JP2010275239A - 新規な縮合芳香環化合物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ - Google Patents

新規な縮合芳香環化合物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ Download PDF

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雅俊 齊藤
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Abstract

【課題】容易に合成可能であり、酸化安定性に優れる有機化合物並びにそれを利用した有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタを提供する。
【解決手段】下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
Figure 2010275239

[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子等であり、Xは、それぞれS、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子であり、Yは、それぞれN又はC−R(Rは前記R〜Rと同様の基を表す。)である。R〜Rの隣接する2つの基は互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよく、また、R同士で互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な縮合芳香環化合物、及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ(有機薄膜発光トランジスタを含む)に関する。さらに詳しくは、大気中に暴露した状態でも電界効果移動度の安定性に優れる有機薄膜トランジスタに関するものである。
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。代表的なTFTは、基板上にゲート電極、絶縁体層、有機半導体層をこの順に有し、有機半導体層上に、所定の間隔をあけて形成されたソース電極及びドレイン電極を有している。有機半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
従来、このTFTは、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、このようなシリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD装置は、非常に高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまうため、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題があった。
このような問題を解決するために、アモルファスや多結晶のシリコンに代えて有機物を用いたTFT(以下、有機TFTと略記する場合がある。)が提案されている。有機物でTFTを形成する際に用いる成膜方法として真空蒸着法や塗布法等が知られているが、これらの成膜方法によれば、製造コストの上昇を抑えつつ素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。このため、有機TFTでは、基板に用いる材料の選択時の制限が少ないといった利点があり、その実用化が期待されており、盛んに研究報告がなされている。
有機TFTに用いる有機物半導体として、p型FET(電界効果トランジスタ)の材料としては、共役系ポリマーやチオフェン等の多量体、金属フタロシアニン化合物、ペンタセン等の縮合芳香族炭化水素等が、単体又は他の化合物との混合物の状態で用いられている。また、n型FETの材料としては、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQD)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)や、フッ素化フタロシアニンが知られている。
一方、同じように電気伝導を用いるデバイスとして有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子がある。有機EL素子では、一般に100nm以下の超薄膜の膜厚方向に10V/cm以上の強電界をかけ強制的に電荷を流しているのに対し、有機TFTの場合には、数μm以上の距離を10V/cm以下の電界で高速に電荷を流す必要があり、有機TFTに用いられる有機物自体に、さらなる電導性が必要になる。しかしながら、従来の有機TFTにおける上記化合物は電界効果移動度が小さく、応答速度が遅く、トランジスタとしての高速応答性に問題があった。また、オン/オフ比も小さかった。
尚、ここで言うオン/オフ比とは、ゲート電圧をかけたとき(オン)のソース−ドレイン間に流れる電流を、ゲート電圧をかけないとき(オフ)のソース−ドレイン間に流れる電流で割った値であり、オン電流とは通常ゲート電圧を増加させていき、ソース−ドレイン間に流れる電流が飽和したときの電流値(飽和電流)のことである。
電界効果移動度が大きく応答速度が早いTFTを得るために、例えば、非特許文献1にはアントラセンにチオフェンを1,2位、3,4位、5,6位、7,8位のそれぞれに縮環した化合物が開示されている。この化合物では、移動度が0.07cm/Vsである。しかしながら、アントラセンの9,10位が水素原子であるため、酸化安定性が高いという問題があった。
また、非特許文献2ではナフタレンの1,2位、3,4位、5,6位、7,8位のそれぞれにチオフェンを縮環した化合物が開示されている。しかしこの文献では、上記化合物が有機トランジスタ材料に適用できることに関して述べられていない。
また、非特許文献3ではクリセンにチオフェンを縮環した構造の合成に関して述べられている。しかし本化合物を得るには、光反応を複数回行う必要があり、そのため目的物の全収率は8%と非常に低いという問題があった。
D.F. Perepichkaら,Chemistry of Materials, 20巻,2484頁,2008年 N. Harritら,Journal of Organic Chemistry, 20巻,6997頁,1996年 山口ら,日本化学会第89春季年会(2009)予稿集1E−1−39
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、容易に合成可能であり、酸化安定性に優れる有機化合物並びにそれを利用した有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、後述する式(1)で表される縮合芳香環化合物は容易に合成でき、また、酸化安定性に優れる化合物であることを見出した。また、この化合物を有機半導体層に用いた有機薄膜トランジスタは、高い移動度を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、有機化合物等が提供される。
1.下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
Figure 2010275239
[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
Xは、それぞれS、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子であり、Yは、それぞれN又はC−R(Rは前記R〜Rと同様の基を表す。)である。
〜Rの隣接する2つの基は互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよく、また、R同士で互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
