媒としての金属錯体の存在下で、重合または共重合させる方法により、得ることができる。
ここで、上記化学式(A)で表される化合物としては、上記に例示した化合物(単量体)を使用することができる。上記に加えて、上記化学式(A)で表される化合物の二量体または三量体等の多量体化したもの(オリゴマー化した化合物;以後、一括して「多量体」とも称する)を、上記重合または共重合に使用しできる。
例えば、上記化合物(H1−1)〜(H1−7)の二量体(H2−1)〜(H2〜7)が好ましく使用されうる。これらのうち、(H2−1)が好ましい。すなわち、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)を含むことが特に好ましい。
このように二量体等の多量体を用いると、単量体を用いる場合に比して、重合体形成時の酸化電位が小さくなり、重合体の合成速度が短縮されて好ましい。これらの単量体のオリゴマー化した化合物は、例えば、J.R.Reynolds et.al., Adv. Mater., 11, 1379 (1999)に記載の方法または当該方法を適宜修飾した方法によって、合成することができる。また、上記単量体の二量体は、T.M.Swager et.al., Journal of the American Chemical Society, 119, 12568 (1997)に記載の方法または当該方法を適宜修飾した方法によって、合成することができる。
以下に、例えば、上記重合体の単量体(H1−1)の二量体である、3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)ダイマー(H2−1)の製造方法の好ましい例を記載する。ただし、本発明は、下記好ましい例に限定されるわけではなく、他の同様の方法または他の公知の方法を適用することができる。
(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)ダイマーの合成)
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を装着した1000mLのガラス製三口フラスコに、無水テトラヒドロフラン750mL、および3,4−エチレンジオキシチオフェン25g(0.15mol)を添加し、窒素気流下で撹拌しながらアセトン/ドライアイス浴中で内温が−70℃となるまで冷却する。この後、1.6mol/L n−ブチルリチウムヘキサン溶液113mL(0.18mol)をシリンジで5分間かけて反応系に滴下する。25分後、無水塩化銅23.5g(0.17mol)を添加し、そのまま3時間程度撹拌しながら反応させる。反応液を水10Lに添加し、生成物を濾過した後、乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:塩化メチレン)により精製することにより、PEDOTダイマー17.9g(収率:約72%)を黄白色結晶として得た。
<第二電極>
第二電極は、電荷輸送層と接して配置され、任意の導電性材料で構成されうる。絶縁性の物質でも、電荷輸送層に面している側に導電性物質層が設置されていれば、これも使用することができる。第二電極は、素子の電気抵抗を低減する等の観点から、電荷輸送層との接触が良好であることが好ましい。また、第二電極は、電荷輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定であることが好ましい。このような材料としては、特に制限されないが、金、銀、銅、アルミニウム、白金、クロム、ロジウム、ルテニウム、マグネシウム、インジウム等の金属薄膜、炭素、カーボンブラック、導電性高分子、導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)等の有機導電体などが挙げられる。好ましくは金などの金属薄膜である。ここで、第二電極の形成方法は、特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、蒸着法、溶液塗布法などが使用できる。好ましくは、蒸着法(例えば、真空蒸着法)が用いられる。また、第二電極の厚みは、特に制限されないが、10〜1000nmであることが好ましい。また、第二電極の表面抵抗値は、特に制限されず、可能な限り低い値であることが好ましい。具体的には、表面抵抗値は、80Ω/cm2以下であることが好ましく、20Ω/cm2以下であることがより好ましい。なお、第二電極の表面抵抗の下限は、可能な限り低いことが好ましいため、特に規定する必要はないが、0.01Ω/cm2以上であれば十分である。
また、第二電極は、上記金属薄膜をガラス基板上に形成させたものを用いることもできる。
<光電変換素子の作製方法>
本発明の光電変換素子は、一般式(1)の陰イオンを、光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で、光電変換層及び電荷輸送層中に存在させる方法であれば、いずれの方法によって、製造されてもよい。好ましくは、本発明の光電変換素子は、基板上に第一電極、光電変換層及び電荷輸送層を形成した後に、上記一般式(1)で示される陰イオンのアルカリ金属塩を250mM以上の濃度で、沸点が200℃以下である有機溶媒中に含む溶液で処理することによって、製造される。すなわち、本発明は、光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方を、下記一般式(1):
ただし、nは、1〜6の整数である、
で示される陰イオンのアルカリ金属塩を250mM以上の濃度で、沸点が200℃以下である有機溶媒中に含む溶液(以下、単に「アルカリ金属塩溶液」とも称する)で、電荷輸送層形成後に処理することを有する、本発明の光電変換素子の製造方法をも提供する。
より具体的には、本発明の光電変換素子は、(1)基板上に第一電極を形成して導電性支持体を得;(2)この導電性支持体上に必要であればバリア層を形成し;(3)導電性支持体またはバリア層上に光電変換層を形成し;(4)光電変換層に電荷輸送層を形成し;(5)光電変換層および/または電荷輸送層をアルカリ金属塩溶液で処理し;さらに(6)電荷輸送層上に第二電極を作製することによって、製造される。以下、上記好ましい方法を説明するが、本発明は下記形態に限定されるものではない。上記工程(1)および(2)は、上記第一電極およびバリア層の項で説明したのと同様の方法が適用できる。
(工程(3))
工程(3)では、光電変換層を導電性支持体またはバリア層上に形成する。光電変換層の作製方法は、特に制限されないが、通常、(3−1)導電性支持体上への半導体層の形成、および(3−2)半導体の増感処理に大別される。(3−1)において、半導体の材料が粒子状の場合には、半導体の分散液またはコロイド溶液(半導体含有塗布液)を導電性支持体に塗布あるいは吹き付ける方法、および半導体微粒子の前駆体を導電性支持体上に塗布し、水分(例えば、空気中の水分)によって加水分解後に縮合を行う方法(ゾル−ゲル法)等によって半導体層を形成することができる。上記2つの方法によって得られた半導体層は焼成することが好ましい。この場合、焼成後、半導体に水分が吸着する前に素早く増感色素による増感処理を行うことが好ましい。また、(3−1)において、半導体の材料が膜状であり、導電性支持体上に保持されていない場合には、半導体を導電性支持体上に貼合することによって半導体層を形成することができる。(3−2)の増感処理方法は、増感色素の半導体層への吸着等が挙げられる。
