JP2009043980A - 光電変換素子とその製造方法及び光電変換素子を用いた太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明絶縁支持体1に設けられた透明電極2上に、ホールブロッキング層3と、ホール輸送機能を持つ特定の構成単位を有する高分子材料及び電子輸送機能を持つ特定構造の有機色素を含有する塗工液を塗布、乾燥して形成した光電変換層4と、電極5を順次設けて光電変換素子とする。この光電変換素子を用いて太陽電池を構成する。
【選択図】図1
Description
この素子は、開放電圧(Voc)は大きくとれるが、電極として金属材料が用いられているため、電極の光透過率が低くなる。実際の光透過率は、よくても30%、通常は10%前後である。また、これらの材料は耐酸化性に乏しい。従って、この素子形態では高い変換効率と、安定した特性を作り出すことは望めない。
この素子は、電荷生成が主として有機層でなされるため、分光感度の制限を受ける。通常、有機層は単一の材料から形成されるが、幅広く光を吸収する有機半導体が存在しないからである。従って、この素子構成では光入射電極の光透過性や、電極の安定性の問題はクリアできるが、分光感度領域が狭いため、高い変換効率は望めない。
この素子の場合には透明電極からの光照射が行え、また、2種の材料で光電荷生成が可能であるため、分光感度も広げることができる。
しかしこの素子構成においても、未だ電子供与性有機物と電子受容性有機物との組合せの最適化は十分とはいえず、さらなる光電変換効率の向上が求められる。また、用いられる材料が低分子化合物であるため、素子作成プロセスにおいては蒸着プロセスが主となり、多量生産や大面積化が容易ではないという課題も残されている。
〔1〕無機半導体を用いたもの(例えば、非特許文献6、7参照)。
〔2〕低分子有機ホール輸送材料を用いたもの(例えば、特許文献4、非特許文献8、9参照)。
〔3〕導電性高分子を用いたもの(例えば、特許文献5、非特許文献10参照)。
そこで、非特許文献4においては、イミダゾリニウム塩を加えることによってヨウ化銅の結晶化を抑制しているが、長期安定性に欠け、更なる耐久性向上が求められている。
また、特許文献5記載のポリチオフェン誘導体を用いた固体型太陽電池は、色素を吸着した多孔質酸化チタン電極上で、電解重合法を用いて電荷移動層を設けているが、色素の酸化チタンからの脱着や、あるいは色素の分解を生じる問題がある。また、ポリチオフェンは先にも述べたように耐久性に問題がある。そして、高分子は多孔質酸化チタン内部への浸透が難しいという問題もある。
以上、これまでに検討されてきた完全固体型の光電変換素子は、何れも満足いく特性のものが得られていないのが現状である。
n、m、qは0から2の整数を表す。]
式(A−6)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基を表す。Ar8は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。X5は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。R14は水素原子、4級アンモニウム塩を表す。
式(A−7)中、R15、R16は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R16とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。R17は、水素原子、4級アンモニウム塩を表す。X6は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。Ar9は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。sは0〜2の整数を表す。
式(A−8)中、R18、R19は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R19とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。Ar10は2価の不飽和炭化水素基を表す。R20は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。X7は酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。X8は酸素原子、硫黄原子、ローダニン環を表す。]
〔2〕:上記〔1〕に記載の光電変換素子において前記一般式(A−1)が、下記一般式(A−9)で表されることを特徴とする。
x、y、zは1から3の整数を表す。]
u、x、yは1から3の整数を表す。]
n、m、qは0から2の整数を表す。]
式(A−6)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基を表す。Ar8は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。X5は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。R14は水素原子、4級アンモニウム塩を表す。
式(A−7)中、R15、R16は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R16とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。R17は、水素原子、4級アンモニウム塩を表す。X6は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。Ar9は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。sは0〜2の整数を表す。
式(A−8)中、R18、R19は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R19とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。Ar10は2価の不飽和炭化水素基を表す。R20は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。X7は酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。X8は酸素原子、硫黄原子、ローダニン環を表す。]
x、y、zは1から3の整数を表す。]
u、x、yは1から3の整数を表す。]
本発明の太陽電池によれば、上記優れた光電変換効率を有し、耐久性や分光感度などの特性も良好な光電変換素子を用いるため、高効率化が図れ、長期使用においても安定した性能が得られ、各種電子装置や電気機器の電源装置に好適に適用可能である。
本発明の光電変換素子の製造方法によれば、湿式法により容易に皮膜形成(光電変換素子を構成する膜)が可能であり、ピンホールなどが生じにくく、多量生産や大面積化を可能とするため、コストパフォーマンスに優れている。この製造方法により得られる光電変換素子を用いれば各種電気機器や器具の電源装置として有用な太陽電池が提供される。