2.前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rである1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
3.前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがNである1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
4.前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、
〜Rの少なくとも1つとRが互いに連結して、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成する1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
5.前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、
隣接する2つのRが互いに連結して、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成する1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
6.前記式(1)のR〜Rが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基又はシアノ原子である1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
7.少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加する事によって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、
前記有機半導体層が、1〜6のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
8.ソース−ドレイン間を流れる電流を利用して発光し、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する7に記載の有機薄膜トランジスタ。
9.前記ソース電極及びドレイン電極の一方が仕事関数4.2eV以上の物質からなり、他方が仕事関数4.3eV以下の物質からなる7又は8に記載の有機薄膜トランジスタ。
10.前記ソース電極及びドレイン電極と有機半導体層の間にバッファ層を有する7〜9のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
11.上記7〜10のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタを備えた装置。
12.下記式(2)で表される有機化合物。
Figure 2010275239
[式中、R〜R14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。
とR8、とR10、R11とR12、及びR13とR14のうち、0〜3つが互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
13.下記式(3)で表される有機化合物。
Figure 2010275239
[式中、R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。]
14.下記式(4)で表される有機化合物。
Figure 2010275239
[式中、R19〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。
23〜R26の隣接する2つの基は互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
本発明によれば、容易に合成でき、酸化安定性に優れる有機化合物を提供できる。また、高い移動度を有する有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタを提供することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。 本発明の実施例における有機薄膜トランジスタの素子構成を示す図である。
本発明の有機薄膜トランジスタ用化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 2010275239
式(1)で表される化合物は、大気中において酸化されにくく安定である。また、ナフタレンに5員環が縮合した構造は、高い平面性、結晶性を有していることから、これを有機薄膜トランジスタの有機半導体層に用いることで、大気中に暴露した状態でも電界効果移動度の安定性に優れた有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタが得られる。
式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基である。これら各基は置換基を有していてもよい。
Xはそれぞれ、S(硫黄原子)、O(酸素原子)、Se(セレン原子)及びTe(テルル原子)から選択されるいずれかの原子であり、Yは、それぞれN(窒素原子)又はC−R(Rは前記R〜Rと同様の基を表す。)である。
〜Rの隣接する2つの基は互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよく、また、R同士で互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。
式(1)において、Xは、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であると好ましい。即ち、式(1)の化合物は、XがS、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、Yが、(窒素原子)又はC−Rであることが好ましい。
また、式(1)のXは、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、R〜Rの少なくとも1つとRが互いに連結して形成された、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を有する化合物も好ましい。
さらに、XがS、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、隣接する2つのRが互いに連結して形成された、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を有する化合物も好ましい。
式(1)のR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基又はシアノ原子である場合も好ましい。
また、本発明の化合物は下記式(2)〜(4)で表わされる化合物も好ましい。尚、これらの化合物は有機薄膜トランジスタ用に限定されない。
Figure 2010275239
式(2)中、R〜R14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。
とR8、とR10、R11とR12、及びR13とR14のうち、0〜3つが互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。
式(3)中、R15〜R18、及びXは、上述した式(1)のR〜R及びXと同様な基を表わす。
式(4)中、R19〜R26、及びXは、上述した式(1)のR〜R及びXと同様な基を表わす。
23〜R26の隣接する2つの基は、互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。