以下、本発明に好ましく用いられる光電変換層の作製方法について詳細に説明する。
(3−1)導電性支持体上への半導体層の形成
(3−1−1)半導体含有塗布液の調製
まず、半導体、好ましくは半導体の微粉末を含む塗布液(半導体含有塗布液)を調製する。当該半導体微粉末はその1次粒子径が微細であることが好ましい。1次粒子径としては、1〜5000nmであることが好ましく、2〜500nmであることがより好ましく、2〜100nmであることが特に好ましい。半導体含有塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができ、溶媒中に分散された半導体微粉末は1次粒子状で分散する。溶媒中の半導体微粉末の濃度は0.1〜70重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。
半導体含有塗布液に用いられうる溶媒としては、半導体微粉末を分散できるものであれば特に制約されず、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が用いられうる。前記有機溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール;メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。塗布液中には、必要に応じて、界面活性剤、酸(酢酸、硝酸など)、粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)、キレート剤(アセチルアセトンなど)を添加してもよい。なお、これらの有機溶媒は1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
(3−1−2)半導体含有塗布液の塗布
上記(3−1−1)によって調製した半導体含有塗布液を、導電性支持体上に塗布または吹き付け、乾燥等を行うことにより、半導体層が形成される。当該塗布は、特に制限されず、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法によって行われる。上記塗布または吹き付け、および乾燥によって得られた半導体層は、半導体微粒子の集合体からなるものであり、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応する。なお、半導体含有塗布液は2種以上の半導体材料を含むものであってもよいし、2種以上の半導体材料を用いて塗布または吹き付けを行い、層状構造の半導体層を形成してもよい。
(3−1−3)半導体層の焼成処理
上記(3−1−2)によって形成された半導体層は、空気中または不活性ガス中で焼成することが好ましい。焼成を行うことにより、(3−1−2)で形成された半導体層と導電性支持体との結合力および半導体微粒子同士の結合力を高め、機械的強度が向上しうる。焼成条件は、所望の実表面積や空孔率を有する半導体層を形成することができれば特に制限されない。焼成温度は、特に制限されないが、1000℃以下であることが好ましく、100〜800℃であることがより好ましく、200〜600℃であることが特に好ましい。また、基板がプラスチック等で耐熱性に劣る場合には、加圧により半導体微粒子−基板間および半導体微粒子どうしを固着させてもよいし、マイクロ波を用いて半導体層のみを焼成してもよい。焼成時間も特に制限されないが、10秒〜12時間であることが好ましく、1〜240分であることがより好ましく、10〜120分であることが特に好ましい。また、焼成雰囲気も特に制限されないが、通常、焼成工程は、大気中または不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素など)雰囲気中で行われる。なお、上記焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよいし、温度や時間を変化させて2回以上繰り返し行ってもよい。
焼成された半導体層の構造は、特に制限されないが、増感色素との吸着を効果的に行う観点から多孔質構造(空隙を有するポーラスな構造)であることが好ましい。よって、半導体層の空孔率(D)は、1〜90体積%であることが好ましく、10〜80体積%であることがさらに好ましく、20〜70体積%であることが特に好ましい。なお、半導体層の空孔率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空孔率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアサイザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。なお、半導体層が多孔質構造膜である場合には、電荷輸送層を構成する材料がこの空隙にも存在するように光電変換素子を製造することが好ましい。
焼成された半導体層の膜厚は、特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、500nm〜30μmであることがさらに好ましい。
得られた半導体層の見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体微粒子の粒径および比表面積、並びに焼成温度等により制御することができる。また、得られた半導体層は、焼成後、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行うことにより、半導体粒子の表面積および半導体粒子近傍の純度を制御し、色素から半導体粒子への電子注入効率を高めてもよい。
(3−2)増感色素による半導体の増感処理
増感色素による半導体の増感処理は、例えば、増感色素を適切な溶媒に溶解し、当該溶液中によく乾燥させた半導体層を長時間浸漬することによって行われる。当該増感処理によって、増感色素が半導体に吸着されうる。この際、半導体層が多孔質構造を有する場合には、浸漬前に減圧処理、加熱処理等の前処理を行い、膜中の気泡や空隙中の水分を除去することが好ましい。当該前処理によって、増感色素が半導体層内部にも吸着されうる。なお、増感処理は、増感色素含有溶液への半導体層の浸漬に限定されず、その他の公知の増感処理方法も適宜適用することができる。
