JP2012067051A - 有機薄膜トランジスタ用化合物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ - Google Patents

有機薄膜トランジスタ用化合物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】酸化安定性と塗布プロセスが適用可能な溶解性を有する有機薄膜トランジスタ用化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
Figure 2012067051

【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、塗布プロセス可能な有機薄膜トランジスタ用化合物及び当該化合物を有機半導体層に利用した有機薄膜トランジスタに関するものである。
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。代表的なTFTは、基板上にゲート電極、絶縁体層、半導体層をこの順に有し、半導体層上に、所定の間隔をあけて形成されたソース電極及びドレイン電極を有している。有機半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
従来、このTFTは、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、このようなシリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD(化学気相成長)装置は、非常に高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまい、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題点があった。
このような問題を解決するために、アモルファスや多結晶のシリコンに代えて有機物を用いたTFT(以下、有機TFTと略記する場合がある。)が提案されている。有機物でTFTを形成する際に用いる成膜方法として真空蒸着法や塗布法等が知られているが、これらの成膜方法によれば、製造コストの上昇を抑えつつ素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。このため、有機TFTでは、基板に用いる材料の選択時の制限が少ないといった利点があり、その実用化が期待されている。
有機TFTに用いる有機物半導体として、p型FET(電界効果トランジスタ)材料としては、共役系ポリマー、チオフェン等の多量体、金属フタロシアニン化合物、ペンタセン等の縮合芳香族炭化水素等が、単体又は他の化合物との混合物の形態で用いられている。また、n型FET材料としては、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQD)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)や、フッ素化フタロシアニンが知られている。
一方、同じように電気伝導を用いるデバイスとして有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子がある。有機EL素子では、一般に100nm以下の超薄膜の膜厚方向に10V/cm以上の強電界をかけ強制的に電荷を流しているのに対し、有機TFTの場合には、数μm以上の距離を10V/cm以下の電界で高速に電荷を流す必要があり、このため有機TFTに用いられる有機物自体に、さらなる電導性が必要であった。
しかしながら、従来の有機TFTにおける上記化合物は電界効果移動度が小さく、応答速度が遅く、トランジスタとしての高速応答性に問題があった。
有機TFTの代表的な材料としてペンタセンが挙げられ、特許文献1及び2では、ペンタセンを有機半導体層に用いた有機TFTを作製している。ペンタセンは大気中における安定性が低いという欠点があるため、素子作製直後は非常に高い移動度を示すものの、時間の経過と共に移動度が低下するおそれがある。
非特許文献1は、縮合芳香環化合物であるピセンを用いた有機TFTを開示する。非特許文献1は、ピセンはペンタセンよりもイオン化ポテンシャルが低いため、大気中での酸化安定性に優れると開示するが、ピセンには溶解性に劣るという問題があった。
非特許文献2及び3は、有機TFT材料としてテトラセンを開示するが、テトラセンは酸化安定性に乏しく、溶液中ではすぐに酸素によって酸化されてしまうと開示しており、実用的な有機トランジスタ用材料とは言いがたかった。
特許文献3もテトラセン誘導体を開示するが、酸化安定性や溶解性に関する記載や示唆はない。
特開平5−55568号公報 特開2001−94107号公報 特表2005−519486号公報
Journal of American Chemical Society,130,10470(2008) Organic Letters 10,2007(2008) Applied. PhysicsLetters., 80, 2925.(2002)
本発明の目的は、酸化安定性と塗布プロセスが適用可能な溶解性を有する有機薄膜トランジスタ用化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、高い移動度を有する有機薄膜トランジスタを提供することである。
本発明によれば、以下の有機薄膜トランジスタ用化合物等が提供される。
1.下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
Figure 2012067051
(式中、R〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
但し、R〜R12の全てが水素原子である場合を除く。)
2.下記式(2)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
Figure 2012067051
(式中、R〜R16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
但し、R〜R16の全てが水素原子である場合を除く。)
3.1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
4.少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層が、1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
5.3又は4に記載の有機薄膜トランジスタを備えた装置。
本発明によれば、酸化安定性と塗布プロセスが適用可能な溶解性を有する有機薄膜トランジスタ用化合物が提供できる。
本発明によれば、高い移動度を有する有機薄膜トランジスタが提供できる。
本発明の薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。
本発明の有機薄膜トランジスタ用化合物は、下記式(1)で表わされる化合物である。
Figure 2012067051
(式中、R〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