以下、上述した式(1)〜(4)のR〜R26の示す各基の具体例を説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜30のハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、1−クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、フルオロメチル基、1−フルオロメチル基,2−フルオロメチル基、2−フルオロイソブチル基、1,2−ジフロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、上記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のハロアルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、上記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルアミノ基は、−NHXで表される基であり、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基は−NXで表される基であり、X及びXは、それぞれ上記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。尚、ジアルキルアミノ基のアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成しても良く、環構造としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、上記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、上記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、上記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数1〜30のハロアルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、上記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数3〜30のアルキルシリル基は、−SiXで表される基であり、X、X及びXは、それぞれ上記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基は、上記アルキルシリル基で表される基をエチニレン基で介した基であり、トリメチルシリルアセチレン基、トリエチルシリルアセチレン基、トリイソプロピルシリルアセチレン基等が挙げられる。
炭素数6〜60の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ペリレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。
炭素数1〜60の芳香族複素環基としては、例えば、ジチエノフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾチアジアゾニル基等が挙げられる。
〜Rが連結して形成する芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基としては、前記芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基で説明したものとそれぞれ同様の例が挙げられる。
上記の各基の置換基としては、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。各基の例は上述したR等の基と同様である。
以下、式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
Figure 2010275239
本発明の化合物は、基本的にはp型(正孔伝導)及びn型(電子伝導)を示す両極性であり、後述するソース、ドレイン電極との組み合わせでp型素子としてもn型素子としても駆動することが可能である。
上述した式(1)〜(4)において、R〜R26として電子受容性の基を用いることにより、最低非占有軌道(LUMO)レベルを下げ、n型半導体として機能させることができる。電子受容性の基として好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基である。
また、R〜R26として電子供与性の基を用いることにより、最高占有軌道(HOMO)レベルを上げp型半導体として機能させることができる。電子供与性の基として好ましいものは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アミノ基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)である。
本発明の化合物は、有機薄膜トランジスタに使用する材料として好適である。有機薄膜トランジスタに使用する際は、本発明の化合物を単独で使用し、有機層を形成してもよいし、他の化合物と混合して使用してもよい。
本発明の有機化合物は、公知の方法、例えば、下記の反応(A)に示す低原子価チタンを利用したカップリング反応、及び(B)に示す光環化反応により合成可能である。
Figure 2010275239
(式中、R、R、X及びYは、上述した式(1)と同様な基を表わす。)
トランジスタのような電子デバイスにおいては、材料の純度の高いものを用いることにより電界効果移動度やオン/オフ比の高いデバイスを得ることができる。従って、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華等の手法により精製を加えることが望ましい。これらの精製方法を繰り返し用いたり、複数の方法を組み合わせることにより純度を向上させることが可能である。さらに精製の最終工程として、昇華精製を少なくとも2回以上繰り返すことが望ましい。
これらの手法を用いることにより、液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した純度を90%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは95%以上、特に99%以上とすることが好ましい。高純度な材料を用いることにより、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度やオン/オフ比を高め、本来材料の持っている性能を引き出すことができる。
次に、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成は、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタである。そして、有機半導体層が上述した本発明の化合物を含むことを特徴とする。
トランジスタの構造は、特に限定されず、有機半導体層の成分以外が公知の素子構成を有するものであってもよい。有機薄膜トランジスタの素子構成の具体例を、図を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成の一例を示す図である。
図1の有機薄膜トランジスタ1は、基板10上に、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極11及びドレイン電極12を有する。そして、ソース電極11、ドレイン電極12及びそれらの間の間隙を覆うように有機半導体層13が形成され、さらに、絶縁体層14が積層されている。絶縁体層14の上部であって、かつソース電極11及びドレイン電極12の間の間隙上にゲート電極15が形成されている。
図2の有機薄膜トランジスタ2は、基板10上に、ゲート電極15及び絶縁体層14をこの順に有し、絶縁体層14上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有し、その上に有機半導体層13が形成される。有機半導体層13がチャネル領域を成しており、ゲート電極15に印加される電圧でソース電極11とドレイン電極12の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