増感処理条件は特に制限はないが、増感色素が半導体層に深く進入して吸着等が充分に進行できるような条件に設定することが好ましい。例えば、溶液中における増感色素の分解および分解物の半導体層への吸着を防止する観点から、増感処理の温度は、5〜100℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。また、増感処理の時間は、15分〜20時間であることが好ましく、3〜24時間であることがより好ましい。特に、室温(25℃)で2〜48時間、特に3〜24時間、増感処理を行うことが好ましいが、設定する温度によって増感処理の時間は適宜変更してもよい。また、増感処理の時間の短縮および半導体層の深部まで吸着させる観点から、減圧下または真空下で増感処理を行ってもよい。
増感色素を溶解するのに用いる溶媒は、増感色素を溶解することができ、かつ半導体を溶解させたり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はない。しかしながら、溶媒に溶解している水分および気体が半導体膜に進入して、増感色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、溶媒をあらかじめ脱気および蒸留精製しておくことが好ましい。増感色素の溶解において好ましく用いられる溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。これらのうち、アセトニトリル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランおよび塩化メチレン、並びにこれらの混合溶媒、例えば、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、アセトニトリル/エタノール混合溶媒、アセトニトリル/tert−ブチルアルコール混合溶媒、テトラヒドロフラン/アセトニトリル/メタノール混合溶媒、テトラヒドロフラン/アセトニトリル/エタノール混合溶媒、テトラヒドロフラン/アセトニトリル/tert−ブチルアルコール混合溶媒を用いることが好ましい。
増感処理を行う場合、増感色素を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。また他の増感色素(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いてもよいが、光電変換効率の観点から、本発明に係る増感色素のみを用いることが好ましい。本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように吸収波長の異なる2種以上の増感色素を混合して用いることが好ましい。2種以上の増感色素を用いる場合に、増感処理方法は、特に限定されず、各増感色素の混合溶液に半導体層を浸漬してもよいし、各増感色素を別々の溶液として準備し、順次に半導体層を浸漬してもよい。
得られた光電変換層において、半導体層1m2当たりの増感色素の総担持量は、特に制限されないが、0.01〜100ミリモルであることが好ましく、0.1〜50ミリモルであることがさらに好ましく、0.1〜20ミリモルであることが特に好ましい。
(工程(4))
工程(4)では、光電変換層に電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の形成方法は、特に制限されない。例えば、上記化学式(A)で表される化合物を重合することによって、電荷輸送層を形成できる。または、上記化学式(A)で表される化合物の重合体を適当な溶媒に溶解した溶液を塗布することによって、電荷輸送層を形成してもよい。
前者の方法において、重合方法としては、特に制限されず、例えば、特開2000−106223号公報に記載の方法など、公知の重合方法が適用できる。具体的には、重合触媒を用いる化学重合法、少なくとも作用極と対極とを備えて両電極間に電圧を印加することにより反応させる電解重合法、光照射単独あるいは重合触媒、加熱、電解等を組み合わせた光重合法等が挙げられる。これらのうち、電解重合法を用いた重合法が好ましく、より好ましくは電解重合法と光照射を組み合わせた光重合法である。電解重合法と光を照射して重合する光重合法を組み合わせて使用することにより、酸化チタン表面に緻密に重合体の層を形成できる。
電解重合法により重合体を得る場合は、重合体の合成がそのまま前記電荷輸送層の形成につながる。即ち、以下のような電解重合法が行われる。一般的には、重合体を構成するモノマー、支持電解質、および溶媒、ならびに必要に応じ添加剤を含む混合物を用いる。
前記化学式(A)で表される単量体または該単量体の多量体ならびに必要に応じて他のモノマーを、適当な溶媒に溶解し、これに支持電解質を添加して、電解重合溶液を作製する。
ここで、溶媒としては、支持電解質および上記単量体あるいはその多量体を溶解できるものであれば特に限定されないが、電位窓の比較的広い有機溶剤を使用することが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、トルエン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、プロピレンカーボネイト(炭酸プロピレン)、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、塩化メチレンのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒などが挙げられる。または、上記溶媒に、必要に応じて水やその他の有機溶剤を加えて混合溶媒として使用してもよい。また、上記溶媒は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
支持電解質としては、イオン電離可能なものが用いられ、特定のものに限定されないが、溶媒に対する溶解性が高く、酸化、還元を受けにくいものが好適に用いられる。具体的には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[(CF3SO22N])(LiTFSI)、(n−C494NBF4、(n−C494NPF4、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などの塩類が好ましく挙げられる。または、特開2000−106223号公報に記載されるポリマー電解質(例えば、同公報中のPA−1〜PA−10)を支持電解質として使用してもよい、また、上記支持電解質は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
電荷輸送層に添加しうる添加剤としては、例えば、N(PhBr)3SbCl6、NOPF6、SbCl5、I2、Br2、HClO4、(n−C494ClO4、トリフルオロ酢酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、FeCl3、AuCl3、NOSbF6、AsF5、NOBF4、LiBF4H1−3[PMo1240]、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)などのアクセプタードーピング剤、ホールをトラップしにくいバインダー樹脂、レベリング剤等の塗布性改良剤等の各種添加剤が挙げられる。上記添加剤は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