但し、R〜R12の全てが水素原子である場合を除く。)
また、本発明の有機薄膜トランジスタ用化合物は、下記式(2)で表わされる化合物である。
Figure 2012067051
(式中、R〜R16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
但し、R〜R16の全てが水素原子である場合を除く。)
式(1)及び(2)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物(以下、これら化合物を単に「本発明の化合物」という場合がある)は、R〜R12又はR〜R16の少なくとも1つが水素原子以外の置換基であることで、溶解性を発現することができる。
一方、置換基を有さない1,2:7,8−ジベンゾテトラセンは溶解性に乏しく、塗布プロセスを用いた有機TFTの製造は実施が困難である。
尚、式(1)で表わされる化合物及び式(2)で表わされる化合物は、いずれも塗布プロセスが実施可能な程度の溶解性を有するが、溶解性については式(2)で表わされる化合物の方が優れる。
また、本発明の化合物は、π共役系を拡張することで分子間の相互作用を強くし、有機薄膜トランジスタ用材料として用いたときに高い移動度を得ることができる。
加えて、本発明の化合物は、ペンタセンに代表されるベンゼン環が一直線上に並んだリニアポリアセンに比べ、一部のベンゼン環がジグザグに配置されたフェナセンの構造をとることで、高い酸化安定性を有する。
水素原子以外の置換基が、本発明の化合物が点対称構造となるように置換していると、分子が秩序よく配向し易くなって移動度の点で好ましい。具体的には、本発明の化合物が、下記に示す黒丸を中心として点対称であると好ましい。
Figure 2012067051
水素原子以外の置換基の結合位置は、上記の観点より好ましくはRとR;RとR10;RとR;R及びRとR及びR;並びにR14とR16のいずれかであり、溶解性向上の点で、さらに好ましくはRとR、又はRとR10である。
好ましい水素原子以外の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、又は炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜30のアルキル基である。
以下、本発明の化合物のR〜R16の各置換基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、溶解性の点で直鎖状のアルキル基が好ましい。当該直鎖状のアルキル基は、好ましくは炭素数3〜18の直鎖状アルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜12の直鎖状アルキル基である。
尚、アルキル基がメチル基及びエチル基の場合、本発明の化合物の溶解性が向上しないおそれがあり、炭素数19以上の場合には、耐熱性が低下するおそれがある。
上記の溶解性に関する効果は、後記する中間体に対しても適用できる。アルキル基の導入により中間体の溶解度が向上することで、反応速度の向上や副反応の抑制が期待され、生産性の向上が期待される。また、TFTの素子構成によっては、電荷の注入性改善や基板に対する配向性の発現等による移動度の向上が期待できる。
炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、nプロピル基、nブチル基、nペンチル基、nヘキシル基、nヘプチル基、nオクチル基、nノニル基、nデシル基、nウンデシル基、nドデシル基,nトリデシル基、nテトラデシル基、nペンタデシル基、nヘキサデシル基、nヘプタデシル基、nオクタデシル基等が挙げられる。
炭素数2〜30のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、溶解性の点で直鎖状が好ましい。当該直鎖状アルケニル基は、好ましくは炭素数5〜20の直鎖状アルケニル基であり、より好ましくは炭素数7〜14の直鎖状アルキニル基である。
上記のアルケニル基が好ましい理由は、アルキル基と同様である。
炭素数2〜30のアルケニル基の具体例としては、nペンチレニル基、スチリル基等が挙げられる。
また、炭素数2〜30のアルケニル基が置換基を有する場合は、当該置換基は好ましくは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、特に好ましくはフェニル基である。
炭素数2〜30のアルキニル基は、末端が三重結合となる構造のアルキニル基は好ましくなく、フェニルアセチレン基のようなフェニル基等の置換基が末端にくる構造を有するアルキニル基が好ましい。
炭素数2〜30のアルキニル基が置換基を有する場合は、当該置換基は好ましくは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、特に好ましくはフェニル基である。
炭素数1〜30のハロアルキル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基にハロゲン原子が置換した基が挙げられ、ハロゲン原子の置換位置は特に限定されない。
炭素数1〜30のアルコキシ基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、溶解性の点で直鎖状が好ましい。アルキル部分が直鎖状であることが好ましい理由は、上記アルキル基と同様である。
炭素数1〜30のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、nペントキシ基、nオクトキシ基、nドデシル基等が挙げられる。
置換基がアルコキシ基である場合、本発明の化合物は、好ましくは炭素数1〜5程度の短鎖のアルコキシ基をR、R、R及びR10の4箇所に有する。
炭素数1〜30のハロアルコキシ基としては、上記炭素数1〜30のアルコキシ基にハロゲン原子が置換した基が挙げられ、ハロゲン原子の置換位置は特に限定されない。
炭素数1〜30のチオアルキル基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、前記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルアミノ基は、−NHXで表される基であり、ジアルキルアミノ基は−NXで表される基であり、X及びXは、それぞれ前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。尚、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基のアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよく、環構造としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン等が挙げられる。
環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基としては、アミノ基に結合する置換基のうち少なくともひとつがアリール基であればよく、ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基でもよい。