図3の有機薄膜トランジスタ3は、基板10上に、ゲート電極15、絶縁体層14及び有機半導体層13をこの順に有し、有機半導体層13上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有する。
図4の有機薄膜トランジスタ4は、基板10上に有機半導体層13を有し、有機半導体層13上に、所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極11及びドレイン電極12を有する。そして、さらに絶縁体層14及びゲート電極15をこの順に有している。
本発明の有機薄膜トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)構造を有している。上述したとおり、電極の位置、層の積層順等によりいくつかの構成がある。有機薄膜トランジスタは、有機半導体層(有機化合物層)と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は本発明の有機薄膜トランジスタを用いる用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
本発明の有機薄膜トランジスタは、上記の素子構成にも、有機薄膜トランジスタとして種々の構成が提案されており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作や増幅等の効果が発現する仕組みであればこれらの素子構成に限定されるものではない。
例えば、産業技術総合研究所の吉田らにより第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集27a−M−3(2002年3月)において提案されたトップアンドボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ(図5参照)や、千葉大学の工藤らにより電気学会論文誌118−A(1998)1440頁において提案された縦形の有機薄膜トランジスタ(図6参照)のような素子構成を有するものであってもよい。
以下、有機薄膜トランジスタの構成部材について説明する。
(有機半導体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層は、上述した本発明の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む。有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると好ましい。
また、有機半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用でき、例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、分子ビーム蒸着、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらを組合せた手段により、前記したような有機半導体層の材料で形成される。
有機半導体層の結晶性を向上させると電界効果移動度が向上するため、気相からの成膜(蒸着,スパッタ等)を用いる場合は成膜中の基板温度を50〜250℃に保持することが好ましい。また、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施すると高性能デバイスが得られるため好ましい。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、1〜10時間であるとさらに好ましい。
本発明において、有機半導体層には、式(1)で示される化合物の1種類を用いてもよく、複数を組み合わせたり、ペンタセンやチオフェンオリゴマー等の公知の半導体を用いて複数の混合薄膜又は積層して用いてもよい。
(基板)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける基板は、有機薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担うものであり、材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET,PES,PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜することもある。
(電極)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。
電極の形成方法としては、例えば、蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等の手段が挙げられる。また、必要に応じてパターニングする方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法がある。
このようにして形成された電極の膜厚は電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。この好ましい範囲内であれば、膜厚が薄いことにより抵抗が高くなり電圧降下を生じることがない。また、厚すぎないため膜形成に時間がかからず、保護層や有機半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜が円滑にできる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、別のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極及びその形成方法としては、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成したもの、特に、導電性ポリマー、又は白金、金、銀、銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料が好ましい。また、溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、水を60質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する溶媒又は分散媒体であることが好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm〜50nm、1nm〜10nmの金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。この金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。これらの金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。このような金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
これらの金属微粒子分散物を用いて直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。前記電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成する。
さらに、別のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましく、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。これらの材料によりソース電極とドレイン電極の有機半導体層との接触抵抗を低減することができる。これらの形成方法もインクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
特にソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、前述した例の中でも有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。この際の電気抵抗は、即ち電流制御デバイスを作製したとき電界効果移動度と対応しており、大きな移動度を得る為には出来るだけ抵抗が小さいことが必要である。これは一般に電極材料の仕事関数と有機半導体層のエネルギー準位との大小関係で決まる。
電極材料の仕事関数(W)をa、有機半導体層のイオン化ポテンシャル(Ip)をb、有機半導体層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a、b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
p型有機薄膜トランジスタの場合には、b−a<1.5eV(式(I))であることが好ましく、さらに好ましくはb−a<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ大きいことものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.0eV以上であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数4.2eV以上である。金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、高仕事関数金属は、主としてAg(4.26,4.52,4.64,4.74eV),Al(4.06,4.24,4.41eV),Au(5.1,5.37,5.47eV),Be(4.98eV),Bi(4.34eV),Cd(4.08eV),Co(5.0eV),Cu(4.65eV),Fe(4.5,4.67,4.81eV),Ga(4.3eV),Hg(4.4eV),Ir(5.42,5.76eV),Mn(4.1eV),Mo(4.53,4.55,4.95eV),Nb(4.02,4.36,4.87eV),Ni(5.04,5.22,5.35eV),Os(5.93eV),Pb(4.25eV),Pt(5.64eV),Pd(5.55eV),Re(4.72eV),Ru(4.71eV),Sb(4.55,4.7eV),Sn(4.42eV),Ta(4.0,4.15,4.8eV),Ti(4.33eV),V(4.3eV),W(4.47,4.63,5.25eV),Zr(4.05eV)である。
これらの中でも、貴金属(Ag,Au,Cu,Pt),Ni,Co,Os,Fe,Ga,Ir,Mn,Mo,Pd,Re,Ru,V,Wが好ましい。金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としてはこれらの高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(I)を満たせば特に制限を受けるものではない。
n型有機薄膜トランジスタの場合にはa−c<1.5eV(式(II))であることが好ましく,さらに好ましくはa−c<1.0eVである。有機半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ小さいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.3eV以下であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数3.7eV以下である。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以下の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、Ag(4.26eV),Al(4.06,4.28eV),Ba(2.52eV),Ca(2.9eV),Ce(2.9eV),Cs(1.95eV),Er(2.97eV),Eu(2.5eV),Gd(3.1eV),Hf(3.9eV),In(4.09eV),K(2.28),La(3.5eV),Li(2.93eV),Mg(3.66eV),Na(2.36eV),Nd(3.2eV),Rb(4.25eV),Sc(3.5eV),Sm(2.7eV),Ta(4.0,4.15eV),Y(3.1eV),Yb(2.6eV),Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba,Ca,Cs,Er,Eu,Gd,Hf,K,La,Li,Mg,Na,Nd,Rb,Y,Yb,Znが好ましい。電極材料としてはこれらの低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(II)を満たせば特に制限を受けるものではない。ただし、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAgやAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が熱くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1um以下にすることが望ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタでは、例えば、注入効率を向上させる目的で、有機半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。バッファ層としてはn型有機薄膜トランジスタに対しては有機ELの陰極に用いられるLiF、LiO、CsF、NaCO、KCl、MgF、CaCO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。また、Alq等有機ELで電子注入層、電子輸送層として用いられる化合物を挿入してもよい。
p型有機薄膜トランジスタに対してはFeCl、TCNQ、F−TCNQ、HAT等のシアノ化合物、CFxやGeO、SiO、MoO、V、VO、V、MnO、Mn、ZrO、WO、TiO、In、ZnO、NiO、HfO、Ta、ReO、PbO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSe等の無機化合物が望ましい。これらの酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。さらにはTPDやNPD等のアミン系化合物やCuPc等有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物二種類以上からなるものが望ましい。
バッファ層はキャリアの注入障壁を下げることにより閾値電圧を下げ、トランジスタを低電圧駆動させる効果があることが知られているが、われわれは、本発明の化合物に対しては低電圧効果のみならず移動度を向上させる効果があることを見出した。これは、有機半導体と絶縁体層の界面にはキャリアトラップが存在しゲート電圧を印加してキャリア注入が起こると最初に注入したキャリアはトラップを埋めるのに使われるが、バッファ層を挿入することにより、低電圧でトラップが埋められ移動度が向上するためである。バッファ層は電極と有機半導体層との間に薄く存在すればよく、その厚みは0.1nm〜30nm、好ましくは0.3nm〜20nmである。
(絶縁体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであるのなら特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子等室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたものが挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
さらに、絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成される。