次いで、第一電極(透明導電膜)、バリア層および光電変換層を形成した基板をこの電解重合溶液に浸し、光電変換層6を作用電極として、白金線や白金板などを対極として用い、また、参照極としてAg/AgClやAg/AgNO3などを用いて、直流電解する方法で行われる。電解重合溶液中の前記単量体あるいはその多量体の濃度は、特に制限されないが、0.1〜1000mmol/L程度が好適であり、0.5〜100mmol/L程度がより好ましく、1〜50mmol/L程度が特に好ましい。また、支持電解質濃度は、0.01〜10mol/L程度が好適であり、0.1〜2mol/L程度がより好ましい。また、印加電流密度としては、0.01〜1000μA/cm2の範囲であることが望ましく、特に1〜500μA/cm2の範囲であることがより望ましい。保持電圧は、−0.5〜+0.2Vであることが好ましく、−0.3〜0.0Vであることがより好ましい。電解重合溶液の温度範囲は、その溶媒が固化・突沸しない範囲が適当であって一般に−30℃〜80℃である。なお、電解電圧、電解電流、電解時間、温度等の条件は、使用する材料によって左右されるため、また、要求する膜厚に応じて適宜選択することができる。
重合体の重合度の把握は、電解重合で得られた重合体では困難であるが、重合後形成された電荷輸送層の溶媒溶解性は大きく低下するため、重合体かどうかの確認方法としては、化学式(A)の化合物もしくは前記化合物の多量体の溶解が可能な溶媒である、テトラヒドロフラン(THF)に電荷輸送層を浸漬させ、その溶解度で判断できる。
具体的には、25mlのサンプル瓶に化合物(重合体)10mgをとり、THF 10mlを添加して、超音波(25kHz、150W 超音波工業(株)COLLECTOR CURRENT1.5A超音波工業製150)を5分間照射したときに、溶解している化合物が5mg以下の場合は重合していると規定する。
好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)に電荷輸送層を浸漬させた際の溶解度が0.1〜3mgである。
一方、重合触媒を用いて化学重合を行う場合には、例えば、前記化学式(A)で表される単量体またはその多量体等を以下のような重合触媒を用いて重合することができる。
重合触媒は、特に制限されないが、例えば、塩化鉄(III)(iron(III) chloride)、トリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)(iron(III)tris−p−toluenesulfonate)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III)p−dodecylbenzenesulfonate)、メタンスルホン酸鉄(III)(iron(III)methanesulfonate)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)(iron(III) p−ethylbenzenesulfonate)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)(iron(III)naphthalenesulfonate)およびその水和物等が挙げられる。
また、重合触媒に加えて、重合速度調整剤を化学重合に使用してもよい。重合速度調整剤としては、特に制限されないが、前記重合触媒における三価鉄イオンに対する弱い錯化剤があり、膜が形成できるように重合速度を低減するものであれば特に制限はない。例えば、重合触媒が塩化鉄(III)およびその水和物である場合には、5−スルホサリチル酸(5−sulphosalicylic acid)の様な芳香族オキシスルホン酸などが挙げられる。また、重合触媒がトリス−p−トルエンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、メタンスルホン酸鉄(III)、p−エチルベンゼンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)およびその水和物である場合には、イミダゾールなどが挙げられる。
上述したように、重合体は、合成された後、重合体を含有する塗布液などに含有されて光電変換層上に供給されてもよいが、光電変換層上で重合し、電荷輸送層を形成することが好ましい態様である。すなわち、単量体またはこれらの多量体の重合を、前記光電変換層上で行うことが好ましい。
この場合、上記化学式(A)の単量体またはその多量体等、支持電解質または重合触媒、重合速度調整剤、その他の添加剤、および溶媒を含有する電荷輸送層形成用溶液が用いられる。電荷輸送層形成用溶液の溶媒としては、電解重合溶液の溶剤として例示したものを使用することができる。
電荷輸送層形成用溶液における、上記各成分の合計の濃度は、用いる化学式(A)の単量体またはその多量体等、前記重合触媒、前記重合速度調整剤およびその他の添加剤のそれぞれの種類、その量比、塗布法に対する条件および望まれる重合後の膜厚により異なるが、概ねその質量濃度(固形分の濃度)は、1〜50重量%の範囲である。
前記電荷輸送層形成用溶液を光電変換層上に塗布法により塗布した後、あるいは、光電反感層を前記電荷輸送層形成用溶液に浸漬させたまま、重合反応を行なう。または、電荷輸送性高分子固体の溶液を塗布した後、乾燥させてもよい。
重合反応の条件は、用いる上記化学式(A)の単量体またはその多量体等、前記重合触媒、および前記重合速度調整剤のそれぞれの種類、その量比、濃度、塗布した段階での液膜の厚み、望まれる重合速度により異なるが、好適な重合条件としては、空気中加熱の場合の加熱温度が25〜120℃の範囲、加熱時間が1分〜24時間の範囲が好ましい。
塗布する方法としては、特に制限されず、公知の塗布方法が同様にしてまたは適宜修飾して使用できる。具体的には、ディッピング(浸漬)、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、米国特許第2681294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート、および米国特許第2761418号、同3508947号、同2761791号記載の多層同時塗布方法等の各種塗布法を用いることができる。また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。この場合の塗布回数は、特に制限されず、所望の電荷輸送層の厚みに応じて適宜選択できる。
電荷輸送層中の化学式(A)で表される化合物または前記化合物の多量体を重合して形成される重合物の含有量は、特に制限されない。正孔輸送特性、光電変換層の界面近傍で発生した励起子の消滅の抑制・防止能などを考慮すると、全単量体に対して、50〜100重量%であることが好ましく、さらに90〜100重量%であることが好ましい。