本発明に係る光電変換素子の構造は、例えば、図1、図2に示す形態で使用される。すなわち、図1は、本発明に係る光電変換素子の構成例を模式的に示す概略断面図である。また、図2は、本発明に係る光電変換素子の別の構成例を模式的に示す概略断面図である。
図1においては、透明絶縁支持体1の上に、透明電極2、ホールブロッキング層3、光電変換層4および電極(背面電極)5を積層し、透明電極2と電極5とにそれぞれリード線6を取り付けたものである。図2では、上記図1に示した光電変換層4と電極(背面電極)5との間にホール輸送層7を設けたものである。図1及び図2における各光電変換層4には、ホール輸送機能を持つ特定の構成単位を有する高分子材料と、電子輸送機能を持つ特定構造の有機色素とを含んでいる。
n、m、qは0から2の整数を表す。]
式(A−6)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基を表す。Ar8は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。X5は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。R14は水素原子、4級アンモニウム塩を表す。
式(A−7)中、R15、R16は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R16とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。R17は、水素原子、4級アンモニウム塩を表す。X6は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。Ar9は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。sは0〜2の整数を表す。
式(A−8)中、R18、R19は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R19とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。Ar10は2価の不飽和炭化水素基を表す。R20は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。X7は酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。X8は酸素原子、硫黄原子、ローダニン環を表す。]
x、y、zは1から3の整数を表す。]
u、x、yは1から3の整数を表す。]
例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、ITOと称す。)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称す。)、酸化亜鉛、酸化チタンインジウム・ガリウム・亜鉛酸化物等が挙げられる。これら透明導電性物資の厚さは0.005〜10μmが好ましく、0.01〜2μmが更に好ましい。また、透明電極は一定の強度を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、例えば、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが用いられる。
また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。これらは単独あるいは2種以上の混合、または積層したものでも構わない。また基板の抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いても構わない。金属リード線の材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
金属のカルコゲニドとしては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。
また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。また、PEDOT−PSSのような導電性高分子を挙げることもできる。
例えば、このペーストを用いて塗膜を形成する(湿式製膜法)場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
ここで、高分子材料と色素化合物の混合比は、高分子材料1質量部に対して、色素化合物が0.001質量部以上、5.0質量部以下が好ましく、0.01質量部以上、2.0質量部以下がより好ましい。色素化合物が単独であっても2種以上の混合物であっても構わない。
溶剤は単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。湿式成膜法としては、スピンコート法、ディッピング法、ブレード塗工法、スプレー塗工法、キャスト法、インクジェット法、印刷法等の公知の湿式成膜技術を用いることができる。
金属化合物の具体例としては、ヨウ素、リチウム、ナトリウム、銅、銀、金、白金などの金属、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫化物、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物などが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩等のInorg. Chem. 35 (1996) 1168に記載のイオン液体が挙げられる。
塩基性化合物としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール等の塩基性化合物が挙げられる。
併用する高分子材料としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリ-γ-カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体(例えば、特開平9−127713号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(例えば、特開平9−297419号公報に記載)、ブタジエン誘導体(例えば、特開平9−80783号公報に記載)、水素化ブタジエン(例えば、特開平9−80784号公報に記載)、ジフェニルシクロヘキサン誘導体(例えば、特開平9−80772号公報に記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(例えば、特開平9−222740号公報に記載)、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体(例えば、特開平9−265197号、同9−265201号公報に記載)、スチルベン誘導体(例えば、特開平9−211877号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘導体(例えば、特開平9−304956号、同9−304957号公報に記載)、レゾルシン誘導体(例えば、特開平9−329907号公報に記載)、トリアリールアミン誘導体(例えば、特開昭64−9964号公報、特開平7−199503号公報、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報、特開平8−253568号公報、特開平8−269446号公報、特開平3−221522号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−183719号公報、特開平4−124163号公報、特開平4−320420号公報、特開平4−316543号公報、特開平5−310904号公報、特開平7−56374号公報、特開平8−62864号公報、米国特許5,428,090号明細書、同5,486,439号明細書に記載)などが挙げられる。