前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)ベリリウム(Be)マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
本発明において、絶縁体層を上記したような材料で構成すると、絶縁体層中に分極が発生しやすくなり、トランジスタ動作の閾電圧を低減することができる。また、上記材料の中でも、特に、Si、SixNy、SiONx(x、y>0)等の窒化ケイ素で絶縁体層を形成すると、空乏層がいっそう発生しやすくなり、トランジスタ動作の閾電圧をさらに低減させることができる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
その他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
絶縁体層に用いる有機化合物材料、高分子材料として、特に好ましいのは撥水性を有する材料である。撥水性を有することにより絶縁体層と有機半導体層との相互作用を抑え、有機半導体が本来保有している凝集性を利用して有機半導体層の結晶性を高めデバイス性能を向上させることができる。このような例としては、Yasudaら Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 42 (2003) pp.6614−6618に記載のポリパラキシリレン誘導体やJanos Veres ら Chem. Mater., Vol. 16 (2004) pp. 4543−4555に記載のものが挙げられる。
また、図1及び図4に示すようなトップゲート構造を用いるときに、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
前記絶縁体層は、前述したような無機又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよく、これらの積層構造体であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
また、前記絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成として含んでもよい。陽極酸化膜は封孔処理されることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cmで20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
絶縁体層の厚さとしては、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソース−ゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要があり、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
また、絶縁体層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。その好ましい例としては、絶縁体層表面に撥水化処理等を施し絶縁体層と有機半導体層との相互作用を低減させ有機半導体層の結晶性を向上させる方法であり、具体的には、シランカップリング剤、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等の自己組織化配向膜材料を、液相又は気相状態で、絶縁膜表面に接触させ自己組織化膜を形成後、適度に乾燥処理を施す方法が挙げられる。また、液晶の配向に用いられるように、絶縁膜表面にポリイミド等で構成された膜を設置し、その表面をラビング処理する方法も好ましい。
絶縁体層の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報に記載の大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
本発明の有機薄膜トランジスタの形成方法としては、特に限定されず公知の方法によればよいが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、有機半導体層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素等による素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば素子Bの場合は絶縁層に一部ソース電極、ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。また,p型TFT材料の中には一旦大気にふれさせ,酸素等を吸着させることにより性能が向上するものもあるので,材料によっては適宜大気にふれさせる。
さらに、例えば、大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、有機トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
本発明では、ソース電極−ドレイン電極間を流れる電流を利用して発光し、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する有機薄膜発光トランジスタを提供することができる。即ち、有機薄膜トランジスタを発光素子(有機EL)として用いることができる。発光を制御するためのトランジスタと発光素子を統合できるため、ディスプレイの開口率向上や作製プロセスの簡易化によるコストダウンが可能となり実用上の大きなメリットを与える。有機発光トランジスタとして用いるときは、ソース電極、ドレイン電極の一方から正孔、もう一方から電子を注入する必要あり、発光性能を向上させるため以下の条件を満たすことが好ましい。
本発明の有機薄膜発光トランジスタでは、正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は正孔注入性電極であることが好ましい。正孔注入電極とは上記仕事関数4.2eV以上の物質を含む電極である。尚、正孔注入電極の仕事関数の上限は、例えば、7.0eVである。
また、電子の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方は電子注入性電極であることが好ましい。電子注入性電極とは上記仕事関数4.3eV以下の物質を含む電極である。尚、電子注入電極の仕事関数の下限は、例えば、1.8eVである。
さらに好ましくは一方が正孔注入性であり、且つ、もう一方が電子注入性である電極を備える有機薄膜発光トランジスタである。
また、正孔の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方の電極と有機半導体層の間に正孔注入層を挿入することが好ましい。正孔注入層には有機EL素子において、正孔注入材料、正孔輸送材料として用いられるアミン系材料が挙げられる。
また、電子の注入性を向上させるため、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方の電極と有機半導体層の間に電子注入性層を挿入すること好ましい。正孔と同じく電子注入層には有機EL素子に用いられる電子注入材料を用いることができる。
さらに好ましくは一方の電極に正孔注入層を備え、且つ、もう一方の電極に電子注入層を備える有機薄膜発光トランジスタである。
また、本発明の有機薄膜発光トランジスタでは、例えば、注入効率を向上させる目的で、有機半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
合成例1(化合物(9)の合成)
