JP5101055B2 - 有機el素子用化合物及び有機el素子 - Google Patents
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、合成が容易であり、蛍光特性に優れている。
本発明の好適な実施形態に係る有機EL素子に用いられる化合物(有機EL素子用化合物)は、上述の一般式(1)で表されるベンゾ[a]ペンタセン誘導体(以下、場合により「化合物(1)」という。)である。
ビフェニル基」、「置換基を有していてもよいターフェニル基」、又は、「置換基を有していてもよいN,N−ジフェニルアミノフェニル基」の「置換基」部分としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、シクロヘキシル基が好ましい。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
層10及び電子注入輸送層13はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入輸送層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
基板4としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いることができ、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
第1の電極1はホール注入電極(陽極)として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、その第1の電極1に隣接する層に効率よく且つ均一に電界を印可できる材料が好ましい。
SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜を容易に得ることができる点で特に好ましい。
第2の電極2は電子注入電極(陰極)として機能する。第2の電極2の材料としては、従来の有機EL素子が備えているものであれば、特に限定されることなく用いられるが、金属材料、有機金属錯体もしくは金属化合物等が挙げられ、発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましく、また透明であってもよい。
ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができる。
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。また、ホール輸
送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)等が挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
発光層10には、上述した本発明の有機EL素子用化合物を構成材料として用いる。このような発光層10を備える有機EL素子によれば、十分に高い発光効率が得られる。
電子注入輸送層13の構成材料は、従来の有機EL素子において電子注入輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、リチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。この電子注入輸送層13を備えることにより、有機EL素子は、第2の電極(電子注入電極)2からの電子の注入を容易にし、電子を安定に輸送し、更には発光層10からのホールの移動を妨げる機能を有するものとなる。それにより、有機EL素子の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
下記化合物(11)を以下の反応式に従って、下記の方法で合成した。
1−ブロモ−2,4−ジフェニルベンゼン 3.7g(12mmol)に代えて2−ブロモビフェニル 2.8g(12mmol)を用いた以外は合成例1と同様に実験を行い1.2g(1.6mmol)の化合物(12)を得た。得られた化合物はマススペクトル
にて同定した。なお、化合物(12)の合成の際の反応式は、下記の通りである。
1,3−ジフェニル−ナフト[1,2−c]フラン 4.0g(12.6mmol)に代えて1,3−ジフェニル−フェナントロ[9,10−c]フラン 4.7g(12.6mmol)を用いた以外は合成例1と同様の反応を行い、1.4g(1.5mmol)の化合物(13)を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定した。なお、化合物(13)の合成の際の反応式は、下記の通りである。
まず、ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。次に、このITO透明電極薄膜付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン及びエタノールの混合液を用いて超音波洗浄した。続いて、そのガラス基板を混合液から引き上げて乾燥した後、酸素置換されたチャンバー内で、赤外線照射を行うことにより、酸素をオゾン化し、基盤表面をオゾン洗浄した。そして洗浄後のガラス基板を蒸着装置(アルバック製)の基板ホルダーに固定して、蒸着装置内を1×10−4Pa以下まで減圧した。
ホール輸送層上に全体の蒸着速度0.1nm/secで40nmの厚さに共蒸着し、発光層とした。なお、この時のAlq3と化合物(11)の質量比は、Alq3と化合物(11)の合計質量に占める化合物(11)の濃度を、1%から10%まで1%刻みで増やしていったときに、有機EL素子の発光効率が最大となる濃度に基づいて算出した質量比である。
の厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。そして、フッ化リチウムを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、電子注入電極とし、さらに、保護電極としてアルミニウムを100nmの厚さに蒸着し、最後にガラス封止して実施例1の有機EL素子を得た。
実施例1において、化合物(11)を合成例3で得られた化合物(13)に代えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。なお、Alq3と化合物(13)との質量
比は、92:8とした。この値は、実施例1と同様の方法で求めた有機EL素子の発光効率が最大となる値である。
実施例1において、化合物(11)に代えて下記化合物(14)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の有機EL素子を得た。なお、Alq3と化合物(14)との質
量比は、99:1とした。この値は、実施例1と同様の方法で求めた有機EL素子の発光効率が最大となる値である。
実施例1において、化合物(11)に代えて下記化合物(15)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の有機EL素子を得た。なお、Alq3と化合物(14)との質
量比は、97:3とした。この値は、実施例1と同様の方法で求めた有機EL素子の発光効率が最大となる値である。
Claims (5)
- R 3 及びR 4 はターフェニル基を示し、R 10 及びR 11 は水素原子を示す、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
- R 3 及びR 4 はビフェニル基を示し、R 10 及びR 11 は水素原子を示す、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
- R 3 及びR 4 はターフェニル基を示し、R 10 及びR 11 は、R 10 及びR 11 が一緒になって形成された−CH=CH−CH=CH−基を示す、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
- 互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子であって、
前記有機層のうち少なくとも1層は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子用化合物を含む、有機EL素子。
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