低分子型電子供与性有機材料としては公知のものを用いることができ、この低分子電子供与性有機材料も単独または2種類以上の混合物として用いることができる。従来公知の低分子電子供与性有機材料としては、α−フェニルスチルベン誘導体(例えば、特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(例えば、特開昭55−154955号公報、同55−156954号公報、同55−52063号公報、同56−81850号公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(例えば、特公昭5−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(例えば、特開昭51−94829号公報に記載)、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(例えば、特開昭52−139065号公報、同52−139066号公報に記載)、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(例えば、特開平3−285960号公報に記載)、ベンジジン誘導体(例えば、特公昭58−32372号公報に記載)、スチリル誘導体(例えば、特開昭56−29245号公報、同58−198043号公報に記載)、カルバゾール誘導体(例えば、特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(例えば、特開平2−94812号公報に記載)などが挙げられる。
背面電極材料の具体例としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ等の炭素系化合物、ITO、FTO等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子が挙げられる。背面電極層の膜厚には特に制限はなく、また単独あるいは2種以上の混合で用いても構わない。背面電極の塗設については、用いられる材料の種類やホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
下記反応式(I)に沿って、以下の条件で高分子材料(例示化合物B−02)を合成した。
下記反応式(II)に沿って、以下の条件で高分子材料(例示化合物C−49)を合成した。
析出物を水洗し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製を行い、高分子材料(例示化合物C−49)を3.75g得た。収率92%であった。
チタニウムテトラ−n−プロポキシド(2ml)、酢酸(4ml)、イオン交換水(1ml)、2−プロパノール(40ml)を混合し、よく洗浄したFTOガラス(日本板ガラス製、10Ω/□)上にスピンコートし、室温で乾燥後、空気中450℃で30分間焼成してホールブロッキング層を形成した。次いで、合成した例示化合物B−02(50.0mg)、及び例示化合物C−47(1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を混合し、ホールブロッキング層上にスピンコートし、室温で乾燥後、真空乾燥機で120℃、15分間加熱乾燥して光電変換層を形成した。その上に、金を蒸着した。仕事面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けて素子を作製した。
実施例1における例示化合物を、下記表1に記載の例示化合物に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。評価結果を下記表1に示す。なお、例示化合物C−03はペクセルテクノロジー製のものを使用した。
実施例1における高分子材料(例示化合物B−02)と色素化合物(例示化合物C−47)の添加量を、下記表2に記載の添加量に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。評価結果を下記表2に示す。なお、実施例1の結果も併せて表2に示す。
実施例1における高分子材料(例示化合物B−02)を、ポリ−3−n−ヘキシルチオフェン(アルドリッチ製)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.41V、Jsc=1.60mA/cm2、ff=0.44となりη=0.38%であり、本願発明品と比べて低い変換効率であった。結果を下記表3にまとめて示す。
実施例1における色素化合物(例示化合物C−47)を、下記構造式(III)で示される化合物、エオシンY(東京化成製)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.70V、Jsc=0.88mA/cm2、ff=0.40となりη=0.33%であり、本願発明品と比べて低い変換効率であった。
実施例1における色素化合物(例示化合物C−47)を、下記構造式(IV)で示される化合物、ペリレン化合物(自社合成品)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.63V、Jsc=0.48mA/cm2、ff=0.39となりη=0.16%であり、本願発明品と比べて低い変換効率であった。結果を下記表3にまとめて示す。
実施例1における色素化合物(例示化合物C−47)を、銅フタロシアニン(東京化成製)に変更した以外は同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.61V、Jsc=1.1mA/cm2、ff=0.38となりη=0.31%であり、本願発明品と比べて低い変換効率であった。結果を下記表3にまとめて示す。
実施例1における色素化合物(例示化合物C−47)を、フラーレンC60(東京化成製)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.64V、Jsc=0.99mA/cm2、ff=0.43となりη=0.36%であり、本願発明品と比べて低い変換効率であった。結果を下記表3にまとめて示す。
実施例1における高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を、高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、3.0mg)、ヨウ化銅(1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.70V、Jsc=2.5mA/cm2、ff=0.53となりη=1.24%と良好な値が得られた。