(1)中間体化合物(B)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、化合物(A)10g(50.9mmol)、脱水テトラヒドロフラン120mlを入れた後、アルゴン雰囲気下、−78℃に反応器を冷却した。これに1.6Mノルマルブチルリチウムヘキサン溶液31.8ml(50.9mmol)を加えて、−78℃で1時間撹拌した。その後、反応器にドライアイス片を入れ、−78℃で30分撹拌した後、室温まで昇温し、2時間撹拌した。これに1N塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルにより有機層を抽出、減圧留去することで化合物(B)の粗精製物9.91gを得た。粗精製物のまま次の反応に使用した。
(2)中間体化合物(D)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、化合物(B)9.91g(41.2mmol)、脱水クロロホルム80mlを入れた後、アルゴン雰囲気下で撹拌した。これに塩化チオニル9.81g,ピリジン0.350gを加えた後、60℃で加熱撹拌した。これをそのまま減圧留去して化合物(C)の粗精製物を得た。
アルゴン雰囲気下、1リットル三口フラスコに化合物(A)7.28g(37.1mmol)、塩化アルミニウム14.9g(111.3mmol)、1,2−ジクロロエタン200mlを加え、0℃に冷却した。これに、化合物(C)の1,2−ジクロロエタン溶液50mlを加え、反応器を室温に昇温し、6時間撹拌した。これを0℃に冷却し、水を100ミリリットル加え、有機層をジクロロメタンにより抽出、減圧留去することで化合物(D)の粗精製物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)により精製することで化合物(D)9.16g(21.9mmol、収率60%)を得た。
(3)中間体化合物(E)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、四塩化チタン10.8g(57.3mmol)、亜鉛粉5.62g(86.0mmol)を加えて脱水テトラヒドロフラン100mlを入れた後、アルゴン雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。1時間後、得られた黒色の溶液に化合物(D)8.00g(19.1mmol)を加え、80℃で12時間加熱撹拌した。これを氷水に注ぎ、濃塩酸50mlを加えた後、ろ過することにより化合物(E)の粗精製物6.15g(7.64mmol)を得た。
(4)化合物(9)の合成
Figure 2010275239
一口フラスコに化合物(E)5.00g(6.21mmol)、ヨウ素0.078g(0.311mmol)、トルエン(50ミリリットル)を加えて、10時間室温にて、水銀ランプに照射した。反応終了後、メタノールを加えた後、ろ過をすることで、化合物(9)の粗精製物を得た。
得られた粗精製物を乾燥させ、昇華精製(280℃)で精製し、化合物(9)2.49g(3.11mmol,収率50%)を得た。FD−MS(フィールドディソープションマス分析)の測定により目的物であることを確認した。FD−MSの測定結果を以下に示す。
<FD−MS>
装置:HX110(日本電子社製)
条件:加速電圧 8kV
スキャンレンジ m/z=50〜1500
FD−MS,calcd for C2618=800,found,m/z=800(M+,100)
合成例2(化合物(139)の合成)
(1)化合物(F)の合成
Figure 2010275239
合成例1にて合成した化合物(9)を用い、化合物(F)を合成した。三口フラスコに化合物(9)5.00g(6.24mmol)、N−メチルホルムアニリド 1.01g(7.49mmol)、オキシ塩化リン 1.15g(7.49mmol)を加え、反応器を100℃で加熱撹拌した。30分後反応器を冷却し、酢酸ナトリウム水溶液により中和した。有機層をジエチルエーテルにより抽出し、塩酸,炭酸ナトリウム水溶液により洗浄し、化合物(F)の粗精製物3.51gを合成した。これをそのまま次の反応に用いた。
(2)化合物(139)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、四塩化チタン2.17g(11.5mmol)、亜鉛粉0.96g(14.7mmol)を加えて脱水テトラヒドロフラン50mlを入れた後、アルゴン雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。1時間後、得られた黒色の溶液に化合物(F)3.51g(3.84mmol)を加え、80℃で12時間加熱撹拌した。これを氷水に注ぎ、濃塩酸50mlを加えた後、ろ過することにより化合物(139)の粗精製物1.71g(2.01mmol)を得た。得られた粗精製物を乾燥させ、昇華精製(380℃)で精製し、化合物(139)1.21g(1.42mmol,収率37%)を得た。FD−MS(フィールドディソープションマス分析)の測定により目的物であることを確認した。FD−MSの測定結果を以下に示す。
FD−MS,calcd for C2618=848,found,m/z=848(M+,100)
合成例3(化合物(43)の合成)
(1)化合物(G)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、化合物(H) 12.0g(106.1mmol)、5−トリメチルシリルチアゾール 16.7g(106.1mmol)、ジクロロメタン 100mlを加え、室温にて24時間撹拌した。反応器を減圧留去し、得られた粗精製物をカラムクログラフィーにて精製することで、化合物(G)を得た。このとき、不純物として得られたアルコール体はクロム酸酸化により、化合物(G)とした。
(2)化合物(I)の合成
Figure 2010275239
1リットル三口フラスコに、四塩化チタン14.4g(76.4mmol)、亜鉛粉7.38g(113mmol)を加えて脱水テトラヒドロフラン200mlを入れた後、アルゴン雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。1時間後、得られた黒色の溶液に化合物(G)5.00g(25.4mmol)を加え、80℃で12時間加熱撹拌した。これを氷水に注ぎ、濃塩酸50mlを加えた後、ろ過することにより化合物(I)の粗精製物3.89g(10.7mmol)を得た。
(3)化合物(43)の合成
Figure 2010275239
一口フラスコに化合物(I)3.89g(10.7mmol)、ヨウ素0.136g(0.536mmol)、トルエン(50ミリリットル)を加えて、10時間室温にて、水銀ランプに照射した。反応終了後、メタノールを加えた後、ろ過をすることで、化合物(43)の粗精製物を得た。
得られた粗精製物を乾燥させ、昇華精製(240℃)で精製し、化合物(43)1.34g(3.76mmol,収率35%)を得た。FD−MS(フィールドディソープションマス分析)の測定により目的物であることを確認した。
FD−MSの測定結果を以下に示す。
FD−MS,calcd for C2618=355,found,m/z=355(M+,100)
実施例1(有機薄膜トランジスタの製造)
図7に示す有機薄膜トランジスタを以下の手順で作製した。
まず、Si基板10(P型比抵抗1Ωcmゲート電極15兼用)を熱酸化法にて表面を酸化させ、基板上300nmの熱酸化膜を作製して絶縁体層14とした。さらに、基板の一方に成膜したSiO膜をドライエッチングにて完全に除去した後、スパッタ法にてクロム層21aを20nmの膜厚で成膜し、さらにその上に金(Au)層21bを100nmスパッタにて成膜し取り出し電極21とした。この基板を、中性洗剤、純水、アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄し、さらにオゾン洗浄を行った。