電荷輸送層の伝導度を高めるために、重合体は正孔ドープされることが好ましい。この際の、正孔ドープ量は、特に制限されないが、化学式(A)の化合物あたり、0.15〜0.66(個)であることが好ましい。
電解重合では、化学式(A)で表される化合物由来の構造を有する重合体に電場をかけて酸化することにより、正孔ドープされる。
また、可視光吸収率が低いと吸収による光の損失が少なく、光による劣化も抑えられることから、好ましい電荷輸送層としては吸光度が1.0以下が好ましい。また、重合体の重合度が高まると吸光度はやや高まり、好ましい正孔輸送能を有する重合度を出すためには、吸光度として、0.2以上の吸光度を示す重合度を有する電荷輸送層が好ましい。したがって、本発明に係る重合体は、400〜700nmでの吸光度(400〜700nmの波長領域での吸光度の平均値)(好ましくは、430nm以下の波長をカット)が0.2〜1.0であることが好ましい。
本明細書において、電荷輸送層(重合体)の吸光度は、電解重合前後での作用極の吸光度差を用いて規定され、この際、吸光度は、400〜700nmの波長領域での吸光度の平均値を意味する。吸光度は、分光光度計(JASCO V−530)を用いて測定される。作用極として、FTO導電性ガラス基板に形成した有効面積10×20mm2の酸化チタン薄膜に色素を吸着したものを用い、前述の電解重合溶液と同組成の溶液に浸漬し、対極を白金線、参照電極をAg/Ag+(AgNO3 0.01M)、保持電圧を−0.16Vとして、半導体層方向から光を照射しながら(キセノンランプ使用、光強度22mW/cm2、430nm以下の波長をカット)30分間電圧を保持して、化学式(A)の繰り返し単位を有する重合体を前記作用極上に形成して測定する。膜厚のばらつきの影響を補正するために、サンプルの膜厚を測定し、膜厚(μm)で除した値を用いる。膜厚測定は、Dektak3030(SLOAN TECHNOLOGY Co.製)にて測定される。
電荷輸送層の形成方法は、上記方法に制限されず、公知の製造方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。
(工程(5))
上記工程(5)では、光電変換層および/または電荷輸送層をアルカリ金属塩溶液で処理する。ここで、アルカリ金属塩は、上記定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、上記工程(4)において、支持電解質として、本発明に係るアルカリ金属塩の溶液で処理することもあるが、この場合であっても、本工程(5)において、光電変換層および/または電荷輸送層をアルカリ金属塩溶液で処理することによって、一般式(1)の陰イオンが、光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で、光電変換層及び電荷輸送層中に存在するように調節される。すなわち、本発明による陰イオン量は電荷輸送層形成後のアルカリ金属塩溶液におけるアルカリ金属塩の濃度に依存し、上記工程(4)での支持電解質溶液による処理は本発明による陰イオン量に実質的に影響を与えない。
アルカリ金属塩溶液は、アルカリ金属塩を、沸点が200℃以下である有機溶媒中に溶解することによって調製される。ここで、有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、プロピレンカーボネイト、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、塩化メチレンなどが挙げられる。ここで、上記溶媒は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。または、上記溶媒に、必要に応じて水やその他の有機溶剤を加えて混合溶媒として使用してもよい。なお、有機溶媒が混合物である場合の、有機溶媒の混合物の沸点は、各有機溶媒の沸点を体積比で算出した値として規定される。例えば、クロロベンゼン(沸点=132℃)およびアセトニトリル(沸点=81℃)の17:3(体積比)の混合溶媒の沸点は、約124℃(=132×17/20+81×3/20)と算出される。このため、有機溶媒自体の沸点が200℃を超えるものであっても、混合後の有機溶媒の沸点が200℃以下であればよい。ここで、アルカリ金属塩の量(濃度)は、アルカリ金属塩溶液のアルカリ金属塩濃度に加えて、処理溶液の沸点によって調製できる。詳細には、同濃度のアルカリ金属塩溶液を用いた場合であっても、低沸点の溶媒を用いる場合には、乾燥揮発時に光電変換層及び電荷輸送層の多孔質内部での溶媒蒸発と溶媒蒸発時に生じる空隙への溶液の流入とが繰り返される。このため、光電変換層及び電荷輸送層でのアルカリ金属塩の量(濃度)は、低沸点の溶媒を用いると、高沸点の溶媒を用いる場合に比べて、増加する傾向がある。このため、光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、有機溶媒の沸点は、60〜190℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましく、90〜160℃であることが特に好ましい。
また、アルカリ金属塩溶液中のアルカリ金属塩の濃度は、250mM以上である。ここで、当該濃度が250mM未満であると、アルカリ金属塩は光電変換層や電荷輸送層中の成分(例えば、電荷輸送性高分子固体)に物理的に弱い力で吸着しているだけであるため、たとえ上記工程(4)において高濃度の支持電解質(アルカリ金属塩)の溶液で処理したとしても、平衡反応により、当該工程(5)でアルカリ金属塩が容易に溶出してしまう。このため、1.30μmol/mm3以上という一般式(1)の陰イオン量は達成できない。光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能の向上効果などを考慮すると、アルカリ金属塩溶液中のアルカリ金属塩の濃度は、300mMを超え10,000mM以下であることが好ましく、400〜8,000mMであることがより好ましく、500〜5000mMであることが特に好ましい。
光電変換層および/または電荷輸送層のアルカリ金属塩溶液による処理方法は、特に制限されず、光電変換層および/または電荷輸送層にアルカリ金属塩溶液を塗布する方法が好ましい。ここで、塗布方法としては、特に制限されず、公知の塗布方法が同様にしてまたは適宜修飾して使用できる。具体的には、ディッピング(浸漬)、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、米国特許第2681294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート、および米国特許第2761418号、同3508947号、同2761791号記載の多層同時塗布方法等の各種塗布法を用いることができる。また、このような塗布工程は、繰り返し行ってもよい。この場合の塗布回数は、特に制限されず、所望の陰イオン量に応じて適宜選択できる。