炭素数1〜30のアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、前記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基等が挙げられる。環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基が置換基を有する場合は、好ましくは当該置換基はハロゲン原子及び/又は炭素数1〜30のアルキル基である。置換基を有する環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基としては、4−nオクチルフェニル基が挙げられる。
環形成原子数5〜60の芳香族複素環基としては、例えばジチエノフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾチアジアゾニル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のアルキルシリル基は、−SiXで表される基であり、X、X及びXは、それぞれ前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数3〜20のアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基が挙げられる。
炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基としては、トリイソプピルシリルアセチレン基等が挙げられる。
本発明の化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2012067051
Figure 2012067051
Figure 2012067051
本発明の化合物は、例えば下記合成経路に従って製造できる。
Figure 2012067051
(R及びRは、それぞれ置換基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
工程1は、出発原料Aをジハロゲン化して中間体Bを得る工程である。工程1では、ジアニオンを発生させるための種々の塩基及びハロゲン源となる試薬を用い、得られる化合物の純度が良い点から、好ましくはn−ブチルリチウムとヨウ素を用いる。
工程2は、中間体Bと、ホウ素化又はメタル化された芳香族化合物(ArM)とを連結して中間体Cを得る工程である。工程2に用いる反応としては鈴木−宮浦カップリング反応、Stilleカップリング反応、根岸カップリング反応,檜山カップリング等が挙げられる。これらのうち、良好な収率を与える点から鈴木−宮浦カップリング反応が好ましい。
工程3は、中間体Cのメトキシ基を脱保護して,中間体Dを得る工程である。工程3で用いる試薬としては、三臭化ホウ素、ヨウ化水素等を用いることができる。
工程4は、中間体Dの2つのヒドロキシ基をトリフラート化して中間体Eを得る工程である。工程4で用いる試薬としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と塩基を用いることができる。
工程5は、中間体Eとアセチレン化合物とを連結して中間体Fへ誘導する工程である。工程5では、園頭カップリング反応を用いることが好ましい。
工程6は、中間体Fのシリル基を脱保護して中間体Gを得る工程である。工程6で用いる試薬としては、炭酸カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化カリウム等を用いることができる。
工程7は、中間体Gを環化反応によって最終体Hへ誘導する工程である。工程7で用いる試薬としては、塩化白金を用いることができる。
尚、トランジスタのような電子デバイスにおいては、純度の高い材料を用いることにより電界効果移動度やオン/オフ比の高めることができる。従って必要に応じて、製造した本発明の化合物をカラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華等の手法により精製を加えることが望ましい。好ましくはこれらの精製方法を繰り返し用いたり、複数の方法を組み合わせたりすることにより、本発明の化合物の純度を向上させる。さらに精製の最終工程として昇華精製を少なくとも2回以上繰り返すことが望ましい。これらの手法を用いることによりHPLCで測定した純度90%以上の材料とすることが好ましく、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上の材料とすることにより、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度やオン/オフ比を高め、材料が本来持っている性能を引き出すことができる。
本発明の化合物は、有機薄膜トランジスタの有機半導体層材料として好適に用いることができる。本発明の化合物は、有機溶媒に対して溶解性を有するので、有機薄膜トランジスタの製造の際に塗布プロセスを適用することができる。また、本発明の化合物は酸化安定性に優れるので、本発明の化合物を用いた有機薄膜トランジスタは、そのトランジスタ特性の経時劣化を低減することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成は、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタである。本発明の有機薄膜トランジスタは、好ましくは有機半導体層が、本発明の化合物を含んでなる。
尚、トランジスタの構造は、特に限定されず、有機半導体層の成分以外が公知の素子構成を有するものであってもよい。
有機薄膜トランジスタの素子構成の具体例を図を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。
図1の有機薄膜トランジスタ1は、基板10上に、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極11及びドレイン電極12を有する。そして、ソース電極11、ドレイン電極12及びそれらの間の間隙を覆うように有機半導体層13が形成され、さらに、絶縁体層14が積層されている。絶縁体層14の上部であって、かつソース電極11及びドレイン電極12の間の間隙上にゲート電極15が形成されている。
図2の有機薄膜トランジスタ2は、基板10上に、ゲート電極15及び絶縁体層14をこの順に有し、絶縁体層14上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有し、その上に有機半導体層13が形成される。有機半導体層13がチャネル領域を成しており、ゲート電極15に印加される電圧でソース電極11とドレイン電極12の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
図3の有機薄膜トランジスタ3は、基板10上に、ゲート電極15、絶縁体層14及び有機半導体層13をこの順に有し、有機半導体層13上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有する。