次に、上記基板をヘキサメチルジシラザン雰囲気下で3時間加熱することにより、基板の表面処理を行った。この表面処理を行った基板を真空蒸着装置(ULVAC社製、EX−400)に設置し、絶縁体層14上に化合物(9)を0.05nm/sの蒸着速度で50nm膜厚の有機半導体層13として成膜した。次いで、金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しないソース電極11及びドレイン電極12を、間隔(チャンネル長L)が75μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した(図7)。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に−70Vのゲート電圧Vを印加し、ソース−ドレイン間に電圧を印加して電流を流した。この場合、正孔が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作した。電流飽和領域でのソース−ドレイン電極間の電流のオン/オフ比は2×10であった。また、正孔の電界効果移動度(キャリア移動度)μを下記式(A)より算出したところ8.1×10−2cm/Vsであった。
=(W/2L)・Cμ・(V−V (A)
式中、Iはソース−ドレイン間電流、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長、Cはゲート絶縁体層の単位面積あたりの電気容量、Vはゲート閾値電圧、Vはゲート電圧である。
さらに本発明で得られた有機薄膜トランジスタの特性の大気中安定性を調べるために、このデバイスを作製した日から7日間大気中に保管した後に、そのドレイン電流・ドレイン電圧特性を再度測定してキャリア移動度を計算したところ、8.0×10−2cm/Vsという値が得られ、キャリア移動度がほとんど劣化しないことがわかった。
比較例1(有機薄膜トランジスタの製造)
実施例1において、化合物(X)の代わりに以下の比較化合物(1)を用いて有機薄膜トランジスタを作製した。得られたトランジスタの特性はp型で、キャリア移動度は1.9×10−2cm/Vsという高い移動度を示したが、大気中に7日間保管した後のキャリア移動度は2.3×10−3cm/Vsと1桁も低下した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2010275239
Figure 2010275239
以上詳細に説明したように、本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体層の材料として合成容易な化合物を用いており、また、大気中での安定性が高い。
1,2,3,4,5,6 有機薄膜トランジスタ
10 基板
11 ソース電極
12 ドレイン電極
13 有機半導体層
14 絶縁層
15 ゲート電極

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表わされる有機薄膜トランジスタ用化合物。
    Figure 2010275239
    [式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    Xは、それぞれS、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子であり、Yは、それぞれN又はC−R(Rは前記R〜Rと同様の基を表す。)である。
    〜Rの隣接する2つの基は互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよく、また、R同士で互いに連結し、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
  2. 前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rである請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
  3. 前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがNである請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
  4. 前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、
    〜Rの少なくとも1つとRが互いに連結して、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成する請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
  5. 前記式(1)のXが、S、O及びSeから選択されるいずれかの原子であり、YがC−Rであり、
    隣接する2つのRが互いに連結して、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成する請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
  6. 前記式(1)のR〜Rが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基又はシアノ原子である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ用化合物。
  7. 少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加する事によって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体層が、請求項1〜6のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ用化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
  8. ソース−ドレイン間を流れる電流を利用して発光し、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 前記ソース電極及びドレイン電極の一方が仕事関数4.2eV以上の物質からなり、他方が仕事関数4.3eV以下の物質からなる請求項7又は8に記載の有機薄膜トランジスタ。
  10. 前記ソース電極及びドレイン電極と有機半導体層の間にバッファ層を有する請求項7〜9のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタを備えた装置。
  12. 下記式(2)で表される有機化合物。
    Figure 2010275239
    [式中、R〜R14は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。
    とR8、とR10、R11とR12、及びR13とR14のうち、0〜3つが互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
  13. 下記式(3)で表される有機化合物。
    Figure 2010275239
    [式中、R15〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。]
  14. 下記式(4)で表される有機化合物。
    Figure 2010275239
    [式中、R19〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜60のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成していてもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、炭素数5〜30のアルキルシリルアセチレン基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
    Xは、S、O、Se及びTeから選択されるいずれかの原子である。
    23〜R26の隣接する2つの基は互いに連結し炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜60の芳香族複素環基を形成してもよい。]
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