実施例21におけるヨウ化銅(1.0mg)を、ヨウ化カリウム(1.0mg)に変更した以外は実施例21と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.70V、Jsc=2.45mA/cm2、ff=0.52となりη=1.19%と良好な値が得られた。
実施例1における高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を、高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、3.0mg)、ヨウ化銅(1.0mg)、4−t−ブチルピリジン(2.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.75V、Jsc=2.5mA/cm2、ff=0.52となりη=1.30%と良好な値が得られた。
実施例1における高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を、高分子材料(例示化合物B−02、50.0mg)、色素化合物(例示化合物C−47、3.0mg)、ヨウ化リチウム(1.0mg)、4−t−ブチルピリジン(2.0mg)、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリニウムヨウ素(1.5mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、変換効率を評価した。光電変換特性は、Voc=0.73V、Jsc=2.7mA/cm2、ff=0.52となりη=1.37%と良好な値が得られた。
実施例1で作製した光電変換素子と同一条件で作製した素子を、3つ直列に接続した。接続した素子はアラルダイドを用いて封止を行った。光電変換特性は実施例1と同様にして測定した。その結果、Voc=2.34V、Jsc=1.85mA/cm2、であり、直列に接続しても特性の低下は観測されなかった。
PEDOT-PSS溶液(アルドリッチ製)を、よく洗浄したFTOガラス(日本板ガラス製、10Ω/□)上にスピンコートし、室温で乾燥後、真空中120℃で30分間乾燥してホールブロッキング層を形成した。次いで、例示化合物B−02(50.0mg)、例示化合物C−47(1.0mg)及びテトラヒドロフラン(1.0ml)を混合し、ホールブロッキング層上にスピンコートし、室温で乾燥後、真空乾燥機で120℃、15分間加熱乾燥して光電変換層を形成した。その上に、金を蒸着した。仕事面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けて素子を作製した。
この素子のFTO側に、75mW/cm2の白色光を照射しながら、50mV/sで掃引される電圧を印加して変換効率を測定したところVoc(開放電圧)=0.81V、Jsc(短絡電流密度)=1.65mA/cm2、ff(形状因子)=0.51となりη(光電変換効率)=0.91%と良好な値が得られた。
チタニウムテトラ−n−プロポキシド(2ml)、酢酸(4ml)、イオン交換水(1ml)、2−プロパノール(40ml)を混合し、よく洗浄したFTOガラス(日本板ガラス製、10Ω/□)上にスピンコートし、室温で乾燥後、空気中450℃で30分間焼成してホールブロッキング層を形成した。次いで、例示化合物B−02(50.0mg)、例示化合物C−47(1.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を混合し、ホールブロッキング層上にスピンコートし、室温で乾燥後、真空乾燥機で120℃、15分間加熱乾燥して光電変換層を形成した。その上に、例示化合物B−02(10mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)を混合した溶液をスピンコートしてホール輸送層を形成した。最後に、そのホール輸送層の上に金を蒸着した。仕事面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けて素子を作製した。
この素子のFTO側に、75mW/cm2の白色光を照射しながら、50mV/sで掃引される電圧を印加して変換効率を測定したところVoc(開放電圧)=0.79V、Jsc(短絡電流密度)=2.05mA/cm2、ff(形状因子)=0.54となりη(光電変換効率)=1.17%と良好な値が得られた。
実施例27におけるホール輸送層を形成するための溶液〔例示化合物B−02(10.0mg)及びクロロベンゼン(1.0ml)〕を、例示化合物B−02(7.0mg)、下記構造式(V)で示されるトリフェニルアミン化合物3.0mg、及びクロロベンゼン(1.0ml)に変更した以外は、実施例27と同様にして光電変換素子を作製した。得られた素子の変換効率は、Voc(開放電圧)=0.79V、Jsc(短絡電流密度)=2.25mA/cm2、ff(形状因子)=0.54となりη(光電変換効率)=1.28%と良好な値が得られた。
実施例28で作製した光電変換素子と同一条件で作製した素子を、3つ並列に接続した。接続した素子はアラルダイドを用いて封止を行った。その結果、Voc=0.79V、Jsc=6.75mA/cm2であり、並列に接続しても特性の低下は観測されなかった。
2 透明電極
3 ホールブロッキング層
4 光電変換層
5 電極(背面電極)
6 リード線
7 ホール輸送層
Claims (21)
- 透明電極上に、ホールブロッキング層、光電変換層、電極を順次設けた光電変換素子であって、前記光電変換層が、下記一般式(A−1)あるいは(A−2)で表される少なくとも何れか一方の高分子材料と、下記一般式(A−4)〜(A−8)で表される色素化合物群から選択される少なくとも1種以上の色素化合物とを含有することを特徴とする光電変換素子。
[式(A−1)、(A−2)中、Ar1、Ar5は、置換もしくは無置換のアルキル基、アリ−ル基、ヘテロ環を表し、Ar2、Ar3、Ar4、Ar6、Ar7は2価の置換もしくは無置換のアルキレン、アリーレン、ヘテロ環を表す。X1、X2、X3は置換もしくは無置換のアルキレン、アリーレン、ヘテロ環、あるいは下記一般式(A−3)で表される2価の基を表す。
〔式(A−3)中、R1、R2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。〕、
n、m、qは0から2の整数を表す。]
[式(A−4)、(A−5)中、R3〜R9は水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボン酸の4級アンモニウム塩、カルボン酸の金属塩、スルホン酸、スルホン酸の4級アンモニウム塩、スルホン酸の金属塩、ホスホン酸、ホスホン酸の4級アンモニウム塩、ホスホン酸の金属塩、酸性基を有するアルキル基、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表し、同一であっても異なっていてもよい。X4はハロゲン原子、シアノ基、チオシアン酸基、イソシアン酸基を表す。
式(A−6)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基を表す。Ar8は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。X5は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。R14は水素原子、4級アンモニウム塩を表す。