図4の有機薄膜トランジスタ4は、基板10上に有機半導体層13を有し、有機半導体層13上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有する。そして、さらに絶縁体層14及びゲート電極15をこの順に有している。
本発明の有機薄膜トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effct Transistor)構造を有している。上述したとおり、電極の位置、層の積層順等によりいくつかの構成がある。有機薄膜トランジスタは、有機半導体層(有機化合物層)と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は本発明の有機薄膜トランジスタを用いる用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
本発明の有機薄膜トランジスタは、上記の素子構成の他にも、種々の構成が提案されている。本発明の有機薄膜トランジスタは、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作や増幅等の効果が発現する仕組みを有すれば、上記素子構成に限定されるものではない。
例えば、産業技術総合研究所の吉田らにより第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集27a−M−3(2002年3月)において提案されたトップアンドボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ(図5参照)や、千葉大学の工藤らにより電気学会論文誌118−A(1998)1440頁において提案された縦形の有機薄膜トランジスタ(図6参照)のような素子構成を有するものであってもよい。
以下、有機薄膜トランジスタの構成部材について説明する。
(有機半導体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層は、好ましくは本発明の有機薄膜トランジスタ用化合物を含んでなる。
有機半導体層は、本発明の化合物1種類からなってもよく、複数種からなってもよい。また、有機半導体層は、ペンタセン、チオフェンオリゴマー等の公知の半導体を含んでもよく、複数の化合物の混合物からなる薄膜又は積層体であってもよい。
有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると好ましい。
また、有機半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用でき、例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、インクジェット法等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらの組合せた方法を用いることができる。
有機半導体層の結晶性を向上させることにより、電界効果移動度を向上させることができるので、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施すると高性能デバイスが得られるため好ましい。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、1〜10時間であるとさらに好ましい。
(基板)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける基板は、有機薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担う。基板の材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET,PES,PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多いが、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜することもある。
(電極)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。
前記電極の形成方法としては、例えば、蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等が挙げられる。また、必要に応じて行うパターニングの方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法等がある。
このようにして形成された電極の膜厚は電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。この好ましい範囲内であれば、膜厚が薄いことにより抵抗が高くなり電圧降下を生じることがない。また、上記膜厚の範囲は、厚すぎないため膜形成に時間がかからず、保護層や有機半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜が円滑にできる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の他の形成方法としては、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成する、特に、導電性ポリマー、又は白金、金、銀、銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料を用いて形成する方法が好ましい。
溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、水を60質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する溶媒又は分散媒体であることが好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm〜50nm、1nm〜10nmの金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。
金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。これらの金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。
金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
金属微粒子分散物を用いて直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成できる。
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の他の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましい。例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等が好適に用いられる。これらの材料を用いることによりソース電極とドレイン電極の有機半導体層との接触抵抗を低減することができる。形成方法もインクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
特にソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、前述した例の中でも有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。この際の電気抵抗は、即ち電流制御デバイスを作製したとき電界効果移動度と対応しており、大きな移動度を得るためにはできるだけ抵抗が小さいことが必要である。これは一般に電極材料の仕事関数と有機半導体層のエネルギー準位との大小関係で決まる。
電極材料の仕事関数(W)をa、有機半導体層のイオン化ポテンシャルを(Ip)をb、有機半導体層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a、b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
p型有機薄膜トランジスタの場合には、b−a<1.5eV(式(I))であることが好ましく、さらに好ましくはb−a<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ大きいことものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.0eV以上であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数4.2eV以上である。
金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよい。
高仕事関数金属は、主としてAg(4.26,4.52,4.64,4.74eV),Al(4.06,4.24,4.41eV),Au(5.1,5.37,5.47eV),Be(4.98eV),Bi(4.34eV),Cd(4.08eV),Co(5.0eV),Cu(4.65eV),Fe(4.5,4.67,4.81eV),Ga(4.3eV),Hg(4.4eV),Ir(5.42,5.76eV),Mn(4.1eV),Mo(4.53,4.55,4.95eV),Nb(4.02,4.36,4.87eV),Ni(5.04,5.22,5.35eV),Os(5.93eV),Pb(4.25eV),Pt(5.64eV),Pd(5.55eV),Re(4.72eV),Ru(4.71eV),Sb(4.55,4.7eV),Sn(4.42eV),Ta(4.0,4.15,4.8eV),Ti(4.33eV),V(4.3eV),W(4.47,4.63,5.25eV),Zr(4.05eV)等である。
これらの中でも、貴金属(Ag,Au,Cu,Pt),Ni,Co,Os,Fe,Ga,Ir,Mn,Mo,Pd,Re,Ru,V,Wが好ましい。金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としては、これら高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(I)を満たせば特に制限を受けるものではない。
n型有機薄膜トランジスタの場合にはa−c<1.5eV(式(II))であることが好ましく,さらに好ましくはa−c<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ小さいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.3eV以下であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数3.7eV以下である。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以下の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、Ag(4.26eV),Al(4.06,4.28eV),Ba(2.52eV),Ca(2.9eV),Ce(2.9eV),Cs(1.95eV),Er(2.97eV),Eu(2.5eV),Gd(3.1eV),Hf(3.9eV),In(4.09eV),K(2.28eV),La(3.5eV),Li(2.93eV),Mg(3.66eV),Na(2.36eV),Nd(3.2eV),Rb(4.25eV),Sc(3.5eV),Sm(2.7eV),Ta(4.0,4.15eV),Y(3.1eV),Yb(2.6eV),Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba,Ca,Cs,Er,Eu,Gd,Hf,K,La,Li,Mg,Na,Nd,Rb,Y,Yb,Znが好ましい。
電極材料としては、これら低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(II)を満たせば特に制限を受けるものではない。ただし、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAgやAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が熱くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1um以下にすることが望ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタでは、例えば、注入効率を向上させる目的で、有機半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。バッファ層としてはn型有機薄膜トランジスタに対しては有機ELの陰極に用いられるLiF、LiO、CsF、NaCO、KCl、MgF、CaCO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。また、Alq等有機ELで電子注入層、電子輸送層として用いられる化合物を挿入してもよい。
p型有機薄膜トランジスタに対してはFeCl、TCNQ、F−TCNQ、HAT等のシアノ化合物、CFxやGeO、SiO、MoO、V、VO、V、MnO、Mn、ZrO、WO、TiO、In、ZnO、NiO、HfO、Ta、ReO、PbO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSe等の無機化合物が望ましい。
これら酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。さらにはTPDやNPD等のアミン系化合物やCuPc等の有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物二種類以上からなる混合物が望ましい。
バッファ層は、キャリアの注入障壁を下げることにより閾値電圧を下げ、トランジスタを低電圧駆動させる効果があることが知られている。
バッファ層は、電極と有機半導体層との間に薄く存在すればよく、その厚みは0.1nm〜30nm、好ましくは0.3nm〜20nmである。
(絶縁体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであるのなら特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子等室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたもの等が挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