光電変換層および/または電荷輸送層のアルカリ金属塩溶液による処理条件は、所望の陰イオン量が達成できる条件であれば特に制限されないが、十分平衡反応になるような条件であることが好ましい。これにより、十分な量のアルカリ金属塩が光電変換層および/または電荷輸送層に存在できる。具体的には、例えば、光電変換層および/または電荷輸送層をアルカリ金属塩溶液で浸漬により処理する場合では、浸漬温度は、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは15〜60℃である。また、浸漬時間は、好ましくは10分〜24時間であり、より好ましくは20分〜6時間である。また、例えば、光電変換層および/または電荷輸送層をアルカリ金属塩溶液で塗布により処理する場合では、上記したような陰イオン量となるように塗布後、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜80℃の温度で、好ましくは10分〜24時間、より好ましくは20分〜6時間、乾燥する。このような条件であれば、平衡反応となり、十分量のアルカリ金属塩を光電変換層および/または電荷輸送層中に存在できる。このため、得られる光電変換素子は、優れた光電変換性能、特に低照度条件(1mW/cm2以下)での光電変換性能を発揮できる。
なお、アルカリ金属塩溶液は、アルカリ金属塩に加えて、他の成分を含んでもよい。ここで、他の成分としては、上記したような支持電解質、N(PhBr)3SbCl6、NOPF6、SbCl5、I2、Br2、HClO4、(n−C494ClO4、トリフルオロ酢酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、FeCl3、AuCl3、NOSbF6、AsF5、NOBF4、LiBF4H1−3[PMo1240]、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等のアクセプタードーピング剤、ホールをトラップしにくいバインダー樹脂、レベリング剤等の塗布性改良剤等の各種添加剤などが挙げられる。上記他の成分は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。なお、他の成分を使用する場合の他の成分の添加量は、アルカリ金属塩による効果を阻害しない量であれば、特に制限されない。具体的には、他の成分を使用する場合の他の成分の添加量は、アルカリ金属塩に対して、0.1〜10重量%程度でありうる。
(工程(6))
工程(6)では、電荷輸送層(一体化している場合には、光電変換層)上に第二電極を形成する。ここで、第二電極の作製方法は、特に制限されず、上記第二電極の項で説明したのと同様の方法が適用できる。
以上のような構成を有する光電変換素子は、基板の外側から光が照射されると、素子内部の光電変換層の半導体層に担持された増感色素が励起されて電子を放出する。励起された電子は、半導体に注入され、バリア層を通じて第一電極に移動する。第一電極に移動した電子は、外部回路を通じて第二電極に移動し、電荷輸送層に供給される。そして、(電子を放出して)酸化された増感色素は、電荷輸送層から電子を受け取り、基底状態に戻る。このようなサイクルを繰り返すことで、光が電気に変換される。
本発明に係る光電変換素子では、一般式(1)の陰イオンが、光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で、光電変換層及び電荷輸送層中に存在する。この陰イオン(さらには対イオン)が光電変換層中の増感色素間の空隙及び電荷輸送層中の電荷輸送性高分子固体間の空隙に多量に存在する。光照射時にはn型半導体の表面は負に帯電するので、対イオン(陽イオン)はn型半導体表面に引き寄せられて、n型半導体表面で形成された電気二重層が半導体界面からの漏れ電流を大幅に低減する。ゆえに、本発明の光電変換素子は、低照度条件であっても、優れた光電変換特性を発揮できる。
<太陽電池>
本発明に係る光電変換素子は、太陽電池に特に好適に使用することができる。したがって、本発明は、上述の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池をも提供する。
本発明に係る光電変換素子は、色素増感型の太陽電池(セル)として用いられうる。すなわち、本発明に係る太陽電池は、例えばインターコネクタにより電気的に接続された複数の太陽電池セル(本発明に係る光電変換素子)と、それを挟持する一対の保護部材と、一対の保護部材と複数の太陽電池との間の隙間に充填された封止樹脂とを有する。一対の保護部材のうちの一方は、前述の光電変換素子の基板となる。一対の保護部材は両方が透明であってもよいし、一方のみが透明であってもよい。
本発明に係る太陽電池の構造の例には、Z型モジュール、W型モジュールが含まれる。Z型モジュールは、対向する一対の保護部材のうち、一方の保護部材に複数の色素を担持した多孔質な半導体層を、他方の基板に複数の電荷輸送層を形成し、これらを貼り合わせた構造を有する。W型モジュールは、保護部材のそれぞれに一つおきに色素を担持した多孔質な半導体層および電荷輸送層の積層体を形成し、セルが互い違いとなるように貼り合わせた構造を有する。
本発明に係る太陽電池に、太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体に担持された増感色素は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。励起によって発生した電子は半導体に移動し、次いで導電性支持体および外部負荷を経由して第二電極に移動して、電荷輸送層の正孔輸送性材料に供給される。一方、半導体に電子を移動させた増感色素は酸化体となっているが、第二電極から電荷輸送層の重合体を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷輸送層の重合体は酸化されて、再び第二電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた太陽電池を構成することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、特記しない限り、「%」は「重量%」を意味し、下記各操作は室温(25℃)で行われる。
〔実施例1:光電変換素子SC−1の作製〕
表面抵抗9Ω/cm2(Ω/□)の市販のフッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板(FTOの塗布量:7g/m2 基板、第一電極の厚み:0.9μm、導電性支持体の厚み:1.1mm)を導電性支持体とした。これを、アルカリ洗剤(関東化学株式会社製 シカクリーン(Cica Clean) LX−3)/超純水=10/90(体積比)洗浄液に超音波を照射しながら15分間で洗浄した。その後超純水で洗浄した。洗浄液での洗浄と超純水での洗浄を3回繰り返した。その後、合成石英ガラス紫外線ランプを用いて、UV/オゾン洗浄を15分間実施した。