式(A−7)中、R15、R16は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R16とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。R17は、水素原子、4級アンモニウム塩を表す。X6は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。Ar9は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。sは0〜2の整数を表す。
式(A−8)中、R18、R19は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R19とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。Ar10は2価の不飽和炭化水素基を表す。R20は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。X7は酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。X8は酸素原子、硫黄原子、ローダニン環を表す。] - 前記ホールブロッキング層が、n型酸化物半導体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記n型酸化物半導体が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項6に記載の光電変換素子。
- 前記n型酸化物半導体が酸化チタンあるいは酸化亜鉛であり、光電変換層に金属化合物を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換素子。
- 前記金属化合物がハロゲン化金属、チオシアン化金属、アミド化金属の何れか1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の光電変換素子。
- 前記n型酸化物半導体が、酸化チタンあるいは酸化亜鉛であり、光電変換層に金属化合物、並びに塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換素子。
- 前記金属化合物がハロゲン化金属、チオシアン化金属、アミド化金属の何れか1種以上であり、前記塩基性化合物がピリジン環を含有する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
- 前記n型酸化物半導体が、酸化チタンあるいは酸化亜鉛であり、前記光電変換層にイオン液体を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換素子。
- 前記イオン液体がイミダゾリニウム化合物であることを特徴とする請求項12に記載の光電変換素子。
- 前記n型酸化物半導体が酸化チタンあるいは酸化亜鉛であり、光電変換層にイオン液体、金属化合物、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換素子。
- 前記イオン液体がイミダゾリニウム化合物であり、金属化合物がハロゲン化金属、チオシアン化金属、アミド化金属の何れか1種以上であり、塩基性化合物がピリジン環を含有する化合物であることを特徴とする請求項14に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
- 透明電極上に、ホールブロッキング層、光電変換層、電極を順次設けた光電変換素子の製造方法であって、前記光電変換層が、下記一般式(A−1)あるいは(A−2)で表される少なくとも何れか一方の高分子材料と、下記一般式(A−4)〜(A−8)で表される色素化合物群から選択される少なくとも1種以上の色素化合物とを含む塗工液を塗布・乾燥して形成されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
[式(A−1)、(A−2)中、Ar1、Ar5は、置換もしくは無置換のアルキル基、アリ−ル基、ヘテロ環を表し、Ar2、Ar3、Ar4、Ar6、Ar7は2価の置換もしくは無置換のアルキレン、アリーレン、ヘテロ環を表す。X1、X2、X3は置換もしくは無置換のアルキレン、アリーレン、ヘテロ環、あるいは下記一般式(A−3)で表される2価の基を表す。
〔式(A−3)中、R1、R2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。〕、
n、m、qは0から2の整数を表す。]
[式(A−4)、(A−5)中、R3〜R9は水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボン酸の4級アンモニウム塩、カルボン酸の金属塩、スルホン酸、スルホン酸の4級アンモニウム塩、スルホン酸の金属塩、ホスホン酸、ホスホン酸の4級アンモニウム塩、ホスホン酸の金属塩、酸性基を有するアルキル基、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表し、同一であっても異なっていてもよい。X4はハロゲン原子、シアノ基、チオシアン酸基、イソシアン酸基を表す。
式(A−6)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基を表す。Ar8は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。X5は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。R14は水素原子、4級アンモニウム塩を表す。
式(A−7)中、R15、R16は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R16とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。R17は、水素原子、4級アンモニウム塩を表す。X6は、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。Ar9は2価のビニレン基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、ヘテロ環を表す。sは0〜2の整数を表す。
式(A−8)中、R18、R19は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環を表す。R19とベンゼン環は共同で環を形成してもよい。Ar10は2価の不飽和炭化水素基を表す。R20は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。X7は酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表す。X8は酸素原子、硫黄原子、ローダニン環を表す。]
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