さらに、絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成される。
前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)ベリリウム(Be)マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
本発明において、絶縁体層を上記したような材料で構成すると、絶縁体層中に分極が発生しやすくなり、トランジスタ動作のしきい電圧を低減することができる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
その他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルホン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
絶縁体層に用いる有機化合物材料、高分子材料として、特に好ましいのは撥水性を有する材料である。撥水性を有することにより絶縁体層と有機半導体層との相互作用を抑え、有機半導体が本来保有している凝集性を利用して有機半導体層の結晶性を高めデバイス性能を向上させることができる。このような例としては、Yasudaら Jpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003)pp.6614−6618に記載のポリパラキシリレン誘導体やJanos Veres ら Chem.Mater.,Vol.16(2004)pp.4543−4555に記載の材料が挙げられる。
また、図1及び図4に示すようなトップゲート構造を用いるときに、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
前記絶縁体層は、前述したような無機又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよく、これらの積層構造体であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
前記絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成として含んでもよい。陽極酸化膜は封孔処理されることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならば、いかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。
陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cmで20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
絶縁体層の厚さとしては、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソース−ゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要があり、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
前記絶縁体層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。
配向処理の好ましい例としては、絶縁体層表面に撥水化処理等を施し絶縁体層と有機半導体層との相互作用を低減させ有機半導体層の結晶性を向上させる方法であり、具体的には、シランカップリング剤、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等の自己組織化配向膜材料を、液相又は気相状態で、絶縁膜表面に接触させ自己組織化膜を形成後、適度に乾燥処理を施す方法が挙げられる。また、液晶の配向に用いられるように、絶縁膜表面にポリイミド等で構成された膜を設置し、その表面をラビング処理する方法も好ましい。
前記絶縁体層の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報に記載の大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
本発明の有機薄膜トランジスタの形成方法としては、特に限定されず公知の方法によればよいが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、有機半導体層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素等による素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば、図2の素子の場合は絶縁層に一部ソース電極、ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。また、p型TFT材料の中には一旦大気にふれさせ、酸素等を吸着させることにより性能が向上するものもあるので、材料によっては適宜大気にふれさせる。
大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、有機トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
本発明では、ソース電極−ドレイン電極間を流れる電流を利用して発光し、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する有機薄膜発光トランジスタを提供することができる。即ち、有機薄膜トランジスタを発光素子(有機EL)として用いることができる。発光を制御するためのトランジスタと発光素子を統合できるため、ディスプレイの開口率向上や作製プロセスの簡易化によるコストダウンが可能となり実用上の大きなメリットを与える。有機発光トランジスタとして用いるときは、ソース電極、ドレイン電極の一方から正孔、もう一方から電子を注入する必要あり、発光性能を向上させるため以下の条件を満たすことが好ましい。
有機薄膜発光トランジスタでは、正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は正孔注入性電極であることが好ましい。正孔注入電極とは上記仕事関数4.2eV以上の物質を含む電極である。
有機薄膜トランジスタは、電子の注入性を向上させるため、好ましくはソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は電子注入性電極であり、さらに好ましくは、一方が正孔注入性であり、且つ、もう一方が電子注入性である電極を備える有機薄膜発光トランジスタである。
尚、電子注入性電極とは上記仕事関数4.3eV以下の物質を含む電極である。
正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方の電極と有機半導体層の間に正孔注入層を挿入することが好ましい。正孔注入層には有機EL素子において、正孔注入材料、正孔輸送材料として用いられるアミン系材料が挙げられる。