この洗浄基板(導電性支持体)に、バリア層として、チタンオクチレングリコレート([(C817O)2Ti(O28172]、ORGATIX TC−200、マツモトファインケミカル株式会社製)の1−ブタノール4倍希釈溶液をインクジェット法により塗布した。120℃で3分間加熱して乾燥させた後、450℃で10分間焼成を行い、膜厚60nmの酸化チタン層(バリア層;空孔率C=1体積%)を得た。
この上に、酸化チタンペースト(平均粒径=18nm:PST−18NR、日揮触媒化成株式会社製)をスクリーン印刷法により一辺7mmの正方形状に塗布した。120℃で3分間加熱してペーストを乾燥させた後、450℃で20分間焼成を行い厚さ5μmの多孔質酸化チタン層(半導体層;空孔率D=50体積%)を得た。
増感色素(D−10)及び増感色素に対して10当量のケノデオキシコール酸をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1(体積比)の混合溶媒に溶解し、増感色素濃度5×10-4モル/Lの溶液を調製した。上記多孔質酸化チタン層(半導体層)を担持したFTO基板(導電性支持体)を、この溶液に室温(25℃)で3時間浸漬して、増感色素の吸着処理を行い、半導体層中の半導体に増感色素を担持させることにより光電変換層(増感色素の総担持量:半導体層1m2当たり1.1ミリモル)を得た。
前記半導体電極を、ビス−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を0.03(モル/l)の割合で含有し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[LiTFSI]を0.05(モル/l)の割合で含有するアセトニトリル:炭酸プロピレン=1:1(体積比)混合溶媒溶液(電解重合溶液)に浸漬した。この際、電解重合溶液の温度は、25℃に調節した。作用極を前記半導体電極、対極を白金線、参照電極をAg/Ag+(AgNO3 0.01M)、保持電圧を−0.3Vとした。電解開始時の電流密度は100μA/cm2であり終了時の電流密度2μA/cm2であった。半導体層方向から光を照射しながら(キセノンランプ使用、光強度32mW/cm2、520nm以下の波長をカット)15分間電圧を保持して、前記半導体電極表面に電荷輸送層としてポリ(エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT]層(厚み=5.7μm)を形成した。得られた半導体電極/電荷輸送層をアセトニトリルで洗浄、乾燥した。なお、ここで得られた電荷輸送層は、溶媒には不溶の重合膜になっている。
LiTFSIを500×10-3(モル/l)、4−tert−ブチルピリジンを15×10-3(モル/l)の割合で含有するクロロベンゼン[PhCl]:アセトニトリル[AN]=17:3(体積比)混合溶媒(沸点=124℃)溶液に30分間浸漬した。
その後、半導体電極/電荷輸送層を自然乾燥後、さらに真空蒸着法により金を60nm蒸着し、第二電極を作製した。さらに第二電極を覆うようにして熱接着樹脂フィルム(ニュクレル)ならびにガラス板(厚さ0.7mm)を乗せ、窒素雰囲気下で押圧しながら120℃で10分間加熱して接着し、光電変換部分の封止を行い、光電変換素子SC−1を得た。
〔実施例2〜7:光電変換素子SC−2〜7の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の作製条件(LiTFSIの濃度及び溶媒の種類)を下記表1に記載の条件に変更したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−2〜7を作製した。なお、下記表1中、「3−MPN」は、3−メトキシプロピオニトリルを示し、「PhCN」は、ベンゾニトリルを示す。
〔実施例8〜10:光電変換素子SC−8〜10の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の作製工程において、LiTFSIの代わりに、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド[n=2:実施例8]、リチウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド[n=3:実施例9]またはリチウムビス(トリデカフルオロヘキサンスルホニル)イミド[n=6:実施例10]を用いたこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−8〜10を作製した。
〔実施例11:光電変換素子SC−11の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、増感色素(D−10)の代わりに、増感色素(E−2)を使用したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−11を作製した。
〔実施例12〜13:光電変換素子SC−12〜13の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、半導体層の作製工程において酸化チタンペーストの代わりに、酸化亜鉛ペースト(平均粒径=34nm、CIKナノテック株式会社製、NanoTek(登録商標))(実施例12)または酸化スズペースト(平均粒径=21nm、CIKナノテック株式会社製、NanoTek(登録商標))(実施例13)を使用したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−12〜13を作製した。
〔実施例14〜15:光電変換素子SC−14〜15の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の作製工程において、LiTFSIの代わりに、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(実施例14)またはカリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(実施例15)を使用したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−14〜15を作製した。
〔実施例16:光電変換素子SC−16の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、下記のようにして電荷輸送層を半導体電極上に形成したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−16を作製した。すなわち、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)の1(w/v)%トルエン溶液をスピンコート法により半導体電極に塗布した後、乾燥して、半導体電極表面に電荷輸送層としてポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)層(厚み=5.7μm)を形成した。
