JP5004521B2 - 有機el素子用化合物及び有機el素子 - Google Patents
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Description
本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子に用いられる化合物(有機EL素子用化合物)は、上述の一般式(1)で表されるベンゾ[a]ナフタセン誘導体(以下、場合により「化合物(1)」という。)である。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
基板4としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができ、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
第1の電極1はホール注入電極(陽極)として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、その第1の電極1に隣接する層に効率よく且つ均一に電界を印可できる材料が好ましい。
第2の電極2は電子注入電極(陰極)として機能する。第2の電極2の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、金属材料、有機金属錯体もしくは金属化合物等が挙げられ、発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましく、また透明であってもよい。
ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができる。
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)等が挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
発光層10には、上述した本発明の有機EL素子用化合物を構成材料として用いる。このような発光層10を備える有機EL素子によれば、十分に高い発光効率が得られる。
電子注入輸送層13の構成材料は、従来の有機EL素子において電子注入輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、リチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。この電子注入輸送層13を備えることにより、有機EL素子は、第2の電極(電子注入電極)2からの電子の注入を容易にし、電子を安定に輸送し、更には発光層10からのホールの移動を妨げる機能を有するものとなる。それにより、有機EL素子の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
下記化合物(11)を以下の反応式に従って、下記の方法で合成した。
1−ブロモ−2,4−ジフェニルベンゼン 3.7g(12mmol)に代えて、1−ブロモ−2,5−ジフェニルベンゼン 3.7g(12mmol)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、2.3g(2.6mmol)の下記化合物(12)を合成した。得られた化合物はマススペクトルにて同定した。なお、化合物(12)の合成の際の反応式は、以下の通りである。
1,3−ジフェニル−ナフト[1,2−c]フラン 2.0g(6.3mmol)に代えて、1,3−ジフェニル−フェナントロ[9,10−c]フラン 2.3g(6.3mmol)を用いた以外は合成例1と同様にして、1.4g(1.5mmol)の下記化合物(13)を合成した。得られた化合物はマススペクトルにて同定した。なお、化合物(13)の合成の際の反応式は、以下の通りである。
1,4−ナフトキノン 1g(6.3mmol)に代えて、1,4−フェナンスレンキノン 1.3g(6.3mmol)を用いた以外は合成例1と同様にして合成し、下記化合物(14a)と化合物(14b)の混合物(14)を1.3g(2.2mmol)得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定した。混合物(14)の合成の際の反応式は、下記の通りである。
合成例1〜4で得られた化合物(11),(12),(13)及び混合物(14)並びに下記化合物(15),(16)を用いて、以下の光照射実験を行った。
まず、ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。次に、このITO透明電極薄膜付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン及びエタノールの混合液を用いて超音波洗浄した。続いて、そのガラス基板を混合液から引き上げて乾燥した後、酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄した。そして洗浄後のガラス基板を蒸着装置(アルバック製)の基板ホルダーに固定して、蒸着装置内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
実施例5において、化合物(11)を合成例3で得られた化合物(13)に代えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。
まず、ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。次に、このITO透明電極薄膜付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン及びエタノールの混合液を用いて超音波洗浄した。続いて、そのガラス基板を混合液から引き上げて乾燥した後、酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄した。そして洗浄後のガラス基板を蒸着装置(アルバック製)の基板ホルダーに固定して、蒸着装置内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表される有機EL素子用化合物。
但し、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 のうち少なくとも1つは、下記一般式(7)で表される基、又は、置換基を有していてもよいN,N−ジフェニルアミノフェニル基である。
式(7)中、R 32 は、置換基を有していてもよいフェニル基を示し、n2は2を示す。]
- R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基であり、
該置換基を有していてもよいアリール基は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいビフェニル基、置換基を有していてもよいターフェニル基、又は、置換基を有していてもよいN,N−ジフェニルアミノフェニル基である、請求項1に記載の有機EL素子用化合物。 - R12、R13、R14及びR15は、全て水素原子である、請求項1又は2に記載の有機EL素子用化合物。
- R 12 及びR 13 が一緒になって−CH=CH−CH=CH−基(但し、この基は置換基を有していてもよい。)を形成しており、かつR 14 及びR 15 が水素原子である、あるいは、R 14 及びR 15 が一緒になって−CH=CH−CH=CH−基(但し、この基は置換基を有していてもよい。)を形成しており、かつR 12 及びR 13 が水素原子である、請求項1又は2に記載の有機EL素子用化合物。
- R10及びR11は、全て水素原子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子用化合物。
- 互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子であって、
前記有機層のうち少なくとも1層は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL素子用化合物を含む、有機EL素子。
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