電子の注入性を向上させるため、有機薄膜発光トランジスタでは、好ましくはソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方の電極と有機半導体層の間に電子注入性層を挿入し、さらに好ましくは一方の電極に正孔注入層を備え、且つ、もう一方の電極に電子注入層を挿入する。上述の正孔注入層と同じく、電子注入層には有機EL素子に用いられる電子注入材料を用いることができる
本発明の有機薄膜トランジスタを用いた装置とは、本発明の有機薄膜トランジスタを用いる装置であればよく、例えば、回路、パーソナルコンピュータ、ディスプレイ、携帯電話、電子ペーパー等である。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1
下記合成スキームに従って、化合物(8)を合成した。
Figure 2012067051
[中間体A1の合成]
1L四つ口ナス型フラスコに2,6−ジメトキシナフタレン(12.2g,64.8mmol)を秤りとり、系内を窒素置換した後,無水THF(250mL)に溶解させた。反応溶液を0℃に冷却し、1.67Mブチルチリウム/ヘキサン溶液(155mL,259mmol,4.0eq.)を加え,室温に昇温して4時間攪拌した。この反応溶液−78℃に冷却した後、よう素(65.8g,259mmol,4.0eq.)を加え、徐々に昇温して室温で1日攪拌した。反応終了後、水、酢酸エチルを加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A1(4.84g,収率17%)を得た。
中間体A1の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 8.17(s,2H),6.87(s,2H),3.92(s,6H)
[中間体A2の合成]
300mL四つ口ナス型フラスコに中間体A1(4.81g,10.9mmol)、(p−オクチル)フェニルボロン酸(7.0g,30.0mmol.2.8eq.)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.0g,0.865mmol,8mol%)を秤りとり、系内を窒素置換した後、DME(100mL)に溶解させた。1M炭酸ナトリウム水溶液(60mL,60mmol,5.6eq.)を加え、1日加熱還流した。水を加え、有機層をトルエンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A2(3.80g,収率62%)を得た。
中間体A2の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 7.66(s,2H),7.53(d,6Hz,2H),7.21-7.16(m,6H),7.12(d,8Hz,4H),7.08(s,2H),3.81(s,6H),2.64(t,8Hz,4H),1.68-1.62(m,4H),1.32-1.28(m,20H),0.89(t,8Hz,6H)
[中間体A3の合成]
300mL四つ口フラスコに中間体A2(3.8g,6.7mmol)を秤りとり、無水ジクロロメタン(30mL,0.2M)に溶解させた。溶液を氷冷した後、1.0M三臭化ホウ素/ジクロロメタン溶液(16mL,16mmol,2.4eq.)をゆっくり滴下し、1日攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液加えて反応を停止し、塩酸を加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A3(1.0g,28%)を得た。
中間体A3の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 7.59(s,2H),7.46(d,8Hz,4H),7.32(d,8Hz,4H),5.22(s,2H),2.67(t,8Hz,4H),1.68-1.60(m,4H),1.35-1.29(m,20H),0.89(t,8Hz,6H)
[中間体A4の合成]
100mLナス型フラスコに中間体A3(1.0g,1.9mmol)を秤りとり、無水ジクロロメタン(10mL,0.2M)に溶解させた。溶液を氷冷した後、2,4,6−コリジン(1.6mL,12mmol,6.5eq.)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.6mL,9.8mmol,5.3eq.)を加え、1日攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A4(1.2g,80%)を得た。
中間体A4の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 7.98(s,2H),7.90(s,2H),7.45(d,8Hz,4H),7.31(d,8Hz,4H),2.69(t,8Hz,4H),1.65-1.59(m,4H),1.34-1.28(m,20H),0.89(t,8Hz,6H)
[中間体A5の合成]
300mLナス型フラスコに中間体A4(1.2g,1.5mmol)、トリイソプロピルシリルアセチレン(0.80g,4.4mmol,2.9eq.)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.17g,0.15mmol,10mol%)、ヨウ化銅(I)(0.060g,0.31mmol,20mol%)を秤りとり、ジイソプロピルアミン(15mL)、無水トルエン(15mL)に溶解させた。反応溶液を60℃に昇温し、1日攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A5(1.4g,quant.)を得た。尚、この目的物にはトリイソプロピルアセチレンが含まれていた。
中間体A5の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 8.09(s,2H),7.74(s,2H),7.57(d,8Hz,4H),7.26(d,8Hz,4H),3.12(s,2H),2.67(t,8Hz,4H),1.71-1.63(m,4H),1.44-1.29(m,20H),0.89(t,7Hz,6H)
[中間体A6の合成]
200mLナス型フラスコに中間体A5(1.7g,2.0mmol)を秤りとり、無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた。溶液を氷冷した後、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液(6.0mL,6.0mmol,3.0eq.)を加え、1日攪拌した。水を加え、有機層をトルエンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A6(0.6g,56%)を得た。
中間体A6の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 8.09(s,2H),7.74(s,2H),7.57(d,8Hz,4H),7.26(d,8Hz,4H),3.12(s,2H),2.67(t,8Hz,4H),1.71-1.63(m,4H),1.50-1.10(m,44H),0.98(t,7Hz,6H)