〔比較例1:光電変換素子SC−17の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の濃度を15×10-3モル/lに変更したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−17を作製した。
〔比較例2:光電変換素子SC−18の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の溶媒をブチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[BMI−TFSI]に変更し、LiTFSIの濃度を200×10-3モル/lに変更したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−18を作製した。
〔比較例3:光電変換素子SC−19の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の溶媒を炭酸プロピレン[PC]に変更し、LiTFSIの濃度を25×10-3モル/lに変更したこと以外は実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−19を作製した。
〔比較例4:光電変換素子SC−20の作製〕
特開2012−243549号公報の実施例1に記載の方法に準じて、光電変換素子を作製した。すなわち、実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液を、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[TOMA−TFSI]を1.0(モル/l)、LiTFSIを0.20(モル/l)、4−tert−ブチルピリジンを0.20(モル/l)の割合で含有するPhCl:AN=2:1混合溶媒溶液に変更したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−20を作製した。
〔比較例5:光電変換素子SC−21の作製〕
実施例1における光電変換素子SC−1の作製において、LiTFSI浸漬溶液の作製工程において、LiTFSIの代わりに、過塩素酸リチウムを使用し、過塩素酸リチウムの濃度を100×10-3モル/lに変更したこと以外は、実施例1に記載された方法と同様にして、光電変換素子SC−21を作製した。
このようにして得られた光電変換素子SC−1〜SC−21について、下記方法に従って、性能を評価した。
〔光電変換素子の評価〕
LED照明スタンド(コニカミノルタ社製)照射下、酸化物半導体電極(光電変換電極)に5×5mm2のマスクをかけた条件下で光電変換特性の測定を行った。試料はスタンド発光面から30cmの距離に設置し、この位置での入射光強度は0.59mW/cm2であった。
光電変換素子SC−1〜SC−21について、I−Vテスターを用いて室温(25℃)にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、光電変換素子の光電変換効率(η(%))は下記式(A)に基づいて算出した。
ここで、Pは入射光強度[mW・cm-2]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm-2]、F.F.は形状因子を示す。下記表2には、LED照明スタンド照射下(強度0.59mW/cm2)での光電変換特性を示す。
光電変換素子SC−1〜SC−21の作製条件を下記表1に要約する。また、光電変換素子SC−1〜SC−21の性能評価結果を下記表2に要約する。
表1に示される結果から、一般式(1)で示される陰イオンを、光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含有する本発明の光電変換素子(SC−1〜SC−16)は、本発明の範囲から外れる光電変換素子(SC−17〜21)と比較すると、開放電圧、短絡電流、変換効率のいずれにおいても優れた値を示すことが分かる。特に、電荷輸送層がPEDOTであり、一般式(1)で示される陰イオンのアルカリ金属塩としてリチウム塩を用い、n型半導体として酸化チタンを用いたもの(SC−1〜SC−11)はいずれも変換効率が5%を超えており好ましく、さらに、リチウムイオンの含有量が1.60μmol/mm3以上であるSC−1〜SC−3、SC−5およびSC−7〜SC−11はいずれも変換効率が6%を超えており特に好ましい。
以上の結果より、電荷輸送層中に一般式(1)で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含み、前記アルカリ金属イオンが、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して1.30μmol/mm3以上含有する本発明の光電変換素子は、半導体電極界面に十分な量の電気二重層を構築することが可能なため界面での漏れ電流を抑えることができ、特に低照度条件下において光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を提供できると、考察される。
1 基板、
2 第一電極、
3 バリヤ層、
4 増感色素、
5 n型半導体、
6 光電変換層、
7 電荷輸送層、
8 第二電極、
9 太陽光の入射方向、
10 光電変換素子、
21 アルカリ金属塩由来の陽イオン、
22 アルカリ金属塩由来の陰イオン、
23 電荷輸送性高分子固体、
24 残留溶媒分子。

Claims (6)

  1. 基板、第一電極、n型半導体および増感色素を含有する光電変換層、電荷輸送層、ならびに第二電極を有する光電変換素子において、
    前記電荷輸送層が固体電荷輸送層であり、
    前記光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方が、下記一般式(1):
    ただし、nは、1〜6の整数である、
    で示される陰イオンのアルカリ金属塩を含み、
    前記陰イオンが、前記光電変換層及び電荷輸送層の合計体積に対して、1.30μmol/mm3以上の量で含まれる、光電変換素子。
  2. 前記電荷輸送層がポリ(エチレンジオキシチオフェン)を含む、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記アルカリ金属塩がリチウム塩である、請求項1および2に記載の光電変換素子。
  4. 前記n型半導体が酸化チタンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 光電変換層および電荷輸送層の少なくとも一方を、下記一般式(1):
    ただし、nは、1〜6の整数である、
    で示される陰イオンのアルカリ金属塩を250mM以上の濃度で、沸点が200℃以下である有機溶媒中に含む溶液で、電荷輸送層形成後に処理することを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子を有する、太陽電池。
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