[化合物(8)の合成]
200mLナス型フラスコに原料(0.6g,1.1mmol)、塩化白金(14mg,53μmol,5mol%)を秤りとり、無水トルエン(20mL)を加え、80℃で1日、及び100℃で1日攪拌した後、塩化白金(14mg,53μmol,5mol%)を加え、2日間加熱還流した。反応溶液を濃縮し、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィー及び昇華により精製し、化合物(8)(0.1g,17%)を得た。
化合物(8)の同定は、H−NMR(400MHz、CDCl)により行った。結果を以下に示す。
δ 9.32(s,2H),8.78(d,8Hz,2H),8.62(s,2H),7.81(d,8Hz,2H),7.63(s,2H),7.57(d,8Hz,2H),7.53(d,8Hz,2H),2.83(t,8Hz,4H),1.78-1.74(m,4H),1.50-1.30(m,20H),0.89(t,7Hz,6H)
また、化合物(8)のFD−MS(フィールドディソープションマススペクトル)の分析結果を以下に示す。
計算値 C4248=552、 実測値 m/z=552(M,100)
<FD−MS測定>
装置:HX110(日本電子社製)
条件:加速電圧 8kV
スキャンレンジ m/z=50〜1500
得られた化合物(8)について、以下の方法により、酸化安定性を評価した。結果を表1に示す。
化合物(8)1mgを重クロロホルムに溶解させ、この溶液を蛍光灯照射下にて23時間放置し、H−NMRのシグナル積分値により純度を測定した。純度低下が5%未満であれば安定性ありと判断して「○」とし、1%以上であれば安定性なしと判断して「×」とした。
尚、得られた化合物(8)には酸化安定性があることが確認された。
[有機薄膜トランジスタの製造]
ガラス基板を中性洗剤、純水、アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄した後、スパッタ法にて金(Au)を40nm成膜してゲート電極を作製した。次いで、この基板を熱CVD装置の成膜部にセットした。一方、原料の蒸発部には、絶縁体層の原料のポリパラキシレン誘導体[ポリパラ塩化キシレン(Parylene)](商品名;diX−C,第三化成社製)250mgをシャーレに入れて設置した。熱CVD装置を真空ポンプで真空に引き、5Paまで減圧した後、蒸発部を180℃、重合部を680℃まで加熱して2時間放置しゲート電極上に厚さ1μmの絶縁体層を形成した。
次に、上記基板上に真空蒸着装置(ULVAC社製、EX−400)に設置し、絶縁体層上に化合物(8)を0.05nm/sの蒸着速度で50nm膜厚の有機半導体層を成膜した。金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しないソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が75μmになるように形成した。このとき、ソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)を5mmとし、有機薄膜トランジスタを作製した(図3参照)。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に−70Vのゲート電圧Vを印加し、ソース−ドレイン間に電圧を印加して電流を流しところ、正孔が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作した。このときの正孔の電界効果移動度μを下記式(A)より算出したところ、1.04×10−2cm/Vsであった。
=(W/2L)・Cμ・(V−V (A)
(式中、Iはソース−ドレイン間電流、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長、Cはゲート絶縁体層の単位面積あたりの電気容量、Vはゲート閾値電圧、Vはゲート電圧である。)
比較例1
テトラセンの酸化安定性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。また、化合物(8)の代わりにテトラセンを用いた他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012067051
比較例2
2,8−ジメチルテトラセンの酸化安定性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012067051
Figure 2012067051
本発明の化合物は、塗布プロセスへの適用が可能であり、かつ酸化安定性がある有機薄膜トランジスタが得られる。また、本発明の有機電界効果トランジスタは、薄膜ディスプレイのための電子デバイスのような表示用電子機器、プラスチックICカードや情報タグのようなウエアラブル電子機器、バイオセンサのような医療機器や測定装置に用いることができる。
1,2,3,4 有機薄膜トランジスタ
10 基板
11 ソース電極
12 ドレイン電極
13 有機半導体層
14 絶縁体層
15 ゲート電極

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
    Figure 2012067051
    (式中、R〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    但し、R〜R12の全てが水素原子である場合を除く。)
  2. 下記式(2)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
    Figure 2012067051
    (式中、R〜R16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のチオアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、環形成炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、環形成原子数5〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数5〜60のアルキルシリルエチニル基又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    但し、R〜R16の全てが水素原子である場合を除く。)
  3. 請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
  4. 少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層が、請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
  5. 請求項3又は4に記載の有機薄膜トランジスタを備えた装置。
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